JP2003212836A - アルキルカルバメートの製造方法 - Google Patents
アルキルカルバメートの製造方法Info
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Abstract
かつ高収率でアルキルカルバメートを得ることができ
る、アルキルカルバメートの製造方法を提供すること。 【解決手段】 脂肪族アミン、脂環族アミンおよび芳香
脂肪族アミンからなる群より選ばれる非芳香族アミン
と、炭酸ジアルキルとを、イットリウム化合物および/
またはイッテルビウム化合物の存在下で反応させる。本
発明のアルキルカルバメートの製造方法によれば、簡易
な方法により、実質的に非芳香族アミンと炭酸ジアルキ
ルとを配合するのみで、温和な条件で、高選択的かつ高
収率でアルキルカルバメートを得ることができるので、
低コストで効率よくアルキルカルバメートを製造するこ
とができる。
Description
ートの製造方法に関する。
薬、農薬および各種ファインケミカルズの合成原料ある
いは中間原料、さらには、アルコール類の分析試剤な
ど、広範な用途を有する工業原料として有用な有機化合
物である。また、アルキルカルバメートは、毒性のある
ホスゲンを使用しないイソシアネートの製造原料として
も有用であり、安価で簡便な製造方法が望まれている。
る方法としては、(1)イソシアネートとアルコールと
を反応させる方法、(2)クロロギ酸エステルとアミン
とを塩基存在下で反応させる方法、(3)尿素とアルコ
ールとを反応させる方法、(4)炭酸ジメチルとホルム
アミドとを反応させる方法、(5)炭酸ジエステルとア
ミンとを反応させる方法など、各種の方法が知られてい
る。
キルカルバメートの製造方法において、上記(1)の方
法では、イソシアネートが、アミンと毒性のあるホスゲ
ンとの反応で製造されるので、大量の塩化水素が副生す
ること、さらには、イソシアネートそのものにも刺激性
があり、取り扱いが煩雑であるという不具合がある。
エステルが高価であること、腐食性のある塩酸などが副
生すること、さらには、等モル以上の塩基を必要とする
ことなどの不具合がある。
では、高温高圧下で反応を行なう必要があるなどの不具
合がある。
知られており、例えば、特開昭51−33095号公報
では、硝酸ウラニル、三塩化アンチモンなどのルイス酸
触媒を用いる方法が提案されている。しかし、この方法
では、反応速度が遅く、しかも、目的生成物であるアル
キルカルバメート以外に、副生成物としてN−アルキル
化アミンが多量に副生するという不具合がある。なお、
ウラン化合物は、比較的良好な結果を示すが、ウランが
放射性元素であることから実用的でない。
は、鉛、チタンおよびジルコニウムなどの中性または塩
基性の化合物を触媒として用いる方法が提案されてい
る。しかし、この方法においても、反応速度が遅く、し
かも、反応に高温かつ長時間を必要とするため、工業的
には不向きであるという不具合がある。
よびアルカリ土類金属の水酸化物またはアルコラートを
用いる方法が、特開昭52−14745号公報、特開昭
54−163528号公報、特開昭64−85956号
公報、特開平2−311452号公報および特開平3−
200756号公報などにおいて提案されている。しか
し、これらの方法で得られるアルキルカルバメートに
は、塩基性触媒が残留するため、例えば、この方法で得
られるアルキルカルバメートを熱分解してイソシアネー
トを製造しようとすると、熱分解において、重合や着色
を引き起こすしやすくなるため、塩基性触媒を酸によっ
て中和除去する必要を生じ、さらには、過剰の酸あるい
は中和された塩も熱分解に悪影響を及ぼすため、さらな
る水抽出または水洗浄が必要となり、精製工程に大きな
負荷がかかるという不具合がある。
して、特開平6−128215号公報では、炭酸アルキ
ルアリールエステルと芳香族アミンとからアルキルカル
バメートを製造する方法が提案されている。しかし、こ
の方法では、含窒素複素環式化合物を触媒として用いて
いるが、収率の向上が図れないという不具合がある。
たもので、その目的とするところは、簡易な方法によ
り、温和な条件で、高選択的かつ高収率でアルキルカル
バメートを得ることができる、アルキルカルバメートの
製造方法を提供することにある。
に、本発明のアルキルカルバメートの製造方法は、脂肪
族アミン、脂環族アミンおよび芳香脂肪族アミンからな
る群より選ばれる非芳香族アミンと、炭酸ジアルキルと
を、イットリウム化合物および/またはイッテルビウム
化合物の存在下で反応させることを特徴としている。
造方法では、非芳香族アミンが、1,6−ヘキサメチレ
ンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミ
ノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロ
ヘキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシ
クロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメ
チル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス
(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチ
ル)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種で
あることが好ましい。
造方法では、炭酸ジアルキルが、下記一般式(1)で示
される化合物であることが好ましい。
を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を示
