JP2003207566A - 追尾初期化装置及び追尾初期化方法 - Google Patents

追尾初期化装置及び追尾初期化方法

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JP2003207566A
JP2003207566A JP2002006412A JP2002006412A JP2003207566A JP 2003207566 A JP2003207566 A JP 2003207566A JP 2002006412 A JP2002006412 A JP 2002006412A JP 2002006412 A JP2002006412 A JP 2002006412A JP 2003207566 A JP2003207566 A JP 2003207566A
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reliability
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calculated
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Application number
JP2002006412A
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English (en)
Inventor
Fuyuki Fukushima
冬樹 福島
Masayoshi Ito
正義 系
Yoshio Kosuge
義夫 小菅
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広い範囲を観測しようとすると、第一スキャ
ンの最後のサンプリング時刻から第二スキャンの最初の
サンプリング時刻までの差が大きくなる。その結果、航
跡相関回路6により生成された仮説間の信頼度の差が小
さくなるため、実際に目標航跡が正解である仮説と、目
標航跡を誤っている仮説の判別が困難となり、追尾初期
化の成功率が劣化する課題があった。 【解決手段】 信頼度算出回路42が航跡候補設定処理
部5により設定された仮説の信頼度を算出する際、目標
のドップラー速度が一定であると仮定して仮説の信頼度
を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、航空機等の移動
物体を目標として、目標の真の航跡を確立する追尾初期
化装置及び追尾初期化方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図7は例えば特開平11−608号公報
に示された従来の追尾初期化装置を示す構成図であり、
図において、1は機械回転型の送信アンテナ、2は目標
に反射された電波を受信する機械回転型の受信アンテ
ナ、3は受信アンテナ2の受信信号から目標の存在位置
を観測する信号処理装置、4はレンジ分解能と角度(ア
ジマス角、エレベーション角)分解能から定まる単位で
分割された領域毎に、信号処理装置3から出力された観
測データを、送信アンテナ1と受信アンテナ2の回転速
度から定まる所定のサンプリング分だけ蓄えるメモリ回
路である。
【0003】5はメモリ回路4に格納されている観測デ
ータに基づいて目標の航跡の仮説を少なくとも1以上設
定する航跡候補設定処理部、6は航跡候補設定処理部5
により設定された仮説のうち、平滑値基準信頼度算出回
路7により算出された信頼度が最も大きい仮説を選択し
て目標の航跡を確立する航跡相関回路、7はメモリ回路
4に格納されている観測データを考慮して、航跡候補設
定処理部5により設定された仮説の信頼度を算出する平
滑値基準信頼度算出回路、8はメモリ回路4に格納され
ている観測データに基づいて次サンプリング時の目標位
置等を予測する追尾処理部、9はスムージング処理を実
施して目標位置等の平滑値を算出するスムージング処理
部である。
【0004】図8は信号処理装置3の内部構成を示す構
成図であり、図において、11は送信信号を変調する変
調回路、12は変調回路11により変調された送信信号
