JP4231228B2 - マイクロマシーン - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は炭素原子からなる分子の特異構造であるカーボンナノチューブを用いたマイクロマシーンおよび、その作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年炭素系の新材料としてカーボンナノチューブが注目されている。
カーボンナノチューブは炭素原子からなるグラファイトシートを丸めた円筒が1個、または数個〜数十個を入れ子状に配列した繊維状構造を有し、その直径はナノメートル(nm)オーダーと極めて小さく、軸方向の大きさ(カーボンナノチューブの長さ)は、μmオーダーにも達し、非常にアスペクト比(長さ/直径比)の大きい材料である。カーボンナノチューブの側面は炭素原子のSP2混成軌道のみからなるため、ダングリングボンドが無く化学的に安定であり、シームレス構造を実現しているため、大きな弾性力とチューブ軸方向への大きな引張強度が期待できる。さらにカーボンナノチューブはカイラリティーや直径に依存して金属的特性から半導体的特性まで幅広い電気的特性を持つ。
このようにカーボンナノチューブは種々のユニークな特性をもつことから、新しい炭素材料として産業上への応用が期待されている。
【0003】
カーボンナノチューブの弾性力はM.M.Treacyらによって測定されており、アーク放電法による多層カーボンナノチューブのヤング率は平均で1.8TPaとなり、現在のマイクロマシーンに広く使われているSi(111)、Si(100)、SiO2、Si3N4と比較してほぼ1桁大きなヤング率を持つことが判っている。(M.M.Treacy, T.W.Ebbesen and J.M.Gibson,Nature,vol.381,678(1996)参照)。カーボンナノチューブの軸方向の引っ張り強度はB.I.Yakobsonによって理論計算が行われており、単層カーボンナノチューブでは破断するまでに30%以上伸長することが報告されている。(B.I.Yakobson and J.Bernholc et al., Comp. Mater. Sci.,vol.8,341(1997)参照)
このような機械的物性からカーボンナノチューブは特にマイクロマシーンへの応用が期待できる。例えば従来ポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等のSi系材料や、金属、合金で作られていた片持ち梁や両持ち梁へカーボンナノチューブを用いると、大きなヤング率や引張強度から高耐久の梁が実現できる可能性がある。
【0004】
実際にカーボンナノチューブを マイクロマシーンに応用した例としては以下の報告がある。
ナノピンセット(P.Kim,C.M.Lieber,Science,vol.286,2148(1999)参照)、
機械的スイッチ(T.Rueckes,C.M.Lieber et al.,Science,vol.289,94(2000)参照)、
ナノベアリング(J.Cumings and A.Zettl,Science,vol.289,602(2000)参照)がある。カーボンナノチューブと高分子樹脂との複合材を用いた例としては、フィルムアクチュエーター(R.H.Baughman,M.Kertesz et al., Science,vol.284,1344(1999)参照)がある。
特開平6−69494では炭素原子をトーラス状、らせん状に配置してメモリやばねとして利用している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらナノピンセット、機械的スイッチ、ナノベアリングはカーボンナノチューブのnmサイズという特徴を生かして微細な機械的要素を作ったものであり、カーボンナノチューブの大きなヤング率や引張強度を積極的に利用したものではなかった。
一方フィルムアクチュエーターは、カーボンナノチューブのシートをテープで保持して取り扱いを容易にしたものであるが、複合材を数μm〜数10μm幅の梁に加工することは容易ではなく、微細なマイクロマシーンには適用しにくい。R.H.Baughmanらの方法による複合材はマイクロマシーン作製に広く用いられているシリコンプロセスとは異なる方法で作製されるため、前記の複合材作製プロセスをマイクロマシーニングプロセスに組み込むことは容易ではない。
このようにカーボンナノチューブの機械的物性を十分に利用したマイクロマシーンは実現されておらず、特にマイクロマシーンの梁に応用したものは皆無であった。
【0006】
次にカーボンナノチューブをマイクロマシーンの梁に適用する場合の課題を述べる。
カーボンナノチューブはアーク放電法、レーザーアブレーション法、化学的気相成長法(以下CVD法と略す)によって合成される。
アーク放電法、レーザーアブレーション法によって作製されたカーボンナノチューブは不純物が多く、ランダムな方向を向いたまま凝集した形で得られる。そのため梁として用いる場合、つまりマイクロマシーンの任意の位置に、或る方向でカーボンナノチューブを配置するためには、カーボンナノチューブの精製、配向、マニュピレーションが必要になる。
カーボンナノチューブを精製する方法としては遠心分離法(S.Bandow,J.Appl.Phys.,vol.80,1020(1996)参照)や限外ろ過法(S.Bandow,A.M.Rao et al.,J.Phys.Chem.,vol.101,8839(1996)参照)等が知られており、これらの方法によって液体中に分散したカーボンナノチューブを得ることができる。
【0007】
カーボンナノチューブを配向させる方法としては、例えば中山らによって提案された電気泳動法を用いることができる。精製したカーボンナノチューブをイソプロピルアルコールに分散させた後、一対の電極を分散液に浸漬して電圧を印加すると、陰極上に配向したカーボンナノチューブアレイが得られる(K.Yamamoto,Y.Nakayama et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,vol.35,L917(1996)参照)。陰極上のカーボンナノチューブアレイはカーボンナノチューブのマニュピレーション工程でカーボンナノチューブカートリッジとして用いることができる。マニピュレーターを持つ走査型電子顕微鏡中にカーボンナノチューブカートリッジを置き、走査型電子顕微鏡でカーボンナノチューブを観察しながらマニュピレーターによってカーボンナノチューブを捕捉しマイクロマシーンの任意の位置に運ぶことによって微細な梁を作製することが可能となる。電子顕微鏡の代わりにSTM探針を用いてカーボンナノチューブを配置しても良い。
【0008】
しかしながら、電子顕微鏡やSTMを用いる方法は、カーボンナノチューブを1本単位で確認でき正確な位置に配置することが可能であるが、作業に熟練を要しかつ非常に時間がかかることから、量産性に乏しく、マイクロマシーン作製に広く用いられているシリコンプロセスへは適用が困難である。電子顕微鏡やSTMを用いてマイクロマシーンの任意の位置にカーボンナノチューブを配置しても、カーボンナノチューブとマイクロマシーンはvan der Waals力で結合しているだけなので密着力が小さく、可動電極に大きな荷重がかかるとカーボンナノチューブがマイクロマシーンから外れてしまい、高耐久の梁を作製することは困難である。
【0009】
一方、CVD法では近年の研究の進展により、任意の方向に配向を揃え高純度でカーボンナノチューブを成長させることができる。例えばY.ChenらはDCプラズマを加えたHot-filament CVD法によってニッケル基板に垂直と45度の方向にカーボンナノチューブを成長させた(Y.Chen,D.T.Shaw,Appl.Phys.Lett.,vol.76,2469(2000)参照)。C.Bowerらはマイクロ波CVD法によってCo薄膜を形成した基板上に垂直に配向したカーボンナノチューブを成長させた(C.Bower,W.Zhu et al.,Appl.Phys.Lett.,vol.77,830(2000)参照)。
