JP2003211961A - 車両用ドア及び車両用ドアビーム - Google Patents

車両用ドア及び車両用ドアビーム

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JP2003211961A
JP2003211961A JP2002009790A JP2002009790A JP2003211961A JP 2003211961 A JP2003211961 A JP 2003211961A JP 2002009790 A JP2002009790 A JP 2002009790A JP 2002009790 A JP2002009790 A JP 2002009790A JP 2003211961 A JP2003211961 A JP 2003211961A
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lateral
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Shunji Masuo
俊二 増尾
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Aisin Takaoka Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車高が異なる車両の側面衝突に対応することが
でき、しかも取り付け作業性を改善できる車両用ドア及
び車両用ドアビームを提供する。 【解決手段】車両用ドアは、車両に装備されるドア本体
1と、ドア本体1に固定されドア本体1を補強するドア
ビーム2とを備えている。ドアビーム2は、ドア本体1
に固定された固定部33をもつと共に横方向に沿って延
設された横ビーム3と、横ビーム3のうち固定部33以
外の部位に分岐している分岐ビーム4とをもつ。横ビー
ム3及び分岐ビーム4は、異なる高さ位置とされてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に取り付けら
れる車両用ドアと、車両用ドアにこれを補強するように
取り付けられる車両用ドアビームとに関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ドアとして、車両に装備されるド
ア本体とドア本体に固定されたドアビームとを備えてい
るものが開発されている。このものによれば、ドアビー
ムでドア本体を補強することができ、車両の側面衝突が
生じたときにおける乗員保護性を高めることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年において
は、セダン車に比べて車高の高い車両が増加しており、
これらの車両の側面衝突に対しての対策が要望されつつ
ある。そこで車両に装備されるドア本体の内部に2本の
ドアビームを、ほぼ水平に沿って上下2段に配置するこ
とも考えられている。これによれば、2本のドアビーム
が上下2段に配置されているため、車高が異なる車両の
側面衝突に対応することができる。
【0004】しかしながらこの場合には、互いに独立し
ている2本のドアビームの両端部をドア本体に溶接など
でそれぞれ個別に固定する必要があり、取り付け作業の
工数が増加する不具合があり、取り付け作業性は必ずし
も充分ではなかった。
【0005】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、車高が異なる車両の側面衝突に対応すること
ができ、しかも取り付け作業性を改善できる車両用ドア
及び車両用ドアビームを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係る車両
用ドアは、車両に装備されるドア本体と、前記ドア本体
に固定され前記ドア本体を補強するドアビームとを備え
ており、前記ドアビームは、前記ドア本体に固定された
固定部をもつと共に横方向に沿って延設された横ビーム
と、前記横ビームのうち前記固定部以外の部位に分岐し
ていると共に前記横ビームと異なる高さ位置に延設され
た分岐ビームとをもつことを特徴とするものである。
【0007】本発明に係る車両用ドアによれば、分岐ビ
ームは、横ビームのうち固定部以外の部位に分岐してい
ると共に横ビームと異なる高さ位置に延設されている。
このため、横ビーム及び分岐ビームで構成されたドアビ
ームは、車高が異なる車両の側面衝突に対応することが
できる。ドアビームを構成する横ビーム及び分岐ビーム
は互いに連結されており、ドアビームは物理的に一体品
である。
【0008】(2)本発明に係る車両用ドアビームは、
車両用ドアに組み付けられるものであり、車両に装備さ
れるドア本体に固定され前記ドア本体を補強する車両用
ドアビームであって、前記ドア本体に固定される固定部
をもつと共に横方向に沿って延設された横ビームと、前
記横ビームのうち前記固定部以外の部位に分岐している
と共に前記横ビームと異なる高さ位置に延設された分岐
ビームとをもつことを特徴とするものである。
【0009】本発明に係る車両用ドアビームによれば、
分岐ビームは、横ビームのうち固定部以外の部位に分岐
していると共に横ビームと異なる高さ位置に延設されて
いる。このため、横ビーム及び分岐ビームで構成された
ドアビームは、車高が異なる車両の側面衝突に対応する
ことができる。ドアビームを構成する横ビーム及び分岐
ビームは互いに連結されており、ドアビームは物理的に
一体品である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る車両用ドア及び本発
明に係る車両用ドアビームとしては、次の形態を採用す