す。) また、本発明のアルキルカルバメートの製造方法では、
イットリウム化合物がイットリウムのカルボン酸塩であ
り、イッテルビウム化合物がイッテルビウムのカルボン
酸塩であることが好ましい。
造方法では、イットリウム化合物および/またはイッテ
ルビウム化合物の含水量が、3重量%以下であることが
好ましい。
造方法では、40〜160℃の反応温度で反応させるこ
とが好ましい。
製造方法は、脂肪族アミン、脂環族アミンおよび芳香脂
肪族アミンからなる群より選ばれる非芳香族アミンと、
炭酸ジアルキルとを、イットリウム化合物および/また
はイッテルビウム化合物の存在下で反応させる。
級または2級のアミノ基を1つ以上有し、かつ、芳香環
に直接結合したアミノ基を有さないアミノ基含有有機化
合物であって、脂肪族アミン、脂環族アミンおよび芳香
脂肪族アミンから選択される。なお、このようなアミノ
基含有有機化合物は、例えば、エーテル結合、チオエー
テル結合、エステル結合、スルホン基、カルボニル基、
ハロゲン原子などの安定な結合または官能基を、その分
子骨格中に含んでいてもよい。
ミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、iso−プ
ロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシ
ルアミン、n−オクチルアミン、2−エチルヘキシルア
ミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルア
ミンなどの直鎖状または分岐状の脂肪族1級モノアミ
ン、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N−メ
チルエチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、N−メチ
ルシクロペンチルアミンなどの脂肪族2級モノアミン、
例えば、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプ
ロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペ
ンタン、1,6一ヘキサメチレンジアミン、1,7−ジ
アミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−
ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12
−ジアミノドデカン、2,2,4−トリメチルヘキサメ
チレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,12−ジア
ミノドデカン、1,2−ビス(アミノエチルチオ)エタ
ンなどの脂肪族ジアミン、例えば、1,2,3−トリア
ミノプロパン、トリアミノヘキサン、トリアミノノナ
ン、トリアミノドデカン、1,8−ジアミノ−4−アミ
ノメチルオクタン、2,6−ジアミノカプロン酸2−ア
ミノエチルエステル、1,3,6−トリアミノヘキサ
ン、1,6,11−トリアミノウンデカン、トリアミノ
シクロヘキサン、3−アミノメチル−1,6−アミノヘ
キサンなどの脂肪族トリアミンなどが挙げられる。な
お、脂肪族アミンには、例えば、ポリオキシプロピレン
ジアミンなどのアミノ基含有ポリオキシアルキレン化合
物やアミノ基含有ポリシロキサン化合物なども含まれ
る。
ロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルア
ミン、シクロヘキシルアミン、水添トルイジンなどの脂
環族1級モノアミン、例えば、N−メチルシクロペンチ
ルアミンなどの脂環族2級モノアミン、例えば、ジアミ
ノシクロブタン、イソホロンジアミン、1,2−ジアミ
ノシクロへキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミ
ノメチル)シクロへキサン、1,4−ビス(アミノメチ
ル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロ
へキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシ
クロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメ
チル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、水添2,4−
トルエンジアミン、水添2,6−トルエンジアミンなど
の脂環族ジアミン、例えば、1,3,5−トリスアミノ
メチルシクロヘキサンなどの脂環族トリアミンなどが挙
げられる。
ジルアミンなどの芳香脂肪族1級モノアミン、例えば、
N−メチルベンジルアミンなどの芳香脂肪族2級モノア
ミン、例えば、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼンなどの芳香
脂肪族ジアミン、例えば、メシチレントリアミンなどの
芳香脂肪族トリアミンなどが挙げられる。
に用いられるポリ(ジ)イソシアネートの前駆体となる
ジアミン、例えば、1,6−ヘキサメチレンジアミン、
イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シ
クロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘ
キサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキサンアミ
ン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,
2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシ
クロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビス(アミノメ
チル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメチル)ベンゼ
ンが好ましく用いられる。
は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
は、例えば、下記一般式(1)で示される化合物が挙げ
られる。
を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を示
す。) 上記式(1)中、R1で示される炭素数1〜12の炭化
水素基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、
tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、2
−エチルヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデ
シル、ドデシルなどの炭素数1〜12の直鎖状または分
岐状の飽和炭化水素基、例えば、シクロヘキシル、シク
ロドデシルなどの炭素数5〜12の脂環式飽和炭化水素
基などが挙げられる。好ましくは、炭素数1〜8の直鎖
状または分岐状の飽和炭化水素基、さらに好ましくは、
炭素数1〜4の直鎖状または分岐状の飽和炭化水素基が
挙げられる。
化水素基の置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、
ハロゲン原子(例えば、塩素、フッ素、臭素およびヨウ
素など)、シアノ基、アミノ基、カルボキシル基、アル
コキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
ブトキシなどの炭素数1〜4のアルコキシ基など)、ア
リールオキシ基(例えば、フェノキシ基など)、アルキ
ルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピル
チオ、ブチルチオなどの炭素数1〜4のアルキルチオ基
など)およびアリールチオ基(例えば、フェニルチオ基
など)などが挙げられる。これらの置換基は同一または
相異なって1〜5個、好ましくは1〜3個置換していて
もよい。
化水素基は、互いに同一または相異なっていてもよい
が、互いに同一であることが好ましい。
具体的には、例えば、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭
酸ジプロピル、炭酸ジブチルなどが挙げられ、取扱性お
よびコストの観点より、炭酸ジメチルが好ましく用いら
れる。
製造方法では、上記した非芳香族アミンと、上記した炭
酸ジアルキルとを、所定の割合で配合し、イットリウム
化合物および/またはイッテルビウム化合物の存在下、
好ましくは液相で反応させる。
割合は、特に制限はなく、比較的広範囲において適宜選
択することができる。通常は、炭酸ジアルキルの配合量
として、非芳香族アミンのアミノ基に対して等当量以上
あればよく、そのため、炭酸ジアルキルそのものを、こ
の反応における反応溶媒として用いることもできる。な
お、炭酸ジアルキルを反応溶媒として兼用する場合に
は、必要に応じて過剰量の炭酸ジアルキルが用いられる
が、過剰量が多いと、反応後の分離工程での消費エネル
ギーが増大するので、商業生産上、好ましくない。
は、アルキルカルバメートの収率を向上させる観点か
ら、非芳香族アミンのアミノ基に対して、1〜20倍当
量、好ましくは、1.1〜10倍当量、さらに好ましく
は、1.2〜5倍当量程度である。
び/またはイッテルビウム化合物は、触媒として用いら
れ、例えば、イットリウムおよび/またはイッテルビウ
ムのカルボン酸塩(例えば、酢酸塩、シュウ酸塩、2−
エチルヘキサン酸塩、ステアリン酸塩など)、スルホン
酸塩などの有機酸塩、例えば、イットリウムおよび/ま
たはイッテルビウムの硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、リン酸
塩などの無機酸塩、例えば、イットリウムおよび/また
はイッテルビウムの塩化物などのハロゲン化物などとし
て用いられる。
たはイッテルビウム化合物は、少なくともイットリウム
化合物およびイッテルビウム化合物のいずれか一方を用
いれば、それぞれ単独で用いてもよく、また、イットリ
ウム化合物およびイッテルビウム化合物を、同種または
異種の組み合わせにおいて、2種以上用いてもよい。好
ましくは、イットリウムおよび/またはイッテルビウム
のカルボン酸塩、さらに好ましくは、イットリウムおよ
び/またはイッテルビウムの酢酸塩が用いられる。
ルビウム化合物の使用量は、イットリウム化合物および
/またはイッテルビウム化合物の総量として、非芳香族
アミン1モルに対して、0.0001〜0.2モル、さ
らには、0.001〜0.1モルであることが好まし
い。イットリウム化合物および/またはイッテルビウム
化合物の使用量がこれより多くても、それ以上の顕著な
反応促進効果が見られない反面、使用量の増大によりコ
ストが上昇する場合がある。一方、使用量がこれより少
ないと、反応促進効果が見られない場合がある。
イッテルビウム化合物の添加方法は、一括添加、連続添
加および複数回の断続分割添加のいずれの添加方法で
も、反応活性に影響を与えることがなく、特に制限され
ることはない。
イッテルビウム化合物は、そのまま用いてもよいが、結
晶水を含む場合には、反応活性が低下するため、加熱や
真空乾燥などにより脱水処理して、含水量を3重量%以
下、好ましくは、0.1重量%以下とすることが好まし
い。含水量を3重量%以下とすることにより、良好な反