しかしながら彼らが作製したカーボンナノチューブは著しく密集した状態で得られるため、そのままでは梁として用いることができず、やはり電子顕微鏡やSTMを用いてカーボンナノチューブをマニュピュレーションしてマイクロマシーンの任意の位置に配置する必要があり、量産性に乏しい。加えてカーボンナノチューブとマイクロマシーンの固着力の問題は依然解決されていない。
【0010】
CVD法では触媒金属を微粒子化して基板の任意の位置から1〜数本のカーボンナノチューブを基板から垂直に成長させることも可能となっている。江刺らはリソグラフィー/エッチングによってニッケル触媒の大きさを100nm程度にすることによって基板から垂直にニッケルドットから1〜数本のカーボンナノチューブを成長させた(宮下,小野,江刺,信学技報,ED2000-204,69(2000)参照)。
この方法ではカーボンナノチューブの一端は基板に付着していることから、片持ち梁に適していると思われる。しかしながら一般的にCVD法のカーボンナノチューブは超音波振動等の外力で基板から容易に離脱することが知られており、CVD法によるカーボンナノチューブは基板との密着力はvan der Waals力よりも大きいと予想されるが、高耐久なマイクロマシーンの梁に適用するには不充分であった。
【0011】
加えてCVD法によるカーボンナノチューブはアーク放電法、レーザーアブレーション法で得られたカーボンナノチューブよりもヤング率が小さいという問題がある。Z.W.Panらの報告ではHot-filament CVD法による多層カーボンナノチューブのヤング率は0.45±0.23TPaとなっており、シリコン系材料の1〜4倍程度に過ぎない。
CVD法によるカーボンナノチューブは欠陥が多いため、ヤング率が低下したと予想されている(Z.W.Pan et al.,Appl.Phys.Lett.,vol.74,3152(1999)参照)。そのためCVD法によるカーボンナノチューブを梁として用いた場合、アーク放電法、レーザーアブレーション法で作製されたカーボンナノチューブと同等の強度を持つ梁を実現することは困難であった。
【0012】
特開2001−62299には触媒金属を微粒子化する方法として、金属もしくは金属化合物を溶解した乳濁液から、還元法により触媒超微粒子を生成させた懸濁液を得る方法、および、得られた懸濁液を基板に塗布する種々の方法が示されている。
特開2001−48512にはプラズマCVD法により、Ni、Fe、Coの内の1つまたはこれらの金属の少なくとも2種類からなる合金の基板表面に対して垂直にカーボンナノチューブを配向させる方法が示されている。
【0013】
これらの方法は1本のカーボンナノチューブを任意の位置に配置できることから、マイクロマシーンの構造材に用いる場合に適した方法である。
しかしながらアーク放電法、レーザーアブレーション法で得られたカーボンナノチューブよりヤング率が小さいという問題は依然として解決されておらず、高強度な構造材を実現することは困難であった。また欠陥が多いことから、構造材の耐久性が低下する懸念もあり、高信頼のマイクロマシーンを作製できなかった。
【0014】
以上のような課題に鑑み、本願の請求項1に係わる発明の目的は、Si系材料、金属、合金等の従来の梁よりも機械的強度が大きく、耐久性の良いマイクロマシーンの構造の一部としてカーボンナノチューブを形成する方法を含めたマイクロマシーンの構造を提供することである。
請求項2に係わる発明の目的は、シリコンプロセスに僅かなプロセスを付加することでカーボンナノチューブを梁の構成材としたマイクロマシーンを製造可能にするマイクロマシーンの構造を提供することである。
【0015】
請求項3に係わる発明の目的は、幅広の梁において機械的強度の大きい梁を実現できるマイクロマシーンの構造を提供することである。
請求項4に係わる発明の目的は、カーボンナノチューブを構成材とする梁と可動電極との固着力を更に大きくできるマイクロマシーンの構造を提供することである。
【0016】
請求項5、6、7に係わる発明の目的は、Si系材料、金属、合金等の従来の梁よりも機械的強度が大きく、耐久性の良いマイクロマシーンを比較的安価に作製することができる作製方法を提供することである。
請求項8に係わる発明の目的は、カーボンナノチューブを構成材とする梁の機械的強度を改善できるマイクロマシーンの作製方法を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため本願の請求項1の発明では、リブ上の梁によって架橋される可動電極と、該可動電極と所定の空隙を持って配置される固定電極からなるマイクロマシーンにおいて、前記梁は、該梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNi からなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって少なくとも1本のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆することによって作製したことを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1に記載のマイクロマシーンにおいて、前記の保持材がポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の内の少なくとも1つからなることを特徴とする。
【0018】
請求項3の発明では、請求項1または2に記載のマイクロマシーンにおいて、前記の梁の短手方向に複数のカーボンナノチューブがあることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のマイクロマシーンにおいて、前記の保持材と可動電極が一体であることを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明では、請求項1または2に記載のカーボンナノチューブの作製方法において、梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成することを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項3に記載のマイクロマシーンの作製方法において、梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって複数のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、複数のカーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に複数のカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成することを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明では、請求項4に記載のマイクロマシーンの作製方法において、梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁と可動電極を同時に形成することを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明では、請求項5〜7のいずれか一つに記載のマイクロマシーンの作製方法において、前記の触媒層Niは、Niであることを特徴とする。
【0022】
【実施例】
以下に実施例に従って本発明を説明する。
本発明のマイクロマシーンの一例を図1、2に示す。図1は本例のマイクロマシーンの斜視図であり、図2(a)は本例のマイクロマシーンの正面図、(b)はA-A'断面での上面図、(c)はB-B'断面での側面図である。
