JP2003211894A - ノック式筆記具 - Google Patents
ノック式筆記具Info
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- Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 レフィールのペン体部の突出操作及び没入操
作が同じであって、クリップセーフティ機構を備えたノ
ック式筆記具を提供する。 【解決手段】 軸筒10内に収容されたレフィール20
と、レフィールと共に前後動し、係止部35と縦溝34
が形成された回転子30と、ノック操作により回転力を
付与した状態で回転子を前進させるノック部材50と、
軸筒の窓孔に沿って前後動可能に配置され、突条61が
回転子の縦溝に沿って移動する可動子60と、係止段部
42が可動子の係止突起62に係合するクリップで構成
してペン体部の突出および没入を同じノック操作で行う
ダブルノック式とし、ペン体部が軸筒の先端開口から突
出した状態からクリップ先端が持ち上がると、可動子が
回転子と共に後退し、ペン体部が軸筒内に没入する。
作が同じであって、クリップセーフティ機構を備えたノ
ック式筆記具を提供する。 【解決手段】 軸筒10内に収容されたレフィール20
と、レフィールと共に前後動し、係止部35と縦溝34
が形成された回転子30と、ノック操作により回転力を
付与した状態で回転子を前進させるノック部材50と、
軸筒の窓孔に沿って前後動可能に配置され、突条61が
回転子の縦溝に沿って移動する可動子60と、係止段部
42が可動子の係止突起62に係合するクリップで構成
してペン体部の突出および没入を同じノック操作で行う
ダブルノック式とし、ペン体部が軸筒の先端開口から突
出した状態からクリップ先端が持ち上がると、可動子が
回転子と共に後退し、ペン体部が軸筒内に没入する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クリップセーフテ
ィ機構を有するダブルノック式の筆記具に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】クリップセーフティ機構を備えたノック
式筆記具、例えば水性インキが充填されたノック式ボー
ルペンはシングルノック式のものが多かった。すなわ
ち、ノック操作を行うと、クリップ先端の挟持突起とノ
ック部材の係止部が係合し、ボールペンレフィール先端
のボールペン体が軸筒の先端開口から突出して筆記可能
になるが、万一、この状態でポケットに差し込むと衣服
を汚損するので、ポケットに差し込むときにクリップ先
端が径方向に持ち上がると、クリップ先端の挟持突起と
ノック部材の係止部との係合が解除され、ボールペンレ
フィールが後退してボールペン体が軸筒内に没入するよ
うになっている。 【0003】このように、クリップ先端の挟持突起とノ
ック部材の係止部との係合が解除されるとボールペンレ
フィールが後退するので、筆記が終了してボールペン体
を軸筒内に没入させるときにも、指先でクリップ先端を
径方向に持ち上げるか、揺動可能に配置されたクリップ
の尾端部をノックして揺動させ、クリップ先端を径方向
に回動させることによりクリップ先端の挟持突起とノッ
ク部材の係止部との係合が解除させてボールペン体を軸
筒内に没入させている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】かかるクリップセーフ
ティ機構を備えたシングルノック式の筆記具は、レフィ
ール先端のペン体部を軸筒の先端開口から突出させる操
作と筆記終了時に軸筒内に没入させる操作が異なるの
で、使いにくい不具合がある。 【0005】そこで本発明は、レフィール先端のペン体
部を軸筒の先端開口から突出させる操作と筆記終了時に
軸筒内に没入させる操作が同じであって使い易く、クリ
ップセーフティ機構を備えた構造が簡単なダブルノック
式の筆記具を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明のノック式筆記具は、縦長の窓孔が形成され
た軸筒と、軸筒内に尾端側に弾発された状態で前後動可
能に収容されたレフィールと、レフィールと共に前後動
し、前方カム歯に複数個の係止部が形成され、係止部と
係止部の間に縦溝が形成された回転子と、軸筒の尾端開
口から突出した状態で配置され、ノック操作により回転
力を付与した状態で回転子を前進させるノック部材と、
軸筒の窓孔に沿って前後動可能に配置され、裏面に形成
された突条が回転子の縦溝に沿って相対的に移動する可
