JP2003211396A - マイクロマシーン - Google Patents

マイクロマシーン

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JP2003211396A JP2002011650A JP2002011650A JP2003211396A JP 2003211396 A JP2003211396 A JP 2003211396A JP 2002011650 A JP2002011650 A JP 2002011650A JP 2002011650 A JP2002011650 A JP 2002011650A JP 2003211396 A JP2003211396 A JP 2003211396A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産性があって、欠陥が少なく、信頼性の高
いマイクロマシーンおよびその作製法を得る。 【解決手段】 ニッケルの硫黄化合物微粒子を触媒と
し、高温下で炭化水素ガスを導入し、特定方向に電界を
かけながら、化学的気相成長法によってカーボンナノチ
ューブを作製する。触媒11は基板10上に種々の方法
で微粒子化させることによって、欠陥が少なく直線性の
よいカーボンナノチューブ4が得られる。さらに、保持
材5によりカーボンナノチューブ4を被覆して梁6と
し、両端もしくは一端をリブ3に固定し、中間に可動電
極7を固着させ、基板1上の固定電極2と対向させる。
そのため可動電極7と固定電極2間に電圧を印加し静電
引力によって可動電極7を駆動した場合にも、梁6は可
動電極7とリブ3から外れない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素原子からなる分子の
特異構造であるカーボンナノチューブを用いたマイクロ
マシーンおよび、その作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年炭素系の新材料としてカーボンナノ
チューブが注目されている。カーボンナノチューブは炭
素原子からなるグラファイトシートを丸めた円筒が1
個、または数個〜数十個を入れ子状に配列した繊維状構
造を有し、その直径はナノメートル(nm)オーダーと
極めて小さく、軸方向の大きさ(カーボンナノチューブ
の長さ)は、μmオーダーにも達し、非常にアスペクト
比(長さ/直径比)の大きい材料である。カーボンナノ
チューブの側面は炭素原子のSP2混成軌道のみからな
るため、ダングリングボンドが無く化学的に安定であ
り、シームレス構造を実現しているため、大きな弾性力
とチューブ軸方向への大きな引張強度が期待できる。さ
らにカーボンナノチューブはカイラリティーや直径に依
存して金属的特性から半導体的特性まで幅広い電気的特
性を持つ。このようにカーボンナノチューブは種々のユ
ニークな特性をもつことから、新しい炭素材料として産
業上への応用が期待されている。
【0003】カーボンナノチューブの弾性力はM.M.Trea
cyらによって測定されており、アーク放電法による多層
カーボンナノチューブのヤング率は平均で1.8TPa
となり、現在のマイクロマシーンに広く使われているSi
(111)、Si(100)、SiO2、Si3N 4と比較してほぼ1桁大き
なヤング率を持つことが判っている。(M.M.Treacy, T.
W.Ebbesen and J.M.Gibson,Nature,vol.381,678(1996)
参照)。カーボンナノチューブの軸方向の引っ張り強度
はB.I.Yakobsonによって理論計算が行われており、単層
カーボンナノチューブでは破断するまでに30%以上伸
長することが報告されている。(B.I.Yakobson and J.B
ernholc et al., Comp.Mater. Sci.,vol.8,341(1997)参
照)このような機械的物性からカーボンナノチューブは
特にマイクロマシーンへの応用が期待できる。例えば従
来ポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シ
リコン酸窒化膜等のSi系材料や、金属、合金で作られて
いた片持ち梁や両持ち梁へカーボンナノチューブを用い
ると、大きなヤング率や引張強度から高耐久の梁が実現
できる可能性がある。
【0004】実際にカーボンナノチューブを マイクロ
マシーンに応用した例としては以下の報告がある。ナノ
ピンセット(P.Kim,C.M.Lieber,Science,vol.286,2148
(1999)参照)、機械的スイッチ(T.Rueckes,C.M.Lieber
et al.,Science,vol.289,94(2000)参照)、ナノベアリ
ング(J.Cumings and A.Zettl,Science,vol.289,602(20
00)参照)がある。カーボンナノチューブと高分子樹脂
との複合材を用いた例としては、フィルムアクチュエー
ター(R.H.Baughman,M.Kertesz et al., Science,vol.2
84,1344(1999)参照)がある。特開平6−69494で
は炭素原子をトーラス状、らせん状に配置してメモリや
ばねとして利用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらナノピン
セット、機械的スイッチ、ナノベアリングはカーボンナ
ノチューブのnmサイズという特徴を生かして微細な機
械的要素を作ったものであり、カーボンナノチューブの
大きなヤング率や引張強度を積極的に利用したものでは
なかった。一方フィルムアクチュエーターは、カーボン
ナノチューブのシートをテープで保持して取り扱いを容
易にしたものであるが、複合材を数μm〜数10μm幅の梁
に加工することは容易ではなく、微細なマイクロマシー
ンには適用しにくい。R.H.Baughmanらの方法による複合
材はマイクロマシーン作製に広く用いられているシリコ
ンプロセスとは異なる方法で作製されるため、前記の複
合材作製プロセスをマイクロマシーニングプロセスに組
み込むことは容易ではない。このようにカーボンナノチ
ューブの機械的物性を十分に利用したマイクロマシーン
は実現されておらず、特にマイクロマシーンの梁に応用
したものは皆無であった。
【0006】次にカーボンナノチューブをマイクロマシ
ーンの梁に適用する場合の課題を述べる。カーボンナノ
チューブはアーク放電法、レーザーアブレーション法、
化学的気相成長法(以下CVD法と略す)によって合成
される。アーク放電法、レーザーアブレーション法によ
って作製されたカーボンナノチューブは不純物が多く、
ランダムな方向を向いたまま凝集した形で得られる。そ
のため梁として用いる場合、つまりマイクロマシーンの
任意の位置に、或る方向でカーボンナノチューブを配置
するためには、カーボンナノチューブの精製、配向、マ
ニュピレーションが必要になる。カーボンナノチューブ
を精製する方法としては遠心分離法(S.Bandow,J.Appl.P
hys.,vol.80,1020(1996)参照)や限外ろ過法(S.Bandow,
A.M.Rao et al.,J.Phys.Chem.,vol.101,8839(1996)参
照)等が知られており、これらの方法によって液体中に
分散したカーボンナノチューブを得ることができる。
【0007】カーボンナノチューブを配向させる方法と
しては、例えば中山らによって提案された電気泳動法を
用いることができる。精製したカーボンナノチューブを
イソプロピルアルコールに分散させた後、一対の電極を
分散液に浸漬して電圧を印加すると、陰極上に配向した
カーボンナノチューブアレイが得られる(K.Yamamoto,
Y.Nakayama et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,vol.35,L917(199
6)参照)。陰極上のカーボンナノチューブアレイはカー
ボンナノチューブのマニュピレーション工程でカーボン
ナノチューブカートリッジとして用いることができる。
マニピュレーターを持つ走査型電子顕微鏡中にカーボン
ナノチューブカートリッジを置き、走査型電子顕微鏡で
カーボンナノチューブを観察しながらマニュピレーター
によってカーボンナノチューブを捕捉しマイクロマシー
ンの任意の位置に運ぶことによって微細な梁を作製する
ことが可能となる。電子顕微鏡の代わりにSTM探針を
用いてカーボンナノチューブを配置しても良い。
【0008】しかしながら、電子顕微鏡やSTMを用い
る方法は、カーボンナノチューブを1本単位で確認でき
正確な位置に配置することが可能であるが、作業に熟練
を要しかつ非常に時間がかかることから、量産性に乏し
く、マイクロマシーン作製に広く用いられているシリコ
ンプロセスへは適用が困難である。電子顕微鏡やSTM
を用いてマイクロマシーンの任意の位置にカーボンナノ
チューブを配置しても、カーボンナノチューブとマイク
ロマシーンはvan der Waals力で結合しているだけなの
で密着力が小さく、可動電極に大きな荷重がかかるとカ
