JP2003212118A - 鉄道車両用空調装置 - Google Patents

鉄道車両用空調装置

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JP2003212118A JP2002011481A JP2002011481A JP2003212118A JP 2003212118 A JP2003212118 A JP 2003212118A JP 2002011481 A JP2002011481 A JP 2002011481A JP 2002011481 A JP2002011481 A JP 2002011481A JP 2003212118 A JP2003212118 A JP 2003212118A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄道車両の空気調和において、再加熱ヒータ
や除湿用の電磁弁等を追加することなく、除湿時に室内
送風機の吹出し温度を常に快適温度に保持する。 【解決手段】 冷房専用の冷凍サイクルと、冷房・暖房
両用のヒートポンプ式冷凍サイクルとを装置内に備え、
冷房時には、両圧縮機2a,2bあるいは片方を動作さ
せて冷房運転し、除湿運転時には、一方は冷房運転をし
て室内空気を冷却して除湿し、他方は四方弁を切替える
ことにより暖房運転を行って室内空気を加熱し、前記冷
却・除湿された空気と前記加熱された空気を混合して車
室内に送り込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両用空気調
和装置に係り、特に梅雨時等において除湿運転を行う必
要のあるものに好適な鉄道車両用空気調和装置とその運
転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道車両用空調装置での除湿は、
再加熱ヒータや再加熱用凝縮器を設けない弱冷房運転に
よって行われていた。そのため、乗客の少ない閑散時に
はどうしても車内温度が低下して、肌寒さを感じるた
め、快適性が低下するという問題があった。これに対し
て、雑誌冷凍(第67巻第772号P58〜64、19
92年発行)に記載されるように、蒸発器の出口に再加
熱ヒータを設けて、蒸発器により冷却された空気を再加
熱する方法がある。また、その他に、特公昭52−13
023号公報に記載のように、蒸発器の空気出口側に再
加熱用の凝縮器を配置して、除湿運転時だけ電磁弁を開
いて冷媒を流すようにした冷凍サイクルが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蒸発器
の出口に再加熱ヒータを設けた場合、部品点数の増加に
よる信頼性の低下、それに伴う空調装置の大形化や重量
が増加する。また、コストも増加する。
【0004】特公昭52−13023号公報に記載され
た発明の場合、パス数の増加、除湿用の電磁弁の追加な
どによって部品点数が増加し、コストの増加および信頼
性の低下につながる。また、除湿運転を行う時期は梅雨
時等の限られた期間であることから、通常の冷房運転時
には再加熱ヒータや再加熱用凝縮器は不要となり、スペ
ースの有効利用の観点からも不経済である。
【0005】一方、再加熱ヒータや再加熱用凝縮器を設
けない冷房の弱冷房運転だけによる除湿は、乗客の少な
い閑散時にはどうしても車内温度が低下して、肌寒さを
感じるため、快適性が低下するという問題があった。
【0006】本発明の目的は、上記問題に対してなされ
るものであり、鉄道車両の空気調和において、再加熱ヒ
ータや除湿用の電磁弁等を追加設置することなく、除湿
時に室内送風機の吹出し温度を常に快適温度に保持する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】鉄道車両の屋根に設置さ
れる空調装置は基本的には冷房装置であり、暖房は座席
下等に設置される他の装置が用いられる。ただ、車両が
車庫を出るときに急速に車内を暖める場合や厳寒期など
のために、通常、屋根に設置される空調装置でも、補助
的に暖房を行うことが可能になっている。発明者等は、
この補助的に設けられている暖房システムを利用するこ
とに着目し、本発明に想到した。
【0008】すなわち、上記課題を解決する本発明は、
複数の冷凍サイクルを同一装置内に備え、少なくとも一
つの冷凍サイクルには冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍
サイクルを組み込んだ空調装置で、冷・暖両用のヒート
ポンプ式冷凍サイクルの暖房運転と、他の冷凍サイクル
の冷房運転の同時運転を可能とし、冷・暖両用のヒート
ポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器を通って出てくる
温風と他の冷凍サイクルの室内熱交換器を通って出てく
る冷風が室内送風機のケーシングの中で混合されるよう
に構成したものである。
【0009】車室内に送り込まれる空気の一部は冷・暖
両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器を通
り、他の一部は前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器を
通って車室内に導かれる。前記他の冷凍サイクルの室内
熱交換器を通る空気は冷却されて除湿され、冷・暖両用
のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器を通る空
気は加熱される。両方の空気が混合されて車室内に送り
込まれるから、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイク
ルの室内熱交換器における加熱の程度、前記他の冷凍サ
イクルの室内熱交換器における冷却の程度を制御するこ
とにより、除湿後の空気の温度を適切な温度に調節する
ことができる。
【0010】また、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サ
イクルの室内熱交換器(暖房運転時に冷媒の凝縮器とな
り、空気を加熱する熱交換器)を、前記他の冷凍サイク
ルの室内熱交換器(冷媒の蒸発器となり、空気を冷却す
る熱交換器)の上方に設置するのが望ましい。直上でな
くても、前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器で発生し
た水滴が、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの
室内熱交換器に滴下しない位置関係であればよい。この
ように配置することにより、除湿により発生した水分が
加熱に使用される熱交換器に滴下して再蒸発したり、加
熱された空気に混入したりすることが避けられる。
【0011】また、室内側送風機を室内側熱交換器の風
下側に設置すれば、除湿された低温の空気と加熱された
空気が十分に混合される。
【0012】さらに、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍
サイクルの圧縮機をインバータ圧縮機で構成し、他の冷
房専用の冷凍サイクル(冷房専用の冷凍サイクル)を一
定速圧縮機で構成する。冷・暖両用のヒートポンプ式冷
凍サイクルの圧縮機を運転速度を変えることで、除湿運
転時の車室内への吹き出し空気温度を適切な温度に制御
できる。
【0013】また、車室内の温度及び湿度を検知する検
知手段と、車室外の温度及び湿度を検知する検知手段
と、乗車率を検知する検知手段を備えることにより、自
動的に除湿運転を実行することができるとともに、除湿
時の車室内への吹き出し空気温度を適切な温度に制御で
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図4を参照して説明する。ここで、図1は本実施の形
態に係る鉄道車両用空調装置の平面図、図2は図1のA
−A線矢視断面図、図3はコントローラの構成を示した
ブロック図である。
【0015】図1に示す鉄道車両用空調装置1は、圧縮
機2a,2bと、圧縮機2aの吐出口に電動四方弁3を
介して冷媒流路の一端を接続された室外熱交換器4a
と、室外熱交換器4aの冷媒流路の他端に減圧装置であ
る膨張弁5aを介して冷媒流路の一端を接続された室内
熱交換器6a,6a’と、室内熱交換器6a,6a’の
冷媒流路の他端を前記電動四方弁3に接続する管路と、
前記電動四方弁3と圧縮機2aの吸込み口を接続する管
路と、前記圧縮機2bの吐出口に冷媒流路の一端を接続
された室外熱交換器4bと、室外熱交換器4bの冷媒流
路の他端に減圧装置である膨張弁5bを介して冷媒流路
の一端を接続された室内熱交換器6b,6b’と、室内
熱交換器6b,6b’の冷媒流路の他端を前記圧縮機2
bの吸込み口に接続する管路と、室外空気を前記室外熱
