JP2003213522A - ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents
ポリエステル繊維の製造方法Info
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- JP2003213522A JP2003213522A JP2002005957A JP2002005957A JP2003213522A JP 2003213522 A JP2003213522 A JP 2003213522A JP 2002005957 A JP2002005957 A JP 2002005957A JP 2002005957 A JP2002005957 A JP 2002005957A JP 2003213522 A JP2003213522 A JP 2003213522A
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- polyester fiber
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- vickers hardness
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Abstract
(57)【要約】
【課題】粒子を高濃度に含むポリエステルの溶融紡糸に
おいて、給油ガイドをはじめとする各種ガイド類が摩耗
しにくく、工程の糸切れや毛羽発生等の品質上の問題が
発生しにくい製造方法を提供する。 【解決手段】無機粒子を1%以上含むポリエステル繊維
の溶融紡糸において、ビッカース硬さHVが1900以
上のセラミックスからなるガイドを用いる。
おいて、給油ガイドをはじめとする各種ガイド類が摩耗
しにくく、工程の糸切れや毛羽発生等の品質上の問題が
発生しにくい製造方法を提供する。 【解決手段】無機粒子を1%以上含むポリエステル繊維
の溶融紡糸において、ビッカース硬さHVが1900以
上のセラミックスからなるガイドを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化チタン粒子等
の無機粒子を含むポリエステル繊維の製造方法に関し、
さらには、特定のセラミックスからなるガイドを用いる
ことにより、良好な工程安定性を得る繊維製造技術に関
する。
の無機粒子を含むポリエステル繊維の製造方法に関し、
さらには、特定のセラミックスからなるガイドを用いる
ことにより、良好な工程安定性を得る繊維製造技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル繊維の製造においては、各
種機能を繊維に付与するために各種粒子が添加されたポ
リマーを用いることが多く用いられている。例えば艶消
し剤として酸化チタン粒子をポリマーに添加して溶融紡
糸を行ったり、カーボンブラックをあらかじめ添加した
ポリマーを用いて黒原着糸を用いることは公知である。
種機能を繊維に付与するために各種粒子が添加されたポ
リマーを用いることが多く用いられている。例えば艶消
し剤として酸化チタン粒子をポリマーに添加して溶融紡
糸を行ったり、カーボンブラックをあらかじめ添加した
ポリマーを用いて黒原着糸を用いることは公知である。
【0003】しかしながら、粒子を1重量%以上の高濃
度に添加する場合、溶融紡糸工程における給油ガイドを
はじめとする各種ガイド類が早期に摩耗し、工程の糸切
れや毛羽発生等の品質上の問題が発生する場合があっ
た。また巻取速度2800m/分以上の高速紡糸では特
にその傾向が顕著であった。
度に添加する場合、溶融紡糸工程における給油ガイドを
はじめとする各種ガイド類が早期に摩耗し、工程の糸切
れや毛羽発生等の品質上の問題が発生する場合があっ
た。また巻取速度2800m/分以上の高速紡糸では特
にその傾向が顕著であった。
【0004】この問題を回避する方法として、特開昭5
7−167417号公報に記載の通り芯鞘の複合糸とな
し、芯部分にのみ高濃度の粒子を添加する方法や、特開
昭62−184109号公報に記載のようにガイドの摩
耗が少ない特殊な粒子をポリマーに添加する方法などが
知られているが、製造方法がやや特殊で汎用性にかけコ
ストが高くなるという問題があった。
7−167417号公報に記載の通り芯鞘の複合糸とな
し、芯部分にのみ高濃度の粒子を添加する方法や、特開
昭62−184109号公報に記載のようにガイドの摩
耗が少ない特殊な粒子をポリマーに添加する方法などが
知られているが、製造方法がやや特殊で汎用性にかけコ
ストが高くなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の問題点を解消し、粒子を高濃度に含む場合で
あっても、給油ガイドをはじめとする各種ガイド類が摩
耗しにくく、工程の糸切れや毛羽発生等の品質上の問題
が発生しにくいポリエステル繊維の製造方法を提供する
ことにある。
した従来の問題点を解消し、粒子を高濃度に含む場合で
あっても、給油ガイドをはじめとする各種ガイド類が摩
耗しにくく、工程の糸切れや毛羽発生等の品質上の問題
が発生しにくいポリエステル繊維の製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明は、次の構成を有する。
め、本発明は、次の構成を有する。
【0007】即ち、無機粒子を1重量%以上含むポリエ
ステル繊維の溶融紡糸において、ビッカース硬さHVが
1900以上のセラミックスからなるガイドを用いるこ