ーボンナノチューブがマイクロマシーンから外れてしま
い、高耐久の梁を作製することは困難である。
【0009】一方、CVD法では近年の研究の進展によ
り、任意の方向に配向を揃え高純度でカーボンナノチュ
ーブを成長させることができる。例えばY.ChenらはDCプ
ラズマを加えたHot-filament CVD法によってニッケ
ル基板に垂直と45度の方向にカーボンナノチューブを
成長させた(Y.Chen,D.T.Shaw,Appl.Phys.Lett.,vol.7
6,2469(2000)参照)。C.Bowerらはマイクロ波CVD法
によってCo薄膜を形成した基板上に垂直に配向したカー
ボンナノチューブを成長させた(C.Bower,W.Zhuet al.,
Appl.Phys.Lett.,vol.77,830(2000)参照)。しかしなが
ら彼らが作製したカーボンナノチューブは著しく密集し
た状態で得られるため、そのままでは梁として用いるこ
とができず、やはり電子顕微鏡やSTMを用いてカーボ
ンナノチューブをマニュピュレーションしてマイクロマ
シーンの任意の位置に配置する必要があり、量産性に乏
しい。加えてカーボンナノチューブとマイクロマシーン
の固着力の問題は依然解決されていない。
【0010】CVD法では触媒金属を微粒子化して基板
の任意の位置から1〜数本のカーボンナノチューブを基
板から垂直に成長させることも可能となっている。江刺
らはリソグラフィー/エッチングによってニッケル触媒
の大きさを100nm程度にすることによって基板から
垂直にニッケルドットから1〜数本のカーボンナノチュ
ーブを成長させた(宮下,小野,江刺,信学技報,ED2000-2
04,69(2000)参照)。この方法ではカーボンナノチュー
ブの一端は基板に付着していることから、片持ち梁に適
していると思われる。しかしながら一般的にCVD法の
カーボンナノチューブは超音波振動等の外力で基板から
容易に離脱することが知られており、CVD法によるカ
ーボンナノチューブは基板との密着力はvan der Waals
力よりも大きいと予想されるが、高耐久なマイクロマシ
ーンの梁に適用するには不充分であった。
【0011】加えてCVD法によるカーボンナノチュー
ブはアーク放電法、レーザーアブレーション法で得られ
たカーボンナノチューブよりもヤング率が小さいという
問題がある。Z.W.Panらの報告ではHot-filament CVD
法による多層カーボンナノチューブのヤング率は0.45±
0.23TPaとなっており、シリコン系材料の1〜4倍程度に
過ぎない。CVD法によるカーボンナノチューブは欠陥
が多いため、ヤング率が低下したと予想されている(Z.
W.Pan et al.,Appl.Phys.Lett.,vol.74,3152(1999)参
照)。そのためCVD法によるカーボンナノチューブを
梁として用いた場合、アーク放電法、レーザーアブレー
ション法で作製されたカーボンナノチューブと同等の強
度を持つ梁を実現することは困難であった。
【0012】特開2001−62299には触媒金属を
微粒子化する方法として、金属もしくは金属化合物を溶
解した乳濁液から、還元法により触媒超微粒子を生成さ
せた懸濁液を得る方法、および、得られた懸濁液を基板
に塗布する種々の方法が示されている。特開2001−
48512にはプラズマCVD法により、Ni、Fe、Coの
内の1つまたはこれらの金属の少なくとも2種類からな
る合金の基板表面に対して垂直にカーボンナノチューブ
を配向させる方法が示されている。
【0013】これらの方法は1本のカーボンナノチュー
ブを任意の位置に配置できることから、マイクロマシー
ンの構造材に用いる場合に適した方法である。しかしな
がらアーク放電法、レーザーアブレーション法で得られ
たカーボンナノチューブよりヤング率が小さいという問
題は依然として解決されておらず、高強度な構造材を実
現することは困難であった。また欠陥が多いことから、
構造材の耐久性が低下する懸念もあり、高信頼のマイク
ロマシーンを作製できなかった。
【0014】以上のような課題に鑑み、本願の請求項1
に係わる発明の目的は、Si系材料、金属、合金等の従来
の梁よりも機械的強度が大きく、耐久性の良いマイクロ
マシーンの構造を提供することである。請求項2に係わ
る発明の目的は、シリコンプロセスに僅かなプロセスを
付加することでカーボンナノチューブを梁の構成材とし
たマイクロマシーンを製造可能にするマイクロマシーン
の構造を提供することである。
【0015】請求項3に係わる発明の目的は、幅広の梁
において機械的強度の大きい梁を実現できるマイクロマ
シーンの構造を提供することである。請求項4に係わる
発明の目的は、カーボンナノチューブを構成材とする梁
と可動電極との固着力を更に大きくできるマイクロマシ
ーンの構造を提供することである。
【0016】請求項5、6、7に係わる発明の目的は、
Si系材料、金属、合金等の従来の梁よりも機械的強度が
大きく、耐久性の良いマイクロマシーンを比較的安価に
作製することができる作製方法を提供することである。
請求項8、9に係わる発明の目的は、カーボンナノチュ
ーブを構成材とする梁の機械的強度を改善できるマイク
ロマシーンの作製方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本願の請求項1の発明では、リブ上の梁によって架橋さ
れる可動電極と、該可動電極と所定の空隙を持って配置
される固定電極からなるマイクロマシーンにおいて、梁
はカーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆
する保持材からなり、かつ梁の長手方向にカーボンナノ
チューブが配向していることを特徴とする。請求項2の
発明では、請求項1に記載のマイクロマシーンにおい
て、前記の保持材がポリシリコン、シリコン酸化膜、シ
リコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の内の少
なくとも1つからなることを特徴とする。
【0018】請求項3の発明では、請求項1または2に
記載のマイクロマシーンにおいて、前記の梁の短手方向
に複数のカーボンナノチューブがあることを特徴とす
る。請求項4の発明では、請求項1、2または3に記載
のマイクロマシーンにおいて、前記の保持材と可動電極
が一体であることを特徴とする。
【0019】請求項5の発明では、請求項1または2に
記載のカーボンナノチューブの作製方法において、梁の
一端を配置する領域に予め触媒層を設け、炭化水素ガス
を供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しなが
ら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可
動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチ
ューブを保持材で被覆し、更にカーボンナノチューブを
長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成するこ
とを特徴とする。請求項6の発明では、請求項3に記載
のマイクロマシーンの作製方法において、梁の一端を配
置する領域に予め触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し
可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的
気相成長法によって複数のカーボンナノチューブを可動
電極とほぼ平行に成長させ、その後、複数のカーボンナ
ノチューブを保持材で被覆し、更に複数のカーボンナノ
チューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を
形成することを特徴とする。
【0020】請求項7の発明では、請求項4に記載のマ
イクロマシーンの作製方法において、梁の一端を配置す
る領域に予め触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動
電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相
成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ
平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持
材で被覆し、更に、カーボンナノチューブを長手方向に
含むように保持材を加工して梁と可動電極を同時に形成
することを特徴とする。
【0021】請求項8の発明では、請求項5〜7のいず
れか一つに記載のマイクロマシーンの作製方法におい
て、前記の触媒層がニッケルの硫黄化合物からなること
を特徴とする。請求項9の発明では、請求項8に記載の
マイクロマシーンの作製方法において、前記の触媒層が
Ni3S2からなることを特徴とする。
【0022】
【実施例】以下に実施例に従って本発明を説明する。本