動子と、先端部の挟持突起に形成された係止段部が可動
子の表面に形成された係止突起に係合するクリップで構
成し、レフィール先端のペン体部が軸筒内に没入した状
態からノック操作を行うと、回転子が回転力を付与され
た状態で前進し、可動子の突条が回転子の縦溝から抜け
出すとレフィール先端のペン体部が軸筒の先端開口から
突出するとともに回転子が僅かに回転し、可動子の突条
が回転子の係止部に係合して筆記可能になり、レフィー
ル先端のペン体部が軸筒の先端開口から突出した状態か
らノック操作を行うと、可動子の突条が回転子の係止部
から抜け出して回転子が僅かに回転し、可動子の突条が
回転子の縦溝に沿って相対的に移動してレフィール先端
のペン体部が軸筒内に没入し、また、レフィール先端の
ペン体部が軸筒の先端開口から突出した状態からクリッ
プ先端が径方向に持ち上がると、クリップの係止段部と
可動子の係止突起の係合が解除され、回転子が可動子と
共に後退し、レフィール先端のペン体部が軸筒内に没入
するようにする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図1はノック式ボール
ペンを示すが、ボールペンに限られるものではない。図
1において、軸筒10は、合成樹脂で成形された後軸1
1および前軸12からなり、前軸12の先端には、先端
開口15を有する先口13が螺着されている。また、前
軸12の外周には軟質の合成樹脂からなるグリップ14
が配置されている。後軸11の尾端部には、クリップ4
0の円筒固定部43が固定されている。つまり、さきぐ
ち13と円筒固定部43は軸筒10の一部を構成してい
る。クリップ40と対面する位置の軸筒10に縦長の窓
孔16が形成されている。 【0008】かかる軸筒10内に、ボールペンレフィー
ル20がコイルスプリング26で尾端側に弾発された状
態で前後動可能に収容されている。ボールペンレフィー
ル20のインキ収容管21の先端開口に継手22が嵌着
され、継手22の中心孔にボールペンチップであるペン
体部23が嵌着されている。インキ収容管21内にはイ
ンキIが充填され、インキIの後端にはグリース状の逆
流防止体25が配置されている。 【0009】インキIは、着色剤である顔料または染
料、樹脂、増粘剤、水溶性溶剤を含み、必要に応じて分
散剤、防腐剤などを含有し、静的には高い粘性を有し、
筆記時のボールの回転により粘性が低下するゲルインキ
である。このインキIの粘度は20mPa・s以上であ
る。また、逆流防止体25は、ポリブデン、シリコーン
オイル、鉱物油などを主成分とし、シリカゲル、金属石
鹸などで適度に増粘させたものである。 【0010】ペン体部23はステンレスにて砲弾型に成
形されたものであり、ペン体部23先端のボールハウス
内に、例えば外径が0.5mmであり、超硬合金からな
るボール24が回転自由に抱持されている。ペン体部2
3内には小さなスプリング(図示せず)が配置されてお
り、ボール24はこのスプリングで弾発され、非筆記時
においてペン体部23先端の内向き突起に圧接してい
る。つまり、ボール24とペン体部23先端の内向き突
起により弁機構を構成しており、非筆記時は弁が閉じて
インキがペン体部23先端から流出せず、また、上向き
にしたときも弁が閉じているのでペン体部23先端から
空気が内部に侵入しないようになっている。そして、筆
記時においては、筆圧によりボール24が後退して弁が
開き、インキが流出するようになっている。 【0011】インキ収容管21の尾端部は回転子30内
に差し込まれており、コイルスプリング26の弾発力に
よりインキ収容管21は回転子30に当接している。回
転子30は、図2に示すように、合成樹脂で円筒状に成
形されたものであり、尾端縁に鋸刃状をした尾端カム歯
31が形成され、中腹部には傾斜面が鋸刃状に連続した
前方カム歯32が形成されている。つまり、前方カム歯
32は複数の傾斜面からなり、傾斜面の端部であって縦
壁部33に隣接した部分が係止部35である。また、前
方カム歯32の傾斜面は不連続であり、前方カム歯32
の傾斜面と傾斜面の間に複数本の縦溝34が形成されて
いる。 【0012】可動子60は、図5に示すように、側面に
上ガイド65および下ガイド64が形成され、この上ガ
イド65と下ガイド64が軸筒10の窓孔16の縁部に
嵌め込まれており、可動子60は窓孔16に沿って前後
動可能に配置されている。ここで、可動子60の表面は
軸筒10の表面と同一レベルになっている。可動子60
の裏面には突条61が形成され、表面には係止突起62
が形成されている。また、係止突起62に連続して孔部
