JP2003211262A - プリフォームの加圧鋳造方法、プリフォームの加圧鋳造装置 - Google Patents

プリフォームの加圧鋳造方法、プリフォームの加圧鋳造装置

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JP2003211262A JP2002009774A JP2002009774A JP2003211262A JP 2003211262 A JP2003211262 A JP 2003211262A JP 2002009774 A JP2002009774 A JP 2002009774A JP 2002009774 A JP2002009774 A JP 2002009774A JP 2003211262 A JP2003211262 A JP 2003211262A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】注湯の際におけるプリフォームの浮き上がり、
熱変形によるプリフォームの割れを抑制することができ
るプリフォームの加圧鋳造方法、プリフォームの加圧鋳
造装置を提供する。 【解決手段】高さ方向に沿って延設された仕切壁70と
供給管体3に連通する給湯通路72とをもつ縦筒形状の
流量制御部材7を成形型1の成形キャビティ10に配置
する。流量制御部材7の給湯通路72内の溶湯の湯面高
さを成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持
しつつ、流量制御部材7の給湯通路72内の溶湯を仕切
壁70の厚み方向に沿って流出させてプリフォーム6
1,62の上面61u,62u側に溶湯を注湯する。こ
れによりプリフォーム61,62の下面側61d,62
d及び上面61u,62u側の双方に溶湯を注湯する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルミニウムやマグ
ネシウム等の溶湯を加圧してプリフォームに含浸させる
ことにより複合材料を形成するプリフォームの加圧鋳造
方法、プリフォームの加圧鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス粒子等を結合させて形成さ
れた多孔質予備成形体であるプリフォームを用い、アル
ミニウムやマグネシウム等の溶湯を加圧してプリフォー
ムに含浸させることにより複合材料を形成するプリフォ
ームの加圧鋳造技術が知られている。この技術によれ
ば、プリフォームが配置された成形キャビティをもつ成
形型と、成形型の成形キャビティにこれの下方から連通
する供給管体とを用意する。この状態で、溶湯供給手段
から供給管体を経て成形型の成形キャビティ内にプリフ
ォームの下面側から溶湯を注湯する注湯工程を行う。そ
の後、成形型の成形キャビティ内に注湯された溶湯を加
圧手段で加圧することにより、成形キャビティ内の溶湯
をプリフォームの内部に含浸させる含浸工程を行う。こ
れによれば、溶湯が凝固すれば、複合材料を形成するこ
とができる。
【0003】また関連技術として、特公昭60−674
5号公報には、成形キャビティをもつ成形型の下方に溶
湯保持容器を設ける共に、成形型の成形キャビティと溶
湯保持容器の溶湯保持室とをストークで連通した装置を
用いる低圧鋳造法が開示されている。この技術によれ
ば、溶湯保持室内を減圧することにより、ストークの通
路を介して成形型の成形キャビティ内を減圧する。その
後、溶湯保持容器の溶湯保持室に貯留されている溶湯を
ストークを介して成形型の成形キャビティに充填する。
【0004】更に関連技術として、特開平2−1750
58号公報には、成形型の下方に溶湯保持容器を設け
て、成形型の成形キャビティと溶湯保持容器の溶湯保持
室とを給湯管で連通すると共に、給湯管に収容した溶湯
を加圧して成形キャビティに押し込むピストンを設けた
加圧鋳造装置が開示されている。この技術によれば、溶
湯保持容器に保持されている溶湯を給湯管に収容した状
態で、ピストンを作動させてピストンで給湯管内の溶湯
を加圧して成形型の成形キャビティに押し込むことにし
ている。但し上記した関連技術に係る公報技術(特公昭
60−6745号公報、特開平2−175058号公
報)は、成形型の成形キャビティ内に溶湯を注湯して凝
固させて鋳造品を形成するものであり、プリフォームに
溶湯を含浸させて複合材料を形成するものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶湯を加圧
してプリフォームに含浸させる方式を採用している上記
技術によれば、注湯の際に、成形型の成形キャビティ内
に注湯された溶湯に基づく浮力により、プリフォームが
成形キャビティ内で浮き上がることがある。プリフォー
ムの浮き上がりが過剰であれば、プリフォームの位置が
正規の位置から過剰にずれ、良好なる複合材料を得るこ
とができないおそれがある。
【0006】また注湯の際に成形キャビティの底側から
高温の溶湯が供給されるため、プリフォームの下面側が
上面側よりも昇温する度合が大きい。このため注湯の際
に、熱変形によりプリフォームに割れが発生するおそれ
がある。
【0007】このようにプリフォームに溶湯を含浸させ
る加圧鋳造技術によれば、注湯工程におけるプリフォー
ムの浮き上がり、熱変形によるプリフォームの割れの不
具合がある。上記した公報技術を適用したとしても、プ
リフォームの浮き上がり、プリフォームの割れといった
不具合を抑えるには、充分ではない。
【0008】本発明は上記した実情に鑑みてなされたも
のであり、注湯工程におけるプリフォームの過剰浮き上
がり、熱変形によるプリフォームの割れを抑制すること
ができるプリフォームの加圧鋳造方法、プリフォームの
加圧鋳造装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)本発明に係るプリ
フォームの加圧鋳造方法は、プリフォームを配置した成
形キャビティをもつ成形型と前記成形型のうち前記成形
キャビティにこれの下方から連通する供給管体とを用
い、溶湯供給手段から前記供給管体を経て前記成形型の
前記成形キャビティに前記プリフォームの下面側から溶
湯を注湯する注湯工程と、前記成形型の前記成形キャビ
ティ内に注湯された溶湯を加圧手段で加圧することによ
り、前記成形キャビティ内の溶湯を前記プリフォームの
内部に含浸させる含浸工程とを実施するプリフォームの
加圧鋳造方法であって、前記注湯工程において、高さ方
向に沿って延設された仕切壁と前記供給管体に連通する
と共に前記仕切壁の厚み方向に沿って溶湯を流出可能な
給湯通路とをもつ縦筒形状の流量制御部材を前記成形型
の前記成形キャビティに配置し、前記流量制御部材の前
記給湯通路内の溶湯の湯面高さを前記成形キャビティ内
の溶湯の湯面高さよりも高く維持しつつ、前記流量制御
部材の前記給湯通路内の溶湯を前記仕切壁の厚み方向に
沿って流出させて前記プリフォームの上面側に溶湯を注
湯することにより、前記プリフォームの下面側及び上面
側の双方に溶湯を注湯するようにしたことを特徴とする
ものである。
【0010】本発明に係るプリフォームの加圧鋳造方法
によれば、溶湯供給手段から供給管体を経て成形型の成
形キャビティにプリフォームの下面側から溶湯を注湯す
る注湯工程と、成形型の成形キャビティ内に注湯された
溶湯を加圧手段で加圧することにより、成形キャビティ
内の溶湯をプリフォームの内部に含浸させる含浸工程と
を実施する。従ってプリフォームに含浸した溶湯が凝固
すれば、複合材料が形成される。
【0011】本発明に係るプリフォームの加圧鋳造方法
によれば、注湯工程において、高さ方向に沿って延設さ
れた仕切壁と供給管体に連通する給湯通路とをもつ縦筒
形状の流量制御部材を、成形型の成形キャビティに配置
する。そして、流量制御部材の給湯通路内の溶湯の湯面
高さを成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維
持しつつ、給湯通路内の溶湯を流量制御部材の仕切壁の
厚み方向に沿って流出させてプリフォームの上面側に溶
湯を注湯することにより、プリフォームの下面側及び上
面側の双方に溶湯を注湯する。
【0012】このようにプリフォームの下面側及び上面
側の双方に溶湯が注湯されるため、注湯工程におけるプ
リフォームの過剰浮き上がりが抑制される。プリフォー
ムの上面側に供給された溶湯がプリフォームを押さえる
方向に作用するためである。更にプリフォームの下面側
及び上面側が共に同程度に昇温するため、プリフォーム
の下面側及び上面側の温度ムラを低減でき、プリフォー
ムの均熱化を図り得、プリフォームの割れが抑制され
る。
【0013】(2)本発明に係るプリフォームの加圧鋳
