JP4200263B2 - 鉄道車両用空調装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両用空気調和装置に係り、特に梅雨時等において除湿運転を行う必要のあるものに好適な鉄道車両用空気調和装置とその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉄道車両用空調装置での除湿は、再加熱ヒータや再加熱用凝縮器を設けない弱冷房運転によって行われていた。そのため、乗客の少ない閑散時にはどうしても車内温度が低下して、肌寒さを感じるため、快適性が低下するという問題があった。これに対して、雑誌冷凍(第67巻第772号P58〜64、1992年発行)に記載されるように、蒸発器の出口に再加熱ヒータを設けて、蒸発器により冷却された空気を再加熱する方法がある。また、その他に、特公昭52−13023号公報に記載のように、蒸発器の空気出口側に再加熱用の凝縮器を配置して、除湿運転時だけ電磁弁を開いて冷媒を流すようにした冷凍サイクルが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蒸発器の出口に再加熱ヒータを設けた場合、部品点数の増加による信頼性の低下、それに伴う空調装置の大形化や重量が増加する。また、コストも増加する。
【0004】
特公昭52−13023号公報に記載された発明の場合、パス数の増加、除湿用の電磁弁の追加などによって部品点数が増加し、コストの増加および信頼性の低下につながる。また、除湿運転を行う時期は梅雨時等の限られた期間であることから、通常の冷房運転時には再加熱ヒータや再加熱用凝縮器は不要となり、スペースの有効利用の観点からも不経済である。
【0005】
一方、再加熱ヒータや再加熱用凝縮器を設けない冷房の弱冷房運転だけによる除湿は、乗客の少ない閑散時にはどうしても車内温度が低下して、肌寒さを感じるため、快適性が低下するという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題に対してなされるものであり、鉄道車両の空気調和において、再加熱ヒータや除湿用の電磁弁等を追加設置することなく、除湿時に室内送風機の吹出し温度を常に快適温度に保持することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
鉄道車両の屋根に設置される空調装置は基本的には冷房装置であり、暖房は座席下等に設置される他の装置が用いられる。ただ、車両が車庫を出るときに急速に車内を暖める場合や厳寒期などのために、通常、屋根に設置される空調装置でも、補助的に暖房を行うことが可能になっている。発明者等は、この補助的に設けられている暖房システムを利用することに着目し、本発明に想到した。
【0008】
すなわち、上記課題を解決する本発明は、それぞれ同じ車室の空気と熱交換する室内熱交換器を含んでなる複数の冷凍サイクルを同一装置内に備え、少なくとも一つの冷凍サイクルには冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルを組み込んだ空調装置で、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルに含まれる前記室内熱交換器が2つに分けられ、軸線を車両長手方向に平行させて車両の幅方向略中央に配置された室内送風機の幅方向両側に、その長手方向が車両長手方向に平行になるように、かつ上側が幅方向外側になるように斜めに傾斜した状態で配置されているとともに、他の冷凍サイクルに含まれる室内熱交換器も2つに分けられ、前記室内送風機の幅方向両側に、その長手方向が車両長手方向に平行になるように配置され、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルに含まれる室内熱交換器は他の冷凍サイクルに含まれる室内熱交換器の斜め上方かつ車両の幅方向外側に位置し、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの暖房運転と、他の冷凍サイクルの冷房運転の同時運転を可能とし、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器を通って出てくる温風と他の冷凍サイクルの室内熱交換器を通って出てくる冷風が室内送風機のケーシングの中で混合されるように構成したものである。
【0009】
