JP2003212671A - 接合用セラミック部材の製造方法、接合用セラミック部材、真空スイッチ、及び真空容器 - Google Patents
接合用セラミック部材の製造方法、接合用セラミック部材、真空スイッチ、及び真空容器Info
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Abstract
度が得られ、しかもその製造工程を簡易化できる接合用
セラミック部材の製造方法、接合用セラミック部材、接
合体、真空スイッチ、及び真空容器を提供すること。 【解決手段】 ニッケル成分を1〜10重量%とタング
ステン成分を20〜70重量%とモリブデン成分を30
〜69重量%を含有する下層ペーストを、セラミック基
材9上に塗布し乾燥して下層を形成する。次に、ニッケ
ル成分を35〜75重量%と銅成分(又はマンガン成
分)を25〜65重量%を含有する上層ペーストを、下
層上に塗布し乾燥して上層を形成する。その後焼成し
て、セラミック基材9上にメタライズ層11及び合金層
13を積層した接合用セラミック部材1を完成する。
Description
ミックを接合する場合のように、接合強度、気密性等が
要求される部材などに関し、接合用セラミック部材の製
造方法、接合用セラミック部材、接合体、真空スイッ
チ、及び真空容器に関するものである。
ライズを施す方法として、モリブデン−マンガン法(M
o−Mn法;テレフンケン法)が知られている。このM
o−Mn法は、WやMo等の高融点金属の粉末に、Mn
粉末、Ti粉末、ガラス成分(SiO2)等の接合助剤
を添加し、有機バインダと混合してペーストとしたメタ
ライズインクを、セラミック基材上に塗布し焼き付ける
方法(焼成方法)である。
による従来技術では、メタライズの焼き付け温度は、1
300〜1500℃の高温であり、炉の構造、光熱費、
耐熱消耗材等、焼成費用が大きくかかるという問題があ
った。
自体の変形も生じ、寸法精度を満足しない製品が発生す
るという問題もあった。この対策として、従来の組成の
メタライズインクを、1300℃未満の低温で焼き付け
ることが考えられるが、この場合は、十分な接合強度が
得られないという問題があった。
層に、他の金属部材等をロー付け接合する場合には、良
好な接合を得るために、ロー材の濡れ性を向上させる必
要があり、Niメッキ及びその後のシンター(焼成)等
の後処理が不可欠となっているが、この後処理によっ
て、製造工程が複雑になるという問題もあった。
下地層としてWペーストを塗布した後に、その上にNi
ペーストを塗布して焼き付け、直接にロー付けするとい
う技術(エレクトロニク・セラミクス:91/12月号
参照)が提案されているが、焼き付け温度が1250℃
以上と高く、焼成費用がかかるという点やセラミックの
寸法精度が劣化するという問題があり、必ずしも十分で
はない。
たものであり、その目的は、低温での焼成が可能で、高
い寸法精度が得られ、しかもその製造工程を簡易化でき
る接合用セラミック部材の製造方法、接合用セラミック
部材、接合体、真空スイッチ、及び真空容器を提供する
ことにある。
るための請求項1の発明は、セラミック焼成体であるセ
ラミック基材の表面上に、ニッケル、タングステン、及
びモリブデンを含む第1混合物を用いて作製された下層
ペーストを塗布し、乾燥して下層を形成する第1工程
と、前記下層上に、ニッケル又は酸化ニッケルと、銅、
酸化銅、マンガン、及び酸化マンガンのうち少なくとも
1種と、を含む第2混合物を用いて作製された上層ペー
ストを塗布し、乾燥して上層を形成する第2工程と、前
記下層及び上層を加熱して焼き付ける第3工程と、を備
えたことを特徴とする接合用セラミック部材の製造方法
を要旨とする。
とセラミック基材との接合機構が形成される。前記焼き
付け(即ち焼成による下層及び上層の焼結)の際には、
Niの添加によりMo粒の焼結が促進されるので、低温