造装置は、上記したプリフォームの加圧鋳造方法の実施
に使用されるものであり、プリフォームを配置可能な成
形キャビティをもつ成形型を保持する成形型保持部と、
前記成形型保持部に保持された前記成形型の前記成形キ
ャビティにこれの下方から連通する供給管体と、前記成
形型の下方に設けられ前記成形型の前記成形キャビティ
に前記プリフォームの下側から前記供給管体を経て溶湯
を供給するための溶湯供給手段と、前記成形キャビティ
内に供給された溶湯を加圧することにより溶湯を前記プ
リフォームの内部に含浸させる加圧手段とを具備するプ
リフォームの加圧鋳造装置であって、高さ方向に沿って
延設された仕切壁と前記供給管体に連通すると共に前記
仕切壁の厚み方向に沿って溶湯を流出可能な給湯通路と
をもち、前記給湯通路内の溶湯の湯面高さを前記成形キ
ャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持する縦筒形
状の流量制御部材を具備し、前記流量制御部材の前記給
湯通路内の溶湯を前記仕切壁の厚み方向に沿って流出さ
せて前記プリフォームの上面側に溶湯を供給することに
より、前記プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶
湯を注湯するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】本発明に係るプリフォームの加圧鋳造装置
によれば、高さ方向に沿って延設された仕切壁と供給管
体に連通すると共に前記仕切壁の厚み方向に沿って溶湯
を流出可能な給湯通路とをもつ縦筒形状の流量制御部材
が用いられる。この流量制御部材は成形型の成形キャビ
ティに配置されている。そして注湯工程において、流量
制御部材の給湯通路内の溶湯の湯面高さを成形キャビテ
ィ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持しつつ、給湯通路
内の溶湯を仕切壁の厚み方向に沿って流出させてプリフ
ォームの上面側に溶湯を注湯することができる。これに
よりプリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯を注
湯することができる。
【0015】このように本発明に係るプリフォームの加
圧鋳造装置によれば、プリフォームの下面側及び上面側
の双方に溶湯が注湯されるため、注湯工程におけるプリ
フォームの過剰浮き上がりが抑制される。プリフォーム
の上面側に供給された溶湯がプリフォームを押さえる方
向に作用するためである。更にプリフォームの下面側及
び上面側が共に同程度に昇温するため、プリフォームの
下面側及び上面側の昇温ムラを低減でき、プリフォーム
の均熱化を図り得、プリフォームの割れが抑制される。
【0016】
【実施の形態】本発明に係るプリフォームの加圧鋳造方
法、加圧鋳造装置によれば、次の形態を採用することが
できる。
【0017】・プリフォームは溶湯が含浸する空孔を備
えた多孔質の予備成形体であり、粒子及び繊維の少なく
とも1種の集合体で形成できる。粒子や繊維を結合させ
るバインダを必要に応じて用いることができる。バイン
ダとしては、シリカ系等の無機系及び/または樹脂等の
有機系を例示できるが、バインダを含まない状態とし
て、粒子や繊維等の機械的係合力で結合することにして
も良い。プリフォームの材質としてはセラミックス及び
/または金属を採用できる。セラミックスとしては炭化
珪素、アルミナ、ジルコニア、シリカ、窒化珪素などの
公知のセラミックスのうちの少なくとも1種を採用でき
る。プリフォームを構成する金属としては、一般的に
は、含浸させる溶湯よりも融点が高いものを採用でき
る。溶湯がアルミニウムまたはアルミニウム合金である
場合には、例えば鉄系のプリフォームを採用できる。プ
リフォームに含浸される溶湯としては、特に限定され
ず、軽金属系でもそれ以外でも良く、アルミニウム、ア
ルミニウム合金、マグネシウム、マグネシウム合金、亜
鉛、亜鉛合金、銅、銅合金等を例示できる。溶湯として
は、溶融状態のものが一般的であるが、場合によっては
固相を含むものでも良い。
【0018】・注湯工程において、高さ方向に沿って延
設された仕切壁と供給管体に連通する給湯通路とをもつ
縦筒形状の流量制御部材を用いる。流量制御部材として
は筒形状(円筒、角筒を含む)でも良いし、平板形状で
も良い。流量制御部材が成形型の成形キャビティに配置
された状態で注湯工程を行う。注湯工程では、流量制御
部材の給湯通路内の溶湯の湯面高さを成形キャビティ内
の溶湯の湯面高さよりも高く維持する。これにより流量
制御部材の給湯通路内の溶湯を仕切壁の厚み方向に沿っ
て流出させ、プリフォームの上面側に溶湯を注湯する。
これによりプリフォームの下面側及び上面側の双方に溶
湯を注湯する。
【0019】流量制御部材の仕切壁の厚み方向に沿って
溶湯を流出させる構造としては、仕切壁にこれの厚み方
向に沿って貫通する絞り孔を形成しても良いし、多数の
連通細孔を有する多孔質材料で仕切壁自体を形成しても
良い。場合によっては、流量制御部材の給湯通路内の溶
湯を流量制御部材の上端部から流量制御部材外部に溢れ
させても良い。
【0020】・溶湯供給手段は、成形型の成形キャビテ
ィにプリフォームの下側から供給管体を経て溶湯を供給
するものであり、構造は特に限定されない。加圧手段
は、成形キャビティ内に供給された溶湯を加圧すること
により溶湯をプリフォームの内部に含浸させるものであ
り、構造は特に限定されない。例えば、加圧手段として
は、成形型の成形キャビティの上方に配置され成形キャ
ビティ内の溶湯を加圧する加圧体と、加圧体を加圧方向
に移動させる駆動源とを有する構成を採用できる。
【0021】・流量制御部材は、仕切壁の厚み方向に沿
って貫通すると共にプリフォームの上面に対面する絞り
孔を有することが好ましい。この場合、注湯工程におい
て、流量制御部材の給湯通路内の溶湯の湯面高さを成形
キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持しつつ、
流量制御部材の給湯通路内の溶湯を絞り孔からプリフォ
ームの上面側に効率良く流出させることができる。故
に、プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯を注
湯することができる。流量制御部材の絞り孔としては、
プリフォームの上面の高さよりも高く設定されているこ
とが好ましい。これにより絞り孔から流出した溶湯をプ
リフォームの上面側に効果的に供給できる。
【0022】・プリフォームとしては、下側に配置され
た第1プリフォームと第1プリフォームよりも上側に配
置された第2プリフォームとを備えている形態を採用で
きる。流量制御部材の仕切壁は、仕切壁の厚み方向に沿
って貫通すると共に第1プリフォームの上面に対面する
第1絞り孔と、仕切壁の厚み方向に沿って貫通すると共
に第2プリフォームの上面に対面して第1絞り孔よりも
上側に形成された第2絞り孔とを有している形態を採用
できる。この場合、注湯工程において、流量制御部材の
給湯通路内の溶湯の湯面高さを成形キャビティ内の溶湯
の湯面高さよりも高く維持しつつ、流量制御部材の給湯
通路内の溶湯を第1絞り孔から第1プリフォームの上面
側に流出させることができる。これにより第1プリフォ
ームの下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯する操作を
行なうことができる。
【0023】更に、流量制御部材の給湯通路内の溶湯の
湯面高さを成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高
く維持しつつ、流量制御部材の給湯通路内の溶湯を第2
絞り孔から第2プリフォームの上面側に流出させること
ができる。この場合、第2プリフォームの下面側及び上
面側の双方に溶湯を注湯する操作を行なうことができ
る。
【0024】・成形キャビティ内における溶湯の湯面の
上昇を検知する湯面高さ検知手段が設けられていること
が好ましい。湯面高さ検知手段としては熱電対等の温度
センサ方式、溶湯を利用して導電経路を形成する方式を
例示できる。また流量制御部材の絞り孔の開口量が可変
である形態を採用できる。この場合、湯面高さ検知手段
により成形キャビティ内における溶湯の湯面の上昇が検
知されたとき、流量制御部材の絞り孔の開口量を増加さ
せる。これにより流量制御部材の給湯通路内の溶湯を絞
り孔からプリフォームの上面側に流出させることがで
き、プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯を注
湯することができる。
