JP2003215300A - 電子線照射装置 - Google Patents

電子線照射装置

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JP2003215300A
JP2003215300A JP2002017845A JP2002017845A JP2003215300A JP 2003215300 A JP2003215300 A JP 2003215300A JP 2002017845 A JP2002017845 A JP 2002017845A JP 2002017845 A JP2002017845 A JP 2002017845A JP 2003215300 A JP2003215300 A JP 2003215300A
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Japan
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electron beam
conveyor
irradiation
irradiated
wall
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JP2002017845A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshizumi
啓 吉住
Naoki Hisanaga
直樹 久永
Takashi Yamakawa
隆 山川
Yuuichirou Shinnou
祐一郎 神納
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の小型化を図りつつ両面照射を可能とし
て既存の生産ラインに電子線照射装置を組み込むことが
容易な装置(システム)の提供。 【解決手段】コンベアを搬送される被照射物に電子線を
照射して滅菌処理を施す走査ホーンを含む電子線走査部
が、遮蔽壁で包囲された滅菌室内に設けられた電子線照
射装置であって、コンベア流れ方向に沿って位置をずら
してコンベアを挟んでその両側に電子線走査部を収納す
る凹部空間を前記照射壁のコンベアと対面する側を開口
させて形成するとともに、該2つの凹部空間内に夫々電
子線走査部を収納してコンベア上を搬送される被照射物
の側方方向より位置差を持たせて照射可能に構成し、前
記位置差を持たせた2つの凹部収納空間に対面するコン
ベアの電子線照射区域の入口側と出口側とともに、該2
つの凹部収納空間の間に位置するコンベア搬送空間上に
遮蔽壁を配置する。場合遮蔽壁は固定でも、搬送するコ
ンベア上若しくはトレイの両側に形成しても良い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用器具、飲食
物容器等に電子線を照射して滅菌等の初期の目的を達成
する電子線照射装置であって、複数種の被照射物を単一
のラインで照射及び滅菌処理可能な電子線照射装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】医療用器具、飲食物容器等の製品は、製
品として出荷するために十分な殺菌等の処理が施されて
いることが条件となっている。これらの滅菌方法には様
々な方法が用いられているが、その中でも、処理時間が
短い、連続処理が可能である、透過力が高い、等の利点
から電子線照射滅菌方法が普及している。
【0003】かかる電子線照射滅菌方法に用いられてい
る電子線照射装置は、電子線を生成して被照射物に照射
する電子線加速器系統、被照射物を電子線照射領域まで
搬送するコンベア等の搬送系統、該電子線照射により発
生する放射線の外部への漏洩防止用遮蔽壁等の放射線遮
蔽系統から構成されている。
【0004】一方、中空糸からなる人工透析装置や人工
肺などの人工臓器と呼ばれる医療用具は、立体的で複雑
な形状を有している。そのためこのような各部位の面密
度の違いが大きく、電子線照射時に一製品中の線量分布
(最大線量と最小線量との比)が大きくなり、その値が
大きいほど、安全性、製品管理、性能等に問題を生じて
いた。この為、照射による線量分布のバラツキを抑える
ために、表裏両面から電子線を照射する両面照射方式が