での焼結が可能である。しかも、本発明では、下層ペー
スト中にWを含むので、Mo粒の焼結速度がやわらげら
れ、広い温度範囲において優れた接合が得られる。
u、Mn)層と下層であるMo−W−Ni層との接合機
構も形成される。前記焼き付けの際には、上層では、N
iにCuやMnを添加することにより、融点が下がり、
下層上に緻密な合金層が形成される。このため、Niメ
ッキ及びその後のシンター処理をしなくとも、良好なロ
ー付けが可能である。また、上層は合金化するため、M
oを含む下層へのNiの過度の拡散が減少し、Moの過
焼結による強度低下を防止できる。
要であったNiメッキ及びそのシンター処理を省略でき
るので、作業工程を大幅に簡略化でき、よって、製造コ
ストを大きく低減することができる。また、下層及び上
層を(例えば1200℃以下の)低温で焼結できるの
で、炉の構造、光熱費、耐熱消耗材等に関する焼成費用
を少なくすることができる。更に、低温での焼結によ
り、セラミック自体の変形も生じにくく、高い寸法精度
が得られる。しかも、低温でも十分に焼結ができるの
で、高い接合強度を確保できる。
グステン粉末とモリブデン粉末を含有する第1混合物
を、有機バインダと混合して製造することができる。ま
た、上層ペーストは、ニッケル粉末又は酸化ニッケル粉
末と、銅粉末、酸化銅粉末、マンガン粉末、及び酸化マ
ンガン粉末のうち少なくとも1種と、を含有する第2混
合物、あるいは、ニッケル−銅の合金粉末又はニッケル
−マンガンの合金粉末を含有する第2混合物を、有機バ
インダと混合して製造することができる。
H2やH2/N2などの加湿還元雰囲気にて、特に前記1
080〜1200℃の温度範囲にて行うと、製品の接合
強度や気密性が高く好適である。 (2)請求項2の発明は、前記第1混合物中に、前記ニ
ッケルを1〜10重量%と、タングステンを20〜69
重量%と、モリブデンを30〜69重量%と、を含むこ
とを特徴とする前記請求項1に記載の接合用セラミック
部材の製造方法を要旨とする。
%以上であるので、Niが高融点金属のMoと反応し、
下層(メタライズ層)の焼結を促進する。これにより、
低温でも十分に焼結が可能である。また、Niは10重
量%以下であるので、Moの過焼結を防止でき、よっ
て、セラミック基材とメタライズ層との間の接合強度の
不足を防止できる。
であるので、高強度なメタライズ層が形成される温度範
囲が広く、Wが69重量%以下であるので、Mo及びN
iの添加による効果が得られ、低温域で焼成不足となる
ことがない。更に、第1混合物中のMoが30重量%以
上であるので、低温にて強固なメタライズ層を形成する
ことができ、Moが69重量%以下であるので、WやN
iの添加による効果が得られる。
外の材料としては、有機バインダーが挙げられる。 (3)請求項3の発明は、前記第1混合物中に、更に、
(例えば酸化珪素粉末として)酸化珪素成分を2〜15
重量%含むことを特徴とする前記請求項1又は2に記載
の接合用セラミック部材の製造方法。
iO2)成分を2〜15重量%含むので、気密性が向上
する。 (4)請求項4の発明は、前記第2混合物中に、ニッケ
ル又は酸化ニッケルを35〜75重量%と、銅、酸化
銅、マンガン、及び酸化マンガンのうち少なくとも1種
を25〜65重量%含むことを特徴とする前記請求項1
〜3のいずれかに記載の接合用セラミック部材の製造方
法を要旨とする。
Niが35〜75重量%であるので、接合強度が高く、
気密性に優れている。また、第2混合物中の、Cu、酸
化Cu、Mn、及び酸化Mnのうち少なくとも1種が2
5重量%以上であるので、高いロー付け性及び高い接合
強度を有する。また、同成分が65重量%以下であるの
で、メタライズ層に浸透することによるセラミック基板
とメタライズ層との間の強度不足を防止できる。
化金属の成分以外の材料としては、有機バインダーが挙
