JP2003212633A - 建築用成型板及びその製造方法並びにその施工方法 - Google Patents

建築用成型板及びその製造方法並びにその施工方法

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JP2003212633A JP2002015964A JP2002015964A JP2003212633A JP 2003212633 A JP2003212633 A JP 2003212633A JP 2002015964 A JP2002015964 A JP 2002015964A JP 2002015964 A JP2002015964 A JP 2002015964A JP 2003212633 A JP2003212633 A JP 2003212633A
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Shigeyuki Kawada
繁行 河田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝統的な左官工法を改良した安価で、疎水
性、断熱性、軽量性、透水性、及び硬質性を備えた土系
の建築用成型板及びその製造方法並びにその施工方法を
提供する。 【解決手段】 建築用成型板は、軽量骨材からなる第1
主材及び粘土、真砂土、砂を主成分とする第2主材との
粉粒体部と漆喰部を含む第1基材と、第1基材に対して
それぞれ外分で加えられるセメント、希釈水ガラス、希
釈水ガラス用硬化剤、及び苦汁を含む第2基材とを有す
る母材、並びに、これを補強する鉄筋、鉄網、化学繊維
網のいずれか1又は2以上から構成される補強材からな
り、型枠内に母材を充填し次いで補強材を配設して更に
母材を充填することにより形成され、所定間隔の目地部
を設けて配設して、目地部に目地深さを調節して充填材
を充填することにより施工される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、疎水性、断熱性、
軽量性、透水性、及び硬質性を備えた土系の建築用成型
板及びその製造方法並びにその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】三州種土、三州叩き、三和土等と各地で
さまざまな名称で呼ばれている伝統的な左官工法は、セ
メントが存在しなかった時代では全国で広範囲に用いら
れていた。この工法は、風化花崗岩に石灰及び苦汁を混
合して水練りし、更に、手で握って型崩れしない程度の
硬さにまで捏ねたものを、槌で叩いて十分に搗き固める
もので、例えば、泉水や床(土間)等が施工されてい
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伝統的
な左官工法では、使用する素材の種類が限定されるこ
と、所要の材料を集めて現場で練るため作業場所の確保
が必要になること、叩きながら施工体を構築していくた
め作業能率が悪くなること、多くの人手を要することか
ら施工単価が高価になること等の問題を有していた。ま
た、消石灰の硬化が気硬性のため施工体の完全硬化には
約1カ月という長期間を要し、工期が長いという問題も
存在していた。更に、叩き締める施工法のため場所によ
り充填にむらが生じ易く、耐久性、特に表面強度の変動
が大きいという欠点を有していた。このため、伝統的な
左官工法は、現在、数奇屋建築等に小規模に使用されて
いる程度である。
【0004】近年、都市部のヒートアイランド現象の解
消のために、大規模建築物の屋上の一部に樹木を植える
試みがなされている。しかし、樹木を植えるための埴土
の保持工事や樹木を植えてからの保守管理に費用がかか
ること、また酸性雨による建築物等への被害を低減する
ことも考慮しなければならない状況では、屋上に樹木を
植える場合、施工費用がより安価で、耐久性に優れ、な
おかつ保守管理等の容易なことが求められている。この
ような要求に対して、伝統的な左官工法で形成される構
築物は、耐酸性、疎水性、吸水性等に優れ、植樹の際の
埴土を保持する保持材として好適と考えられる。本発明
はかかる事情に鑑みてなされたもので、伝統的な左官工
法を改良した安価で、疎水性、断熱性、軽量性、透水
性、及び硬質性を備えた土系の建築用成型板及びその製
造方法並びにその施工方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る建築用成型板は、母材と該母材を補強する補強
材から構成される建築用成型板であって、前記母材は第
1基材と第2基材を有し、前記第1基材は5〜50体積
%の漆喰部と残部の粉粒体部からなり、前記漆喰部は生
石灰に水を加えて調整した石灰乳を主成分として、糊
材、石粉、及びすさを副成分とし、また、前記粉粒体部
は主にパーライト、坑火石、木粉、籾殻の1又は2以上
からなる軽量骨材で構成される第1主材及び粘土、真砂
土、砂を主成分とする第2主材を主体とし、前記第2基
材は前記第1基材に対してそれぞれ外分で加えられる3
〜40体積%のセメントと、0.3〜20体積%の希釈
水ガラスと、0.3〜10体積%の希釈水ガラス用硬化
剤と、0.2〜3体積%の苦汁とを含み、しかも、前記
希釈水ガラスは珪酸ソーダ、珪酸カリ、リチウムシリケ
ートのいずれか1又は2以上を1〜15倍の水で希釈し
たものからなり、また、前記希釈水ガラス用硬化剤は懸
濁型、無機溶液型、有機溶液型の原液のいずれか1又は
2以上を1〜20倍の水で希釈したものからなり、更
に、前記補強材は前記母材内に定置された鉄筋、鉄網、
化学繊維網のいずれか1又は2以上を有する。
【0006】漆喰、セメント、水ガラスの複数の硬化材
を組み合わせて使用しているので、粉粒体部を構成して
いる第1主材、及び第2主材の形態や材質に変動が生じ
ても、接着力を安定させ確実に硬化させることができ
る。漆喰部を5〜50体積%としたのは、5体積%未満
では粉粒体間の隙間を充填して建築用成型板に疎水性、
硬質性を付与することが困難になるためであり、50体
積%を超えると粉粒体間の隙間が充填され過ぎて組織が
緻密となって、断熱性を付与することが困難になるため
である。セメントを3〜40体積%としたのは、3体積
%未満では建築用成型板に強度向上効果が発現しないた
めであり、40体積%を超えると建築用成型板の色相が
大きく変化するためである。なお、軽量骨材の粒径を大
小組み合わせて使用することにより、硬化時の収縮の方
向性を分散させることができ、表面に発生するクラック
を減少させることができる。
【0007】1〜15倍の水で希釈した水ガラスを使用
するのは、基材中への水ガラスの分散を効果的に行ない
基材の硬化を促進するためであり、1倍未満の希釈状態
では基材の硬化が速過ぎて作業性が悪く、15倍を超え
る希釈状態で使用すると水の過剰添加となって母材の調
製が困難となるためである。水ガラスを使用するのは、
建築用成型板の強度向上を図るためであるが、水ガラス
使用量が多くなると建築用成型板を製造する際の作業性
が低下する。このため、1〜15倍の水で希釈した水ガ
ラスを使用する場合では、第1基材に対して0.3〜2
0体積%の範囲で加えるのよい。1〜20倍の水で希釈
した水ガラス用硬化剤を使用するのは、基材中への分散
を効果的に行って基材の硬化速度を調整し水ガラスの硬
化を促進するためであり、1倍未満の希釈状態では基材
中への分散が難しく、20倍を超える希釈状態では水の
過剰添加となって母材の調製が困難となるからである。
第1基材に対して0.3〜20体積%の範囲で加えた希
釈水ガラスを十分に硬化させるには、1〜20倍の水で
希釈した水ガラス用硬化剤の場合では0.3〜10体積
%必要となる。
【0008】ここで、懸濁型の水ガラス用硬化剤とは、
硬化剤が懸濁液の状態となっているもので、例えば、硫
