JP2003213914A - 建築用化粧板 - Google Patents

建築用化粧板

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JP2003213914A
JP2003213914A JP2002016016A JP2002016016A JP2003213914A JP 2003213914 A JP2003213914 A JP 2003213914A JP 2002016016 A JP2002016016 A JP 2002016016A JP 2002016016 A JP2002016016 A JP 2002016016A JP 2003213914 A JP2003213914 A JP 2003213914A
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Japan
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vinyl chloride
layer
decorative board
pattern
base material
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JP2002016016A
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English (en)
Inventor
Keiji Ogawa
啓至 小川
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠性に優れていると共に,パターン層と保
護層との密着性に優れ,かつ安価な建築用化粧板を提供
すること。 【解決手段】 塩化ビニル系基材2と,該塩化ビニル系
基材2の上に積層接着した表装材3とからなる建築用化
粧板1である。上記表装材3は,金属箔からなるコアー
層33,インクジェット印刷により印刷模様が施された
パターン層32,及び保護層31を順次に積層接着し
て,一体成形した積層材により構成される。また,上記
塩化ビニル系基材と表装材とは,接着材層により接着さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,インクジェット印刷により印刷
模様が付された建築用化粧板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より,家具,建築材の表面には,そ
の意匠性を向上させるため,グラビア印刷により木目や
大理石柄などの模様や着色を有した化粧板を直貼りする
ことが行われてきた。この種の化粧板としては,図3に
示すごとく,例えば塩化ビニル系基材などの軟質材料の
基板91に,所定の着色や模様を施した表装材92を貼
付したものがある。
【0003】上記表装材92は,金属箔からなるコアー
層93,印刷模様を施したパターン層94,及び印刷面
を保護する保護層95からなっている。そして,上記パ
ターン層94には,塩化ビニル系樹脂フィルムや樹脂含
浸パターン紙に印刷模様941を施してある。また,上
記コアー層93,パターン層94,及び保護層95の間
は,これらに含まれる樹脂が溶融し,互いに融着してい
る。
【0004】しかし,上記パターン層94と保護層95
の間の接着は,パターン層におけるグラビア印刷のイン
クが付着していない非印刷部分942でおこり,印刷模
様941上では起こりにくい。そのため,デザインの関
係上パターン層に印刷された印刷模様941の粗密に偏
りがある場合には,密になっている部分におけるパター
ン層94と保護層95との接着が充分に行われず,両者
がはがれ易くなるという問題を生じる。そして保護層9
5がはがれると,上記建築用化粧板1は硬度などの耐久
性を失う。
【0005】そこで,上記パターン層94と保護層95
の密着性を充分なものとするため,印刷模様941と非
印刷部942とがパターン層94の上に均一に配置され
るように予めデザインの設計をしておくことが考えられ
る。しかし,この場合には,デザインが単調なものとな
り,建築用化粧板の意匠性が低下してしまう。即ち,上
記パターン層94と保護層95の密着性を向上させるこ
とに重点を置くと,意匠性を向上させるためのデザイン
に制約を受けてしまうという問題を生じる。
【0006】上記問題を回避するためには,上記密着性
とデザインの意匠性を考慮して最適化を行う必要があ
る。そのためには,デザインを大きく変えない範囲で,
印刷模様の粗密を種々に変更させた試作品を沢山作製