【0025】・湯面高さ検知手段により成形キャビティ
内における溶湯の湯面の上昇が検知されたとき、流量制
御部材の仕切壁の第1絞り孔の開口量を増加させること
により、流量制御部材の給湯通路内の溶湯を第1絞り孔
から第1プリフォームの上面側に流出させることによ
り、第1プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯
を注湯すると共に、湯面高さ検知手段により成形キャビ
ティ内における溶湯の湯面の更なる上昇が検知されたと
き、流量制御部材の第2絞り孔の開口量を増加させるこ
とにより、流量制御部材の給湯通路内の溶湯を第2絞り
孔から第2プリフォームの上面側に流出させることによ
り、第2プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯
を注湯する形態を採用することができる。
【0026】・制御装置が設けられていることが好まし
い。この制御装置は、湯面高さ検知手段により成形キャ
ビティ内における溶湯の湯面の上昇が検知されたとき、
流量制御部材の仕切壁の第1絞り孔の開口量を増加させ
る方式を採用できる。この場合、流量制御部材の給湯通
路内の溶湯を第1絞り孔から第1プリフォームの上面側
に流出させて、第1プリフォームの下面側及び上面側の
双方に溶湯を注湯することができる。また制御装置は、
湯面高さ検知手段により成形キャビティ内における溶湯
の湯面の更なる上昇が検知されたとき、流量制御部材の
第2絞り孔の開口量を増加させる方式を採用できる。こ
の場合、流量制御部材の給湯通路内の溶湯を第2絞り孔
から第2プリフォームの上面側に流出させることによ
り、第2プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯
を注湯することができる。
【0027】・流量制御部材の絞り孔は、プリフォーム
の上面の高さよりも高く設定されていることが好まし
い。この場合、プリフォームの上面側に溶湯を注湯する
ことができる。
【0028】・流量制御部材の第1絞り孔としては第1
プリフォームの上面の高さよりも高く設定されているこ
とが好ましい。この場合、第1絞り孔により第1プリフ
ォームの上面側に溶湯を供給することができる。また流
量制御部材の第2絞り孔としては第2プリフォームの上
面の高さよりも高く設定されていることが好ましい。こ
の場合、第2絞り孔により第2プリフォームの上面側に
溶湯を注湯することができる。
【0029】・加圧手段は流量制御部材を退避させる退
避室を有していることが好ましい。この場合、含浸工程
において、流量制御部材の少なくとも一部を加圧手段の
退避室内に退避させる形態を採用することができる。従
って含浸工程において流量制御部材が邪魔になることを
防止できる。退避室は加圧手段の内部に形成することが
できる。
【0030】・成形型の成形キャビティは、第1プリフ
ォームを収容すると共に、第1プリフォームよりも高い
位置に第2プリフォームを収容する形態を採用すること
ができる。流量制御部材は、仕切壁の厚み方向に沿って
貫通すると共に第1プリフォームの上面に対面する第1
絞り孔と、仕切壁の厚み方向に沿って貫通すると共に第
2プリフォームの上面に対面する第2絞り孔とを有して
いる形態を採用することができる。この場合、流量制御
部材の第1絞り孔の高さは、第1プリフォームの上面の
高さよりも高く設定されていることが好ましい。また流
量制御部材の第2絞り孔の高さは、第2プリフォームの
上面の高さよりも高く設定されていることが好ましい。
【0031】
【実施例】(第1実施例)以下、本発明を具体化した第
1実施例について図1〜図6を参照して説明する。本実
施例に係るプリフォームの加圧鋳造装置は、金型である
成形型1を保持する成形型保持部2と、成形型保持部2
に保持された成形型1の成形キャビティ10にこれの下
方から連通する供給管体3と、成形型1の成形キャビテ
ィ10に供給管体3を経て溶湯を供給するための溶湯供
給手段4と、成形キャビティ10内に供給された溶湯を
加圧する加圧手段5とを具備している。
【0032】成形型1は成形キャビティ10を有する。
成形キャビティ10は、プリフォーム6を収容する主キ
ャビティ11と、主キャビティ11の中央域の底から下
方に延設された副キャビティ15とを有する。主キャビ
ティ11は、プリフォーム6を載置する横方向に沿って
延設されたプリフォームセット面12と、縦方向に沿っ
て延設されたリング形状をなす型面である大径型面13
とを有する。副キャビティ15は、縦方向に沿って延設
されたリング形状をなす型面である小径型面16と、成
形キャビティ10の底となる底面17とをもつ。大径型
面13及び小径型面16は同軸的に配置されている。
【0033】プリフォーム6は成形キャビティ10のう
ち主キャビティ11に配置されており、下側に配置され
たリング形状をなす板状の第1プリフォーム61と、第
1プリフォーム61の上側に配置されたリング形状をな
す板状の第2プリフォーム62とで形成されている。図
2に示すように成形型1に形成された第1保持部1aに
より第1プリフォーム61は保持されていると共に、第
2保持部1cにより第2プリフォーム62は第1プリフ
ォーム61の上側に保持されている。第1プリフォーム
61、第2プリフォーム62の厚みや直径としては、目
標成形品である複合材料の種類によっても相違するもの
の、例えば、厚みは1〜50mm、直径は100〜10
00mmにできるが、これらに限定されるものではな
い。なお図2において、第1プリフォーム61の上面6
1uと第2プリフォーム62の下面62dとの間隔は、
Kで示されている。第1プリフォーム61及び第2プリ
フォーム62は成形キャビティ10の主キャビティ11
において横方向に沿って配置されている。
【0034】第1プリフォーム61及び第2プリフォー
ム62は、多数の空孔を有する予備成形体であり、炭素
珪素(SiC)等のセラミックス系の多数の粒状体の集
合体を無機系のバインダで結合することにより形成され
ている。第1プリフォーム61及び第2プリフォーム6
2ではバインダの増量には限界があるため、第1プリフ
ォーム61及び第2プリフォーム62に熱ムラが生じる
と、熱変形等で第1プリフォーム61及び第2プリフォ
ーム62に亀裂が生成することがある。
【0035】流量制御部材7は縦型の円筒形状をなして
おり、成形型1に対して着脱可能とされており、鉄系等
の耐熱性及び強度を有する金属またはセラミックスで形
成されている。流量制御部材7は、高さ方向に沿って延
設された仕切壁70と、供給管体3の管路3cに連通す
る高さ方向にのびる給湯通路72とをもつ。流量制御部
材7の上端部7uは加圧手段5に保持されており、注湯
時にこれの径方向にずれることが抑制されている。流量
制御部材7の下端部7dは成形キャビティ10の底面1
7に当接しており、流量制御部材7による絞り機能を良
好に確保させ得る。流量制御部材7の外側に第1プリフ
ォーム61及び第2プリフォーム62が配置されてい
る。
【0036】図2に示すように、流量制御部材7の仕切
壁70には、これの厚み方向に沿って貫通する複数個の
下絞り孔73、複数個の第1絞り孔74、複数個の第2
絞り孔75が形成されている。
【0037】下絞り孔73の上方に第1絞り孔74が形
成されており、第1絞り孔74の上方に第2絞り孔75
が形成されている。下絞り孔73は、第1プリフォーム
61の下面61dに対面するように、第1プリフォーム
61の下面61dよりも下方に形成されている。第1絞
り孔74は、第1プリフォーム61の上面61uに対面
するように、第1プリフォーム61の上面61uよりも
上方に形成されていると共に、第2プリフォーム62の
下面62dに対面するように第2プリフォーム62の下
面62dよりも下方に形成されている。第2絞り孔75
は、第2プリフォーム62の上面62uに対面するよう
に、第2プリフォーム62の上面62uよりも上方に形
成されている。
【0038】図2に示すように、成形型1の高さ基準面
である底面17に対して下絞り孔73の流出通路の高さ
をh1とし、第1絞り孔74の流出通路の高さをh2と
し、第2絞り孔75の流出通路の高さをh3とすると、
h1<h2<h3とされている。成形型1の高さ基準面
である底面17に対して、第1プリフォーム61の下面
61dの高さをhaとし、第2プリフォーム62の下面
62dの高さをhbとすると、ha<hbとされてい
る。ここでh1<ha<h2<hb<h3とされてい
る。
【0039】図1に示すように加圧手段5は、成形キャ
ビティ10内に供給された溶湯を加圧することにより、
溶湯を第1プリフォーム61及び第2プリフォーム62
の内部に含浸させるものである。加圧手段5は、成形型