げられる。尚、第2混合物中に、更に、酸化珪素成分を
2〜10重量%含む場合には、一層気密性が向上する。
体であるセラミック基材表面に、ニッケル、タングステ
ン、及びモリブデンを含有する下層であるメタライズ層
を備えるとともに、前記メタライズ層の表面側に、中間
層を介して又は中間層を介さずに、ニッケルと、銅又は
マンガンと、を含有する上層である合金層を備えたこと
を特徴とする接合用セラミック部材を要旨とする。
よりMo粒の焼結が促進されるので、低温での焼結が可
能であり、しかも、Wを含むので、Mo粒の焼結速度が
やわらげられ、広い温度範囲において優れた接合が得ら
れる。また、上層では、NiにCuやMnを添加するこ
とにより、融点が下がり、下層上に緻密な合金層が形成
される。このため、Niメッキ等の処理をしなくとも、
良好なロー付けが可能である。また、上層は合金化する
ため、Moを含む下層へのNiの過度の拡散が減少し、
Moの過焼結による強度低下を防止できる。
要であったNiメッキ及びそのシンターの処理を省略で
きるので、作業工程を大幅に簡略化でき、よって、製造
コストを大きく低減することができる。また、低温で焼
結できるので、炉の構造、光熱費、耐熱消耗材等に関す
る焼成費用を少なくすることができる。更に、低温での
焼結により、セラミック自体の変形も生じにくく、高い
寸法精度が得られる。しかも、低温でも十分に焼結がで
きるので、高い接合強度を確保できる。
層である合金層が形成されていてもよいが、下層である
メタライズ層と上層である合金層との間に、それとは異
なる構成の中間層が形成されていてもよい。 (6)請求項6の発明は、前記メタライズ層は、ニッケ
ルを0.7〜8重量%と、タングステンを15〜75重
量%と、モリブデンを20〜80重量%と、を含むこと
を特徴とする前記請求項5に記載の接合用セラミック部
材を要旨とする。
7重量%以上であるので、低温でも十分に焼結が可能で
ある。また、Niは8重量%以下であるので、Moの過
焼結を防止でき、セラミック基材とメタライズ層との間
の接合強度の不足を防止できる。
度なメタライズ層が形成される温度範囲が広く、Wが7
5重量%以下であるので、Mo及びNiの添加による効
果が得られる。更に、メタライズ層中に、Moを20〜
80重量%含むので、強固なメタライズ層となる。
層に、更に、酸化物換算した酸化珪素成分を3〜18重
量%含むことを特徴とする前記請求項5又は6に記載の
接合用セラミック部材を要旨とする。
(SiO2)成分を3〜18重量%含むので、セラミッ
ク部材とメタライズ層との接合性が極めて高く、気密性
が向上する。 (8)請求項8の発明は、前記合金層は、前記ニッケル
を10〜75重量%と、銅を20〜85重量%又はマン
ガンを5〜40重量%と、を含むことを特徴とする前記
請求項5〜7のいずれかに記載の接合用セラミック部材
を要旨とする。
75重量%含むので、合金層のメタライズ層との接合強
度及び気密性が高い。また、Cu分は、20重量%以上
であるので、合金層のロー付け性に優れ、且つ高い強度
が得られる。しかも、Cu分は、85重量%以下である
ので、セラミック基材とメタライズ層との間の接合強度
の向上に寄与する。
で、合金層のロー付け性に優れ、且つ高い強度が得られ
る。しかも、Mn分は、40重量%以下であるので、セ
ラミック基材とメタライズ層との間の接合強度の向上に
寄与する。尚、前記合金層に、更に、酸化物換算した酸
化珪素成分を0.05〜1.0重量%含む場合には、セ
ラミック部材とメタライズ層との接合性が極めて高く、
気密性が向上する。
メタライズ層と前記上層である合金層との間に形成され
た中間層は、ニッケル−モリブデン合金からなる中間層
であることを特徴とする前記請求項5〜8のいずれかに
記載の接合用セラミック部材を要旨とする。
ある。この中間層は、焼成条件等により生成する場合が
あるが、中間層が存在する場合でも、接合強度等の特性