発明のマイクロマシーンの一例を図1、2に示す。図1
は本例のマイクロマシーンの斜視図であり、図2(a)
は本例のマイクロマシーンの正面図、(b)はA-A'断面
での上面図、(c)はB-B'断面での側面図である。基板
1の表面に固定電極2があり、基板1の固定電極の両側
にはリブ3が形成されている。リブ3上にはカーボンナ
ノチューブ4とカーボンナノチューブ4を被覆する保持
材5からなる梁6が形成されており、梁6は可動電極7
を架橋し、可動電極7と固定電極2間には、マイクロマ
シーンの動作に適した所定の間隔の空隙8を形成してい
る。カーボンナノチューブ4は梁6の長手方向に配向し
ている。可動電極7の表面のうち、固定電極2と対向す
る面には金属層9が設けられている。
【0023】本構造を採用すると、梁6はカーボンナノ
チューブ4を被覆する保持材5によって可動電極7とリ
ブ3の両方に接触するので、保持材5を可動電極7及び
リブ3に固定することによって、梁6がリブ3及び可動
電極7に強固に固着される。そのため可動電極7と固定
電極2間に電圧を印加し静電引力によって可動電極7を
駆動した場合にも、カーボンナノチューブ4とカーボン
ナノチューブ4を被覆する保持材5からなる梁6は可動
電極7とリブ3から外れないで可動電極7を架橋し続け
るので、マイクロマシーンの梁として使用できるように
なる。
【0024】カーボンナノチューブ4は引張強度が大き
いため、カーボンナノチューブ4を被覆する保持材5を
マイクロマシーニングで広く用いられるポリシリコン、
シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等
のSi系材料や、金属、合金とした場合、梁6の引張強度
はポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シ
リコン酸窒化膜等のシリコン系材料、金属、合金単体か
らなる梁よりも大きくなる。そのため静電引力によって
梁が撓む場合、同じ歪み割合であればシリコン系材料、
金属、合金単体からなる従来の梁と比較し破断しにくく
なる。その結果従来よりも高耐久なマイクロマシーンを
実現できる。
【0025】次に本例の梁6に用いられるカーボンナノ
チューブ4について説明する。カーボンナノチューブは
グラファイトシートを丸めた円筒状の形状をしている。
カーボンナノチューブの大きさは作製法によって異なる
が、1個のグラファイトシートの円筒からなる単層カー
ボンナノチューブでは、直径が0.4〜5nm、円筒の長さ
は数10nm〜数μmとなっており、複数のグラファイト
シートの円筒が入れ子状の構造を持つ多層カーボンナノ
チューブでは、直径が数nm〜100nm、円筒の長さは1
00nm〜数100μm程度になっており、繊維状の形状をし
ている中空物質である。
【0026】カーボンナノチューブはアーク放電法やレ
ーザーアブレーション法、CVD法等によって作製され
るが、前述のようにCVD法を用いると、 1.不純物の少ないカーボンナノチューブが得られる、 2.金属触媒の位置によってカーボンナノチューブを配
置する位置を決めることができる、 3.配向したカーボンナノチューブが得られる、 4.金属触媒の大きさを制御することによって、1〜数
本のカーボンナノチューブが得られる 等の利点があり、本例の構造を採用するとカーボンナノ
チューブ4と保持材5からなる梁6はマイクロマシーン
から外れにくくなるので、マイクロマシーンの梁を構成
するカーボンナノチューブにはCVD法のカーボンナノ
チューブが適していると考えられる。
【0027】しかしながらCVD法によるカーボンナノ
チューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法
で得られたカーボンナノチューブよりもヤング率が小さ
いため、アーク放電法、レーザーアブレーション法によ
るカーボンナノチューブと保持材からなる梁と同等の強
度を持つ梁をCVD法によるカーボンナノチューブで実
現することは本例の構造を採用するだけでは困難であっ
た。そこでカーボンナノチューブの欠陥を抑制すること
によってカーボンナノチューブの機械的物性が改善でき
ると考え、CVD法の検討を行った結果、ニッケルの硫
黄化合物からなる触媒層を用いたCVD法によってカー
ボンナノチューブを作製すると欠陥を低減できることを
見出した。
【0028】本発明のマイクロマシーンに適したカーボ
ンナノチューブの作製方法の例を図3に示す。 (a)シリコンからなるリブ基板10上にポジレジスト
を塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて10〜50
nmのホールを描画して現像/ポストベークを行い、ホ
ールパターンを完成させる。その後、ニッケルターゲッ
トとアルゴン及びH2Sを用いた反応性スパッタリング法
によってニッケルの硫黄化合物からなる薄膜を厚さ5〜1
0nmで成膜し、その後、レジストをリフトオフして、
リブ基板10上に大きさが10〜50nmの触媒層11を形
成する。
【0029】(b)その後、触媒層11を形成したリブ
基板10を電気炉12で囲まれ、直流電界が印加できる
石英からなる筒状の反応容器13に置き、リブ基板10
とほぼ平行な方向に電界14を印加してメタン、エチレ
ン、アセチレン等の炭化水素ガス15を導入して600〜1
100℃の温度でCVD法を行う。 (c)触媒層は10〜50nmの微粒子になっているため、
触媒層から1本のカーボンナノチューブ4が成長する。
電界14が印加されているため電界14に沿って、つま
りリブ基板10と平行な方向にカーボンナノチューブ4
は成長する。カーボンナノチューブ4の先端や根元には
微粒子化された触媒層が残っている。図3ではカーボン
ナノチューブ4の先端に触媒層が残っている。
【0030】(d)その後、炭化水素ガス15の導入を
停止し、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガスを導
入して基板を100〜300℃まで冷却し、カーボンナノチュ
ーブ4が成長したリブ基板10を反応容器13から取り
出す。上記の方法で作製したカーボンナノチューブ4を
走査型電子顕微鏡で観察すると、Fe、Ni、Co等の触媒微
粒子を用いた従来のCVD法によるカーボンナノチュー
ブよりも直線性が良かった。また、上記のカーボンナノ
チューブ4をイソプロピルアルコールに分散し、その
後、マイクログリッドを浸漬してカーボンナノチューブ
4を付着させ、透過型電子顕微鏡で観察すると、従来の
CVD法で成長させたカーボンナノチューブよりも側面
のグラファイト化が進行しており、本方法によって作製
されるカーボンナノチューブ4は従来のCVD法による
カーボンナノチューブより欠陥が少ないことが判った。
【0031】本方法によりカーボンナノチューブの欠陥
が低減される理由は完全には明確になっていないが、ニ
ッケル(Ni)と硫黄(S)の相図(図4参照)から次の
ことが推測される。ニッケル微粒子を触媒として用いる
と、バルクのニッケル金属の融点が1455℃であるため、
従来の熱CVD法の温度(600〜1100℃程度)では多結
晶の状態になっていると推測される。多結晶の各面は触
媒活性が異なることから、複数の面から成長する1枚の
グラファイトシートでは成長速度に異方性を持つ。カー
ボンナノチューブの側面は六員環で構成されるが、グラ
ファイトシート面内で成長速度に異方性が生じると、五
員環や七員環が入り、カーボンナノチューブがカールし
て直線性が低下する。カールした箇所は歪みが大きいの
で欠陥が入りやすくなる。よってニッケルを触媒とした
場合は、従来のCVD法の温度では欠陥が入りやすかっ
た。
【0032】一方、ニッケルに硫黄を含有させるとニッ
ケルの硫黄化合物(NiXSYと略す)の融点が低下し、硫
黄が33atom%で極小(融点620℃)となる。膜厚が10nm
程度以下の場合、金属の融点が低下することが知られて
いる。よって硫黄の含有と薄膜の効果により、NiXSY
合物はニッケル金属よりも融点が著しく低下していると
考えられる。そのため本例のNiXSY化合物では、CVD
時の加熱により触媒層が多結晶状態を維持できなくな
り、半溶融状態、アモルファス状態ないし液体状態にな
ったと推測される。その結果NiXSY微粒子表面上では触
媒活性の異方性が低減し、グラファイトシートの成長速
度が等方的になり、グラファイトシートの直線性が向上
してカーボンナノチューブの欠陥が少なくなったと考え
られる。
【0033】ニッケル金属を用いた場合も触媒微粒子を
液体化することは、融点つまり1450℃近くまでCVD時
の温度を上げることによって可能になるが、触媒微粒子
の凝集が進みカーボンナノチューブ作製に適さない大き
さになり、カーボンナノチューブの収率が著しく小さく
なる。また1450℃では炭化水素ガスが気相で激しく分解
し、無触媒反応によってアモルファスカーボン等として
多量に堆積するため、カーボンナノチューブの純度が著
しく低下する。よってニッケル微粒子を触媒に用いた場
合は、欠陥の少ないカーボンナノチューブを高純度で得
ることは不可能である。
