JP2018127048A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気流通路に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、安定した車室内の空調制御を行うことができる車両用空気調和装置を提供する。【解決手段】制御装置により、圧縮機1から吐出された冷媒を室外熱交換器7に流して当該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器9にて吸熱させる第1の運転モードを実行する。制御装置は、吸込切換ダンパ26により調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器9に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて圧縮機2の回転数を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の車室内を空調する車両用空気調和装置、特に空気流通路に流入する外気と内気の比率を調整可能とされたものに関するものである。
近年の環境問題の顕在化から、ハイブリッド自動車や電気自動車が普及するに至っている。そして、このような車両に適用することができる空気調和装置として、冷媒を圧縮して吐出する電動式の圧縮機と、空気流通路内に設けられて冷媒を吸熱させる吸熱器と、この吸熱器の空気下流側の空気流通路内に設けられて冷媒を放熱させる放熱器と、車室外に設けられて冷媒を放熱又は吸熱させる室外熱交換器を備え、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、この放熱器において放熱した冷媒を室外熱交換器において吸熱させる暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器において放熱させ、放熱した冷媒を吸熱器と室外熱交換器において吸熱させる除湿暖房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器及び室外熱交換器において放熱させ、放熱した冷媒を吸熱器において吸熱させる除湿冷房モードと、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器において放熱させ、吸熱器において吸熱させる冷房モード等の各運転モードを切り換えて実行するものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1では、吸熱器の空気上流側には吸込切換ダンパが設けられ、この吸込切換ダンパによって空気流通路に外気を導入するか(外気導入モード)、内気(車室内の空気)を導入するか(内気循環モード)を切り換えるようにしていたが、空気流通路(エアミックスチャンバ)に導入する外気と内気の比率を調整可能としたものも開発されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2014−94673号公報 特開平10−166845号公報
ここで、外気の温度と内気の温度は環境条件や走行状況によって異なって来るので、空気流通路に流通される空気の外気と内気の比率(割合)が変化すると、車両用空気調和装置の負荷は大きく変化し、能力の過不足が発生する。特に、車室内の空気温度が安定した後に、外気導入と内気循環の切換があった場合、圧縮機の回転数が大きく異なるため、制御性も悪化することになる。
本発明は、係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、空気流通路に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、安定した車室内の空調制御を行うことができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、空気流通路に流入する外気と車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、制御装置を備え、この制御装置により、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流して当該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる第1の運転モードを実行するものであって、制御装置は、吸込切換ダンパにより調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて圧縮機の回転数を制御することを特徴とする。
請求項2の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、少なくとも吸熱器の温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、吸熱器の温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、圧縮機の目標回転数TGNCcを算出すると共に、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGNCcffを補正することを特徴とする。
請求項3の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において空気流通路の空気の流れに対して吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器を備え、第1の運転モードは、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器から室外熱交換器に流して当該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる冷房モード、及び/又は、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器から室外熱交換器に流して当該放熱器及び室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モード、であることを特徴とする。
請求項4の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において空気流通路の空気の流れに対して吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、圧縮機から吐出された冷媒を、放熱器に流すこと無く室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置と、空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置を備え、第1の運転モードは、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス装置により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる最大冷房モード、及び/又は、圧縮機から吐出された冷媒をバイパス装置により室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させると共に、補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モード、であることを特徴とする。
請求項5の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、空気流通路の空気の流れに対して吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、空気流通路に流入する外気と車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、制御装置を備え、この制御装置により、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行するものであって、制御装置は、吸込切換ダンパにより調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力TGQを算出し、この要求暖房能力TGQに基づいて圧縮機の回転数を制御することを特徴とする。
請求項6の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、少なくとも要求暖房能力TGQに基づくフィードフォワード演算により圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNChffを算出し、高圧圧力とその目標値に基づくフィードバック演算により圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNChfbを算出し、これらF/F操作量TGNChffとF/B操作量TGNChfbを加算することで、圧縮機の目標回転数TGNChを算出することを特徴とする。
請求項7の発明の車両用空気調和装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、空気流通路の空気の流れに対して吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、この室外熱交換器に流入する冷媒を減圧する室外膨張弁と、室外熱交換器及び室外膨張弁の直列回路に対して並列に接続されたバイパス回路と、吸熱器に流入する冷媒を減圧する室内膨張弁と、空気流通路に流入する外気と車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、制御装置を備え、この制御装置により、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を分流し、一部をバイパス回路から室内膨張弁に流し、当該室内膨張弁で減圧した後、吸熱器に流入させ、当該吸熱器にて吸熱させると共に、残りを室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器に流入させ、当該室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードを実行するものであって、制御装置は、吸込切換ダンパにより調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて室外膨張弁の弁開度、及び/又は、圧縮機の回転数を制御することを特徴とする。
請求項8の発明の車両用空気調和装置は、上記発明において制御装置は、少なくとも吸熱器の温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により室外膨張弁の目標弁開度のF/F操作量TGECCVteffを算出し、吸熱器の温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により室外膨張弁の目標弁開度のF/B操作量TGECCVtefbを算出し、これらF/F操作量TGECCVteffとF/B操作量TGECCVtefbを加算することで、室外膨張弁の目標弁開度TGECCVteを算出すると共に、少なくとも目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、吸熱器の温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、圧縮機の目標回転数TGNCcを算出し、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGECCVteff、及び/又は、F/F操作量TGNCcffを補正することを特徴とする。