車室内に送り込まれる空気の一部は冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器を通り、他の一部は前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器を通って車室内に導かれる。前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器を通る空気は冷却されて除湿され、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器を通る空気は加熱される。両方の空気が混合されて車室内に送り込まれるから、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器における加熱の程度、前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器における冷却の程度を制御することにより、除湿後の空気の温度を適切な温度に調節することができる。
【0010】
また、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器(暖房運転時に冷媒の凝縮器となり、空気を加熱する熱交換器)を、前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器(冷媒の蒸発器となり、空気を冷却する熱交換器)の上方に設置するのが望ましい。直上でなくても、前記他の冷凍サイクルの室内熱交換器で発生した水滴が、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器に滴下しない位置関係であればよい。このように配置することにより、除湿により発生した水分が加熱に使用される熱交換器に滴下して再蒸発したり、加熱された空気に混入したりすることが避けられる。
【0011】
また、室内送風機室内熱交換器の風下側に設置すれば、除湿された低温の空気と加熱された空気が十分に混合される。
【0012】
さらに、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機をインバータ圧縮機で構成し、他の冷房専用の冷凍サイクル(冷房専用の冷凍サイクル)を一定速圧縮機で構成する。冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機を運転速度を変えることで、除湿運転時の車室内への吹き出し空気温度を適切な温度に制御できる。
【0013】
また、車室内の温度及び湿度を検知する検知手段と、車室外の温度及び湿度を検知する検知手段と、乗車率を検知する検知手段を備えることにより、自動的に除湿運転を実行することができるとともに、除湿時の車室内への吹き出し空気温度を適切な温度に制御できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4を参照して説明する。ここで、図1は本実施の形態に係る鉄道車両用空調装置の平面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3はコントローラの構成を示したブロック図である。
【0015】
図1に示す鉄道車両用空調装置1は、圧縮機2a,2bと、圧縮機2aの吐出口に電動四方弁3を介して冷媒流路の一端を接続された室外熱交換器4aと、室外熱交換器4aの冷媒流路の他端に減圧装置である膨張弁5aを介して冷媒流路の一端を接続された室内熱交換器6a,6a’と、室内熱交換器6a,6a’の冷媒流路の他端を前記電動四方弁3に接続する管路と、前記電動四方弁3と圧縮機2aの吸込み口を接続する管路と、前記圧縮機2bの吐出口に冷媒流路の一端を接続された室外熱交換器4bと、室外熱交換器4bの冷媒流路の他端に減圧装置である膨張弁5bを介して冷媒流路の一端を接続された室内熱交換器6b,6b’と、室内熱交換器6b,6b’の冷媒流路の他端を前記圧縮機2bの吸込み口に接続する管路と、室外空気を前記室外熱交換器4a,4bを経て吸込み、室外に吐出するように配置された室外送風機7と、室内空気を前記室内熱交換器6a,6a’,6b,6b’を経て吸込み、室内に吐出するように配置された室内送風機8と、圧縮機2aを制御するインバータ装置9と、コントローラ10と、制御盤11と、図示されていない室内温度センサ31、室内湿度センサ32、外気温度センサ33、外気湿度センサ34及び乗車率を検知するセンサ35、コンソール36を含んで構成されている。
【0016】
インバータ装置9は、圧縮機2aを周波数変化による可変速運転を行う。コントローラ10は、図3に示すように、A/Dコンバータ37、A/Dコンバータ37に接続されたマイクロコンピュータ30、マイクロコンピュータ30に接続されたD/Aコンバータ38及びディジタルスイッチ39を含んで構成され、マイクロコンピュータ30が室内温度センサ31や室内湿度センサ32、外気温度センサ33、外気湿度センサ34及び乗車率を検知するセンサ35の検出値やコンソール36からの運転命令を受けて、膨張弁5a,5bの絞り量、インバータ装置9の出力周波数や制御盤11内の接触器の入り・切りを制御する。つまり、コントローラ10が、空調装置の容量制御や運転モードの切り換えを行う制御手段である。