基板1の表面に固定電極2があり、基板1の固定電極の両側にはリブ3が形成されている。リブ3上にはカーボンナノチューブ4とカーボンナノチューブ4を被覆する保持材5からなる梁6が形成されており、梁6は可動電極7を架橋し、可動電極7と固定電極2間には、マイクロマシーンの動作に適した所定の間隔の空隙8を形成している。カーボンナノチューブ4は梁6の長手方向に配向している。可動電極7の表面のうち、固定電極2と対向する面には金属層9が設けられている。
【0023】
本構造を採用すると、梁6はカーボンナノチューブ4を被覆する保持材5によって可動電極7とリブ3の両方に接触するので、保持材5を可動電極7及びリブ3に固定することによって、梁6がリブ3及び可動電極7に強固に固着される。そのため可動電極7と固定電極2間に電圧を印加し静電引力によって可動電極7を駆動した場合にも、カーボンナノチューブ4とカーボンナノチューブ4を被覆する保持材5からなる梁6は可動電極7とリブ3から外れないで可動電極7を架橋し続けるので、マイクロマシーンの梁として使用できるようになる。
【0024】
カーボンナノチューブ4は引張強度が大きいため、カーボンナノチューブ4を被覆する保持材5をマイクロマシーニングで広く用いられるポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等のSi系材料や、金属、合金とした場合、梁6の引張強度はポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等のシリコン系材料、金属、合金単体からなる梁よりも大きくなる。そのため静電引力によって梁が撓む場合、同じ歪み割合であればシリコン系材料、金属、合金単体からなる従来の梁と比較し破断しにくくなる。その結果従来よりも高耐久なマイクロマシーンを実現できる。
【0025】
次に本例の梁6に用いられるカーボンナノチューブ4について説明する。
カーボンナノチューブはグラファイトシートを丸めた円筒状の形状をしている。カーボンナノチューブの大きさは作製法によって異なるが、1個のグラファイトシートの円筒からなる単層カーボンナノチューブでは、直径が0.4〜5nm、円筒の長さは数10nm〜数μmとなっており、複数のグラファイトシートの円筒が入れ子状の構造を持つ多層カーボンナノチューブでは、直径が数nm〜100nm、円筒の長さは100nm〜数100μm程度になっており、繊維状の形状をしている中空物質である。
【0026】
カーボンナノチューブはアーク放電法やレーザーアブレーション法、CVD法等によって作製されるが、前述のようにCVD法を用いると、
1.不純物の少ないカーボンナノチューブが得られる、
2.金属触媒の位置によってカーボンナノチューブを配置する位置を決めることができる、
3.配向したカーボンナノチューブが得られる、
4.金属触媒の大きさを制御することによって、1〜数本のカーボンナノチューブが得られる
等の利点があり、本例の構造を採用するとカーボンナノチューブ4と保持材5からなる梁6はマイクロマシーンから外れにくくなるので、マイクロマシーンの梁を構成するカーボンナノチューブにはCVD法のカーボンナノチューブが適していると考えられる。
【0027】
しかしながらCVD法によるカーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法で得られたカーボンナノチューブよりもヤング率が小さいため、アーク放電法、レーザーアブレーション法によるカーボンナノチューブと保持材からなる梁と同等の強度を持つ梁をCVD法によるカーボンナノチューブで実現することは本例の構造を採用するだけでは困難であった。
そこでカーボンナノチューブの欠陥を抑制することによってカーボンナノチューブの機械的物性が改善できると考え、CVD法の検討を行った結果、ニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を用いたCVD法によってカーボンナノチューブを作製すると欠陥を低減できることを見出した。
【0028】
本発明のマイクロマシーンに適したカーボンナノチューブの作製方法の例を図3に示す。
(a)シリコンからなるリブ基板10上にポジレジストを塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて10〜50nmのホールを描画して現像/ポストベークを行い、ホールパターンを完成させる。
その後、ニッケルターゲットとアルゴン及びH2Sを用いた反応性スパッタリング法によってニッケルの硫黄化合物からなる薄膜を厚さ5〜10nmで成膜し、その後、レジストをリフトオフして、リブ基板10上に大きさが10〜50nmの触媒層11を形成する。
【0029】
(b)その後、触媒層11を形成したリブ基板10を電気炉12で囲まれ、直流電界が印加できる石英からなる筒状の反応容器13に置き、リブ基板10とほぼ平行な方向に電界14を印加してメタン、エチレン、アセチレン等の炭化水素ガス15を導入して600〜1100℃の温度でCVD法を行う。
(c)触媒層は10〜50nmの微粒子になっているため、触媒層から1本のカーボンナノチューブ4が成長する。電界14が印加されているため電界14に沿って、つまりリブ基板10と平行な方向にカーボンナノチューブ4は成長する。
カーボンナノチューブ4の先端や根元には微粒子化された触媒層が残っている。図3ではカーボンナノチューブ4の先端に触媒層が残っている。
【0030】
(d)その後、炭化水素ガス15の導入を停止し、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガスを導入して基板を100〜300℃まで冷却し、カーボンナノチューブ4が成長したリブ基板10を反応容器13から取り出す。
上記の方法で作製したカーボンナノチューブ4を走査型電子顕微鏡で観察すると、Fe、Ni、Co等の触媒微粒子を用いた従来のCVD法によるカーボンナノチューブよりも直線性が良かった。
また、上記のカーボンナノチューブ4をイソプロピルアルコールに分散し、その後、マイクログリッドを浸漬してカーボンナノチューブ4を付着させ、透過型電子顕微鏡で観察すると、従来のCVD法で成長させたカーボンナノチューブよりも側面のグラファイト化が進行しており、本方法によって作製されるカーボンナノチューブ4は従来のCVD法によるカーボンナノチューブより欠陥が少ないことが判った。
【0031】
本方法によりカーボンナノチューブの欠陥が低減される理由は完全には明確になっていないが、ニッケル(Ni)と硫黄(S)の相図(図4参照)から次のことが推測される。
ニッケル微粒子を触媒として用いると、バルクのニッケル金属の融点が1455℃であるため、従来の熱CVD法の温度(600〜1100℃程度)では多結晶の状態になっていると推測される。多結晶の各面は触媒活性が異なることから、複数の面から成長する1枚のグラファイトシートでは成長速度に異方性を持つ。カーボンナノチューブの側面は六員環で構成されるが、グラファイトシート面内で成長速度に異方性が生じると、五員環や七員環が入り、カーボンナノチューブがカールして直線性が低下する。カールした箇所は歪みが大きいので欠陥が入りやすくなる。よってニッケルを触媒とした場合は、従来のCVD法の温度では欠陥が入りやすかった。
【0032】
一方、ニッケルに硫黄を含有させるとニッケルの硫黄化合物(NiXSYと略す)の融点が低下し、硫黄が33atom%で極小(融点620℃)となる。膜厚が10nm程度以下の場合、金属の融点が低下することが知られている。よって硫黄の含有と薄膜の効果により、NiXSY化合物はニッケル金属よりも融点が著しく低下していると考えられる。