酸カルシウム、水酸化カルシウム、ベントナイト、スラ
グ類、ポルトランドセメント、高炉セメント、コロイド
セメント等の懸濁液を指す。また、無機溶液型の水ガラ
ス用硬化剤とは硫酸やリン酸等の無機塩、硫酸ナトリウ
ムや硫酸カリウム等の硫酸塩、炭酸ナトリウムや炭酸カ
リウム等の炭酸塩、塩化カルシウムや塩化ナトリウム等
の塩化物、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩、リ
ン酸2水素ナトリウム等のリン酸塩を指す。更に、有機
溶液型の水ガラス用硬化剤とは酢酸やクエン酸等の有機
塩、エチレングリコールジアセテート等の多価アルコー
ルエステル、エチレンカーボネート等のカーボネート
類、ガンマプチロラクトン等の分子内エステル、グリオ
キザール等のジアルデヒド類を指す。
【0009】苦汁を加えることにより、第1主材の強度
を補強し、作業性を向上させることができる。第1主材
の強度を向上させるためには、苦汁を0.2体積%以上
添加する必要があるが、建築用成型板の製造における作
業性を変化させないためには、苦汁を3体積%以下の添
加とする必要がある。軽量骨材を使用することで建築用
成型板の軽量化が達成できると共に、断熱性を向上させ
ることができる。また、選択した軽量骨材の材質、使用
量に応じて建築用成型板の特性を幅広く変化させること
が可能となり、建築用成型板の適用範囲が拡大する。例
えば、木粉、籾殻等の植物性材料を炭化させたものを軽
量骨材として混和して使用し、建築用成型板を樹木の周
囲に敷設すれば太陽熱を吸収して霜害や雪害を防ぐこと
ができ、また池の中に配置すれば、浄水効果を発揮す
る。建築用成型板の強度があまり必要とされない場合
は、軽量骨材の混和量を増やすことによって、防音、断
熱、軽量化を更に図ることができる。なお、パーライト
とは、天然のガラス状鉱物を指す。母材内に鉄筋、鉄
網、化学繊維網のいずれか1又は2以上から構成される
補強材を定置することにより、建築用成型板に加えられ
る荷重を補強材で支えることができ、建築用成型板の母
材が破損することを防止できる。
【0010】第1の発明に係る建築用成型板において、
前記第1主材を、前記軽量骨材と透水性又は含水性の高
い建材廃棄物の破砕粒とを主体とすることができる。こ
こで、透水性又は含水性の高い建材廃棄物とは、例え
ば、煉瓦、日本瓦、発泡軽量コンクリート等の解体廃棄
物を指す。これらの解体廃棄物を、例えば0.2〜3c
mの寸法に破砕して粒状にしたものは、軽量性、透水
性、含水性等が軽量骨材に近いため、軽量骨材と混合し
て多目的に使用することができる。
【0011】前記目的に沿う第2の発明に係る建築用成
型板は、母材と該母材を補強する補強材から構成される
建築用成型板であって、前記母材は50〜80体積%の
第1基材と、残部の第2基材を有し、前記第1基材は真
砂土、粘土、及び砂を主成分とし、前記第2基材はセメ
ント及び石灰乳、又はセメント及び消石灰のいずれかの
組合せを主体とする主材と、苦汁及びすさからなる副材
とを有し、更に、前記補強材は前記母材内に定置された
鉄筋、鉄網、化学繊維網のいずれか1又は2以上を有す
る。
【0012】セメント及び石灰乳、又はセメント及び消
石灰の複数の硬化材を組み合わせて使用しているので、
基材の形態や材質に変動が生じても、接着力を安定させ
確実に硬化させることができる。第1基材を50〜80
体積%としたのは、50体積%未満では第1基材間に十
分な隙間が形成されず、建築用成型板が緻密な組織とな
って断熱性を付与することが困難になるためである。8
0体積%を超えて第1基材を使用すると、基材間の結合
組織が少なくなって、建築用成型板に十分な強度を付与
することが困難になるためである。また、第1基材とし
て、真砂土、粘土、及び砂を混合して使用することによ
り、建築用成型板の収縮率、作業性、色相等を使用目的
に合わせて調整することが可能となる。硬化材として、
セメント及び石灰乳、又はセメント及び消石灰を使用す
ることにより、建築用成型板に強度向上を図ることがで
きると共に、母材に疎水性を付与することができる。更
に、苦汁を加えることにより、母材を調製する際の作業
性を向上させ硬化を促進することができる。母材内に鉄
筋、鉄網、化学繊維網のいずれか1又は2以上から構成
される補強材を定置することにより、建築用成型板に加
えられる荷重を補強材で支えることができ、建築用成型
板の母材が破損することを防止できる。なお、第2基材
に水ガラス及び水ガラス用硬化剤を加えることで、建築
用成型板の強度を更に向上させることができる。ここ
で、水ガラス、水ガラス用硬化剤には、第1の発明に係
る建築用成型板で使用したものをそれぞれ使用すること
ができる。
【0013】第1、第2の発明に係る建築用成型板にお
いて、前記第1基材に対して、1〜10倍の水で希釈し
たセメント混和用ポリマーディスパージョンを外分で
0.2〜15体積%、1〜10倍の水で希釈した消泡剤
を外分で0.001〜0.01体積%、合成糊材を外分
で0.02〜0.2体積%をそれぞれ加えることが好ま
しい。ここで、セメント混和用ポリマーディスパージョ
ンとは、建築用成型板の製造時にセメントと併用して、
セメントの強度不足、ひび割れ発生、接着性不良等を改
善するための高分子系の混和材である。セメント混和用
ポリマーディスパージョンは、脱水してポリマーフィル
ムを形成し、このポリマーフィルムが、第1基材とセメ
ントの硬化物との間を結びつける。このため、セメント
の諸特性が改善されて、建築用成型板の諸特性も改善さ
れる。特に、セメント混和用ポリマーディスパージョン
を併用することにより、建築用成型板の耐候性と強度を
大きく改善することができる。また、適量の消泡剤を添
加することで、建築用成型板における結合組織の密度を
向上させることができ、建築用成型板の強度を上昇させ
ることが可能となる。
【0014】セメント混和用ポリマーディスパージョン
を水で希釈するのは、セメントに対する分散性を向上さ
せるためであり、希釈効果を発揮するには1倍以上に希
釈する必要があるが、10倍を超えて希釈すると、水の
過剰添加となって建築用成型板の作製が困難となる。セ
メント混和用ポリマーディスパージョンを加える効果は
使用量に比例するが、加え過ぎると建築用成型板の色相
が大きく変化するので好ましくない。従って、1〜10
倍の水で希釈したセメント用ポリマーディスパージョン
では、第1基材に対して0.2〜15体積%の範囲が好
ましい。消泡剤を水で希釈して使用するのも、得られる
建築用成型板の製造における作業性を維持して消泡剤の
分散効果を向上させるためであり、1〜10倍の水で希
釈して使用するのが好ましい。希釈した消泡剤の使用量
は、第1基材に対して外分で0.001体積%以上添加
すれば効果が現れてくるが、0.01体積%を超えて添
加しても添加効果は変化しない。このため、第1基材に
対して0.001〜0.01体積%の範囲とした。合成
糊材を加えることにより、母材調整時の作業性を向上さ
せることができる。作業性の向上には合成糊材を0.0
2体積%以上添加する必要があるが、母材の作業性を変
化させないためには、合成糊材を0.2体積%以下の添
加とする必要がある。
【0015】前記目的に沿う第3の発明に係る建築用成
型板の製造方法は、漆喰部5〜50体積%で残部が粉粒
体部からなり、前記漆喰部は生石灰に水を加えて調整し
た石灰乳を主成分とし、糊材、石粉、及びすさを副成分
として、また、前記粉粒体部は主にパーライト、坑火
石、木粉、籾殻の1又は2以上の軽量骨材から構成され
る第1主材及び粘土、真砂土、砂を主成分とする第2主
材を主体とした第1基材と、前記第1基材に対してそれ
ぞれ外分で3〜40体積%のセメント、0.3〜20体
積%の希釈水ガラス、0.3〜10体積%の希釈水ガラ
ス用硬化剤、0.2〜3体積%の苦汁を含み、しかも、