ることができる。
【0011】ドアビームとしては、側面視において、少
なくともT字形状、逆T字形状、Y字形状、逆Y字形
状、V字形状、逆V字形状、十字形状のうちの少なくと
も一つの形状を有する形態を採用できる。十字形状とし
ては、上方への突出長さと下方への突出長さとが一致す
る形状、上方への突出長さと下方への突出長さとが異な
る形状を含む。
【0012】またドアビームとしては、側面視におい
て、横ビーム及び分岐ビームでループを構成している形
態を採用できる。ドアビームにループが形成されている
場合、横ビームの固定部をドア本体に溶接等で固定する
ため、ループ自体はドア本体に固定しない形態でも良い
し、あるいは、ドア本体に溶接等で固定する形態でも良
い。
【0013】固定部は横ビームに設けられており、ドア
本体に固定されるものであれば構造、形状は問わない。
固定部は一般的には横ビームの長さ方向の端部に設けら
れているが、これに限定されるものではない。固定部を
ドア本体に固定する手段としては、スポット溶接などの
溶接、螺子止めなどを採用することができる。固定部の
数としては、適宜選択でき、少なくとも2個とすること
ができる。
【0014】横ビーム及び分岐ビームとしては、中空部
をもつパイプ材で形成することができ、または、板材を
プレス成形で形成しても良い。プレス成形の際に、プレ
ス成形型の型面で急冷して焼入するダイクエンチング
(プレス焼入)を行うことができる。横ビーム及び分岐
ビームとしては一般的には金属で形成することができ
る。金属としては、鉄系、アルミニウム系、チタン系等
があげられる。鉄系としては炭素鋼、ステンレス鋼など
の合金鋼があげられる。
【0015】横ビーム及び分岐ビームとしては、焼入可
能な材質で形成することができる。焼入可能な材質とし
ては一般的には炭素鋼系、合金鋼系を採用することがで
きる。横ビーム及び分岐ビームが焼入可能な材質で形成
されている場合には、車両の種類または衝突時の衝撃緩
衝性に応じて、横ビームと分岐ビームとを接合する接合
部が焼入強化されている形態、横ビームの全体と分岐ビ
ームの全体とが焼入強化されている形態、横ビームが焼
入強化されているものの、分岐ビームは焼入強化されて
いない形態、分岐ビームが焼入強化されているものの、
横ビームは焼入強化されていない形態のいずれかを採用
することができる。なお一般的には、焼入した部分は強
化され、焼入していない部分は主として延性が確保され
る。
【0016】横ビームと分岐ビームとで材質、幅サイ
ズ、直径、平均焼入硬度、平均焼入深さのうちの少なく
とも一つが異なる形態を採用できる。この場合、固定部
を介してドア本体に固定される横ビームとしては、分岐
ビームよりも高剛性の材質で形成することができる。ま
た固定部を介してドア本体に固定される横ビームとして
は、分岐ビームよりも幅サイズまたは直径を大きくでき
る。固定部を介してドア本体に固定される横ビームとし
ては、分岐ビームよりも平均焼入硬度を高くしたり、平
均焼入深さを深くしたりできる。
【0017】本発明に係る車両用ドアとしては、自動車
などの車両の前席用のドア、後席用のドア、車両後面を
開閉するバックドアがあげられる。
【0018】
【実施例】(第1実施例)以下、本発明を具体化した第
1実施例について図1〜図4を参照して説明する。図1
は車両(乗用車)の側面視を模式的に示す図であり、図
2は図1のII−II線に沿った断面図であり、図3は
ドア本体1の内部の側面視を示す図である。本実施例に
係る車両用ドアは、車両Wのドア開口部W1に開閉可能
に装備されたドア本体1と、ドア本体1に固定されたド
アビーム2とを備えている。
【0019】図2に示すように、ドア本体1は、車室R
1側に配置された金属製(一般的には炭素鋼、合金鋼、
アルミニウム合金)のインナーパネル10と、車外R2
側に配置された金属製(一般的には炭素鋼、合金鋼、ア
ルミニウム合金)のアウターパネル12と、窓ガラス1
6を収容可能な収容室14とを有する。
【0020】図3に示すようにドア本体1は窓1mを有
する。ドアビーム2は、ドア本体1に固定されドア本体
1の幅方向に沿って延設されたつまり横方向に沿って延
設された横ビーム3と、横ビーム3から分岐して横ビー
ム3と異なる高さ位置に延設された分岐ビーム4とを備
えている。
【0021】横ビーム3は、横方向に沿った端ビーム部
30と、端ビーム部30から斜め下方向に向けて延設さ
れた下方傾斜ビーム部31と、下方傾斜ビーム部31間
をつなぐ横方向に沿って延設された下方ビーム部32と
を有する。各端ビーム部30はフランジ状の固定部33
をもつ。
【0022】固定部33は、ドア本体1のインナーパネ
ル10の横フランジ部10aにスポット溶接などの溶接
または螺子止めで固定されている。下方傾斜ビーム部3
1及び下方ビーム部32は、ドア本体1に対して非溶接
である。なお、横ビーム3のうち下方ビーム部32及び
後側の下方傾斜ビーム部31は、車両に搭載されている
シートのシート面に沿って配置されており、シートに着
座した乗員の腰部近傍に配置されている。
【0023】分岐ビーム4は、横ビーム3に一体的に形
成され横ビーム3の端ビーム部30から斜め上方向に向
けて延設された上方傾斜ビーム部40と、上方傾斜ビー
ム部40間をつなぐ横方向に沿って延設された上方ビー
ム部41とを有する。分岐ビーム4は、横ビーム3に対
して接合部42、43で接合されている。分岐ビーム4
の上方ビーム部41と横ビーム3の下方ビーム部32と
は、ドア本体1の幅方向つまり車両の長さ方向に沿って
並設されている。また横ビーム3と分岐ビーム4とで、
空間5cを形成する環状部としてのループ5を構成して
いる。
