JP2003212540A - 希土類元素酸化物及びその製造方法 - Google Patents
希土類元素酸化物及びその製造方法Info
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Abstract
一粒径イットリウムユーロピウム酸化物。 【効果】 本発明によれば、ディスプレイやX線を用い
た医療診断装置などに有用な小粒子、均一粒径のイット
リウムユーロピウム酸化物が簡便な工程でかつ経済的に
製造でき、産業上その利用価値は極めて高い。
Description
してディスプレイや医療用などのX線診断用装置に使用
される希土類元素酸化物及びその製造方法に関するもの
である。
トリウムガドリニウムユーロピウム酸化物は、赤色発光
団としてディスプレイや医療用などのX線診断用装置な
どに用いられている。プラズマディスプレイは大型フラ
ットパネルディスプレイとして今後が期待されているデ
ィスプレイであるが、イットリウムユーロピウム酸化物
やイットリウムガドリニウムユーロピウム酸化物は、キ
セノンプラズマの発する147nmの励起光に対して高
い発光効率を持つプラズマディスプレイの赤色発光団と
して注目を集めている。
は、他にイットリウムガドリニウムユーロピウムホウ酸
塩があるが、イットリウムユーロピウム酸化物やイット
リウムガドリニウムユーロピウム酸化物は、発光効率で
はイットリウムガドリニウムユーロピウムホウ酸塩に比
較して低いものの、色純度、寿命の点では優れている。
などのディスプレイにとっては、パネルの高輝度化はデ
ィスプレイの特性向上にとって重要課題である。
体の輝度向上が計られているが、赤色発光団のセル内へ
の塗布特性もパネルの輝度に大きな影響を与えると言わ
れている。塗布特性については、プラズマディスプレイ
セル内へ均一に、凹凸の少ない状態で塗布できるものが
好ましいとされている。赤色発光団の形状としては小粒
子、同一粒径、同一形状である方が、均一塗布特性が高
く好ましいとされている。
サイズは原料の粒子サイズに影響され、一般に、より粒
径のばらつきの小さい、即ち粒度分布のシャープな原料
を使用した方がシャープな粒度分布を持つ赤色発光団が
得られるため、近年原料粉末は粒度分布のシャープさが
求められるようになってきている。
観察すると、粒度分布がシャープな原料粉末といえど
も、粒子の大きさはまちまちであり、その大きさの差が
幾分小さいとか、形が幾分似通っているものに過ぎなか
った。このような原料粉末を用いて製造した赤色発光団
は、粒子の大きさもまちまちである。
で、均一粒径で粒度分布がシャープな希土類元素酸化物
(イットリウムユーロピウム酸化物、イットリウムガド
リニウムユーロピウム酸化物)及びその製造方法を提供
することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、本発明に到達したもので、本発明は、(1)粒子
径が0.5μm以上2μm以下の均一粒径イットリウム
ユーロピウム酸化物、(2)ホウ素及びバリウムの含有
量の合計が20ppm以下で、粒子径が0.5μm以上
2μm以下の均一粒径であることを特徴とするイットリ
ウムユーロピウム酸化物、(3)粒子径が0.5μm以
上2μm以下の均一粒径球状イットリウムユーロピウム
共沈酸化物を1100℃以上1800℃以下に加熱する
ことを特徴とする均一粒径球状イットリウムユーロピウ
ム共沈酸化物と同一粒子径であるイットリウムユーロピ
ウム酸化物の製造方法、(4)粒子径が0.5μm以上
2μm以下の均一粒径イットリウムガドリニウムユーロ
ピウム酸化物、(5)ホウ素及びバリウムの含有量の合
計が20ppm以下で、粒子径が0.5μm以上2μm
以下の均一粒径であることを特徴とするイットリウムガ
ドリニウムユーロピウム酸化物、(6)粒子径が0.5