必要となる。
【0005】図7に、特開2000−14750に開示
された従来の両面照射方式の電子線照射装置の概略水平
断面図を示す。かかる装置は、被滅菌室50内に往路コ
ンベア51a、復路コンベア51b、折り返しコンベア
51cからなるコンベア機構と、前記往路コンベア51
a、復路コンベア51bの途中に設けられた電子線加速
器53a、53bと、折り返しコンベア51cに設けら
れた反転機構52と、メンテナンス通路54a、54b
と、前記滅菌室50の中央部に位置する中央遮蔽壁55
とから構成される。このように、前記コンベアに沿って
滅菌室50内にメンテナンス通路54a、54bとを設
け、前記電子線加速器53a、53bの収容室を十分に
とることでメンテナンス作業を容易に行うことが出来
る。
【0006】しかしながら、前記したように、従来の電
子線照射装置は電子線照射により発生する放射線を外部
へ漏洩させないように2回以上の反射偏向が必要とさ
れ、前記遮蔽壁内が迷路構造となっているのみならず、
前記コンベアによる周回路を設けても前記電子線加速器
53a、53bの間に反転機構を設ける必要があり、結
果としてコンベア周回路全体が無用に長くなるのみなら
ず、コンベア周回路ほぼ全体を遮蔽壁で覆うために、装
置全体が大型化する。この結果、前記電子写真照射装置
を既存の生産ライン上への設置が困難となる上に工場の
レイアウト変更等に容易に対応出来ず、小型化が切望さ
れていた。
【0007】一方、米国特許第6,191,424号に
は、生産ライン上に容易に設置可能である小型化された
インライン型電子線照射装置が提案されている。図6
に、かかる発明における電子線照射装置を示す。該電子
線照射装置の構成は、コンクリート等からなる第1の遮
蔽手段018、前記第1の遮蔽手段018の空間021
に設置される電子線照射装置019、被照射物を搬送す
るためのコンベアシステム020、前記第1の遮蔽手段
に設けられた搬送経路022、被照射物を載置するコン
テナ023、前記コンテナが搬送されるトラック024
からなる。
【0008】前記コンテナ023は、前記被照射物を搬
送するとともに、その前後に壁が配され第2の遮蔽手段
として放射線の散乱を防止する機能を併せ持つ。さら
に、前記電子線照射装置設置空間及び前記コンベアシス
テム配置空間を最小限の大きさとし、放射線が前記空間
とコンテナ023との隙間から外部に漏れることのない
ように構成されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記米国
特許第6,191,424号に記載の発明は、片面照射で
あり両面照射でないために、医療用具等の立体的な複雑
な形状に対応できない。然も、本従来技術はコンベア上
面よりの片面照射であるために、コンベアに直接電子線
が照射され、コンベアの劣化や放射化が生じてしまうと
いう欠点を有する。又、前記装置においては、作業用の
空間が十分に確保されておらず、装置本体に不具合等が
発生した場合には復旧に非常に時間を要するという問題
があった。
【0010】そこで、本発明はかかる従来技術の問題に
鑑み、面密度の大きい医療機器や食料品等の立体的な被
照射物若しくは複数の物品を収納した段ボール箱等の収
納箱に1〜10MeVの高エネルギの電子線を照射して
滅菌する場合に、装置の小型化を図りつつ両面照射を可
能として更には既存の生産ラインに電子線照射装置を組
み込むことが容易な装置(システム)を提供することを
目的とする。又、本発明の他の目的は、1〜10MeV
の高エネルギの電子線を照射して両面照射型滅菌装置を
構成する場合に電子線の外部への漏洩や電子線照射装置
の劣化若しくは破壊が生じないようにした電子線照射装
置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明はかかる
課題を解決するために、コンベア上を搬送される被照射
物に電子線を照射して滅菌処理を施す走査ホーンを含む
電子線走査部が、遮蔽壁で包囲された滅菌室内に設けら
れた電子線照射装置であって、コンベア流れ方向に沿っ
て位置をずらしてコンベアを挟んでその両側に電子線走
査部を収納する凹部空間を、前記照射壁のコンベアと対
面する側を開口させて形成するとともに、該2つの凹部