【0024】横ビーム3の下方ビーム部32は、車高の
低い車両がドア本体1に衝突する場合に有効に機能する
ことができるように、車高の低い車両のバンパーの高さ
位置に対応するように設定されている。衝突による負荷
荷重が横ビーム3の下方ビーム部32に作用するとき、
負荷荷重を接合部42、43の双方で受けとめることが
でき、横ビーム3の曲げ剛性を高めることができ、乗員
に対する保護性を高めることができる。
【0025】また分岐ビーム4の上方ビーム部41は、
車高の高い車両がドア本体1に衝突する場合に有効に機
能することができるように、車高の高い車両のバンパー
の高さ位置に対応するように設定されている。衝突によ
る負荷荷重が分岐ビーム4の上方ビーム部41に作用す
るとき、負荷荷重を接合部42、43の双方で受けとめ
ることができ、分岐ビーム4の曲げ剛性を高めることが
でき、乗員に対する保護性を高めることができる。
【0026】以上の説明から理解できるように本実施例
によれば、上方ビーム部41を有する分岐ビーム4は、
横ビーム3のうち固定部33以外の部位において分岐し
ていると共に横ビーム3と異なる高さ位置に延設されて
いるため、本実施例の車両用ドア(ドアビーム2)は、
車高の高い車両の側面衝突、車高の低い車両の側面衝突
にそれぞれ対応することができる。
【0027】更に分岐ビーム4と横ビーム3とは互いに
連結されて一体化されているため、ドアビーム2は一体
品である。故に、互いに独立した2個のドアビームを個
別にドア本体1に取り付ける場合に比較して、取り付け
作業の工数を低減することができ、取り付け作業性を改
善することができる。
【0028】加えてドアビーム2をドア本体1に溶接す
る箇所としては、2個の固定部33で済むため、互いに
独立した2個のドアビームを個別にドア本体1に取り付
ける場合に比較して、溶接箇所の数を低減することがで
きる。また分岐ビーム4と横ビーム3とは一体化されて
いるため、ドアビーム2は一体品となり、互いに独立し
た2個のドアビームを個別にドア本体11に取り付ける
場合に比較して、ドアビーム2の質量の軽量化も図るこ
とができる。
【0029】本実施例によれば、図3に示すように、ド
アビーム2のループ5で形成される空間5cを、部品6
の配置スペースとして利用することが可能となる。部品
6として、ECU等の電気機器、ドアの窓開閉用のパワ
ーウィンド装置、ドアロック装置等の部品などがあげら
れる。このようにドアビーム2のループ5で形成される
空間5cを部品6の配置スペースとして利用すれば、ド
ア本体1の内部空間である収容室14が狭いときであっ
ても、ドアビーム2でドア本体1の強化を図りつつ、部
品6の配置スペースを確保することができる。勿論、ド
アビーム2のループ5で形成される空間5cを部品6の
配置スペースとして利用せずに、空間のままとすること
もできる。
【0030】本実施例によれば、横ビーム3及び分岐ビ
ーム4は、焼入可能な炭素鋼または合金鋼で形成されて
いる。従って車両の種類に応じて、横ビーム3と分岐ビ
ーム4との接合部42、43が焼入強化されている形
態、横ビーム3の全体及び分岐ビーム4の全体が焼入強
化されている形態、横ビーム3の下方ビーム部32と分
岐ビーム4の上方ビーム部41とが焼入強化されている
形態、横ビーム3が焼入強化されているものの分岐ビー
ム4が焼入強化されていない形態、分岐ビーム4が焼入
強化されているものの横ビーム3が焼入強化されていな
い形態のいずれかを採用することができる。
【0031】横ビーム3を一層強化したい場合には、横
ビーム3の平均焼入硬度を分岐ビーム4の平均焼入硬度
よりも高くしたり、あるいは、横ビーム3の平均焼入深
さを分岐ビーム4の平均焼入深さよりも深くしたりする
ことができる。
【0032】逆に、分岐ビーム4を一層強化したい場合
には、分岐ビーム4の平均焼入硬度を横ビーム3の平均
焼入硬度よりも高くしたり、あるいは、分岐ビーム4の
平均焼入深さを横ビーム3の平均焼入深さよりも深くし
たりすることもできる。 本実施例によれば、別体の分
岐ビーム4を横ビーム3に溶接で結合して構成しても良
い。あるいは、打ち抜き板をプレス成形で曲げ成形して
横ビーム3及び分岐ビーム4を一体的に構成しても良
い。別体の分岐ビーム4を溶接で結合する場合には、横
ビーム3及び分岐ビーム4を、横断面が円形状のパイプ
材で構成することができる。
【0033】即ち図4(A)に示すように、分岐ビーム
4及び横ビーム3を、中空部をもつ断面円形状のパイプ
材で構成しても良い。また図4(B)に示すように、分
岐ビーム4及び横ビーム3の断面形状を、コの字形状ま
たは疑似コの字形状としても良い。分岐ビーム4及び横
ビーム3の断面形状をコの字形状または疑似コの字形状
とする場合には、打ち抜き板をプレス成形で曲げ成形す
ることにより、横ビーム3及び分岐ビーム4の断面形状
をコの字形状または疑似コの字形状とすることができ
る。
【0034】(第2実施例)以下、本発明を具体化した
第2実施例について図5を参照して説明する。第2実施
例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的
には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心
として説明する。第1実施例と共通する部位には共通の
符号を付する。本実施例に係るドアビーム2Bは、ドア
本体1に固定された横ビーム3Bと、横ビーム3Bの長
さ方向の中央域から分岐して横ビーム3Bと異なる高さ
位置に延設された分岐ビーム4Bとを備えている。横ビ
ーム3Bは車両の長さ方向に沿って延設されている。横
ビーム3Bの長さ方向の両端部にはフランジ状の固定部