とを特徴とするポリエステル繊維の製造方法、である。
ステル繊維の溶融紡糸において、ビッカース硬さHVが
1900以上のセラミックスからなるガイドを用いるこ
とを特徴とするポリエステル繊維の製造方法、である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
る。
【0009】本発明でいう、無機粒子とは、酸化チタン
粒子、カーボンブラック、シリカ粒子等の機能性無機粒
子のことで、これらの無機粒子を1種または2種以上ポ
リエステルポリマーに対して1重量%以上、更に好まし
くは2重量%以上添加したのち、溶融紡糸を行う。
粒子、カーボンブラック、シリカ粒子等の機能性無機粒
子のことで、これらの無機粒子を1種または2種以上ポ
リエステルポリマーに対して1重量%以上、更に好まし
くは2重量%以上添加したのち、溶融紡糸を行う。
【0010】ビッカース硬さHVとはJIS Z−22
44で定義される材料の硬さのことであり、本発明では
ビッカース硬度が1900以上のセラミックスからなる
ガイドを用いる。具体的には酸化アルミニウム99.9
%以上の高純度からなるセラミックスや炭化珪素からな
るセラミックスからなるガイドを挙げることができる。
44で定義される材料の硬さのことであり、本発明では
ビッカース硬度が1900以上のセラミックスからなる
ガイドを用いる。具体的には酸化アルミニウム99.9
%以上の高純度からなるセラミックスや炭化珪素からな
るセラミックスからなるガイドを挙げることができる。
【0011】また、該特定のセラミックスを用いるガイ
ドとしては、給油ガイド、交絡ノズル前後ガイド、振り
支点ガイド、その他糸道規制ガイド等があるが、特に高
い紡糸張力を受ける給油ガイド部に用いることが望まし
い。
ドとしては、給油ガイド、交絡ノズル前後ガイド、振り
支点ガイド、その他糸道規制ガイド等があるが、特に高
い紡糸張力を受ける給油ガイド部に用いることが望まし
い。
【0012】更に、本発明は、巻取速度2800m/分
以上の速度で行う溶融紡糸において効果が顕著である。
以上の速度で行う溶融紡糸において効果が顕著である。
【0013】
【実施例】以下本発明を実施例により詳細に説明する。
A.ビッカース硬さ
JIS Z−2244に準じた。
B.ガイドの摩耗状態
新品のガイドを使用して1ヶ月間溶融紡糸を行った後の
給油ガイド(接糸部)でのガイド表面の摩耗状態を拡大
観察(×400倍)し、摩耗の進行度を○(摩耗がほと
んど見られない)、△(多少の摩耗あり)、×(摩耗が
大きい)の3段階で評価を行った。 C.糸切れ回数 新品のガイドを使用して1ヶ月間溶融紡糸を行ったとき
の、紡糸における糸切れ回数を該期間の生産量でわり、
回/tで表した。 D.毛羽発生頻度 新品のガイドを使用して1ヶ月間溶融紡糸を行ったとき
の、ドラム端面部の毛羽があるドラムの個数を該期間の
生産量でわり、個/tで表した。
給油ガイド(接糸部)でのガイド表面の摩耗状態を拡大
観察(×400倍)し、摩耗の進行度を○(摩耗がほと
んど見られない)、△(多少の摩耗あり)、×(摩耗が
大きい)の3段階で評価を行った。 C.糸切れ回数 新品のガイドを使用して1ヶ月間溶融紡糸を行ったとき
の、紡糸における糸切れ回数を該期間の生産量でわり、
回/tで表した。 D.毛羽発生頻度 新品のガイドを使用して1ヶ月間溶融紡糸を行ったとき
の、ドラム端面部の毛羽があるドラムの個数を該期間の
生産量でわり、個/tで表した。
【0014】実施例1
平均粒径0.5μm、アナターゼ型の酸化チタン粒子を
2重量%含むポリエステルを巻取速度3000m/分で
一ヶ月間溶融紡糸を行った(繊度300デシテックス、
フィラメント数48本)。給油ガイド部には、ビッカー
ス硬度が2050の高純度酸化アルミニウム(純度9
9.99%)からなるガイドを用いた。
2重量%含むポリエステルを巻取速度3000m/分で
一ヶ月間溶融紡糸を行った(繊度300デシテックス、
フィラメント数48本)。給油ガイド部には、ビッカー
ス硬度が2050の高純度酸化アルミニウム(純度9
9.99%)からなるガイドを用いた。
【0015】
(ガイド摩耗状態):○
(糸切れ回数) :0.05回/t
(毛羽発生個数) :0.01個/t
実施例2
給油ガイド部には、ビッカース硬度が2150の高純度
酸化アルミニウム(純度99.995%)からなるガイ
ドを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
酸化アルミニウム(純度99.995%)からなるガイ
ドを用いたこと以外は実施例1と同様に行った。
【0016】
(ガイド摩耗状態):○
(糸切れ回数) :0.05回/t
(毛羽発生個数) :0.01個/t
実施例3
給油ガイド部には、ビッカース硬度が3000の炭化珪
素からなるガイドを用いたこと以外は実施例1と同様に
行った。
素からなるガイドを用いたこと以外は実施例1と同様に
行った。
【0017】
(ガイド摩耗状態):○
(糸切れ回数) :0.08回/t
(毛羽発生個数) :0.02個/t
実施例4
酸化チタン粒子を1.5重量%含むポリエステルを用い
たこと以外は、実施例1と同様に行った。
たこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0018】
(ガイド摩耗状態):○
(糸切れ回数) :0.03回/t
(毛羽発生個数) :0.0個/t
実施例5
酸化チタン粒子を2.5重量%含むポリエステルを用い
たこと以外は、実施例1と同様に行った。
たこと以外は、実施例1と同様に行った。
【0019】