空間内に夫々電子線走査部を収納して、コンベア上を搬
送される被照射物の側方方向より位置差を持たせて照射
可能に構成したことを特徴とする。
【0012】本発明を具体的に説明する。被照射物への
両面照射に場合に、コンベアを挟んで2つの電子線走査
部を対面配置すると、互いに他側走査部よりの電子線が
照射されて夫々の電子線走査部が破壊されてしまう。そ
こで被照射物に扇状に走査される2つの電子線走査部を
対面配置することなくコンベア搬送方向に位置差を持た
せて且つ前記照射壁のコンベアと対面する側を開口させ
た凹部空間内に収納配置したことを第1の特徴とする。
更に、本発明の第2の特徴とするところは、コンベア上
を搬送される被照射物の側方方向より位置差を持たせて
照射可能に構成したことにある。
【0013】これによりコンベア上面より直接電子線が
照射されることが避けられ、コンベアの劣化や放射化の
程度が大幅に小さくなるとともに、コンベアの左右両側
に凹部空間を形成することで、後述する実施例に示すよ
うに、電子線走査部を架台に載置して保守点検の際の移
動も容易となり可動性が向上する。
【0014】しかしながら、このような構成のみではコ
ンベアを挟んでその両側に電子線走査部を近接させて配
置すると前後の凹部空間に挟まれるコンベア搬送空間内
を電子線が反射して他側の走査部に当たり、電子線走査
部の劣化や破壊が生じる恐れがある。更に電子線漏洩の
防止のために、遮蔽空間入口側、出口側と凹部空間まで
及び、前後の凹部空間に挟まれるコンベア搬送空間を2
回以上偏向させる迷路構造が必要となって大型化が避け
られない。
【0015】そこで請求項2記載の発明は、前記位置差
を持たせた2つの凹部収納空間に対面するコンベアの電
子線照射区域の入口側と出口側とともに、該2つの凹部
収納空間の間に位置するコンベア搬送空間上に遮蔽壁を
配置したことを特徴とする。この場合、遮蔽壁は固定で
も良く、又搬送するコンベア上若しくはトレイの両側に
形成しても良い。
【0016】これにより電子線照射区域のみを遮蔽空間
として、他のコンベア搬送領域をオープンな空間にして
も電子線照射により発生する放射線を外部へ漏洩させな
いように構成できる。言い換えれば、電子線を照射して
滅菌処理を施す走査ホーンを含む電子線走査部を囲む、
限定した領域のみを遮蔽壁構造で構成すれば良く、これ
により1〜10MeVの高エネルギの電子線を照射して
滅菌する場合においても、遮蔽壁構造を含む装置システ
ム全体の小型化を図りつつ、然も米国特許の従来技術と
異なりコンベアを挟んでその両側に電子線走査部を近接
させて配置した場合においてもコンベア搬送空間内を電
子線が反射して他側の走査部に当たる恐れを解消できる
とともに、他側の電子線走査部の劣化や破壊が生じる恐
れを解消できる。
【0017】又本発明によれば、両面照射が可能にして
且つ遮蔽壁構造が小型に出来るために、既存の(電子線
照射システム以外の滅菌システムの)生産ラインを利用
して電子線照射システムを組み込むことが容易となる。
【0018】特に本発明は前記電子線走査部を移動自在
に形成するとともに、該電子線走査部と滅菌室外部との
間に位置する遮蔽壁を可動とし、該可動壁の開放により
前記電子線走査部を前記滅菌室外部へ移動可能とすれ
ば、電子線走査部を容易に滅菌室外部へ引き出して作業
ができるため作業の高効率化を図ることができ、また、
前記遮蔽壁内にメンテナンス用に作業員が侵入する空間
を設ける必要がないために前記電子線照射装置のより一
層の小型化が可能となる。すなわち、コンベアが配設さ
れている遮蔽壁内空間を進行方向に略垂直面に分断する
ように鉛、鉄等からなる遮蔽板等の遮蔽手段を設けて放
射線の散乱を防止する電子線照射装置の構成から滅菌室
内に作業用空間を設けることは困難であるため、前記電
子線走査部を滅菌室外部に取り出し易い構成とすること
で前記小型化された電子線照射装置のメンテナンスを効
率化している。
【0019】この場合に、請求項3に記載のように、前
記コンベアが2つの直線ラインを含む無端周回状(長円
状の周回空間)に形成するとともに、該一の直線ライン
に前記位置差を持たせた2つの凹部収納空間を対面させ
て電子線両面照射部(この部分は遮蔽壁構造)として形
成するとともに、他側の直線ラインに被照射物の搬入及