33Bが設けられている。固定部33Bは、ドア本体1
のインナーパネル10の横フランジ部10aにスポット
溶接などの溶接または螺子止めで固定されている。
【0035】分岐ビーム4Bは、横ビーム3Bの長さ方
向の中央域において上方に向けて一体的に延設された上
方ビーム部41Bと、横ビーム3Bの長さ方向の中央域
において下方に向けて一体的に延設された下方ビーム部
32Bとで構成されている。この結果、ドアビーム2B
は全体として十字形状をなしている。
【0036】本実施例によれば、別体の分岐ビーム4B
を横ビーム3Bに溶接で結合して構成しても良いし、あ
るいは、打ち抜き板をプレス成形で曲げ成形して横ビー
ム3B及び分岐ビーム4Bを一体的に構成しても良い。
別体の分岐ビーム4Bを溶接で結合する場合には、横ビ
ーム3B及び分岐ビーム4Bを、横断面が円形状のパイ
プ材で構成することができる。また打ち抜き板をプレス
成形で曲げ成形して横ビーム3B及び分岐ビーム4Bを
一体的に構成する場合には、横ビーム3B及び分岐ビー
ム4Bの長さと直交する方向の断面形状は、コの字形状
または疑似コの字形状とすることができる。
【0037】本実施例によれば、分岐ビーム4Bの下方
ビーム部32Bの下端部はドア本体1に非溶接であり、
自由端状とされている。故に下方ビーム部32Bの下端
部は、ドア本体1のインナーパネル10の下フランジ部
10bに未到達である。
【0038】分岐ビーム4Bの上方ビーム部41Bの上
端部はドア本体1に非溶接であり、自由端状とされてい
る。故に上方ビーム部41Bの上端部は、ドア本体1の
インナーパネル10の上フランジ部10cに未到達であ
る。
【0039】以上の説明から理解できるように本実施例
においても、分岐ビーム4Bは、横ビーム3Bのうち固
定部33B以外の部位に分岐していると共に横ビーム3
Bと異なる高さ位置に延設されているため、本実施例の
車両用ドア(ドアビーム2B)は、車高の高い車両の側
面衝突、車高の低い車両の側面衝突にそれぞれ対応する
ことができる。
【0040】本実施例によれば、横ビーム3B及び分岐
ビーム4Bは焼入可能な炭素鋼または合金鋼で形成され
ている。従って車両の車類に応じて、横ビーム3Bと分
岐ビーム4Bとの接合部42Bが焼入強化されている形
態、横ビーム3Bの全体と分岐ビーム4Bの全体とが焼
入強化されている形態、横ビーム3Bが焼入強化されて
いるものの分岐ビーム4Bが焼入強化されていない形
態、分岐ビーム4Bが焼入強化されているものの横ビー
ム3Bが焼入強化されていない形態のいずれかを採用す
ることができる。
【0041】横ビーム3Bを一層強化したい場合には、
横ビーム3Bの平均焼入硬度を分岐ビーム4Bの平均焼
入硬度よりも高くしたり、あるいは、横ビーム3Bの平
均焼入深さを分岐ビーム4Bの平均焼入深さよりも深く
したりすることができる。
【0042】逆に、分岐ビーム4Bを一層強化したい場
合には、分岐ビーム4Bの平均焼入硬度を横ビーム3B
の平均焼入硬度よりも高くしたり、あるいは、分岐ビー
ム4Bの平均焼入深さを横ビーム3Bの平均焼入深さよ
りも深くしたりすることもできる。
【0043】(第3実施例)以下、本発明を具体化した
第3実施例について図6を参照して説明する。第3実施
例は第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的
には同様の作用効果を奏する。共通する部位には共通の
符号を付する。図6に示すように、本実施例に係るドア
ビーム2Cは、ドア本体1に固定され横方向に沿って延
設された横ビーム3Cと、横ビーム3Cの長さ方向の中
央域から分岐して横ビーム3Cと異なる高さ位置に延設
された分岐ビーム4Cとを備えている。横ビーム3Cは
車両の長さ方向に沿っている。フランジ状の固定部33
Cは、横ビーム3Cの長さ方向の両端部に設けられてい
る。固定部33Cはドア本体1のインナーパネル10の
横フランジ部10aにスポット溶接などの溶接または螺
子止めで固定されている。
【0044】分岐ビーム4Cは、横ビーム3Cの長さ方
向の中央域から上方に向けて一体的に延設された上方ビ
ーム部41Cと、横ビーム3Cの長さ方向の中央域から
下方に向けて一体的に延設された下方ビーム部32Cと
を有している。上方ビーム部41C及び下方ビーム部3
2Cは鉛直線に沿って同一延長線上に配置されている。
この結果、ドアビーム2Cは全体として十字形状をなし
ている。
【0045】分岐ビーム4Cの下方ビーム部32Cには
フランジ状の第2固定部34Cが設けられている。第2
固定部34Cはインナーパネル10の下フランジ部10
bにスポット溶接などの溶接または螺子止めで固定され
ている。分岐ビーム4Cの上方ビーム部41Cにはフラ
ンジ状の第3固定部35Cが設けられている。第3固定
部35Cは、インナーパネル10の上フランジ部10c
にスポット溶接などの溶接または螺子止めで固定されて
いる。従って、ドアビーム2Cの左右方向の曲げ剛性ば
かりか、ドアビーム2Cの上下方向の曲げ剛性も高める
ことができる。
【0046】本実施例によれば、別体の分岐ビーム4C
を横ビーム3Cに溶接で結合して構成しても良い。ある
いは、打ち抜き板をプレス成形で曲げ成形して横ビーム
3C及び分岐ビーム4Cを一体的に構成しても良い。別
体の分岐ビーム4Cを溶接で結合する場合には、横ビー
ム3C及び分岐ビーム4Cを、横断面が円形状のパイプ
材で構成することができる。また、打ち抜き板をプレス
成形して横ビーム3C及び分岐ビーム4Cを一体的に構
成する場合には、横ビーム3C及び分岐ビーム4Cの長
さと直交する方向の断面形状は、コの字形状または疑似
コの字形状とすることができる。
【0047】以上の説明から理解できるように本実施例