【0034】NiXSY化合物を触媒に用いる場合も、触媒
微粒子を半溶融状態、アモルファス状態、液体状態にす
るためには、微粒子化時やCVD時の温度、NiXSY化合
物の硫黄の含有量を適切に選ぶ必要があるが、硫黄が30
〜45atom%であれば、NiXSY化合物の融点は極小付近にな
っているので、従来のCVD法の温度に広く適用でき
る。ただし硫黄が上記の範囲以外であってもCVD時の
温度を適切に選ぶことにより従来よりも欠陥の少ないカ
ーボンナノチューブを得ることができるので、上記の硫
黄の含有量の範囲に本発明は限定されず、電子線回折や
XMA等の分析手法によってカーボンナノチューブに付い
ている微粒子化した触媒層に硫黄が検出される場合は本
発明に含まれるものとする。
【0035】以上のように上記の方法で作製されるカー
ボンナノチューブは従来のCVD法によるカーボンナノ
チューブよりも欠陥が低減しており、1個のドット化さ
れた触媒層から1本のカーボンナノチューブが成長して
おり、更に電界の向きに沿ってカーボンナノチューブが
成長しているので、マイクロマシーンの梁の構成材料に
適している。なお、図3では熱CVD法を例に取り説明
を行ったが、カーボンナノチューブの成長は熱CVD法
に限定される必要は無く、DCプラズマCVD法やマイク
ロ波プラズマCVD法、Hot-filament CVD法等の他
の手法を用いても何ら構わない。
【0036】次に、本例のマイクロマシーンの作製方法
の例を図5に従って述べる。 (a)SOI基板からなるリブ基板10上にポジレジスト
を塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて40nm
のホールを描画して現像/ポストベークを行い、ホール
パターンを完成させた。その後、ニッケルターゲットと
アルゴン及びH2Sを用いた反応性スパッタリング法によ
ってニッケルの硫黄化合物(以後NixSyと記述する)か
らなる薄膜を厚さ8nmで成膜し、その後、レジストを
リフトオフして、リブ基板10上に大きさが40nmの触
媒層11を形成した。触媒層11を形成する位置は後述
の(c)の工程で形成する梁6の端部としておく。
【0037】(b)次に、リブ基板10を直流電界が印
加できる熱CVD装置に置き、リブ基板10とほぼ平行
な方向に電界を印加してメタンとヘリウムを導入して95
0℃の温度でカーボンナノチューブ4を作製した。後述
の(d)の工程でリブ基板10のうちカーボンナノチュ
ーブ4を形成した面側を用いて可動電極7を形成するこ
とから、リブ基板10とほぼ平行な電界とは可動電極7
とほぼ平行な電界を指している。NixSy触媒によるカー
ボンナノチューブ4はtip-growthによって成長するた
め、カーボンナノチューブ4の合成中にリブ基板10と
ほぼ平行な方向に電界を印加すると、NixSy触媒は電界
に引かれてリブ基板上を移動する。触媒層11の大きさ
は100nm以下であるため、NixSy触媒からは1本のカー
ボンナノチューブ4が成長する。その結果、リブ基板1
0上には電界の方向に沿って1本のカーボンナノチュー
ブ4が成長し、後述の(d)の工程で可動電極7に形成
されるべきリブ基板表面に横になった1本のカーボンナ
ノチューブ4が得られる。
【0038】(c)その後、カーボンナノチューブ4を
覆うように保持材5を形成する。保持材5としてはポリ
シリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン
酸窒化膜、金属、合金の中から少なくとも1つから選ぶ
のが良い。金属、合金は真空蒸着法やスパッタリング
法、メッキ法によって形成すれば良く、ポリシリコン、
シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜は
CVD法やスパッタリング法によって作製される。な
お、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜を用いる場合は
カーボンナノチューブ4の酸化を抑制するため、過度の
酸化雰囲気や高温雰囲気を避ける必要があり、CVD法
よりはスパッタリング法が適している。
【0039】本例ではシリコン窒化膜をCVD法によっ
て厚さ200nmで成膜して、カーボンナノチューブ4を
被覆した。その後、保持材5上にレジストを塗布し、i
線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/
ポストベークを行って梁6のレジストパターンを形成
し、更にCHF3ガスを用いた平行平板電極のリアクティブ
イオンエッチング装置を用いて保持材をエッチングし、
レジストパターンを除去してカーボンナノチューブ4と
保持材5からなる梁6を完成させた。
【0040】(d)その後、リブ基板10の裏面を研磨
して薄くした後、リブ基板10表面にレジストを塗布
し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、
現像/ポストベークを行って可動電極7及びリブ3のレ
ジストパターンを形成し、フッ酸系のエッチング液によ
ってSOI基板のSi層を除去し、引き続きバッファーフッ
酸によってSOI基板のSiO2層を除去し、その後、レジス
トを剥離した。エッチングをウエットエッチングで行う
ため等方的にエッチングが進み、梁6直下のSOI基板も
除去できる。その後、リブ基板10裏面にレジストを塗
布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行
い、現像/ポストベークを行ってリブ3を保護するレジ
ストパターンを形成し、バッファーフッ酸によって可動
電極7のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離し
て、カーボンナノチューブ4とカーボンナノチューブ4
を被覆する保持材5からなる梁6で架橋される可動電極
7(但し金属層は未形成)とリブ3を形成した。その
後、リブ基板10裏面から真空蒸着法やスパッタリング
法によってAl、Cr、Ni等の金属や合金からなる金属層を
成膜し、リソグラフィー/エッチングによって可動電極
7表面に電極となる金属層9を形成して可動電極7を完
成させた。
【0041】(e)別のシリコン基板1上にAl、Cr、Ni等
の金属や合金を真空蒸着法やスパッタリング法によって
成膜し、レジストを塗布後、i線やg線の縮小投影露光装
置露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを
行い固定電極2のレジストパターンを形成した。その
後、金属ないし合金をエッチングし、レジストを剥離し
て固定電極2を完成させた。そして固定電極2を持つシ
リコン基板1とカーボンナノチューブ4を支持するリブ
を熱融着等によって接合して、マイクロマシーンを完成
させた。
【0042】以上のように、梁の一端を配置する領域に
予めニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を設け、炭化
水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印
加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチュ
ーブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボ
ンナノチューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノ
チューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を
形成したマイクロマシーンは、梁が欠陥の少ないカーボ
ンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する保持
材からなるため、従来のシリコン系材料や金属、合金単
体を梁にしているマイクロマシーンと比較して高強度の
梁を実現できる。梁に欠陥が少ないことから梁の耐久性
が向上し、長寿命のマイクロマシーンが実現できる。梁
が保持材によって可動電極、リブに固着されているの
で、可動電極が駆動してもマイクロマシーンから梁が外
れない。
【0043】保持材5をマイクロマシーニングで広く用
いられるポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化
膜、シリコン酸窒化膜等のシリコン系材料や、金属、合
金の内の少なくとも1つにしているので、従来のシリコ
ンプロセスにカーボンナノチューブを作製するためのC
VD法の1工程を加えることによって、カーボンナノチ
ューブが梁の長手方向に配向したマイクロマシーンを作
製できるようになる。カーボンナノチューブを作製する
CVD法もシリコンプロセスのCVD法と大きな違いは
無いことから、シリコンプロセスを基本としてトータル
プロセスを構築することは容易であり、カーボンナノチ
ューブを梁の構成材としたマイクロマシーンの量産性が
改善される。
【0044】さらに、電界を印加したCVD法によって