そのため本例のNiXSY化合物では、CVD時の加熱により触媒層が多結晶状態を維持できなくなり、半溶融状態、アモルファス状態ないし液体状態になったと推測される。その結果NiXSY微粒子表面上では触媒活性の異方性が低減し、グラファイトシートの成長速度が等方的になり、グラファイトシートの直線性が向上してカーボンナノチューブの欠陥が少なくなったと考えられる。
【0033】
ニッケル金属を用いた場合も触媒微粒子を液体化することは、融点つまり1450℃近くまでCVD時の温度を上げることによって可能になるが、触媒微粒子の凝集が進みカーボンナノチューブ作製に適さない大きさになり、カーボンナノチューブの収率が著しく小さくなる。また1450℃では炭化水素ガスが気相で激しく分解し、無触媒反応によってアモルファスカーボン等として多量に堆積するため、カーボンナノチューブの純度が著しく低下する。
よってニッケル微粒子を触媒に用いた場合は、欠陥の少ないカーボンナノチューブを高純度で得ることは不可能である。
【0034】
NiXSY化合物を触媒に用いる場合も、触媒微粒子を半溶融状態、アモルファス状態、液体状態にするためには、微粒子化時やCVD時の温度、NiXSY化合物の硫黄の含有量を適切に選ぶ必要があるが、硫黄が30〜45atom%であれば、NiXSY化合物の融点は極小付近になっているので、従来のCVD法の温度に広く適用できる。ただし硫黄が上記の範囲以外であってもCVD時の温度を適切に選ぶことにより従来よりも欠陥の少ないカーボンナノチューブを得ることができるので、上記の硫黄の含有量の範囲に本発明は限定されず、電子線回折やXMA等の分析手法によってカーボンナノチューブに付いている微粒子化した触媒層に硫黄が検出される場合は本発明に含まれるものとする。
【0035】
以上のように上記の方法で作製されるカーボンナノチューブは従来のCVD法によるカーボンナノチューブよりも欠陥が低減しており、1個のドット化された触媒層から1本のカーボンナノチューブが成長しており、更に電界の向きに沿ってカーボンナノチューブが成長しているので、マイクロマシーンの梁の構成材料に適している。
なお、図3では熱CVD法を例に取り説明を行ったが、カーボンナノチューブの成長は熱CVD法に限定される必要は無く、DCプラズマCVD法やマイクロ波プラズマCVD法、Hot-filament CVD法等の他の手法を用いても何ら構わない。
【0036】
次に、本例のマイクロマシーンの作製方法の例を図5に従って述べる。
(a)SOI基板からなるリブ基板10上にポジレジストを塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて40nmのホールを描画して現像/ポストベークを行い、ホールパターンを完成させた。
その後、ニッケルターゲットとアルゴン及びH2Sを用いた反応性スパッタリング法によってニッケルの硫黄化合物(以後NixSyと記述する)からなる薄膜を厚さ8nmで成膜し、その後、レジストをリフトオフして、リブ基板10上に大きさが40nmの触媒層11を形成した。触媒層11を形成する位置は後述の(c)の工程で形成する梁6の端部としておく。
【0037】
(b)次に、リブ基板10を直流電界が印加できる熱CVD装置に置き、リブ基板10とほぼ平行な方向に電界を印加してメタンとヘリウムを導入して950℃の温度でカーボンナノチューブ4を作製した。
後述の(d)の工程でリブ基板10のうちカーボンナノチューブ4を形成した面側を用いて可動電極7を形成することから、リブ基板10とほぼ平行な電界とは可動電極7とほぼ平行な電界を指している。
NixSy触媒によるカーボンナノチューブ4はtip-growthによって成長するため、カーボンナノチューブ4の合成中にリブ基板10とほぼ平行な方向に電界を印加すると、NixSy触媒は電界に引かれてリブ基板上を移動する。触媒層11の大きさは100nm以下であるため、NixSy触媒からは1本のカーボンナノチューブ4が成長する。その結果、リブ基板10上には電界の方向に沿って1本のカーボンナノチューブ4が成長し、後述の(d)の工程で可動電極7に形成されるべきリブ基板表面に横になった1本のカーボンナノチューブ4が得られる。
【0038】
(c)その後、カーボンナノチューブ4を覆うように保持材5を形成する。保持材5としてはポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の中から少なくとも1つから選ぶのが良い。
金属、合金は真空蒸着法やスパッタリング法、メッキ法によって形成すれば良く、ポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜はCVD法やスパッタリング法によって作製される。なお、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜を用いる場合はカーボンナノチューブ4の酸化を抑制するため、過度の酸化雰囲気や高温雰囲気を避ける必要があり、CVD法よりはスパッタリング法が適している。
【0039】
本例ではシリコン窒化膜をCVD法によって厚さ200nmで成膜して、カーボンナノチューブ4を被覆した。
その後、保持材5上にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って梁6のレジストパターンを形成し、更にCHF3ガスを用いた平行平板電極のリアクティブイオンエッチング装置を用いて保持材をエッチングし、レジストパターンを除去してカーボンナノチューブ4と保持材5からなる梁6を完成させた。
【0040】
(d)その後、リブ基板10の裏面を研磨して薄くした後、リブ基板10表面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って可動電極7及びリブ3のレジストパターンを形成し、フッ酸系のエッチング液によってSOI基板のSi層を除去し、引き続きバッファーフッ酸によってSOI基板のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離した。エッチングをウエットエッチングで行うため等方的にエッチングが進み、梁6直下のSOI基板も除去できる。その後、リブ基板10裏面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行ってリブ3を保護するレジストパターンを形成し、バッファーフッ酸によって可動電極7のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離して、カーボンナノチューブ4とカーボンナノチューブ4を被覆する保持材5からなる梁6で架橋される可動電極7(但し金属層は未形成)とリブ3を形成した。
その後、リブ基板10裏面から真空蒸着法やスパッタリング法によってAl、Cr、Ni等の金属や合金からなる金属層を成膜し、リソグラフィー/エッチングによって可動電極7表面に電極となる金属層9を形成して可動電極7を完成させた。
【0041】
(e)別のシリコン基板1上にAl、Cr、Ni等の金属や合金を真空蒸着法やスパッタリング法によって成膜し、レジストを塗布後、i線やg線の縮小投影露光装置露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行い固定電極2のレジストパターンを形成した。その後、金属ないし合金をエッチングし、レジストを剥離して固定電極2を完成させた。
そして固定電極2を持つシリコン基板1とカーボンナノチューブ4を支持するリブを熱融着等によって接合して、マイクロマシーンを完成させた。
【0042】
以上のように、梁の一端を配置する領域に予めニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成したマイクロマシーンは、梁が欠陥の少ないカーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する保持材からなるため、従来のシリコン系材料や金属、合金単体を梁にしているマイクロマシーンと比較して高強度の梁を実現できる。梁に欠陥が少ないことから梁の耐久性が向上し、長寿命のマイクロマシーンが実現できる。