交換器4a,4bを経て吸込み、室外に吐出するように
配置された室外送風機7と、室内空気を前記室内熱交換
器6a,6a’,6b,6b’を経て吸込み、室内に吐
出するように配置された室内送風機8と、圧縮機2aを
制御するインバータ装置9と、コントローラ10と、制
御盤11と、図示されていない室内温度センサ31、室
内湿度センサ32、外気温度センサ33、外気湿度セン
サ34及び乗車率を検知するセンサ35、コンソール3
6を含んで構成されている。
【0016】インバータ装置9は、圧縮機2aを周波数
変化による可変速運転を行う。コントローラ10は、図
3に示すように、A/Dコンバータ37、A/Dコンバ
ータ37に接続されたマイクロコンピュータ30、マイ
クロコンピュータ30に接続されたD/Aコンバータ3
8及びディジタルスイッチ39を含んで構成され、マイ
クロコンピュータ30が室内温度センサ31や室内湿度
センサ32、外気温度センサ33、外気湿度センサ34
及び乗車率を検知するセンサ35の検出値やコンソール
36からの運転命令を受けて、膨張弁5a,5bの絞り
量、インバータ装置9の出力周波数や制御盤11内の接
触器の入り・切りを制御する。つまり、コントローラ1
0が、空調装置の容量制御や運転モードの切り換えを行
う制御手段である。
【0017】A/Dコンバータ37はセンサのアナログ
値をディジタル値に変換し、反対にD/Aコンバータ3
8は、マイクロコンピュータ30のディジタル信号をア
ナログ値に変換する。ディジタルスイッチ39は、制御
盤内の接触器やコンソール36の表示部の入り・切りを
制御する。
【0018】なお、この鉄道車両用空調装置1は、鉄道
車両の屋根上に配置され、図2に示すように、室内熱交
換器6a,6a’,6b,6b’は、室内熱交換器6
a,6b’、 室内熱交換器6a’,6bの2組に分け
られ、軸線を車両長手方向に平行させて車両の幅方向ほ
ぼ中央に配置された室内送風機8の幅方向両側に、その
長手方向が車両長手方向に平行になるように、かつ斜め
に傾斜した状態で配置されている。室内熱交換器6a,
6a’は、それぞれ室内熱交換器6b’,6bの斜め上
部に位置している。
【0019】前記室外送風機7は軸線を上下方向にして
車両の幅方向ほぼ中央に配置され、室外熱交換器4a,
4bは、室外送風機7の幅方向両側に分かれて、かつそ
の長手方向を車両の長手方向に平行させて互いに対向す
るように、配置されている。そして、車両の幅方向、室
外熱交換器4aがある側に室内熱交換器6a,6b’
が、室外熱交換器4bがある側に室内熱交換器6a’,
6bが、それぞれ配置されている。前記圧縮機2aは室
外熱交換器4aがある側の、室外熱交換器4aと室内熱
交換器6a,6b’の間の位置に、前記圧縮機2bは室
外熱交換器4bがある側の、室外熱交換器4bと室内熱
交換器6a’,6bの間の位置に、それぞれ配置されて
いる。
【0020】図示の鉄道車両用空調装置1は、図中、番
号の添字aで示されている機器で形成された冷・暖房両
用のヒートポンプ式冷凍サイクルと、番号の添字bで示
されている機器で形成された冷房専用の冷凍サイクルで
構成されている。室外送風機7と室内送風機8は両冷凍
サイクルで共用している。したがって、冷・暖房両用の
ヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器6a,6
a’を通過した空気も、冷房専用の冷凍サイクルの室内
熱交換器6b,6b’を通過した空気も、混合されて同
一車室に送り込まれるようになっている。
【0021】前述のように室外熱交換器、室内熱交換器
及び圧縮機を配置することで、室外熱交換器、室内熱交
換器及び圧縮機を接続する配管の長さを、冷・暖房両用
のヒートポンプ式冷凍サイクルと冷房専用の冷凍サイク
ルで均等化することができ、双方の冷媒充填量を略同じ
にすることができる。
【0022】以下、ヒートポンプ式冷凍サイクルをAサ
イクル、冷房専用の冷凍サイクルをBサイクルと略記し
て装置の動作を説明する。
【0023】Aサイクルの冷房運転時には、電動四方弁
(以下、四方弁という)3は、圧縮機2aの吐出口と室
外熱交換器4a(凝縮器)の冷媒流路の一端を連通する
と共に、室内熱交換器6a,6a’の前記他端と圧縮機
2aの吸込み口を連通する位置に操作される。すなわ
ち、圧縮機2aから吐出された高温・高圧ガスの冷媒
は、四方弁3を通り、室外熱交換器4a(凝縮器)で外