請求項9の発明の車両用空気調和装置は、上記各発明において制御装置は、外気と内気の比率に基づく一次遅れ演算により吸熱器吸込空気温度Tevainを算出することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、空気流通路に流入する外気と車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、制御装置を備え、この制御装置により、圧縮機から吐出された冷媒を室外熱交換器に流して当該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、吸熱器にて吸熱させる第1の運転モードを実行する車両用空気調和装置において、制御装置が、吸込切換ダンパにより調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて圧縮機の回転数を制御するようにしたので、吸込切換ダンパにより空気流通路に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、当該比率に基づいて吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、圧縮機の回転数を制御することができるようになる。
これにより、請求項3の発明の冷房モードや除湿冷房モード、請求項4の発明の最大冷房モードや除湿暖房モードの如く吸熱器にて冷媒を吸熱させる第1の運転モードにおいて、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応し、過不足の無い空調能力を実現して、車室内の温度を目標とする値に良好に収束させ、快適性と省エネ性の双方を向上させることができるようになる。
この場合、請求項2の発明の如く制御装置が、少なくとも吸熱器の温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、吸熱器の温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、圧縮機の目標回転数TGNCcを算出するときに、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGNCcffを補正するようにすれば、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応して、吸熱器による冷房/除湿能力を的確に制御することができるようになる。
請求項5の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、空気流通路の空気の流れに対して吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、空気流通路に流入する外気と車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、制御装置を備え、この制御装置により、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、制御装置が、吸込切換ダンパにより調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて、要求される放熱器の暖房能力である要求暖房能力TGQを算出し、この要求暖房能力TGQに基づいて圧縮機の回転数を制御するようにしたので、吸込切換ダンパにより空気流通路に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、当該比率に基づいて吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、それに基づいて要求暖房能力TGQを算出して、圧縮機の回転数を制御することができるようになる。
これにより、暖房モードにおいて、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応し、過不足の無い暖房能力を実現して、車室内の温度を目標とする値に良好に収束させ、快適性と省エネ性の双方を向上させることができるようになる。
この場合、請求項6の発明の如く制御装置が、少なくとも要求暖房能力TGQに基づくフィードフォワード演算により圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNChffを算出し、高圧圧力とその目標値に基づくフィードバック演算により圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNChfbを算出し、これらF/F操作量TGNChffとF/B操作量TGNChfbを加算することで、圧縮機の目標回転数TGNChを算出するようにすれば、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応して、放熱器による暖房能力を的確に制御することができるようになる。
請求項7の発明によれば、冷媒を圧縮する圧縮機と、車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、冷媒を吸熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、空気流通路の空気の流れに対して吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて空気流通路から車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、車室外に設けられた室外熱交換器と、この室外熱交換器に流入する冷媒を減圧する室外膨張弁と、室外熱交換器及び室外膨張弁の直列回路に対して並列に接続されたバイパス回路と、吸熱器に流入する冷媒を減圧する室内膨張弁と、空気流通路に流入する外気と車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、制御装置を備え、この制御装置により、圧縮機から吐出された冷媒を放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を分流し、一部をバイパス回路から室内膨張弁に流し、当該室内膨張弁で減圧した後、吸熱器に流入させ、当該吸熱器にて吸熱させると共に、残りを室外膨張弁で減圧した後、室外熱交換器に流入させ、当該室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、制御装置が、吸込切換ダンパにより調整される外気と内気の比率に基づき、吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて室外膨張弁の弁開度、及び/又は、圧縮機の回転数を制御するようにしたので、吸込切換ダンパにより空気流通路に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、当該比率に基づいて吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、室外膨張弁の弁開度、及び/又は、圧縮機の回転数を制御することができるようになる。
これにより、除湿暖房モードにおいて、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応し、吸熱器による過不足の無い除湿能力を実現することができるようになる。
この場合、請求項8の発明の如く制御装置が、少なくとも吸熱器の温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により室外膨張弁の目標弁開度のF/F操作量TGECCVteffを算出し、吸熱器の温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により室外膨張弁の目標弁開度のF/B操作量TGECCVtefbを算出し、これらF/F操作量TGECCVteffとF/B操作量TGECCVtefbを加算することで、室外膨張弁の目標弁開度TGECCVteを算出し、少なくとも目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、吸熱器の温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、圧縮機の目標回転数TGNCcを算出するときに、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGECCVteff、及び/又は、F/F操作量TGNCcffを補正するようにすれば、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応して、吸熱器による除湿能力を的確に制御し、快適な除湿暖房を実現することができるようになる。
ここで、外気と内気の比率が変化した場合、吸熱器吸込空気温度Tevainに反映されるまでは或る程度時間がかかる。即ち、外気と内気の比率が変化しても吸熱器吸込空気温度Tevainは直ぐに変化するものでは無い。そこで、請求項9の発明の如く制御装置が、外気と内気の比率に基づく一次遅れ演算により吸熱器吸込空気温度Tevainを算出するようにすれば、実際の吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に合わせて圧縮機の回転数や室外膨張弁の弁開度を制御することができるようになる。
本発明を適用した一実施形態の車両用空気調和装置の構成図である。 図1の車両用空気調和装置の制御装置のブロック図である。 図1の車両用空気調和装置のHVACユニットの縦断側面図である。 図2のヒートポンプコントローラによる冷房モード等における圧縮機制御に関する制御ブロック図である。 内外気比率と冷房モードの冷房負荷との関係を説明する図である。 図1の車両用空気調和装置のHVACユニットのもう一つの縦断側面図である。 図2のヒートポンプコントローラによる暖房モードにおける圧縮機制御に関する制御ブロック図である。 内外気比率と暖房モードの暖房負荷との関係を説明する図である。 本発明の他の実施例の車両用空気調和装置の構成図である。 図9の場合のヒートポンプコントローラによる除湿暖房モードにおける室外膨張弁制御に関する制御ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。本発明を適用する実施例の車両は、エンジン(内燃機関)が搭載されていない電気自動車(EV)であって、バッテリに充電された電力で走行用の電動モータを駆動して走行するものであり(何れも図示せず)、本発明の車両用空気調和装置1も、バッテリの電力で駆動されるものとする。即ち、実施例の車両用空気調和装置1は、エンジン廃熱による暖房ができない電気自動車において、冷媒回路を用いたヒートポンプ運転により暖房モードを行い、更に、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード(最大冷房モード)及び補助ヒータ単独モードの各運転モードを選択的に実行する。この実施例では、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モードが本出願における第1の運転モードである。
尚、車両として電気自動車に限らず、エンジンと走行用の電動モータを供用する所謂ハイブリッド自動車にも本発明は有効であり、更には、エンジンで走行する通常の自動車にも適用可能であることは云うまでもない。
実施例の車両用空気調和装置1は、電気自動車の車室内の空調(暖房、冷房、除湿、及び、換気)を行うものであり、冷媒を圧縮する電動式の圧縮機2と、外気や車室内の空気が通気/循環されるHVACユニット10の空気流通路3内に設けられ、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が冷媒配管13Gを介して流入し、この冷媒を放熱させて車室内に供給する空気を加熱するための放熱器4(ヒータ)と、暖房時に冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室外膨張弁6(減圧装置)と、車室外に設けられて冷房時には放熱器として機能し、暖房時には蒸発器として機能すべく冷媒と外気との間で熱交換を行わせる室外熱交換器7と、冷媒を減圧膨張させる電動弁から成る室内膨張弁8(減圧装置)と、空気流通路3内に設けられ、冷房時及び除湿時に冷媒を吸熱させて車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器9と、アキュムレータ12等が冷媒配管13により順次接続され、冷媒回路Rが構成されている。この場合、放熱器4は空気流通路3の空気の流れに対して吸熱器9の風下側(空気下流側)に配置されている。