梁が保持材によって可動電極、リブに固着されているので、可動電極が駆動してもマイクロマシーンから梁が外れない。
【0043】
保持材5をマイクロマシーニングで広く用いられるポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等のシリコン系材料や、金属、合金の内の少なくとも1つにしているので、従来のシリコンプロセスにカーボンナノチューブを作製するためのCVD法の1工程を加えることによって、カーボンナノチューブが梁の長手方向に配向したマイクロマシーンを作製できるようになる。カーボンナノチューブを作製するCVD法もシリコンプロセスのCVD法と大きな違いは無いことから、シリコンプロセスを基本としてトータルプロセスを構築することは容易であり、カーボンナノチューブを梁の構成材としたマイクロマシーンの量産性が改善される。
【0044】
さらに、電界を印加したCVD法によって不純物が少なく、梁を固定したい所に希望の配向で1〜数本のカーボンナノチューブを成長させることができることから、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆した保持材からなる梁を用いたマイクロマシーンを比較的安価に作製することができる。
本例は両持ち梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限定されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わない。
【0045】
<実施例2>
本発明のマイクロマシーンの別の例を斜視図として図6に示す。
基板表面21に固定電極22があり、基板表面21の固定電極22の両側にはリブ23が形成されている。リブ23上には複数のカーボンナノチューブ24とカーボンナノチューブ24を被覆する保持材25からなる梁26が形成されており、梁26は可動電極27を架橋し可動電極27と固定電極22間に所定の間隔の空隙28を形成している。カーボンナノチューブ24は梁26の長手方向に配向しており、梁26の短手方向には複数のカーボンナノチューブ24が並んでいる。可動電極27の表面うち、固定電極22と対向する面には金属層29(図示せず)が設けられている。
【0046】
本構造を採用すると、梁26の短手方向には複数のカーボンナノチューブ24が並び、かつ保持材25で複数のカーボンナノチューブ24が被覆されているので、数μm〜数百μm幅の梁26においても、梁26の幅全体にnmオーダーの直径のカーボンナノチューブ24を敷き詰めることによって高強度の梁26を実現できる。
そのため、実施例1よりも幅の広い梁26が得られることから、従来のシリコン系材料や金属、合金単体で作製された数μm〜数百μm幅の梁を本例の梁26で代替することが可能となり、従来のマイクロマシーンの耐久性を改善できる。
【0047】
梁26の短手方向に並べるカーボンナノチューブ24の密度、ピッチは梁26に要求される機械的強度によって決定すれば良い。
本例の梁26には実施例1と同様のカーボンナノチューブ及び保持材が使用できる。
【0048】
次に本例のマイクロマシーンの作製方法の一例を述べる。
(a)SOI基板からなるリブ基板上にポジレジストを塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて40nmのホールを一列に200個描画して現像/ポストベークを行い、ホールパターンアレイを完成させた。
(b)その後、ニッケルターゲットとアルゴン及びH2Sを用いた反応性スパッタリング法によってNixSy化合物からなる薄膜を厚さ8nmで成膜し、その後、レジストをリフトオフして、リブ基板10上に大きさが40nmの触媒層11のアレイを形成した。触媒層11のアレイは(d)の工程で形成する梁の端部に一列に形成しておく。
【0049】
(c)次に、リブ基板10を直流電界が印加できる熱CVD装置に置き、リブ基板10とほぼ平行な方向に電界を印加してアセチレンとヘリウムを導入して700℃の温度でカーボンナノチューブ24を作製した。
後述の(e)の工程でリブ基板10のうちカーボンナノチューブ24を形成した面側を用いて可動電極27を形成することから、リブ基板10とほぼ平行な電界とは可動電極27とほぼ平行な電界を指している。
その結果、リブ基板10上には電界の方向に沿って各NixSyドットからは1本のカーボンナノチューブ24が成長するので、後述の(e)の工程で可動電極27に形成されるべきリブ基板表面に横になった複数のカーボンナノチューブ24が得られる。
【0050】
(d)その後、複数のカーボンナノチューブ24を覆うようにスパッタリング法とCVD法を併用してCr/ポリシリコン/Crの3層からなる保持材25を形成した。
その後、保持材25上にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って梁26のレジストパターンを形成し、その後、保持材25をリアクティブイオンエッチング装置を用いてエッチングし、レジストパターンを除去して複数のカーボンナノチューブ24を梁26の短手方向に並べ、かつ保持材25で被覆した梁26を完成させた。
【0051】
(e)その後、リブ基板10の裏面を研磨して薄くした後、リブ基板10表面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って可動電極27及びリブ23のレジストパターンを形成し、フッ酸系のエッチング液によってSOI基板のSi層を除去し、引き続きバッファーフッ酸によってSOI基板のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離した。保持材25のCrはフッ酸系のエッチング液、バッファーフッ酸に対してバリア層となり、Cr/ポリシリコン/Crにダメージを与えない。その後、リブ基板10裏面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行ってリブ23を保護するレジストパターンを形成し、バッファーフッ酸によって可動電極のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離して、複数のカーボンナノチューブ24とカーボンナノチューブ24を被覆する保持材25からなる梁26で架橋される可動電極27(但し金属層29は未形成)とリブ23を形成した。保持材25のCrはバッファーフッ酸に対してバリア層となるので、Cr/ポリシリコン/Crにダメージを与えない。
その後、リブ基板10裏面からスパッタリング法によってAlを成膜し、リソグラフィー/エッチングによって可動電極27表面に電極となる金属層29を形成して可動電極27を完成させた。
【0052】
(f)別のシリコン基板21上にスパッタリング法によってAlを成膜し、レジストを塗布後、i線やg線の縮小投影露光装置露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行い固定電極22のレジストパターンを形成した。その後、Alをエッチングし、レジストを剥離して固定電極22を完成させた。
そして、固定電極22を持つシリコン基板21とカーボンナノチューブ24を支持するリブ23を熱融着等によって接合して、マイクロマシーンを完成させた。
【0053】
以上のように、梁の一端を配置する領域に予めニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって複数のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、複数のカーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に、複数のカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成したマイクロマシーンは、実施例1よりも幅の広い梁が得られるので、従来のシリコン系材料や金属、合金単体で作製された数μm〜数百μm幅の梁を本例の梁で代替することが可能となり、従来のマイクロマシーンの耐久性を改善できる。