前記希釈水ガラスは珪酸ソーダ、珪酸カリ、リチウムシ
リケートのいずれか1又は2以上を1〜15倍の水で希
釈したものからなり、また、前記希釈水ガラス用硬化剤
は懸濁型、無機溶液型、有機溶液型の原液のいずれか1
又は2以上を1〜20倍の水で希釈したものからなる第
2基材とを有する母材を調製する第1工程と、前記母材
を型枠内に所定量充填し、次いで鉄筋、鉄網、化学繊維
網のいずれか1又は2以上を有する補強材を定置して、
更に前記母材を前記型枠内に所定量充填させることで前
記補強材を前記母材中に埋設して成型物を形成する第2
工程と、前記成型物を養生して硬化させる第3工程とを
有する。
【0016】漆喰部を予め調整し、調整した漆喰部と粉
粒体部を混合して、しかる後に希釈水ガラス、セメン
ト、希釈水ガラス用硬化剤、苦汁を添加して混練する。
このような混合、混練順序を採用することにより、粉粒
体部を構成する軽量骨材や粘土等の形態や材質が変動し
ても施工性の変動が小さい母材を製造することが可能と
なる。また、例えばモルタルポンプで母材を運搬するこ
とが可能となるため、施工単価も安価になる。更に、事
前に水で練り合わせた石灰乳を使用するので、二酸化炭
素ガスの含有量が少なく硬質の建築用成型板を得ること
ができる。従来の叩き等の工事で使用されていた消石灰
の代わりに、石灰乳を主成分とし、糊材、石粉、すさを
含む漆喰を予め調整して使用することで、作業性の向上
と、初期強度が高い建築用成型板の製造を可能とするこ
とができる。なお、製造する建築用成型板の寸法は、例
えば、長さが20〜50cm、幅が10〜25cm、厚
みが3〜15cmのものが利用度が高い。
【0017】ここで、セメントとしては、普通ポルトラ
ンドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメン
トの中から選ばれたいずれか1又は2以上を組み合わせ
て使用することができる。セメントの使用目的は、漆喰
と共に母材に強度を付与するためである。セメントはそ
れ自身が硬化して強度を発現する以外に、粘土に対して
も硬化材として作用し、更にセメントの中で普通ポルト
ランドセメント、高炉セメントは水ガラスに対して懸濁
型硬化剤として作用して、母材の硬化を促進し強度を向
上させる。ただし、セメントの使用は母材の色相を変化
させるため、用途に合わせてその使用量を制限する必要
がある。水ガラスは、粘土の硬化速度を速めるために使
用する。なお、水ガラスとして使用する珪酸ソーダは、
1号、3号が好ましい。水ガラス用硬化剤としては、懸
濁型、無機溶液型、有機溶液型を単独若しくは組み合わ
せて使用することができる。水ガラスの硬化剤を選定す
ることで硬化速度を速くすることができる。
【0018】第3の発明に係る建築用成型板の製造方法
において、前記第1主材を、前記軽量骨材と透水性又は
含水性の高い建材廃棄物(建材の産業廃棄物)を主体と
することができる。透水性又は含水性の高い建材廃棄物
とは、例えば、煉瓦、日本瓦、発泡軽量コンクリート等
の解体廃棄物を指す。これらの解体廃棄物を、例えば
0.2〜3cmの寸法に破砕して粒状にして、軽量骨材
と混合して使用することにより、幅広い特性を有する母
材を製造することができる。建築用成型板を樹木の周囲
に敷設することにより、雨水のみ透過させて、雑草の繁
茂を抑えることができる。また、法面に建築用成型板を
配設すれば、透水効果で水圧を下げ法面の崩落を防ぐこ
とができる。この場合には、水抜き用のビニールパイプ
等の合成樹脂製パイプを建築用成型板に貫通させて補助
とする。
【0019】前記目的に沿う第4の発明に係る建築用成
型板の製造方法は、真砂土、粘土、及び砂を主成分とす
る第1基材50〜80体積%と、残部がセメント及び石
灰乳、又はセメント及び消石灰のいずれかの組合せを主
体とした主材と、苦汁及びすさからなる副材とを有する
第2基材を混練して母材を調製する第1工程と、前記母
材を型枠内に所定量充填し、次いで鉄筋、鉄網、化学繊
維網のいずれか1又は2以上を有する補強材を定置し
て、更に前記母材を前記型枠内に所定量充填させること
で前記補強材を前記母材中に埋設して成型物を形成する
第2工程と、前記成型物を養生して硬化させる第3工程
とを有する。
【0020】第1基材に砂を組み合わせることにより、
第1基材の調整時の混合抵抗を低減することが可能とな
る。また、粘土と真砂土を組み合わせることにより、使
用する粘土の材質変動による母材の成型性の変化を小さ
くすることができる。使用する粘土は、産地により粘
度、粒度その他の特性が異なるため、使用目的に合うよ
うに真砂土や砂の割合を変化させる必要がある。例え
ば、粘度、収縮率が高ければ砂、真砂土、細石の混合比
を多くする。粘度が低ければ、セメントの使用量を多く
して調整する。なお、建築用成型板の強度を更に向上さ
せるには、第2基材に水ガラス及び水ガラス用硬化剤を
加えることができる。ここで、水ガラス、水ガラス用硬
化剤としては、第1の発明に係る建築用成型板で使用し
たものをそれぞれ使用することができる。
【0021】第3、第4の発明に係る建築用成型板の製
造方法において、前記第1工程で1〜10倍の水で希釈
したセメント混和用ポリマーディスパージョンを前記第
1基材に対して外分で0.2〜15体積%、1〜10倍
の水で希釈した消泡剤を前記第1基材に対して外分で
0.001〜0.01体積%、合成糊材を前記第1基材
に対して外分で0.02〜0.2体積%それぞれ加える
のが好ましい。セメント混和用ポリマーディスパージョ
ンを併用することにより、セメントによる硬化の作用を
補強でき、耐候性に優れ、強度が高い建築用成型板を製
造することができる。セメント混和用ポリマーディスパ
ージョンとしては、酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル
系、ラテックス系、アクリル系等のものが使用できる。
また、消泡剤としては、高分子系の界面活性剤、シリコ
ーン油等のものを使用できる。
【0022】前記目的に沿う第5の発明に係る建築用成
型板の施工方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載
の建築用成型板を所定間隔の目地部を設けて配設する第
1工程と、前記目地部に充填材を充填する第2工程とを
有し、しかも、前記充填材の充填量を変えて前記目地部
の目地深さを調節する。所定間隔の目地部を設けて建築
用成型板を並べ、この目地部に充填材を充填することに
より建築用成型板相互の固定力が増して、建築用成型板
のずれや脱離を防止することができる。この際、目地部
の間隔を、例えば、0.2〜30cmの範囲で調節する
ことにより、目地部の充填作業を効率的に行うことが可
能となる。更に、目地部に充填する充填材の充填量を変
えて、目地部の深さを建築用成型板の上面よりも低くす
ることにより、目地部を雨水の流通路として利用するこ
とができる。その結果、雨水を建築用成型板に効率的に
吸水させることができる。
【0023】第5の発明に係る建築用成型板の施工方法
において、前記目地部に埴土を入れて植物を生育させる
ことができる。建築用成型板は、耐酸性、疎水性、吸水
性、軽量性、断熱性等に優れているので、建物の屋上に
敷設し埴土を保持する保持材として使用することができ
る。
【0024】
【発明の実施の形態】続いて、本発明を具体化した実施
の形態につき説明し、本発明の理解に供する。ここに、
図1は本発明の第1の実施の形態に係る建築用成型板の
構成を示す説明図、図2は同建築用成型板の施工方法の
説明図、図3は本発明の第2の実施の形態に係る建築用
成型板の構成を示す説明図、図4は同建築用成型板の施
工方法の説明図である。
【0025】本発明の第1の実施の形態に係る建築用成
型板について説明する。図1に示すように、本実施の形
態に係る建築用成型板は、漆喰部と粉粒体部とから構成