気により冷却されて高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒
は、冷房用の膨張弁5aで減圧された後、室内熱交換器
6a,6a'(蒸発器)で客室の循環空気から熱を奪っ
て低圧のガス冷媒となり、四方弁3を経て圧縮機2aに
戻る。
【0024】暖房運転時は、四方弁3は、圧縮機2aの
吐出口と室内熱交換器6a,6a’の前記他端を連通す
ると共に、室外熱交換器4a(凝縮器)の冷媒流路の一
端と圧縮機2aの吸込み口を連通する位置に操作され
る。すなわち、圧縮機2aから吐出された高温・高圧の
ガス冷媒は、四方弁3を通り、室内熱交換器6a,6
a'(凝縮器)で客室空気により冷却されて高圧の液冷
媒になる。高圧の液冷媒は膨張弁5aで減圧された後、
室外熱交換器4a(蒸発器)で外気から熱を奪って低圧
のガスとなり、圧縮機2aに戻る。
【0025】B冷凍サイクルにおいては、圧縮機2bか
ら吐出された高温・高圧ガスの冷媒は、室外熱交換器4
b(凝縮器)で外気により冷却されて高圧の液冷媒とな
る。高圧の液冷媒は、冷房用の膨張弁5bで減圧された
後、室内熱交換器6b,6b'(蒸発器)で客室の循環
空気から熱を奪って低圧のガス冷媒となり、圧縮機2b
に戻る。
【0026】本実施の形態では、冷房専用の冷凍サイク
ルが1系統、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクル
が1系統の合計2系統の場合を示しているが、本発明は
これに限定されるものではなく、それぞれの冷凍サイク
ルを複数系統設けてもよい。
【0027】表1に示すように、圧縮機2bは商用電源
による一定速運転で、圧縮機2aはインバータ装置によ
る可変速運転である。圧縮機2bは冷房運転と除湿運転
の場合のみで運転され、暖房補助運転と外気低温時の冷
房運転の場合は停止する。暖房補助運転の場合、インバ
ータ装置9は室内送風機8を可変速運転する。以下、各
運転モード毎にさらに詳細に説明する。なお、本実施の
形態における空調装置は、前記コンソール36における
操作で、各運転モードの手動切り換え運転、コントロー
ラ10による各運転モードの自動切り換え運転の双方が
可能になっている。
【0028】
【表1】 冷房モードでは、圧縮機2aはインバータ装置9により
例えば40〜80Hzの可変周波数で運転されるが、圧縮
機2bは60Hzの固定周波数で運転される。よって、冷
房負荷が小さい時は圧縮機2aだけの運転となり、周波
数を増減させて車内温度を適温に調節する。冷房負荷が
上昇して圧縮機2aだけでは冷房能力が不足すると圧縮
機2bを起動して、圧縮機2a,2bの2台による冷房
運転を行い、冷房能力は圧縮機2aの運転周波数を増減
させて調節する。
【0029】除湿モードでは、圧縮機2aを有したヒー
トポンプ式冷凍サイクルは暖房運転を行い、圧縮機2b
を有した冷房専用サイクルは定速での冷房運転を行う。
車内温度は、圧縮機2aの運転周波数を40〜60Hzの
範囲で増減させて制御する。
【0030】暖房モードは、冬期の朝一番の急速暖房や
厳寒期において車両の座席下に設けてある電気ヒータだ
けでは暖房能力が不足する場合の運転で、圧縮機2aの
ヒートポンプ式冷凍サイクルを暖房で運転する。暖房モ
ードでは圧縮機2bは運転されない。
【0031】外気低温時の冷房モードは、圧縮機2aの
単独運転による冷房運転を行う。圧縮機2bは運転され
ない。この場合、冷房負荷が小さいことから、インバー
タによって圧縮機2aの運転周波数を増減することによ
って負荷に応じた冷房能力を得ることができる。外気温
度が低いため、室外熱交換器4aでの凝縮能力が過大に
なるが、冷媒の液戻りは圧縮機の運転周波数と膨張弁の
絞り量とを制御することによって防止する。
【0032】除湿運転モードでは、圧縮機2aを有した
ヒートポンプ式冷凍サイクルは暖房運転を行い、圧縮機
2bを有した冷房専用サイクルは冷房運転を行う。車内
温度は、圧縮機2aの運転周波数を増減させせて制御す
る。この際、ヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機2a
は、外気温度によって増加する吐出圧力の増加を防止す
るように、インバータによって周波数を低減して運転す
る。また、冷房専用サイクル側では、除湿負荷に応じた
冷房能力を得るように膨張弁5bの絞り量を調節する。
【0033】さらに、図2に示すように、除湿運転時に
凝縮器として作用する室内熱交換器6a,6a’が、蒸
