JP2003210103A - アボガド片の加工方法及び冷凍アボガド片の生産方法 - Google Patents
アボガド片の加工方法及び冷凍アボガド片の生産方法Info
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- JP2003210103A JP2003210103A JP2002013392A JP2002013392A JP2003210103A JP 2003210103 A JP2003210103 A JP 2003210103A JP 2002013392 A JP2002013392 A JP 2002013392A JP 2002013392 A JP2002013392 A JP 2002013392A JP 2003210103 A JP2003210103 A JP 2003210103A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】アボガドの風味を損うことなく、かつ、低コス
トで、冷凍保存するアボガドの変色を防止する。 【解決手段】アボガドの変色防止のために次のステップ
を行なう。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロース、アミノ酸酵素、アミエキスのうち、
少なくとも一つを適量含む水溶液を前記アボガド片に浸
透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)
トで、冷凍保存するアボガドの変色を防止する。 【解決手段】アボガドの変色防止のために次のステップ
を行なう。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロース、アミノ酸酵素、アミエキスのうち、
少なくとも一つを適量含む水溶液を前記アボガド片に浸
透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、アボガドの変色を
防止するための技術に関するものである。
防止するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アボガドは長期間にわたって保存するこ
とが難しく、収穫後新鮮な状態で消費することが必要で
ある。この保存の困難さが、市場においてアボガドの価
格を高くしている要因であった。「アボガド」とは、モ
クレン目の亜熱帯性常緑樹の果実であり、その学術名称
は[Persea americana]である。
とが難しく、収穫後新鮮な状態で消費することが必要で
ある。この保存の困難さが、市場においてアボガドの価
格を高くしている要因であった。「アボガド」とは、モ
クレン目の亜熱帯性常緑樹の果実であり、その学術名称
は[Persea americana]である。
【0003】他の果物と同様に、アボガドも冷凍して保
存することが行なわれている。しかし、単純な冷凍保存
では、アボガドの風味が損われてしまう問題点があっ
た。また、アボガドは見た目の美しさが市場で重視され
るところ、冷凍したとしても長期間保存すると変色して
しまう問題点があった。また、酸化防止剤を用いた場
合、アボガドの風味を損う問題点もあった。低価格で市
場に提供するために、低コストで変色防止処理を行なう
必要もあった。
存することが行なわれている。しかし、単純な冷凍保存
では、アボガドの風味が損われてしまう問題点があっ
た。また、アボガドは見た目の美しさが市場で重視され
るところ、冷凍したとしても長期間保存すると変色して
しまう問題点があった。また、酸化防止剤を用いた場
合、アボガドの風味を損う問題点もあった。低価格で市
場に提供するために、低コストで変色防止処理を行なう
必要もあった。
【0004】アボガドを保存する先行技術としては、特
開2000−279084号がある。この技術は、簡易
な設備でアボガドを冷凍保存するための処理を可能にす
るものである。しかし、アボガドの変色を防止する観点
から、充分な効果を奏するものとはいえなかった。
開2000−279084号がある。この技術は、簡易
な設備でアボガドを冷凍保存するための処理を可能にす
るものである。しかし、アボガドの変色を防止する観点
から、充分な効果を奏するものとはいえなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、アボガド
の風味を損うことなく、かつ、低コストで、冷凍保存す
るアボガドの変色を防止することを課題とする。
の風味を損うことなく、かつ、低コストで、冷凍保存す
るアボガドの変色を防止することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその実施の形態】[1]
加工方法 この発明は、前記課題を解決するための「次のステップ
を含むことを特徴とするアボガド片の加工方法の発明で
ある。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロース、アミノ酸酵素、アミエキスのうち、
少なくとも一つを適量含む水溶液を前記アボガド片に浸
透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)」
加工方法 この発明は、前記課題を解決するための「次のステップ
を含むことを特徴とするアボガド片の加工方法の発明で
ある。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロース、アミノ酸酵素、アミエキスのうち、
少なくとも一つを適量含む水溶液を前記アボガド片に浸
透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)」
【0007】アボガドの変色を防止するために、アボガ
ド片を冷凍する前処理として、トレハロース、アミノ酸
酵素、アミエキスのうち、少なくとも一つを適量含む水
溶液を前記アボガド片に浸透させる。
ド片を冷凍する前処理として、トレハロース、アミノ酸
酵素、アミエキスのうち、少なくとも一つを適量含む水
溶液を前記アボガド片に浸透させる。
【0008】トレハロースを用いることで、酸化防止剤