し,この試作品の密着性を検討しなければならない。そ
して,この試作品の作製と密着性の検討を繰り返し行う
ことにより,上記密着性とデザインの意匠性との最適条
件を決定することになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記グ
ラビア印刷では,上記最適条件を決定するために,印刷
模様における種々の粗密を形成した印刷ローラを,試作
品の数だけ作製する必要がある。そのため,試作品を製
作する段階で多大な時間とコストがかかってしまい,最
終製品である建築用化粧板が高価になってしまうという
問題がある。そのため,実際には上記最適条件の検討を
充分に行うことができない。
【0008】さらに,上記グラビア印刷では,上記印刷
模様の大きさはグラビア印刷に用いる印刷ローラの大き
さに依存する。そのため,建築用化粧板をデザインする
上で,印刷模様の大きさに上限が生じ,自由にデザイン
を施すことができないという問題がある。
【0009】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,意匠
性に優れていると共に,パターン層と保護層との密着性
に優れ,かつ安価な建築用化粧板を提供するものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は,塩化ビニル系
基材と,該塩化ビニル系基材の上に積層接着した表装材
とからなる建築用化粧板であって,上記表装材は,金属
箔からなるコアー層,インクジェット印刷により印刷模
様が施されたパターン層,及び保護層を順次に積層接着
して,一体成形した積層材により構成されることを特徴
とする建築用化粧板にある(請求項1)。
【0011】本発明においては,上記パターン層にはイ
ンクジェット印刷により形成した印刷模様が施されてい
る。そして,上記インクジェット印刷においては,イン
クを噴出させるジェットノズルに供給するインクの量,
色インクの種類などを自由に制御できる。そのため,所
望するデザインの意匠についての印刷パターンはコンピ
ューターによって任意,簡単に制御することができる。
それ故,任意にインク噴射量等の調節を行うことができ
ると共にサイズの異なるドットを打ち分けることができ
る。そして,このドットがパターン層表面に形成する意
匠の色彩部分となり,ドットが形成されない非ドット部
分にはパターン層の表面が露出する。
【0012】このように,上記インクジェット印刷にお
いては,任意,簡単に印刷模様を変更し,上記非ドット
部分をパターン層の表面に略均一に配置させることがで
きる。そのため,加熱加圧時に上記非ドット部分におい
て,上記パターン層と保護層に含有されている樹脂とが
充分に融着し,上記パターン層と保護層との密着性を向
上させることができる。
【0013】また,上記インクジェット印刷においては
印刷模様を簡単に変更することができるため,上記デザ
インの意匠性と密着性の検討を行うための試作品を短時
間に,低コストで多く作製することができる。そのた
め,上記意匠性と密着性の条件検討を低コストで充分に
行うことができる。
【0014】また,上記インクジェット印刷において
は,グラビア印刷の場合のように印刷模様の変更の都度
高価な印刷ローラを作製し直すという特別の作業,装置
を必要としない。そのため,模様の変更を低コストで容
易に行うことができ,印刷模様が異なる多種類の建築用
化粧板を製造する,いわゆる小ロット生産にも低コスト
で,容易に対応することができる。
【0015】さらに,上記インクジェット印刷において
は,絵柄の大きな印刷模様を施すことが可能である。上
述したようにグラビア印刷の場合には,印刷模様の大き
さは,グラビア印刷に用いる印刷ローラの大きさに依存
するが,インクジェット印刷においては,このような制
限はなく連続して印刷することができる。そのため,印
刷模様の大きさによる制限を受けることはなく,意匠性
の高い大きな面積の建築用化粧板を提供することができ
る。
【0016】また,上記コアー層として熱伝導性の良好
な金属箔を用いているので,表装材の表面から進入した
熱は該金属箔からなるコアー層を介して平面方向に放散
する。そのため,耐熱性,耐シガレット性に優れ,局部
的な発熱による膨れや剥がれなどの表面異常が発生しな
い。さらに,上記コアー層として,高湿度下および低湿
度下での寸法変化が小さい金属箔を用いているので,高
湿度下および低湿度下における建築用化粧板の寸法変化
(反り)を抑えることができる。
【0017】以上のごとく,本発明によれば,意匠性に
優れていると共に,パターン層と保護層との密着性に優