応活性を発現させることができる。
しも必要ではないが、例えば、反応原料が固体の場合や
反応生成物が析出する場合には、反応溶媒を配合するこ
とにより操作性を向上させることができる。このような
反応溶媒は、反応原料である非芳香族アミンおよび炭酸
ジアルキルと、反応生成物であるアルキルカルバメート
などに対して不活性であるか反応性に乏しいものであれ
ば、特に制限されるものではなく、例えば、脂肪族アル
コール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、i
so−ブタノールなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、
ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、リグロイン、シク
ロドデカン、デカリン類など)、芳香族炭化水素類(例
えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼ
ン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、シクロヘ
キシルベンゼン、テトラリン、クロロベンゼン、o−ジ
クロロベンゼン、メチルナフタレン、クロロナフタレ
ン、ジベンジルトルエン、トリフェニルメタン、フェニ
ルナフタレン、ビフェニル、ジエチルビフェニル、トリ
エチルビフェニルなど)、エーテル類(例えば、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、アニソール、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなど)、エ
ステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル、フタル酸
ジドデシルなど)、ニトリル類(例えば、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、アジポニトリル、ベンゾニトリ
ルなど)、脂肪族ハロゲン化炭化水素類(例えば、塩化
メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、
1,2−ジクロロプロパン、1,4−ジクロロブタンな
ど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミドなど)、ニトロ化合物類(例えば、ニ
トロメタン、ニトロベンゼンなど)、フェノール類(例
えば、フェノール、クレゾールなど)、炭酸エステル類
(例えば、炭酸ジメチル,炭酸ジエチル、炭酸ジプロピ
ル、炭酸ジブチルなど)や、N−メチルピロリジノン、
N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキ
シドなどが挙げられる。
性などを考慮すると、脂肪族アルコール類、脂肪族炭化
水素類、芳香族炭化水素類、フェノール類、炭酸エステ
ル類が好ましく用いられる。また、このような反応溶媒
は、単独もしくは2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
アルキルカルバメートが溶解する程度の量であれば特に
制限されるものではないが、工業的には、反応液から反
応溶媒を回収する必要があるため、その回収に消費され
るエネルギーをできる限り低減し、かつ、使用量が多い
と、反応基質濃度が低下して反応速度が遅くなるため、
できるだけ少ない方が好ましい。より具体的には、非芳
香族アミン1重量部に対して、通常、0.01〜50重
量部、好ましくは、0.1〜10重量部の範囲で用いら
れる。
例えば、40〜160℃、好ましくは、50〜100℃
の範囲において適宜選択される。反応温度がこれより低
いと、反応速度が低下する場合があり、一方、これより
高いと、副反応が増大して目的生成物であるアルキルカ
ルバメートの収率が低下する場合がある。
が、反応液中の成分の沸点が反応温度よりも低い場合に
は加圧してもよく、さらには、必要により減圧してもよ
い。
えば、反応容器内に、非芳香族アミン、炭酸ジアルキ
ル、イットリウム化合物および/またはイッテルビウム
化合物および必要により反応溶媒を仕込み、攪拌あるい
は混合すればよい。そうすると、温和な条件下におい
て、高選択的かつ高収率で、例えば、下記一般式(2)
で示される目的生成物であるアルキルカルバメートが生
成する。
は、非芳香族アミン残基を、nは、非芳香族アミンのア
ミノ基の数を示す。) また、この反応においては、例えば、下記一般式(3)
で示されるアルコールが副生される。
す。) なお、この反応において、反応型式としては、回分式、
連続式いずれの型式も採用することができる。また、こ
の反応は、副生するアルコールを系外に留出させながら
反応させることもできる。
離する場合には、例えば、過剰(未反応)の炭酸ジアル
キル、アルキルカルバメート、イットリウム化合物およ
び/またはイッテルビウム化合物、反応溶媒、アルコー
ルなどを含む反応液から、公知の分離精製方法によっ
て、アルキルカルバメートを分離すればよい。
の製造方法によると、簡易な方法により、実質的に非芳
香族アミンと炭酸ジアルキルとを配合するのみで、温和
な条件で、高選択的かつ高収率でアルキルカルバメート
を得ることができるので、低コストで効率よくアルキル
カルバメートを製造することができる。
説明するが、本発明は何ら実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下の実施例および比較例において、反応
生成物の定量には、ガスクロマトグラフィー(内部標準
法)を用いた。
トおよび攪拌装置を備えた内容量300mLのガラス製
4つ口フラスコに、炭酸ジメチル(162.1g;1.