される第1基材と、セメント、希釈水ガラス、希釈水ガ
ラス用硬化剤から構成される第2基材と、第1基材に対
して外分で添加される特性改良剤とで構成される母材
と、鉄網から構成される補強材を有している。母材の一
例を下記に示す。 第1基材 漆喰部(石灰乳を主成分、糊材、石粉、及びすさを副成
分)5〜50体積%、粉粒体部(パーライト、坑火石、
木粉、籾殻の1又は2以上の軽量骨材から構成される第
1主材及び粘土、真砂土、砂を主成分とする第2主材)
95〜50体積% 第2基材 第1基材に対してそれぞれ外分で、普通ポルトランドセ
メント3〜40体積%、3号珪酸ソーダを1〜15倍の
水で希釈したもの0.3〜20体積%、グリオキザール
を1〜20倍の水で希釈したもの0.3〜10体積%、
苦汁0.2〜3体積% 特性改良剤 第1基材に対してそれぞれ外分で、ラテックス系セメン
ト混和用ポリマーディスパージョンを1〜10倍の水で
希釈したもの0.2〜15体積%、シリコーン油(エマ
ルジョンタイプ)0.001〜0.01体積%、合成糊
材(例えば、セルブレン)0.02〜0.2体積% セメント、水ガラス、水ガラス用硬化剤等の建築用成型
板に強度や硬度を付与する材料(硬化材)は、第1基材
に対して用途に応じて必要量を添加する構成としてい
る。このため、同一の第1基材に対して強度、耐候性等
の特性の異なる建築用成型板を任意に調整することが可
能となる。水ガラスを使用することで、母材の作業性向
上、硬化速度の調整、各種機械化(母材の混合、混練、
搬送、整面作業等)が容易となる。
【0026】建築用成型板の用途に応じて、第2基材の
セメントとして普通ポルトランドセメント、早強ポルト
ランドセメント、高炉セメントの中から選ばれたいずれ
か1又は2以上を組み合わせて使用することができる。
水ガラスとして珪酸ソーダ、珪酸カリ、リチウムシリケ
ートの中から選ばれた何れか1又は2以上を組み合わせ
て使用することができる。珪酸ソーダとしては1号、3
号が好ましい。水ガラス用硬化剤は、懸濁型、無機溶液
型、有機溶液型に大別される。懸濁型は、硬化剤を懸濁
液の状態で使用するもので、硬化剤としては、例えば、
硫酸カルシウム、水酸化カルシウム、ベントナイト、ス
ラグ類、ポルトランドセメント、高炉セメント、コロイ
ドセメント等がある。無機溶液型としては、硫酸やリン
酸等の無機塩、硫酸ナトリウムや硫酸カリウム等の硫酸
塩、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等の炭酸塩、塩化カ
ルシウムや塩化ナトリウム等の塩化物、アルミン酸ナト
リウム等のアルミン酸塩、リン酸2水素ナトリウム等の
リン酸塩等がある。有機溶液型としては、酢酸やクエン
酸等の有機塩、エチレングリコールジアセテート等の多
価アルコールエステル、エチレンカーボネート等のカー
ボネート類、ガンマプチロラクトン等の分子内エステ
ル、グリオキザール等のジアルデヒド類等がある。ま
た、セメントとセメント混和用ポリマーディスパージョ
ンを併用することにより、建築用成型板の耐候性を高
め、更に強度を向上させることができる。セメント混和
用ポリマーディスパージョンとしては、耐アルカリ性に
優れたアクリル系(固形分45%)、エチレン酢酸ビニ
ル系(固形分45%)、ラテックス系が好ましい。セメ
ントとセメント混和用ポリマーディスパージョンを建築
用成型板中に均一に分散させるために、セメント混和用
ポリマーディスパージョンを水で希釈している。
【0027】建築用成型板の組織は、分散した軽量骨材
からなる粉粒体部を、漆喰部、第2基材及び特性改良剤
から構成された結合組織で強化した状態となっている。
そして、結合組織には多数の空隙が存在している。結合
組織には、漆喰部、セメント混和用ポリマーディスパー
ジョンが含まれているので疎水性を有しており、セメン
ト、セメント混和用ポリマーディスパージョン、水ガラ
スが含まれているので硬質性を有している。また、結合
組織に多数の空隙が存在し、軽量骨材から構成される粉
粒体部にも多数の空隙が存在することから、建築用成型
板は断熱性、軽量性を有している、更に、結合組織と粉
粒体部に多数の空隙が存在することから、これらの空隙
を介して建築用成型板に接触した水は建築用成型板の内
部に容易に進入することができので、吸水性が存在する
ことになる。
【0028】本発明の第1の実施の形態に係る建築用成
型板の製造方法は、漆喰部10〜20リットル、パーラ
イト30〜100リットル、粘土5〜20リットル、真
砂土10〜20リットル、砂5〜20リットル、セメン
ト8〜40リットル、10倍に希釈した水ガラス5〜1
5リットル、10倍に希釈した水ガラス用硬化剤0.2
〜2リットル、苦汁0.3〜3リットル、10倍に希釈
したセメント混和用ポリマーディスパージョン0.2〜
3リットル、1〜10倍の水で希釈した消泡剤0.01
〜0.1リットル、合成糊材0.02〜0.3リットル
からなる母材を調製する第1工程と、母材を型枠内に所
定量充填し、次いで鉄網を定置して、更に母材を型枠内
に所定量充填させることで鉄網を母材中に埋設して成型
物を形成する第2工程と、成型物を養生して硬化させる
第3工程とを有する。以下各工程毎に詳細に説明する。
【0029】(第1工程)生石灰をスラリー調整用のミ
キサーに入れて、水を加えてよく練り合わせて石灰乳を
調整する。得られた石灰乳に、糊材としてつのまた糊、
石粉、及びわらすさを混ぜ込んで均一に混合して漆喰部
を調整する。糊材としては、つのまた糊、海草糊などの
天然糊材、MC(メチルセルロース)、PVA(ポリビ
ニルアルコール)等の水溶性の合成糊材が使用でき、更
に、天然糊材と合成糊材を併用することができる。ま
た、すさとしては、麻、紙すさ等の天然すさの他に合成
すさも使用することができ、更に天然すさと合成すさを
併用することもできる。ミキサーに漆喰部と、パーライ
トから構成される第1主材と、粘土、真砂土、砂から構
成される第2主材を加えて混合する(第1基材の形
成)。
【0030】続いて、普通ポルトランドセメントを加
え、次いで希釈水ガラスとして水で希釈した3号珪酸ソ
ーダ、水で希釈したラテックス系のセメント混和用ポリ
マーディスパージョン、合成糊材としてセルブレン、水
で希釈したエマルジョンタイプのシリコーン油系消泡剤
を加え、最後に水ガラス用硬化剤として水で希釈したグ
リオキザールを加えて均一化するまで混合する。可塑性
が発現した時点で母材の製造が完了する。ここで、合成
糊材であるセルブレンの添加量は、特に粘土や真砂土の
状態により調整して加える必要がある。また、疎水性を
付与するために、パラフィン樹脂を加えてもよい。更
に、母材の粘度を調整するために、水を加えてもよい。
水で希釈したセメント混和用ポリマーディスパージョン
を添加する場合は、母材の可使時間調整のためセメン
ト、水で希釈した水ガラス、水で希釈したセメント混和
用ポリマーディスパージョン、水で希釈した水ガラス用
硬化剤の順に添加するのがよい。セメント混和用ポリマ
ーディスパージョンよりも先に水ガラス用硬化剤を添加
すると、セメント混和用ポリマーディスパージョンを添
加して混練を行なっているときに水ガラスの硬化が徐々
に進行し、得られた母材の可使時間が短くなり作業性が
低下するため好ましくない。
【0031】(第2工程)先ず、第1工程で得られた母
材を、内側の寸法で長さ20〜50cm、幅10〜25
cm、厚み3〜15cmの型枠内に、例えば、型枠高さ
に対して50〜60%の高さとなるまで充填する。続い
て、必要とする強度に耐えられる、例えば、鉄網から構
成される補強材を配設して、その上に再び母材を型枠の
上端まで投入して、成型物を形成する。ここで、母材の
充填に際しては、型枠内に投入した母材を、例えば、可
搬式のバイブレータで搗き固めながら充填していくか、
型枠を振動台に載置して型枠に振動を与えながら母材を