や他の糖類を用いるよりもアボガドの風味を損なうこと
がない。また、長期間にわたって変色を防止することが
できる。この発明に用いられるトレハロースとしては、
「α、α―トレハロース」、「α、β―トレハロー
ス」、「β、β―トレハロース」のいずれでもよい。
や他の糖類を用いるよりもアボガドの風味を損なうこと
がない。また、長期間にわたって変色を防止することが
できる。この発明に用いられるトレハロースとしては、
「α、α―トレハロース」、「α、β―トレハロー
ス」、「β、β―トレハロース」のいずれでもよい。
【0009】アミノ酸酵素を用いることで、変色を防止
する効果のみならず、酸化臭を防止することも可能とな
る。また、雑菌の繁殖を抑えることも可能となり、衛生
面からも望ましい。また、前記、トレハロースと混合し
て使用することで、トレハロースの浸透性を高めること
ができ、短時間・低濃度であっても高い変色防止性を発
揮させることができる。アミノ酸酵素としては、玄米を
醗酵して得られる玄米醗酵アミノ酸酵素が望ましい。
する効果のみならず、酸化臭を防止することも可能とな
る。また、雑菌の繁殖を抑えることも可能となり、衛生
面からも望ましい。また、前記、トレハロースと混合し
て使用することで、トレハロースの浸透性を高めること
ができ、短時間・低濃度であっても高い変色防止性を発
揮させることができる。アミノ酸酵素としては、玄米を
醗酵して得られる玄米醗酵アミノ酸酵素が望ましい。
【0010】アミエキスを用いることで、冷凍したアボ
ガドの変色を防止することができる。特に、このアミエ
キスは、即効性に優れ、短時間の浸透で変色を防止する
ことができる。また、アミエキスは還元作用を備えてお
り、このアミエキスの水溶液を酸化したアボガド片に浸
透させることで、アボガド片を蘇生させることが可能と
なる。
ガドの変色を防止することができる。特に、このアミエ
キスは、即効性に優れ、短時間の浸透で変色を防止する
ことができる。また、アミエキスは還元作用を備えてお
り、このアミエキスの水溶液を酸化したアボガド片に浸
透させることで、アボガド片を蘇生させることが可能と
なる。
【0011】(アミエキスの説明)「アミエキス」と
は、海に生息するプランクトンの一種である甲殻類の
「アミ」から抽出されるエキスである。アミエキスは、
良質なアミノ酸をはじめとして各種ビタミンやカルシウ
ム、マグネシウム、鉄分などを含む。よって、このアミ
エキスを含む水溶液を浸透させることで栄養価に優れた
アボガド片を提供することが可能となる。
は、海に生息するプランクトンの一種である甲殻類の
「アミ」から抽出されるエキスである。アミエキスは、
良質なアミノ酸をはじめとして各種ビタミンやカルシウ
ム、マグネシウム、鉄分などを含む。よって、このアミ
エキスを含む水溶液を浸透させることで栄養価に優れた
アボガド片を提供することが可能となる。
【0012】アミエキスは次の遊離アミノ酸を適宜に含
むものである。主として含まれる遊離アミノ酸は、アラ
ニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸等である。そ
の他含まれる遊離アミノ酸は、リジン、フェニールアラ
ニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン等である。
むものである。主として含まれる遊離アミノ酸は、アラ
ニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸等である。そ
の他含まれる遊離アミノ酸は、リジン、フェニールアラ
ニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン等である。
【0013】また、この発明は、冷凍前にアボガド片に
加熱処理を行なう。これにより、冷凍したアボガドを解
凍したときに、アボガドの組織が破壊されてしまうこと
を防ぐことができる。
加熱処理を行なう。これにより、冷凍したアボガドを解
凍したときに、アボガドの組織が破壊されてしまうこと
を防ぐことができる。
【0014】[2] 加熱前浸透の生産方法
この発明は、前記課題を解決するための「次のステップ
を含むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法の発
明である。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を加熱するステップ(加熱ステッ
プ:S3) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)」
を含むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法の発
明である。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を加熱するステップ(加熱ステッ
プ:S3) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)」
【0015】・切文ステップ
アボガドの切り分けは、アボガドのサイズや用途に応じ
た形状に切り分ける。よって、小型のアボガドであれ
ば、切り分けずに皮を剥いだだけのものであっても、こ
の発明におけるアボガド片である。また、大型のアボガ
ドであっても、その用途が、切り分ける必要のない場
合、皮を剥いだだけのアボガドもこの発明におけるアボ
ガド片である。
た形状に切り分ける。よって、小型のアボガドであれ
ば、切り分けずに皮を剥いだだけのものであっても、こ
の発明におけるアボガド片である。また、大型のアボガ
ドであっても、その用途が、切り分ける必要のない場
合、皮を剥いだだけのアボガドもこの発明におけるアボ
ガド片である。
【0016】・浸透ステップ
水溶液をアボガド片に浸透させるステップとしては、水
溶液にアボガド片を浸す形態の他、水溶液をアボガド片
に噴霧する形態であってもよい。水溶液の濃度及び浸透
させる時間は変色を防止させる効果やアボガドの性質な
どを考慮して適宜に設定する。加熱前の浸透ステップに
おいて、その浸透時間は10分〜120分程度が望まし
く、15分〜30分の間であれば更に望ましい。