れ,かつ安価な建築用化粧板を提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明において,上記塩化ビニル
系基材の厚みは1.0mm〜3.0mmであることが好
ましい。上記塩化ビニル系基材の厚みが3.0mmを超
えると,完全に平面でないコンクリート床面やコーナー
部材に対してぴったりと密着した状態で直貼りすること
ができなくなるおそれがある。一方,上記塩化ビニル系
基材の厚みが1.0mm未満であると,塩化ビニル系基
材の強度が床用として耐えることができず,クラックが
発生するおそれがある。
【0019】また,上記表装材は,全体としての厚みが
0.1mm〜0.8mmとなっていることが好ましい。
上記表装材の厚みが0.8mmより大きい場合には,塩
化ビニル系基材の折角の弾力性及び柔軟性を充分に生か
すことができなくなって,上記建築用化粧板をコンクリ
ートなどの素材からなる床面や壁面の凹凸面に完全に密
着させることができなくなるおそれがある。一方,上記
表装材の厚みが0.1mm未満であると,表装材の強度
が床用として耐えることができず,クラックが発生する
おそれがある。
【0020】また,上記保護層とパターン層を構成す
る,樹脂含浸オーバーレイ紙または樹脂含浸パターン紙
における含浸樹脂としては,DAP樹脂(ジアリルフタ
レート樹脂)やメラミン樹脂,オレフィン系樹脂などを
用いることができる。なかでも,柔軟性があり寸法安定
性にも優れていることから,DAP樹脂が好ましい。
【0021】また,上記パターン層は,樹脂含浸パター
ン紙又は樹脂シートを用いることができる。特に,上記
パターン層は,塩化ビニル樹脂シートを用いることが好
ましい。この場合には,印刷を綺麗に行うことができる
ため,建築用化粧板の意匠性が向上する。
【0022】また,上記インクジェット印刷に用いるイ
ンクの種類としては溶剤系顔料インク,又は水性顔料イ
ンクのどちらを用いてもよい。特に好ましくは,溶剤系
顔料インクであり,この場合には,上記パターン層を構
成する樹脂含浸パターン紙又は樹脂シートに直接印刷を
施すことができる。一方,水性顔料インクを用いた場合
には,印刷前の樹脂含浸パターン紙又は樹脂シートにコ
ート処理を行うことが好ましい。
【0023】また,上記パターン層には,接着成分であ
るウレタン樹脂や塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂な
どを混入しておくことが好ましい。この場合には,上記
パターン層とコアー層との接着を強固なものにすること
ができる。
【0024】また,上記保護層は耐摩耗性微粉末を混入
した樹脂層からなることが好ましい。この場合には,上
記表装材の表面の硬度が高くなる。そのため,上記建築
用化粧板は表面に傷が発生しにくく,耐久性に優れる。
なお,上記耐摩耗性微粉末としては,アルミナ,炭化珪
素,酸化珪素,炭化バナジウム及びタングステン等,又
はこれら2種以上の混合物を用いることができる。
【0025】また,上記塩化ビニル系基材には,充填剤
として炭酸カルシウム,クレー,タルク等を含有させる
ことができる。特に,上記建築用化粧板を床面に用いる
場合には,直貼りする相手床面との密着性および歩行性
を考慮して,塩化ビニル系基材の外側層ほど柔軟性を増
すようする必要がある。そのため,この柔軟性を増加さ
せるために可塑剤や充填剤を塩化ビニル系基材に含有さ
せる。なお,上記充填剤の添加量は,塩化ビニル系基材
に対して,90wt%以下の割合で添加されることが好
ましい。
【0026】また,上記塩化ビニル系基材には,接着成
分であるウレタン樹脂や塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
樹脂などを混入しておくことが好ましい。この場合に
は,上記塩化ビニル系基材と表装材との接着を強固なも
のにすることができる。
【0027】また,上記塩化ビニル系基材と表装材と
は,接着材層により接着されていることが好ましい(請
求項2)。この場合には,上記接着材層が,塩化ビニル
系基材と表装材とを強固に接着し,上記表装材が塩化ビ
ニル系基材からはがれることを防止することができる。
なお,この場合には,コアー層と接着材層との接着を強
固なものにするために,コアー層の塩化ビニル系基材側
に予めウレタン樹脂あるいは塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合樹脂をコーティングしておくことが好ましい。
【0028】また,上記保護層は,樹脂含浸オーバーレ
イ紙であることが好ましい(請求項3)。この場合に