充填していくことが好ましい。 (第3工程)形成された成型物は、例えば、12〜24
時間型枠内で保持して硬化させ、その後、型枠から取り
出して24〜72時間養生させて十分硬化させる。
【0032】以上のようにして製造した建築用成型板1
0を使用した本発明の第1の実施の形態に係る建築用成
型板の施工方法を説明する。図2に示すように、建築用
成型板10を施工する場合、先ず、施工現場の床11の
上に施工されている既設の防水層11aの上に必要に応
じてビニールシート等の保護材12を敷設する。次い
で、保護材12の上に床11の水平度を調整するため
に、例えばパーライト等の軽量骨材からなる下地層13
を所定厚み(例えば、0.5〜5cm)に形成する。な
お、下地層13に強度やある程度の厚みが必要な場合
は、セメントと砂等の細骨材を混和して固めた水分の少
ない空合わせに近い配合塗材をならして整面してもよ
い。次に、下地層13の上に、所定の目地間隔(例え
ば、3〜30cm)を有して、建築用成型板10を下地
層13に対して浮きのないように敷設していく。そし
て、目地部14にも軽量骨材15(充填材の一例)を充
填し、その上に充填材の一例であるセメントノロ(セメ
ント1に対してセメント混和用ポリマーディスパージョ
ン0.05及び細骨材0.8〜1の割合の混合物を適当
な粘度となるように水を加えて練り上げたもの)16を
流し込んで、目地部14に充填した軽量骨材15を固定
すると共に、目地部14の深さを建築用成型板10の上
面から、例えば1〜3cm低くなるように調整する。こ
のようにすることにより、目地部14を雨水の流通路と
して利用することができ、雨水を建築用成型板10に効
率的に吸水させることができる。
【0033】本発明の第2の実施の形態に係る建築用成
型板について説明する。図3に示すように、本実施の形
態に係る建築用成型板は、真砂土、粘土、及び砂を主成
分とする第1基材と、セメント及び石灰乳の組合せから
なる主材と、苦汁、水ガラス、水ガラス用硬化剤、及び
すさからなる副材で構成される第2基材と、第1基材に
対して外分で添加される特性改良剤とで構成される母材
と、鉄網から構成される補強材を有している。母材の一
例を下記に示す。 第1基材 真砂土、粘土、及び砂50〜80体積% 第2基材 セメント、石灰乳、苦汁、すさ50〜20体積%、第1
基材に対して外分で3号珪酸ソーダを1〜15倍の水で
希釈したもの0.3〜20体積%、グリオキザールを1
〜20倍の水で希釈したもの0.3〜10体積% 特性改良剤 第1基材に対してそれぞれ外分でラテックス系セメント
混和用ポリマーディスパージョンを1〜10倍の水で希
釈したもの0.2〜15体積%、シリコーン油(エマル
ジョンタイプ)0.001〜0.01体積%、合成糊材
(例えばセルブレン)0.02〜0.2体積% 建築用成型板の用途に応じて、セメントとして普通ポル
トランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セ
メントの中から選ばれたいずれか1又は2以上を組み合
わせて使用することができる。また、水ガラス、水ガラ
ス用硬化剤、及びセメント混和用ポリマーディスパージ
ョンには、第1の実施の形態で使用した水ガラス、水ガ
ラス用硬化剤、及びセメント混和用ポリマーディスパー
ジョンをそれぞれ使用することができるので、詳しい説
明は省略する。
【0034】建築用成型板の組織は、真砂土、粘土、
砂、セメント、石灰乳を主体とした連続結合組織から形
成され、連続結合組織には多数の空隙が存在している。
連続結合組織には、石灰乳、セメント混和用ポリマーデ
ィスパージョンが含まれているので疎水性を有してお
り、セメント、セメント混和用ポリマーディスパージョ
ン、水ガラスが含まれているので硬質性を有している。
また、連続結合組織に多数の空隙が存在することから、
建築用成型板は断熱性、軽量性を有している、更に、連
続結合組織に多数の空隙が存在することから、これらの
空隙を経由して建築用成型板に接触した水は建築用成型
板の内部に容易に進入することができので、吸水性が存
在することになる。
【0035】本発明の第2の実施の形態に係る建築用成
型板の製造方法は、真砂土10〜20リットル、粘土8
〜20リットル、砂5〜15リットル、セメント5〜2
0リットル、石灰乳10〜20リットル、苦汁0.5〜
1リットル、すさ0.5〜1リットル、10倍に希釈し
たセメント混和用ポリマーディスパージョン0.05〜
3リットル、水で希釈した消泡剤0.003〜0.05
リットル、合成糊材0.005〜0.1リットル、10
倍に希釈した水ガラス1〜10リットル、10倍に希釈
した水ガラス用硬化剤0.5〜5リットルからなる母材
を調製する第1工程と、母材を型枠内に所定量充填し、
次いで鉄網を定置して、更に建築用材料を型枠内に所定
量充填させることで鉄網を母材中に埋設して成型物を形
成する第2工程と、成型物を養生して硬化させる第3工
程とを有する。以下各工程毎に詳細に説明する。
【0036】(第1工程)生石灰をスラリー調整用のミ
キサーに入れて、水を加えてよく練り合わせて石灰乳を
調整する。次いで、ミキサーに石灰乳、苦汁、すさ、粘
土、真砂土、砂を加えて混合する。続いて、普通ポルト
ランドセメントを加え、次いで希釈水ガラスとして水で
希釈した3号珪酸ソーダ、水で希釈したラテックス系の
セメント混和用ポリマーディスパージョン、合成糊材と
してセルブレン(登録商標)、水で希釈したエマルジョ
ンタイプのシリコーン油系消泡剤を加え、最後に水ガラ
ス用硬化剤として水で希釈したグリオキザールを加えて
均一化するまで混合する。可塑性が発現した時点で母材
の製造が完了する。ここで、合成糊材であるセルブレン
の添加量は、特に粘土や真砂土の状態により調整して加
える必要がある。また、疎水性を付与するために、パラ
フィン樹脂をを加えてもよい。更に、母材の粘度を調整
するために、水を加えてもよい。水で希釈したセメント
混和用ポリマーディスパージョンを添加する場合は、母
材の可使時間調整のためセメント、水で希釈した水ガラ
ス、水で希釈したセメント混和用ポリマーディスパージ
ョン、水で希釈した水ガラス用硬化剤の順に添加するの
がよい。セメント混和用ポリマーディスパージョンより
も先に水ガラス用硬化剤を添加すると、セメント混和用
ポリマーディスパージョンを添加して混練を行なってい
るときに水ガラスの硬化が徐々に進行し、得られた母材
の可使時間が短くなり作業性が低下するため好ましくな
い。
【0037】(第2工程)第1工程で得られた母材を、
内側の寸法で長さ20〜50cm、幅10〜25cm、
厚み3〜15cmの型枠内に、例えば型枠高さに対して
50〜60%の高さとなるまで充填する。続いて、必要
とする強度に耐えられる、例えば、鉄網から構成される
補強材を配設して、その上に再び母材を型枠の上端まで
投入して、成型物を形成する。ここで、母材の充填に際
しては、型枠内に投入した母材を、例えば、可搬式のバ
イブレータで搗き固めながら充填していくか、型枠を振
動台に載置して型枠に振動を与えながら母材を充填して
いくことが好ましい。 (第3工程)形成された成型物は、例えば、12〜24
時間型枠内で保持して硬化させ、その後、型枠から取り
出して24〜72時間養生させて十分硬化させる。
【0038】以上のようにして製造した建築用成型板1
7を使用した本発明の第2の実施の形態に係る建築用成
型板の施工方法を説明する。図4に示すように、建築用
成型板17を施工する場合、先ず、施工現場の床18の
上に施工されている既設の防水層18aの上に必要に応
じてビニールシート等の保護材19を配設する。次い
で、保護材19の上に床18の水平度を調整するため
に、例えばパーライト等の軽量骨材からなる下地層20
を所定厚み(例えば、0.5〜5cm)に形成する。な
お、下地層20に強度やある程度の厚みが必要な場合