そして、この冷媒回路Rには所定量の冷媒と潤滑用のオイルが充填されている。尚、室外熱交換器7には、室外送風機15が設けられている。この室外送風機15は、室外熱交換器7に外気を強制的に通風することにより、外気と冷媒とを熱交換させるものであり、これにより停車中(即ち、車速が0km/h)にも室外熱交換器7に外気が通風されるよう構成されている。
また、室外熱交換器7は冷媒下流側にレシーバドライヤ部14と過冷却部16を順次有し、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷房時に開放される電磁弁17を介してレシーバドライヤ部14に接続され、過冷却部16の出口側の冷媒配管13Bは室内膨張弁8介して吸熱器9の入口側に接続されている。尚、レシーバドライヤ部14及び過冷却部16は構造的に室外熱交換器7の一部を構成している。
また、過冷却部16と室内膨張弁8間の冷媒配管13Bは、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cと熱交換関係に設けられ、両者で内部熱交換器19を構成している。これにより、冷媒配管13Bを経て室内膨張弁8に流入する冷媒は、吸熱器9を出た低温の冷媒により冷却(過冷却)される構成とされている。
また、室外熱交換器7から出た冷媒配管13Aは冷媒配管13Dに分岐しており、この分岐した冷媒配管13Dは、暖房時に開放される電磁弁21を介して内部熱交換器19の下流側における冷媒配管13Cに連通接続されている。この冷媒配管13Cがアキュムレータ12に接続され、アキュムレータ12は圧縮機2の冷媒吸込側に接続されている。更に、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6を介して室外熱交換器7の入口側に接続されている。
また、圧縮機2の吐出側と放熱器4の入口側の間の冷媒配管13Gには後述する除湿暖房とMAX冷房時に閉じられる電磁弁30(流路切換装置を構成する)が介設されている。この場合、冷媒配管13Gは電磁弁30の上流側でバイパス配管35に分岐しており、このバイパス配管35は除湿暖房とMAX冷房時に開放される電磁弁40(これも流路切換装置を構成する)を介して室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに連通接続されている。これらバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45が構成される。
このようなバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40によりバイパス装置45を構成したことで、後述する如く圧縮機2から吐出された冷媒を室外熱交換器7に直接流入させる除湿暖房モードやMAX冷房モードと、圧縮機2から吐出された冷媒を放熱器4に流入させる暖房モードや除湿冷房モード、冷房モードとの切り換えを円滑に行うことができるようになる。
また、吸熱器9の空気上流側における空気流通路3には、外気吸込口25Aと内気吸込口25Bの各吸込口が形成されており、外気吸込口25Aからは車室外の空気である外気が吸い込まれ、内気吸込口25Bからは車室内の空気である内気が吸い込まれる構成とされている。更に、空気流通路3には吸込切換ダンパ26が設けられ、この吸込切換ダンパ26の空気下流側には、各吸込口25A、25Bから吸い込まれた外気や内気を空気流通路3に送給するための室内送風機(ブロワファン)27が設けられている。
上記吸込切換ダンパ26は、外気吸込口25Aと内気吸込口25Bを任意の比率で開閉することにより、空気流通路3の吸熱器9に流入する外気と内気の比率を0〜100%の間で調整することができるように構成されている。尚、本出願では吸込切換ダンパ26により調整される外気と内気の比率を内外気比率RECrateと称し、この内外気比率RECrate=1のときに内気が100%、外気が0%の内気循環モードとなり、内外気比率RECrate=0のときに外気が100%、内気が0%の外気導入モードとなる。そして、0<内外気比率RECrate<1のときに0%<内気<100%、且つ、100%>外気>0%の内外気中間位置となる。即ち、本出願において内外気比率RECrateは空気流通路3の吸熱器9に流入する空気のうちの内気の割合を意味する。
この吸込切換ダンパ26は後述する空調コントローラ20により制御され、後述するオートモード或いは空調操作部53へのマニュアル操作(マニュアルモード)によって上記内気循環モード、外気導入モード及び内外気中間位置が選択される。この場合、クールダウン時等の冷房負荷が大きいときや市街地等の外気臭が気になるときに内気循環モードとされ、換気が必要なときや暖房時の窓曇り防止を行うときにデフロスタスイッチ(後述する空調操作部53に設けられる)との連動等で外気導入モードが選択される。また、暖房時の暖房負荷の低減と窓曇り防止の両立を行うときに内外気中間位置が選択されることになる。
また、図1において23は実施例の車両用空気調和装置1に設けられた補助加熱装置としての補助ヒータである。実施例の補助ヒータ23はPTCヒータ(電気ヒータ)にて構成されており、空気流通路3の空気の流れに対して、放熱器4の風上側(空気上流側)であって吸熱器9の風下側(空気下流側)となる空気流通路3内に設けられている。そして、補助ヒータ23に通電されて発熱すると、吸熱器9を経て放熱器4に流入する前の空気流通路3内の空気が加熱される。即ち、この補助ヒータ23が所謂ヒータコアとなり、車室内の暖房を行い、或いは、それを補完する。
ここで、HVACユニット10の吸熱器9より風下側(空気下流側)の空気流通路3は仕切壁10Aにより区画され、暖房用熱交換通路3Aとそれをバイパスするバイパス通路3Bとが形成されており、前述した放熱器4と補助ヒータ23は暖房用熱交換通路3Aに配置されている。
また、補助ヒータ23の風上側における空気流通路3内には、当該空気流通路3内に流入し、吸熱器9を通過した後の空気流通路3内の空気(内気や外気)を、補助ヒータ23及び放熱器4が配置された暖房用熱交換通路3Aに通風する割合を調整するエアミックスダンパ28Dr、28Asが設けられている。
更に、放熱器4の風下側におけるHVACユニット10には、FOOT(フット)吹出口29A、VENT(ベント)吹出口29B、DEF(デフ)吹出口29Cの各吹出口が形成されている。FOOT吹出口29Aは車室内の足下に空気を吹き出すための吹出口で、最も低い位置にある。また、VENT吹出口29Bは車室内の運転者の胸や顔付近に空気を吹き出すための吹出口で、FOOT吹出口29Aより上方にある。そして、DEF吹出口29Cは車両のフロントガラス内面に空気を吹き出すための吹出口で、他の吹出口29A、29Bよりも上方の最も高い位置にある。
そして、FOOT吹出口29A、VENT吹出口29B、及び、DEF吹出口29Cには、空気の吹き出し量を制御するFOOT吹出口ダンパ31A、VENT吹出口ダンパ31B、及び、DEF吹出口ダンパ31Cがそれぞれ設けられている。
尚、実施例の車両用空気調和装置1は、車両の運転席と助手席で、左右独立空調制御が可能とされており、放熱器4及び補助ヒータ23が設けられた空気流通路3内は図示しない仕切板により左右に仕切られている。そして、前述したエアミックスダンパ28Drは運転席用(右用)のエアミックスダンパとされて右側の空気流通路3に設けられ、エアミックスダンパ28Asは助手席用(左用)のエアミックスダンパとされて左側の空気流通路3に設けられている。また、上記FOOT吹出口ダンパ31A、VENT吹出口ダンパ31B、及び、DEF吹出口ダンパ31Cの各吹出口も、運転席用(右用)と助手席用(左用)が前記仕切板で仕切られる左右の空気流通路3にそれぞれ設けられているものとする。そして、それらにより運転席・助手席同一空調制御(左右同一空調制御)と、運転席・助手席独立空調制御(左右独立空調制御)とを実行可能とされている。
即ち、後述する空調操作部53での設定で、運転席・助手席同一空調制御(左右同一空調制御)となったときには、エアミックスダンパ28Dr及びエアミックスダンパ28Asは同一の動作を行い、運転席用と助手席用の各吹出口ダンパ31A〜31Cも同一の動作を行う。一方、運転席・助手席独立空調制御(左右独立空調制御)となったときには、エアミックスダンパ28Dr及びエアミックスダンパ28Asは独立して動作し、運転席用と助手席用の各吹出口ダンパ31A〜31Cも独立して動作することになる。
次に、図2は実施例の車両用空気調和装置1の制御装置11のブロック図を示している。制御装置11は、何れもプロセッサを備えたコンピュータの一例であるマイクロコンピュータから構成された空調コントローラ20及びヒートポンプコントローラ32から構成されており、これらがCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)を構成する車両通信バス65に接続されている。また、圧縮機2と補助ヒータ23も車両通信バス65に接続され、これら空調コントローラ20、ヒートポンプコントローラ32、圧縮機2及び補助ヒータ23が車両通信バス65を介してデータの送受信を行うように構成されている。
空調コントローラ20は、車両の車室内空調の制御を司る上位のコントローラであり、この空調コントローラ20の入力には、車両の外気温度Tam(車室外の空気の温度)を検出する外気温度センサ33と、外気湿度を検出する外気湿度センサ34と、車室内の空気(内気)の温度(内気温度Tin)を検出する内気温度センサ37と、車室内の空気の湿度を検出する内気湿度センサ38と、車室内の二酸化炭素濃度を検出する室内CO2濃度センサ39と、車室内に吹き出される空気の温度を検出する吹出温度センサ41と、圧縮機2の吐出冷媒圧力(吐出圧力Pd)を検出する吐出圧力センサ42と、車室内への日射量を検出するための例えばフォトセンサ式の日射センサ51と、車両の移動速度(車速)を検出するための車速センサ52の各出力と、設定温度や運転モードの切り換えを設定するための空調(エアコン)操作部53が接続されている。
また、空調コントローラ20の出力には、室外送風機15と、室内送風機(ブロワファン)27と、吸込切換ダンパ26と、エアミックスダンパ28Dr、28Asと、各吹出口ダンパ31A〜31Cが接続され、それらは空調コントローラ20により制御される。
ヒートポンプコントローラ32は、主に冷媒回路Rの制御を司るコントローラであり、このヒートポンプコントローラ32の入力には、圧縮機2の吐出冷媒温度を検出する吐出温度センサ43と、圧縮機2の吸込冷媒圧力を検出する吸込圧力センサ44と、圧縮機2の吸込冷媒温度Tsを検出する吸込温度センサ55と、放熱器4の冷媒温度(放熱器温度TCI)を検出する放熱器温度センサ46と、放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI)を検出する放熱器圧力センサ47と、吸熱器9の冷媒温度(吸熱器温度Te)を検出する吸熱器温度センサ48と、吸熱器9の冷媒圧力を検出する吸熱器圧力センサ49と、室外熱交換器7の出口の冷媒温度(室外熱交換器温度TXO)を検出する室外熱交換器温度センサ54と、室外熱交換器7の出口の冷媒圧力(室外熱交換器圧力PXO)を検出する室外熱交換器圧力センサ56の各出力が接続されている。
更に、ヒートポンプコントローラ32の入力には、補助ヒータ23の温度(補助ヒータ温度Tptc)を検出する複数の温度センサとしての補助ヒータ温度センサ50Dr、50Asの各出力も接続されている。この場合、補助ヒータ温度センサ50Drは前記仕切板で仕切られた右側(運転席側)の部分の補助ヒータ23の温度を検出し、補助ヒータ温度センサ50Asは左側(助手席側)の部分の補助ヒータ23の温度を検出することができるように取り付けられている。