溶液にアボガド片を浸す形態の他、水溶液をアボガド片
に噴霧する形態であってもよい。水溶液の濃度及び浸透
させる時間は変色を防止させる効果やアボガドの性質な
どを考慮して適宜に設定する。加熱前の浸透ステップに
おいて、その浸透時間は10分〜120分程度が望まし
く、15分〜30分の間であれば更に望ましい。
【0017】・加熱ステップ
アボガド片の加熱ステップは、アボガド片をボイルする
形態のほか、スチームや電磁波を用いて加熱する形態で
あってもよい。ボイルする形態であれば、簡易な設備で
実施できる利点がある。一方、スチームする実施形態の
場合(特に、加圧スチーム)を用いる場合は、短時間で
加熱できる利点がある。沸騰した熱水を用いてボイルす
る場合、その加熱時間は3分〜20分程度が適当であ
り、5分〜10分程度が望ましい。加圧スチームを用い
て加熱する場合、その加熱時間は5秒〜120秒程度が
適当であり、10秒〜60秒程度が望ましい。
形態のほか、スチームや電磁波を用いて加熱する形態で
あってもよい。ボイルする形態であれば、簡易な設備で
実施できる利点がある。一方、スチームする実施形態の
場合(特に、加圧スチーム)を用いる場合は、短時間で
加熱できる利点がある。沸騰した熱水を用いてボイルす
る場合、その加熱時間は3分〜20分程度が適当であ
り、5分〜10分程度が望ましい。加圧スチームを用い
て加熱する場合、その加熱時間は5秒〜120秒程度が
適当であり、10秒〜60秒程度が望ましい。
【0018】・冷凍ステップ
冷凍ステップは、急速に冷凍できる形態が望ましく、そ
の一例としては液体窒素を用いて冷凍するものである。
の一例としては液体窒素を用いて冷凍するものである。
【0019】・加熱前の浸透
この発明は、加熱ステップ前に浸透ステップを実施す
る。望ましくは切分ステップ後できるだけ早くに浸透ス
テップを行なう。これにより、切分ステップ後加熱ステ
ップまでの間においても、アボガドの変色を防止するこ
とができる。
る。望ましくは切分ステップ後できるだけ早くに浸透ス
テップを行なう。これにより、切分ステップ後加熱ステ
ップまでの間においても、アボガドの変色を防止するこ
とができる。
【0020】[3] 加熱後浸透の生産方法
この発明は、前記課題を解決するための「次のステップ
を含むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法の発
明である。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) 前記アボガド片を加熱するステップ(加熱ステッ
プ:S3) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)
を含むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法の発
明である。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) 前記アボガド片を加熱するステップ(加熱ステッ
プ:S3) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(浸透ステップ:S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6)
【0021】浸透ステップ後に加熱ステップを設けた場
合、アボガド片に浸透させたトレハロースやアミノ酸酵
素が熱より分解されてしまい、変色防止効果が低減して
しまうおそれがある。この発明は、加熱ステップ後に浸
透ステップを設けることで、トレハロースやアミノ酸酵
素が破壊されることを防ぎ、より高い変色防止性を発揮
させるものである。加熱後の浸透ステップであれば、浸
透させたトレハロースなどが熱により破壊されることを
考慮する必要がない。また、アボガド片の組織も加熱に
より軟らかくなっているため、前記トレハロース等の水
溶液が浸透しやすい。そこで、この浸透ステップを短時
間とし生産効率を高める観点から、その浸透時間は2分
〜20分程度が望ましく、3分〜5分程度であれば更に
よい。
合、アボガド片に浸透させたトレハロースやアミノ酸酵
素が熱より分解されてしまい、変色防止効果が低減して
しまうおそれがある。この発明は、加熱ステップ後に浸
透ステップを設けることで、トレハロースやアミノ酸酵
素が破壊されることを防ぎ、より高い変色防止性を発揮
させるものである。加熱後の浸透ステップであれば、浸
透させたトレハロースなどが熱により破壊されることを
考慮する必要がない。また、アボガド片の組織も加熱に
より軟らかくなっているため、前記トレハロース等の水
溶液が浸透しやすい。そこで、この浸透ステップを短時
間とし生産効率を高める観点から、その浸透時間は2分
〜20分程度が望ましく、3分〜5分程度であれば更に
よい。
【0022】[4] トレハロース濃度
アボガド片を浸透させる水溶液の濃度は、アボガドの熟
れ程度や、変色を防止させる期間、アボガドの用途など
を考慮して適宜に設定する。変色を防止させる期間が長
期の場合は濃度を高める、一方、短期間の場合であれば
低濃度にするといった具合である。
れ程度や、変色を防止させる期間、アボガドの用途など
を考慮して適宜に設定する。変色を防止させる期間が長
期の場合は濃度を高める、一方、短期間の場合であれば
低濃度にするといった具合である。
【0023】トレハロース及びアミノ酸酵素の濃度を高
くすると、変色を防止する効果は高くなるものコスト高
になる。また、アボガドの風味を損なうおそれがある。
一方、トレハロース及びアミノ酸酵素の濃度を低くする
と、変色防止効果が低減してしまう。また、変色防止の
効果を奏させるためには、アボガド片を長時間浸透させ
る必要が生じてしまい、時間当たりの処理能力が低下し
てしまう。そこで、この発明の望ましい実施形態は、
「前記した冷凍アボガド片の生産方法であって、アボガ
ド片に浸透させる前記水溶液が、トレハロースを0.2
wt%〜6.0wt%含有することを特徴とする冷凍ア
ボガド片の生産方法」である。更に、望ましくは、トレ
ハロースを0.3wt%〜5.0wt%含有する形態で
ある。
くすると、変色を防止する効果は高くなるものコスト高