は、セメントと砂等の細骨材を混和して固めた水分の少
ない空合わせに近い配合塗材をならして整面してもよ
い。次に、下地層20の上に、所定の目地間隔(例え
ば、10〜30cm)を有して、建築用成型板17を下
地層20に対して浮きのないように敷設していく。そし
て、目地部21に軽量骨材22(充填材の一例)を充填
し、更に埴土23を充填して、芝生等の乾燥に比較的強
い植物24を植える。建築用成型板17には多数の空隙
が存在するため、雨水や散水された水は効率的に建築用
成型板17に吸水され、建築用成型板17で保持され
て、目地部21の埴土23が乾いてくると建築用成型板
17より水分が補給されることになる。そのため、埴土
23の含水量が減少しにくく散水する頻度が大幅に軽減
される。更に、建築用成型板17は、耐酸性、疎水性に
優れているので、埴土23の流失を長期にわたって防止
することができる。
【0039】本発明の第3の実施の形態に係る建築用成
型板について説明する。本実施の形態に係る建築用成型
板は、骨材としてパーライト、坑火石、木粉、籾殻の1
又は2以上からなる軽量骨材と、透水性及び含水性の高
い建築解体廃棄物を0.2〜3cmに粉砕した粉砕粒と
を混合して使用していることが特徴となっており、その
他の構成及び構成割合は第1の実施の建築用成型板と同
一であるので、詳しい説明は省略する。建築解体廃棄物
の中でも透水性、含水性の高い解体廃棄物、例えば、煉
瓦、日本瓦、発泡軽量コンクリート等の建材廃棄物を使
用するので、得られる建築用成型板に透水性及び含水性
を付与することができる。これらの材料は、建築用成型
板の成型時、建築用成型板内部の余分な水を吸収するこ
とで建築用成型板の硬化を速める。煉瓦、日本瓦は建築
用成型板の硬度を高めるが軽量性はなく、発泡軽量コン
クリートは軽量性を高める。
【0040】本建築用成型板の組織は、内部に空隙を有
する粉砕粒が分散した軽量骨材と結合して粉粒体部を構
成しているが、それらの結合間にも多数の空隙を有して
いる。建築用成型板の一方の面と接触した水は、建築用
成型板内の空隙に吸収され、やがて空隙内に水が満たさ
れた状態になると、建築用成型板の一方の面から進入し
た水は、他方の面に到達して排出される。このため、本
建築用成型板は透水性、含水性を有することになる。ま
た、本建築用成型板は一般的な歩行に耐え得る程度の強
度は十分に有している。本建築用成型板は、複合材とし
て構成されることにより、従来欠点とされていた水ガラ
スの硬化後の透水性を効果的に利用するものである。
【0041】本発明の第3の実施の形態に係る建築用成
型板の製造方法は、漆喰部10〜20リットル、パーラ
イト10〜30リットル、粉砕粒20〜70リットル、
粘土5〜20リットル、真砂土10〜20リットル、砂
5〜20リットル、セメント8〜40リットル、10倍
に希釈した水ガラス5〜15リットル、10倍に希釈し
た水ガラス用硬化剤0.2〜2リットル、苦汁0.3〜
3リットル、10倍に希釈したセメント混和用ポリマー
ディスパージョン0.2〜3リットル、1〜10倍の水
で希釈した消泡剤0.01〜0.1リットル、合成糊材
0.02〜0.3リットルからなる母材を調製する第1
工程と、母材を型枠内に所定量充填し、次いで鉄網を定
置して、更に母材を型枠内に所定量充填させることで鉄
網を母材中に埋設して成型物を形成する第2工程と、成
型物を養生して硬化させる第3工程とを有する。以下各
工程毎に詳細に説明する。
【0042】(第1工程)第1の実施の形態で説明した
のと同一の方法で漆喰部を調製する。次いで、ミキサー
に漆喰部と、パーライトと粉砕粒から構成される第1主
材と、粘土、真砂土、砂から構成される第2主材を加え
て混合する(第1基材の形成)。続いて、第1の実施の
形態で説明したのと同様に、普通ポルトランドセメン
ト、希釈水ガラスと、水で希釈したラテックス系のセメ
ント混和用ポリマーディスパージョン、合成糊材、水で
希釈したエマルジョンタイプのシリコーン油系消泡剤を
加え、最後に水ガラス用硬化剤を加えて均一化するまで
混合して母材を調製するが、詳しい説明は省略する。
【0043】(第2工程)先ず、第1工程で得られた母
材を、例えば、内側の寸法で長さ40cm、幅30c
m、厚み10cmの型枠内に、例えば、型枠高さに対し
て50〜60%の高さとなるまで充填する。続いて、必
要とする強度に耐えられる、例えば、鉄網から構成され
る補強材を配設して、その上に再び母材を型枠の上端ま
で投入して、成型物を形成する。ここで、母材の充填に
際しては、型枠内に投入した母材を、例えば、可搬式の
バイブレータで搗き固めながら充填していくか、型枠を
振動台に載置して型枠に振動を与えながら母材を充填し
ていくことが好ましい。このとき、成型物の表層側を特
に強化する必要がある場合は、表層側に更に、例えば、
ステンレス鋼等の耐候性に優れた網を配設することが好
ましい。 (第3工程)形成された成型物は、例えば、12〜24
時間型枠内で保持して硬化させ、その後、型枠から取り
出して24〜72時間養生させて十分硬化させる。な
お、建築用成型板はその重量が最大でも2人前後の人力
で運搬可能な範囲とすることが好ましく、利用度の高い
建築用成型板の寸法は、長さが20〜50cm、幅が2
0〜50cm、厚みが3〜15cmである。例えば、利
用度の高い長さ30cm、幅30cm、厚み5cmの寸
法の場合で、4.5〜5.5kgの重量である。
【0044】以上のようにして製造した建築用成型板を
使用した本発明の第3の実施の形態に係る建築用成型板
の施工方法を説明する。第3の実施の形態に係る建築用
成型板を、植木等樹木の周囲に敷設する。建築用成型板
を樹木の周囲に敷設することにより、雨水のみ透過させ
て、雑草の繁茂を抑えることができる。また、第3の実
施の形態に係る建築用成型板を、法面に配設する。建築
用成型板の有する透水効果により法面の土層に浸透した
雨水を排出するため、法面の崩落を防ぐことが可能とな
る(この場合には、水抜き用のビニールパイプを建築用
成型板に貫通させ、補助とする)。
【0045】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、
例えば、第1及び第3の実施の形態では、第1主材とし
てパーライトを使用したが、パーライトの代りに坑火
石、木粉、籾殻を使用しても、パーライト、坑火石、木
粉、籾殻から任意に2以上を組み合わせて第1主材とす
ることもできる。また、第2の実施の形態では、第2基
材にセメント及び石灰乳の組合せを使用したが、セメン
ト及び消石灰の組合せを使用することもできる。更に、
補強材には鉄網を使用したが、鉄網の代りに鉄筋、化学
繊維網を使用することも、鉄筋、鉄網、化学繊維網から
任意に2以上を組み合わせて使用することもできる。建
築用成型板は予め成型して施工現場に搬入して使用する
ようにしたが、実際に施工を行う際に必要となる異形の
建築用成型板は、寸法あわせで施工現場において成型す
るようにすることができる。建築用成型板の表面強度を
高くする必要がある場合は、水ガラスと水ガラス用硬化
剤からなる含浸剤、あるいは、水ガラスと水ガラス用硬
化剤とセメント混和用ポリマーディスパージョンからな
る含浸液を作製して表面に含浸させることもできる。
【0046】
【発明の効果】請求項1及びこれに従属する請求項2、
4記載の建築用成型板においては、母材は第1基材と第
2基材を有し、第1基材は5〜50体積%の漆喰部と残
部の粉粒体部からなり、漆喰部は生石灰に水を加えて調
整した石灰乳を主成分として、糊材、石粉、及びすさを
副成分とし、また、粉粒体部は主にパーライト、坑火
石、木粉、籾殻の1又は2以上からなる軽量骨材で構成
される第1主材及び粘土、真砂土、砂を主成分とする第
2主材を主体とし、第2基材は第1基材に対してそれぞ
れ外分で加えられる3〜40体積%のセメントと、0.