1の成形キャビティ10の上方に配置され成形キャビテ
ィ10内の溶湯を加圧する上型として機能する鉄系金属
製の加圧体50と、加圧体50を保持するホルダ52
と、加圧体50と共にホルダ52を溶湯加圧方向(矢印
Y1方向)に移動させる駆動源53とを有する。駆動源
53は、油圧シリンダまたは空気圧シリンダ等の流体圧
装置、あるいは、モータ駆動機構で形成することができ
る。加圧体50は、プリフォーム6に対面する加圧面5
0aを有する型部50cと、型部50cの中央域におい
て下方に突出する突出型部50dとを有する。加圧体5
0は、流量制御部材7を退避させるための筒状空間で形
成された退避室55と、流量制御部材7を退避方向及び
露出方向に移動させるための駆動部57とを有する。駆
動部57は、流量制御部材7を退避室55に退避させる
退避方向(矢印Y2方向)に移動させ得ると共に、流量
制御部材7を退避室55から露出させる方向(矢印Y1
方向)に移動させ得る。駆動部57は、油圧シリンダま
たは空気圧シリンダ等の流体圧装置、あるいは、モータ
駆動機構で形成することができる。上型として機能する
加圧体50の下面側には、成形キャビティ10への注湯
完了を検知する湯量検知手段18が取り付けられてい
る。湯量検知手段18は例えば熱電対等の温度センサで
形成できる。
【0040】溶湯供給手段4は成形型1の下方に設けら
れており、成形型1の成形キャビティ10に供給管体3
の管路3cを経て溶湯を供給するためのものである。溶
湯供給手段4は、溶湯を保持する溶湯保持室41を有す
る溶湯保持容器40と、溶湯保持室41を閉鎖する閉鎖
蓋42とをもつ。溶湯保持室41に圧縮気体(アルゴン
ガスまたは空気)を導入管43を経て送給する圧力発生
装置44が設けられている。圧力発生装置44として
は、溶湯保持室41の気体圧力を増加させたり減少させ
たりするものであればよく、ガスボンベを用いても良い
し、流体圧シリンダ装置を用いても良い。制御装置9は
制御信号を信号線44bを経て圧力発生装置44に出力
することにより、圧力発生装置44を制御する。なお、
湯量検知手段18の位置まで溶湯が成形キャビティ10
内に注湯されると、湯量検知手段18からの検知信号が
信号線18aを経て制御装置9に入力される。
【0041】供給管体3はストークとも呼ばれるもので
あり、高さ方向に沿って延設された縦筒構造を有する。
供給管体3の上端部3uは成形型1の成形キャビティ1
0の底面17に連通していると共に、供給管体3の下端
部3dは溶湯保持室41内の溶湯に浸漬されている。供
給管体3は鉄系金属またはセラミックスで形成されてい
る。本実施例ではゲート遮断手段30が設けられてい
る。ゲート遮断手段30は、管路3cを開閉する閉鎖部
31と、制御装置9から信号線32cを経て入力される
制御信号により閉鎖部31を開閉方向に作動させる作動
部32とをもつ。作動部32は、油圧シリンダまたは空
気圧シリンダ等の流体圧装置、あるいは、モータ駆動機
構で形成することができる。なお図2〜図6では、ゲー
ト遮断手段30の図示は、省略されている。
【0042】本実施例によれば、注湯工程において、流
量制御部材7の下絞り孔73、第1絞り孔74、第2絞
り孔75はそれぞれ溶湯の流量を絞る機能をもつ。この
ため、溶湯供給手段4により供給管体3の管路3cを経
て流量制御部材7の給湯通路72に供給される溶湯の単
位時間あたりの流量をV1とし、流量制御部材7の給湯
通路72内の溶湯が下絞り孔73から成形キャビティ1
0内に単位時間あたり流出される流量をV2とすると、
V1よりもV2は小さく設定されている(V2<V
1)。このため注湯の際には流量制御部材7の給湯通路
72内の溶湯の湯面高さを成形キャビティ10内の溶湯
の湯面高さよりも高く維持することができる。
【0043】同様に、流量制御部材7の給湯通路72内
の溶湯が下絞り孔73及び第1絞り孔74から成形キャ
ビティ10内に単位時間あたり流出される流量をV3と
すると、V1よりも、V2+V3は小さく設定されてい
る(V2+V3<V1)。
【0044】このため本実施例に係る注湯工程では、溶
湯供給手段4により供給管体3の管路3cを経て流量制
御部材7の給湯通路72内に溶湯を供給すれば、流量制
御部材7の給湯通路72内の溶湯の湯面高さを、成形キ
ャビティ10内の溶湯の湯面高さよりも高く維持するこ
とができる。
【0045】本実施例によれば、図2に示すように、下
絞り孔73の下面73m、第1絞り孔74の下面74
m、第2絞り孔75の下面75mは、当該箇所における
溶湯溜まりを抑えるべく、溶湯を流下させ得るように下
方に向けて傾斜している。このように下絞り孔73、第
1絞り孔74、第2絞り孔75における溶湯溜まりが抑
えられるため、流量制御部材7を加圧体50の退避室5
5に退避させて収容するとき、流量制御部材7を退避方
向に移動させる操作を良好に行うことができる。なお図
1では下絞り孔73、第1絞り孔74、第2絞り孔75
の図示は、省略されている。
【0046】さて加圧鋳造方法を実施する場合について
説明を加える。配置工程を終えた状態では、図1に示す
ように、成形キャビティ10をもつ成形型1が大気圧雰
囲気において成形型保持部2に配置されている。この状
態では、成形型1の成形キャビティ10にこれの下方か
ら連通する供給管体3が配置されている。更に成形型1
の成形キャビティ10には、第1プリフォーム61及び
第2プリフォーム62が加圧体50の下方に位置するよ
うに配置されている。
【0047】このように配置工程を終えた後に注湯工程
を行う。注湯工程では、ゲート遮断手段30の閉鎖部3
1を開放させた状態で、制御装置9は制御信号を圧力発
生装置44に出力してこれを作動させ、圧力発生装置4
4から圧力気体を導入管43を経て溶湯保持室41に送
給する。この結果、溶湯保持室41に保持されている溶
湯(アルミニウム系溶湯,例えば760〜850℃程
度)の湯面41xの上方空間が増圧される。このため、
溶湯保持室41に保持されている溶湯の湯面41xの上
方空間の圧力と大気圧との差圧に基づいて、溶湯保持室
41の溶湯は、供給管体3の管路3c内を次第に上昇
し、開放状態のゲート遮断手段30を経て、流量制御部
材7の給湯通路72の下端側に至る。
【0048】流量制御部材7の下絞り孔73は、溶湯の
流量を絞って成形キャビティ10に流出させる絞り孔と
して機能するため、図3に示すように、流量制御部材7
の給湯通路72内の溶湯の湯面X1の高さは、成形キャ
ビティ10内の溶湯の湯面W1の高さよりも高く維持さ
れる。流量制御部材7の給湯通路72内の溶湯は、下絞
り孔73から成形型1の成形キャビティ10内に流入す
るため、溶湯の湯面W1が次第に上昇する。
【0049】更に溶湯供給手段4から流量制御部材7の
給湯通路72内に溶湯が供給されると、成形型1の成形
キャビティ10内の溶湯の湯面W1が上昇するため、図
4に示すように、成形キャビティ10内の溶湯の湯面W
2が第1プリフォーム61の下面61dに到達する。こ
のとき図4に示すように、流量制御部材7の給湯通路7
2内の溶湯の湯面X2の高さは、成形キャビティ10内
の溶湯の湯面W2の高さよりも高く維持されており、し
たがって流量制御部材7の給湯通路72内の溶湯は、第
1絞り孔74から第1プリフォーム61の上面61u側
に流出する。換言すれば、流量制御部材7による溶湯流
量の制御機能により、第1プリフォーム61の下面61
d側及び上面61u側の双方に溶湯を注湯することがで
きる。
【0050】上記のように注湯の際には第1プリフォー
ム61の下面61d側の他に、上面61u側にも溶湯が
注湯されるため、注湯工程における浮力による第1プリ
フォーム61の過剰浮き上がりが抑制される。第1プリ
フォーム61の上面61u側に供給された溶湯が第1プ
リフォーム61を抑えつけるためである。第1プリフォ
ーム61の下面61d側及び上面61u側の双方から溶
湯が注湯されるため、第1プリフォーム61の下面61
d側及び上面61u側が共に同程度に加熱され、第1プ
リフォーム61の昇温ムラが低減される。故に、第1プ
リフォーム61の昇温ムラに起因する第1プリフォーム
61の割れが抑制される。
【0051】溶湯供給手段4により溶湯保持室41の溶
湯が流量制御部材7の給湯通路72に更に供給される
と、図5に示すように、成形型1の成形キャビティ10
における溶湯の湯面W3が更に上昇すると共に、流量制
御部材7の給湯通路72内の溶湯の湯面X3も上昇す
る。そして成形キャビティ10内の溶湯の湯面W3が第
2プリフォーム62の下面62dに到達する。このとき
図5に示すように、流量制御部材7の給湯通路72内の
溶湯の湯面X3の高さは、成形キャビティ10内の溶湯
の湯面W3の高さよりも高く維持されている。このため
