JP2003214564A - 燃料用ホース - Google Patents

燃料用ホース

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JP2003214564A
JP2003214564A JP2002016180A JP2002016180A JP2003214564A JP 2003214564 A JP2003214564 A JP 2003214564A JP 2002016180 A JP2002016180 A JP 2002016180A JP 2002016180 A JP2002016180 A JP 2002016180A JP 2003214564 A JP2003214564 A JP 2003214564A
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fuel
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Kazutaka Katayama
和孝 片山
Jiyunichirou Suzuki
淳一朗 鈴木
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Sumitomo Riko Co Ltd
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Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】自動車用燃料等に対する低透過性に優れ、しか
も耐サワー性にも優れた燃料用ホースを提供する。 【解決手段】内層1の外周面に中間層2が形成され、さ
らにその外周面に外層3が形成されて構成されている。
そして、本発明においては、上記内層1が、ダイマー酸
成分を有するポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラ
ストマーを用いて形成されていることが最大の特徴であ
る。上記内層1用材料としては、ダイマー酸成分を有す
るポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラストマー
(ダイマー酸成分含有PBN系TPE)が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガソリン、アルコ
ール混合ガソリン(ガソホール)、アルコール、、水
素、LPG、CNG、軽油、ジメチルエーテルのような
自動車等の燃料輸送用配管等に用いられる燃料用ホース
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車を取り巻く燃料ガスの蒸散
規制は厳しくなってきており、これに対応する低透過な
自動車用燃料用ホースが各種検討されている。このよう
な燃料用ホースとしては、例えば、燃料の透過が少な
く、低透過性材料である、ポリブチレンナフタレート
(PBN)やポリブチレンテレフタレート(PBT)等
のポリエステル系樹脂を用いたホースが提案されてい
る。しかし、上記PBNやPBT等のポリエステル系樹
脂は、非常に剛性があるため、ポリエステル系樹脂のみ
を用いて単層構造のホースを形成した場合、ホースの柔
軟性が劣る。したがって、ポリエステル系樹脂の厚みを
薄くして、熱可塑性樹脂層との積層構造にするのが一般
的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記P
BNやPBT等のポリエステル系樹脂は、他の材料との
接着性が悪いため、上記ポリエステル系樹脂層と、上記
熱可塑性樹脂層との積層化には、両層の界面に接着剤層
を形成する必要があり、その分だけ製造工程が複雑化す
るといった問題があった。そこで、上記PBNやPBT
等のポリエステル系樹脂層の内周面に、ポリエステル系
熱可塑性エラストマー材料からなる最内層を形成したホ
ースが提案されている。このホースは、最内層と、その
外周面に形成されるPBNやPBT等のポリエステル系
樹脂層とが、同じポリエステル系材料であるため、最内
層材料であるポリエステル系熱可塑性エラストマー材料
と、PBN等のポリエステル系樹脂とを、二層同時に押
し出すことにより、接着剤レスにて、両層を積層接着す
ることが可能である。しかしながら、本発明者らは、上
記ホースについて研究を重ねた結果、ポリエステル系熱
可塑性エラストマー材料を最内層に用いてなるホース
は、燃料用途で重要特性である、ガソリンが酸化されて
生成するサワーガソリンに対する耐性(耐サワー性)が