3〜20体積%の希釈水ガラスと、0.3〜10体積%
の希釈水ガラス用硬化剤と、0.2〜3体積%の苦汁と
を含み、しかも、希釈水ガラスは珪酸ソーダ、珪酸カ
リ、リチウムシリケートのいずれか1又は2以上を1〜
15倍の水で希釈したものからなり、また、希釈水ガラ
ス用硬化剤は懸濁型、無機溶液型、有機溶液型の原液の
いずれか1又は2以上を1〜20倍の水で希釈したもの
からなり、更に、補強材は母材内に定置された鉄筋、鉄
網、化学繊維網のいずれか1又は2以上を有するので、
人体に有害な素材を含まず、防滑性、土の感触を持つ色
相、疎水性等に優れていることから、種々の用途に使用
することが可能となる。また、無機質と有機質の硬化剤
を配合して使用しているので、長期間にわたり耐候性を
有する。軽量骨材を使用することで建築用成型板の軽量
化が達成できると共に、断熱性を向上させることができ
る。これらの建築用成型板を粘土、真砂土、砂等の天然
の材料と、成分的に変動が少ない(一定した)工業製品
との複合材として構成しているため、粘度、色相、成分
の変動が激しい天然の真砂土、粘土、砂を使用しても、
品質の安定、強度の向上を図ることができ、建築用成型
板を多様な用途に使用することが可能となる。
【0047】特に、請求項2記載の建築用成型板におい
ては、第1主材が、軽量骨材と透水性又は含水性の高い
建材廃棄物の破砕粒とを主体としているので、透水性、
含水性を備えた建築用成型板を多目的に使用することが
できる。また、本建築用成型板の補修を行う際には、除
去した建築用成型板自体を粉砕して破砕粒として使用す
ることが可能となり、解体廃棄物の有効利用が促進され
ると共に、建築用成型板の製造コストを低減させること
ができる。
【0048】請求項3及びこれに従属する請求項4記載
の建築用成型板においては、母材は50〜80体積%の
第1基材と、残部の第2基材を有し、第1基材は真砂
土、粘土、及び砂を主成分とし、第2基材はセメント及
び石灰乳、又はセメント及び消石灰のいずれかの組合せ
を主体とする主材と、苦汁及びすさからなる副材とを有
し、更に、補強材は母材内に定置された鉄筋、鉄網、化
学繊維網のいずれか1又は2以上を有するので、建築用
成型板を用いた施工では、施工時の天候、養生条件に左
右されないため、短期間の工期で施工を行うことが可能
となる。更に、建築用成型板を用いた施工では、劣化や
損傷等が生じた場合、劣化や損傷部分を除去して新たな
建築用成型板と交換するだけで補修が終了し、部分的な
補修が容易となる。
【0049】特に、請求項4記載の建築用成型板におい
ては、第1基材に対して、1〜10倍の水で希釈したセ
メント混和用ポリマーディスパージョンを外分で0.2
〜15体積%、1〜10倍の水で希釈した消泡剤を外分
で0.001〜0.01体積%、合成糊材を外分で0.
02〜0.2体積%をそれぞれ加えるので、建築用成型
板の疎水性、耐候性、耐酸性雨等の特性を用途により調
整することが可能となり、建築用成型板の適用範囲を拡
大することができる。
【0050】請求項5及びこれに従属する請求項6、8
記載の建築用成型板の製造方法においては、漆喰部5〜
50体積%で残部が粉粒体部からなり、漆喰部は生石灰
に水を加えて調整した石灰乳を主成分とし、糊材、石
粉、及びすさを副成分として、また、粉粒体部は主にパ
ーライト、坑火石、木粉、籾殻の1又は2以上の軽量骨
材から構成される第1主材及び粘土、真砂土、砂を主成
分とする第2主材を主体とした第1基材と、第1基材に
対してそれぞれ外分で3〜40体積%のセメント、0.
3〜20体積%の希釈水ガラス、0.3〜10体積%の
希釈水ガラス用硬化剤、0.2〜3体積%の苦汁を含
み、しかも、希釈水ガラスは珪酸ソーダ、珪酸カリ、リ
チウムシリケートのいずれか1又は2以上を1〜15倍
の水で希釈したものからなり、また、希釈水ガラス用硬
化剤は懸濁型、無機溶液型、有機溶液型の原液のいずれ
か1又は2以上を1〜20倍の水で希釈したものからな
る第2基材とを有する母材を調製する第1工程と、母材
を型枠内に所定量充填し、次いで鉄筋、鉄網、化学繊維
網のいずれか1又は2以上を有する補強材を定置して、
更に母材を型枠内に所定量充填させることで補強材を母
材中に埋設して成型物を形成する第2工程と、成型物を
養生して硬化させる第3工程とを有するので、これらの
建築用成型板を粘土、真砂土、砂等の天然の材料と、成
分的に変動が少ない(一定した)工業製品との複合材と
して構成しているため、粘度、色相、成分の変動が激し
い天然の真砂土、粘土、砂を使用しても、品質が安定
し、強度が向上した建築用成型板を製造することが可能
となる。
【0051】特に、請求項6記載の建築用成型板の製造
方法においては、第1主材が、軽量骨材と透水性又は含
水性の高い建材廃棄物を主体としているので、原料費を
低減させて、安価な建築用成型板を製造することが可能
となる。
【0052】請求項7及びこれに従属する請求項8記載
の建築用成型板の製造方法においては、真砂土、粘土、
及び砂を主成分とする第1基材50〜80体積%と、残
部がセメント及び石灰乳、又はセメント及び消石灰のい
ずれかの組合せを主体とした主材と、苦汁及びすさから
なる副材とを有する第2基材を混練して母材を調製する
第1工程と、母材を型枠内に所定量充填し、次いで鉄
筋、鉄網、化学繊維網のいずれか1又は2以上を有する
補強材を定置して、更に母材を型枠内に所定量充填させ
ることで補強材を母材中に埋設して成型物を形成する第
2工程と、成型物を養生して硬化させる第3工程とを有
するので、予め所定の場所で天候に左右されることな
く、十分な硬化と養生の期間をおいて建築用成型板の製
造を行うことができるため、建築用成型板の表面の脆弱
化や、急激な乾燥による毛状クラックの発生を防止する
ことができる。
【0053】特に、請求項8記載の建築用成型板の製造
方法においては、第1工程で1〜10倍の水で希釈した
セメント混和用ポリマーディスパージョンを第1基材に
対して外分で0.2〜15体積%、1〜10倍の水で希
釈した消泡剤を第1基材に対して外分で0.001〜
0.01体積%、合成糊材を第1基材に対して外分で
0.02〜0.2体積%それぞれ加えるので、作業性の
変動を防止して、特性の安定した建築用成型板を製造す
ることができる。
【0054】請求項9及び10記載の建築用成型板の施
工方法においては、請求項1〜4のいずれか1項に記載
の建築用成型板を所定間隔の目地部を設けて配設する第
1工程と、目地部に充填材を充填する第2工程とを有
し、しかも、充填材の充填量を変えて目地部の目地深さ
を調節するので、目地部を雨水の流通路として利用し雨
水を建築用成型板に効率的に吸水させて晴天時に蒸発さ
せることができ、気化熱で屋上部を冷却して都市部にお
けるヒートアイランド現象の解消を図ることが可能とな
る。また、建築用成型板は、内部に多くの空隙を有して
いるため、木造、鉄骨、鉄筋コンクリート等の建物の床
や屋上部の床に敷設することにより、保温、断熱、防音
の各特性に優れた床を構築することが可能となる。更
に、歩行時に足裏が感じる衝撃が少ないので、例えば、
20cm×10cm×5cm程度に成型したものを歩道
に敷設することにより、歩いて疲れない歩道を構築する
ことができる。
【0055】特に、請求項10記載の建築用成型板の施
工方法においては、目地部に埴土を入れて植物を生育さ
せるので、屋上の一部に植物を生育させる場合に埴土を
保持する施設を別途取付ける必要がない。更に、建築用
成型板が吸水性を有しているため、雨水を効率的に吸収
して保持するので、埴土の乾燥を防止することが可能で
ある。このため、屋上部で植物を生育させる際に必要な
施工及び保守管理の費用を低減でき、都市部におけるヒ
ートアイランド現象の解消に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る建築用成型板
の構成を示す説明図である。