流量制御部材7の給湯通路72内の溶湯は、第2絞り孔
75から第2プリフォーム62の上面62u側に流出す
る。換言すれば、流量制御部材7による溶湯流量の制御
機能により、第2プリフォーム62の下面62d側及び
上面62u側の双方に溶湯を注湯することができる。
【0052】上記のように第2プリフォーム62の下面
62d側及び上面62u側の双方に溶湯が注湯されるた
め、注湯工程における浮力による第2プリフォーム62
の過剰浮き上がりが抑制される。更に第2プリフォーム
62の下面62d側及び上面62u側が共に同程度に加
熱されるため、第2プリフォーム62の昇温ムラが低減
され、昇温ムラに起因する第2プリフォーム62の割れ
が抑制される。
【0053】なお上記した注湯工程では、供給管体3を
介して成形型1の成形キャビティ10にこれの底側から
溶湯がスムーズに供給されるため、溶湯の乱流化が抑え
られ、ひいては空気の巻き込みが抑えられる。注湯工程
では、溶湯の注湯の完了は湯量検知手段18により検知
される。
【0054】上記したように注湯工程を終えたら、圧力
発生装置44を制御して溶湯保持室41の圧力を低下さ
せると共に、ゲート遮断手段30を作動させて供給管体
3の管路3cを閉鎖させる。この結果、成形型1の成形
キャビティ10内に注湯された溶湯は成形キャビティ1
0内に保持されるものの、供給管体3の管路3cに残留
している溶湯は重力により溶湯保持容器40に戻る。
【0055】その後、含浸工程を行う。含浸工程では、
駆動部57を駆動させることにより、図6に示すよう
に、流量制御部材7の全体を退避方向(上方向,矢印Y
2方向)に移動させ、流量制御部材7の全体を加圧体5
0の退避室55内に退避させる。この状態では流量制御
部材7は加圧体50の内部に収容され、流量制御部材7
の下端部7dは加圧体50の型面と同一高さとなる。こ
の状態では、駆動源53を駆動させて加圧体50を加圧
方向(下方向,矢印Y1方向)に移動させ、加圧手段5
の加圧体50で成形キャビティ10内の溶湯を上側から
加圧し、溶湯を第1プリフォーム61の空孔及び第2プ
リフォーム62の空孔に含浸させる。加圧の程度として
は適宜選択できるものの、一般的には1〜1000MP
a程度、2〜500MPa程度、殊に5〜100MPa
程度にすることができる。但しこれらに限定されるもの
ではない。
【0056】含浸工程ではゲート遮断手段30により供
給管体3の管路3cが閉鎖しているため、成形キャビテ
ィ10内の溶湯は効果的に加圧され、溶湯は第1プリフ
ォーム61の空孔及び第2プリフォーム62の空孔に良
好に含浸される。成形キャビティ10内に残留していた空
気は、成形型1と加圧体50との微小隙間等から排出さ
れる。成形キャビティ10内の溶湯が凝固すれば、複合
材料が形成される。このように複合材料が形成された
ら、駆動源53を逆方向に駆動させて加圧体50を加圧
解除方向(上方向,矢印Y2方向)に移動させる。その
後、成形型1の成形キャビティ10から複合材料を離脱
させる。含浸工程では、流量制御部材7の全体を加圧体
50の退避室55内に退避させて加圧体50の内部に収
容するため、流量制御部材7が邪魔にならない。
【0057】次の複合材料を成形する場合には、図1に
示すように、ゲート遮断手段30を作動させて供給管体
3の管路3cを開放させると共に、駆動部57を駆動さ
せて加圧体50の退避室55から流量制御部材7を露出
させ、且つ、流量制御部材7を成形型1の成形キャビテ
ィ10内に配置させる。この状態で前述同様に注湯工
程、含浸工程を順に行う。
【0058】以上説明したように本実施例によれば、流
量制御部材7の給湯通路72内の溶湯の湯面高さを成形
キャビティ10内の溶湯の湯面高さよりも高く維持させ
ることができる。そして第1プリフォーム61の下面6
1d側及び上面61u側の双方に溶湯を注湯することが
できる。このように本実施例によれば、第1プリフォー
ム61の下面61d側及び上面61u側の双方に溶湯が
注湯されるため、注湯工程における第1プリフォーム6
1の過剰浮き上がりが抑制される。更に第1プリフォー
ム61の下面61d側及び上面61u側が共に同程度に
昇温するため、第1プリフォーム61の下面61d側及
び上面61u側の温度ムラが低減され、第1プリフォー
ム61の割れが抑制される。
【0059】第2プリフォーム62についても同様であ
り、第2プリフォーム62の下面62d側及び上面62
u側の双方に溶湯が注湯されるため、注湯工程における
第2プリフォーム62の過剰浮き上がりが抑制される。
更に第2プリフォーム62の下面62d側及び上面62
u側が共に同程度に昇温するため、第2プリフォーム6
2の下面62d側及び上面62u側の温度ムラが低減さ
れ、第2プリフォーム62の割れが抑制される。
【0060】(第2実施例)本発明を具体化した第2実
施例について図7を参照して説明する。本実施例は第1
実施例と同様の構成であり、基本的には同様の作用効果
を奏する。共通する部位には共通の符号を付する。以
下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。
本実施例に係る注湯工程では、加圧体50に保持されて
いる流量制御部材7Bの下端部7dは、成形キャビティ
10の底面17に接触していない。注湯の際には、流量
制御部材7Bの下端部7dと成形キャビティ10の底面
17との間から、流量制御部材7B内の溶湯は成形キャ
ビティ10内に注湯される。流量制御部材7Bの仕切壁
70には、第1プリフォーム61の上面61uに溶湯を
流出させる第1絞り孔74と、第2プリフォーム62の
上面62uに溶湯を流出させる第2絞り孔75とが形成
されている。
【0061】本実施例においても第1実施例と同様に、
第1プリフォーム61の下面61d側及び上面61u側
の双方に溶湯が注湯されるため、注湯工程における第1
プリフォーム61の過剰浮き上がりが抑制される。更に
第1プリフォーム61の下面61d側及び上面61u側
が共に同程度に昇温するため、第1プリフォーム61の
下面61d側及び上面61u側の温度ムラが低減され、
第1プリフォーム61の割れが抑制される。第2プリフ
ォーム62についても同様である。
【0062】(第3実施例)本発明を具体化した第3実
施例について図8〜図10を参照して説明する。本実施
例は第1実施例と同様の構成であり、基本的には同様の
作用効果を奏する。共通する部位には共通の符号を付す
る。以下、第1実施例と異なる部分を中心として説明す
る。成形キャビティ10内における溶湯の湯面の上昇を
検知する第1湯面高さ検知手段81、第2湯面高さ検知
手段82が成形型1に設けられている。第1湯面高さ検
知手段81は熱電対等の温度センサであり、成形型1の
成形キャビティ10内に注湯された溶湯の湯面が第1プ
リフォーム61の下面61dに接近したことを検知す
る。第2湯面高さ検知手段82は熱電対等の温度センサ
であり、成形型1の成形キャビティ10内に注湯された
溶湯の湯面が第2プリフォーム62の下面62dに接近
したことを検知する。
【0063】第1湯面高さ検知手段81の検出信号は信
号線81eを介して制御装置9に入力される。第2湯面
高さ検知手段82の検出信号は信号線82fを介して制
御装置9に入力される。
【0064】流量制御部材7は、第1絞り孔74及び第
2絞り孔75の開口量を可変とする開口量可変部材とし
て機能する可動筒79を有する。可動筒79は流量制御
部材7に同軸的に設けられており、流量制御部材7に対
してこれの軸長方向に沿って相対的に移動可能とされて
いる。可動筒79を流量制御部材7に対して流量制御部
材7の軸長方向に沿って矢印Y2方向(絞り口の開口方
向)に相対的に移動させれば、第1絞り孔74の開口量
を増加させ得る。可動筒79が流量制御部材7に対して
更に矢印Y2方向に移動すれば、第2絞り孔75の開口
量を増加させて第2絞り孔75をも開放させ得る。
【0065】図9に示すように、成形キャビティ10の
副キャビティ15内に供給された溶湯の湯面W2が第1
プリフォーム61の下面61dに至る頃、第1湯面高さ
検知手段81により溶湯の湯面W2の上昇が検知され
る。すると、制御装置9は可動筒79を流量制御部材7
に対して矢印Y2方向に沿って相対移動させ、第2絞り
孔75を可動筒79で閉鎖させつつ、第1絞り孔74の
開口量を開放させる。この結果図9に示すように、流量
制御部材7の給湯通路72内の溶湯を前記第1絞り孔7
4から第1プリフォーム61の上面61u側にも流出さ
せることができ、第1プリフォーム61の下面61d側
及び上面61u側の双方に溶湯を注湯することができ
る。
【0066】図10に示すように、成形キャビティ10
内に供給された溶湯の湯面W3が第2プリフォーム62