不充分であることを突き止めた。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、自動車用燃料等に対する低透過性に優れ、しか
も耐サワー性にも優れた燃料用ホースの提供をその目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の燃料用ホースは、少なくとも1つの構成
層を備えた燃料用ホースであって、上記ホースの最内層
が、下記の(A)を用いて形成されているという構成を
とる。(A)ダイマー酸成分を有するポリブチレンナフ
タレート系熱可塑性エラストマー。
【0006】すなわち、本発明者らは、最内層がポリエ
ステル系熱可塑性エラストマー材料により形成されてな
るホースを用いて、耐サワー性が劣る原因について研究
を続けた。その結果、上記ポリエステル系熱可塑性エラ
ストマー中の、ソフトセグメントであるポリエーテル
が、サワーガソリン中の過酸化物によって侵され、ホー
ス劣化が生じることを突き止めた。そして、さらなる研
究開発の結果、ポリブチレンナフタレート(PBN)を
ハードセグメントに用いてなる、PBN系熱可塑性エラ
ストマーの少なくとも一部にダイマー酸成分を導入し、
ポリエーテル等のソフトセグメントの含有量を少なくす
るか全量置換することで、サワーガソリン中の過酸化物
によって侵されにくくなり、ホース劣化が生じなくなる
ため、耐サワー性が向上することを見いだし、本発明に
到達した。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0008】本発明の燃料用ホースは、例えば、図1に
示すように、内層1の外周面に中間層2が形成され、さ
らにその外周面に外層3が形成されて構成されている。
そして、本発明においては、上記内層1が、ダイマー酸
成分を有するポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラ
ストマーを用いて形成されていることが最大の特徴であ
る。
【0009】上記内層1用材料としては、ダイマー酸成
分を有するポリブチレンナフタレート系熱可塑性エラス
トマー(ダイマー酸成分含有PBN系TPE)が用いら
れる。
【0010】上記ダイマー酸とは、有機酸2分子が反応
して二量体になったものをいい、例えば、脂肪族ダイマ
ー酸、脂環族ダイマー酸、芳香族ダイマー酸等があげら
れる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。
【0011】上記脂肪族ダイマー酸としては、例えば、
下記の一般式(1)または一般式(2)で表されるダイ
マー酸等があげられる。これらは単独でもしくは2種以
上併せて用いられる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】上記脂環族ダイマー酸としては、例えば、
下記の一般式(3)、一般式(4)、一般式(5)、一
般式(6)で表されるダイマー酸等があげられる。これ
らは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】上記芳香族ダイマー酸としては、例えば、
下記の一般式(7)で表されるダイマー酸等があげられ
る。
【0020】
【化7】
【0021】上記ダイマー酸の好ましい具体例として
は、ユニケマ社製のPRIPOL 1008〔炭素数3
6で、芳香族タイプ/脂環族タイプ/脂肪族タイプ=9
/54/37(モル比)の水添ダイマー酸〕、ユニケマ
社製のPRIPOL 1009〔炭素数36で、芳香族
タイプ/脂環族タイプ/脂肪族タイプ=13/64/2
3(モル比)の水添ダイマー酸〕、ユニケマ社製のPR
IPOL 1098〔炭素数36で、芳香族タイプ/脂
環族タイプ/脂肪族タイプ=13/64/23(モル
比)の未水添ダイマー酸〕、ユニケマ社製のPRIPL
ASTA 3008(上記PRIPOL 1008のジ
メチルエステル)、ユニケマ社製のPRIPLASTA
1899(上記PRIPOL 1009のジメチルエ
ステル)等があげられ、特に好ましくはPRIPOL
1008、PRIPOL 1009、PRIPLAST
A 3008、PRIPLASTA 1899等の水添
ダイマー酸である。
【0022】上記ダイマー酸成分含有PBN系TPE
は、例えば、PBNの原料である2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の一部を、ダイマー酸で置換することにより
得ることができる。また、上記ダイマー酸成分含有PB
N系TPEには、例えば、ソフトセグメントであるポリ
エーテルもしくはポリエステルを共重合させることもで
きる。
【0023】なお、上記ダイマー酸成分含有PBN系T