を送信アンテナ1に出力して、目標に向けて電波を発信
させる送信機、13は受信アンテナ2の受信信号に対す
る帯域制限、位相検波及び増幅を実施する受信機、14
は受信機13の出力信号をアナログ・ディジタル変換す
るA/D変換器、15は変調回路11により変調された
送信信号を参照信号として使用して、送信周波数帯域か
ら定まる距離分解能を単位とするレンジビン毎に受信信
号を復調する復調回路である。
【0005】16は復調回路15により復調されたレン
ジビン毎の受信信号を入力し、レンジビンの受信信号に
目標信号が含まれていれば、その目標信号の信号対雑音
電力比を改善するコヒーレント積分回路、17はコヒー
レント積分回路16の出力信号(複素信号)の信号電力
値を計算する検波回路である。ただし、検波回路17は
コヒーレント積分回路16の出力信号(複素信号)の信
号振幅値を計算するものであってもよい。18は検波回
路17により計算された信号電力値(または信号振幅
値)と予め設定されたスレッショルド値(雑音を誤って
目標信号と判定する誤警報確率を基準にして設定されて
いる)を比較し、検波回路17により計算された信号電
力値の方が大きい場合、当該レンジビンに目標が存在す
る旨を示す信号(目標の存在位置を示す観測データ)を
出力する警報回路である。
【0006】図9は航跡候補設定処理部5の内部構成を
示す構成図であり、図において、21は最初の受信アン
テナ2の回転時(第一スキャン目)にメモリ回路4に蓄
えられた観測データと、次の受信アンテナ2の回転時
(第二スキャン目)にメモリ回路4に蓄えられた観測デ
ータとから、目標の航跡の候補とクラッタの候補の組合
せをすべて調査して航跡の仮説を設定し、航跡の候補を
スキャン毎に確立する航跡設定回路、22は航跡設定回
路21により設定された仮説に関して、目標位置の推定
値を基準として信頼度を算出する推定値基準信頼度算出
回路である。
【0007】23は航跡設定回路21が航跡を生成する
際に使用する観測データを格納するメモリ回路、24は
メモリ回路23に格納されている観測データから目標位
置と目標速度の推定値を算出する推定値算出回路、25
は推定値算出回路24により算出された目標位置と目標
速度の推定値から次サンプリングの予測値を算出する予
測値算出回路である。
【0008】図10は追尾処理部8及びスムージング処
理部9の内部構成を示す構成図であり、図において、3
1は航跡相関回路6が航跡を確立する際に使用する観測
データを格納するメモリ回路、32はメモリ回路31に
格納されている観測データから目標位置と目標速度の推
定値を算出する推定値算出回路、33は推定値算出回路
32により算出された目標位置と目標速度の推定値から
次サンプリングの予測値を算出する予測値算出回路、3
4は推定値算出回路32により算出された目標位置と目
標速度の推定値を格納するメモリ回路、35はメモリ回
路34に格納されている推定値に対するスムージング処
理を実施して、目標位置と目標速度に関する平滑値を算
出する平滑値算出回路である。
【0009】次に動作について説明する。信号処理装置
3の変調回路11が送信信号を変調して、送信機12が
その送信信号を送信アンテナ1に出力すると、移動物体
である目標に向けて電波が発信される。移動物体である
目標に電波が反射されると、その反射電波が目標信号と
して受信アンテナ2により受信される。ここで、受信ア
ンテナ2における受信ビームの分解能(アジマス角の分
解能、エレベーション角の分解能)は、受信アンテナ2
の開口長から定まる。
【0010】受信機13は、受信アンテナ2の受信信号
に対する帯域制限、位相検波及び増幅を実施する。ただ
し、この受信信号には、受信機雑音が重畳される。A/
D変換器14は、受信機13の出力信号をアナログ・デ
ィジタル変換し、復調回路15は、変調回路11により
変調された送信信号を参照信号として使用して、送信周
波数帯域から定まる距離分解能を単位とするレンジビン
毎に、A/D変換器14によるA/D変換後の受信信号
を復調する。なお、復調回路15により復調された受信
信号は、レンジビン毎にコヒーレント積分回路16に伝
達される。