は,インクジェットで印刷した絵柄を鮮明に視覚認識で
き,且つ汚れ難いという効果を得ることができる。
【0029】また,上記コアー層に用いる金属箔は,ア
ルミ箔であることが好ましい(請求項4)。この場合に
は,上記コアー層は安価で,柔軟性,熱伝導性に優れて
いる。なお,上記コアー層を構成する金属箔としては,
アルミ箔の他に銅箔,ステンレス箔などを用いることが
できる。
【0030】上記塩化ビニル系基材は,2層以上に積層
されていることが好ましい(請求項5)。この場合に
は,上記建築用化粧板の反りや不陸を防止し,施工性を
大幅に向上させることができる。また,この場合には,
上記建築用化粧板を床面などの表面仕上げ材として用い
ると,この建築用化粧板の上を歩く人や家具の移動など
によって生じる振動を充分吸収することができる。
【0031】また,上記接着材層は,コアー層側に積層
された塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂,あるいはコ
アー層側に積層されたヒートシール性樹脂と塩化ビニル
樹脂系フィルムで構成されてなることが好ましい(請求
項6)。この場合には,上記接着材層は,塩化ビニル系
基材と表装材のコアー層との接着を強固なものにすると
共に,上記建築用化粧板の耐熱性を向上させることがで
きる。
【0032】また,上記コアー層は,中間接着層を介し
てパターン層と接着していることが好ましい(請求項
7)。この場合には,上記中間接着層が上記コアー層と
パターン層に融着して結合するため両者の密着性を向上
させることができる。
【0033】また,上記中間接着層は,コアー層側に積
層されたアクリル系共重合樹脂,あるいはコアー層側に
積層された塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂と塩化ビ
ニル樹脂系フィルムで構成されていることが好ましい
(請求項8)。この場合には,表装材と塩化ビニル系基
材を強固に密着することができる。特に,上記パターン
層としてDAP樹脂シートや塩化ビニル樹脂系シートを
用いる場合には,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂が
コーティングされた塩化ビニル樹脂系フィルムを中間接
着層として介在させて,コアー層の裏面を構成する塩化
ビニル系基材との膨張収縮のバランスをとるようにす
る。これにより,建築用化粧板の極端なわん曲状になる
形態変化を防ぐことができる。
【0034】上記中間接着層を構成する接着剤として
は,上記アクリル重合体などのホットメルト剤やポリエ
チレン系のヒートシール剤,あるいは塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合樹脂を用いることができる。その他,エポ
キシ樹脂,フェノール・レゾルシノール共重合樹脂,イ
ソシアネート樹脂,酢酸ビニル系樹脂,ウレタン系樹脂
を用いることができる。
【0035】
【実施例】次に,本発明の実施例にかかる建築用化粧板
につき,説明する。
【0036】(実施例1)図1に示すごとく,本例の建
築用化粧板1は,厚みが2.0mmの塩化ビニル系基材
2と,該塩化ビニル系基材2の上に積層接着した表装材
3とからなる建築用化粧板1である。上記表装材3は,
金属箔からなるコアー層33,インクジェット印刷によ
り印刷模様321が施されたパターン層32,及び保護
層31を順次に積層接着して,0.5mmの厚みに一体
成形した積層材より構成されている。
【0037】上記建築用化粧板1は,表装材3と塩化ビ
ニル系基材2とを溶融して互いに接着一体化したもので
ある。これら表装材3及び塩化ビニル系基材2としては
大きな面積を有するものを採用して形成されるものであ
る。そして,互いに一体化された大きな面積を持つ大形
の表装材3および塩化ビニル系基材2は,例えば,正方
形のタイルとして,工場において,例えばトムソン刃を
備えた打ち抜き装置によって,予め定寸に剪断された建
築用化粧板とされる。
【0038】ここで本例では,表装材3を構成する保護
層31として,35g/m2のオーバーレイ紙であっ
て,α−セルロースパルプ繊維に8%の耐磨耗性物質を
混入抄造した混抄紙に対して80g/m2の量でDAP
樹脂を含浸した樹脂層を採用した。この場合に使用でき
る耐磨耗性物質としては,酸化アルミニウム55%,炭
化珪素15%および酸化珪素30%からなる成分組成を
もつ,粒径18μmの物質を用いた。
【0039】上記表装材3を構成するパターン層32と
しては,溶剤系インクを用いたインクジェットプリンタ