μm以上2μm以下の均一粒径球状イットリウムガドリ
ニウムユーロピウム共沈酸化物を1100℃以上180
0℃以下に加熱することを特徴とする均一粒径球状イッ
トリウムガドリニウムユーロピウム共沈酸化物と同一粒
子径であるイットリウムガドリニウムユーロピウム酸化
物の製造方法を提供する。
均一な球状希土類元素酸化物及びその製造方法を提案し
た(特願2000−203549号)が、このような方
法で得られる平均粒子径が0.5〜2μmの均一粒径、
均一形状の球状希土類元素酸化物を用いて、赤色発光団
として粒子径が0.5〜2μmの均一粒径のイットリウ
ムユーロピウム酸化物もしくはイットリウムガドリニウ
ムユーロピウム酸化物を製造することを課題として検討
を行った。
いては診断データをデジタル化して保存することが一般
的になりつつあり、診断画面の高解像度などのために
は、赤色発光団に対してX線に対して高い発光効率をも
ち、なおかつ小粒子、デテクタに対する高い感度をもっ
た発光特性をもつこと、塗布特性がよいことなどが求め
られている。このような要求を満たす赤色発光団として
粒子径が0.5〜2μmの均一粒径のイットリウムガド
リニウムユーロピウム酸化物を製造することを課題とし
て検討を行った。
〜2μmの均一粒径球状イットリウムユーロピウム又は
イットリウムガドリニウムユーロピウム共沈酸化物を1
100〜1800℃に加熱することにより、粒径の揃っ
たイットリウムユーロピウム又はイットリウムガドリニ
ウムユーロピウム酸化物が得られることを見出したもの
である。この場合、原料となる酸化物の粒子径が0.5
〜2μmと小さいために結晶成長させることが比較的容
易であること、原料の酸化物粒子の大きさが一定である
ために同一の熱処理温度で各々の粒子で程度の等しい結
晶成長をさせられること、赤色発光団の製造工程をなる
べく簡便にすることを考え、赤色発光団製造には一般的
に使用されているホウ酸、塩化バリウム、塩化アンモニ
ウムなどといったフラックスを混合せずに原料酸化物を
結晶成長させ、赤色発光団を作ることが可能となった。
このようにして得られたイットリウムユーロピウム酸化
物、イットリウムガドリニウムユーロピウム酸化物はプ
ラズマディスプレイの赤色発光団やX線を用いた医療診
断用の赤色発光団として好適なものである。
本発明に係るイットリウムユーロピウム酸化物及びイッ
トリウムガドリニウムユーロピウム酸化物は、粒子径が
0.5〜2μmの均一粒径を有する単分散のものであ
る。ここで、粒子径は、電子顕微鏡観察による粒子径で
あるが、これと同時にフィッシャー・サブ−シーブ・サ
イザー(Fisher Sub−Sieve Size
r)で測定した平均粒子径(フィッシャー径)も0.5
〜2μmであることが好ましい。また、均一粒径とは、
電子顕微鏡などで各粒子を観察したときに、全体の90
%以上の粒子で径の大きさの差が10%未満のものを言
う。更に、その形状は、球状乃至球状に近い多面体であ
ることが好ましい。
ム酸化物又はイットリウムガドリニウムユーロピウム酸
化物の組成としては、イットリウムユーロピウム酸化物
の場合は、酸化イットリウムで99〜85重量%、酸化
ユーロピウムで1〜15重量%、イットリウムガドリニ
ウムユーロピウム酸化物の場合は、酸化イットリウムで
4〜95重量%、酸化ガドリニウムで1〜95重量%、
酸化ユーロピウムで1〜15重量%であることが好まし
く、更にイットリウム、ガドリニウム、ユーロピウム以
外の希土類酸化物を1重量%以下配合させ、複合酸化物
として用いてもよい。この場合、ホウ素及びバリウムの
含有量の合計が20ppm以下であることが好ましい。
なお、イットリウムガドリニウムユーロピウム酸化物
は、目的により、例えばプラズマフラットパネル等に用
いる場合は、酸化ガドリニウムを30〜60重量%、X
線診断用装置等に用いる場合は酸化ガドリニウムを70