80mol)、1,6−ヘキサメチレンジアミン(3
4.9g;0.30mol)を仕込み、さらに、触媒と
して酢酸イットリウム・4水和物(6mmol)を脱水
処理した後に仕込み、70℃で8時間反応させた。反応
液の一部をサンプリングし、同定および定量したとこ
ろ、目的生成物である1,6−ヘキサメチレンジメチル
カルバメート(ジカルバメート)が、1,6−ヘキサメ
チレンジアミンに対して97重量%の収率で生成してい
ることが確認された。また、1,6−ヘキサメチレンモ
ノメチルカルバメート(モノカルバメート)が2重量
%、副生成物であるN−メチル体が0.5重量%生成し
ていることも確認された。それらの結果を表1に示す。
水和物を、80℃、12時間真空乾燥して、結晶水が除
去されるように処理した。示差熱天秤(TG−DTA)
の重量変化により含水量を測定したところ、酢酸イット
リウム・4水和物の場合、脱水処理前での重量変化率は
21.3%(4水和物に相当)であったが、脱水処理後
での重量変化は見られず、100ppm(TG−DTA
の検出限界)以下であった。
れる触媒の脱水処理は、すべて同様の方法で実施してお
り、脱水処理後の含水量は、いずれも100ppm以下
であった。
せずに、そのまま仕込んだ以外は、実施例1と同様の操
作を行なった。得られたジカルバメート、モノカルバメ
ートおよびN−メチル体の収率を表1に示す。
を行なった。得られたジカルバメート、モノカルバメー
トおよびN−メチル体の収率を表1に示す。
を行なった。得られたジカルバメート、モノカルバメー
トおよびN−メチル体の収率を表1に示す。
テアリン酸イットリウム(6mmol)を仕込んだ以外
は、実施例1と同様の操作を行なった。得られたジカル
バメート、モノカルバメートおよびN−メチル体の収率
を表1に示す。
酸イットリウム・n水和物(6mmol)を脱水処理し
た後に仕込んだ以外は、実施例1と同様の操作を行なっ
た。得られたジカルバメート、モノカルバメートおよび
N−メチル体の収率を表1に示す。
代えて1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
(0.30mol)を仕込んだ以外は、実施例1と同様
の操作を行なった。得られたジカルバメート、モノカル
バメートおよびN−メチル体の収率を表1に示す。
酸イッテルビウム・4水和物(6mmol)を脱水処理
した後に仕込んだ以外は、実施例1と同様の操作を行な
った。得られたジカルバメート、モノカルバメートおよ
びN−メチル体の収率を表1に示す。
酸亜鉛(II)・2水和物(6mmol)を脱水処理し
た後に仕込んだ以外は、実施例1と同様の操作を行なっ
た。得られたジカルバメート、モノカルバメートおよび
N−メチル体の収率を表2に示す。
酸錫(II)(6mmol)を仕込んだ以外は、実施例
1と同様の操作を行なった。得られたジカルバメート、
モノカルバメートおよびN−メチル体の収率を表2に示
す。
酸錫(IV)(6mmol)を仕込んだ以外は、実施例
1と同様の操作を行なった。得られたジカルバメート、
モノカルバメートおよびN−メチル体の収率を表2に示
す。
酸銅(II)・1水和物(6mmol)を脱水処理した
後に仕込んだ以外は、実施例1と同様の操作を行なっ
た。得られたジカルバメート、モノカルバメートおよび
N−メチル体の収率を表2に示す。
酸鉛(II)・3水和物(6mmol)を脱水処理した
後に仕込んだ以外は、実施例1と同様の操作を行なっ
た。得られたジカルバメート、モノカルバメートおよび
N−メチル体の収率を表2に示す。
ず、18時間反応した以外は、実施例1と同様の操作を
行なった。得られたジカルバメート、モノカルバメート
およびN−メチル体の収率を表2に示す。
代えて1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
(0.30mol)を仕込んだ以外は、比較例7と同様
の操作を行なった。得られたジカルバメート、モノカル
バメートおよびN−メチル体の収率を表2に示す。