び搬出部を設けるのがよい。
【0020】これにより、電子線両面照射部のみを遮蔽
壁構造として形成、他の部分をオープン領域に形成でき
るとともに、被照射物の搬入及び搬出部が他側の直線ラ
インに形成されているために、流れ作業により効率よく
搬出入できるとともに、特にコンベアラインを長円状に
形成した場合に、有人となる必要がある被照射物の搬入
及び搬出部が、遮蔽壁構造の背面側に位置するために、
作業者に電子線が照射されることなく安全である。
【0021】請求項4は、前記構成を具体化したもの
で、前記コンベアが2つの直線ラインを含む無端周回状
に形成するとともに、該一の直線ラインに前記位置差を
持たせた2つの凹部収納空間を対面させて電子線両面照
射部として形成するとともに、前記照射壁が該電子線両
面照射部を囲撓するコンベアの直線ライン部のみに形成
されていることを特徴とする。
【0022】請求項5は、前記被照射物が複数品種の被
照射物若しくは複数種の収納箱であって、これらを前記
コンベア上にグルーピング化して順次搬送されるように
被照射物の搬入部に配列し、例えば請求項6に記載のよ
うに、前記コンベアー上にトレイを載置させて、被照射
物を搬送させるとともに、該トレイがグルーピング化し
た被照射物種類に合わせて複数種用意されていることを
特徴とする。
【0023】かかる装置によれば、極めて高額な電子線
照射装置の汎用化が可能となり、然もトレイによって被
照射物が判別出来、また、複数品種の被照射物若しくは
収納箱単位で、コンベアの搬送速度を調整して、適正な
電子線強度で被照射物を滅菌できるとともに、誤って別
な被照射物をトレイ上に搭載したり、又誤ったコンベア
速度に設定することがない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例
に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相
対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明
の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に
過ぎない。本実施形態において、電子線走査部は加速エ
ネルギが10MeVの大型機から1MeVの小型機まで
使用可能で、設置面積、被照射物種類、大きさ等により
選択する。また、本実施形態において滅菌処理される被
照射物は、手術着、輸液バッグ等の医療用器具、ペット
ボトル等の飲料用容器等特に限定されず、連続処理され
る工程において製品種類が変化しても構わない。
【0025】図1は本発明の実施形態における電子線照
射装置を含むシステムの全体構成を示す平面図である。
図2は本発明の第1実施形態にかかる電子線照射装置の
平面図、図3は本実施形態にかかる電子線照射装置の側
面図である。、まず、図1に示される平面図から本実施
形態の全体のシステム構成について説明する。かかる電
子線照射装置は、被照射物の搬入と排出を行うために後
記する搬送コンベア12の1の直線路12B上に沿って
直線状に配置した搬入ベルトコンベア25A及び排出ベ
ルトコンベア25Bと、後記する搬送コンベア12の1
の直線路12B上に配置したプッシャ27及びプラー2
6からなる搬出入手段と、前記ベルトコンベア25から
被照射物30を授受して照射領域を経て搬送するため
に、長円状の周回路を無端状に形成し、平行に2つの直
線路12B、12Aを有する搬送コンベア12とからな
る搬送システム、前記ベルトコンベア12の他の直線路
12A上に配置した一対の電子線走査部10A、10B
からなる照射システム、前記電子線走査部10A、10
B及び搬送コンベア12の直線路12A部分とを包囲す
るように放射線の漏洩を防止する遮蔽壁14及び可動壁
15からなる遮蔽壁構造より構成される。
【0026】前記搬送システムにて、前記ベルトコンベ
ア25A、25Bは、被照射物30である製品の生産ラ
インの別工程に連結され、搬送される被照射物30はプ
ッシャ27により楕円状トラック型の搬送コンベア12
に移載される。該長円状の搬送コンベア12は被照射物
30を周回させて、該搬送コンベア12直線路12Aよ
り遮蔽壁14内に侵入して該遮蔽壁14内の直線路12