不純物が少なく、梁を固定したい所に希望の配向で1〜
数本のカーボンナノチューブを成長させることができる
ことから、カーボンナノチューブとカーボンナノチュー
ブを被覆した保持材からなる梁を用いたマイクロマシー
ンを比較的安価に作製することができる。本例は両持ち
梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限定
されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わな
い。
【0045】<実施例2>本発明のマイクロマシーンの
別の例を斜視図として図6に示す。基板表面21に固定
電極22があり、基板表面21の固定電極22の両側に
はリブ23が形成されている。リブ23上には複数のカ
ーボンナノチューブ24とカーボンナノチューブ24を
被覆する保持材25からなる梁26が形成されており、
梁26は可動電極27を架橋し可動電極27と固定電極
22間に所定の間隔の空隙28を形成している。カーボ
ンナノチューブ24は梁26の長手方向に配向してお
り、梁26の短手方向には複数のカーボンナノチューブ
24が並んでいる。可動電極27の表面うち、固定電極
22と対向する面には金属層29(図示せず)が設けら
れている。
【0046】本構造を採用すると、梁26の短手方向に
は複数のカーボンナノチューブ24が並び、かつ保持材
25で複数のカーボンナノチューブ24が被覆されてい
るので、数μm〜数百μm幅の梁26においても、梁26
の幅全体にnmオーダーの直径のカーボンナノチューブ
24を敷き詰めることによって高強度の梁26を実現で
きる。そのため、実施例1よりも幅の広い梁26が得ら
れることから、従来のシリコン系材料や金属、合金単体
で作製された数μm〜数百μm幅の梁を本例の梁26で代
替することが可能となり、従来のマイクロマシーンの耐
久性を改善できる。
【0047】梁26の短手方向に並べるカーボンナノチ
ューブ24の密度、ピッチは梁26に要求される機械的
強度によって決定すれば良い。本例の梁26には実施例
1と同様のカーボンナノチューブ及び保持材が使用でき
る。
【0048】次に本例のマイクロマシーンの作製方法の
一例を述べる。 (a)SOI基板からなるリブ基板上にポジレジストを塗
布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて40nmのホ
ールを一列に200個描画して現像/ポストベークを行い、
ホールパターンアレイを完成させた。 (b)その後、ニッケルターゲットとアルゴン及びH2S
を用いた反応性スパッタリング法によってNixSy化合物
からなる薄膜を厚さ8nmで成膜し、その後、レジスト
をリフトオフして、リブ基板10上に大きさが40nmの
触媒層11のアレイを形成した。触媒層11のアレイは
(d)の工程で形成する梁の端部に一列に形成してお
く。
【0049】(c)次に、リブ基板10を直流電界が印
加できる熱CVD装置に置き、リブ基板10とほぼ平行
な方向に電界を印加してアセチレンとヘリウムを導入し
て700℃の温度でカーボンナノチューブ24を作製し
た。後述の(e)の工程でリブ基板10のうちカーボン
ナノチューブ24を形成した面側を用いて可動電極27
を形成することから、リブ基板10とほぼ平行な電界と
は可動電極27とほぼ平行な電界を指している。その結
果、リブ基板10上には電界の方向に沿って各NixSy
ットからは1本のカーボンナノチューブ24が成長する
ので、後述の(e)の工程で可動電極27に形成される
べきリブ基板表面に横になった複数のカーボンナノチュ
ーブ24が得られる。
【0050】(d)その後、複数のカーボンナノチュー
ブ24を覆うようにスパッタリング法とCVD法を併用
してCr/ポリシリコン/Crの3層からなる保持材25を形
成した。その後、保持材25上にレジストを塗布し、i
線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/
ポストベークを行って梁26のレジストパターンを形成
し、その後、保持材25をリアクティブイオンエッチン
グ装置を用いてエッチングし、レジストパターンを除去
して複数のカーボンナノチューブ24を梁26の短手方
向に並べ、かつ保持材25で被覆した梁26を完成させ
た。
【0051】(e)その後、リブ基板10の裏面を研磨
して薄くした後、リブ基板10表面にレジストを塗布
し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、
現像/ポストベークを行って可動電極27及びリブ23
のレジストパターンを形成し、フッ酸系のエッチング液
によってSOI基板のSi層を除去し、引き続きバッファー
フッ酸によってSOI基板のSiO2層を除去し、その後、レ
ジストを剥離した。保持材25のCrはフッ酸系のエッチ
ング液、バッファーフッ酸に対してバリア層となり、Cr
/ポリシリコン/Crにダメージを与えない。その後、リブ
基板10裏面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投
影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを
行ってリブ23を保護するレジストパターンを形成し、
バッファーフッ酸によって可動電極のSiO2層を除去し、
その後、レジストを剥離して、複数のカーボンナノチュ
ーブ24とカーボンナノチューブ24を被覆する保持材
25からなる梁26で架橋される可動電極27(但し金
属層29は未形成)とリブ23を形成した。保持材25
のCrはバッファーフッ酸に対してバリア層となるので、
Cr/ポリシリコン/Crにダメージを与えない。その後、リ
ブ基板10裏面からスパッタリング法によってAlを成膜
し、リソグラフィー/エッチングによって可動電極27
表面に電極となる金属層29を形成して可動電極27を
完成させた。
【0052】(f)別のシリコン基板21上にスパッタリ
ング法によってAlを成膜し、レジストを塗布後、i線やg
線の縮小投影露光装置露光装置を用いて露光を行い、現
像/ポストベークを行い固定電極22のレジストパター
ンを形成した。その後、Alをエッチングし、レジストを
剥離して固定電極22を完成させた。そして、固定電極
22を持つシリコン基板21とカーボンナノチューブ2
4を支持するリブ23を熱融着等によって接合して、マ
イクロマシーンを完成させた。
【0053】以上のように、梁の一端を配置する領域に
予めニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を設け、炭化
水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印
加しながら化学的気相成長法によって複数のカーボンナ
ノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、
複数のカーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に、
複数のカーボンナノチューブを長手方向に含むように保
持材を加工して梁を形成したマイクロマシーンは、実施
例1よりも幅の広い梁が得られるので、従来のシリコン
系材料や金属、合金単体で作製された数μm〜数百μm幅
の梁を本例の梁で代替することが可能となり、従来のマ
イクロマシーンの耐久性を改善できる。
【0054】本例では熱CVD法を例に取り説明を行っ
たが、カーボンナノチューブの成長はDCプラズマCVD
法やマイクロ波プラズマCVD法、Hot-filament CV
D法等の他の手法を用いても何ら構わない。本例は両持
ち梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限
定されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わな
い。
【0055】<実施例3>本発明のマイクロマシーンの
別の例を斜視図として図7に示す。基板31表面に固定
電極32があり、基板31の固定電極32の両側にはリ
ブ33が形成されている。リブ33上にはカーボンナノ
チューブ34とカーボンナノチューブ34を被覆する保
持材35からなる梁36が形成されており、梁36は可
動電極37を架橋し可動電極37と固定電極間32に所
定の間隔の空隙38を形成している。カーボンナノチュ
ーブ34は梁36の長手方向に配向している。可動電極
37の表面のうち、固定電極32と対向する面には金属
層39(図示せず)が設けられている。カーボンナノチ
ューブ34は図示されていないNi3S2からなる触媒層1
1を用いた炭化水素ガスによるCVD法で作製されてお
り、保持材35は実施例1、2と同様のものが使用され
ている。
【0056】次に、本例のマイクロマシーンの作製方法
の一例を述べる。 (a)SOI基板からなるリブ基板上にポジレジストを塗布
し、その後、電子ビーム露光装置を用いて50nmのホー
ルを描画して現像/ポストベークを行い、ホールパター