【0011】コヒーレント積分回路16は、1CPI
(Coherent Processing Inte
rval)の間、復調回路15により復調された受信信
号をレンジビン毎に蓄えて、コヒーレント積分処理を実
施する。コヒーレント積分処理はレンジビン毎に実施さ
れ、当該レンジビンの受信信号に目標信号が含まれてい
れば、その目標信号の信号対雑音電力比が改善される。
【0012】検波回路17は、コヒーレント積分回路1
6がコヒーレント積分処理を実施すると、コヒーレント
積分回路16の出力信号(複素信号)の信号電力値を計
算する。警報回路18は、検波回路17が信号電力値を
計算すると、その信号電力値と予め設定されたスレッシ
ョルド値(雑音を誤って目標信号と判定する誤警報確率
を基準にして設定されている)を比較し、検波回路17
により計算された信号電力値の方が大きい場合、当該レ
ンジビンに目標が存在する旨を示す信号(目標の存在位
置を示す観測データ)を出力する。
【0013】以上の処理はCPIを単位として行われ
る。また、以上の処理は受信アンテナ2のビーム幅から
定まるアジマス角、エレベーション角毎に行われる。即
ち、各アジマス角、エレベーション角毎にレンジ方向に
目標有無の判定が行われ、3次元の観測領域において目
標の存在位置が特定される。このとき、一般には複数の
目標が存在する。この目標位置の分解能は、アジマス
角、エレベーション角、距離の分解能から定まる。この
分解能をΔSと表記する。
【0014】ここでは、送信アンテナ1と受信アンテナ
2は回転型のアンテナを想定しているため、領域ΔSを
受信ビームが横切る時間Tc分の観測データが得られ
る。このとき、各領域ΔSでは、警報回路18から目標
信号有無の判定結果としての観測データがCPI単位で
出力されており、受信ビームが領域ΔSを横切ると、T
c/CPI個の観測データが得られることになる。領域
ΔSは1回のビームスキャンで1回横切るので、スキャ
ン毎にTc/CPI個の観測データが得られる。
【0015】実際に観測領域に目標が存在した場合、1
回のスキャンで時々刻々と変化するTc/CPI個の目
標の観測データが3次元ベクトル(観測ベクトル)とし
て得られる(図12を参照)。実際には、3次元空間内
に観測ベクトルがプロットされるが、図12では簡単の
ため、次元を2次元として観測ベクトルをプロットした
例を表している。また、各観測データ(観測ベクトル)
にはコヒーレント積分回路16により計算されるドップ
ラー速度が対応する。
【0016】以降、サンプリング間隔をT0と表記す
る。この従来例では、T0=1CPIである。また、T
c/CPI=Nと表記する。メモリ回路4はNサンプリ
ング分の観測データ(アジマス角、エレベーション角、
距離)を蓄えて、Nサンプリング分の観測データが得ら
れた後、そのデータを出力する。このとき、一般には観
測領域には複数の目標が存在するため、観測ベクトルが
何れかの目標から得られたものであるかの対応付け(目
標航跡の確立)を行う必要がある。目標航跡を確立する
ことにより、各目標を追尾する追尾維持処理に移行する
ことができる。
【0017】航跡候補設定処理部5は、メモリ回路4に
格納されている観測データに基づいて目標の航跡の仮説
を少なくとも1以上設定する。即ち、航跡候補設定処理
部5の航跡設定回路21は、最初の受信アンテナ2の回
転時(第一スキャン目)にメモリ回路4に蓄えられた観
測データと、次の受信アンテナ2の回転時(第二スキャ
ン目)にメモリ回路4に蓄えられた観測データとから、
目標の航跡の候補とクラッタの候補の組合せをすべて調
査して航跡の仮説を設定し、航跡の候補をスキャン毎に
確立する。
【0018】ここで、目標の航跡を確立する具体的な方
法について述べる。入力したNサンプリング間の観測デ
ータから想定される航跡、誤信号、新航跡について仮説
を生成する。ここでは、誤信号は地面、海面等に反射し
て生成されるクラッタ、警報回路18の誤警報等の信号
を意味する。また、新航跡は現サンプリングから新たに
発生した目標の航跡を表している。
【0019】次に各仮説に番号付けを行った後、仮説毎
に含まれる航跡の番号付けを行う。i番目の仮説のj番