〜95重量%添加することが好ましい。
ロピウム酸化物、イットリウムガドリニウムユーロピウ
ム酸化物の結晶子の大きさは、XRDのWilson法
での測定値で特に600Å以上であることが好ましい。
及びイットリウムガドリニウムユーロピウム酸化物は、
粒子径が0.5〜2μmの均一粒径球状のイットリウム
ユーロピウム共沈酸化物又はイットリウムガドリニウム
ユーロピウム共沈酸化物を1100〜1800℃に加熱
して得られる赤色発光団である。
の共沈酸化物及びその製造方法は、特願2000−20
3549号明細書に記載の通りであるが、これを要約し
て述べると、希土類元素の水溶性塩の水溶液に尿素を尿
素濃度が50g/リットル以下の実質的に一定濃度を保
つように添加しながら80℃以上の温度で加熱熟成し
て、希土類元素塩基性炭酸塩を製造し、次いでこの希土
類元素塩基性炭酸塩を約600〜1500℃で焼成する
ことにより、上記希土類元素の共沈酸化物を製造するこ
とができる。即ち、本発明に係る赤色発光団原料の希土
類酸化物共沈粒子の製造方法については、希土類の硝酸
塩等の水溶性塩に尿素を添加、反応させて得られるもの
で、具体的には溶液中の希土類イオン濃度と尿素濃度を
コントロールし、好ましくは用いる水溶性塩中の希土類
イオン濃度を20g/リットル以下、尿素を溶液中で5
0g/リットル以下にして、温度を適切に溶液の沸点以
下にコントロールしながら、均一粒径の共沈炭酸塩を析
出させ、これを焼成することで希土類酸化物共沈粒子を
製造することができる。このような方法で、粒子径が
0.5〜2μmまでの均一粒径の球状希土類元素の共沈
酸化物、例えば図1に示すような球状イットリウムユー
ロピウム単分散共沈酸化物粒子を原料として用いること
ができる。
酸化物及びイットリウムガドリニウムユーロピウム共沈
酸化物粒子の結晶子の大きさは、XRDのWilson
法で測定した場合、200〜400Å程度であり、赤色
発光団として使用するには原料酸化物粒子の結晶を40
0〜1000Å、好ましくは600〜1000Å程度に
成長させることが必要である。なお、ここで用いる粒子
の形状が球状とは、短径と長径がほぼ同一であることを
意味し、均一粒径とは、上述したように電子顕微鏡など
で各粒子を観察したときに、全体の90%以上の粒子で
径の大きさの差が10%未満であるものを言い、得られ
た赤色発光団の粒子においても原料酸化物と平均粒子径
はほぼ同等の値を示すものである。
あるイットリウムユーロピウム酸化物又はイットリウム
ガドリニウムユーロピウム酸化物の組成としては、赤色
発光団組成と同じであり、イットリウムユーロピウム酸
化物の場合は、希土類の含有量は酸化イットリウムで9
9〜85重量%、酸化ユーロピウムで1〜15重量%、
イットリウムガドリニウムユーロピウム酸化物の場合
は、酸化イットリウムで4〜95重量%、酸化ガドリニ
ウムで1〜95重量%、酸化ユーロピウムで1〜15重
量%である原料希土類共沈酸化物を用いることができ、
更にイットリウム、ガドリニウム、ユーロピウム以外の
希土類酸化物を1重量%以下配合させ、複合酸化物とし
て用いてもよい。
ットリウムユーロピウム酸化物やイットリウムガドリニ
ウムユーロピウム酸化物を製造する際には、ホウ酸(又
は酸化ホウ素)、塩化バリウム、塩化アンモニウムなど
のフラックス成分を添加して加熱処理するのが一般的で
あった。
目的は、結晶成長を促進させることであるが、結晶成長
後の赤色発光団としては、フラックス成分のない方が概
して赤色発光団の発光強度や寿命に対して好ましい結果
が得られ、一般には洗浄などの工程を経て赤色発光団中
や赤色発光団表面に残留したフラックス成分を除去して
いる。しかし、フラックス成分の一部は洗浄工程でも除
去しきれずに赤色発光団中に残留し、赤色発光団の発光
強度や寿命などの特性に対して悪影響を及ぼすことがあ
る。