また、ヒートポンプコントローラ32の出力には、室外膨張弁6、室内膨張弁8と、電磁弁30(リヒート用)、電磁弁17(冷房用)、電磁弁21(暖房用)、電磁弁40(バイパス用)の各電磁弁が接続され、それらはヒートポンプコントローラ32により制御される。尚、圧縮機2と補助ヒータ23はそれぞれコントローラを内蔵しており、圧縮機2と補助ヒータ23のコントローラは車両通信バス65を介してヒートポンプコントローラ32とデータの送受信を行い、このヒートポンプコントローラ32によって制御される。
ヒートポンプコントローラ32と空調コントローラ20は車両通信バス65を介して相互にデータの送受信を行い、各センサの出力や空調操作部53にて入力された設定に基づき、各機器を制御するものであるが、この場合の実施例では外気温度センサ33、吐出圧力センサ42、車速センサ52、空気流通路3に流入した空気の実際の体積風量Ga(実システム風量。空調コントローラ20が算出)、エアミックスダンパ28Dr、28Asによる風量割合SWDr、SWAs(空調コントローラ20が算出)、前記内外気比率RECrate(空調コントローラ20が調整)、空調操作部53の出力は空調コントローラ20から車両通信バス65を介してヒートポンプコントローラ32に送信され、ヒートポンプコントローラ32による制御に供される構成とされている。
以上の構成で、次に実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。この実施例では制御装置11(空調コントローラ20、ヒートポンプコントローラ32)は、暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード(最大冷房モード)及び補助ヒータ単独モードの各運転モードを切り換えて実行する。先ず、各運転モードにおける冷媒の流れと制御の概略について説明する。
(1)暖房モード
ヒートポンプコントローラ32により(オートモード)或いは空調操作部53へのマニュアル操作により(マニュアルモード)暖房モードが選択されると、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁30(リヒート用)を開放し、電磁弁40(バイパス用)を閉じる。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28Dr、28Asは、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量を調整してもよい。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は当該放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A及び電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。放熱器4(補助ヒータ23が動作するときは当該補助ヒータ23及び放熱器4)にて加熱された空気は各吹出口29A〜29Cから吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は、空調コントローラ20が目標吹出温度TAOから算出する目標ヒータ温度TCO(放熱器温度TCIの目標値)から目標放熱器圧力PCO(放熱器圧力PCIの目標値)を算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数NCを制御し、放熱器4による加熱を制御する。また、ヒートポンプコントローラ32は、放熱器温度センサ46が検出する放熱器4の冷媒温度(放熱器温度TCI)及び放熱器圧力センサ47が検出する放熱器圧力PCIに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SCをその目標値である目標過冷却度TGSCに制御する。
また、ヒートポンプコントローラ32はこの暖房モードにおいては、車室内空調に要求される暖房能力(要求暖房能力TGQ)に対して放熱器4による暖房能力が不足する場合、その不足する分を補助ヒータ23の発熱で補完するように補助ヒータ23の通電を制御する。それにより、快適な車室内暖房を実現し、且つ、室外熱交換器7の着霜も抑制する。実施例では補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、空気流通路3を流通する空気は放熱器4の前に補助ヒータ23に通風されることになる。
この場合、実施例ではヒートポンプコントローラ32は、補助ヒータ温度センサ50Drの検出値TptcDrと補助ヒータ温度センサ50Asの検出値TptcAsの平均値を補助ヒータ温度Tptcとして補助ヒータ23の通電を制御する。
(2)除湿暖房モード
次に、除湿暖房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28Dr、28Asは、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却され、且つ、当該空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は冷却され、且つ、除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
このとき、室外膨張弁6の弁開度は全閉とされているので、圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。更に、この除湿暖房モードにおいてヒートポンプコントローラ32は、補助ヒータ23に通電して発熱させる。これにより、吸熱器9にて冷却され、且つ、除湿された空気は補助ヒータ23を通過する過程で更に加熱され、温度が上昇するので車室内の除湿暖房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)と、空調コントローラ20が算出する吸熱器温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御すると共に、補助ヒータ温度センサ50Drの検出値TptcDrと補助ヒータ温度センサ50Asの検出値TptcAsの平均値を補助ヒータ温度Tptcとし、この補助ヒータ温度Tptcと前記目標ヒータ温度TCO(この場合、補助ヒータ温度Tptcの目標値となる)に基づいて補助ヒータ23の通電(発熱による加熱)を制御することで、吸熱器9での空気の冷却と除湿を適切に行いながら、補助ヒータ23による加熱で各吹出口29A〜29Cから車室内に吹き出される空気温度の低下を的確に防止する。これにより、車室内に吹き出される空気を除湿しながら、その温度を適切な暖房温度に制御することが可能となり、車室内の快適且つ効率的な除湿暖房を実現することができるようになる。
尚、補助ヒータ23は放熱器4の空気上流側に配置されているので、補助ヒータ23で加熱された空気は放熱器4を通過することになるが、この除湿暖房モードでは放熱器4に冷媒は流されないので、補助ヒータ23にて加熱された空気から放熱器4が吸熱してしまう不都合も解消される。即ち、放熱器4によって車室内に吹き出される空気の温度が低下してしまうことが抑制され、COPも向上することになる。
(3)除湿冷房モード
次に、除湿冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を開放し、電磁弁40を閉じる。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28Dr、28Asは、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化していく。
放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至り、開き気味で制御される室外膨張弁6を経て室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。この除湿冷房モードではヒートポンプコントローラ32は補助ヒータ23に通電しないので、吸熱器9にて冷却され、除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱(暖房時よりも放熱能力は低い)される。これにより車室内の除湿冷房が行われることになる。
ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である目標吸熱器温度TEO(空調コントローラ20から送信される)に基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。また、ヒートポンプコントローラ32は前述した目標ヒータ温度TCOから目標放熱器圧力PCOを算出し、この目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力センサ47が検出する放熱器4の冷媒圧力(放熱器圧力PCI。冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御し、放熱器4による加熱を制御する。
(4)冷房モード
次に、冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は上記除湿冷房モードの状態において室外膨張弁6の弁開度を全開とする。そして、圧縮機2を運転し、補助ヒータ23には通電しない。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28Dr、28Asは、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の空気が、暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は電磁弁30を経て冷媒配管13Gから放熱器4に流入すると共に、放熱器4を出た冷媒は冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。このとき室外膨張弁6は全開とされているので冷媒はそれを通過し、そのまま室外熱交換器7に流入し、そこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮液化する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着する。
吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて冷却され、除湿された空気が各吹出口29A〜29Cから車室内に吹き出されるので(一部は放熱器4を通過して熱交換する)、これにより車室内の冷房が行われることになる。また、この冷房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である前述した目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(5)MAX冷房モード(最大冷房モード)
次に、最大冷房モードとしてのMAX冷房モードでは、ヒートポンプコントローラ32は電磁弁17を開放し、電磁弁21を閉じる。また、電磁弁30を閉じ、電磁弁40を開放すると共に、室外膨張弁6の弁開度は全閉とする。そして、圧縮機2を運転し、補助ヒータ23には通電しない。空調コントローラ20は、各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28Dr、28Asは、室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の空気が、暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風される割合を調整する状態とする。