【0054】
本例では熱CVD法を例に取り説明を行ったが、カーボンナノチューブの成長はDCプラズマCVD法やマイクロ波プラズマCVD法、Hot-filament CVD法等の他の手法を用いても何ら構わない。
本例は両持ち梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限定されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わない。
【0055】
<実施例3>
本発明のマイクロマシーンの別の例を斜視図として図7に示す。
基板31表面に固定電極32があり、基板31の固定電極32の両側にはリブ33が形成されている。リブ33上にはカーボンナノチューブ34とカーボンナノチューブ34を被覆する保持材35からなる梁36が形成されており、梁36は可動電極37を架橋し可動電極37と固定電極間32に所定の間隔の空隙38を形成している。カーボンナノチューブ34は梁36の長手方向に配向している。可動電極37の表面のうち、固定電極32と対向する面には金属層39(図示せず)が設けられている。
カーボンナノチューブ34は図示されていないNi3S2からなる触媒層11を用いた炭化水素ガスによるCVD法で作製されており、保持材35は実施例1、2と同様のものが使用されている。
【0056】
次に、本例のマイクロマシーンの作製方法の一例を述べる。
(a)SOI基板からなるリブ基板上にポジレジストを塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて50nmのホールを描画して現像/ポストベークを行い、ホールパターンを完成させた。
その後、Aldrich製のNi3S2粉末を粉砕して数10nmの大きさに微粒子化し、その後、水やイソプロピルアルコール等の溶媒を加え超音波振動を与えて均一に分散した分散液を調整した。分散液には必要に応じて界面活性剤を添加しても良い。
(b)その後、分散液をリブ基板10に塗布し、100〜150℃に加熱して溶媒を蒸発させ、その後、レジストをリフトオフして、リブ基板10上にNi3S2からなる触媒層11を形成した。
【0057】
(c)次に、リブ基板10を直流電界が印加できる熱CVD装置に置き、リブ基板10とほぼ平行な方向に電界を印加してメタンとヘリウムを導入して900℃の温度でカーボンナノチューブ34を作製した。
後述の(e)の工程でリブ基板10のうちカーボンナノチューブ34を形成した面側を用いて可動電極37を形成することから、リブ基板10とほぼ平行な電界とは可動電極37とほぼ平行な電界を指している。
その結果、リブ基板10上には電界の方向に沿って1本のカーボンナノチューブ34が成長し、後述の(e)の工程で可動電極37に形成されるべきリブ基板表面に横になった1本のカーボンナノチューブ34が得られる。
【0058】
(d)その後、カーボンナノチューブ34を覆うようにスパッタリング法とCVD法を併用してCr/シリコン窒化膜/Crの3層からなる保持材35を形成した。
その後、保持材35上にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って梁36のレジストパターンを形成し、更に、平行平板電極のリアクティブイオンエッチング装置を用いて保持材35をエッチングし、レジストパターンを除去してカーボンナノチューブと保持材35からなる梁36を完成させた。
【0059】
(e)その後、リブ基板10の裏面を研磨して薄くした後、リブ基板10表面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って可動電極37及びリブのレジストパターンを形成し、フッ酸系のエッチング液によってSOI基板のSi層を除去し、引き続きバッファーフッ酸によってSOI基板のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離した。その後、リブ基板10裏面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行ってリブ33を保護するレジストパターンを形成し、バッファーフッ酸によって可動電極37のSiO2層を除去し、その後、レジストを剥離して、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する梁で架橋される可動電極37(但し金属層39は未形成)とリブ33を形成した。その後、リブ基板10裏面から真空蒸着法やスパッタリング法によってAlSiを成膜し、リソグラフィー/エッチングによって可動電極37表面に電極となる金属層39を形成して可動電極37を完成させた。
【0060】
(f)別のシリコン基板31上にAlSiを真空蒸着法によって成膜し、レジストを塗布後、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行い固定電極32のレジストパターンを形成した。その後、AlSiをエッチングし、レジストを剥離して固定電極32を完成させた。
そして、固定電極32を持つシリコン基板31とカーボンナノチューブ34を支持するリブ33を熱融着等によって接合して、マイクロマシーンを完成させた。
【0061】
以上のように、梁の一端を配置する領域に予めNi3S2からなるからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成したマイクロマシーンは、カーボンナノチューブを作製するCVD時にニッケル中の硫黄濃度が40atom%となっているので、NiXSY化合物の融点が極小付近となる。そのため、CVD時の加熱温度が低くても触媒層が半溶融状態、アモルファス状態ないし液体状態になりやすく、低温のCVD法によっても欠陥の少ないカーボンナノチューブを得ることができる。
【0062】
ニッケルの硫黄化合物のうちNi3S2は安定相になっているので、ニッケルの硫黄化合物を合成する際に硫黄の含有率を均一にしやすい。そのため組成の均一な触媒層を形成できる。
加えてNi3S2は水や一般的な有機溶媒に不溶なことから、Ni3S2を水や有機溶媒に分散し、分散液を基板に塗布し、その後、溶媒を蒸発させる等のウエットプロセスで簡便に触媒層を作製できる。そのため、触媒層を形成するための反応性スパッタ装置や真空蒸着装置が不要となり、低コストで欠陥の少ないカーボンナノチューブを作製できる。Ni3S2粉末は市販もされているので、分散液を調整するのに便利である。
その結果、梁の機械的強度を実施例1よりも更に大きくでき、かつ低コストでマイクロマシーンを作製できる。
Ni3S2を触媒層に用いる場合、不純物として他の組成のニッケルの硫黄化合物が含まれる場合があるが、主成分がNi3S2である場合は本発明に含まれるものとする。
【0063】
本例では熱CVD法を例に取り説明を行ったが、カーボンナノチューブの成長はDCプラズマCVD法やマイクロ波プラズマCVD法、Hot-filament CVD法等の他の手法を用いても何ら構わない。
本例は両持ち梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限定されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わない。
【0064】
<実施例4>
本発明のマイクロマシーンの別の例を図8、9に示す。図8は本例のマイクロマシーンの斜視図であり、図9(a)は本例のマイクロマシーンの正面図、(b)はA-A'断面での上面図、(c)はB-B'断面での側面図である。