【0017】
A/Dコンバータ37はセンサのアナログ値をディジタル値に変換し、反対にD/Aコンバータ38は、マイクロコンピュータ30のディジタル信号をアナログ値に変換する。ディジタルスイッチ39は、制御盤内の接触器やコンソール36の表示部の入り・切りを制御する。
【0018】
なお、この鉄道車両用空調装置1は、鉄道車両の屋根上に配置され、図2に示すように、室内熱交換器6a,6a’,6b,6b’は、室内熱交換器6a,6b’、 室内熱交換器6a’,6bの2組に分けられ、軸線を車両長手方向に平行させて車両の幅方向ほぼ中央に配置された室内送風機8の幅方向両側に、その長手方向が車両長手方向に平行になるように、かつ斜めに傾斜した状態で配置されている。室内熱交換器6a,6a’は、それぞれ室内熱交換器6b’,6bの斜め上部に位置している。
【0019】
前記室外送風機7は軸線を上下方向にして車両の幅方向ほぼ中央に配置され、室外熱交換器4a,4bは、室外送風機7の幅方向両側に分かれて、かつその長手方向を車両の長手方向に平行させて互いに対向するように、配置されている。そして、車両の幅方向、室外熱交換器4aがある側に室内熱交換器6a,6b’が、室外熱交換器4bがある側に室内熱交換器6a’,6bが、それぞれ配置されている。前記圧縮機2aは室外熱交換器4aがある側の、室外熱交換器4aと室内熱交換器6a,6b’の間の位置に、前記圧縮機2bは室外熱交換器4bがある側の、室外熱交換器4bと室内熱交換器6a’,6bの間の位置に、それぞれ配置されている。
【0020】
図示の鉄道車両用空調装置1は、図中、番号の添字aで示されている機器で形成された冷・暖房両用のヒートポンプ式冷凍サイクルと、番号の添字bで示されている機器で形成された冷房専用の冷凍サイクルで構成されている。室外送風機7と室内送風機8は両冷凍サイクルで共用している。したがって、冷・暖房両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器6a,6a’を通過した空気も、冷房専用の冷凍サイクルの室内熱交換器6b,6b’を通過した空気も、混合されて同一車室に送り込まれるようになっている。
【0021】
前述のように室外熱交換器、室内熱交換器及び圧縮機を配置することで、室外熱交換器、室内熱交換器及び圧縮機を接続する配管の長さを、冷・暖房両用のヒートポンプ式冷凍サイクルと冷房専用の冷凍サイクルで均等化することができ、双方の冷媒充填量を略同じにすることができる。
【0022】
以下、ヒートポンプ式冷凍サイクルをAサイクル、冷房専用の冷凍サイクルをBサイクルと略記して装置の動作を説明する。
【0023】
Aサイクルの冷房運転時には、電動四方弁(以下、四方弁という)3は、圧縮機2aの吐出口と室外熱交換器4a(凝縮器)の冷媒流路の一端を連通すると共に、室内熱交換器6a,6a’の前記他端と圧縮機2aの吸込み口を連通する位置に操作される。すなわち、圧縮機2aから吐出された高温・高圧ガスの冷媒は、四方弁3を通り、室外熱交換器4a(凝縮器)で外気により冷却されて高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、冷房用の膨張弁5aで減圧された後、室内熱交換器6a,6a'(蒸発器)で客室の循環空気から熱を奪って低圧のガス冷媒となり、四方弁3を経て圧縮機2aに戻る。
【0024】
暖房運転時は、四方弁3は、圧縮機2aの吐出口と室内熱交換器6a,6a’の前記他端を連通すると共に、室外熱交換器4a(凝縮器)の冷媒流路の一端と圧縮機2aの吸込み口を連通する位置に操作される。すなわち、圧縮機2aから吐出された高温・高圧のガス冷媒は、四方弁3を通り、室内熱交換器6a,6a'(凝縮器)で客室空気により冷却されて高圧の液冷媒になる。高圧の液冷媒は膨張弁5aで減圧された後、室外熱交換器4a(蒸発器)で外気から熱を奪って低圧のガスとなり、圧縮機2aに戻る。
【0025】
B冷凍サイクルにおいては、圧縮機2bから吐出された高温・高圧ガスの冷媒は、室外熱交換器4b(凝縮器)で外気により冷却されて高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、冷房用の膨張弁5bで減圧された後、室内熱交換器6b,6b'(蒸発器)で客室の循環空気から熱を奪って低圧のガス冷媒となり、圧縮機2bに戻る。
【0026】