になる。また、アボガドの風味を損なうおそれがある。
一方、トレハロース及びアミノ酸酵素の濃度を低くする
と、変色防止効果が低減してしまう。また、変色防止の
効果を奏させるためには、アボガド片を長時間浸透させ
る必要が生じてしまい、時間当たりの処理能力が低下し
てしまう。そこで、この発明の望ましい実施形態は、
「前記した冷凍アボガド片の生産方法であって、アボガ
ド片に浸透させる前記水溶液が、トレハロースを0.2
wt%〜6.0wt%含有することを特徴とする冷凍ア
ボガド片の生産方法」である。更に、望ましくは、トレ
ハロースを0.3wt%〜5.0wt%含有する形態で
ある。
【0024】用途に注目すると、風味を重視するお寿司
用のアボガドでは、トレハロースの濃度を0.2wt%
〜1.0wt%(低濃度)ととする。見た目を重視する
サラダ用のアボガドでは、トレハロースの濃度を0.5
wt%〜6.0wt%(高濃度、更に望ましくは2.0
wt%〜5.0wt%)とする。
用のアボガドでは、トレハロースの濃度を0.2wt%
〜1.0wt%(低濃度)ととする。見た目を重視する
サラダ用のアボガドでは、トレハロースの濃度を0.5
wt%〜6.0wt%(高濃度、更に望ましくは2.0
wt%〜5.0wt%)とする。
【0025】[5] アミノ酸酵素濃度
また、同様に、この発明の望ましい実施形態は、「前記
した冷凍アボガド片の生産方法であって、アボガド片に
浸透させる前記水溶液が、アミノ酸酵素を0.1wt%
〜2.0wt%含有することを特徴とする冷凍アボガド
片の生産方法」である。更に、望ましくは、アミノ酸酵
素を0.5wt%〜1.0wt%含有する形態である。
した冷凍アボガド片の生産方法であって、アボガド片に
浸透させる前記水溶液が、アミノ酸酵素を0.1wt%
〜2.0wt%含有することを特徴とする冷凍アボガド
片の生産方法」である。更に、望ましくは、アミノ酸酵
素を0.5wt%〜1.0wt%含有する形態である。
【0026】[6] 混合濃度
前記[4]及び[5]ではトレハロースとアミノ酸酵素
の望ましい濃度を明確にした。このトレハロースとアミ
ノ酸酵素は共に変色防止の効果を備えるものである。ま
た、アミノ酸酵素はトレハロースの浸透を促進する作用
を備えているので、混合溶液を用いると、低濃度のトレ
ハロース水溶液でも、アボガド片の変色を防止すること
が可能となる。よって、この発明は、「前記した冷凍ア
ボガド片の生産方法であって、アボガド片に浸透させる
前記水溶液が、トレハロースとアミノ酸酵素の濃度の合
計が0.1wt〜7.0wt%であることを特徴とする
冷凍アボガド片の生産方法」であってもよい。更に、前
記水溶液は、アミエキスを適宜に含むものであってもよ
い。
の望ましい濃度を明確にした。このトレハロースとアミ
ノ酸酵素は共に変色防止の効果を備えるものである。ま
た、アミノ酸酵素はトレハロースの浸透を促進する作用
を備えているので、混合溶液を用いると、低濃度のトレ
ハロース水溶液でも、アボガド片の変色を防止すること
が可能となる。よって、この発明は、「前記した冷凍ア
ボガド片の生産方法であって、アボガド片に浸透させる
前記水溶液が、トレハロースとアミノ酸酵素の濃度の合
計が0.1wt〜7.0wt%であることを特徴とする
冷凍アボガド片の生産方法」であってもよい。更に、前
記水溶液は、アミエキスを適宜に含むものであってもよ
い。
【0027】[7] 浸透時間
生産効率を高め、更に、より効果的に変色を防止する観
点から、この発明は「前記した冷凍アボガド片の生産方
法であって、アボガド片に前記水溶液を2分〜120分
間浸透させることを特徴とする冷凍アボガド片の生産方
法」である。
点から、この発明は「前記した冷凍アボガド片の生産方
法であって、アボガド片に前記水溶液を2分〜120分
間浸透させることを特徴とする冷凍アボガド片の生産方
法」である。
【0028】前記水溶液を浸透させる時間を浸透時間と
する。アボガド片に水溶液を噴霧する実施形態の場合、
噴霧している時間が浸透時間である。前記水溶液の水槽
を設け、この水槽にアボガド片を漬け込む実施形態の場
合、漬け込んでいる時間が浸透時間である。また、浸透
ステップは一回に限定する必要はなく、複数回に分けて
浸透ステップを実施してもよい。その場合、この浸透時
間は各浸透ステップの合計である。また、高圧状況で浸
透ステップを実施すると、より短時間で実施可能であ
る。
する。アボガド片に水溶液を噴霧する実施形態の場合、
噴霧している時間が浸透時間である。前記水溶液の水槽
を設け、この水槽にアボガド片を漬け込む実施形態の場
合、漬け込んでいる時間が浸透時間である。また、浸透
ステップは一回に限定する必要はなく、複数回に分けて
浸透ステップを実施してもよい。その場合、この浸透時
間は各浸透ステップの合計である。また、高圧状況で浸
透ステップを実施すると、より短時間で実施可能であ
る。
【0029】[8] 漬け込み
この発明の望ましい実施形態は「前記した冷凍アボガド
片の生産方法であって、アボガド片に浸透させる水溶液
の水槽を設け、この水槽にアボガド片を3分〜30分間
漬け込むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法」
である。
片の生産方法であって、アボガド片に浸透させる水溶液
の水槽を設け、この水槽にアボガド片を3分〜30分間
漬け込むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法」
である。
【0030】これにより、簡単な設備でありながら、充
分に前記水溶液を浸透させることが可能となり、また、
浸透時間の調節も容易となる。以上[4]〜[8]に記載の
発明により、低コストであって、かつ、アボガド片の風
味を損なわない、変色防止処理をしたアボガド片を提供
することが可能となる。 [8−1]加熱前・後の漬け込み 水槽にアボガド片を漬け込む実施形態であって、前記
[2]に示す加熱ステップ前に浸透ステップを実施する
場合、その浸透時間は15分〜30分程度が望ましい。
一方、前記[3]に示す、加熱ステップ後に浸透ステッ
プを実施する場合、その浸透時間は3分〜15分、もし
くは、20分間(更に、望ましくは3分〜5分間)程度