の下面62dに至る頃、第2湯面高さ検知手段82によ
り溶湯の湯面W3の上昇が検知される。すると、制御装
置9は可動筒79を流量制御部材7に対して矢印Y2方
向に沿って更に相対移動させ、第2絞り孔75も開放さ
せる。この結果、図10に示すように、流量制御部材7
の給湯通路72内の溶湯を第2絞り孔75から第2プリ
フォーム62の上面62u側にも流出させることによ
り、第2プリフォーム62の下面62d側及び上面62
u側の双方に溶湯を注湯することができる。
【0067】以上説明したように本実施例によれば、第
1実施例と同様に、流量制御部材7は溶湯の流量を絞っ
て成形キャビティ10内に注湯する機能を有するため、
流量制御部材7の給湯通路72内の溶湯の湯面高さを成
形キャビティ10内の溶湯の湯面高さよりも高く維持さ
せることができる。そして第1プリフォーム61の下面
61d側及び上面61u側の双方に溶湯を注湯すること
ができる。このように本実施例によれば、第1プリフォ
ーム61の下面61d側及び上面61u側の双方に溶湯
が注湯されるため、注湯工程における浮力による第1プ
リフォーム61の過剰浮き上がりが抑制される。更に第
1プリフォーム61の下面61d側及び上面61u側が
共に同程度に昇温するため、第1プリフォーム61の下
面61d側及び上面61u側の温度ムラが低減され、第
1プリフォーム61の割れが抑制される。
【0068】第2プリフォーム62についても同様であ
り、第2プリフォーム62の下面62d側及び上面62
u側の双方に溶湯が注湯されるため、注湯工程における
浮力による第2プリフォーム62の過剰浮き上がりが抑
制される。更に第2プリフォーム62の下面62d側及
び上面62u側が共に同程度に昇温するため、第2プリ
フォーム62の下面62d側及び上面62u側の温度ム
ラが低減され、第2プリフォーム62の割れが抑制され
る。
【0069】(その他)第1実施例では、加圧手段5の
加圧体50の退避室55に流量制御部材7を退避させる
ことにしているが、これに限らず、加圧手段5の加圧体
50と流量制御部材7とを別体としても良い。この場
合、注湯工程が完了したときには、成形型1に配置され
ている流量制御部材7を、成形型1から離れた位置に移
動させ、その後に加圧体50を移動させて加圧体50で
成形キャビティ10内の溶湯を加圧して含浸工程を行っ
てもよい。第1実施例では、第1プリフォーム61及び
第2プリフォーム62が設けられているが、これに限ら
ず、第1プリフォーム61及び第2プリフォーム62の
うちのいずれか一方のみとしても良い。
【0070】更に第1プリフォーム61及び第2プリフ
ォーム62の上方に、第3プリフォームを設けても良
く、更には第3プリフォームの上方に第4プリフォーム
を設けても良い。第3プリフォームや第4プリフォーム
を設ける場合には、第3プリフォームの上面側に溶湯を
流出させる絞り孔、第4プリフォームの上面側に溶湯を
流出させる絞り孔を流量制御部材に形成することが好ま
しい。
【0071】上記した第1実施例では、流量制御部材7
は直筒形状をなしているが、上方に向かうにつれて径が
小さくなる円錐筒形状としても良い。プリフォーム6は
炭化珪素の粒状体の集合体で形成されているが、これに
限定されるものではなく、アルミナの粒状体の集合体で
あっても良く、更には炭化珪素やアルミナ等の繊維の集
合体であっても良い。
【0072】上記した第1実施例では、複数個の下絞り
孔73、複数個の第1絞り孔74、複数個の第2絞り孔
75が設けられているが、下絞り孔73、第1絞り孔7
4、第2絞り孔75はそれぞれ1個でも良い。上記した
図8〜図10に示す第3実施例では、開口量可変部材と
して機能する可動筒79は、流量制御部材7に対して流
量制御部材7の軸長方向に沿って相対的に移動可能とさ
れているが、筒形状の流量制御部材7の周方向に沿って
可動筒を相対的に移動可能とし、可動筒の周方向への移
動に伴い、第1絞り孔74及び第2絞り孔75の開口量
を可変としても良い。
【0073】上記した第1実施例では、第1プリフォー
ム61を第1保持部1aにより保持することとしたが、
第1保持部1aを省略する構成としても良い。すなわ
ち、第1プリフォーム61を直接、プリフォームセット
面12に載置させることにしてもよい。また、第1保持
部1a及び第2保持部1cに代えて、成形型1内に進退
移動可能に設けられた保持手段を用いるようにしても良
い。この保持手段は、前進(露出)時にはプリフォーム
6を保持し、後退(退避)時にはプリフォーム6を保持
せずに成形型1内に収容されるようになっている。更に
第1保持部1a及び第2保持部1cに代えて中子でプリ
フォームを保持するようにしても良い。
【0074】上記した第3実施例では、成形型1の成形
キャビティ10内に注湯された溶湯の湯面が第1プリフ
ォーム61の下面61dに接近したことを検知する第1
湯面高さ検知手段81、成形型1の成形キャビティ10
内に注湯された溶湯の湯面が第2プリフォーム62の下
面62dに接近したことを検知する第2湯面高さ検知手
段82が設けられているが、これに限らず、タイマー制
御を採用し、注湯開始時刻からの時間経過に基づいて、
成形型1の成形キャビティ10内に注湯された溶湯の湯
面が第1プリフォーム61の下面61dに接近したこと
を推測しても良い。同様に、注湯開始時刻からの時間経
過に基づいて、成形型1の成形キャビティ10内に注湯
された溶湯の湯面が第2プリフォーム62の下面62d
に接近したことを推測することにしても良い。
【0075】図11は第4実施例を示す。第4実施例も
第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には
同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する
部分を中心として説明する。図11に示すように、流量
制御部材7Dの上端部7uはプリフォーム6の上面6u
よりも上方に設けられている。流量制御部材7Dの仕切
壁70には、下絞り孔73及び第1絞り孔74が、プリ
フォーム6の下面6dよりも下方に位置するように設け
られている。下絞り孔73及び第1絞り孔74は溶湯の
流量を絞る機能を有するため、図11に示す実施例にお
いても、流量制御部材7Dの給湯通路72内の溶湯の湯
面高さを、成形型1の成形キャビティ10内の溶湯の湯
面高さよりも高く維持することができる。
【0076】従って注湯工程において、流量制御部材7
Dの給湯通路72内の溶湯を下絞り孔73及び第1絞り
孔74から成形キャビティ10に供給させつつ、流量制
御部材7Dの上端部7uから外部へ溢れさせることがで
きる。即ち、流量制御部材7D内に供給された溶湯を下
絞り孔73,第1絞り孔74から成形キャビティ10内
に供給することにより成形キャビティ10内の溶湯の湯
面をプリフォーム6の下面6dに接近させつつ、流量制
御部材7Dの給湯通路72内の溶湯を流量制御部材7D
の上端部7uから流量制御部材7Dの仕切壁70の厚み
方向に沿って流出させ、プリフォーム6の上面6u側に
も溶湯を供給することができる。この結果、本実施例に
おいても、注湯の際には、プリフォーム6の下面6d側
及び上面6u側の双方に溶湯を注湯することができる。
【0077】その他、本発明方法及び本発明装置は上記
した各実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸
脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
上記した記載から次の技術的思想も把握できる。 ・請求項11において、前記流量制御部材の前記絞り孔
の高さは、前記プリフォームの上面の高さよりも高く設
定されていることを特徴とするプリフォームの加圧鋳造
装置。 ・請求項10または請求項11において、前記成形型の
前記成形キャビティは、第1プリフォームを収容すると
共に、前記第1プリフォームよりも高い位置に第2プリ
フォームを収容するものであり、前記流量制御部材は、
前記仕切壁の厚み方向に沿って貫通すると共に前記第1
プリフォームの上面に対面する第1絞り孔と、前記仕切
壁の厚み方向に沿って貫通すると共に前記第2プリフォ
ームの上面に対面する第2絞り孔とを有していることを
特徴とするプリフォームの加圧鋳造装置。 ・請求項10または請求項11において、前記成形キャ
ビティ内における溶湯の湯面の上昇を検知する湯面高さ
検知手段が設けられており、前記流量制御部材の前記第
1絞り孔及び前記第2絞り孔は開口量が可変であり、前
記湯面高さ検知手段により前記成形キャビティ内におけ
る溶湯の湯面の上昇が検知されたとき、前記流量制御部
材の前記第1絞り孔の開口量を増加させることにより、