本実施の形態では、冷房専用の冷凍サイクルが1系統、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルが1系統の合計2系統の場合を示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれの冷凍サイクルを複数系統設けてもよい。
【0027】
表1に示すように、圧縮機2bは商用電源による一定速運転で、圧縮機2aはインバータ装置による可変速運転である。圧縮機2bは冷房運転と除湿運転の場合のみで運転され、暖房補助運転と外気低温時の冷房運転の場合は停止する。暖房補助運転の場合、インバータ装置9は室内送風機8を可変速運転する。以下、各運転モード毎にさらに詳細に説明する。なお、本実施の形態における空調装置は、前記コンソール36における操作で、各運転モードの手動切り換え運転、コントローラ10による各運転モードの自動切り換え運転の双方が可能になっている。
【0028】
【表1】
Figure 0004200263
冷房モードでは、圧縮機2aはインバータ装置9により例えば40〜80Hzの可変周波数で運転されるが、圧縮機2bは60Hzの固定周波数で運転される。よって、冷房負荷が小さいときは圧縮機2aだけの運転となり、周波数を増減させて車内温度を適温に調節する。冷房負荷が上昇して圧縮機2aだけでは冷房能力が不足すると圧縮機2bを起動して、圧縮機2a,2bの2台による冷房運転を行い、冷房能力は圧縮機2aの運転周波数を増減させて調節する。
【0029】
除湿モードでは、圧縮機2aを有したヒートポンプ式冷凍サイクルは暖房運転を行い、圧縮機2bを有した冷房専用サイクルは定速での冷房運転を行う。車内温度は、圧縮機2aの運転周波数を40〜60Hzの範囲で増減させて制御する。
【0030】
暖房モードは、冬期の朝一番の急速暖房や厳寒期において車両の座席下に設けてある電気ヒータだけでは暖房能力が不足する場合の運転で、圧縮機2aのヒートポンプ式冷凍サイクルを暖房で運転する。暖房モードでは圧縮機2bは運転されない。
【0031】
外気低温時の冷房モードは、圧縮機2aの単独運転による冷房運転を行う。圧縮機2bは運転されない。この場合、冷房負荷が小さいことから、インバータによって圧縮機2aの運転周波数を増減することによって負荷に応じた冷房能力を得ることができる。外気温度が低いため、室外熱交換器4aでの凝縮能力が過大になるが、冷媒の液戻りは圧縮機の運転周波数と膨張弁の絞り量とを制御することによって防止する。
【0032】
除湿運転モードでは、圧縮機2aを有したヒートポンプ式冷凍サイクルは暖房運転を行い、圧縮機2bを有した冷房専用サイクルは冷房運転を行う。車内温度は、圧縮機2aの運転周波数を増減させせて制御する。この際、ヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機2aは、外気温度によって増加する吐出圧力の増加を防止するように、インバータによって周波数を低減して運転する。また、冷房専用サイクル側では、除湿負荷に応じた冷房能力を得るように膨張弁5bの絞り量を調節する。
【0033】
さらに、図2に示すように、除湿運転時に凝縮器として作用する室内熱交換器6a,6a’が、蒸発器として作用する室内熱交換器6b,6b’の上部に設置されているため、冷房専用サイクルの室内熱交換器6b,6b’により除湿された乾いた冷たい空気は、ヒートポンプ式サイクルの室内熱交換器6a,6a’で加熱された暖かい空気と混合されて適温の乾いた空気となる。室内送風機8が室内熱交換器器6a,6a’,6b,6b’の風下に設置されているために、温風と冷風は室内送風機8で混合され、客室の温度を低下させることなく適度に除湿することができる。また、除湿運転時に蒸発器、すなわち室内空気を冷却する熱交換器となる冷凍専用サイクルの室内熱交換器6b,6b’が、除湿運転時に凝縮器、すなわち室内空気を加熱する熱交換器となる冷暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器6a’,6aの斜め下方に位置しているので、室内熱交換器6b,6b’で冷却された空気から凝縮して生ずる水滴が、室内熱交換器6a’,6aに流入して加熱され、再び蒸発して室内に送り込まれる空気の湿度を上げる恐れがない。
【0034】
本実施の形態では、室内熱交換器6b,6b’を室内熱交換器6a’,6aの斜め下方に位置させることで、室内熱交換器6b,6b’で生じた水滴が室内熱交換器6a’,6aに流入するのを回避しているが、冷却された空気から生ずる水滴が空気を加熱する熱交換器に流入あるいは加熱された空気に混入することがないような配置であれば、図2に記載された配置でなくともよい。
【0035】