ーを使用して,厚み50μm〜100μmの塩化ビニル
樹脂系シートに所定の模様を印刷したもの使用した。特
に,本例では,コアー層33との接着を確保するため
に,上記パターン層を構成する塩化ビニル樹脂系シート
中に接着成分としてウレタン樹脂を1.0重量%配合し
た。また,表装材3を構成するコアー層33としては,
20μm厚のアルミ箔を採用した。
【0040】上記建築用化粧板1を構成する塩化ビニル
系基材2としては,上記充填材として炭酸カルシウム,
クレー,あるいはタルクを用いた板状の塩化ビニル系基
材2を2層に積層したものを採用した。特に,本例で
は,表装材3のコアー層33との接着を確保するため
に,塩化ビニル系基材2を構成する塩化ビニル樹脂中に
接着成分としてウレタン樹脂を1.5重量%配合した。
【0041】そして,上述した保護層31,パターン層
32,コアー層33,および塩化ビニル系基材2を順次
重ね合わせ,ホットプレス機を用いて50kg/cm2
の圧力で約10分間の加熱加圧を行った。そして,引き
続き,加圧したままの状態で室温になるまで冷却し,建
築用化粧板1を作製した。
【0042】(実施例2)図2に示すごとく,本例の建
築用化粧板1は,厚みが1.5mmの塩化ビニル系基材
2と,該塩化ビニル系基材2の上に接着材層15を介し
て積層接着した表装材3とからなる建築用化粧板1であ
る。上記表装材3は,金属箔からなるコアー層33,イ
ンクジェット印刷により印刷模様321が施されたパタ
ーン層32,及び保護層31を順次に積層接着して,
0.4mmの厚みに一体成形した積層材にて構成した。
【0043】そして,図2に示すごとく,上記表装材3
は,保護層31,パターン層32,コアー層33および
中間接着層325により構成されている。上記中間接着
層325としては,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂
がコーティングされた塩化ビニル樹脂系フィルムを用
い,これを上記パターン層32とコアー層33との間に
挿入した。また,保護層31,パターン層32,コアー
層33は,実施例1と同様のものを使用した。なお,本
例においては,中間接着層325を用いているため,実
施例1のようにパターン層32にウレタン樹脂などの接
着成分を配合していない。
【0044】上記建築用化粧板1を構成する塩化ビニル
系基材2としては,実施例1と同様のものを採用した。
なお,本例においては,上記接着材層15を用いている
ため,実施例1のように塩化ビニル系基材2にウレタン
樹脂などの接着成分を配合していない。
【0045】上記接着材層15としては,塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合樹脂で構成したものを採用した。この
とき,上記コアー層の塩化ビニル系基材2側に予め塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合樹脂をコーティングして使用
した。
【0046】そして,上述した保護層31,パターン層
32,中間接着層325,コアー層33,接着材層15
および塩化ビニル系基材2を順次重ね合わせ,実施例1
と同様にホットプレス機を用いて50kg/cm2の圧
力で約10分間の加熱加圧を行った。そして,引き続
き,加圧したままの状態で室温になるまで冷却し,図2
に示すような建築用化粧板1を作製した。 (実施例3)本例では,図1に示すごとく,表皮材3を
構成する保護層31として,DAP樹脂を含浸した樹脂
層を採用し,パターン層32としては,DAP樹脂を含
浸した樹脂含浸パターン紙を採用し,コアー層33とし
ては,20μm厚のアルミ箔を採用した。また,本例で
は,コアー層との接着を確保するために,パターン層の
DAP樹脂中に接着成分としてウレタン樹脂を1.0重
量%配合した。塩化ビニル系基材2は,実施例1と同様
のものを採用した。
【0047】そして,実施例1と同様にして,上記保護
層31,パターン層32,コアー層33,及び塩化ビニ
ル系基材2を順次重ね合わせ,加熱加圧を行い,建築用
化粧板1を作製した。
【0048】(比較例)本例では,上記表装材を構成す
るパターン層にグラビア印刷により印刷模様を施し,実
施例1と同様の建築用化粧板を作製した例を示す。な
お,パターン層の印刷にグラビア印刷を用いた点を除い
ては,実施例1と同様である。
【0049】(実験例)次に,実施例1〜3及び比較例
において作製した建築用化粧板1の保護層の耐摩耗性を
調べた。耐摩耗性の測定には,JIS−K−6902に
よるテーパー型アプレーザー試験機を用いた。その結果
を表1に示す。