2μmの大きさの均一粒径を有するイットリウムユーロ
ピウム酸化物及びイットリウムガドリニウムユーロピウ
ム酸化物であり、本発明の微粒子の単一分散である球状
希土類共沈酸化物を用いることにより、フラックス成分
がなくても熱処理だけで粒子内での結晶を十分に成長さ
せられることにより、色純度、寿命特性の優れた赤色発
光団を得ることができる。また、原料の粒径が不揃いで
あれば、粒子によって結晶成長する温度が異なるため、
フラックスの添加は欠かせないものであるが、今回使用
する粒子は均一粒径であり、ほぼ同じ温度で同様な結晶
成長が起こるという点からもフラックス成分の添加は不
要になり、赤色発光団である酸化物中のホウ素及びバリ
ウムの含有量が20ppm以下に低く抑えることができ
る。
直接赤色発光団化することで、フラックス成分を洗浄除
去する工程を省くことができ、赤色発光団を製造するま
での工程が簡便になる利点がある。
物をアルミナ坩堝などに入れ、電気炉を用いて加熱処理
するもので、大気、真空、不活性のいずれかの雰囲気に
おいて、加熱温度1100〜1800℃、好ましくは1
200〜1700℃、特に好ましくは1300〜160
0℃の間で10分〜6時間加熱することにより、赤色発
光団を得ることができる。ここで言う加熱処理とは、原
料酸化物を結晶成長させる目的で行う処理である。この
場合、加熱処理した赤色発光団試料を透過型電子顕微鏡
で観察した場合、1100℃未満での加熱処理温度では
結晶成長は起こるものの、結晶成長速度は遅く、実際に
は1100℃以上での加熱処理が結晶成長には必要であ
るため、1100〜1800℃、好ましくは1200〜
1700℃、更に好ましくは1300〜1600℃で加
熱処理するものである。1800℃を超えた温度で加熱
すると、凝集粒子が多く発生し、2μmを超え、数μm
の粒径になる粒子もあり、0.5〜2μmの球状粒子と
それ以外の粒径を有する粒子が混在し、不均一状態にな
り、塗布特性が低下する。
((株)日本電子)で観察した場合、原料共沈酸化物に
ほぼ等しい大きさの球状に近い単分散粒子であり、原料
共沈酸化物と同一粒子径である。
スプレイやX線を用いた医療診断装置などに用いられる
希土類酸化物赤色発光団として、従来にない粒径が0.
5〜2μmの均一粒径であるという特徴をもった赤色発
光団である。
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
ロピウムの重量比で94:6の組成の粒子直径が約1.
0μmの均一粒径球状単分散イットリウムユーロピウム
共沈酸化物粒子を合成した。この際の原料酸化物の合成
条件は以下の通りである。
た。酸化物換算で重量比94:6のイットリウム/ユー
ロピウム混合硝酸溶液と尿素を加えて加熱を続けた。こ
の際に溶液中の希土類イオン濃度が20g/リットル以
下、尿素濃度が50g/リットル以下となるように調整
しながらイットリウム/ユーロピウム混合硝酸溶液及び
尿素を添加していくことで、約1.2μmの均一粒径の
塩基性炭酸塩を析出させた。この塩基性炭酸塩を800
℃で焼成することで、図1に示すような原料となる均一
粒径・球状イットリウムユーロピウム共沈酸化物を得
た。
気で1400℃で5時間熱処理して、酸化物(赤色発光
団)を得た。得られた酸化物を電子顕微鏡で観察する
と、粒径が約1μmの球状に近い多面体の単分散粒子で
あった。電子顕微鏡で各粒子を観察したときに、全体の
90%以上の粒子で径の大きさの差が約7%であった。
この赤色発光団である酸化物中のホウ素及びバリウム含
有量を測定したところ、それぞれ5ppm以下であっ
た。
ラス基板に塗布したところ、均一な塗布膜が得られた。
この酸化物の発光スペクトルを147nmの励起光源で
測定(分光計器株式会社の真空紫外域吸収蛍光測定装
置)したところ、約612nmに強い発光ピークを持つ