においても、分岐ビーム4Cは、横ビーム3Cのうち固
定部33C以外の部位に分岐していると共に横ビーム3
Cと異なる高さ位置に延設されているため、本実施例の
車両用ドア(ドアビーム2C)は、車高の高い車両の側
面衝突、車高の低い車両の側面衝突にそれぞれ対応する
ことができる。
【0048】本実施例によれば、横ビーム3C及び分岐
ビーム4Cは焼入可能な炭素鋼または合金鋼で形成され
ている。この場合、車両の種類または衝突時の衝撃緩衝
性に応じて、横ビーム3Cと分岐ビーム4Cとの接合部
42Cが焼入強化されている形態、横ビーム3Cの全体
と分岐ビーム4Cの全体とが焼入強化されている形態、
横ビーム3Cが焼入強化されているものの分岐ビーム4
Cが焼入強化されていない形態、分岐ビーム4Cが焼入
強化されているものの横ビーム3Cが焼入強化されてい
ない形態のいずれかを採用することができる。
【0049】本実施例によれば、横ビーム3Cを一層強
化したい場合には、横ビーム3Cの平均焼入硬度を分岐
ビーム4Cの平均焼入硬度よりも高くしたり、あるい
は、横ビーム3Cの平均焼入深さを分岐ビーム4Cの平
均焼入深さよりも深くしたりすることができる。
【0050】逆に、分岐ビーム4Cを一層強化したい場
合には、分岐ビーム4Cの平均焼入硬度を横ビーム3C
の平均焼入硬度よりも高くしたり、あるいは、分岐ビー
ム4Cの平均焼入深さを横ビーム3Cの平均焼入深さよ
りも深くしたりすることもできる。
【0051】(第4実施例)以下、本発明を具体化した
第4実施例について図7を参照して説明する。第4実施
例は第2実施例と基本的には同様の構成であり、基本的
には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心
として説明する。第2実施例と共通する部位には共通の
符号を付する。本実施例に係るドアビーム2Dは、ドア
本体1に固定され車両の長さ方向に沿って延設された横
ビーム3Dと、横ビーム3Dの長さ方向の中央域から分
岐して横ビーム3Dと異なる高さ位置に延設された分岐
ビーム4Dとを備えている。横ビーム3Dの長さ方向の
両端部にはフランジ状の固定部33Dが設けられてい
る。固定部33Dは、ドア本体1のインナーパネル10
の横フランジ部10aにスポット溶接などの溶接または
螺子止めで固定されている。
【0052】分岐ビーム4Dは、横ビーム3Dの長さ方
向の中央域において上方に向けて一体的に延設されてい
る。この結果図7に示すように、ドアビーム2Dは全体
として逆Tの字形状をなしている。分岐ビーム4Dの上
端部はドア本体1に非溶接であり、自由端状とされてい
る。分岐ビーム4Dは上方に向けて延設されており、車
高の高い車両がドア本体1に衝突する場合に有効に機能
することができる。横ビーム3Dは、車高の低い車両が
ドア本体1に衝突する場合に有効に機能することができ
る。
【0053】本実施例によれば、別体の分岐ビーム4D
を横ビーム3Dに溶接で結合して構成しても良い。ある
いは、打ち抜き板をプレス成形で曲げ成形して横ビーム
3D及び分岐ビーム4Dを一体的に構成しても良い。別
体の分岐ビーム4Dを溶接で結合する場合には、横ビー
ム3D及び分岐ビーム4Dを、横断面が円形状のパイプ
材で構成することができる。また打ち抜き板をプレス成
形で曲げ成形して横ビーム3D及び分岐ビーム4Dを一
体的に構成する場合には、横ビーム3D及び分岐ビーム
4Dの長さと直交する方向の断面形状は、コの字形状ま
たは疑似コの字形状とすることができる。
【0054】本実施例においても、横ビーム3D及び分
岐ビーム4Dが焼入可能な炭素鋼または合金鋼で形成さ
れている。この場合、横ビーム3Dと分岐ビーム4Dと
の接合部42Dが焼入強化されている形態、横ビーム3
Dの全体と分岐ビーム4Dの全体とが焼入強化されてい
る形態、横ビーム3Dが焼入強化されているものの分岐
ビーム4Dが焼入強化されていない形態、分岐ビーム4
Dが焼入強化されているものの横ビーム3Dが焼入強化
されていない形態のいずれかを採用することができる。
【0055】本実施例によれば、横ビーム3Dを一層強
化したい場合には、横ビーム3Dのの平均焼入硬度を分
岐ビーム4Dの平均焼入硬度よりも高くすることができ
る。あるいは、横ビーム3Dの平均焼入深さを分岐ビー
ム4Dの平均焼入深さよりも深くすることができる。
【0056】逆に、分岐ビーム4Dを一層強化したい場
合には、分岐ビーム4Dの平均焼入硬度を横ビーム3D
の平均焼入硬度よりも高くすることができる。あるい
は、分岐ビーム4Dの平均焼入深さを横ビーム3Dの平
均焼入深さよりも深くすることができる。
【0057】(第5実施例)以下、本発明を具体化した
第5実施例について図8を参照して説明する。第5実施
例は第4実施例と基本的には同様の構成であり、基本的
には同様の作用効果を奏する。以下、異なる部分を中心
として説明する。第4実施例と共通する部位には共通の
符号を付する。
【0058】本実施例においては、分岐ビーム4Dは、
横ビーム3Dの長さ方向の中央域において下方に向けて
一体的に延設されている。この結果、ドアビーム2Dは
全体としてTの字形状をなしている。分岐ビーム4Dの
下端部はドア本体1に非溶接であり、自由端状とされて
いる。横ビーム3Dは、車高の高い車両がドア本体1に
衝突する場合に有効に機能することができるように、車
高の高い車両のバンパーの高さ位置に対応するように設
定されている。分岐ビーム4Dは、車高の低い車両がド
ア本体1に衝突する場合に有効に機能することができる
ように、車高の低い車両のバンパーの高さ位置に対応す
るように設定されている。
【0059】本実施例においても、横ビーム3D及び分