前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前記第1絞
り孔から流出させて前記第1プリフォームの上面側に溶
湯を供給することにより、前記第1プリフォームの下面
側及び上面側の双方に溶湯を注湯すると共に、前記湯面
高さ検知手段により前記成形キャビティ内における溶湯
の湯面の更なる上昇が検知されたとき、前記流量制御部
材の前記第2絞り孔の開口量を増加させることにより、
前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前記第2絞
り孔から流出させて前記第2プリフォームの上面側に溶
湯を供給することにより、前記第2プリフォームの下面
側及び上面側の双方に溶湯を注湯する制御装置が設けら
れており、前記流量制御部材の前記第1絞り孔の高さ
は、前記第1プリフォームの上面の高さよりも高く設定
されており、前記流量制御部材の前記第2絞り孔の高さ
は、前記第2プリフォームの上面の高さよりも高く設定
されていることを特徴とするプリフォームの加圧鋳造装
置。 ・請求項10または請求項11において、前記加圧手段
は、前記流量制御部材の少なくとも一部を退避させる退
避室を有していることを特徴とするプリフォームの加圧
鋳造装置。 ・各請求項において、含浸工程において、流量制御部材
は成形型の成形キャビティから退避されることを特徴と
するプリフォームの加圧鋳造方法、プリフォームの加圧
鋳造装置。 ・各請求項において、プリフォームは互いに間隔を隔て
て上下多段に設けられており、絞り孔も上下多段に設け
られており、各絞り孔は各プリフォームの上面にそれぞ
れ対面していることを特徴とするプリフォームの加圧鋳
造方法、プリフォームの加圧鋳造装置。 ・各請求項において、流量制御部材は絞り孔を有し、絞
り孔の下面は、溶湯を流下させ得るように傾斜している
ことを特徴とするプリフォームの加圧鋳造方法、プリフ
ォームの加圧鋳造装置。
【0078】
【発明の効果】本発明に係るプリフォームの加圧鋳造方
法、本発明に係るプリフォームの加圧鋳造装置によれ
ば、流量制御部材の給湯通路内の溶湯の湯面高さを成形
キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持しつつ、
給湯通路内の溶湯を仕切壁の厚み方向に沿って流出させ
ることにより、プリフォームの下面側及び上面側の双方
に溶湯を注湯する。このようにプリフォームの下面側及
び上面側の双方に溶湯が注湯されるため、注湯工程にお
ける浮力によるプリフォームの過剰浮き上がりが抑制さ
れる。更にプリフォームの下面側及び上面側が共に同程
度に昇温するため、プリフォームの下面側及び上面側の
昇温ムラを低減でき、プリフォームの均熱化を図り得、
昇温ムラに起因するプリフォームの割れが抑制される。
従って複合材料においてプリフォームによる補強効果を
高めることができ、複合材料の性能向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加圧鋳造装置を模式的に示す構成図である。
【図2】加圧鋳造装置の流量制御部材付近を模式的に示
す断面図である。
【図3】成形型の成形キャビティの副キャビティに溶湯
を流出させている状態を示す断面図である。
【図4】成形型の成形キャビティに配置されている第1
プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯を流出さ
せている状態を示す断面図である。
【図5】成形型の成形キャビティに配置されている第2
プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯を流出さ
せている状態を示す断面図である。
【図6】成形型の成形キャビティ内の溶湯を加圧体で加
圧することにより、第1プリフォーム及び第2プリフォ
ームに溶湯を含浸させている状態を示す断面図である。
【図7】第2実施例に係り、成形型の成形キャビティに
配置されている第1プリフォームの下面側及び上面側の
双方に溶湯を流出させている状態を示す断面図である。
【図8】第3実施例に係り、成形型の成形キャビティの
副キャビティに溶湯を流出させている状態を示す断面図
である。
【図9】第3実施例に係り、成形型の成形キャビティに
配置されている第1プリフォームの下面側及び上面側の
双方に溶湯を流出させている状態を示す断面図である。
【図10】第3実施例に係り、成形型の成形キャビティ
に配置されている第2プリフォームの下面側及び上面側
の双方に溶湯を流出させている状態を示す断面図であ
る。
【図11】第4実施例に係り、成形型の成形キャビティ
にプリフォーム及び流量制御部材を配置している状態を
示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1は成形型、10は成形キャビティ、15は副キ
ャビティ、17は底面、3は供給管体、4は溶湯供給手
段、40は溶湯保持容器、41は溶湯保持室、44は圧
力発生装置、5は加圧手段、50は加圧体、6はプリフ
ォーム、61は第1プリフォーム、62は第2プリフォ
ーム、7,7B,7Dは流量制御部材、70は仕切壁、7
2は給湯通路、73は下絞り孔、74は第1絞り孔、7
5は第2絞り孔、9は制御装置を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22D 19/00 B22D 19/00 W 19/14 19/14 A C22C 47/12 C22C 47/12 (72)発明者 初山 圭司 愛知県豊田市高丘新町天王1番地 アイシ ン高丘株式会社内 Fターム(参考) 4E093 NA01 NA03 NB07 PA01 PA03 TA04 4K020 AC01 AC02 BA02 BB26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プリフォームを配置した成形キャビティを
    もつ成形型と前記成形型のうち前記成形キャビティにこ
    れの下方から連通する供給管体とを用い、 溶湯供給手段から前記供給管体を経て前記成形型の前記
    成形キャビティに前記プリフォームの下面側から溶湯を
    注湯する注湯工程と、 前記成形型の前記成形キャビティ内に注湯された溶湯を
    加圧手段で加圧することにより、前記成形キャビティ内
    の溶湯を前記プリフォームの内部に含浸させる含浸工程
    とを実施するプリフォームの加圧鋳造方法であって、 前記注湯工程において、 高さ方向に沿って延設された仕切壁と前記供給管体に連
    通すると共に前記仕切壁の厚み方向に沿って溶湯を流出
    可能な給湯通路とをもつ縦筒形状の流量制御部材を前記
    成形型の前記成形キャビティに配置し、 前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯の湯面高さを
    前記成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持
    しつつ、前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前
    記仕切壁の厚み方向に沿って流出させて前記プリフォー
    ムの上面側に溶湯を供給することにより、前記プリフォ
    ームの下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯するように
    したことを特徴とするプリフォームの加圧鋳造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記流量制御部材は、
    前記仕切壁の厚み方向に沿って貫通すると共に前記プリ
    フォームの上面に対面する絞り孔を有し、 前記注湯工程において、前記流量制御部材の前記給湯通
    路内の溶湯の湯面高さを前記成形キャビティ内の溶湯の
    湯面高さよりも高く維持しつつ、前記流量制御部材の前
    記給湯通路内の溶湯を前記絞り孔から流出させて前記プ
    リフォームの上面側に溶湯を供給することにより、前記
    プリフォームの下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯す
    るようにしたことを特徴とするプリフォームの加圧鋳造
    方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記成形キャビティ内
    における溶湯の湯面の上昇を検知する湯面高さ検知手段
    が設けられており、前記流量制御部材の前記絞り孔は開
    口量が可変であり、 前記湯面高さ検知手段により前記成形キャビティ内にお