ンを完成させた。その後、Aldrich製のNi3S2粉末を粉砕
して数10nmの大きさに微粒子化し、その後、水やイソ
プロピルアルコール等の溶媒を加え超音波振動を与えて
均一に分散した分散液を調整した。分散液には必要に応
じて界面活性剤を添加しても良い。 (b)その後、分散液をリブ基板10に塗布し、100〜1
50℃に加熱して溶媒を蒸発させ、その後、レジストをリ
フトオフして、リブ基板10上にNi3S2からなる触媒層
11を形成した。
【0057】(c)次に、リブ基板10を直流電界が印
加できる熱CVD装置に置き、リブ基板10とほぼ平行
な方向に電界を印加してメタンとヘリウムを導入して90
0℃の温度でカーボンナノチューブ34を作製した。後
述の(e)の工程でリブ基板10のうちカーボンナノチ
ューブ34を形成した面側を用いて可動電極37を形成
することから、リブ基板10とほぼ平行な電界とは可動
電極37とほぼ平行な電界を指している。その結果、リ
ブ基板10上には電界の方向に沿って1本のカーボンナ
ノチューブ34が成長し、後述の(e)の工程で可動電
極37に形成されるべきリブ基板表面に横になった1本
のカーボンナノチューブ34が得られる。
【0058】(d)その後、カーボンナノチューブ34
を覆うようにスパッタリング法とCVD法を併用してCr
/シリコン窒化膜/Crの3層からなる保持材35を形成し
た。その後、保持材35上にレジストを塗布し、i線やg
線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポス
トベークを行って梁36のレジストパターンを形成し、
更に、平行平板電極のリアクティブイオンエッチング装
置を用いて保持材35をエッチングし、レジストパター
ンを除去してカーボンナノチューブと保持材35からな
る梁36を完成させた。
【0059】(e)その後、リブ基板10の裏面を研磨
して薄くした後、リブ基板10表面にレジストを塗布
し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、
現像/ポストベークを行って可動電極37及びリブのレ
ジストパターンを形成し、フッ酸系のエッチング液によ
ってSOI基板のSi層を除去し、引き続きバッファーフッ
酸によってSOI基板のSiO2層を除去し、その後、レジス
トを剥離した。その後、リブ基板10裏面にレジストを
塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を
行い、現像/ポストベークを行ってリブ33を保護する
レジストパターンを形成し、バッファーフッ酸によって
可動電極37のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥
離して、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブ
を被覆する梁で架橋される可動電極37(但し金属層3
9は未形成)とリブ33を形成した。その後、リブ基板
10裏面から真空蒸着法やスパッタリング法によってAl
Siを成膜し、リソグラフィー/エッチングによって可動
電極37表面に電極となる金属層39を形成して可動電
極37を完成させた。
【0060】(f)別のシリコン基板31上にAlSiを真
空蒸着法によって成膜し、レジストを塗布後、i線やg線
の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポスト
ベークを行い固定電極32のレジストパターンを形成し
た。その後、AlSiをエッチングし、レジストを剥離して
固定電極32を完成させた。そして、固定電極32を持
つシリコン基板31とカーボンナノチューブ34を支持
するリブ33を熱融着等によって接合して、マイクロマ
シーンを完成させた。
【0061】以上のように、梁の一端を配置する領域に
予めNi3S2からなるからなる触媒層を設け、炭化水素ガ
スを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しな
がら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを
可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノ
チューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノチュー
ブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成し
たマイクロマシーンは、カーボンナノチューブを作製す
るCVD時にニッケル中の硫黄濃度が40atom%となって
いるので、NiXSY化合物の融点が極小付近となる。その
ため、CVD時の加熱温度が低くても触媒層が半溶融状
態、アモルファス状態ないし液体状態になりやすく、低
温のCVD法によっても欠陥の少ないカーボンナノチュ
ーブを得ることができる。
【0062】ニッケルの硫黄化合物のうちNi3S2は安定
相になっているので、ニッケルの硫黄化合物を合成する
際に硫黄の含有率を均一にしやすい。そのため組成の均
一な触媒層を形成できる。加えてNi3S2は水や一般的な
有機溶媒に不溶なことから、Ni3S2を水や有機溶媒に分
散し、分散液を基板に塗布し、その後、溶媒を蒸発させ
る等のウエットプロセスで簡便に触媒層を作製できる。
そのため、触媒層を形成するための反応性スパッタ装置
や真空蒸着装置が不要となり、低コストで欠陥の少ない
カーボンナノチューブを作製できる。Ni3S2粉末は市販
もされているので、分散液を調整するのに便利である。
その結果、梁の機械的強度を実施例1よりも更に大きく
でき、かつ低コストでマイクロマシーンを作製できる。
Ni3S2を触媒層に用いる場合、不純物として他の組成の
ニッケルの硫黄化合物が含まれる場合があるが、主成分
がNi3S2である場合は本発明に含まれるものとする。
【0063】本例では熱CVD法を例に取り説明を行っ
たが、カーボンナノチューブの成長はDCプラズマCVD
法やマイクロ波プラズマCVD法、Hot-filament CV
D法等の他の手法を用いても何ら構わない。本例は両持
ち梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限
定されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わな
い。
【0064】<実施例4>本発明のマイクロマシーンの
別の例を図8、9に示す。図8は本例のマイクロマシー
ンの斜視図であり、図9(a)は本例のマイクロマシー
ンの正面図、(b)はA-A'断面での上面図、(c)はB-B'
断面での側面図である。基板41表面に固定電極42が
あり、基板41の固定電極42の両側にはリブ43が形
成されている。リブ43上にはカーボンナノチューブ4
4とカーボンナノチューブ44を被覆する保持材45か
らなる梁46が形成されており、梁46は可動電極47
を架橋し可動電極47と固定電極42間に所定の間隔の
空隙48を形成している。保持材45と可動電極47は
一体となっている。カーボンナノチューブ44は梁46
の長手方向に配向している。
【0065】保持材45と可動電極47が一体である構
造を採用すると、保持材45と可動電極47との固着力
が更に向上するので、可動電極47と固定電極42間に
電圧を印加し静電引力によって可動電極47を駆動した
場合に、カーボンナノチューブ44とカーボンナノチュ
ーブ44を被覆する保持材45からなる梁46は可動電
極47から更に外れにくくなるので、マイクロマシーン
の耐久性が更に向上する。梁46を可動電極47と一体
化することによって、可動電極47をフォトリソ/エッ
チングで形成する際に同時に梁46を形成できることか
ら、梁46のフォトリソ/エッチング工程を別個に設け
る必要が無くなり、より安価にマイクロマシーンを作製
できる。
【0066】次に、本例のマイクロマシーンの作製方法
の一例を図10に従って説明する。 (a)表面を100nm熱酸化したSi基板からなるリブ基
板50上にポジレジストを塗布し、その後、電子ビーム
露光装置を用いて直径40nmのホールを描画して現像/
ポストベークを行い、ホールパターンを完成させた。そ
の後、ニッケルターゲットとアルゴン及びH2Sを用いた
反応性スパッタリング法によってニッケルの硫黄化合物
(以後NixSyと記述する)からなる薄膜を厚さ8nmで成
膜し、その後、レジストをリフトオフして、リブ基板5
0上に大きさが40nmの触媒層51を形成した。触媒層
51を形成する位置は後述の(d)の工程で形成する梁
の端部としておく。
【0067】(b)次に、リブ基板50を直流電界が印
加できる熱CVD装置に置き、リブ基板50とほぼ平行
な方向に電界を印加してエチレンとアルゴンを導入して
720℃の温度でカーボンナノチューブ44を作製した。
後述の(d)の工程でリブ基板50上の保持材45を用
いて可動電極47を形成することから、リブ基板50と
ほぼ平行な電界とは可動電極47とほぼ平行な電界を指