岐ビーム4Dが焼入可能な炭素鋼または合金鋼で形成さ
れている。この場合、横ビーム3Dと分岐ビーム4Dと
の接合部42Dが焼入強化されている形態、横ビーム3
Dの全体と分岐ビーム4Dの全体とが焼入強化されてい
る形態、横ビーム3Dが焼入強化されているものの分岐
ビーム4Dが焼入強化されていない形態、分岐ビーム4
Dが焼入強化されているものの横ビーム3Dが焼入強化
されていない形態のいずれかを採用することができる。
【0060】(第6実施例)以下、本発明を具体化した
第6実施例について図9を参照して説明する。図9に示
すように、本実施例に係るドアビーム2Eは、ドア本体
1に固定され横方向に沿って延設されている横ビーム3
Eと、横ビーム3Eから分岐して横ビーム3Eと異なる
高さ位置に延設された第1分岐ビーム4E、第2分岐ビ
ーム4Fとを備えている。横ビーム3Eは、車両用ドア
の幅方向に沿って延設されており、両端部にフランジ状
の固定部33Eをもつ。固定部33Eは、前記した実施
例と同様に、ドア本体1のインナーパネル10の横フラ
ンジ部10aにスポット溶接などの溶接または螺子止め
で固定される。
【0061】第1分岐ビーム4Eは、横ビーム3Eに一
体的に形成された横ビーム3Eの端ビーム30Eから斜
め下方向に向けて延設された下方傾斜ビーム部46E
と、下方傾斜ビーム部46E間をつなぐ下方ビーム部4
7Eとを有する。第1分岐ピーム4Eと横ビーム3Eと
は、車両の長さ方向に沿っており、環状部であるループ
5Eを構成している。
【0062】第1分岐ビーム4Eは、横ビーム3Eから
下方に向けて延設されており、車高の低い車両がドア本
体1に衝突する場合に有効に機能することができるよう
に、車高の低い車両のバンパーの高さ位置に対応するよ
うに設定されている。
【0063】衝突による負荷荷重が分岐ビーム4Eの下
方ビーム部47Eに作用するとき、第1分岐ビーム4E
と横ビーム3Eとを接合する2つの接合部42E、43
Eで負荷荷重を受けることができるため、ドアビーム2
の曲げ剛性を高めることができ、乗員に対する保護性を
高めることができる。
【0064】第2分岐ビーム4Fは、横ビーム3Eの長
さ方向の中間域から鉛直線に沿って上方に向けて立設さ
れており、第2分岐ビーム4Fと横ビーム3Eとで逆T
字形状をなしている。第2分岐ビーム4Fは、横ビーム
3Eの長さ方向の中央域から上方に向けて延設されてい
るため、車高の高い車両がドア本体1に衝突する場合に
有効に機能することができる。
【0065】以上の説明から理解できるように本実施例
によれば、第1分岐ビーム4E及び第2分岐ビーム4F
は、横ビーム3Eのうち固定部33E以外の部位に分岐
していると共に横ビーム3Eと異なる高さ位置に延設さ
れているため、本実施例の車両用ドア(ドアビーム2
E)は、車高の高い車両の側面衝突、車高の低い車両の
側面衝突にそれぞれ対応することができる。
【0066】更に第1分岐ビーム4E及び第2分岐ビー
ム4Fは横ビーム3Eと一体化されているため、ドアビ
ーム2Eは一体品となり、互いに独立している2個のド
アビームを個別に取り付ける場合に比較して取り付け作
業の工数を低減することができる。加えてドアビーム2
Eをドア本体1に溶接する箇所としては、横ビーム3E
の両端部に設けられている2個の固定部33Eで済むた
め、溶接箇所を低減することができる。また第1分岐ビ
ーム4Eと第2分岐ビーム4Fと横ビーム3Eとは一体
的に連結されているため、ドアビーム2Eは一体品とな
り、2個のドアビームを個別に取り付ける場合に比較し
てドアビーム2Eの質量の軽量化を図ることができる。
【0067】本実施例に係るドアビーム2Eは、板材を
プレス成形することにより形成されている。即ち、一枚
の金属製(一般的には炭素鋼または合金鋼)の板材を打
ち抜くことにより打ち抜き板を形成する。打ち抜き板
は、横ビーム3Eとなる部分、固定部33Eとなる部
分、第1分岐ビーム4Eとなる部分、第2分岐ビーム4
Fとなる部分を有する。次に、この打ち抜き板に対し
て、深絞りプレス成形などのプレス成形を施すことによ
り、立体的に曲げ成形し、上記したドアビーム2Eを形
成する。プレス成形の回数は必要に応じて設定される
が、一般的には複数回とすることができる。なお、横ビ
ーム3E、第1分岐ビーム4E、第2分岐ビーム4Fに
ついては、横断面はほぼコの字形状とされている。
【0068】本実施例によれば、最終的なプレス成形の
前に、ドアビーム2Eとなる素材200を焼入可能な温
度領域(一般的にはA1変態点以上)に加熱手段により
加熱する加熱工程を実行する。そして加熱工程の後に、
図10に示すように、冷却水が流れる冷却通路300
a、400aを有するプレス成形用の成形金型300、
400を用い、成形金型300、400の型面301、
401で素材200をプレス成形すると共に型面30
1、401で急冷し、ダイクエンチング(プレス焼入)
を行なう。これによりドアビーム2Eを焼入強化してい
る。
【0069】本実施例によれば具体的には、車両の種類
または衝突時の衝撃緩衝性に応じて、横ビーム3Eと第
1分岐ビーム4Eとの接合部42E、43E、更に横ビ
ーム3Eと第2分岐ビーム4Fとの接合部43Fが焼入
強化されている形態、ドアビーム2Eの全体が焼入強化
されている形態、横ビーム3Eのみが焼入強化されてい
る形態、第1分岐ビーム4Eのみが焼入強化されている
形態、第2分岐ビーム4Fのみが焼入強化されている形
態のいずれかを採用することができる。
【0070】本実施例によれば、図9に示すように、ド
アビーム2Eのループ5Eで形成される空間5cを部品
6の配置スペースとして利用することが可能となる。部
品6としてはECU等の電気機器、ドアの窓開閉用のパ