63が形成されている。そして、突条61は回転子30
の縦溝34に沿って相対的に移動するようになってい
る。つまり、回転子30は突条61により回転不自由な
状態であり、突条61が縦溝34ないし縦壁部33から
相対的に抜け出すとフリーになって回転子30は回転可
能になる。 【0013】クリップ40の先端部分裏側には、図3に
示すように、挟持突起41が形成されており、挟持突起
41の下向き段が係止段部42である。また、挟持突起
41の下方に一対のガイドリブ44が形成されている。
この挟持突起41は、通常時は可動子60の孔部63に
入り込み、係止段部42が可動子60の係止突起62に
係合している。つまり、通常時においては、可動子60
はクリップ40の係止段部42により窓孔16の下端部
に固定されている。 【0014】ノック棒50は軸筒10の尾端から突出し
た状態で配置されており、図4に示すように、外周面に
ガイド突起52が形成されている。ガイド突起52がク
リップ40の摺動溝45に嵌め込まれ、ノック操作によ
りガイド突起52は摺動溝45に沿って移動する。ノッ
ク棒50の先端には鋸刃状をしたカム歯51が形成され
ており、ノック操作を行うと、カム歯51が回転子30
の尾端カム31と歯合して回転子30に回転力を付与す
るようになっている。 【0015】図6はノック部材50、回転子30、可動
子60の突条61の位置関係とペン体部23の出没状態
の関係を示すが、筆記に際して、ペン体部23が軸筒1
0内に没入した図6(A)の状態からノック部材50を
押圧するノック操作を行うと、回転子30は回転力を付
与された状態で前進するが、突条61が回転子30の縦
溝34にはめ込まれているので回転子30は回転しな
い。更にノック操作を続行すると、図6(B)に示すよ
うに、ペン体部23が軸筒10の先端開口15から突出
すると共に、突条61が縦溝34から抜け出す。従って
回転子30はフリーになって回転力方向に僅かに回転す
る。このとき、突条61は前方カム歯32の傾斜面に沿
って沿って摺動し、突条61が回転子30の縦壁部33
に当接すると共に係止段部42が係止部35に係合し、
図6(C)に示す状態になって筆記可能になる。 【0016】筆記が終了してペン体部23を軸筒10内
に没入させるには、図6(C)に示す状態から再びノッ
ク操作を行えばよい。これにより回転子30が前進し、
突条61が回転子30の縦壁部33を乗り越え、フリー
になった回転子30が僅かに回転する。そして、ノック
操作を解除すると、突条61が縦溝34に沿って相対的
に移動し、図6(A)に示す状態になり没入が完了す
る。以上は回転子30を使用する周知のダブルノック操
作であり、レフィール20先端のペン体部23を軸筒1
0の先端開口15から突出させる操作と筆記終了時に軸
筒10内に没入させる操作が同一であってペン体部23
の出没操作が極めて容易である。 【0017】次に、図7はクリップセーフティ機構の作
動説明図であるが、ペン体部23が軸筒10の先端開口
15から突出した図7(A)の状態で筆記具を誤ってポ
ケットに差し込むと、ポケットの布地が挟持突起41に
当接してクリップ40を持ち上げるのでクリップ40の
係止段部42と可動子60の係止突起62の係合が解除
され、可動子60が回転子30と共に後退してペン体部
23が軸筒10内に没入し、図7(B)に示す状態にな
る。つまり、クリップセーフティ機構が作動する。 【0018】クリップセーフティ機構が作動した筆記具
をポケットから抜き出してノック操作を行うと、図7
(C)に示すように、可動子60および回転子30が前
進し、クリップ40の係止段部42が可動子60の係止
突起62に係合するが、回転子30は更に僅かに前進
し、突条61が縦壁部33を抜けると回転子30が僅か
に回転し、突条61が縦壁部33を乗り越える。そし
て、ノック操作を解除すると、図7(D)に示すよう
に、突条61が縦溝34に沿って相対的に移動し、ペン
体部23が軸筒10内に没入する。つまり、図6(A)
の状態になり、リセットされる。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のノック式
筆記具は、縦長の窓孔が形成された軸筒と、軸筒内に尾
端側に弾発された状態で前後動可能に収容されたレフィ
ールと、レフィールと共に前後動し、前方カム歯に複数
個の係止部が形成され、係止部と係止部の間に縦溝が形
成された回転子と、軸筒の尾端開口から突出した状態で
配置され、ノック操作により回転力を付与した状態で回
転子を前進させるノック部材と、軸筒の窓孔に沿って前
後動可能に配置され、裏面に形成された突条が回転子の