が望ましい。なお、水槽に用いる、トレハロース及びア
ミノ酸酵素水溶液の望ましい濃度は、前記[4]〜
[6]に示すとおりである。
分に前記水溶液を浸透させることが可能となり、また、
浸透時間の調節も容易となる。以上[4]〜[8]に記載の
発明により、低コストであって、かつ、アボガド片の風
味を損なわない、変色防止処理をしたアボガド片を提供
することが可能となる。 [8−1]加熱前・後の漬け込み 水槽にアボガド片を漬け込む実施形態であって、前記
[2]に示す加熱ステップ前に浸透ステップを実施する
場合、その浸透時間は15分〜30分程度が望ましい。
一方、前記[3]に示す、加熱ステップ後に浸透ステッ
プを実施する場合、その浸透時間は3分〜15分、もし
くは、20分間(更に、望ましくは3分〜5分間)程度
が望ましい。なお、水槽に用いる、トレハロース及びア
ミノ酸酵素水溶液の望ましい濃度は、前記[4]〜
[6]に示すとおりである。
【0031】[9] 浸透回数
アボガド片に水溶液を浸透させる浸透ステップの回数は
単数に限定する必要はなく、複数回行なってもよい。加
工処理中の変色防止、及び、よりよい変色防止効果の観
点から、この発明の望ましい形態は、「次のステップを
含むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法の発明
である。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(第一浸透ステップ:S2.1) 前記アボガド片を加熱するステップ(加熱ステッ
プ:S3) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(第二浸透ステップ:S2.2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6) これにより、より効果的にアボガド片の変色を防止する
ことが可能となる。
単数に限定する必要はなく、複数回行なってもよい。加
工処理中の変色防止、及び、よりよい変色防止効果の観
点から、この発明の望ましい形態は、「次のステップを
含むことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法の発明
である。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(切分ステップ:S1) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(第一浸透ステップ:S2.1) 前記アボガド片を加熱するステップ(加熱ステッ
プ:S3) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(第二浸透ステップ:S2.2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(冷凍ステッ
プ:S6) これにより、より効果的にアボガド片の変色を防止する
ことが可能となる。
【0032】[10] 水溶液
第一浸透ステップと第二浸透ステップに用いられる水溶
液は、必ずしも同じ成分・濃度の水溶液である必要はな
い。濃度及び成分は適宜に設定して実施可能である。ま
た、望ましい水溶液の成分及び濃度は上記した通りであ
る。ここでアミノ酸酵素が高価であること、及び、加熱
ステップにより変色防止効果が減少してしまうことを考
慮すると、この発明の望ましい実施形態は「前記した冷
凍アボガド片の生産方法であって、前記第一浸透ステッ
プに用いられる水溶液はトレハロースの水溶液であり、
前記第二浸透ステップに用いられる水溶液はトレハロー
スとアミノ酸酵素の水溶液であることを特徴とする冷凍
アボガド片の生産方法」である。これにより、低コスト
で最も効果的に変色を防止した冷凍アボガド片を生産す
ることが可能となる。なお、水溶液に酸化防止剤などそ
の他の成分を含ませることも可能である。上記した多段
階の浸透ステップを設けた実施形態の場合、その水溶液
の濃度は、一回だけの浸透ステップを設ける形態より低
濃度で実施可能である。トレハロースであれば、0.1
wt%〜3.0wt%の範囲である。
液は、必ずしも同じ成分・濃度の水溶液である必要はな
い。濃度及び成分は適宜に設定して実施可能である。ま
た、望ましい水溶液の成分及び濃度は上記した通りであ
る。ここでアミノ酸酵素が高価であること、及び、加熱
ステップにより変色防止効果が減少してしまうことを考
慮すると、この発明の望ましい実施形態は「前記した冷
凍アボガド片の生産方法であって、前記第一浸透ステッ
プに用いられる水溶液はトレハロースの水溶液であり、
前記第二浸透ステップに用いられる水溶液はトレハロー
スとアミノ酸酵素の水溶液であることを特徴とする冷凍
アボガド片の生産方法」である。これにより、低コスト
で最も効果的に変色を防止した冷凍アボガド片を生産す
ることが可能となる。なお、水溶液に酸化防止剤などそ
の他の成分を含ませることも可能である。上記した多段
階の浸透ステップを設けた実施形態の場合、その水溶液
の濃度は、一回だけの浸透ステップを設ける形態より低
濃度で実施可能である。トレハロースであれば、0.1
wt%〜3.0wt%の範囲である。
【0033】[11] 水溶液の濃度
更に、この発明の望ましい実施形態は、「前記した冷凍
アボガドの生産方法であって、前記第一浸透ステップに
用いられる水溶液はトレハロースを0.2wt%〜6.
0wt%含む水溶液であり、前記第二浸透ステップに用
いられる水溶液はトレハロースを0.2wt%〜6.0
wt%(望ましくは0.5wt%〜3.0wt%)、ア
ミノ酸酵素を0.1wt〜1.0wt%含む水溶液であ
ることを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法」であ
る。加熱ステップの前後に浸透ステップを設けた場合、
第二浸透ステップにおけるトレハロースとアミノ酸酵素
の水溶液は、低濃度でもよい。そのため、低コストでア
ボガド片の変色を防止できることとのみならず、アボガ
ド片の味覚・風味をより保つことが可能となる。
アボガドの生産方法であって、前記第一浸透ステップに
用いられる水溶液はトレハロースを0.2wt%〜6.