発器として作用する室内熱交換器6b,6b’の上部に
設置されているため、冷房専用サイクルの室内熱交換器
6b,6b’により除湿された乾いた冷たい空気は、ヒ
ートポンプ式サイクルの室内熱交換器6a,6a’で加
熱された暖かい空気と混合されて適温の乾いた空気とな
る。室内送風機8が室内熱交換器器6a,6a’,6
b,6b’の風下に設置されているために、温風と冷風
は室内送風機8で混合され、客室の温度を低下させるこ
となく適度に除湿することができる。また、除湿運転時
に蒸発器、すなわち室内空気を冷却する熱交換器となる
冷凍専用サイクルの室内熱交換器6b,6b’が、除湿
運転時に凝縮器、すなわち室内空気を加熱する熱交換器
となる冷暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱
交換器6a’,6aの斜め下方に位置しているので、室
内熱交換器6b,6b’で冷却された空気から凝縮して
生ずる水滴が、室内熱交換器6a’,6aに流入して加
熱され、再び蒸発して室内に送り込まれる空気の湿度を
上げる恐れがない。
【0034】本実施の形態では、室内熱交換器6b,6
b’を室内熱交換器6a’,6aの斜め下方に位置させ
ることで、室内熱交換器6b,6b’で生じた水滴が室
内熱交換器6a’,6aに流入するのを回避している
が、冷却された空気から生ずる水滴が空気を加熱する熱
交換器に流入あるいは加熱された空気に混入することが
ないような配置であれば、図2に記載された配置でなく
ともよい。
【0035】例えば、車外温度(室外温度)が20℃以
上で、車内温度(室内温度)が24℃以下の時、湿度セ
ンサ32で検出した車内の湿度が65%を超えると空調
装置は除湿モードに入り、冷房専用側の室内熱交換器
(蒸発器)6b,6b’で除湿された温度の低い空気
と、ヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器(凝縮
器)6a,6a’で加熱された温度の高い空気は、室内
送風機8に吸入され吐出される間にケーシング内で混合
されて、湿度が低く快適な温度の空気となり、車内に送
風される。この時、車内の湿度の制御は冷房専用の減圧
装置(膨張弁5b)の絞り量を制御する(例えば、電動
膨張弁の絞り制御)ことによって制御される。加熱量の
制御は暖房運転側の圧縮機2aの運転周波数をインバー
タ装置9で増減させて、過負荷運転状態に陥らないよう
に圧縮機2aの回転数を適宜調節する。
【0036】さらに、通勤時のように急激に乗車率が増
加する場合、乗車率を検出するセンサ35によって乗車
率を検知し、人体による潜熱・顕熱負荷を予測すること
によって除湿量と加熱量を予測することができ、必要な
除湿量と加熱量に合わせて、冷房側冷凍サイクルの減圧
装置(膨張弁5b)の絞り量の調節と、暖房側冷凍サイ
クルの圧縮機2aの運転周波数をインバータ装置9で増
減させることができる。このため、車室内の温湿度を常
に快適に保つことが可能となる。
【0037】なお、上記実施の形態は、冷暖両用のヒー
トポンプ式冷凍サイクルと冷房専用の冷凍サイクルを備
えた空調装置であるが、室内に送り込む空気の一部を冷
却して除湿すると同時に他の一部を加熱することができ
れば、冷暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクル2組を含
んで構成された空調装置であっても、本発明の効果は十
分に発揮されることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、冷房運転と暖房運転を
同時に行うことによって、加熱ヒータ等の再加熱器を新
たに付加することなく、除湿時に室内送風機の吹出し温
度を常に快適温度に保持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用空調装置
を示す平面図である。
【図2】図1の鉄道車両用空調装置のA−A線矢視断面
図である。
【図3】図1の鉄道車両用空調装置におけるコントロー
ラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 鉄道車両用空調装置 2a,2b 圧縮機 3 四方弁 4a,4b 室外熱交換器 5a,5b 減圧装置(膨張弁) 6a,6a',6b,6b' 室内熱交換器 7 室外送風機 8 室内送風機 9 インバータ 10 コントローラ 11 制御盤