にはそれほど変化はない。 (10)請求項10の発明は、前記請求項5〜9のいず
れかに記載の接合用セラミック部材に、少なくとも前記
メタライズ層及び前記合金層を介して金属部材を接合し
たことを特徴とする接合体を要旨とする。
材とを、上述したメタライズ層及び合金層を介して接合
したものである。つまり、セラミック基材の表面にメタ
ライズ層を形成し、更にその上に合金層を形成した接合
用セラミック部材に対して、その合金層と金属部材を例
えばロー材により接合したものである。尚、メタライズ
層と合金層との間に前記中間層を備えていてもよい。
の)Niメッキ及びその後のシンター処理が不要であ
り、合金層に直接に金属部材をロー付けすることができ
る。よって、その製造工程が少なく、製造コストが低
い。また、この接合体は、高い接合強度及び高い寸法精
度を有する。
5〜9のいずれかに記載の接合用セラミック部材に、少
なくとも前記メタライズ層及び前記合金層を介して他の
接合用セラミック部材を接合したことを特徴とする接合
体を要旨とする。
合用セラミック部材とを、上述したメタライズ層及び合
金層を介して接合したものである。尚、メタライズ層と
合金層との間に前記中間層を備えていてもよい。例えば
メタライズ層及び合金層を形成した2つの接合用セラミ
ック部材を用い、両合金層同士をロー材を用いて接合し
た接合体が挙げられる。
様なNiメッキ及びその後のシンター処理が不要であ
り、合金層に直接に金属部材をロー付けすることができ
る。よって、製造コストが低い。また、この接合体は、
高い接合強度及び高い寸法精度を有する。
10又は11の接合体を備えたことを特徴とする真空ス
イッチを要旨とする。本発明は、上述した接合体を用い
た真空スイッチである。この真空スイッチとは、例えば
セラミック製の絶縁バルブを用いた電気回路開閉器であ
り、特に高電圧、大電流の開閉に好適なものである。
10又は11の接合体を備えたことを特徴とする真空容
器を要旨とする。本発明は、上述した真空スイッチなど
に用いられる真空容器(例えば絶縁バルブ)であり、こ
の真空容器内に電極などを配置することにより、真空ス
イッチ(電気回路開閉器)を形成することができる。
化珪素成分の含有量に応じて、合計重量%が100重量
%以下となる様に、各請求項の他の成分(金属やその酸
化物の成分)の割合を当該成分の所定の範囲内にて適宜
調節すればよい。
ク部材の製造方法、接合用セラミック部材、接合体、真
空スイッチ、及び真空容器の実施の形態の例(実施例)
を、図面を参照して説明する。 (実施例1)ここでは、接合用セラミック部材と金属部
材の接合体を例に挙げる。
は、接合用セラミック部材1と金属部材3とがロー材5
により接合されて接合体7が形成されている。詳しく
は、接合用セラミック部材1は、セラミック基材9上に
メタライズ層(下層)11が形成され、このメタライズ
層11上に合金層(上層)13が形成され、合金層13
と金属部材3とがロー材5により接合され、これにより
接合用セラミック部材1と金属部材3とが接合一体化さ
れている。
に、Niを0.5〜8重量%と、Wを15〜75重量%
と、Moを18〜81重量%と、酸化物換算したSiO
2を1.4〜19重量%含んでおり、更に、合金層13
中に、Niを12〜76重量%と、Cuを19〜87重
量%(又はMnを2〜42重量%)とを含んでいる。
例からも明らかな様に、セラミック基材9とメタライズ
層11との接合強度が高く気密性にも優れている。ま
た、従来の様に、Niメッキ処理やその後シンター処理
を施さなくとも、合金層13にて金属部材3とのロー付
けが可能であるので、製造工程を大幅に簡易化できる。
のテストピースの製造方法を、接合用セラミック部材1
の製造方法とともに説明する。 まず、下記表1に示す様に、Ni粉末、W粉末、Mo
粉末、SiO2粉末を用いて、第1混合物を作成し、こ
の第1混合物の粉末(例えば87重量%)を、粉砕混合