縦溝に沿って相対的に移動する可動子と、先端部の挟持
突起に形成された係止段部が可動子の表面に形成された
係止突起に係合するクリップで構成してペン体部の突出
および没入を同じノック操作で行うダブルノック式と
し、ペン体部が軸筒の先端開口から突出した状態からク
リップ先端が持ち上がると、可動子が回転子と共に後退
し、ペン体部が軸筒内に没入するので、レフィール先端
のペン体部を軸筒の先端開口から突出させる操作と筆記
終了時に軸筒内に没入させる操作が同じであって使い易
く、クリップセーフティ機構を備えた構造が簡単なノッ
ク式筆記具を提供することができる。
ィ機構を有するダブルノック式の筆記具に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】クリップセーフティ機構を備えたノック
式筆記具、例えば水性インキが充填されたノック式ボー
ルペンはシングルノック式のものが多かった。すなわ
ち、ノック操作を行うと、クリップ先端の挟持突起とノ
ック部材の係止部が係合し、ボールペンレフィール先端
のボールペン体が軸筒の先端開口から突出して筆記可能
になるが、万一、この状態でポケットに差し込むと衣服
を汚損するので、ポケットに差し込むときにクリップ先
端が径方向に持ち上がると、クリップ先端の挟持突起と
ノック部材の係止部との係合が解除され、ボールペンレ
フィールが後退してボールペン体が軸筒内に没入するよ
うになっている。 【0003】このように、クリップ先端の挟持突起とノ
ック部材の係止部との係合が解除されるとボールペンレ
フィールが後退するので、筆記が終了してボールペン体
を軸筒内に没入させるときにも、指先でクリップ先端を
径方向に持ち上げるか、揺動可能に配置されたクリップ
の尾端部をノックして揺動させ、クリップ先端を径方向
に回動させることによりクリップ先端の挟持突起とノッ
ク部材の係止部との係合が解除させてボールペン体を軸
筒内に没入させている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】かかるクリップセーフ
ティ機構を備えたシングルノック式の筆記具は、レフィ
ール先端のペン体部を軸筒の先端開口から突出させる操
作と筆記終了時に軸筒内に没入させる操作が異なるの
で、使いにくい不具合がある。 【0005】そこで本発明は、レフィール先端のペン体
部を軸筒の先端開口から突出させる操作と筆記終了時に
軸筒内に没入させる操作が同じであって使い易く、クリ
ップセーフティ機構を備えた構造が簡単なダブルノック
式の筆記具を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明のノック式筆記具は、縦長の窓孔が形成され
た軸筒と、軸筒内に尾端側に弾発された状態で前後動可
能に収容されたレフィールと、レフィールと共に前後動
し、前方カム歯に複数個の係止部が形成され、係止部と
係止部の間に縦溝が形成された回転子と、軸筒の尾端開
口から突出した状態で配置され、ノック操作により回転
力を付与した状態で回転子を前進させるノック部材と、
軸筒の窓孔に沿って前後動可能に配置され、裏面に形成
された突条が回転子の縦溝に沿って相対的に移動する可
動子と、先端部の挟持突起に形成された係止段部が可動
子の表面に形成された係止突起に係合するクリップで構
成し、レフィール先端のペン体部が軸筒内に没入した状
態からノック操作を行うと、回転子が回転力を付与され
た状態で前進し、可動子の突条が回転子の縦溝から抜け
出すとレフィール先端のペン体部が軸筒の先端開口から
突出するとともに回転子が僅かに回転し、可動子の突条
が回転子の係止部に係合して筆記可能になり、レフィー
ル先端のペン体部が軸筒の先端開口から突出した状態か
らノック操作を行うと、可動子の突条が回転子の係止部
から抜け出して回転子が僅かに回転し、可動子の突条が
回転子の縦溝に沿って相対的に移動してレフィール先端
のペン体部が軸筒内に没入し、また、レフィール先端の
ペン体部が軸筒の先端開口から突出した状態からクリッ
プ先端が径方向に持ち上がると、クリップの係止段部と
可動子の係止突起の係合が解除され、回転子が可動子と
共に後退し、レフィール先端のペン体部が軸筒内に没入
するようにする。 【0007】 【発明の実施の形態】以下に、図面に基づいて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。図1はノック式ボール
ペンを示すが、ボールペンに限られるものではない。図
1において、軸筒10は、合成樹脂で成形された後軸1
1および前軸12からなり、前軸12の先端には、先端