Aに対面して設けられた電子線走査部10A、10Bに
より両面滅菌処理が施される。
【0027】そして電子線照射部区域として機能する遮
蔽壁14は、コンベア12の直線路12Aの流れ方向に
沿って位置をずらしてコンベア12を挟んでその両側に
電子線走査部を収納する凹部空間140、141を、前
記照射壁のコンベア12と対面する側を開口させて形成
するとともに、該2つの凹部空間140、141内に夫
々電子線走査部を収納して、コンベア12上を搬送され
る被照射物の側方方向より位置差を持たせて照射可能に
構成される。さて、図2には前記電子線照射区域の要部
構造が示されている。10A、10Bは被照射物に電子
線を照射して滅菌処理を施す電子線走査部、11は該電
子線走査部が載置された架台で、該架台下部にキャスタ
等の可動手段を備え前記電子線走査部10A、10Bを
可動可能に構成している。
【0028】前記搬送コンベア12上には遮蔽手段であ
る遮蔽板13が、後述するトレイ31長さより大なる間
隔で、所定間隔毎に多数立設配置されている。かかる遮
蔽板13は、鉛、鉄等の放射線透過力の低い材料で形成
され、遮蔽壁14内でコンベア12通路方向への放射線
の漏洩を防ぐ機能を果している。この遮蔽板13の間隔
設定は、前記位置差を持たせた2つの凹部空間140、
141の間、及び遮蔽壁14の電子線照射区域の入口側
と出口側に位置するコンベア搬送空間上に少なくとも前
記遮蔽板13が位置するように間隔設定を行う。
【0029】前記凹部空間140、141に収納された
電子線走査部10A、10Bは、キャスタ付きの架台1
1に載置、固定され、さらに前記可動壁15にその後部
側面が固設されている。前記可動壁15にもキャスタ等
の移動手段が設置されており、一体化された可動壁15
及び架台11に載置された電子線走査部10A、10B
は、図2に示すように滅菌室から容易に引き出し可能な
構成となっている。
【0030】そして、前記架台11に載置された電子線
走査部10A、10B、及び前記コンベア12を、コン
クリート等の遮蔽効果を有する遮蔽壁14で包囲してい
る。かかる遮蔽壁14は、前記したようにコンベア12
を挟んでその両側に電子線走査部を収納する凹部空間1
40、141を形成している。又、電子線走査部10
A、10Bが収納された凹部空間140、141の背面
側に位置し、外部との間の遮蔽壁14を開閉可能に構成
している遮蔽壁14の開閉部分の可動壁15は、本実施
例においては架台11と一体的に構成し、架台11の移
動に同期して一体的に開閉可能に構成しているが、スラ
イド式に横方向に開閉する形式、可動壁15を片側開き
の扉とする形式等、前記電子線走査部10A、10Bを
搬入出可能な開口部を形成できるものであれば特に限定
されない。また、前記可動壁15は前記遮蔽壁と異なっ
た材質で形成しても良く、例えば鉛、鉄等の重金属を使
用すると、前記遮蔽壁部分に多く用いられるコンクリー
トよりも肉厚を小さくすることが出来る為、可動壁部分
を移動し易い。
【0031】図2に示す実施形態において、A側に位置
する電子線走査部10Aは、前記可動壁15の開放状態
を示し、B側に位置する電子線走査部10Bは閉鎖状態
を示している。前記可動壁15には、センサを配設して
該可動壁15がA側の開放状態にある場合には電子線走
査部10A、10Bが動作しないようにすると良い。ま
た、前記可動壁15と前記遮蔽壁14との接合面はL字
形の段差部をもたせて矩形構造を有し、放射線が滅菌室
外部へ漏洩しないようにする。
【0032】ここで、図3の側面図を用いて電子線走査
部10A、10Bの構成を簡単に説明する。かかる電子
線走査部は、クライストロン22及び電子銃29ととも
に、加速管21部により高圧パルスを加速する加速部2
0、加速部20より生成された加速高周波電子線を偏向
スキャンして被照射物にスキャン照射する電子線照射ホ
ーン21からなり、前記加速された電子線は不図示の収
束電磁石によって収束し、細径化されて高密度化したエ
ネルギを保持した状態で偏平角錐台状の照射ホーン21
に導入される。該照射ホーン21は入口側に具えられた
走査電磁石により変更走査され、被照射物に適した線量
で電子線照射を行うように構成される。そして本実施例
においては該クライストロン22や電子銃を駆動するた