【図2】同建築用成型板の施工方法の説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る建築用成型板
の構成を示す説明図である。
【図4】同建築用成型板の施工方法の説明図である。
【符号の説明】
10:建築用成型板、11:床、11a:防水層、1
2:保護材、13:下地層、14:目地部、15:軽量
骨材、16:セメントノロ、17:建築用成型板、1
8:床、18a:防水層、19:保護材、20:下地
層、21:目地部、22:軽量骨材、23:埴土、2
4:植物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 22:08 C04B 24:38 B 24:38 24:26 B 24:26 14:06 Z 14:06 14:18 14:18 16:02 Z 16:02 14:10 Z 14:10 18:24 Z 18:24 24:24 Z 24:24 7:02 7:02) 111:40 111:40 111:72 111:72

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材と該母材を補強する補強材から構成
    される建築用成型板であって、前記母材は第1基材と第
    2基材を有し、前記第1基材は5〜50体積%の漆喰部
    と残部の粉粒体部からなり、前記漆喰部は生石灰に水を
    加えて調整した石灰乳を主成分として、糊材、石粉、及
    びすさを副成分とし、また、前記粉粒体部は主にパーラ
    イト、坑火石、木粉、籾殻の1又は2以上からなる軽量
    骨材で構成される第1主材及び粘土、真砂土、砂を主成
    分とする第2主材を主体とし、前記第2基材は前記第1
    基材に対してそれぞれ外分で加えられる3〜40体積%
    のセメントと、0.3〜20体積%の希釈水ガラスと、
    0.3〜10体積%の希釈水ガラス用硬化剤と、0.2
    〜3体積%の苦汁とを含み、しかも、前記希釈水ガラス
    は珪酸ソーダ、珪酸カリ、リチウムシリケートのいずれ
    か1又は2以上を1〜15倍の水で希釈したものからな
    り、また、前記希釈水ガラス用硬化剤は懸濁型、無機溶
    液型、有機溶液型の原液のいずれか1又は2以上を1〜
    20倍の水で希釈したものからなり、更に、前記補強材
    は前記母材内に定置された鉄筋、鉄網、化学繊維網のい
    ずれか1又は2以上を有することを特徴とする建築用成
    型板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の建築用成型板において、
    前記第1主材が、前記軽量骨材と透水性又は含水性の高
    い建材廃棄物の破砕粒とを主体としていることを特徴と
    する建築用成型板。
  3. 【請求項3】 母材と該母材を補強する補強材から構成
    される建築用成型板であって、前記母材は50〜80体
    積%の第1基材と、残部の第2基材を有し、前記第1基
    材は真砂土、粘土、及び砂を主成分とし、前記第2基材
    はセメント及び石灰乳、又はセメント及び消石灰のいず
    れかの組合せを主体とする主材と、苦汁及びすさからな
    る副材とを有し、更に、前記補強材は前記母材内に定置
    された鉄筋、鉄網、化学繊維網のいずれか1又は2以上
    を有することを特徴とする建築用成型板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の建
    築用成型板において、前記第1基材に対して、1〜10
    倍の水で希釈したセメント混和用ポリマーディスパージ
    ョンを外分で0.2〜15体積%、1〜10倍の水で希
    釈した消泡剤を外分で0.001〜0.01体積%、合
    成糊材を外分で0.02〜0.2体積%をそれぞれ加え
    ることを特徴とする建築用成型板。
  5. 【請求項5】 漆喰部5〜50体積%で残部が粉粒体部
    からなり、前記漆喰部は生石灰に水を加えて調整した石
    灰乳を主成分とし、糊材、石粉、及びすさを副成分とし
    て、また、前記粉粒体部は主にパーライト、坑火石、木
    粉、籾殻の1又は2以上の軽量骨材から構成される第1
    主材及び粘土、真砂土、砂を主成分とする第2主材を主
    体とした第1基材と、前記第1基材に対してそれぞれ外
    分で3〜40体積%のセメント、0.3〜20体積%の
    希釈水ガラス、0.3〜10体積%の希釈水ガラス用硬
    化剤、0.2〜3体積%の苦汁を含み、しかも、前記希
    釈水ガラスは珪酸ソーダ、珪酸カリ、リチウムシリケー
    トのいずれか1又は2以上を1〜15倍の水で希釈した
    ものからなり、また、前記希釈水ガラス用硬化剤は懸濁
    型、無機溶液型、有機溶液型の原液のいずれか1又は2
    以上を1〜20倍の水で希釈したものからなる第2基材
    とを有する母材を調製する第1工程と、前記母材を型枠
    内に所定量充填し、次いで鉄筋、鉄網、化学繊維網のい
    ずれか1又は2以上を有する補強材を定置して、更に前
    記母材を前記型枠内に所定量充填させることで前記補強
    材を前記母材中に埋設して成型物を形成する第2工程
    と、前記成型物を養生して硬化させる第3工程とを有す
    ることを特徴とする建築用成型板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の建築用成型板の製造方法
    において、前記第1主材が、前記軽量骨材と透水性又は
    含水性の高い建材廃棄物を主体としていることを特徴と
    する建築用成型板の製造方法。
  7. 【請求項7】 真砂土、粘土、及び砂を主成分とする第
    1基材50〜80体積%と、残部がセメント及び石灰
    乳、又はセメント及び消石灰のいずれかの組合せを主体
    とした主材と、苦汁及びすさからなる副材とを有する第
    2基材を混練して母材を調製する第1工程と、前記母材
    を型枠内に所定量充填し、次いで鉄筋、鉄網、化学繊維
    網のいずれか1又は2以上を有する補強材を定置して、
    更に前記母材を前記型枠内に所定量充填させることで前
    記補強材を前記母材中に埋設して成型物を形成する第2
    工程と、前記成型物を養生して硬化させる第3工程とを
    有することを特徴とする建築用成型板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれか1項に記載の建
    築用成型板の製造方法において、前記第1工程で1〜1
    0倍の水で希釈したセメント混和用ポリマーディスパー
    ジョンを前記第1基材に対して外分で0.2〜15体積
    %、1〜10倍の水で希釈した消泡剤を前記第1基材に
    対して外分で0.001〜0.01体積%、合成糊材を
    前記第1基材に対して外分で0.02〜0.2体積%そ
    れぞれ加えることを特徴とする建築用成型板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の建
    築用成型板を所定間隔の目地部を設けて配設する第1工
    程と、前記目地部に充填材を充填する第2工程とを有
    し、しかも、前記充填材の充填量を変えて前記目地部の
    目地深さを調節することを特徴とする建築用成型板の施
    工方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の建築用成型板の施工方
    法において、前記目地部に埴土を入れて植物を生育させ
    ることを特徴とする建築用成型板の施工方法。
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