PE中のソフトセグメントの割合は、耐サワー性の観点
から、20重量%以下にすることが好ましい。
【0024】上記ダイマー酸と共重合させるポリエーテ
ルとしては、例えば、ポリテトラメチレングリコール
(PTMG)等があげられる。また、上記ダイマー酸と
共重合させるポリエステルとしては、例えば、ポリブチ
レンアジペート(PBA)、ポリ−ε−カプロラクトン
等があげられる。
【0025】上記ダイマー酸成分含有PBN系TPE中
のダイマー酸の含有量は、1〜12mol%の範囲内が
好ましく、特に好ましくは1.5〜11mol%の範囲
内である。すなわち、ダイマー酸の含有量が1mol%
未満であると、柔軟性に劣る傾向がみられ、逆にダイマ
ー酸の含有量が12mol%を超えると、PBNの結晶
性が低下し、耐ガソリン性や機械的強度が低下する傾向
がみられるからである。
【0026】上記ダイマー酸成分含有PBN系TPEの
曲げ弾性率は、200〜2000MPaの範囲内が好ま
しく、特に好ましくは300〜2000MPaの範囲内
である。
【0027】なお、上記内層1は、燃料ポンプで発生し
た静電気をホース外部へ放電して逃がし、静電気による
燃料(ガソリン等)への引火等の事故を防止する目的
で、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉
等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
【0028】上記内層1の外周面に形成される中間層2
用材料としては、特に限定はないが、ポリエスル系樹脂
が好ましく、特に好ましくは、ポリブチレンナフタレー
ト(PBN)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PB
T)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等である。
【0029】上記PBT樹脂は、例えば、ジメチルテレ
フタレート(DMT)と、1,4−ブタンジオール(B
G)とを原料とするDMT法や、テレフタル酸(TP
A)と、1,4−ブタンジオール(BG)とを原料とす
る直接重合法等により得ることができる。
【0030】また、上記PBN樹脂は、例えば、2,6
−ジメチルナフタレート(DMN)と、1,4−ブタン
ジオール(BG)とを原料とするエステル交換法や、
2,6−ナフタレンジカルボン酸と、1,4−ブタンジ
オール(BG)とを原料とする直接重合法等により得る
ことができる。
【0031】上記PEN樹脂は、例えば、2,6−ジメ
チルナフタレート(DMN)と、エチレングリコール
(EG)とを原料とするエステル交換法や、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸と、エチレングリコール(EG)
とを原料とする直接重合法等により得ることができる。
【0032】また、上記PET樹脂は、例えば、ジメチ
ルテレフタレート(DMT)と、エチレングリコール
(EG)とを原料とするDMT法や、テレフタル酸(T
PA)と、エチレングリコール(EG)とを原料とする
直接重合法等により得ることができる。
【0033】なお、上記中間層2は、上記内層1と同
様、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉
等の導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
【0034】上記中間層2の外周面に形成される外層3
用材料としては、特に限定はないが、熱可塑性ポリエス
テル系エラストマーが好ましく、特に好ましくは、ポリ
ブチレンナフタレート系熱可塑性エラストマー(PBN
系TPE)、ポリブチレンテレフタレート系熱可塑性エ
ラストマー(PBT系TPE)等である。
【0035】なお、上記外層3は、上記内層1と同様、
カーボンブラック、カーボンナノチューブ、金属粉等の
導電剤を配合して、導電化しても差し支えない。
【0036】本発明の燃料用ホースは、例えば、つぎの
ようにして製造することができる。すなわち、まず、ダ
イマー酸成分含有PBN系TPEを必須成分とする内層
1用材料と、ポリブチレンナフタレート(PBN)樹脂
等のポリエステル系樹脂材料からなる中間層2用材料
と、PBT系熱可塑性エラストマー等のポリエステル系
熱可塑性エラストマー材料からなる外層3用材料とを、
それぞれ準備する。ついで、これらを押し出し成形機を
用いて3層同時押し出し、真空サイジング等でサイジン
グと同時に、冷却水槽中で冷却固化することにより、目
的とする燃料用ホース(図1参照)を作製することがで