フロントページの続き (72)発明者 平川 治生 山口県下松市東豊井794番地 株式会社日 立製作所交通システム事業部内 (72)発明者 松嶋 弘章 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ同じ車室の空気と熱交換する室
    内熱交換器を含んでなる複数の冷凍サイクルを同一装置
    内に備え、そのうち少なくとも一つの冷凍サイクルが冷
    ・暖両用のヒートポンプで構成されている鉄道車両用空
    調装置において、冷・暖両用のヒートポンプ冷凍サイク
    ルの暖房運転と他の冷凍サイクルの冷房運転とを同時に
    行うことが可能に構成されている制御手段を備えたこと
    を特徴とする鉄道車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の鉄道車両用空調装置にお
    いて、冷・暖両用のヒートポンプ冷凍サイクルの室内熱
    交換器の重心位置が前記他の冷凍サイクルの室内熱交換
    器の重心位置よりも高い位置になるように設置されてい
    ることを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の鉄道車両用空調装置にお
    いて、冷・暖両用のヒートポンプ冷凍サイクルの室内熱
    交換器が、前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器の冷房
    運転時に前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器で発生し
    た水滴が滴下もしくは流入することのない位置に設置さ
    れていることを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のうちのいずれか1項に記
    載の鉄道車両用空調装置において、前記ヒートポンプ式
    冷凍サイクルの圧縮機はインバータ装置による可変速手
    段を備えたことを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のうちのいずれか1項に記
    載の鉄道車両用空調装置において、車室内に空気を送り
    込む室内送風機が、前記室内側熱交換器の風下に設置さ
    れていることを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の鉄道車両用空調装置に
    おいて、前記室内送風機の軸と前記室内熱交換器の長手
    方向軸線が車両の進行方向に平行に設置され、かつ、各
    冷凍サイクルの室内熱交換器は、室内送風機を挟んで車
    両幅方向両側に分散配置されていることを特徴とする鉄
    道車両用空調装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のうちのいずれか1項に記
    載の鉄道車両用空調装置において、車室内の温度及び湿
    度を検知する検知手段と車室外の温度及び湿度を検知す
    る検知手段と、乗車率を検知する検知手段を備え、前記
    制御手段は前記各検知手段の出力を入力として必要除湿
    量を予測して除湿運転を制御するように構成されている
    ことを特徴とする鉄道車両空調装置。
  8. 【請求項8】 それぞれ同じ車室の空気と熱交換する室
    内熱交換器を含んでなる複数の冷凍サイクルを同一装置
    内に備え、そのうち少なくとも一つの冷凍サイクルが冷
    ・暖両用のヒートポンプで構成されている鉄道車両用空
    調装置の運転方法において、冷・暖両用のヒートポンプ
    冷凍サイクルの暖房運転と他の冷凍サイクルの冷房運転
    とを同時に行い、暖房運転の冷凍サイクルに含まれる室
    内熱交換器で加熱された空気と、冷房運転の冷凍サイク
    ルに含まれる室内熱交換器で冷却・除湿された空気とを
    混合して車室内に送り込むことを特徴とする鉄道車両用
    空調装置の運転方法。
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JP2013217506A (ja) * 2012-04-04 2013-10-24 Mitsubishi Electric Corp 冷凍サイクル装置
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