開口15を有する先口13が螺着されている。また、前
軸12の外周には軟質の合成樹脂からなるグリップ14
が配置されている。後軸11の尾端部には、クリップ4
0の円筒固定部43が固定されている。つまり、さきぐ
ち13と円筒固定部43は軸筒10の一部を構成してい
る。クリップ40と対面する位置の軸筒10に縦長の窓
孔16が形成されている。 【0008】かかる軸筒10内に、ボールペンレフィー
ル20がコイルスプリング26で尾端側に弾発された状
態で前後動可能に収容されている。ボールペンレフィー
ル20のインキ収容管21の先端開口に継手22が嵌着
され、継手22の中心孔にボールペンチップであるペン
体部23が嵌着されている。インキ収容管21内にはイ
ンキIが充填され、インキIの後端にはグリース状の逆
流防止体25が配置されている。 【0009】インキIは、着色剤である顔料または染
料、樹脂、増粘剤、水溶性溶剤を含み、必要に応じて分
散剤、防腐剤などを含有し、静的には高い粘性を有し、
筆記時のボールの回転により粘性が低下するゲルインキ
である。このインキIの粘度は20mPa・s以上であ
る。また、逆流防止体25は、ポリブデン、シリコーン
オイル、鉱物油などを主成分とし、シリカゲル、金属石
鹸などで適度に増粘させたものである。 【0010】ペン体部23はステンレスにて砲弾型に成
形されたものであり、ペン体部23先端のボールハウス
内に、例えば外径が0.5mmであり、超硬合金からな
るボール24が回転自由に抱持されている。ペン体部2
3内には小さなスプリング(図示せず)が配置されてお
り、ボール24はこのスプリングで弾発され、非筆記時
においてペン体部23先端の内向き突起に圧接してい
る。つまり、ボール24とペン体部23先端の内向き突
起により弁機構を構成しており、非筆記時は弁が閉じて
インキがペン体部23先端から流出せず、また、上向き
にしたときも弁が閉じているのでペン体部23先端から
空気が内部に侵入しないようになっている。そして、筆
記時においては、筆圧によりボール24が後退して弁が
開き、インキが流出するようになっている。 【0011】インキ収容管21の尾端部は回転子30内
に差し込まれており、コイルスプリング26の弾発力に
よりインキ収容管21は回転子30に当接している。回
転子30は、図2に示すように、合成樹脂で円筒状に成
形されたものであり、尾端縁に鋸刃状をした尾端カム歯
31が形成され、中腹部には傾斜面が鋸刃状に連続した
前方カム歯32が形成されている。つまり、前方カム歯
32は複数の傾斜面からなり、傾斜面の端部であって縦
壁部33に隣接した部分が係止部35である。また、前
方カム歯32の傾斜面は不連続であり、前方カム歯32
の傾斜面と傾斜面の間に複数本の縦溝34が形成されて
いる。 【0012】可動子60は、図5に示すように、側面に
上ガイド65および下ガイド64が形成され、この上ガ
イド65と下ガイド64が軸筒10の窓孔16の縁部に
嵌め込まれており、可動子60は窓孔16に沿って前後
動可能に配置されている。ここで、可動子60の表面は
軸筒10の表面と同一レベルになっている。可動子60
の裏面には突条61が形成され、表面には係止突起62
が形成されている。また、係止突起62に連続して孔部
63が形成されている。そして、突条61は回転子30
の縦溝34に沿って相対的に移動するようになってい
る。つまり、回転子30は突条61により回転不自由な
状態であり、突条61が縦溝34ないし縦壁部33から
相対的に抜け出すとフリーになって回転子30は回転可
能になる。 【0013】クリップ40の先端部分裏側には、図3に
示すように、挟持突起41が形成されており、挟持突起
41の下向き段が係止段部42である。また、挟持突起
41の下方に一対のガイドリブ44が形成されている。
この挟持突起41は、通常時は可動子60の孔部63に
入り込み、係止段部42が可動子60の係止突起62に
係合している。つまり、通常時においては、可動子60
はクリップ40の係止段部42により窓孔16の下端部
に固定されている。 【0014】ノック棒50は軸筒10の尾端から突出し
た状態で配置されており、図4に示すように、外周面に
ガイド突起52が形成されている。ガイド突起52がク
リップ40の摺動溝45に嵌め込まれ、ノック操作によ
りガイド突起52は摺動溝45に沿って移動する。ノッ
ク棒50の先端には鋸刃状をしたカム歯51が形成され
ており、ノック操作を行うと、カム歯51が回転子30
の尾端カム31と歯合して回転子30に回転力を付与す
るようになっている。 【0015】図6はノック部材50、回転子30、可動