めの高圧電源23を前記凹部空間140、141に一体
的に収納しているが、本発明を電子線走査部10A、1
0Bという言葉に限定したのは、クライストロン22や
電子銃を駆動するための高圧電源23を必ずしも同一凹
部空間140、141に収納せず、遮蔽壁区域外若しく
は該区域内の別空間に配置しても良いからである。
【0033】かかる電子線照射装置は、底部にキャスタ
17を具えた架台11の後端部と可動壁15とが固設さ
れ、一体化して移動可能に構成されている。
【0034】次に本発明の第2実施形態を図4及び図5
に基づいて説明する。本実施形態の遮蔽板13’は、図
4及び図5に示されるように被照射物載置トレイ31の
搬送方向前側と後側に立設させて構成している。図4
は、前記照射システム部分を含む搬送設備の断面図を表
わしている。図4において、コンクリート等の遮蔽材で
形成された遮蔽壁14には、前記電子線走査部の収納空
間としての凹部空間140、141が点線で示す位置に
設けられ、前記搬送コンベア12を配設するための搬送
通路19が直線状に貫通しているが、コンベア12上に
載置搬送されるトレイ31A、31B、31Cの前後に
立設させた遮蔽板13により、前記位置差を持たせた2
つの凹部空間140、141の間と遮蔽壁14の電子線
照射区域の搬送通路19入口側と出口側に位置するコン
ベア12搬送空間上に前記遮蔽板13が位置するように
間隔設定されている。
【0035】そして、前記搬送コンベア12上には、被
照射物30a、30b、30cを夫々載置した複数のト
レイグループ31A、31B、31Cが図1の矢印方向
に搬送されている。本実施形態のように、別の製造工程
と連結されたインライン型電子線照射装置では、滅菌処
理される製品である被照射物30a、30b、30cは
少量で多品種である場合が多く、このため本実施形態で
は被照射物の種類毎に異なる固定手段を設けたトレイ3
1A、31B、31Cを用いて異なる品種においても誤
りなくトレイ上に搭載され、然も安定して照射できるよ
うな構成としている。尚、電流量制御手段、若しくは前
記搬送コンベア12に搬送速度制御手段等を設けて、被
照射物30a、30b、30cの種類、大きさにより電
子線のエネルギー値及び照射量を適宜調整することが好
ましい。
【0036】前記搬送トレイ31A、31B、31Cの
形状を図5に示す。かかる搬送トレイ31A、31B、
31Cは、鉛、鉄等で形成される遮蔽板13をその前後
部に立設し、底部を該遮蔽板13’と同様に放射化し難
い材質の板で形成する。尚、前記遮蔽板13’は放射線
の散乱を防止するために放射線が透過しない程度の肉厚
を要するが、上下方向の放射線の透過を防止する必要は
ないため、前記底部板は耐久性が保たれる肉厚とすれば
良い。
【0037】そして、前記遮蔽板13’には、被照射物
30a、30b、30cを固定するための支持具36を
設ける。かかる支持具36a、36b、36cは前記搬
送トレイ31A、31B、31Cに配設されるもので、
該トレイ31A、31B、31Cの遮蔽板13’に設け
ても底面部に設けても良いことは勿論である。
【0038】図5は、実際に前記搬送トレイ31A、3
1B、31Cに被照射物30a、30b、30cを載置
したときの側面図を示し、(a)は搬送トレイ31Aに
載置した被照射物30aを脱落防止用金網36aにより
固定した場合、(b)は三角形状の支持具36bにより
固定した場合、(c)は支持具36cにより固定した場
合の搬送トレイ31A、31B、31Cを表わしてい
る。前記脱落防止用金網36aは、前記搬送トレイの少
なくとも一側面に設けられ、前記遮蔽板13’ととも
に、被照射物30aの少なくとも3面を包囲するように
形成され、前記搬送コンベア12の搬送に伴う脱落を防
止することが出来る。このとき、前記トレイ底面を前記
金網側に傾斜させておくと、重力により被照射物30a
が金網側に片寄り、被照射物30aのトレイ31A内で
の移動を防ぐことが出来る。
【0039】また、前記脱落防止用金網を前記搬送トレ
イ31Aの両側面に設けて、上部から被照射物30aを
載置することにより、該被照射物30aの脱落を防止す
ることも可能である。図5(b)は、前記支持具36c
を三角形の下側二辺を支持するように左右両側より斜め
上方に向けて設置した場合で、図で示す被照射物30b