きる。なお、本発明の燃料用ホースは、コルゲータを用
いて、ホースの少なくとも一部に蛇腹構造を形成した構
造であっても差し支えない。
【0037】なお、上記の製法においては、内層1と中
間層2と外層3とを、3層同時押し出しによって成形す
る方法について説明したが、これに限定するものではな
く、例えば、マンドレルを用いてマンドレル上に内層1
を押し出し成形した後、この内層1の外周面に中間層
2、外層3を順次押し出し成形しても差し支えない。
【0038】このようにして得られる本発明の燃料用ホ
ース各層の厚みは、内層1の厚みは、通常、0.01〜
0.5mmであり、好ましくは0.1〜0.4mmであ
る。上記中間層2の厚みは、通常、0.01〜0.5m
mであり、好ましくは0.05〜0.4mmである。ま
た、上記外層3の厚みは、通常、0.1〜3mmであ
り、好ましくは0.3〜1mmである。そして、本発明
の燃料用ホースの内径は、通常、3〜60mmであり、
好ましくは4〜30mmである。
【0039】なお、本発明の燃料用ホースは、前記図1
に示した3層構造に限定されるものではなく、単層構
造、2層構造、もしくは4層以上の多層構造であっても
差し支えない。ただし、最内層は、上記ダイマー酸成分
含有PBN系TPEを用いて形成されている必要があ
る。
【0040】また、本発明の燃料用ホースは、自動車用
ホースに好適に用いられるが、トラクター、耕運機等に
も用いることができる。
【0041】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0042】まず、実施例および比較例に先立ち、下記
に示す材料を準備した。
【0043】〔ダイマー酸成分含有PBN系TPE〕P
BNの原料である2,6−ジメチルナフタレート(DM
N)と、ダイマー酸ジメチル(ユニケマ社製のPRIP
LAST 3008)で置換したものと、1,4−ブタ
ンジオール(BG)と、重合触媒であるテトラ−n−ブ
チルチタネートとを、エステル交換槽に投入して210
℃に加熱し、生成するメタノールを留去して、エステル
交換反応を行った。ついで、この反応生成物を260℃
で1時間かけ、真空度0.5mmHgまで徐々に減圧加
熱し、重縮合反応を行い、ダイマー酸成分含有PBN系
TPEを得た(ダイマー酸含有量:10mol%、曲げ
弾性率:350MPa)。
【0044】〔PBN樹脂〕帝人化成社製、TQB−O
T(曲げ弾性率:2100MPa)
【0045】〔PBT樹脂〕ポリプラスチックス社製、
セレネックス2001(曲げ弾性率:2450MPa)
【0046】〔PEN樹脂〕帝人化成社製、テオネック
スTN8770(曲げ弾性率:2300MPa)
【0047】〔PBN系TPE〕東洋紡績社製、ペルプ
レンEN5030(曲げ弾性率:470MPa)
【0048】〔PBT系TPE〕米国デュポン社製、
ハイトレル7277R07(曲げ弾性率:570MP
a)
【0049】〔PBT系TPE〕東レ・デュポン社
製、ハイトレル5577R07(曲げ弾性率:200M
Pa)
【0050】
【実施例1〜6、比較例1,2】まず、内層用材料、中
間層用材料および外層用材料として、後記の表1および
表2に示す材料をそれぞれ準備した。ついで、これら内
層用材料、中間層用材料および外層用材料を、押し出し
機を用いて3層同時押し出し成形し、冷却水槽中で冷却
固化することにより、内層(厚み0.2mm)の外周面
に中間層(厚み0.1mm)が形成され、さらにその外
周面に外層(厚み0.7mm)が形成されてなる、燃料
用ホース(内径6mm、外径8mm)を作製した。
【0051】このようにして得られた実施例品および比
較例品の燃料用ホースを用いて、下記の基準に従い、各
特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1およ
び表2に併せて示した。
【0052】〔ガソリン透過量〕長さ10mのホース
(内径6mm)の両端部を、円錐状の治具を用いて、ホ
ース端部内径が10mmになるように拡径した後、ホー
ス端部の外周をR処理した外径8mmの金属製パイプ
(だだし、外径10mmに拡径されたバルジ加工部を2
箇所有する)を2本準備し、上記ホースの端部に1本ず
つ圧入した。そして、一方の金属製パイプにはネジ式の
目くら栓を装着し、他方の金属製パイプには金属製バル
ブを装着した。ついで、上記金属製バルブを装着した金
属製パイプ側から、ホース内にレギュラーガソリン(エ
タノール10容量%含有)を封入し、40℃で3000
時間処理(なお、1週間毎にレギュラーガソリンを交
換)した。そして、CARB SHED法 DBLパタ
ーンで、3日間ガソリン透過量を測定し、ガソリン透過