これにより、圧縮機2から冷媒配管13Gに吐出された高温高圧のガス冷媒は、放熱器4に向かうこと無くバイパス配管35に流入し、電磁弁40を経て室外膨張弁6の下流側の冷媒配管13Eに至るようになる。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、冷媒は室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒はそこで走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気により空冷され、凝縮する。室外熱交換器7を出た冷媒は冷媒配管13Aから電磁弁17を経てレシーバドライヤ部14、過冷却部16と順次流入する。ここで冷媒は過冷却される。
室外熱交換器7の過冷却部16を出た冷媒は冷媒配管13Bに入り、内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気は冷却される。また、空気中の水分は吸熱器9に凝結して付着するので、空気流通路3内の空気は除湿される。吸熱器9で蒸発した冷媒は内部熱交換器19を経て冷媒配管13Cを介し、アキュムレータ12に至り、そこを経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。このとき、室外膨張弁6は全閉とされているので、同様に圧縮機2から吐出された冷媒が室外膨張弁6から放熱器4に逆流入する不都合を抑制若しくは防止することが可能となる。これにより、冷媒循環量の低下を抑制若しくは解消して空調能力を確保することができるようになる。
ここで、前述した冷房モードでは放熱器4に高温の冷媒が流れているため、放熱器4からHVACユニット10への直接の熱伝導が少なからず生じるが、このMAX冷房モードでは放熱器4に冷媒が流れないため、放熱器4からHVACユニット10に伝達される熱で吸熱器9からの空気流通路3内の空気が加熱されることも無くなる。そのため、車室内の強力な冷房が行われ、特に外気温度Tamが高いような環境下では、迅速に車室内を冷房して快適な車室内空調を実現することができるようになる。また、このMAX冷房モードにおいても、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度センサ48が検出する吸熱器9の温度(吸熱器温度Te)とその目標値である前述した目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(6)補助ヒータ単独モード
尚、実施例の制御装置11は室外熱交換器7に過着霜が生じた場合などに、冷媒回路Rの圧縮機2と室外送風機15を停止し、補助ヒータ23に通電してこの補助ヒータ23のみで車室内を暖房する補助ヒータ単独モードを有している。この場合にも、ヒートポンプコントローラ32は補助ヒータ温度センサ50Drの検出値TptcDrと補助ヒータ温度センサ50Asの検出値TptcAsの平均値を補助ヒータ温度Tptcとし、この補助ヒータ温度Tptcと前述した目標ヒータ温度TCOに基づいて補助ヒータ23の通電(発熱)を制御する。
また、空調コントローラ20は室内送風機27を運転し、エアミックスダンパ28Dr、28Asは、室内送風機27から吹き出された空気流通路3内の空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23に通風し、風量を調整する状態とする。補助ヒータ23にて加熱された空気が各吹出口29A〜29Cから車室内に吹き出されるので、これにより車室内の暖房が行われることになる。
(7)運転モードの切換
空調コントローラ20は、下記式(I)から前述した目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは、車室内に吹き出される空気の温度の目標値である。
TAO=(Tset−Tin)×K+Tbal(f(Tset、SUN、Tam))
・・(I)
ここで、Tsetは空調操作部53で設定された車室内の設定温度、Tinは内気温度センサ37が検出する内気温度、Kは係数、Tbalは設定温度Tsetや、日射センサ51が検出する日射量SUN、外気温度センサ33が検出する外気温度Tamから算出されるバランス値である。そして、一般的に、この目標吹出温度TAOは外気温度Tamが低い程高く、外気温度Tamが上昇するに伴って低下する。
ヒートポンプコントローラ32は、起動時には空調コントローラ20から車両通信バス65を介して送信される外気温度Tam(外気温度センサ33が検出する)と目標吹出温度TAOとに基づいて上記各運転モードのうちの何れかの運転モードを選択すると共に、各運転モードを車両通信バス65を介して空調コントローラ20に送信する。また、起動後は外気温度Tam、車室内の湿度、目標吹出温度TAO、後述する加熱温度TH(放熱器4の風下側の空気の温度。推定値)、目標ヒータ温度TCO、吸熱器温度Te、目標吸熱器温度TEO、車室内の除湿要求の有無、等のパラメータに基づいて各運転モードの切り換えを行うことで、環境条件や除湿の要否に応じて的確に暖房モード、除湿暖房モード、除湿冷房モード、冷房モード、MAX冷房モード及び補助ヒータ単独モードを切り換えて車室内に吹き出される空気の温度を目標吹出温度TAOに制御し、快適且つ効率的な車室内空調を実現するものである。
ここで、上記加熱温度THは、放熱器4の風下側の空気の温度であり、ヒートポンプコントローラ32が下記に示す一次遅れ演算の式(II)から推定する。
TH=(INTL1×TH0+Tau1×THz)/(Tau1+INTL1)
・・(II)
ここで、INTL1は演算周期(定数)、Tau1は一次遅れの時定数、TH0は一次遅れ演算前の定常状態における加熱温度THの定常値、THzは加熱温度THの前回値である。このように加熱温度THを推定することで、格別な温度センサを設ける必要がなくなる。また、ヒートポンプコントローラ32は前述した運転モードによって上記時定数Tau1及び定常値TH0を変更することにより、上述した推定式(II)を運転モードによって異なるものとし、加熱温度THを推定する。そして、この加熱温度THは車両通信バス65を介して空調コントローラ20に送信される。
(8)内外気比率RECrateを用いた冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード及びMAX冷房モードにおける圧縮機2の制御
次に、図3〜図5を参照して前述した内外気比率RECrateを用いた冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード及びMAX冷房モードの各運転モード(第1の運転モード)における圧縮機2の制御について詳述する。図3はHVACユニット10の縦断側面図、図4はヒートポンプコントローラ32による冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード及びMAX冷房モードにおける圧縮機制御に関する制御ブロック図、図5は内外気比率RECrateと冷房モードの冷房負荷との関係を説明する図である。
空気流通路3に流通される空気の外気と内気の比率(内外気比率RECrate)が変化すると、吸熱器9に流入する空気の温度(吸熱器吸込空気温度Tevain)が変化するため、車両用空気調和装置1の冷房負荷は大きく変化し、能力の過不足が発生する。そこで、ヒートポンプコントローラ32は、後述する如く内外気比率RECrateに基づき、下記式(III)、(IV)を用いて、この吸熱器吸込空気温度Tevainを算出し、推定する。
Tevain=(INTL2×Tevain0+Tau2×Tevainz)/(Tau2+INTL2)
・・(III)
Tevain0=Tam×(1−RECrate)+Tin×RECrate
・・(IV)
ここで、INTL2は演算周期(定数)、Tau2は一次遅れの時定数、Tevain0は一次遅れ演算前の定常状態における吸熱器吸込空気温度Tevainの定常値、Tevainzは吸熱器吸込空気温度Tevainの前回値である。また、Tamは外気温度、Tinは内気温度である。例えば、外気温度Tamが+40℃、内気温度Tinが+25℃の条件において、図5の最上段の如く内外気比率RECrateが0(外気導入モード)の場合、吸熱器吸込空気温度Tevainは最終的に+40℃となり、冷房負荷は大きくなる。また、同じ条件において、図5の最下段の如く内外気比率RECrateが1(内気循環モード)の場合、吸熱器吸込空気温度Tevainは最終的に+25℃となり、冷房負荷は小さくなる。更に、同じ条件において、図5の中段の如く内外気比率RECrateが0.5(内外気中間位置)の場合、吸熱器吸込空気温度Tevainは最終的に+32.5℃となり、冷房負荷は中程度となる(これは冷房モード以外の第1の運転モードにおいても同様)。従って、特に内気温度Tin(車室内の空気の温度)が安定した後に、内外気比率RECrateが変化した場合には、圧縮機2の回転数NCが大きく変化するため、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて圧縮機2の回転数NCを補正する制御を実行する。
図4のブロック図を参照しながら具体的な制御を説明する。ヒートポンプコントローラ32のF/F(フィードフォワード)操作量演算部63は外気温度Tamと、空気流通路3に流入した空気の体積風量Gaと、放熱器4の圧力(放熱器圧力PCI。高圧圧力)の目標値である目標放熱器圧力PCOと、吸熱器温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEO(空調コントローラ20から送信される)に基づいて圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNCcff0を算出する。
ここで、F/F操作量演算部63で行われるフィードフォワード演算の式の一例を下記(V)に示す。即ち、
・冷房モードの場合
TGNCcff0=K1×Tam+K2×Ga+K3×TEO+K4
・除湿冷房モードの場合
TGNCcff0=K5×Tam+K6×Ga+K7×TEO+K8×PCO+K9
・除湿暖房モード/MAX冷房モードの場合
TGNCcff0=K10×Tam+K11×Ga+K12×TEO+K13
・・(V)
尚、K1〜K3、K5〜K8、K10〜K12は係数であり、K4、K9、K13は定数である。
また、ヒートポンプコントローラ32の補正値演算部71は外気温度Tamと内気温度Tinと内外気比率RECrateから前記式(III)、(IV)を用いて吸熱器吸込空気温度Tevainを算出し、この吸熱器吸込空気温度Tevainに基づき、下記式(VI)を用いて補正値TGNCcffHosを算出する。
TGNCcffHos=K14×Tevain ・・(VI)
ここで、K14は温度を回転数に変換するための係数である。
そして、F/F操作量演算部63が算出したF/F操作量TGNCcff0と補正値演算部71が算出した補正値TGNCcffHosは加算器72で加算され、最終的にF/F操作量TGNCcff(TGNCcff=TGNCcff0+TGNCcffHos)とされる。即ち、F/F操作量演算部63が算出したF/F操作量TGNCcff0が補正値TGNCcffHosにより補正され、F/F操作量TGNCcffとして決定される。
ここで、吸熱器吸込空気温度Tevainが高い程、即ち、内外気比率RECrateが0に近づいて図5で説明した如く冷房負荷が大きくなる程、補正値TGNCcffHosが大きくなり、F/F操作量TGNCcffも大きくなる方向に補正されることになる。
また、F/B(フィードバック)操作量演算部64は目標吸熱器温度TEOと吸熱器温度Teに基づいて圧縮機目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出する。そして、加算器72で決定されたF/F操作量TGNCcffとF/B操作量演算部64で算出されたF/B操作量TGNCcfbは加算器66で加算され、リミット設定部67で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、圧縮機目標回転数TGNCcとして決定される。
冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード及びMAX冷房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32はこの圧縮機目標回転数TGNCcに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御するので、吸熱器吸込空気温度Tevainが高い程、圧縮機2の回転数NCは高くなる方向に補正され、吸熱器9による冷房/除湿能力も増大することになる。特に、F/F操作量TGNCcffを補正するので、吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に対して迅速に追従することができる。
このように、吸熱器9に冷媒を流す冷房モード、除湿冷房モード、除湿暖房モード及びMAX冷房モード(何れも第1の運転モード)においては、ヒートポンプコントローラ32は、吸込切換ダンパ26により調整される内外気比率RECrateに基づき、吸熱器9に流入する吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて圧縮機2の回転数を制御するので、吸込切換ダンパ26により空気流通路3に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、内外気比率RECrateに基づいて吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、圧縮機2の回転数NCを制御することができるようになる。
これにより、外気と内気の比率が変化したことに伴う冷房負荷の変動に迅速に対応し、過不足の無い空調能力を実現して、車室内の温度を目標とする値に良好に収束させ、快適性と省エネ性の双方を向上させることができるようになる。
この場合、実施例ではヒートポンプコントローラ32は、少なくとも吸熱器温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により圧縮機2の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、吸熱器温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により圧縮機2の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、圧縮機2の目標回転数TGNCcを算出しており、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGNCcffを補正するので、内外気比率RECrateが変化したことに伴う冷房負荷の変動に迅速に対応して、吸熱器9による冷房/除湿能力を的確に制御することができるようになる。
ここで、外気と内気の比率が変化した場合、吸熱器吸込空気温度Tevainに反映されるまでは或る程度時間がかかる。即ち、外気と内気の比率が変化しても吸熱器吸込空気温度Tevainは直ぐに変化するものでは無いが実施例ではヒートポンプコントローラ32が、内外気比率RECrate(外気と内気の比率)に基づく一次遅れ演算により吸熱器吸込空気温度Tevainを算出するので、実際の吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に合わせて圧縮機2の回転数NCを制御することができるようになる。
(9)内外気比率RECrateを用いた暖房モードにおける圧縮機2の制御
次に、図6〜図8を参照して前述した内外気比率RECrateを用いた暖房モードにおける圧縮機2の制御について詳述する。図6は吸熱器温度センサ48が設けられない場合のHVACユニット10の縦断側面図、図7はヒートポンプコントローラ32による暖房モードにおける圧縮機制御に関する制御ブロック図、図8は内外気比率RECrateと暖房モードの暖房負荷との関係を説明する図である。
(9−1)吸熱器温度センサ48が設けられている場合の暖房モードにおける圧縮機2の制御
先ず、比較のために図2や図3の例の如く吸熱器温度センサ48が設けられている場合の圧縮機2の制御について図7を参照しながら説明する。ヒートポンプコントローラ32のF/F(フィードフォワード)操作量演算部58は、要求される放熱器4の暖房能力である後述する要求暖房能力TGQと、空気流通路3に流入した空気の体積風量Gaと、外気温度センサ33から得られる外気温度Tamと、放熱器4の温度の目標値である前述した目標ヒータ温度TCOと、放熱器4の圧力の目標値である目標放熱器圧力PCOに基づくフィードフォワード演算により、圧縮機目標回転数のF/F操作量TGNChffを算出する。
ここで、F/F操作量演算部58で行われるフィードフォワード演算の式の一例を下記(VII)に示す。
TGNChff=K15×TGQ+K16×Ga+K17×Tam+K18
・・(VII)
尚、K15〜K17は係数であり、K18は定数である。
また、上記要求暖房能力TGQは要求暖房能力演算部74により下記式(VIII)を用いて算出され、F/F操作量演算部58に入力される。
TGQ=(TCO−Te)×Cpa×Ga×γaTe×1.16 ・・(VIII)
尚、Teは吸熱器温度、Cpaは空気の定圧比熱[kJ/m3・K]、Gaは空気流通路3を流入した空気の体積風量、γaTeは空気比重、1.16は単位を合わせるための係数である。吸熱器温度センサ48が設けられている場合には吸熱器温度Teが取得できる。この場合、吸熱器9は放熱器4の風上側に設けられているので、吸熱器温度Teは補助ヒータ23や放熱器4に流入する空気の温度となる。そこで、要求暖房能力演算部74は目標ヒータ温度TCOとこの吸熱器温度Teとの差から、要求暖房能力TGQを算出する。
また、前記目標放熱器圧力PCOは、放熱器4の出口における冷媒の過冷却度SCの目標値である目標過冷却度TGSCと目標放熱器温度TCOに基づいて目標値演算部59が演算する。更に、F/B(フィードバック)操作量演算部60はこの目標放熱器圧力PCOと放熱器4の冷媒圧力である放熱器圧力PCI(冷媒回路Rの高圧圧力)に基づくフィードバック演算により圧縮機目標回転数のF/B操作量TGNChfbを演算する。そして、F/F操作量演算部58が演算したF/F操作量TGNChffとF/B操作量演算部60が演算したTGNChfbは加算器61で加算され、リミット設定部62で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、圧縮機目標回転数TGNChとして決定される。暖房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32はこの圧縮機目標回転数TGNChに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。
(9−2)吸熱器温度センサ48が設けられていない場合の暖房モードにおける圧縮機2の制御
一方、図6の如く吸熱器温度センサ48が設けられていない場合は、吸熱器温度Te、即ち、放熱器4に流入する空気の温度が分からない。また、暖房モードでは吸熱器9に冷媒は流れないので、前述した吸熱器吸込空気温度Tevainが補助ヒータ23や放熱器4に流入する空気の温度となるが、前述同様に空気流通路3に流通される空気の外気と内気の比率(内外気比率RECrate)が変化すると、吸熱器吸込空気温度Tevainが変化するため、車両用空気調和装置1の暖房負荷は大きく変化し、能力の過不足が発生する。
例えば、外気温度Tamが−10℃、内気温度Tinが+25℃の条件において、図8の最上段の如く内外気比率RECrateが0(外気導入モード)の場合、吸熱器吸込空気温度Tevainは最終的に−10℃となり、暖房負荷は大きくなる。また、同じ条件において、図8の最下段の如く内外気比率RECrateが1(内気循環モード)の場合、吸熱器吸込空気温度Tevainは最終的に+25℃となり、暖房負荷は小さくなる。更に、同じ条件において、図8の中段の如く内外気比率RECrateが0.5(内外気中間位置)の場合、吸熱器吸込空気温度Tevainは最終的に+7.5℃となり、暖房負荷は中程度となる。従って、特に内気温度Tin(車室内の空気の温度)が安定した後に、内外気比率RECrateが変化した場合には、圧縮機2の回転数NCが大きく変化することになる。
そこで、吸熱器温度センサ48が設けられていない場合には、図7の要求暖房能力演算部74は、内外気比率RECrateに基づいて前記式(III)、(IV)で算出された吸熱器吸込空気温度Tevainを用いて、下記式(IX)により要求暖房能力TGQを算出し、F/F操作量演算部58に出力する。
TGQ=(TCO−Tevain)×Cpa×Ga×γaTe×1.16
・・(IX)
尚、各式中のTevain以外の各数値は前記式(VIII)と同様である。
ここで、吸熱器吸込空気温度Tevainが低い程、即ち、内外気比率RECrateが0に近づいて図8で説明した如く暖房負荷が大きくなる程、要求暖房能力TGQは大きくなるので、F/F操作量TGNChffも大きくなり、圧縮機目標回転数TGNChも高くなる。暖房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32はこの圧縮機目標回転数TGNChに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御するので、吸熱器吸込空気温度Tevainが低い程、圧縮機2の回転数NCは高くなり、放熱器4による暖房能力も増大することになる。特に、この要求暖房能力TGQによりF/F操作量TGNChffが算出されるので、吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に対して迅速に追従することができる。
このように、吸熱器温度センサ48が設けられていない場合には、暖房モードではヒートポンプコントローラ32は、吸込切換ダンパ26により調整される外気と内気の比率(内外気比率RECrate)に基づき、吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて要求暖房能力TGQを算出し、この要求暖房能力TGQに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御するので、吸込切換ダンパ26により空気流通路3に流入する内外気比率RECrateが変化した場合にも、当該比率に基づいて吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、それに基づいて要求暖房能力TGQを算出して、圧縮機2の回転数NCを制御することができるようになる。
これにより、暖房モードにおいて、外気と内気の比率が変化したことに伴う暖房負荷の変動に迅速に対応し、過不足の無い暖房能力を実現して、車室内の温度を目標とする値に良好に収束させ、快適性と省エネ性の双方を向上させることができるようになる。特に、実施例ではヒートポンプコントローラ32は、少なくとも要求暖房能力TGQに基づくフィードフォワード演算により圧縮機2の目標回転数のF/F操作量TGNChffを算出し、高圧圧力とその目標値(PCO)に基づくフィードバック演算により圧縮機2の目標回転数のF/B操作量TGNChfbを算出し、これらF/F操作量TGNChffとF/B操作量TGNChfbを加算することで、圧縮機2の目標回転数TGNChを算出しているので、外気と内気の比率が変化したことに伴う暖房負荷の変動に迅速に対応して、放熱器4による暖房能力を的確に制御することができるようになる。
この場合も、実施例ではヒートポンプコントローラ32が、内外気比率RECrate(外気と内気の比率)に基づく一次遅れ演算により吸熱器吸込空気温度Tevainを算出しているので、実際の吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に合わせて圧縮機2の回転数NCを制御することができるようになる。
次に、図9は本発明を適用した他の実施例の車両用空気調和装置1の構成図を示している。尚、この図において図1と同一符号で示すものは同一若しくは同様の機能を奏するものである。この実施例の場合、過冷却部16の出口は逆止弁18に接続され、この逆止弁18の出口が冷媒配管13Bに接続されている。尚、逆止弁18は冷媒配管13B(室内膨張弁8)側が順方向とされている。