のように、底面が不安定である場合に用いると良い。さ
らに、図5(c)はエアシリンダ等の圧接支持具36c
を用いた場合で、これにより、より確実に被照射物30
cを固定することが出来る。これらの支持具及び脱落防
止用金網は、実効原子番号の低い材料で形成されること
が好ましい。尚、前記搬送トレイ31A、31B、31
Cの底面にキャスタ(不図示)を取付けて補助的な搬送
手段若しくは主的な搬送手段としても良い。
【0040】そして前記トレイ31A、31B、31C
は、被照射物の種類被照射物が収納された収納箱の種類
毎に前記搬送コンベア12上にグルーピング化して配列
するのがよい。図4はかかる実施例を示し、前記コンベ
ア12上にトレイ31A、31B、31Cを載置させる
際に、該トレイ31A、31B、31Cが被照射物種類
に合わせて複数種用意されてグルーピング化して搭載さ
れている例を示している。かかる実施例によればトレイ
に合わせて被照射物30a、30b、30cをグルーピ
ング化して搬送させるとともに、これに合わせて電子線
走査部の電流量制御手段、若しくは前記搬送コンベア1
2に搬送速度制御手段等を設けて、被照射物30a、3
0b、30cの種類、大きさにより電子線のエネルギー
値及び照射量を適宜調整しているが、この場合グルーピ
ング化しているために、これらの調整が容易である。
【0041】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、コン
ベアに直接電子線が照射されることが避けられ、コンベ
アの劣化や放射化の程度が大幅に小さくなるとともに、
コンベアの左右両側に凹部空間を形成することは電子線
走査部を架台に載置して保守点検の際の可動性も容易と
なる。
【0042】請求項2記載の発明によれば、電子線を照
射して滅菌処理を施す走査ホーンを含む電子線走査部を
囲む、限定した領域のみを遮蔽壁構造で構成すれば良
く、これにより1〜10MeVの高エネルギの電子線を
照射して滅菌する場合においても、遮蔽壁構造を含む装
置システム全体の小型化を図りつつ、然もコンベアを挟
んでその両側に電子線走査部を近接させて配置した場合
においてもコンベア搬送空間内を電子線が反射して他側
の走査部に当たる恐れを解消できるとともに、電子線走
査部同士の相互照射による劣化や破壊が生じる恐れを解
消できる。又両面照射が可能にして且つ遮蔽壁構造が小
型に出来るために、既存の(電子線照射システム以外の
滅菌システムの)生産ラインを利用して電子線照射シス
テムを組み込むことが容易となる。
【0043】特に前記電子線走査部を可動に形成すると
ともに、該電子線走査部と滅菌室外部との間に位置する
遮蔽壁を可動とし、該可動壁の開放により前記電子線走
査部を前記滅菌室外部へ移動可能とすれば、電子線走査
部を容易に滅菌室外部へ引き出して作業ができるため作
業の高効率化を図ることができ、また、前記遮蔽壁内に
メンテナンス用に作業員が侵入する空間を設ける必要が
ないために前記電子線照射装置のより一層の小型化が可
能となる。
【0044】又、請求項3及び4に記載の発明によれ
ば、電子線両面照射部のみを遮蔽壁構造として形成、他
の部分をオープン領域に形成できるとともに、被照射物
の搬入及び搬出部が他側の直線ラインに形成されている
ために、流れ作業により効率よく照射物の搬入搬出がで
きるとともに、特にコンベアラインを長円状に形成した
場合に、有人となる必要がある被照射物の搬入及び搬出
部が、遮蔽壁構造の背面側に位置するために、作業者に
電子線が照射されることなく安全である。
【0045】請求項5、6記載発明によれば、極めて高
額な電子線照射装置の汎用化が可能となり、然もトレイ
によって被照射物が判別出来、また複数品種の被照射物
若しくは収納箱単位で、コンベアの搬送速度を調整し
て、適正な電子線強度で被照射物を滅菌できるととも
に、誤って別な被照射物をトレイ上に搭載したり、又誤
ったコンベア速度に設定することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における電子線照射装置を
含むシステムの全体構成を示す平面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態にかかる電子線走査部