子60の突条61の位置関係とペン体部23の出没状態
の関係を示すが、筆記に際して、ペン体部23が軸筒1
0内に没入した図6(A)の状態からノック部材50を
押圧するノック操作を行うと、回転子30は回転力を付
与された状態で前進するが、突条61が回転子30の縦
溝34にはめ込まれているので回転子30は回転しな
い。更にノック操作を続行すると、図6(B)に示すよ
うに、ペン体部23が軸筒10の先端開口15から突出
すると共に、突条61が縦溝34から抜け出す。従って
回転子30はフリーになって回転力方向に僅かに回転す
る。このとき、突条61は前方カム歯32の傾斜面に沿
って沿って摺動し、突条61が回転子30の縦壁部33
に当接すると共に係止段部42が係止部35に係合し、
図6(C)に示す状態になって筆記可能になる。 【0016】筆記が終了してペン体部23を軸筒10内
に没入させるには、図6(C)に示す状態から再びノッ
ク操作を行えばよい。これにより回転子30が前進し、
突条61が回転子30の縦壁部33を乗り越え、フリー
になった回転子30が僅かに回転する。そして、ノック
操作を解除すると、突条61が縦溝34に沿って相対的
に移動し、図6(A)に示す状態になり没入が完了す
る。以上は回転子30を使用する周知のダブルノック操
作であり、レフィール20先端のペン体部23を軸筒1
0の先端開口15から突出させる操作と筆記終了時に軸
筒10内に没入させる操作が同一であってペン体部23
の出没操作が極めて容易である。 【0017】次に、図7はクリップセーフティ機構の作
動説明図であるが、ペン体部23が軸筒10の先端開口
15から突出した図7(A)の状態で筆記具を誤ってポ
ケットに差し込むと、ポケットの布地が挟持突起41に
当接してクリップ40を持ち上げるのでクリップ40の
係止段部42と可動子60の係止突起62の係合が解除
され、可動子60が回転子30と共に後退してペン体部
23が軸筒10内に没入し、図7(B)に示す状態にな
る。つまり、クリップセーフティ機構が作動する。 【0018】クリップセーフティ機構が作動した筆記具
をポケットから抜き出してノック操作を行うと、図7
(C)に示すように、可動子60および回転子30が前
進し、クリップ40の係止段部42が可動子60の係止
突起62に係合するが、回転子30は更に僅かに前進
し、突条61が縦壁部33を抜けると回転子30が僅か
に回転し、突条61が縦壁部33を乗り越える。そし
て、ノック操作を解除すると、図7(D)に示すよう
に、突条61が縦溝34に沿って相対的に移動し、ペン
体部23が軸筒10内に没入する。つまり、図6(A)
の状態になり、リセットされる。 【0019】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のノック式
筆記具は、縦長の窓孔が形成された軸筒と、軸筒内に尾
端側に弾発された状態で前後動可能に収容されたレフィ
ールと、レフィールと共に前後動し、前方カム歯に複数
個の係止部が形成され、係止部と係止部の間に縦溝が形
成された回転子と、軸筒の尾端開口から突出した状態で
配置され、ノック操作により回転力を付与した状態で回
転子を前進させるノック部材と、軸筒の窓孔に沿って前
後動可能に配置され、裏面に形成された突条が回転子の
縦溝に沿って相対的に移動する可動子と、先端部の挟持
突起に形成された係止段部が可動子の表面に形成された
係止突起に係合するクリップで構成してペン体部の突出
および没入を同じノック操作で行うダブルノック式と
し、ペン体部が軸筒の先端開口から突出した状態からク
リップ先端が持ち上がると、可動子が回転子と共に後退
し、ペン体部が軸筒内に没入するので、レフィール先端
のペン体部を軸筒の先端開口から突出させる操作と筆記
終了時に軸筒内に没入させる操作が同じであって使い易
く、クリップセーフティ機構を備えた構造が簡単なノッ
ク式筆記具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の断面図である。
【図2】(A)は回転子の平面図、(B)は正面図であ
る。 【図3】クリップの断面図である。 【図4】ノック部材の正面図である。 【図5】(A)は可動子の平面図、(B)は背面図、