また、放熱器4の出口側の冷媒配管13Eは室外膨張弁6の手前で分岐しており、この分岐した冷媒配管(以下、バイパス回路と称する)13Fは電磁弁22(除湿用)を介して逆止弁18の下流側の冷媒配管13Bに連通接続されている。更に、吸熱器9の出口側の冷媒配管13Cには、内部熱交換器19の冷媒下流側であって、冷媒配管13Dとの合流点より冷媒上流側に蒸発圧力調整弁70が接続されている。そして、これら電磁弁22や蒸発圧力調整弁70もヒートポンプコントローラ32の出力に接続されて制御される。尚、前述の実施例の図1中のバイパス配管35、電磁弁30及び電磁弁40から成るバイパス装置45は設けられていない。その他は図1と同様であるので説明を省略する。
以上の構成で、この実施例の車両用空気調和装置1の動作を説明する。ヒートポンプコントローラ32はこの実施例では、暖房モード、除湿暖房モード、内部サイクルモード、除湿冷房モード、冷房モード及び補助ヒータ単独モードの各運転モードを切り換えて実行する(MAX冷房モードはこの実施例では存在しない)。そして、この実施例では除湿暖房モード、内部サイクルモード、除湿冷房モード、冷房モードが本出願における第1の運転モードとなる。
尚、暖房モード、除湿冷房モード及び冷房モードが選択されたときの動作及び冷媒の流れと、補助ヒータ単独モードは前述の実施例(実施例1)の場合と同様であるので説明を省略する。但し、この実施例(実施例2)ではこれら暖房モード、除湿冷房モード及び冷房モードにおいては電磁弁22を閉じるものとする。
(10)図9の車両用空気調和装置1の除湿暖房モード
他方、除湿暖房モードが選択された場合、この実施例(実施例2)ではヒートポンプコントローラ32は電磁弁21(暖房用)を開放し、電磁弁17(冷房用)を閉じる。また、電磁弁22(除湿用)を開放する。そして、圧縮機2を運転する。空調コントローラ20は各送風機15、27を運転し、エアミックスダンパ28は、基本的には室内送風機27から吹き出されて吸熱器9を経た空気流通路3内の全て空気を暖房用熱交換通路3Aの補助ヒータ23及び放熱器4に通風する状態とするが、風量の調整も行う。
これにより、圧縮機2から吐出された高温高圧のガス冷媒は冷媒配管13Gから放熱器4に流入する。放熱器4には暖房用熱交換通路3Aに流入した空気流通路3内の空気が通風されるので、空気流通路3内の空気は放熱器4内の高温冷媒により加熱され、一方、放熱器4内の冷媒は空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化する。
放熱器4内で液化した冷媒は当該放熱器4を出た後、冷媒配管13Eを経て室外膨張弁6に至る。室外膨張弁6に流入した冷媒はそこで減圧された後、室外熱交換器7に流入する。室外熱交換器7に流入した冷媒は蒸発し、走行により、或いは、室外送風機15にて通風される外気中から熱を汲み上げる。即ち、冷媒回路Rがヒートポンプとなる。そして、室外熱交換器7を出た低温の冷媒は冷媒配管13A、電磁弁21及び冷媒配管13Dを経て冷媒配管13Cからアキュムレータ12に入り、そこで気液分離された後、ガス冷媒が圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。
また、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒の一部は分流され、電磁弁22を経てバイパス回路13F及び冷媒配管13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至るようになる。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は、内部熱交換器19、蒸発圧力調整弁70を順次経て冷媒配管13Cにて冷媒配管13Dからの冷媒と合流した後、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱されるので、これにより車室内の除湿暖房が行われることになる。
空調コントローラ20は、目標吹出温度TAOから算出される目標ヒータ温度TCO(放熱器出口温度TCIの目標値)をヒートポンプコントローラ32に送信する。ヒートポンプコントローラ32は、図7で説明した暖房モードの場合と同様に目標放熱器圧力PCOと、放熱器圧力PCI(冷媒回路Rの高圧圧力)に基づいて圧縮機2の回転数NCを制御するか、又は、図4で説明した冷房モードの場合と同様に吸熱器温度Teと、目標吸熱器温度TEOに基づいて圧縮機2の回転数NCを制御する。その場合は、圧縮機目標回転数TGNChと圧縮機目標回転数TGNCcのうちの小さい方(MIN)を選択して圧縮機2の回転数NCを制御することになる。
即ち、圧縮機目標回転数TGNChが選択されるとき、吸熱器温度センサ48が設けられない場合には、前述同様に吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、それに基づいて要求暖房能力TGQを算出する(図7)。また、圧縮機目標回転数TGNCcが選択されるときには、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGNCcffを補正するものである(図4)。
また、ヒートポンプコントローラ32は、吸熱器温度Teと、目標吸熱器温度TEOに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御するがこれについては後に詳述する。更に、ヒートポンプコントローラ32は吸熱器温度Teに基づき、蒸発圧力調整弁70を開(流路を拡大する)/閉(少許冷媒が流れる)して吸熱器9の温度が下がり過ぎて凍結する不都合を防止する。
(11)図9の車両用空気調和装置1の内部サイクルモード
また、内部サイクルモードでは、ヒートポンプコントローラ32は上記除湿暖房モードの状態において室外膨張弁6を全閉とする(全閉位置)と共に、電磁弁21を閉じる。この室外膨張弁6と電磁弁21が閉じられることにより、室外熱交換器7への冷媒の流入、及び、室外熱交換器7からの冷媒の流出は阻止されることになるので、放熱器4を経て冷媒配管13Eを流れる凝縮冷媒は電磁弁22を経てバイパス回路13Fに全て流れるようになる。そして、バイパス回路13Fを流れる冷媒は冷媒配管13Bより内部熱交換器19を経て室内膨張弁8に至る。室内膨張弁8にて冷媒は減圧された後、吸熱器9に流入して蒸発する。このときの吸熱作用で室内送風機27から吹き出された空気中の水分が吸熱器9に凝結して付着するので、空気は冷却され、且つ、除湿される。
吸熱器9で蒸発した冷媒は、内部熱交換器19、蒸発圧力調整弁70を順次経て冷媒配管13Cを流れ、アキュムレータ12を経て圧縮機2に吸い込まれる循環を繰り返す。吸熱器9にて除湿された空気は放熱器4を通過する過程で再加熱されるので、これにより、車室内の除湿暖房が行われることになるが、この内部サイクルモードでは室内側の空気流通路3内にある放熱器4(放熱)と吸熱器9(吸熱)の間で冷媒が循環されることになるので、外気からの熱の汲み上げは行われず、圧縮機2の消費動力分の暖房能力が発揮される。除湿作用を発揮する吸熱器9には冷媒の全量が流れるので、上記除湿暖房モードに比較すると除湿能力は高いが、暖房能力は低くなる。このヒートポンプコントローラ32による圧縮機2の制御は除湿暖房モードと同様である。
(12)図9の車両用空気調和装置1の除湿暖房モードでの室外膨張弁6の制御
次に、図10のブロック図を参照しながら前述したこの実施例(実施例2)の除湿暖房モードにおける室外膨張弁6の具体的な制御について説明する。ヒートポンプコントローラ32のF/F(フィードフォワード)操作量演算部76は前述した目標ヒータ温度TCOと、空気流通路3に流入した空気の体積風量Gaと、外気温度Tamと、目標吸熱器温度TEOに基づいて室外膨張弁目標弁開度のF/F操作量TGECCVteff0を算出する。
また、ヒートポンプコントローラ32の補正値演算部81は外気温度Tamと内気温度Tinと内外気比率RECrateから前記式(III)、(IV)を用いて吸熱器吸込空気温度Tevainを算出し、この吸熱器吸込空気温度Tevainに基づき、下記式(X)を用いて補正値TGECCVteffHosを算出する。
TGECCVteffHos=K19×Tevain ・・(X)
ここで、K19は温度を弁開度に変換するための係数である。
そして、補正値演算部81が算出した補正値TGECCVteffHosは、F/F操作量演算部76が算出したF/F操作量TGECCVteff0から減算器82で減算され、最終的にF/F操作量TGECCVteff(TGECCVteff=TGECCVteff0−TGECCVteffHos)とされる。即ち、F/F操作量演算部76が算出したF/F操作量TGECCVteff0が補正値TGECCVteffHosにより補正され、F/F操作量TGECCVteffとして決定される。
ここで、吸熱器吸込空気温度Tevainが高い程、即ち、内外気比率RECrateが0に近づいて図5で説明した如く冷房負荷が大きくなる程、補正値TGECCVteffHosが大きくなり、F/F操作量TGECCVteffは小さくなる方向(室外膨張弁6を閉じる方向)に補正されることになる。
また、F/B(フィードバック)操作量演算部77は目標吸熱器温度TEOと吸熱器温度Teに基づいて室外膨張弁目標弁開度のF/B操作量TGECCVtefbを算出する。そして、減算器82で決定されたF/F操作量TGECCVteffとF/B操作量演算部77で算出されたF/B操作量TGECCVtefbは加算器78で加算され、リミット設定部79で制御上限値と制御下限値のリミットが付けられた後、室外膨張弁目標弁開度TGECCVteとして決定される。
この実施例における除湿暖房モードにおいては、ヒートポンプコントローラ32はこの室外膨張弁目標弁開度TGECCVteに基づいて室外膨張弁6の弁開度を制御するので、吸熱器吸込空気温度Tevainが高い程、室外膨張弁6は閉じられる方向に補正される。室外膨張弁6が閉じられる方向に補正されると、バイパス回路13F及び冷媒配管13Bを経て吸熱器9に流入する冷媒量が増加するので、吸熱器9による冷房/除湿能力が増大することになる。特に、F/F操作量TGECCVteffを補正するので、吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に対して迅速に追従することができる。
尚、上記実施例(実施例2)では吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて室外膨張弁6の弁開度及び圧縮機2の回転数を制御するようにしたが、それに限らず、それらのうちの何れか一方のみを吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて制御するようにしてもよい。
このように、この実施例の場合もヒートポンプコントローラ32は、吸込切換ダンパ26により調整される内外気比率RECrateに基づき、吸熱器9に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて室外膨張弁6の弁開度、及び/又は、圧縮機2の回転数を制御するようにしたので、吸込切換ダンパ26により空気流通路3に流入する外気と内気の比率が変化した場合にも、当該比率に基づいて吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、室外膨張弁6の弁開度、及び/又は、圧縮機2の回転数を制御することができるようになる。
これにより、この実施例の除湿暖房モードにおいても、外気と内気の比率が変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応し、吸熱器9による過不足の無い除湿能力を実現することができるようになる。