し、エトセル等の有機バインダ(例えば13重量%)と
混合して下層ペースト(第1メタライズインク)を製造
した。
iが0.5〜10重量%、Wが20〜70重量%、Mo
が20〜70重量%の範囲内で含まれている。 また、同様に、下記表1に示す様に、Ni粉末、Cu
粉末、Mn粉末、Mo粉末、Ni−Cu合金粉末、Ni
−Mn合金粉末の中から選択して、第2混合物を作成
し、この第2混合物の粉末(例えば87重量%)を、粉
砕混合し、エトセル等の有機バインダ(例えば13重量
%)と混合して上層ペースト(第2メタライズインク)
を製造した。
成分として、Ni又は酸化Niが30〜80重量%、C
u、酸化Cu、Mn、及び酸化Mnのうち少なくとも1
種が20〜70重量%の範囲内で含まれている。 次に、前記下層ペーストを、セラミック焼成体である
アルミナ製(例えばアルミナ92重量%)のセラミック
基材9(例えば厚み5mm×外径φ30mm×内径φ
8.5mmの円筒形のテストピース)の表面に、厚み1
0〜20μm程度塗布し、乾燥して(後にメタライズ層
11となる)下層を形成した。
表面に対して、その表面全体を覆うように、厚み10〜
20μm程度塗布し、乾燥して(後に合金層13とな
る)上層を形成した。 次に、前記下層及び上層を形成したセラミック基材9
を炉中に入れ、ウエッター温度40℃のH2/N2(1:
1)のフォーミングガス雰囲気にて、下記表3に示す様
に、1050〜1250℃の温度範囲の温度にて焼成し
た。これにより、セラミック基材9の表面にメタライズ
層11及び合金層13を備えた接合用セラミック部材1
が得られた。
ル製(Fe−Ni−Co)の金属部材3をロー付けし
た。具体的には、合金層13と金属部材3(例えば厚み
1mm×外径φ16mmのコバール円板)との間に、銀
ロー材(BAg−8)5の箔を配置して、所定のロー付
け温度にて加熱して冷却することにより、接合用セラミ
ック部材1と金属部材3とをロー付け接合して接合体7
を完成した。
て、下記表1に示す様に、第1及び第2混合物(従って
下層及び上層ペースト)の成分を違えて、図2に示す様
に、実験に供する接合体7として、No.1〜21の円形
のテストピース(下層にWを含み、上層にNi成分とC
u又はMn成分とを含む本発明の試料)を作成した。
u、Mnを含まないものと下層にWを含まない)比較例
の試料No.22〜25も作成した。尚、表1は、第1及
び第2混合物の組成を示してある。
部材1の断面を研磨し、メタライズ層11及び合金層1
3の成分の定量分析を行った。詳しくは、電子プローブ
マイクロアナライザー(加速電圧;20kV、スポット
径;5μm)により定量分析を行った。その結果を、下
記表2に記す。
に、各試料とも5箇所行い、その平均値を求めた。ま
た、Siの重量%は、酸化物換算した値である。更に、
各層の残部は、セラミック基材からの拡散によるAl2
O3、MgO、CaO等のガラス成分が占めている。
合体7の各試料の接合強度を調べた。具体的には、図3
に示す様に、接合体7を金属部材3を下向きにして配置
するとともに、セラミック基材9の外周の下端を円筒形
の鉄製の受け台21で支える。この状態で、セラミック
基台9の中央の貫通孔23に、上方より円柱形のステン
レス製の打ち抜き棒25を配置し、打ち抜き棒25を荷
重速度0.5mm/minで図の下方に移動させる。
の強度(破壊強度)を、打ち抜き棒25の上方に配置し
た荷重計(図示せず)によって測定し、これをロー付け
強度とした。このロー付け強度(接合強度)及びその評
価を、各試料の焼成温度別に、下記表3に記す。
は、1050〜1250℃において、◎は20MPa以
上であることを示し、○は20MPa未満15MPa以
上を示し、△は15MPa未満10MPa以上を示し、
×は10MPa未満を示している。
2、6 この表3から明らかな様に、本発明の範囲内の試料No.