蛍光スペクトルが得られた(図9)。612nmの発光
ピークを有することにより、赤色の発光団であることが
示されている。
処理した場合に得られた酸化物の電子顕微鏡写真を図2
〜6に示す。図2は熱処理温度1100℃、図3は同1
200℃、図4は同1400℃、図5は同1650℃、
図6は同1850℃のイットリウムユーロピウム酸化物
である。
ユーロピウム酸化物の結晶子の大きさを表1に示す。こ
の場合、加熱時間は2時間であり、結晶子の大きさはX
RDのWilson法で測定した。
得られた酸化物(赤色発光団)の粒度分布をレーザー散
乱型の粒度分布測定装置(LEED&NORTHRUP
製)で測定した結果を図7に示す。
条件では、実際に電子顕微鏡写真でも凝集粒子が多く見
られ、数μm以上の粒径になる粒子も見られ、球状粒子
と球状以外の粒子が混在しており、不均一である。酸化
物粒子の塗布特性としては単分散した均一粒径の粒子が
最も好ましく、このような融着粒子は塗布特性を悪化さ
せる点で好ましくないと考えられる。
得られた酸化物粒子を基板に塗布した状態を電子顕微鏡
で観察したところ、赤色の発光を有し、基板上に非常に
密に充填されていることが確認できた(図8)。
の蛍光スペクトルを測定した。測定装置は分光計器株式
会社の真空紫外分光システムB−95100を用い、励
起波長147nmでの612nmの発光強度で比較し
た。測定サンプルはガラス基板上に酸化物を30mg/
cm2の割合で塗布し、励起光の当たった面の相対発光
強度を測定した。結果を表2に示す。その結果、147
nmの励起光での612nmの相対発光強度は1300
〜1700℃で熱処理したものがより高いことがわかっ
た。
リニウムと酸化ユーロピウムの重量比で40:54:6
の組成の粒子直径が約1.0μmの均一粒径球状単分散
イットリウムガドリニウムユーロピウム共沈酸化物粒子
を合成した。この際の原料酸化物の合成条件は以下の通
りである。
た。酸化物換算で重量比40:54:6のイットリウム
/ガドリニウム/ユーロピウム混合硝酸溶液と尿素を加
えて加熱を続けた。この際に溶液中の希土類イオン濃度
が20g/リットル以下、尿素濃度が50g/リットル
以下となるように調整しながらイットリウム/ガドリニ
ウム/ユーロピウム混合硝酸溶液及び尿素を添加してゆ
くことで、約1.2μmの均一粒径の塩基性炭酸塩を析
出させた。この塩基性炭酸塩を800℃で焼成すること
で、原料となる均一粒径・球状イットリウムガドリニウ
ムユーロピウム共沈酸化物を得た。
気で1400℃で5時間熱処理して、酸化物粒子(赤色
発光団)を得た。得られた酸化物粒子を電子顕微鏡で観
察すると、粒径が約1μmの球状に近い多面体の単分散
粒子であり、電子顕微鏡で各粒子を観察したところ、全
体の90%以上の粒子で径の大きさの差が8%であっ
た。この酸化物中のホウ素及びバリウム含有量を測定し
たところ、それぞれ5ppm以下であった。
でガラス基板に塗布したところ、図8の写真に見られる
ような均一な塗布膜が得られた。この酸化物粒子の発光
スペクトルを147nmの励起光源で測定したところ、
約612nmに強い発光ピークを持つ蛍光スペクトルが
得られた。
ロピウムの重量比で94:6の組成の平均粒子径約1μ
mのシュウ酸塩沈殿を焼成して得られる不定形イットリ
ウムユーロピウム共沈酸化物粒子を合成した。
気で1400℃で5時間熱処理して、赤色発光団を得
た。得られた酸化物粒子を電子顕微鏡で観察すると、形
状の一定しない大きさの不揃いな粒子であった。
でガラス基板に塗布したところ、均一な塗布膜が得られ
た。この酸化物の発光スペクトルを147nmの励起光
源で測定したところ、約612nmの発光ピーク強度は
実施例1に比較して約95%の相対発光強度しかなかっ
た。
リニウムと酸化ユーロピウムの重量比で40:54:6
の組成の平均粒子径約1μmのシュウ酸塩沈殿を焼成し