(ガイド摩耗状態):○
(糸切れ回数) :0.05回/t
(毛羽発生個数) :0.01個/t
実施例6
平均粒径0.5μm、アナターゼ型の酸化チタン粒子を
2重量%含むポリエステルを巻取速度3500m/分で
一ヶ月間溶融紡糸を行った(繊度270デシテックス、
フィラメント数48本)。給油ガイド部には、ビッカー
ス硬度が2050の高純度酸化アルミニウム(純度9
9.99%)からなるガイドを用いた。
2重量%含むポリエステルを巻取速度3500m/分で
一ヶ月間溶融紡糸を行った(繊度270デシテックス、
フィラメント数48本)。給油ガイド部には、ビッカー
ス硬度が2050の高純度酸化アルミニウム(純度9
9.99%)からなるガイドを用いた。
【0020】
(ガイド摩耗状態):○
(糸切れ回数) :0.05回/t
(毛羽発生個数) :0.02個/t
比較例1
給油ガイド部には、ビッカース硬度が1800の酸化ア
ルミニウム(純度99%)からなるガイドを用いたこと
以外は実施例1と同様に行った。
ルミニウム(純度99%)からなるガイドを用いたこと
以外は実施例1と同様に行った。
【0021】
(ガイド摩耗状態):△
(糸切れ回数) :0.30回/t
(毛羽発生個数) :0.5個/t
比較例2
給油ガイド部には、ビッカース硬度が1300の酸化ジ
ルコニウムからなるガイドを用いたこと以外は実施例1
と同様に行った。
ルコニウムからなるガイドを用いたこと以外は実施例1
と同様に行った。
【0022】
(ガイド摩耗状態):×
(糸切れ回数) :1.20回/t
(毛羽発生個数) :1.2個/t
【0023】
【発明の効果】無機粒子を1重量%以上含むポリエステ
ルの溶融紡糸においてビッカース硬さHVが1900以
上のセラミックスからなるガイドを用いることにより、
給油ガイドをはじめとする各種ガイド類が摩耗しにく
く、長期にわたって工程の糸切れや毛羽発生等の品質上
の問題が発生しにくいポリエステル繊維を得ることがで
きる。
ルの溶融紡糸においてビッカース硬さHVが1900以
上のセラミックスからなるガイドを用いることにより、
給油ガイドをはじめとする各種ガイド類が摩耗しにく
く、長期にわたって工程の糸切れや毛羽発生等の品質上
の問題が発生しにくいポリエステル繊維を得ることがで
きる。
Claims (4)
- 【請求項1】無機粒子を1重量%以上含むポリエステル
繊維の溶融紡糸において、ビッカース硬さHVが190
0以上のセラミックスからなるガイドを用いることを特
徴とするポリエステル繊維の製造方法。 - 【請求項2】セラミックスが酸化アルミニウム及び/ま
たは炭化珪素からなるガイドを用いることを特徴とする
請求項1項記載のポリエステル繊維の製造方法。 - 【請求項3】ガイドが給油ガイドであることを特徴とす
る請求項1項または2項記載のポリエステル繊維の製造
方法。 - 【請求項4】巻取速度が2800m/分以上であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載のポリエ
ステル繊維の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002005957A JP2003213522A (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | ポリエステル繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002005957A JP2003213522A (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | ポリエステル繊維の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003213522A true JP2003213522A (ja) | 2003-07-30 |
Family
ID=27644854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002005957A Pending JP2003213522A (ja) | 2002-01-15 | 2002-01-15 | ポリエステル繊維の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003213522A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015093531A1 (ja) | 2013-12-17 | 2015-06-25 | 京セラ株式会社 | 繊維ガイド |
WO2018181148A1 (ja) | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 京セラ株式会社 | 繊維ガイド |
-
2002
- 2002-01-15 JP JP2002005957A patent/JP2003213522A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015093531A1 (ja) | 2013-12-17 | 2015-06-25 | 京セラ株式会社 | 繊維ガイド |
WO2018181148A1 (ja) | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 京セラ株式会社 | 繊維ガイド |
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