目の航跡を生成するkサンプリング目の観測ベクトルを
z(k,i,j)として、誤信号と伴に推定値基準信頼
度算出回路22に伝達する。また、伝達する際には式
(1)により、(アジマス角、エレベーション角、距
離)の極座標系における3次元データから(x,y,
z)の直交座標系に変換して伝達する。ただし、i番目
の仮説におけるj番目の航跡は第一スキャンの1CPI
目の結果から生成されているとは限らないため、ここで
は、z(k,i,j)は航跡を生成する観測ベクトルの
最初のサンプリングを1サンプリング目、最後のサンプ
リングをN0サンプリング目として番号付けされている
ものとする。
【数1】
【0020】推定値基準信頼度算出回路22は、航跡設
定回路21により設定された仮説に関して、目標位置の
推定値を基準として信頼度を算出する。図11は推定値
基準信頼度算出回路22の処理手順を示すフローチャー
トである。以下、図11を参照して推定値基準信頼度算
出回路22の処理内容を説明する。ただし、推定値基準
信頼度算出回路22においては、目標の探知確率PD、
kサンプリング目に追尾対象目標がゲートに入る確率P
G(k)、kサンプリング目の単位体積当りの平均誤信
号数βFT(k)、kサンプリング目の単位体積当りの
平均新目標数、及びi番目の仮説の1サンプリング目に
おける信頼度β(1,i)が既知であるとする。
【0021】まず、推定値基準信頼度算出回路22は、
航跡設定回路21から航跡を生成する観測データz
(1,i,j)〜z(N0,i,j)を入力すると(全
てのi,j)、その観測データz(1,i,j)〜z
(N0,i,j)をメモリ回路23に伝達する(ステッ
プST1)。そして、i,jを1に初期化して(ステッ
プST2)、z(1,i,j)とz(2,i,j)を推
定値算出回路24に伝達する。これにより、推定値算出
回路24では、最初にi番目の仮説のj番目の航跡に関
する3サンプリング目の予測値xチルダ(3,i,j)
と、xチルダ(3,i,j)の共分散行列Pチルダ
(3,i,j)を算出する。xチルダ(3,i,j)と
Pチルダ(3,i,j)をメモリ回路23に伝達する
(ステップST3)。
【0022】そして、推定値基準信頼度算出回路22が
k=3に設定した後(ステップST4)、メモリ回路2
3はxチルダ(3,i,j)とPチルダ(3,i,j)
とz(3,i,j)を推定値算出回路24に伝達する。
これにより、推定値算出回路24と予測値算出回路25
を経て、xチルダ(4,i,j)、Pチルダ(4,i,
j)を算出し、メモリ回路23に伝達する(ステップS
T5)。以降、同様の手順を繰り返すことによりxチル
ダ(N0,i,j)、Pチルダ(N0,i,j)が算出
され、推定値基準信頼度算出回路22に伝達される(ス
テップST6〜ST8)。
【0023】推定値基準信頼度算出回路22は、まだ算
出していないi番目の仮説における航跡を調査し(ステ
ップST9)、全部の航跡について算出していない場
合、jを1インクリメントして(ステップST10)、
ステップST3の処理に戻る。全部の航跡について算出
した場合には、ステップST11の処理に移行する。推
定値基準信頼度算出回路22は、処理を終了していない
仮説が存在する場合、jを1に設定するとともに、iを
1インクリメントして(ステップST12)、ステップ
ST3の処理に戻る。全ての仮説に関して処理を終了し
た場合は、ステップST13の処理に移行する。
【0024】推定値基準信頼度算出回路22は、全ての
仮説の航跡に関する目標位置の推定値が伝達されると、
式(2)を用いて、i番目の仮説の信頼度を算出する
(ステップST13)。信頼度はk=1サンプリング目
から逐次的にNサンプリング目まで計算する。ただし、
式(2)では、各航跡のサンプリング番号は各スキャン
の第1CPI目を1サンプリング目としている。式
(2)にk=Nを代入して信頼度を算出する。即ち、i
番目の仮説の信頼度はγi =γN,i となる。なお、式
(2)で計算されたγの対数を信頼度として定義するこ
ともできる。
【数2】 推定値基準信頼度算出回路22は、全部の仮説について
信頼度を算出すると、各仮説とその信頼度の組を航跡設