【0050】また,実施例1〜3及び比較例において作
製した建築用化粧板1について,保護層31とパターン
層32との耐剥離性(密着性)を以下の方法によって評
価した。その結果を表1に示す。
【0051】[耐剥離性試験] 表装材を構成する保護
層を貫通して,パターン層に達する切り傷を基盤目状に
付けた。この基盤目状の傷の上に粘着テープを貼り,剥
がした後の保護層の剥離状態を目視によって観察した。
切り傷の間隔は1mm,升目の数は100である。尚,
本方法はJIS−K−5400に準拠した測定方法であ
る。
【0052】次に,実施例1〜3及び比較例の建築用化
粧板1を,トムソン刃による打ち抜き装置によって剪断
し,所定形状の建築用化粧板1とした。この建築用化粧
板1について,耐シガレット性と高湿度下及び低湿度下
での寸法安定性を以下の方法にて評価した。その結果を
表1に示す。
【0053】〔耐シガレット性〕 火の着いたタバコを
建築用化粧板の上に載せ,燃え尽きるまで放置した後,
表面状態を目視観察した。 〔高湿度下及び低湿度下での寸法安定性〕 建築用化粧
板を温度20℃,湿度30%の下に48時間放置した後
の寸法(a)と,建築用化粧板を温度20℃,湿度98
%の下に48時間放置した後の寸法(b)とを測定し,
その寸法変化率({(b)−(a)}/(a))×10
0で評価した。
【0054】
【表1】
【0055】表1より知られるごとく,実施例1〜3及
び比較例の建築用化粧板1は,耐摩耗性に関して,いず
れも5000回の摩耗テストにおいても保護層31の光
沢および透明性は全面均一であり,耐久性に優れてい
た。また,寸法安定性に関しても,いずれも寸法変化率
が0.1%以下であり,床への不完全な施工であっても
施工後の状態として浮きなどの不具合が発生せず,良好
であった。
【0056】次に,耐剥離性に関しては,実施例1〜3
における建築用化粧板は,剥離箇所は0で,両者は充分
に密着していた。一方,比較例では,20個の剥離箇所
が確認され,両者の密着性は不充分なものであった。ま
た,耐シガレット性に関しては,実施例1〜3における
建築用化粧板は,タバコの焦げ跡や色の変化が全く観察
されず,良好であった。一方,比較例では,保護層とパ
ターン層の間で膨れが生じるという不具合が発生した。
【0057】次に,実施例1〜3の建築用化粧板の作用
効果につき,説明する。実施例1〜3において作製した
建築用化粧板において,上記保護層とパターン層は,上
記実験例に示すごとく,充分に密着していた。また,こ
のように密着性が優れているにもかかわらず,意匠性が
損なわれることがなかった。
【0058】また,上記表装材は,耐摩耗性微粉末を混
入した樹脂層からなる保護層を有しているため,硬度,
耐久性に優れている。また,上記表装材は,全体の厚み
が,0.1mm〜0.8mmの範囲にある。そのため,
上記建築用化粧板は,表装材の強度を維持しつつ,塩化
ビニル系基材の弾力性及び柔軟性を充分生かして,床や
壁面などの凹凸に完全に密着する。
【0059】また,上記塩化ビニル系基材の厚みは,
1.0mm〜3.0mmの範囲にある。そのため,上記
塩化ビニル系基材は適度な弾力性を有し,完全に平面で
ないコンクリート床面やコーナー部分などにもぴったり
と密着した状態で直張りすることができる。
【0060】また,本例のコアー層には,金属箔として
アルミ箔を採用している。そのため,局部的な発熱によ
る膨れや剥がれなどの表面異常が発生せず,耐熱性及び
いわゆる耐シガレット性に優れている。
【0061】また,上記アルミ箔は,柔軟性に優れてい
る。そのため,表面凹凸を有するコンクリート床面及び
壁面などへの直貼りや局面への直貼りを完全に密着した
状態で行ことができ,施工性に優れている。
【0062】また,上記アルミ箔は,湿度や水分の影響
を受けにくい。そのため,高湿度下及び低湿度下におい
ても,寸法変化(反り)が起こりにくい。さらに,上記
アルミ箔は他の金属箔と比べて安価であるため,上記建
築用化粧板のコストを低減させることができる。
【0063】また,上記保護層を形成する樹脂層は,樹
脂含浸オーバーレイ紙を採用している。そのため,イン
クジェットで印刷した絵柄を鮮明に視覚認識でき,且つ
汚れ難いという効果を得ることができる。また,上記塩
化ビニル系基材は,2層以上に積層されている。そのた
め,建築用化粧板の反りや不陸を防止することができ
る。
【0064】また,実施例1及び3において,上記パタ
ーン層には,接着成分であるウレタン樹脂が配合されて
いる。そのため,上記パターン層とコアー層との間の接
着は強固なものとなり,剥がれなどの不具合が起こりに