ワーウィンド装置、ドアロック装置等の部品などがあげ
られる。このようにドアビーム2Eのループ5で形成さ
れる空間5cを部品6の配置スペースとして利用すれ
ば、車両用ドアの内部空間が狭いときであっても、ドア
ビーム2Eで車両用ドアの強化を図りつつ、部品6の配
置スペースを確保することができる。なおドアビーム2
Eのループ5で形成される空間5cを、部品6の配置ス
ペースとして利用することなく、空間のままとしても良
い。
【0071】(他の実施例)以下、本発明を具体化した
他の実施例について図11(A)〜図11(D)を参照
して説明する。この実施例は図6に示す第3実施例と基
本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果
を奏する。以下、異なる部分を中心として説明する。第
3実施例と共通する部位には共通の符号を付する。
【0072】図11(A)に示す実施例においては、分
岐ビーム4HはYの字形状をなしており、横ビーム3C
の長さ方向の中央域に一体的に延設されている。図11
(B)に示す実施例においては、分岐ビーム4GはVの
字形状をなしており、横ビーム3Cの長さ方向の中央域
に一体的に延設されている。図11(C)に示す実施例
においては、分岐ビーム4Kは逆Yの字形状をなしてお
り、横ビーム3Cの中央域に一体的に延設されている。
図11(D)に示す実施例においては、分岐ビーム4M
は逆Vの字形状をなしており、横ビーム3Cの長さ方向
の中央域に一体的に延設されている。図11(A)〜図
11(D)に示す実施例においても、車高が異なる車両
の側面衝突に対応することができる。
【0073】本発明に係るドアビームとしては、中空部
を有する形態でも、板材を曲成して形成された中空部を
有しない形態でも良く、溶接品、押出品、プレス成形品
等で形成することができる。図12(A)〜(H)はド
アビームの横断面の代表例を示す。図12(A)に示す
実施例に係るドアビーム200は、その横断面形状にお
いて、互いに対向する第1直状壁部200aと、これと
交わる方向に沿って形成された第2直状壁部200b
と、第1直状壁部200a及び第2直状壁部200bの
内面で区画された中空部200cとを備えている。
【0074】また図12(B)に示す実施例に係るドア
ビーム201は、その横断面形状において四角枠形状を
なしており、互いに対向する第1直状壁部201aと、
これと交わる方向に沿って形成された第2直状壁部20
1bと、第1直状壁部201a及び第2直状壁部201
bの内面で区画された中空部201cとを備えている。
【0075】更に図12(C)に示す実施例に係るドア
ビーム202は、その横断面形状においてH形状をなし
ており、互いに対向する第1直状壁部202aと、第1
直状壁部202aの中間部においてこれと交わる方向に
沿って形成された第2直状壁部202bとを備えてい
る。
【0076】加えて図12(D)に示す実施例に係るド
アビーム203は、その横断面形状においてE形状をな
しており、第1直状壁部203aと、これと交わる方向
に沿って間隔を隔てて形成された第2直状壁部203b
とを備えている。
【0077】また図12(E)に示す実施例に係るドア
ビーム204は、板材を曲成することにより凹凸を有す
るように形成されており、変形コ字形状をなしており、
第1直状壁部204aと、第1直状壁部204aの両端
からこれと交わる方向に沿って形成された第2直状壁部
204bと、各第2直状壁部204bの端から第1直状
壁部204aの延設方向に沿って外方向にのびる第3直
状壁部204cとを備えている。
【0078】更に図12(F)に示す実施例に係るドア
ビーム205は、板材を曲成することにより凹凸を有す
るように形成されており、第1直状壁部205aと、第
1直状壁部205aの両端からこれと交わる方向に沿っ
て形成された第2直状壁部205bと、各第2直状壁部
205bの端から第1直状壁部205aの延設方向に沿
って外方向にのびる第3直状壁部205cと、各第3直
状壁部205cの端から第2直状壁部205bの延設方
向と逆方向に沿ってのびる第4直状壁部205dとを備
えている。
【0079】加えて図12(G)に示す実施例に係るド
アビーム206は、板材を曲成することにより凹凸を有
するように形成されており、第1直状壁部206aと、
第1直状壁部206aの両端からこれと交わる方向に沿
って形成された第2直状壁部206bと、各第2直状壁
部206bの端から第1直状壁部206aの延設方向に
沿って外方向にのびる第3直状壁部206cと、各第3
直状壁部206cの端から第2直状壁部206bの延設
方向と逆方向に沿ってのびる第4直状壁部206dとを
備えている。
【0080】また図12(H)に示す実施例に係るドア
ビーム207は、板材を曲成することにより凹凸を有す
るように形成されており、第1直状壁部207aと、第
1直状壁部207aの両端からこれと交わる方向に沿っ
て形成された第2直状壁部207bと、各第2直状壁部
207bの端から第1直状壁部207aの延設方向に沿
って外方向にのびる第3直状壁部207cと、各第3直
状壁部207cの端から第2直状壁部207bの延設方
向と逆方向に沿ってのびる第4直状壁部207dと、各
第4直状壁部207dの端から第3直状壁部207cの
延設方向に沿って外方向にのびる第5直状壁部207e
とを備えている。
【0081】本発明によれば、ドアビームを構成する横
ビーム及び分岐ビームの双方が図12(A)〜(H)に
示されている断面形状を有していても良いし、あるい
は、ドアビームを構成する横ビーム及び分岐ビームのう
ちのいずれか一方が図12(A)〜(H)に示されてい
る断面形状を有していても良い。