している。その結果、リブ基板50上には電界の方向に
沿って1本のカーボンナノチューブ44が成長し、後述
の(d)の工程で可動電極47に形成されるべきリブ基
板表面に横になった1本のカーボンナノチューブ44が
得られる。 (c)その後、カーボンナノチューブ44を覆うように
金属、合金からなる保持材を形成する。本例ではスパッ
タリング法によってAlSiを成膜して、カーボンナノチュ
ーブ44を被覆した。
【0068】(d)その後、リブ基板50の裏面を研磨
して薄くした後、リブ基板50の裏面にレジストを塗布
し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行
い、現像/ポストベークを行ってリブ43のレジストパ
ターンを形成し、その後、CF4とH2ガスを用いたケミカ
ルドライエッチング装置を用いてリブ43を形成した。
その後、保持材45上にレジストを塗布し、i線やg線の
縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベ
ークを行って可動電極47及び梁46のレジストパター
ンを形成し、リン酸/酢酸系のエッチング液によって保
持材45をエッチングし、その後、レジストを剥離し
て、可動電極47及び梁46を完成させた。
【0069】(e)別のシリコン基板41上にスパッタリ
ング法によってAlSiを成膜し、レジストを塗布後、i線
やg線の縮小投影露光装置露光装置を用いて露光を行
い、現像/ポストベークを行い固定電極42のレジスト
パターンを形成した。その後、AlSiをエッチングし、レ
ジストを剥離して固定電極42を完成させた。そして、
固定電極42を持つシリコン基板41とカーボンナノチ
ューブ44を支持するリブ43を熱融着等によって接合
して、マイクロマシーンを完成させた。
【0070】以上のように、梁の一端を配置する領域に
予めニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を設け、炭化
水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印
加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチュ
ーブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボ
ンナノチューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノ
チューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁と
可動電極を同時に形成すると、実施例1〜3と比較しフ
ォトリソ/エッチング工程を1回ずつ省くことができるの
で、より安価にマイクロマシーンを作製できる。保持材
と可動電極が一体化するため、保持材と可動電極との固
着力が更に向上し、マイクロマシーンの耐久性が更に向
上する。
【0071】本例では可動電極(保持材)がAlSiからな
り、十分な導電性があるため可動電極表面に金属や合金
からなる層を形成していないが、保持材をシリコン酸化
膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等の絶縁層で形
成した場合は、可動電極表面に金属や合金からなる金属
層を設ける必要がある。後述の、可動電極からの引き出
し配線を付加する都合から言えば、保持材及び可動電極
は導電性材料で形成する方がよい。本例では熱CVD法
を例に取り説明を行ったが、カーボンナノチューブの成
長はDCプラズマCVD法やマイクロ波プラズマCVD
法、Hot-filament CVD法等の他の手法を用いても何
ら構わない。本例は両持ち梁を例に取り説明を行った
が、本発明は両持ち梁に限定されるわけではなく、片持
ち梁であっても何ら構わない。
【0072】次に、これまで述べたような方法で作製さ
れたマイクロマシーンの使い方の例を簡単に説明する。
図11は、マイクロマシーンの固定電極と可動電極から
の引き出し配線を付加した例を示す。2aは固定電極か
らの引き出し配線、7aは可動電極用の引き出し配線を
示す。いずれもこれまで述べたリソグラフィ/エッチン
グ手法によって作製できる。可動電極と保持材を導電性
材料で形成することによって、直接可動電極から引き出
し配線を取らなくても必要な導通が得られる。可動電極
と保持材が絶縁性材料で構成されているときは、図示し
ていないが、金属層から直接引き出し配線を取るように
する。なお、引き出し配線はマイクロマシーンの完成後
ではなく、作製過程で付加しても構わない。この引き出
し配線を利用することによって、固定電極と可動電極の
間に所望の電圧を印加することができる。梁は可撓性に
富んでいるので、印加電圧の極性如何によって可動電極
は固定電極との間で吸引もしくは反発し、微少量ではあ
るが動くことができる。
【0073】図12はこのようなマイクロマシーンを光
学機器として応用した場合の例を示す。符号100は可
動電極の上に設けたミラーであり、アルミ蒸着等で形成
することができる。ミラーに外来光を当てておくと、電
圧印加によりミラーが動くので、動きの量や角度に対応
して、反射光の方向が変わる。このようなマイクロマシ
ーンを集積することによってディスプレイなどを作るこ
とができる。
【0074】
【発明の効果】請求項1に記載のマイクロマシーンは、
梁がカーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被
覆する保持材からなり、かつ梁の長手方向にカーボンナ
ノチューブが配向している。そのため、梁はカーボンナ
ノチューブを被覆する保持材によって可動電極とリブの
両方に強固に固着されるので、可動電極を駆動した場合
もカーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆
する保持材からなる梁は可動電極とリブから外れない。
カーボンナノチューブは引張強度が大きいため、カーボ
ンナノチューブを被覆する保持材をポリシリコン、シリ
コン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等のSi
系材料や、金属、合金とした場合、梁の引張強度はそれ
ら単体からなる梁よりも大きくなる。その結果、従来の
梁よりも破断しにくくなり、高耐久なマイクロマシーン
を実現することができる。
【0075】請求項2に記載のマイクロマシーンは、前
記の保持材がポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン
窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の内の少なくと
も1つからなっているので、従来のシリコンプロセスに
カーボンナノチューブを作製するためのCVD法の1工
程を加えることによって、カーボンナノチューブが梁の
長手方向に配向したマイクロマシーンを作製することが
できるようになる。カーボンナノチューブを作製するC
VD法もシリコンプロセスのCVD法と大きな違いは無
いことから、シリコンプロセスを基本としてトータルプ
ロセスを構築することは容易であり、カーボンナノチュ
ーブを梁の構成材としたマイクロマシーンの量産性を改
善することができる。
【0076】請求項3に記載のマイクロマシーンは、梁
の短手方向に複数のカーボンナノチューブがある。その
ため、梁の幅全体にカーボンナノチューブを敷き詰める
ことによって高強度の梁を実現することができ、幅の広
い梁においても機械的強度が改善される。その結果、従
来のSi系材料や金属、合金単体で作製された数μm〜数
百μm幅の梁を本発明の梁で代替することが可能とな
る。
【0077】請求項4に記載のマイクロマシーンは前記
の保持材と可動電極が一体となっているので、カーボン
ナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する保持材
からなる梁と可動電極との固着力が更に向上して、マイ
クロマシーンの耐久性が更に向上する。
【0078】請求項5に記載のマイクロマシーンの作製
方法においては、梁の一端を配置する領域に予め触媒層
を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方
向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカー
ボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、そ
の後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカ
ーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加
工して梁を形成する。そのため不純物が少なく、梁を固
定したい所に希望の配向で1〜数本のカーボンナノチュ
ーブを成長させることができるので、カーボンナノチュ