基板41表面に固定電極42があり、基板41の固定電極42の両側にはリブ43が形成されている。リブ43上にはカーボンナノチューブ44とカーボンナノチューブ44を被覆する保持材45からなる梁46が形成されており、梁46は可動電極47を架橋し可動電極47と固定電極42間に所定の間隔の空隙48を形成している。保持材45と可動電極47は一体となっている。カーボンナノチューブ44は梁46の長手方向に配向している。
【0065】
保持材45と可動電極47が一体である構造を採用すると、保持材45と可動電極47との固着力が更に向上するので、可動電極47と固定電極42間に電圧を印加し静電引力によって可動電極47を駆動した場合に、カーボンナノチューブ44とカーボンナノチューブ44を被覆する保持材45からなる梁46は可動電極47から更に外れにくくなるので、マイクロマシーンの耐久性が更に向上する。
梁46を可動電極47と一体化することによって、可動電極47をフォトリソ/エッチングで形成する際に同時に梁46を形成できることから、梁46のフォトリソ/エッチング工程を別個に設ける必要が無くなり、より安価にマイクロマシーンを作製できる。
【0066】
次に、本例のマイクロマシーンの作製方法の一例を図10に従って説明する。
(a)表面を100nm熱酸化したSi基板からなるリブ基板50上にポジレジストを塗布し、その後、電子ビーム露光装置を用いて直径40nmのホールを描画して現像/ポストベークを行い、ホールパターンを完成させた。
その後、ニッケルターゲットとアルゴン及びH2Sを用いた反応性スパッタリング法によってニッケルの硫黄化合物(以後NixSyと記述する)からなる薄膜を厚さ8nmで成膜し、その後、レジストをリフトオフして、リブ基板50上に大きさが40nmの触媒層51を形成した。触媒層51を形成する位置は後述の(d)の工程で形成する梁の端部としておく。
【0067】
(b)次に、リブ基板50を直流電界が印加できる熱CVD装置に置き、リブ基板50とほぼ平行な方向に電界を印加してエチレンとアルゴンを導入して720℃の温度でカーボンナノチューブ44を作製した。
後述の(d)の工程でリブ基板50上の保持材45を用いて可動電極47を形成することから、リブ基板50とほぼ平行な電界とは可動電極47とほぼ平行な電界を指している。
その結果、リブ基板50上には電界の方向に沿って1本のカーボンナノチューブ44が成長し、後述の(d)の工程で可動電極47に形成されるべきリブ基板表面に横になった1本のカーボンナノチューブ44が得られる。
(c)その後、カーボンナノチューブ44を覆うように金属、合金からなる保持材を形成する。
本例ではスパッタリング法によってAlSiを成膜して、カーボンナノチューブ44を被覆した。
【0068】
(d)その後、リブ基板50の裏面を研磨して薄くした後、リブ基板50の裏面にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行ってリブ43のレジストパターンを形成し、その後、CF4とH2ガスを用いたケミカルドライエッチング装置を用いてリブ43を形成した。
その後、保持材45上にレジストを塗布し、i線やg線の縮小投影露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行って可動電極47及び梁46のレジストパターンを形成し、リン酸/酢酸系のエッチング液によって保持材45をエッチングし、その後、レジストを剥離して、可動電極47及び梁46を完成させた。
【0069】
(e)別のシリコン基板41上にスパッタリング法によってAlSiを成膜し、レジストを塗布後、i線やg線の縮小投影露光装置露光装置を用いて露光を行い、現像/ポストベークを行い固定電極42のレジストパターンを形成した。その後、AlSiをエッチングし、レジストを剥離して固定電極42を完成させた。
そして、固定電極42を持つシリコン基板41とカーボンナノチューブ44を支持するリブ43を熱融着等によって接合して、マイクロマシーンを完成させた。
【0070】
以上のように、梁の一端を配置する領域に予めニッケルの硫黄化合物からなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に、カーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁と可動電極を同時に形成すると、実施例1〜3と比較しフォトリソ/エッチング工程を1回ずつ省くことができるので、より安価にマイクロマシーンを作製できる。
保持材と可動電極が一体化するため、保持材と可動電極との固着力が更に向上し、マイクロマシーンの耐久性が更に向上する。
【0071】
本例では可動電極(保持材)がAlSiからなり、十分な導電性があるため可動電極表面に金属や合金からなる層を形成していないが、保持材をシリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜等の絶縁層で形成した場合は、可動電極表面に金属や合金からなる金属層を設ける必要がある。後述の、可動電極からの引き出し配線を付加する都合から言えば、保持材及び可動電極は導電性材料で形成する方がよい。
本例では熱CVD法を例に取り説明を行ったが、カーボンナノチューブの成長はDCプラズマCVD法やマイクロ波プラズマCVD法、Hot-filament CVD法等の他の手法を用いても何ら構わない。
本例は両持ち梁を例に取り説明を行ったが、本発明は両持ち梁に限定されるわけではなく、片持ち梁であっても何ら構わない。
【0072】
次に、これまで述べたような方法で作製されたマイクロマシーンの使い方の例を簡単に説明する。図11は、マイクロマシーンの固定電極と可動電極からの引き出し配線を付加した例を示す。2aは固定電極からの引き出し配線、7aは可動電極用の引き出し配線を示す。いずれもこれまで述べたリソグラフィ/エッチング手法によって作製できる。可動電極と保持材を導電性材料で形成することによって、直接可動電極から引き出し配線を取らなくても必要な導通が得られる。可動電極と保持材が絶縁性材料で構成されているときは、図示していないが、金属層から直接引き出し配線を取るようにする。なお、引き出し配線はマイクロマシーンの完成後ではなく、作製過程で付加しても構わない。
この引き出し配線を利用することによって、固定電極と可動電極の間に所望の電圧を印加することができる。梁は可撓性に富んでいるので、印加電圧の極性如何によって可動電極は固定電極との間で吸引もしくは反発し、微少量ではあるが動くことができる。
【0073】
図12はこのようなマイクロマシーンを光学機器として応用した場合の例を示す。符号100は可動電極の上に設けたミラーであり、アルミ蒸着等で形成することができる。ミラーに外来光を当てておくと、電圧印加によりミラーが動くので、動きの量や角度に対応して、反射光の方向が変わる。このようなマイクロマシーンを集積することによってディスプレイなどを作ることができる。
【0075】
【発明の効果】
請求項1に記載のマイクロマシーンは、リブ上の梁によって架橋される可動電極と、該可動電極と所定の空隙を持って配置される固定電極とからなるマイクロマシーンにおいて、前記梁は、該梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって少なくとも1本のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆することによって作製したものであるから、従来の梁よりも破断しにくくなり、高耐久なマイクロマシーンを実現することができる。
請求項2に記載のマイクロマシーンは、前記の保持材がポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の内の少なくとも1つからなっているので、従来のシリコンプロセスにカーボンナノチューブを作製するためのCVD法の1工程を加えることによって、カーボンナノチューブが梁の長手方向に配向したマイクロマシーンを作製することができるようになる。カーボンナノチューブを作製するCVD法もシリコンプロセスのCVD法と大きな違いは無いことから、シリコンプロセスを基本としてトータルプロセスを構築することは容易であり、カーボンナノチューブを梁の構成材としたマイクロマシーンの量産性を改善することができる。