    ける溶湯の湯面の上昇が検知されたとき、前記流量制御
    部材の前記絞り孔の開口量を増加させることにより、前
    記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前記絞り孔か
    ら流出させて前記プリフォームの上面側に溶湯を供給す
    ることにより、前記プリフォームの下面側及び上面側の
    双方に溶湯を注湯するようにしたことを特徴とするプリ
    フォームの加圧鋳造方法。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、前記流
    量制御部材の前記絞り孔の高さは、前記プリフォームの
    上面の高さよりも高く設定されていることを特徴とする
    プリフォームの加圧鋳造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれか一項におい
    て、前記プリフォームは、下側に配置された第1プリフ
    ォームと、前記第1プリフォームよりも上側に配置され
    た第2プリフォームとを備えており、 前記流量制御部材は、前記仕切壁の厚み方向に沿って貫
    通すると共に前記第1プリフォームの上面に対面する第
    1絞り孔と、前記仕切壁の厚み方向に沿って貫通すると
    共に前記第2プリフォームの上面に対面して前記第1絞
    り孔よりも上側に形成された第2絞り孔とを有してお
    り、 前記注湯工程において、 前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯の湯面高さを
    前記成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持
    しつつ、前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前
    記第1絞り孔から流出させて前記第1プリフォームの上
    面側に溶湯を供給することにより、前記第1プリフォー
    ムの下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯する操作を行
    い、更に、 前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯の湯面高さを
    前記成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高く維持
    しつつ、前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前
    記第2絞り孔から流出させて第2プリフォームの上面側
    に溶湯を供給することにより、前記第2プリフォームの
    下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯する操作を行なう
    ようにしたことを特徴とするプリフォームの加圧鋳造方
    法。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記成形キャビティ内
    における溶湯の湯面の上昇を検知する湯面高さ検知手段
    が設けられており、前記流量制御部材の前記第1絞り孔
    及び前記第2絞り孔は開口量が可変であり、 前記湯面高さ検知手段により前記成形キャビティ内にお
    ける溶湯の湯面の上昇が検知されたとき、前記流量制御
    部材の前記第1絞り孔の開口量を増加させることによ
    り、前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前記第
    1絞り孔から流出させて前記第1プリフォームの上面側
    に溶湯を供給することにより、前記第1プリフォームの
    下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯すると共に、 前記湯面高さ検知手段により前記成形キャビティ内にお
    ける溶湯の湯面の更なる上昇が検知されたとき、前記流
    量制御部材の前記第2絞り孔の開口量を増加させること
    により、前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前
    記第2絞り孔から流出させて前記第2プリフォームの上
    面側に溶湯を供給することにより、前記第2プリフォー
    ムの下面側及び上面側の双方に溶湯を注湯するようにし
    たことを特徴とするプリフォームの加圧鋳造方法。
  7. 【請求項7】請求項5または請求項6において、前記流
    量制御部材の前記第1絞り孔の高さは、前記第1プリフ
    ォームの上面の高さよりも高く設定されており、前記流
    量制御部材の前記第2絞り孔の高さは、前記第2プリフ
    ォームの上面の高さよりも高く設定されていることを特
    徴とするプリフォームの加圧鋳造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜請求項7のいずれか一項におい
    て、前記加圧手段は、前記成形型の前記成形キャビティ
    の上方に配置され前記成形キャビティ内の溶湯を加圧す
    る加圧体と、前記加圧体を加圧方向に移動させる駆動源
    とを有することを特徴とするプリフォームの加圧鋳造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項1〜請求項8のいずれか一項におい
    て、前記加圧手段は、前記流量制御部材を退避させる退
    避室を有しており、前記含浸工程において、前記流量制
    御部材の少なくとも一部を前記加圧手段の前記退避室内
    に退避させることを特徴とするプリフォームの加圧鋳造
    方法。
  10. 【請求項10】プリフォームを配置可能な成形キャビテ
    ィをもつ成形型を保持する成形型保持部と、 前記成形型保持部に保持された前記成形型の前記成形キ
    ャビティにこれの下方から連通する供給管体と、 前記成形型の下方に設けられ前記成形型の前記成形キャ
    ビティに前記プリフォームの下側から前記供給管体を経
    て溶湯を供給するための溶湯供給手段と、 前記成形キャビティ内に供給された溶湯を加圧すること
    により溶湯を前記プリフォームの内部に含浸させる加圧
    手段とを具備するプリフォームの加圧鋳造装置であっ
    て、 高さ方向に沿って延設された仕切壁と前記供給管体に連
    通すると共に前記仕切壁の厚み方向に沿って溶湯を流出
    可能な給湯通路とをもち、前記給湯通路内の溶湯の湯面
    高さを前記成形キャビティ内の溶湯の湯面高さよりも高
    く維持する縦筒形状の流量制御部材を具備し、 前記流量制御部材の前記給湯通路内の溶湯を前記仕切壁
    の厚み方向に沿って流出させて前記プリフォームの上面
    側に溶湯を供給することにより、前記プリフォームの下
    面側及び上面側の双方に溶湯を注湯するようにしたこと
    を特徴とするプリフォームの加圧鋳造装置。
  11. 【請求項11】請求項10において、前記流量制御部材
    は、前記給湯通路内の溶湯を流出させるように前記仕切
    壁の厚み方向に沿って貫通すると共に前記プリフォーム
    の上面に対面する絞り孔を有することを特徴とするプリ
    フォームの加圧鋳造装置。
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WO2015113821A1 (de) * 2014-01-29 2015-08-06 Ks Aluminium-Technologie Gmbh VORRICHTUNG ZUR HERSTELLUNG EINES ZYLINDERKURBELGEHÄUSES IM NIEDERDRUCK- ODER SCHWERKRAFTGIEßVERFAHREN

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WO2015113821A1 (de) * 2014-01-29 2015-08-06 Ks Aluminium-Technologie Gmbh VORRICHTUNG ZUR HERSTELLUNG EINES ZYLINDERKURBELGEHÄUSES IM NIEDERDRUCK- ODER SCHWERKRAFTGIEßVERFAHREN
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