1〜21は、低温での焼成にもかかわらず、メタライズ
層は十分に焼結するので、高いロー付け強度が得られ好
適である。また、低温での焼結が可能であるので、焼結
のためのコストが少なくて済むという利点がある。更
に、低温での十分な焼結が可能であるので、高温での焼
結に比べて、接合用セラミック部材の寸法精度が高いと
いう効果がある。
ので、広い温度範囲にて焼成ができ、よって、その温度
範囲にて焼成した焼結品にて、高い接合性が得られるこ
とが分かる。特に、本発明の請求項2及び6の条件を満
たす試料No.3〜5、9〜13、15、16、19、2
0のものは、その接合強度が高く、一層好適である。
5は、ロー付け強度が低く、好ましくない。 d)次に、前記の製造方法にて製造した接合体7の各試
料の気密性を調べた。具体的には、図3に示す接合体7
の一方の側を真空にし(1×10-6pPa以下)、他方
の側にヘリウムを充填して、ヘリウムが漏出があるか否
かを調べた。
のを「k」の記号で示した。この表3から明らかな様
に、特に本発明の試料No.1〜21のうち、特に試料N
o.1、4、5、9、10、12、13、15、16、1
9、20のものは、気密性に優れていることが分かる。 (実施例2)次に、実施例2について説明するが、前記
実施例1と同様な箇所の説明は省略する。
合した接合体を例に挙げる。 a)図4に模式的に示す様に、本実施例では、アルミナ
製の第1接合用セラミック部材31と同様なアルミナ製
の第2接合用セラミック部材33とがロー材35により
接合されて接合体37が形成されている。
は、第1セラミック基材39上に第1メタライズ層41
が形成されたものであり、この第1メタライズ層41上
には第1合金層43が形成されている。一方、第2接合
用セラミック部材33は、第2セラミック基材45上に
第2メタライズ層47が形成されたものであり、この第
2メタライズ層47上には第2合金層49が形成されて
いる。
とがロー材35により接合されることにより、第1接合
用セラミック部材31と第2接合用セラミック部材33
とが接合されて一体となっている。 b)次に、この接合体37の製造方法を、第1、第2接
合用セラミック部材31、33の製造方法とともに説明
する。
略した内容は前記実施例1と同様である)、前記表1に
示す上層ペーストの成分の粉末を使用して、各試料の上
層ペーストを製造した。 次に、下層ペーストを、第1、第2セラミック基材3
9、45のそれぞれの表面に塗布し、乾燥してそれぞれ
下層を形成した。
ミック基材39、45のそれぞれの下層の表面に塗布
し、乾燥してそれぞれ上層を形成した。 次に、前記下層及び上層を形成した第1、2セラミッ
ク基材39、45を、それぞれ炉中に入れ、1050〜
1250℃の温度にて焼成した。これにより、第1メタ
ライズ層41上に第1合金層43が積層された第1接合
用セラミック部材31と、第2メタライズ層47上に第
2合金層49が積層された第2接合用セラミック部材3
3を得た。
ー材35を配置してロー付け接合し、両接合用セラミッ
ク部材31、33を接合して一体化して接合体37を完
成した。本実施例の接合体37は、前記実施例1と同様
に、接合強度が高く気密性にも優れている。 (実施例3)次に、実施例3について説明するが、前記
実施例1、2と同様な箇所の説明は省略する。
セラミック部材と金属部材からなる接合体を真空スイッ
チに用いた例である。即ち、本実施例の真空スイッチ
は、真空容器内に電極等を内蔵し、高電圧、大電流の開
閉に適した高負荷開閉器である。
器100は、絶縁バルブ101と、絶縁バルブ101の
端部を塞いで取り付けられた第1及び第2の端蓋10
2、103と、第1の端蓋102に取り付けられ絶縁バ
ルブ101内に突出された固定電極104と、第2の端
蓋103に摺動自在に配置された可動電極105とを備
え、固定電極104と可動電極105により接点106
を構成している。
量%のセラミック焼成体で形成され、内径80mm×肉
厚5mm程度×長さ100mmの略円筒形である。ま
た、絶縁バルブ101は、内径が一定の直胴部110及
び内周壁111の中間にて内側に突出して周設される凸
状部112を有している。更に、絶縁バルブ101の外
周面には、釉薬層115を備えている。
状のコバール(Fe−Ni−Co)板で形成され、各中
央部に固定電極104、ガイド131を固着するための