ーブとカーボンナノチューブを被覆した保持材からなる
梁を用いたマイクロマシーンを比較的安価に作製するこ
とができる。
【0079】請求項6に記載のマイクロマシーンの作製
方法においては、梁の一端を配置する領域に予め触媒層
を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方
向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって複数
のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長さ
せ、その後、複数のカーボンナノチューブを保持材で被
覆し、更に複数のカーボンナノチューブを長手方向に含
むように保持材を加工して梁を形成する。そのため不純
物が少なく、梁を固定したい所に希望の配向で複数のカ
ーボンナノチューブを梁の短手方向に並べて成長させる
ことができるので、機械的強度が大きな幅広の梁を用い
たマイクロマシーンを比較的安価に作製することができ
る。
【0080】請求項7に記載のマイクロマシーンの作製
方法においては、梁の一端を配置する領域に予め触媒層
を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方
向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカー
ボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、そ
の後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカ
ーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加
工して梁と可動電極を同時に形成する。そのため、請求
項5、6と比較してフォトリソ/エッチング工程を1回
ずつ省きながら、保持材と可動電極との固着力が更に向
上したマイクロマシーンを作製することができる。
【0081】請求項8に記載のマイクロマシーンの作製
方法においては、前記の触媒層がニッケルの硫黄化合物
からなるので、欠陥の少ないカーボンナノチューブを得
ることができる。そのためカーボンナノチューブとカー
ボンナノチューブを被覆する保持材からなる梁の機械的
強度が改善され、高耐久のマイクロマシーンが実現する
ことができる。
【0082】請求項9に記載のマイクロマシーンの作製
方法においては、前記の触媒層がNi 3S2からなるので、
欠陥がより少ないカーボンナノチューブを得ることがで
きる。そのため、カーボンナノチューブとカーボンナノ
チューブを被覆する保持材からなる梁の機械的強度が更
に改善され、更に高耐久のマイクロマシーンが実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロマシーンの例を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明のマイクロマシーンの例を示す図であ
る。
【図3】本発明のマイクロマシーンに適したカーボンナ
ノチューブの作製方法の例を示す図である。
【図4】ニッケルと硫黄の化合物の相図で有る。
【図5】本発明のマイクロマシーンの作製方法の例を示
す図である。
【図6】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す斜視
図である。
【図7】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す斜視
図である。
【図8】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す斜視
図である。
【図9】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す図で
ある。
【図10】本発明のマイクロマシーンの作製方法の例を
示す図である。
【図11】本発明のマイクロマシーンの電極からの引き
出し配線を付加した例を示す図である。
【図12】本発明のマイクロマシーンを光学機器として
応用した例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 固定電極 3 リブ 4 カーボンナノチューブ 5 保持材 6 梁 7 可動電極 9 金属層 11 触媒層 13 反応容器 15 炭化水素ガス

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リブ上の梁によって架橋される可動電極
    と、該可動電極と所定の空隙を持って配置される固定電
    極とからなるマイクロマシーンにおいて、梁はカーボン
    ナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する保持材
    とからなり、かつ梁の長手方向にカーボンナノチューブ
    が配向していることを特徴とするマイクロマシーン。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のマイクロマシーンにおい
    て、前記の保持材がポリシリコン、シリコン酸化膜、シ
    リコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の内の少
    なくとも1つからなることを特徴とするマイクロマシー
    ン。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のマイクロマシー
    ンにおいて、前記の梁の短手方向に複数のカーボンナノ
    チューブがあることを特徴とするマイクロマシーン。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3に記載のマイクロマ
    シーンにおいて、前記の保持材と可動電極が一体である
    ことを特徴とするマイクロマシーン。
  5. 【請求項5】梁の一端を配置する領域に予め触媒層を設
    け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に
    電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボン
    ナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その
    後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカー
    ボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工
    して梁を形成することを特徴とする請求項1または2に
    記載のマイクロマシーンの作製方法。
  6. 【請求項6】梁の一端を配置する領域に予め触媒層を設
    け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に
    電界を印加しながら化学的気相成長法によって複数のカ
    ーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、
    その後、複数のカーボンナノチューブを保持材で被覆
    し、更に複数のカーボンナノチューブを長手方向に含む
    ように保持材を加工して梁を形成することを特徴とする
    請求項3に記載のマイクロマシーンの作製方法。
  7. 【請求項7】梁の一端を配置する領域に予め触媒層を設
    け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に
    電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボン
    ナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その
    後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカー
    ボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工
    して梁と可動電極を同時に形成することを特徴とする請
    求項4に記載のマイクロマシーンの作製方法。
  8. 【請求項8】請求項5〜7のいずれか1つに記載のマイ
    クロマシーンの作製方法において、前記の触媒層がニッ
    ケルの硫黄化合物からなることを特徴とするマイクロマ
    シーンの作製方法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載のマイクロマシーンの作製
    方法において、前記の触媒層がNi3S 2からなることを特
    徴とするマイクロマシーンの作製方法。
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