法によれば、簡易な方法により、実質的に非芳香族アミ
ンと炭酸ジアルキルとを配合するのみで、温和な条件
で、高選択的かつ高収率でアルキルカルバメートを得る
ことができるので、低コストで効率よくアルキルカルバ
メートを製造することができる。
3)
よびアルカリ土類金属の水酸化物またはアルコラートを
用いる方法が、特開昭52−14745号公報、特開昭
54−163528号公報、特開昭64−85956号
公報、特開平2−311452号公報および特開平3−
200756号公報などにおいて提案されている。しか
し、これらの方法で得られるアルキルカルバメートに
は、塩基性触媒が残留するため、例えば、この方法で得
られるアルキルカルバメートを熱分解してイソシアネー
トを製造しようとすると、熱分解において、重合や着色
を引き起こしやすくなるため、塩基性触媒を酸によって
中和除去する必要を生じ、さらには、過剰の酸あるいは
中和された塩も熱分解に悪影響を及ぼすため、さらなる
水抽出または水洗浄が必要となり、精製工程に大きな負
荷がかかるという不具合がある。
代えて1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン
(0.30mol)を仕込んだ以外は、比較例6と同様
の操作を行なった。得られたジカルバメート、モノカル
バメートおよびN−メチル体の収率を表2に示す。
法によれば、簡易な方法により、実質的に非芳香族アミ
ンと炭酸ジアルキルとを配合するのみで、温和な条件
で、高選択的かつ高収率でアルキルカルバメートを得る
ことができるので、低コストで効率よくアルキルカルバ
メートを製造することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 脂肪族アミン、脂環族アミンおよび芳香
脂肪族アミンからなる群より選ばれる非芳香族アミン
と、炭酸ジアルキルとを、イットリウム化合物および/
またはイッテルビウム化合物の存在下で反応させること
を特徴とする、アルキルカルバメートの製造方法。 - 【請求項2】 非芳香族アミンが、1,6−ヘキサメチ
レンジアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シク
ロヘキサンアミン)、2,5−ビス(アミノメチル)ビ
シクロ[2,2,1]ヘプタン、2,6−ビス(アミノ
メチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、1,3−ビ
ス(アミノメチル)ベンゼン、1,4−ビス(アミノメ
チル)ベンゼンからなる群より選ばれる少なくとも1種
であることを特徴とする、請求項1に記載のアルキルカ
ルバメートの製造方法。 - 【請求項3】 炭酸ジアルキルが、下記一般式(1)で
示される化合物であることを特徴とする、請求項1また
は2に記載のアルキルカルバメートの製造方法。 (R1O)2CO (1) (式中、R1は、互いに同一または相異なって、置換基
を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基を示
す。) - 【請求項4】 イットリウム化合物がイットリウムのカ
ルボン酸塩であり、イッテルビウム化合物がイッテルビ
ウムのカルボン酸塩であることを特徴とする、請求項1
〜3のいずれかに記載のアルキルカルバメートの製造方
法。 - 【請求項5】 イットリウム化合物および/またはイッ
テルビウム化合物の含水量が、3重量%以下であること
を特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のアルキ
ルカルバメートの製造方法。 - 【請求項6】 40〜160℃の反応温度で反応させる
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のア
ルキルカルバメートの製造方法。
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