量が最大であった日の、ホース1m当たりのガソリン透
過量を算出した。なお、上記測定方法では、0.1mg
/m/日が測定限界であるため、0.1mg/m/日未
満であったものは「<0.1」と標記した。
【0053】〔耐サワー性〕Fuel Cにラウロイル
パーオキサイド(LPO)を5重量%混合してなる模擬
変性ガソリンを調製した。そして、長さ10mの燃料ホ
ースの両端部に金属製パイプを圧入し、圧力レギュレー
ターを介して、0.3MPaの圧力で上記模擬変性ガソ
リンを、60℃で8時間循環させた後16時間封入し
た。これを1サイクルとして30サイクル行った後、燃
料ホースをサンプリングして、180°に折り曲げ、そ
の状態を目視により観察した。その結果、燃料ホースに
何ら異常の生じなかったものを○、燃料ホースが折れて
しまったものを×として耐サワー性の評価を行った。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】上記結果から、全実施例品は、耐サワー性
に優れ、しかもガソリン透過量も少ないことがわかる。
【0057】これに対して、比較例1,2品は、ガソリ
ン透過量は少ないが、耐サワー性に劣ることがわかる。
これは、PBN系TPEもしくはPBT系TPEを内層
用材料に用い、実施例のように、ダイマー酸を共重合さ
せたものを用いていないため、サワーガソリン中の過酸
化物によって、TPE中のソフトセグメントが侵される
結果、耐サワー性が劣るものと考えられる。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料用ホース
は、ホースの最内層が、ダイマー酸成分を有するPBN
系熱可塑性エラストマーを用いて形成されている。この
ように、本発明は、上記PBN系熱可塑性エラストマー
の少なくとも一部にダイマー酸成分を導入し、ポリエー
テル等のソフトセグメントの含有量を少なくするか全量
置換しているため、サワーガソリン中の過酸化物によっ
てソフトセグメントが侵されにくくなり、耐サワー性が
向上するという優れた効果を奏する。
【0059】また、上記最内層の外周面に、ポリエステ
ル系樹脂を用いて中間層を形成するとともに、上記中間
層の外周面にポリエステル系熱可塑性エラストマーを用
いて外層を形成すると、自動車用燃料等に対する低透過
性が向上する。
【0060】さらに、上記ポリブチレンナフタレート系
熱可塑性エラストマー、およびポリブチレンテレフタレ
ート系熱可塑性エラストマーの少なくとも一方を用いて
外層を形成すると、自動車用燃料等に対する低透過性が
さらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料用ホースの一例を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1 内層 2 中間層 3 外層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H111 AA02 BA15 CA53 CB04 CB14 CB24 DB08 DB20 EA04 4F100 AK41B AK41C AK42A AK42C AL07A AL09A AL09C BA03 BA06 BA10A BA10C DA11 GB31 JB03 JB16A JB16C JD01 4J029 AA03 AB01 AC02 AE01 BA05 CA02 CC06 CD03 CD07 HA01 HB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの構成層を備えた燃料用
    ホースであって、上記ホースの最内層が、下記の(A)
    を用いて形成されていることを特徴とする燃料用ホー
    ス。(A)ダイマー酸成分を有するポリブチレンナフタ
    レート系熱可塑性エラストマー。
  2. 【請求項2】 上記最内層の外周面に、ポリエステル系
    樹脂を用いてなる中間層が形成され、上記中間層の外周
    面にポリエステル系熱可塑性エラストマーを用いてなる
    外層が形成されている請求項1記載の燃料用ホース。
  3. 【請求項3】 上記外層に用いられるポリエステル系熱
    可塑性エラストマーが、ポリブチレンナフタレート系熱
    可塑性エラストマー、およびポリブチレンテレフタレー
    ト系熱可塑性エラストマーの少なくとも一方である請求
    項1記載の燃料用ホース。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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