【0076】
請求項3に記載のマイクロマシーンは、梁の短手方向に複数のカーボンナノチューブがある。そのため、梁の幅全体にカーボンナノチューブを敷き詰めることによって高強度の梁を実現することができ、幅の広い梁においても機械的強度が改善される。その結果、従来のSi系材料や金属、合金単体で作製された数μm〜数百μm幅の梁を本発明の梁で代替することが可能となる。
【0077】
請求項4に記載のマイクロマシーンは前記の保持材と可動電極が一体となっているので、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する保持材からなる梁と可動電極との固着力が更に向上して、マイクロマシーンの耐久性が更に向上する。
【0078】
請求項5に記載のマイクロマシーンの作製方法においては、梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成する。そのため不純物が少なく、梁を固定したい所に希望の配向で1〜数本のカーボンナノチューブを成長させることができるので、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆した保持材からなる梁を用いたマイクロマシーンを比較的安価に作製することができる。
【0079】
請求項6に記載のマイクロマシーンの作製方法においては、梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって複数のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、複数のカーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に複数のカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成する。そのため不純物が少なく、梁を固定したい所に希望の配向で複数のカーボンナノチューブを梁の短手方向に並べて成長させることができるので、機械的強度が大きな幅広の梁を用いたマイクロマシーンを比較的安価に作製することができる。
【0080】
請求項7に記載のマイクロマシーンの作製方法においては、梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁と可動電極を同時に形成する。そのため、請求項5、6と比較してフォトリソ/エッチング工程を1回ずつ省きながら、保持材と可動電極との固着力が更に向上したマイクロマシーンを作製することができる。
【0082】
請求項8に記載のマイクロマシーンの作製方法においては、前記の触媒層Niは、Niであるので、欠陥がより少ないカーボンナノチューブを得ることができる。そのため、カーボンナノチューブとカーボンナノチューブを被覆する保持材からなる梁の機械的強度が更に改善され、更に高耐久のマイクロマシーンが実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロマシーンの例を示す斜視図である。
【図2】本発明のマイクロマシーンの例を示す図である。
【図3】本発明のマイクロマシーンに適したカーボンナノチューブの作製方法の例を示す図である。
【図4】ニッケルと硫黄の化合物の相図で有る。
【図5】本発明のマイクロマシーンの作製方法の例を示す図である。
【図6】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す斜視図である。
【図7】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す斜視図である。
【図8】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明のマイクロマシーンの別の例を示す図である。
【図10】本発明のマイクロマシーンの作製方法の例を示す図である。
【図11】本発明のマイクロマシーンの電極からの引き出し配線を付加した例を示す図である。
【図12】本発明のマイクロマシーンを光学機器として応用した例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 固定電極
3 リブ
4 カーボンナノチューブ
5 保持材
6 梁
7 可動電極
9 金属層
11 触媒層
13 反応容器
15 炭化水素ガス

Claims (8)

  1. リブ上の梁によって架橋される可動電極と、該可動電極と所定の空隙を持って配置される固定電極とからなるマイクロマシーンにおいて、前記梁は、
    該梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNi からなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって少なくとも1本のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆することによって作製したことを特徴とするマイクロマシーン。
  2. 請求項1に記載のマイクロマシーンにおいて、前記の保持材がポリシリコン、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、シリコン酸窒化膜、金属、合金の内の少なくとも 1 つからなることを特徴とするマイクロマシーン。
  3. 請求項1または2に記載のマイクロマシーンにおいて、前記の梁の短手方向に複数のカーボンナノチューブがあることを特徴とするマイクロマシーン。
  4. 請求項1、2または3に記載のマイクロマシーンにおいて、前記の保持材と可動電極が一体であることを特徴とするマイクロマシーン。
  5. 梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNi からなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成することを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロマシーンの作製方法。
  6. 梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によって複数のカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、複数のカーボンナノチューブを保持材で被覆し、更に複数のカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁を形成することを特徴とする請求項3に記載のマイクロマシーンの作製方法。
  7. 梁の一端を配置する領域に予め硫黄が30〜45atm%であるNiからなる触媒層を設け、炭化水素ガスを供給し可動電極とほぼ平行な方向に電界を印加しながら化学的気相成長法によってカーボンナノチューブを可動電極とほぼ平行に成長させ、その後、カーボンナノチューブを保持材で被覆し、更にカーボンナノチューブを長手方向に含むように保持材を加工して梁と可動電極を同時に形成することを特徴とする請求項4に記載のマイクロマシーンの作製方法。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1つに記載のマイクロマシーンの作製方法において、前記Ni は、Ni であることを特徴とするマイクロマシーンの作製方法。
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