くい。同様に,上記塩化ビニル系基材には,接着成分で
あるウレタン樹脂が配合されているため,上記塩化ビニ
ル系基材と表装材を構成するコアー層との間の接着は強
固なものとなっている。
【0065】また,実施例2において,上記接着材層
は,コアー層側に積層された塩化ビニル・酢酸ビニル共
重合樹脂で構成されている。そのため,塩化ビニル系基
材と表装材との接着を強固なものとなり,剥がれなどの
不具合が起こりにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1及び実施例3にかかる建築用化粧板の
構成を表す説明図。
【図2】実施例2にかかる建築用化粧板の構成を表す説
明図。
【図3】印刷模様の粗密と建築用化粧板のパターン層と
保護層との密着性の関係を示す説明図。
【符号の説明】
1...建築用化粧板, 15...接着材層, 2...塩化ビニル系基板, 3...表装材, 31...保護層, 32...パターン層, 33...コアー層, 325...中間接着層,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA57 AB04 AB23 BA03 BA12 BB02 GA33W GB46W 4F100 AB01B AB10B AB33B AK01D AK01E AK15A AK15E AK15G AK22G AK25G AR00C AR00D BA04 BA05 BA07 BA10A BA10D CB00 DG10D EJ82D EJ91D GB07 HB00C HB31C JJ03 JK06 JL01 JL04 JL12E

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系基材と,該塩化ビニル系基
    材の上に積層接着した表装材とからなる建築用化粧板で
    あって,上記表装材は,金属箔からなるコアー層,イン
    クジェット印刷により印刷模様が施されたパターン層,
    及び保護層を順次に積層接着して,一体成形した積層材
    により構成されることを特徴とする建築用化粧板。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記塩化ビニル系基
    材と表装材とは,接着材層により接着されていることを
    特徴とする建築用化粧板。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記保護層
    は,樹脂含浸オーバーレイ紙であることを特徴とする建
    築用化粧板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記コアー層に用いる金属箔は,アルミ箔であることを
    特徴とする建築用化粧板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項において,
    上記塩化ビニル系基材は,2層以上に積層されているこ
    とを特徴とする建築用化粧板。
  6. 【請求項6】 請求項2において,上記接着材層は,コ
    アー層側に積層された塩化ビニル・酢酸ビニル共重合樹
    脂,あるいはコアー層側に積層されたヒートシール性樹
    脂と塩化ビニル樹脂系フィルムで構成されてなることを
    特徴とする建築用化粧板。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6において,上記コアー層
    は,中間接着層を介してパターン層と接着していること
    を特徴とする建築用化粧板。
  8. 【請求項8】 請求項7において,上記中間接着層は,
    コアー層側に積層されたアクリル系共重合樹脂,あるい
    はコアー層側に積層された塩化ビニル・酢酸ビニル共重
    合樹脂と塩化ビニル樹脂系フィルムにより構成されてい
    ることを特徴とする建築用化粧板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005169924A (ja) * 2003-12-12 2005-06-30 Aica Kogyo Co Ltd 不燃化粧板
CN105636795A (zh) * 2013-10-22 2016-06-01 爱克发印艺公司 通过喷墨生产装饰性表面
WO2022141832A1 (zh) * 2020-12-31 2022-07-07 泰州市华丽新材料有限公司 数码打印板、制造方法及应用

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