定回路21に伝達する。
【0025】次に、航跡候補設定処理部5における追尾
処理部(メモリ回路23、推定値算出回路24、予測値
算出回路25)の動作について説明する。追尾処理部で
は、予め目標運動モデルとして式(3)のような状態方
程式が与えられている。
【数3】 また、観測系のモデルも式(4)により予め与えられて
いる。
【数4】
【0026】追尾処理部の推定値算出回路24は、式
(5)を用いて、i番目の仮説におけるj番目の航跡に
関する2サンプリング目の推定値xハット(2,i,
j)を算出する。xハット(2,i,j)は位置(3次
元)、速度(3次元)の合計の6次元ベクトルとなって
いる。
【数5】
【0027】また、追尾処理部の推定値算出回路24
は、式(6)を用いて、xハット(2,i,j)の共分
散行列Pハット(2,i,j)も算出する。
【数6】 なお、式(6)におけるp22は式(7)のように表さ
れる。
【数7】
【0028】追尾処理部の推定値算出回路24は、xハ
ット(2,i,j)とPハット(2,i,j)を算出す
ると、xハット(2,i,j)とPハット(2,i,
j)を予測値算出回路25に伝達する。追尾処理部の予
測値算出回路25は、式(8)において、k=2とし
て、xハット(2,i,j)に代入し、i番目の仮説に
おけるj番目の航跡に関する3サンプリング目の予測値
xチルダ(3,i,j)を算出し、3サンプリング目の
予測値xチルダ(3,i,j)をメモリ回路23に伝達
する。
【数8】
【0029】また、追尾処理部の予測値算出回路25
は、Pハット(2,i,j)に関しても、式(9)にお
いて、k=2を代入して、xチルダ(3,i,j)の共
分散行列Pチルダ(3,i,j)を算出し、xチルダ
(3,i,j)の共分散行列Pチルダ(3,i,j)を
メモリ回路23に伝達する。
【数9】
【0030】次に、3サンプリング目以降の観測ベクト
ルが伝達された場合、カルマンフィルタ処理に移行す
る。xチルダ(3,i,j)の共分散行列Pチルダ
(3,i,j)を初期値として、k(3≦k≦N0)サ
ンプリング目における予測値xチルダ(k,i,j)と
Pチルダ(k,i,j)を算出する。具体的には次の手
順により算出する。
【0031】追尾処理部の推定値算出回路24は、メモ
リ回路23からxチルダ(k,i,j)、Pチルダ
(k,i,j)、z(k,i,j)が伝達されると、式
(10)を用いて、kサンプルにおけるカルマンゲイン
K(k)を算出する。
【数10】 また、式(11)を用いて、i番目の仮説におけるj番
目の航跡に関するkサンプリング目の推定値xハット
(k,i,j)を算出する。
【数11】 また、式(12)を用いて、xハット(k,i,j)の
共分散行列Pハット(k,i,j)を算出する。
【数12】
【0032】追尾処理部の予測値算出回路25は、推定
値算出回路24がxハット(k,i,j)と共分散行列
Pハット(k,i,j)を算出すると、式(9)を用い
て、その共分散行列Pチルダ(k+1,i,j)を算出
する。そして、xチルダ(k+1,i,j)、Pチルダ
(k+1,i,j)をメモリ回路23に伝達する。以降
k←k+1として、式(10)を用いて、カルマンゲイ
ンを算出し、逐次的に処理を行うことで、N0サンプリ
ング目まで予測値xチルダ(N0,i,j)と共分散行
列Pチルダ(N0,i,j)を算出する。推定値基準信
頼度算出回路22では、各仮説の信頼度を算出した後、
その結果を航跡設定回路21に伝達する。航跡設定回路
21では、信頼度が最大となる仮説を検出し、その仮説
の航跡を目標の航跡として設定する。以上の処理はスキ
ャン単位で行う。
【0033】航跡候補設定処理部5の結果は航跡相関回
路6に伝達される。具体的には、航跡候補設定処理部5
により計算された信頼度が最大となる仮説を構成する航
跡の観測ベクトルと、信号処理装置3により計算された
観測ベクトルに関するドップラー速度が伝達される。
【0034】航跡相関回路6は、2スキャンにわたって
航跡候補設定処理部5からの信号を蓄えた後、2スキャ
ン分の観測データから想定される航跡について仮説を生
成する。各仮説に番号付けを行った後、仮説毎に含まれ