0wt%含む水溶液であり、前記第二浸透ステップに用
いられる水溶液はトレハロースを0.2wt%〜6.0
wt%(望ましくは0.5wt%〜3.0wt%)、ア
ミノ酸酵素を0.1wt〜1.0wt%含む水溶液であ
ることを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法」であ
る。加熱ステップの前後に浸透ステップを設けた場合、
第二浸透ステップにおけるトレハロースとアミノ酸酵素
の水溶液は、低濃度でもよい。そのため、低コストでア
ボガド片の変色を防止できることとのみならず、アボガ
ド片の味覚・風味をより保つことが可能となる。
【0034】[12] アボガド片
上記したこの発明を冷凍したアボガド片として記載する
と、「表面にトレハロースを適量含み、かつ、加熱処理
されていることを特徴とする冷凍したアボガド片」であ
る。その他、「表面にトレハロースとアミノ酸酵素をそ
れぞれ適量含み、かつ、加熱処理されていることを特徴
とする冷凍したアボガド片」、「表面にトレハロースと
アミエキス、もしくは、トレハロースとアミノ酸酵素と
アミエキスをそれぞれ適量含み、かつ、加熱処理されて
いることを特徴とする冷凍したアボガド片」である。
と、「表面にトレハロースを適量含み、かつ、加熱処理
されていることを特徴とする冷凍したアボガド片」であ
る。その他、「表面にトレハロースとアミノ酸酵素をそ
れぞれ適量含み、かつ、加熱処理されていることを特徴
とする冷凍したアボガド片」、「表面にトレハロースと
アミエキス、もしくは、トレハロースとアミノ酸酵素と
アミエキスをそれぞれ適量含み、かつ、加熱処理されて
いることを特徴とする冷凍したアボガド片」である。
【0035】(その他の実施形態)
(1) 加熱ステップがアボガド片をボイルする実施形
態の場合、トレハロースやアミノ酸酵素を含む液体でボ
イルすることも可能である。 (2) 浸透ステップに用いられる水溶液に酸化防止剤
を適量含ませてもよい。用いる酸化防止剤としては、ア
ジピン酸、クエン酸(結晶、無水)グルコノデルタラク
トン、グルコン酸、氷酢酸、酒石酸、二酸化炭素、乳
酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、アスコルビン
酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビ
ン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル
などである。 (3) トレハロース以外の糖類(非還元性が望まし
い)、マルトースやソルビトールなどをトレハロースと
共に、または、トレハロースに代えて用いてもよい。 (4) アボガド片の変色を防止する発明としては、二
酸化炭素ガスを用いて、二酸化炭素をアボガド片の表面
に浸透させてもよい。二酸化炭素を浸透させるステップ
は、加熱ステップの前でも後ろでもよい。短時間に浸透
させる観点からは、加熱ステップに浸透ステップを設け
る形態が望ましい。
態の場合、トレハロースやアミノ酸酵素を含む液体でボ
イルすることも可能である。 (2) 浸透ステップに用いられる水溶液に酸化防止剤
を適量含ませてもよい。用いる酸化防止剤としては、ア
ジピン酸、クエン酸(結晶、無水)グルコノデルタラク
トン、グルコン酸、氷酢酸、酒石酸、二酸化炭素、乳
酸、酢酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、アスコルビン
酸、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビ
ン酸ナトリウム、アスコルビン酸パルミチン酸エステル
などである。 (3) トレハロース以外の糖類(非還元性が望まし
い)、マルトースやソルビトールなどをトレハロースと
共に、または、トレハロースに代えて用いてもよい。 (4) アボガド片の変色を防止する発明としては、二
酸化炭素ガスを用いて、二酸化炭素をアボガド片の表面
に浸透させてもよい。二酸化炭素を浸透させるステップ
は、加熱ステップの前でも後ろでもよい。短時間に浸透
させる観点からは、加熱ステップに浸透ステップを設け
る形態が望ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。 実施例1:二段階浸透処理(多段階浸透処理)を行なう
変色防止の各ステップ実施例1の変色防止処理の流れを
図1に示す。この実施例は浸透ステップとして第一浸透
ステップ、第二浸透ステップを備えたものである。この
実施例1は、お寿司用のアボガド片の生産であって、低
濃度のトレハロース及びアミノ酸酵素の水溶液を用い
る。
る。 実施例1:二段階浸透処理(多段階浸透処理)を行なう
変色防止の各ステップ実施例1の変色防止処理の流れを
図1に示す。この実施例は浸透ステップとして第一浸透
ステップ、第二浸透ステップを備えたものである。この
実施例1は、お寿司用のアボガド片の生産であって、低
濃度のトレハロース及びアミノ酸酵素の水溶液を用い
る。
【0037】(S1) 切分ステップ
切分ステップでは、収穫されたアボガドの皮を剥き、そ
の後、アボガド片の大きさが均一になるように1/4又
は1/2にカットする。その際、種を取り除く。
の後、アボガド片の大きさが均一になるように1/4又
は1/2にカットする。その際、種を取り除く。
【0038】(S2.1) 第一浸透ステップ
第一浸透ステップでは、0.5wt%のトレハロース水
溶液にアボガド片を15分〜30分間漬け込む。
溶液にアボガド片を15分〜30分間漬け込む。
【0039】(S3.1) 加熱ステップ(ボイル)
加熱ステップでは、沸騰したお湯の中にアボガド片を入
れ、ボイル加熱する。その時間は5分〜10分程度とす
る。
れ、ボイル加熱する。その時間は5分〜10分程度とす
る。
【0040】(S4) 冷却ステップ
冷却ステップでは、加熱処理を終えたアボガド片を冷水
に漬ける。その時間は、30秒〜5分程度とする。
に漬ける。その時間は、30秒〜5分程度とする。
【0041】(S2.2) 第二浸透ステップ
第二浸透ステップでは、トレハロースとアミノ酸酵素の
混合水溶液にアボガド片を漬け込む。その時間は3分〜
7分程度とする。第二ステップに用いられる混合水溶液
は、トレハロースを0.5wt%、アミノ酸酵素1.0
wt%含むものとする。
混合水溶液にアボガド片を漬け込む。その時間は3分〜