(C)は正面図、(D)は側面図である。 【図6】ノック操作の作動説明図である。 【図7】リクップセーフティ機構の作動説明図である。 【符号の説明】 10 軸筒 11 後軸 12 前軸 13 先口 15 先口の先端開口 16 窓孔 20 ボールペンレフィール 21 インキ収容管 22 継手 23 ペン体部 24 ボール 25 逆流防止剤 26 コイルスプリング 30 回転子 31 尾端カム歯 32 前方カム歯 33 縦壁部 34 縦溝 35 係止部 40 クリップ 41 挟持突部 42 係止段部 43 円筒固定部 44 ガイドリブ 45 摺動溝 50 ノック棒 51 カム歯 52 ガイド突起 60 可動子 61 突条 62 係止突起 63 孔部 64 下ガイド 65 上ガイド
る。 【図3】クリップの断面図である。 【図4】ノック部材の正面図である。 【図5】(A)は可動子の平面図、(B)は背面図、
(C)は正面図、(D)は側面図である。 【図6】ノック操作の作動説明図である。 【図7】リクップセーフティ機構の作動説明図である。 【符号の説明】 10 軸筒 11 後軸 12 前軸 13 先口 15 先口の先端開口 16 窓孔 20 ボールペンレフィール 21 インキ収容管 22 継手 23 ペン体部 24 ボール 25 逆流防止剤 26 コイルスプリング 30 回転子 31 尾端カム歯 32 前方カム歯 33 縦壁部 34 縦溝 35 係止部 40 クリップ 41 挟持突部 42 係止段部 43 円筒固定部 44 ガイドリブ 45 摺動溝 50 ノック棒 51 カム歯 52 ガイド突起 60 可動子 61 突条 62 係止突起 63 孔部 64 下ガイド 65 上ガイド
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 縦長の窓孔が形成された軸筒と、軸筒内
に尾端側に弾発された状態で前後動可能に収容されたレ
フィールと、レフィールと共に前後動し、前方カム歯に
複数個の係止部が形成され、係止部と係止部の間に縦溝
が形成された回転子と、軸筒の尾端開口から突出した状
態で配置され、ノック操作により回転力を付与した状態
で回転子を前進させるノック部材と、軸筒の窓孔に沿っ
て前後動可能に配置され、裏面に形成された突条が回転
子の縦溝に沿って相対的に移動する可動子と、先端部の
挟持突起に形成された係止段部が可動子の表面に形成さ
れた係止突起に係合するクリップからなり、 レフィール先端のペン体部が軸筒内に没入した状態から
ノック操作を行うと、回転子が回転力を付与された状態
で前進し、可動子の突条が回転子の縦溝から抜け出すと
レフィール先端のペン体部が軸筒の先端開口から突出す
るとともに回転子が僅かに回転し、可動子の突条が回転
子の係止部に係合して筆記可能になり、 レフィール先端のペン体部が軸筒の先端開口から突出し
た状態からノック操作を行うと、可動子の突条が回転子
の係止部から抜け出して回転子が僅かに回転し、可動子
の突条が回転子の縦溝に沿って相対的に移動してレフィ
ール先端のペン体部が軸筒内に没入し、 また、レフィール先端のペン体部が軸筒の先端開口から
突出した状態からクリップ先端が径方向に持ち上がる
と、クリップの係止段部と可動子の係止突起の係合が解
除され、回転子が可動子と共に後退し、レフィール先端
のペン体部が軸筒内に没入することを特徴とするノック
式筆記具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002009396A JP3730574B2 (ja) | 2002-01-18 | 2002-01-18 | ノック式筆記具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002009396A JP3730574B2 (ja) | 2002-01-18 | 2002-01-18 | ノック式筆記具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003211894A true JP2003211894A (ja) | 2003-07-30 |
JP3730574B2 JP3730574B2 (ja) | 2006-01-05 |
Family
ID=27647409
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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JP (1) | JP3730574B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-01-18 JP JP2002009396A patent/JP3730574B2/ja not_active Expired - Fee Related
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