と凹部空間を示す遮蔽壁構造の平面図である。
【図3】 図2の実施形態にかかる電子線照射装置の側
面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態にかかる電子線照射装
置の遮蔽壁構造を示す断面図である。
【図5】 (a)(b)(c)は本発明の実施形態にお
ける搬送トレイの種類を示す一例である。
【図6】 従来技術における迷路構造を有する電子線照
射装置の側面図である。
【図7】 従来技術におけるインライン型電子線照射装
置の平面図である。
【符号の説明】
10A、10B 電子線走査部 11 架台 12 搬送コンベア 13 13’ 遮蔽板 14 遮蔽壁 15 可動壁 30、a、30b、30c 被照射物 31A、31B、31C トレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山川 隆 名古屋市港区大江町10番地 三菱重工業株 式会社名古屋航空宇宙システム製作所内 (72)発明者 神納 祐一郎 名古屋市港区大江町10番地 三菱重工業株 式会社名古屋航空宇宙システム製作所内 Fターム(参考) 4C058 AA06 AA12 BB06 CC04 EE12 EE23 KK03 KK22 KK33 KK34 KK42 KK44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンベア上を搬送される被照射物に電子
    線を照射して滅菌処理を施す走査ホーンを含む電子線走
    査部が、遮蔽壁で包囲された滅菌室内に設けられた電子
    線照射装置であって、 コンベア流れ方向に沿って位置をずらしてコンベアを挟
    んでその両側に電子線走査部を収納する凹部空間を、前
    記照射壁のコンベアと対面する側を開口させて形成する
    とともに、該2つの凹部空間内に夫々電子線走査部を収
    納して、コンベア上を搬送される被照射物の側方方向よ
    り、位置差を持たせて両面照射可能に構成したことを特
    徴とする電子線照射装置。
  2. 【請求項2】 前記位置差を持たせた2つの凹部収納空
    間に対面するコンベアの電子線照射区域の入口側と出口
    側とともに、該2つの凹部収納空間の間に位置するコン
    ベア搬送空間上に遮蔽壁を配置したことを特徴とする請
    求項1記載の電子線照射装置。
  3. 【請求項3】 前記コンベアを2つの直線ラインを含む
    無端周回状に形成するとともに、該一の直線ラインに前
    記位置差を持たせた2つの凹部空間を対面させて電子線
    両面照射部として形成するとともに、他側の直線ライン
    に被照射物の搬入及び搬出部を設けたことを特徴とする
    請求項1若しくは2記載の電子線照射装置。
  4. 【請求項4】 前記2つの直線ラインを含む無端周回状
    に形成したコンベアの一の直線ラインに、前記位置差を
    持たせた2つの凹部収納空間を対面させて電子線両面照
    射部として形成するとともに、前記凹部収納空間を形成
    する照射壁が該電子線両面照射部を囲撓するコンベアの
    直線ライン部のみに形成されていることを特徴とする請
    求項1、若しくは2記載の電子線照射装置。
  5. 【請求項5】 前記被照射物が複数品種の被照射物若し
    くは複数種の収納箱であって、これらを前記コンベア上
    にグルーピング化して順次搬送されるように被照射物の
    搬入部に配列したことを特徴とする請求項1、2、3、
    若しくは4記載の電子線照射装置。
  6. 【請求項6】 前記コンベアー上にトレイを載置させ
    て、被照射物を搬送させるとともに、該トレイがグルー
    ピング化した被照射物種類に合わせて複数種用意されて
    いることを特徴とする請求項5記載の電子線照射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012011382A (ja) * 2006-10-26 2012-01-19 Xyleco Inc バイオマスの加工方法

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