例えば、車外温度(室外温度)が20℃以上で、車内温度(室内温度)が24℃以下の時、湿度センサ32で検出した車内の湿度が65%を超えると空調装置は除湿モードに入り、冷房専用側の室内熱交換器(蒸発器)6b,6b’で除湿された温度の低い空気と、ヒートポンプ式冷凍サイクルの室内熱交換器(凝縮器)6a,6a’で加熱された温度の高い空気は、室内送風機8に吸入され吐出される間にケーシング内で混合されて、湿度が低く快適な温度の空気となり、車内に送風される。この時、車内の湿度の制御は冷房専用の減圧装置(膨張弁5b)の絞り量を制御する(例えば、電動膨張弁の絞り制御)ことによって制御される。加熱量の制御は暖房運転側の圧縮機2aの運転周波数をインバータ装置9で増減させて、過負荷運転状態に陥らないように圧縮機2aの回転数を適宜調節する。
【0036】
さらに、通勤時のように急激に乗車率が増加する場合、乗車率を検出するセンサ35によって乗車率を検知し、人体による潜熱・顕熱負荷を予測することによって除湿量と加熱量を予測することができ、必要な除湿量と加熱量に合わせて、冷房側冷凍サイクルの減圧装置(膨張弁5b)の絞り量の調節と、暖房側冷凍サイクルの圧縮機2aの運転周波数をインバータ装置9で増減させることができる。このため、車室内の温湿度を常に快適に保つことが可能となる。
【0037】
なお、上記実施の形態は、冷暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルと冷房専用の冷凍サイクルを備えた空調装置であるが、室内に送り込む空気の一部を冷却して除湿すると同時に他の一部を加熱することができれば、冷暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクル2組を含んで構成された空調装置であっても、本発明の効果は十分に発揮されることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、冷房運転と暖房運転を同時に行うことによって、加熱ヒータ等の再加熱器を新たに付加することなく、除湿時に室内送風機の吹出し温度を常に快適温度に保持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る鉄道車両用空調装置を示す平面図である。
【図2】図1の鉄道車両用空調装置のA−A線矢視断面図である。
【図3】図1の鉄道車両用空調装置におけるコントローラの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 鉄道車両用空調装置
2a,2b 圧縮機
3 四方弁
4a,4b 室外熱交換器
5a,5b 減圧装置(膨張弁)
6a,6a',6b,6b' 室内熱交換器
7 室外送風機
8 室内送風機
9 インバータ
10 コントローラ
11 制御盤

Claims (3)

  1. それぞれ同じ車室の空気と熱交換する室内熱交換器を含んでなる複数の冷凍サイクルを同一装置内に備え、そのうち少なくとも一つの冷凍サイクルが冷・暖両用のヒートポンプで構成されている鉄道車両用空調装置において、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルに含まれる前記室内熱交換器が2つに分けられ、軸線を車両長手方向に平行させて車両の幅方向略中央に配置された室内送風機の幅方向両側に、その長手方向が車両長手方向に平行になるように、かつ上側が幅方向外側になるように斜めに傾斜した状態で配置されているとともに、他の冷凍サイクルに含まれる室内熱交換器も2つに分けられ、前記室内送風機の幅方向両側に、その長手方向が車両長手方向に平行になるように配置されていることと、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルに含まれる室内熱交換器は他の冷凍サイクルに含まれる室内熱交換器の斜め上方かつ車両の幅方向外側に位置していることと、前記室内送風機は、前記室内熱交換器の風下に設置されて車室内に空気を送り込むものであることと、冷・暖両用のヒートポンプ式冷凍サイクルの暖房運転と他の冷凍サイクルの冷房運転とを同時に行うことが可能に構成されている制御手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の鉄道車両用空調装置において、前記ヒートポンプ式冷凍サイクルの圧縮機はインバータ装置による可変速手段を備えたことを特徴とする鉄道車両用空調装置。
  3. 請求項1又は2に記載の鉄道車両用空調装置において、車室内の温度及び湿度を検知する検知手段と車室外の温度及び湿度を検知する検知手段と、乗車率を検知する検知手段を備え、前記制御手段は前記各検知手段の出力を入力として必要除湿量を予測して除湿運転を制御するように構成されていることを特徴とする鉄道車両用空調装置。
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