この場合もヒートポンプコントローラ32は、少なくとも吸熱器温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により室外膨張弁6の目標弁開度のF/F操作量TGECCVteffを算出し、吸熱器温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により室外膨張弁6の目標弁開度のF/B操作量TGECCVtefbを算出し、これらF/F操作量TGECCVteffとF/B操作量TGECCVtefbを加算することで、室外膨張弁6の目標弁開度TGECCVteを算出し、少なくとも目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により圧縮機2の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、吸熱器温度Teと目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により圧縮機2の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、圧縮機2の目標回転数TGNCcを算出し、圧縮機目標回転数TGNChとTGNCcのうち、TGNCcの方が小さい場合には当該目標回転数TGNCcを選択しており、吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいてF/F操作量TGECCVteff、及び/又は、F/F操作量TGNCcffを補正するので、内外気比率RECrateが変化したことに伴う負荷変動に迅速に対応して、吸熱器8による除湿能力を的確に制御し、快適な除湿暖房を実現することができるようになる。
この場合も、実施例ではヒートポンプコントローラ32が、内外気比率RECrate(外気と内気の比率)に基づく一次遅れ演算により吸熱器吸込空気温度Tevainを算出しているので、実際の吸熱器吸込空気温度Tevainの変化に合わせて室外膨張弁6の弁開度を制御することができるようになる。
尚、各実施例で示した制御に用いるパラメータや数値等はそれに限られるものでは無く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適用する装置に応じて適宜選択/設定すべきものである。
1 車両用空気調和装置
2 圧縮機
3 空気流通路
4 放熱器
6 室外膨張弁
7 室外熱交換器
8 室内膨張弁
9 吸熱器
10 HVACユニット
11 制御装置
13F バイパス回路
20 空調コントローラ
23 補助ヒータ(補助加熱装置)
25A 外気吸込口
25B 内気吸込口
26 吸込切換ダンパ
27 室内送風機(ブロワファン)
32 ヒートポンプコントローラ
45 バイパス装置
48 吸熱器温度センサ
58、63、76 F/F操作量演算部
60、64、77 F/B操作量演算部
71、81 補正値演算部
R 冷媒回路

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記空気流通路に流入する外気と前記車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記室外熱交換器に流して当該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる第1の運転モードを実行する車両用空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記吸込切換ダンパにより調整される前記外気と内気の比率に基づき、前記吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて前記圧縮機の回転数を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 前記制御装置は、少なくとも前記吸熱器の温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により前記圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、前記吸熱器の温度Teと前記目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により前記圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、前記圧縮機の目標回転数TGNCcを算出すると共に、
    前記吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて前記F/F操作量TGNCcffを補正することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
  3. 前記空気流通路の空気の流れに対して前記吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器を備え、
    前記第1の運転モードは、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器から前記室外熱交換器に流して当該室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる冷房モード、及び/又は、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器から前記室外熱交換器に流して当該放熱器及び室外熱交換器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる除湿冷房モード、
    であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用空気調和装置。
  4. 前記空気流通路の空気の流れに対して前記吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を、前記放熱器に流すこと無く前記室外熱交換器に直接流入させるためのバイパス装置と、
    前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための補助加熱装置を備え、
    前記第1の運転モードは、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス装置により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させる最大冷房モード、及び/又は、
    前記圧縮機から吐出された冷媒を前記バイパス装置により前記室外熱交換器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記吸熱器にて吸熱させると共に、前記補助加熱装置を発熱させる除湿暖房モード、
    であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
  5. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    前記空気流通路の空気の流れに対して前記吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    車室外に設けられた室外熱交換器と、
    前記空気流通路に流入する外気と前記車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器に流して放熱させ、放熱した当該冷媒を減圧した後、前記室外熱交換器にて吸熱させる暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記吸込切換ダンパにより調整される前記外気と内気の比率に基づき、前記吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて、要求される前記放熱器の暖房能力である要求暖房能力TGQを算出し、該要求暖房能力TGQに基づいて前記圧縮機の回転数を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. 前記制御装置は、少なくとも前記要求暖房能力TGQに基づくフィードフォワード演算により前記圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNChffを算出し、高圧圧力とその目標値に基づくフィードバック演算により前記圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNChfbを算出し、これらF/F操作量TGNChffとF/B操作量TGNChfbを加算することで、前記圧縮機の目標回転数TGNChを算出することを特徴とする請求項5に記載の車両用空気調和装置。
  7. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    車室内に供給する空気が流通する空気流通路と、
    冷媒を吸熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を冷却するための吸熱器と、
    前記空気流通路の空気の流れに対して前記吸熱器の風下側に設けられ、冷媒を放熱させて前記空気流通路から前記車室内に供給する空気を加熱するための放熱器と、
    車室外に設けられた室外熱交換器と、
    該室外熱交換器に流入する冷媒を減圧する室外膨張弁と、
    前記室外熱交換器及び室外膨張弁の直列回路に対して並列に接続されたバイパス回路と、
    前記吸熱器に流入する冷媒を減圧する室内膨張弁と、
    前記空気流通路に流入する外気と前記車室内の空気である内気の比率を調整可能な吸込切換ダンパと、
    制御装置を備え、
    該制御装置により、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記放熱器にて放熱させ、放熱した当該冷媒を分流し、一部を前記バイパス回路から前記室内膨張弁に流し、当該室内膨張弁で減圧した後、前記吸熱器に流入させ、当該吸熱器にて吸熱させると共に、残りを前記室外膨張弁で減圧した後、前記室外熱交換器に流入させ、当該室外熱交換器にて吸熱させる除湿暖房モードを実行する車両用空気調和装置において、
    前記制御装置は、前記吸込切換ダンパにより調整される前記外気と内気の比率に基づき、前記吸熱器に流入する空気の温度である吸熱器吸込空気温度Tevainを推定し、推定した当該吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて前記室外膨張弁の弁開度、及び/又は、前記圧縮機の回転数を制御することを特徴とする車両用空気調和装置。
  8. 前記制御装置は、少なくとも前記吸熱器の温度Teの目標値である目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により前記室外膨張弁の目標弁開度のF/F操作量TGECCVteffを算出し、前記吸熱器の温度Teと前記目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により前記室外膨張弁の目標弁開度のF/B操作量TGECCVtefbを算出し、これらF/F操作量TGECCVteffとF/B操作量TGECCVtefbを加算することで、前記室外膨張弁の目標弁開度TGECCVteを算出すると共に、
    少なくとも前記目標吸熱器温度TEOに基づくフィードフォワード演算により前記圧縮機の目標回転数のF/F操作量TGNCcffを算出し、前記吸熱器の温度Teと前記目標吸熱器温度TEOに基づくフィードバック演算により前記圧縮機の目標回転数のF/B操作量TGNCcfbを算出し、これらF/F操作量TGNCcffとF/B操作量TGNCcfbを加算することで、前記圧縮機の目標回転数TGNCcを算出し、
    前記吸熱器吸込空気温度Tevainに基づいて前記F/F操作量TGECCVteff、及び/又は、前記F/F操作量TGNCcffを補正することを特徴とする請求項7に記載の車両用空気調和装置。
  9. 前記制御装置は、前記外気と内気の比率に基づく一次遅れ演算により前記吸熱器吸込空気温度Tevainを算出することを特徴とする請求項1乃至請求項8のうちの何れかに記載の車両用空気調和装置。
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