て得られる不定形イットリウムガドリニウムユーロピウ
ム共沈酸化物粒子を合成した。
0.1重量%、塩化バリウム1重量%、塩化アンモニウ
ム1重量%を添加し、1200℃で5時間焼成した。冷
却した後、水洗し、酸化物粒子を得た。得られた酸化物
粒子を電子顕微鏡で観察すると、形状の一定しない大き
さの不揃いな粒子であった。この酸化物中のホウ素及び
バリウム含有量を測定したところ、それぞれ約20pp
m及び約100ppmであった。
でガラス基板に塗布したところ、均一な塗布膜が得られ
た。この酸化物の発光スペクトルを147nmの励起光
源で測定したところ、約612nmの発光ピーク強度は
実施例2に比較して約97%の相対発光強度しかなかっ
た。
リニウムと酸化ユーロピウムの重量比で6:91:3の
組成の粒子直径が約1.0μmの均一粒径球状単分散イ
ットリウムガドリニウムユーロピウム共沈酸化物粒子を
実施例1の方法に準じて合成した。得られた酸化物粒子
を電子顕微鏡で観察すると、粒径が約1μmの球状に近
い多面体の単分散粒子で、全体の90%以上の粒子で径
の大きさの差が約8%であった。この酸化物のホウ素及
びバリウム含有量を測定したところ、それぞれ5ppm
以下であった。
でガラス基板に塗布したところ、均一な塗布膜が得られ
た。この酸化物の発光スペクトルをX線の励起光源で測
定したところ、約612nmに強い発光ピークを持つ蛍
光スペクトルが得られた。この酸化物はX線を利用した
医療用診断用フィルムや医療診断システム用赤色発光団
として良好なものであった。
用いた医療診断装置などに有用な小粒子、均一粒径の希
土類元素酸化物が簡便な工程でかつ経済的に製造でき、
産業上その利用価値は極めて高い。
るイットリウムユーロピウム共沈酸化物の顕微鏡写真で
ある。
より得られたイットリウムユーロピウム酸化物の顕微鏡
写真である。
より得られたイットリウムユーロピウム酸化物の顕微鏡
写真である。
より得られたイットリウムユーロピウム酸化物の顕微鏡
写真である。
より得られたイットリウムユーロピウム酸化物の顕微鏡
写真である。
より得られたイットリウムユーロピウム酸化物の顕微鏡
写真である。
より得られたイットリウムユーロピウム酸化物の粒度分
布を示すグラフである。
鏡写真である。
7nmの励起光源測定による発光ピークを示すグラフで
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 粒子径が0.5μm以上2μm以下の均
一粒径イットリウムユーロピウム酸化物。 - 【請求項2】 ホウ素及びバリウムの含有量の合計が2
0ppm以下で、粒子径が0.5μm以上2μm以下の
均一粒径であることを特徴とするイットリウムユーロピ
ウム酸化物。 - 【請求項3】 粒子径が0.5μm以上2μm以下の均
一粒径球状イットリウムユーロピウム共沈酸化物を11
00℃以上1800℃以下に加熱することを特徴とする
均一粒径球状イットリウムユーロピウム共沈酸化物と同
一粒子径であるイットリウムユーロピウム酸化物の製造
方法。 - 【請求項4】 粒子径が0.5μm以上2μm以下の均
一粒径イットリウムガドリニウムユーロピウム酸化物。 - 【請求項5】 ホウ素及びバリウムの含有量の合計が2
0ppm以下で、粒子径が0.5μm以上2μm以下の
均一粒径であることを特徴とするイットリウムガドリニ
ウムユーロピウム酸化物。 - 【請求項6】 粒子径が0.5μm以上2μm以下の均
一粒径球状イットリウムガドリニウムユーロピウム共沈
酸化物を1100℃以上1800℃以下に加熱すること
を特徴とする均一粒径球状イットリウムガドリニウムユ
ーロピウム共沈酸化物と同一粒子径であるイットリウム
ガドリニウムユーロピウム酸化物の製造方法。
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