【0082】なお図12(A)〜(H)に示されている
断面形状はあくまでも例示である。故に、本発明に係る
ドアビームを構成する横ビーム、分岐ビームの断面形状
は、上記した実施例に係る形状、図12(A)〜(H)
に係る形状に限定されるものではなく、必要に応じて適
宜変更できることは勿論である。その他、本発明は上記
した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱
しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0083】
【発明の効果】本発明に係る車両用ドアによれば、ドア
ビームに係る分岐ビームは、横ビームのうち固定部以外
の部位に分岐していると共に横ビームと異なる高さ位置
に延設されている。このため、車高が異なる車両の側面
衝突に良好に対応することができ、乗員に対する保護性
を向上させることができる。しかもドアビームを構成す
る横ビーム及び分岐ビームは互いに連結されており、物
理的に一体品であるため、取り付け工数の低減を図り
得、取り付け作業性を改善できる。
【0084】また本発明に係る車両用ドアビームによれ
ば、分岐ビームは、横ビームのうち固定部以外の部位に
分岐していると共に横ビームと異なる高さ位置に延設さ
れている。このため、車高が異なる車両の側面衝突に良
好に対応することができ、乗員に対する保護性を向上さ
せることができる。しかもドアビームを構成する横ビー
ム及び分岐ビームは互いに連結されており、物理的に一
体品であるため、取り付け工数の低減を図り得、取り付
け作業性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、車両用ドアを有する車両の
側面視を模式的に示す側面図である。
【図2】第1実施例に係り、車両用ドアの横断面図であ
る。
【図3】第1実施例に係り、車両用ドアの内部の側面視
を模式的に示す側面図である。
【図4】第1実施例に係り、横ビーム、分岐ビームの断
面形状を模式的に示す断面図である。
【図5】第2実施例に係り、車両用ドアの内部の側面視
を模式的に示す側面図である。
【図6】第3実施例に係り、車両用ドアの内部の側面視
を模式的に示す側面図である。
【図7】第4実施例に係り、車両用ドアの内部の側面視
を模式的に示す側面図である。
【図8】第5実施例に係り、車両用ドアの内部の側面視
を模式的に示す側面図である。
【図9】第6実施例に係り、車両用ドアに装備されるド
アビームの斜視図である。
【図10】成形金型でプレス焼入する過程を模式的に示
す断面図である。
【図11】他の実施例に係り、各車両用ドアの内部の側
面視を模式的に示す側面図である。
【図12】ドアビームの横断面形状の例を示す横断面図
である。
【符号の説明】
図中、1はドア本体、2はドアビーム、3を横ビーム、
33は固定部、4は分岐ビーム、42、43は接合部、
5はループを示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両に装備されるドア本体と、前記ドア本
    体に固定され前記ドア本体を補強するドアビームとを備
    えており、 前記ドアビームは、 前記ドア本体に固定された固定部をもつと共に横方向に
    沿って延設された横ビームと、 前記横ビームのうち前記固定部以外の部位に分岐してい
    ると共に前記横ビームと異なる高さ位置に延設された分
    岐ビームとをもつことを特徴とする車両用ドア。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ドアビームは、側
    面視において、少なくともT字形状、逆T字形状、Y字
    形状、逆Y字形状、V字形状、逆V字形状、十字形状の
    うちの少なくとも一つの形状を有することを特徴とする
    車両用ドア。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記ド
    アビームは、側面視において、前記横ビーム及び前記分
    岐ビームでループを構成していることを特徴とする車両
    用ドア。
  4. 【請求項4】請求項1〜請求項3のいずれか一項におい
    て、前記横ビーム及び前記分岐ビームのうち少なくとも
    一部は焼入強化されていることを特徴とする車両用ド
    ア。
  5. 【請求項5】車両に装備されるドア本体に固定され前記
    ドア本体を補強する車両用ドアビームであって、 前記ドア本体に固定される固定部をもつと共に横方向に
    沿って延設された横ビームと、前記横ビームのうち前記
    固定部以外の部位に分岐していると共に前記横ビームと
    異なる高さ位置に延設された分岐ビームとをもつことを
    特徴とする車両用ドアビーム。
  6. 【請求項6】請求項5において、側面視において、少な
    くともT字形状、逆T字形状、Y字形状、逆Y字形状、
    十字形状のうちの少なくとも一つの形状を有することを
    特徴とする車両用ドアビーム。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6において、側面視
    において、前記横ビーム及び前記分岐ビームでループを
    構成していることを特徴とする車両用ドアビーム。
  8. 【請求項8】請求項5〜請求項7のいずれか一項におい
    て、前記横ビーム及び前記分岐ビームのうち少なくとも
    一部は焼入強化されていることを特徴とする車両用ドア
    ビーム。
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