7分程度とする。第二ステップに用いられる混合水溶液
は、トレハロースを0.5wt%、アミノ酸酵素1.0
wt%含むものとする。
【0042】(S6) 冷凍ステップ
冷凍ステップでは、アボガド片を液体窒素に浸して凍ら
せる。 (S7) 包装ステップ 包装ステップでは、ビニル製ラップを用いて、各アボガ
ド片を包装する。 (S8) 保管ステップ 保管ステップでは、包装を終えたアボガド片を−25℃
〜−50℃に保たれた冷蔵庫に移送する。この状態を維
持することにより、アボガド片を長期間、適切な状態で
保存することができる。
せる。 (S7) 包装ステップ 包装ステップでは、ビニル製ラップを用いて、各アボガ
ド片を包装する。 (S8) 保管ステップ 保管ステップでは、包装を終えたアボガド片を−25℃
〜−50℃に保たれた冷蔵庫に移送する。この状態を維
持することにより、アボガド片を長期間、適切な状態で
保存することができる。
【0043】実施例2:一段階浸透処理を行なう変色防
止の各ステップ 実施例2の変色防止処理の流れを図2に示す。この実施
例はトレハロースとアミノ酸酵素の混合水溶液を用い
て、一回だけ浸透ステップを実施するものである。
止の各ステップ 実施例2の変色防止処理の流れを図2に示す。この実施
例はトレハロースとアミノ酸酵素の混合水溶液を用い
て、一回だけ浸透ステップを実施するものである。
【0044】(S1) 切分ステップ
切分ステップでは、前記実施例1と同様に、アボガドを
適宜な大きさにカットする。その際、種も取り除く。
適宜な大きさにカットする。その際、種も取り除く。
【0045】(S2) 浸透ステップ
浸透ステップでは、トレハロースを6.0wt%、アミ
ノ酸酵素を1.0wt%含む混合水溶液にアボガド片を
15分〜30分間漬け込む。この実施例に示すように、
浸透ステップを一回だけ行なう実施形態の場合、その望
ましい濃度範囲はトレハロースは0.2wt%〜6.0
wt%程度、アミノ酸酵素は0.5wt%〜1.0wt
%程度の範囲である。
ノ酸酵素を1.0wt%含む混合水溶液にアボガド片を
15分〜30分間漬け込む。この実施例に示すように、
浸透ステップを一回だけ行なう実施形態の場合、その望
ましい濃度範囲はトレハロースは0.2wt%〜6.0
wt%程度、アミノ酸酵素は0.5wt%〜1.0wt
%程度の範囲である。
【0046】(S3.2) 加熱ステップ(スチーム)
加熱ステップでは、75℃以上で5分〜10分程度、ア
ボガド片をスチームする。圧力釜を用いてスチームして
もよい。
ボガド片をスチームする。圧力釜を用いてスチームして
もよい。
【0047】(S4) 冷却ステップ
冷却ステップでは、アボガド片を冷水に30秒〜5分程
度漬け、冷却する。 (S5) 皮むきステップ 皮むきステップでは、冷却後のアボガド片の表面に残っ
ている皮を取り除く。加熱ステップ後のため、残存して
いる皮は取り除きやすい。このステップにより、外観が
整ったアボガド片を作成することができる。 (S6〜S8) 冷凍〜保管ステップ 冷凍〜保管ステップまでは、前記した実施例1と同様で
ある。
度漬け、冷却する。 (S5) 皮むきステップ 皮むきステップでは、冷却後のアボガド片の表面に残っ
ている皮を取り除く。加熱ステップ後のため、残存して
いる皮は取り除きやすい。このステップにより、外観が
整ったアボガド片を作成することができる。 (S6〜S8) 冷凍〜保管ステップ 冷凍〜保管ステップまでは、前記した実施例1と同様で
ある。
【0048】
【発明の効果】この発明により、低コストでありなが
ら、長期間保存しても変色しない冷凍アボガドを提供す
ることができる。また、従来の保存方法にくらべ、アボ
ガドの風味を損うこともない。水溶液の濃度、及び、浸
透時間の調節が容易であり、用途やアボガドの状態に応
じた変色防止処理を行なうことができる。
ら、長期間保存しても変色しない冷凍アボガドを提供す
ることができる。また、従来の保存方法にくらべ、アボ
ガドの風味を損うこともない。水溶液の濃度、及び、浸
透時間の調節が容易であり、用途やアボガドの状態に応
じた変色防止処理を行なうことができる。
S1 切分ステップ
S2 浸透ステップ
S2.1 第一浸透ステップ
S2.2 第二浸透ステップ
S3 加熱ステップ
S3.1 加熱ステップ(ボイル)
S3.2 加熱ステップ(スチーム)
S4 冷却ステップ
S5 皮むきステップ
S6 冷凍ステップ
S7 包装ステップ
S8 保管ステップ
【図面の簡単な説明】
【図1】 二段階浸透処理を行なう変色防止の各ステッ
プ
プ
【図2】 一段階浸透処理を行なう変色防止の各ステッ
プ
プ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 香川 喜寛
アメリカ合衆国、オクラホマ州、サウスオ
クラホマ ステイト ユニバーシティ ス
ティルウォータ 74077、1332ウィルハム
Fターム(参考) 4B016 LC03 LC06 LG01 LK08 LK16
LK18 LP03 LP05 LP11
4B069 AA01 CA06 HA11 KA07 KB03
KC18 KC20 KC29
Claims (13)
- 【請求項1】 次のステップを含むことを特徴とするア
ボガド片の加工方法。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(S1) トレハロース、アミノ酸酵素、アミエキスのうち、
少なくとも一つを適量含む水溶液を前記アボガド片に浸
透させるステップ(S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(S6) - 【請求項2】次のステップを含むことを特徴とする冷凍
アボガド片の生産方法。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(S1) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(S2) 前記アボガド片を加熱するステップ(S3) 前記アボガド片を冷凍するステップ(S6) - 【請求項3】次のステップを含むことを特徴とする冷凍