穴121、132が設けられている。このガイド131
は、可動電極105の可動軸151が摺動し易いように
設けられている。
固着される固定軸141となり、先端が絶縁バルブ10
1内に突出される円環状の電極142となっている。前
記可動電極105は、後端がガイド131内を摺動する
可動軸151となり、先端が固定電極104側の電極1
42に接触する電極152となっている。この可動電極
105は、電極152付近の可動軸151と第2の端蓋
103との間に設けられる蛇腹状の金属べローズ153
により、真空保持状態で開閉動作を可能とされている。
ー154で囲まれ、電流開閉時に、電極142,152
(即ちその先端の接触子143、155)から発生する
金属蒸気が直接触れるのを防いでいる。前記接点106
は、電極142,152の接触が行われる接触子14
3、155に、高融点のタングステン系の焼結金属を用
い、発生する真空アークにより溶着し難い構造となって
いる。
161が配置されている。このアークシールド161
は、前述の金属蒸気が絶縁バルブ101の内周壁111
に付着して絶縁が低下するのを防止するために、絶縁バ
ルブ101の凸状部112にロー付けにより接合されて
いる。
は、前記実施例1の接合体と同様に、接合用セラミック
部材である絶縁バルブ101の凸状部112に、金属部
材であるアークシールド161がロー材162によるロ
ー付けにより接合されている。
に、絶縁バルブ101の凸状部112の先端には、前記
実施例1に示した様に、低温でのメタライズにより、メ
タライズ層171が形成され、このメタライズ層171
上に合金層173が形成され、この合金層173とアー
クシールド161とがロー材162によるロー付けによ
って接合されているのである。
た絶縁バルブ101(従って高負荷開閉器100)を、
低コストで製造でき、また、高い寸法精度及び高い接合
強度を実現することができる。 (実施例4)次に、実施例4について説明するが、前記
実施例3と同様な箇所の説明は省略する。
セラミック部材と金属部材からなる接合体を真空スイッ
チに用いた例であるが、アークシールドと絶縁バルブの
構造が異なる。図7に要部を模式的に示す様に、本実施
例の真空スイッチ(高負荷開閉器)200は、上絶縁バ
ルブ201と下絶縁バルブ203との間に、無酸素銅か
らなる金属製の接続部材205がロー付けされ、その接
続部材205の先端側に、アークシールド207がロー
付け接合されている。
バルブ203と接続部材205とが固定される部分(固
定部209)には、前記実施例1と同様な方法で、それ
ぞれメタライズ層211、213が形成され、各メタラ
イズ層211、213上にはそれぞれ合金層215、2
17が形成されている。
部材205とが、それぞれロー材219、221により
接合されることにより、両絶縁バルブ201、203と
接続部材205とが接合一体化されている。尚、両絶縁
バルブ201、203の外周面には 前記実施例3と同
様の釉薬層223、225がそれぞれ形成されている。
な効果を奏する。尚、本発明は前記実施例になんら限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば前記実施例1、2では、下層であるメタライズ層
と上層である合金層が直接に接合している例を挙げた
が、それとは別に、メタライズ層と合金層との間に、そ
れらの層とは異なる構成の(例えばNi−Mo合金層で
ある)中間層が形成されていてもよい。
図である。
す説明図である。
図である。
図である。
す説明図である。
す説明図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 セラミック焼成体であるセラミック基材
の表面上に、ニッケル、タングステン、及びモリブデン
を含む第1混合物を用いて作製された下層ペーストを塗
布し、乾燥して下層を形成する第1工程と、 前記下層上に、ニッケル又は酸化ニッケルと、銅、酸化
銅、マンガン、及び酸化マンガンのうち少なくとも1種
と、を含む第2混合物を用いて作製された上層ペースト
を塗布し、乾燥して上層を形成する第2工程と、 前記下層及び上層を加熱して焼き付ける第3工程と、 を備えたことを特徴とする接合用セラミック部材の製造
方法。 - 【請求項2】 前記第1混合物中に、前記ニッケルを1
〜10重量%と、タングステンを20〜69重量%と、
モリブデンを30〜69重量%と、を含むことを特徴と
する前記請求項1に記載の接合用セラミック部材の製造
方法。 - 【請求項3】 前記第1混合物中に、更に、酸化珪素成
分を2〜15重量%含むことを特徴とする前記請求項1
又は2に記載の接合用セラミック部材の製造方法。 - 【請求項4】 前記第2混合物中に、ニッケル又は酸化
ニッケルを35〜75重量%と、銅、酸化銅、マンガ
ン、及び酸化マンガンのうち少なくとも1種を25〜6
5重量%と、を含むことを特徴とする前記請求項1〜3
のいずれかに記載の接合用セラミック部材の製造方法。 - 【請求項5】 セラミック焼成体であるセラミック基材
表面に、ニッケル、タングステン、及びモリブデンを含
有する下層であるメタライズ層を備えるとともに、 前記メタライズ層の表面側に、中間層を介して又は中間
層を介さずに、ニッケルと、銅又はマンガンと、を含有
する上層である合金層を備えたことを特徴とする接合用
セラミック部材。 - 【請求項6】 前記メタライズ層は、ニッケルを0.7
〜8重量%と、タングステンを15〜75重量%と、モ
リブデンを20〜80重量%と、を含むことを特徴とす
る前記請求項5に記載の接合用セラミック部材。 - 【請求項7】 前記メタライズ層に、更に、酸化物換算
した酸化珪素成分を3〜18重量%含むことを特徴とす
る前記請求項5又は6に記載の接合用セラミック部材。 - 【請求項8】 前記合金層は、前記ニッケルを10〜7
5重量%と、銅を20〜85重量%又はマンガンを5〜
40重量%と、を含むことを特徴とする前記請求項5〜
7のいずれかに記載の接合用セラミック部材。 - 【請求項9】 前記下層であるメタライズ層と前記上層
である合金層との間に形成された中間層は、ニッケル−
モリブデン合金からなる中間層であることを特徴とする
前記請求項5〜8のいずれかに記載の接合用セラミック
部材。 - 【請求項10】 前記請求項5〜9のいずれかに記載の
接合用セラミック部材に、少なくとも前記メタライズ層
及び前記合金層を介して金属部材を接合したことを特徴
とする接合体。 - 【請求項11】 前記請求項5〜9のいずれかに記載の
接合用セラミック部材に、少なくとも前記メタライズ層
及び前記合金層を介して他の接合用セラミック部材を接
合したことを特徴とする接合体。 - 【請求項12】 前記請求項10又は11の接合体を備
えたことを特徴とする真空スイッチ。 - 【請求項13】 前記請求項10又は11の接合体を備
えたことを特徴とする真空容器。
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JP2002293732A JP3875613B2 (ja) | 2001-10-05 | 2002-10-07 | 接合用セラミック部材の製造方法、接合用セラミック部材、真空スイッチ、及び真空容器 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7445850B2 (en) | 2004-04-14 | 2008-11-04 | Ngk Spark Plug Co., Ltd. | Switch container for hermetically encapsulating switch members and method for producing the same |
CN100450699C (zh) * | 2004-12-24 | 2009-01-14 | 日立电线株式会社 | 焊接用包覆材料、使用其的焊接方法以及焊接制品 |
JP2015070976A (ja) * | 2013-10-04 | 2015-04-16 | 株式会社ニデック | 視覚再生補助装置 |
JP2016028001A (ja) * | 2014-05-23 | 2016-02-25 | ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ | セラミックと金属を接合するための方法およびその封止構造 |
-
2002
- 2002-10-07 JP JP2002293732A patent/JP3875613B2/ja not_active Expired - Fee Related
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