アボガド片の生産方法。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(S1) 前記アボガド片を加熱するステップ(S3) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(S2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(S6) - 【請求項4】請求項2または請求項3に記載した冷凍ア
ボガド片の生産方法であって、アボガド片に浸透させる
前記水溶液が、トレハロースを0.2wt%〜6.0w
t%含有することを特徴とする冷凍アボガド片の生産方
法。 - 【請求項5】請求項2ないし請求項4のいずれかに記載
した冷凍アボガド片の生産方法であって、アボガド片に
浸透させる前記水溶液が、アミノ酸酵素を0.1wt%
〜2.0wt%含有することを特徴とする冷凍アボガド
片の生産方法。 - 【請求項6】請求項2または請求項3に記載した冷凍ア
ボガド片の生産方法であって、アボガド片に浸透させる
前記水溶液が、トレハロースとアミノ酸酵素の濃度の合
計が0.1wt%〜7.0wt%であることを特徴とす
る冷凍アボガド片の生産方法。 - 【請求項7】請求項2ないし請求項6のいずれかに記載
した冷凍アボガド片の生産方法であって、アボガド片に
前記水溶液を2分〜120分間浸透させることを特徴と
する冷凍アボガド片の生産方法。 - 【請求項8】請求項2に記載した冷凍アボガド片の生産
方法であって、アボガド片に浸透させる水溶液の水槽を
設け、この水槽にアボガド片を5分〜30分間漬け込む
ことを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法。 - 【請求項9】次のステップを含むことを特徴とする冷凍
アボガド片の生産方法。 アボガドの皮を剥がし、アボガド片に切り分けるス
テップ(S1) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(S2.1) 前記アボガド片を加熱するステップ(S3) トレハロースとアミノ酸酵素のうち、いずれか一
方、若しくは、双方を適量含む水溶液を前記アボガド片
に浸透させるステップ(S2.2) 前記アボガド片を冷凍するステップ(S6) - 【請求項10】請求項9に記載した冷凍アボガド片の生
産方法であって、前記第一浸透ステップに用いられる水
溶液はトレハロースの水溶液であり、前記第二浸透ステ
ップに用いられる水溶液はトレハロースとアミノ酸酵素
の水溶液であることを特徴とする冷凍アボガド片の生産
方法。 - 【請求項11】請求項10に記載した冷凍アボガド片の
生産方法であって、前記第一浸透ステップに用いられる
水溶液はトレハロースを0.2wt%〜6.0wt%含
む水溶液であり、前記第二浸透ステップに用いられる水
溶液はトレハロースを0.2wt%〜6.0wt%、ア
ミノ酸酵素を0.1wt〜1.0wt%含む水溶液であ
ることを特徴とする冷凍アボガド片の生産方法。 - 【請求項12】表面にトレハロースを適量含み、かつ、
加熱処理されていることを特徴とする冷凍したアボガド
片。 - 【請求項13】表面にトレハロースとアミノ酸酵素をそ
れぞれ適量含み、かつ、加熱処理されていることを特徴
とする冷凍したアボガド片。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002013392A JP2003210103A (ja) | 2002-01-22 | 2002-01-22 | アボガド片の加工方法及び冷凍アボガド片の生産方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002013392A JP2003210103A (ja) | 2002-01-22 | 2002-01-22 | アボガド片の加工方法及び冷凍アボガド片の生産方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003210103A true JP2003210103A (ja) | 2003-07-29 |
Family
ID=27650365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002013392A Pending JP2003210103A (ja) | 2002-01-22 | 2002-01-22 | アボガド片の加工方法及び冷凍アボガド片の生産方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003210103A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008212126A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-18 | Unicolloid Inc | アボカド果肉加工品と、その製造及び保存方法 |
WO2015152320A1 (ja) * | 2014-04-04 | 2015-10-08 | 味の素株式会社 | 青果の加工前処理剤、およびそれを用いた青果の加工前処理方法 |
JP2019195306A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 長谷川香料株式会社 | バラ科果実の冷凍品の製造方法 |
-
2002
- 2002-01-22 JP JP2002013392A patent/JP2003210103A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008212126A (ja) * | 2007-03-08 | 2008-09-18 | Unicolloid Inc | アボカド果肉加工品と、その製造及び保存方法 |
WO2015152320A1 (ja) * | 2014-04-04 | 2015-10-08 | 味の素株式会社 | 青果の加工前処理剤、およびそれを用いた青果の加工前処理方法 |
JPWO2015152320A1 (ja) * | 2014-04-04 | 2017-04-13 | 味の素株式会社 | 青果の加工前処理剤、およびそれを用いた青果の加工前処理方法 |
JP2019195306A (ja) * | 2018-05-11 | 2019-11-14 | 長谷川香料株式会社 | バラ科果実の冷凍品の製造方法 |
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