る航跡の番号付けを行う。i番目の仮説のj番目の航跡
を生成するkサンプル目の観測ベクトルをz(k,i,
j)として、平滑値基準信頼度算出回路7に伝達する。
i番目の仮説におけるj番目の航跡は第一スキャンの1
CPI目の結果から存在するとは限らないため、ここで
も、航跡を生成する観測ベクトルの最初のサンプリング
を1サンプリング目、最後のサンプリングをN1サンプ
リング目として処理する。
【0035】平滑値基準信頼度算出回路7は、航跡相関
回路6から伝達された観測ベクトルをメモリ回路31,
34に伝達する。追尾処理部8は、kサンプリング目に
おける推定値と、その共分散行列xハット(k,i,
j)と、Pハット(k,i,j)(3≦k≦N1)とを
逐次的に計算し、その結果をメモリ回路34に伝達す
る。メモリ回路34から平滑値算出回路35にN1サン
プリングの処理結果が伝達される。
【0036】平滑値算出回路35は、スムージング処理
を実施し、N1サンプリングの観測データから推定され
る各サンプリングの目標位置の平滑値、目標速度の平滑
値を算出する。k=N1を初期値として、k(3≦k≦
N1)サンプリング目における平滑ゲインCkを次式に
より算出する。
【数13】
【0037】また、平滑値算出回路35は、式(14)
を用いて、k+1サンプリング目における平滑値xハッ
ト(k+1,i,j|N1)を基にxハット(k,i,
j|N1)を算出する。
【数14】 同様に、共分散行列Pハット(k+1,i,j|N1)
を用いて共分散行列Pハット(k,i,j|N1)を算
出する。
【数15】
【0038】以下、k−1→kとして、処理を繰り返
し、3サンプリング目からN1サンプリング目までの平
滑値を算出する。平滑処理の結果を平滑値基準信頼度算
出回路7に伝達する。平滑値基準信頼度算出回路7は、
式(16)を用いて、i番目の仮説の信頼度を算出す
る。
【数16】
【0039】平滑値基準信頼度算出回路7は、各仮説と
その信頼度の組を航跡相関回路6に伝達する。航跡相関
回路6は、信頼度の最も高い仮説を初期航跡として出力
する。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】従来の追尾初期化装置
は以上のように構成されているので、広い範囲を観測し
ようとすると、第一スキャンの最後のサンプリング時刻
から第二スキャンの最初のサンプリング時刻までの差
(スキャン間の時間差)が大きくなる。その結果、航跡
相関回路6により生成された仮説間の信頼度の差が小さ
くなるため、実際に目標航跡が正解である仮説(正解仮
説)と、目標航跡を誤っている仮説(誤り仮説)の判別
が困難となり、追尾初期化の成功率が劣化する課題があ
った。
【0041】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、広い範囲を観測する場合でも、追
尾初期化の成功率を高めることができる追尾初期化装置
及び追尾初期化方法を得ることを目的とする。
【0042】
【課題を解決するための手段】この発明に係る追尾初期
化装置は、観測手段から出力された位置観測データと速
度観測データを考慮して、仮説設定手段により設定され
た仮説の信頼度を算出する信頼度算出手段を設けたもの
である。
【0043】この発明に係る追尾初期化装置は、信頼度
算出手段が仮説設定手段により設定された仮説の信頼度
を算出する際、目標のドップラー速度が一定であると仮
定して仮説の信頼度を算出するようにしたものである。
【0044】この発明に係る追尾初期化装置は、信頼度
算出手段が仮説設定手段により設定された仮説の信頼度
を算出する際、目標のドップラー速度が等加速度的に変
化すると仮定して仮説の信頼度を算出するようにしたも
のである。
【0045】この発明に係る追尾初期化装置は、信頼度
算出手段が仮説設定手段により設定された仮説の信頼度
を算出する際、カルマンフィルタ処理を実施して目標の
ドップラー速度を推定し、その推定結果と観測手段から
出力された速度観測データとの平均二乗誤差に基づいて
仮説の信頼度を算出するようにしたものである。
【0046】この発明に係る追尾初期化装置は、信頼度
算出手段が仮説設定手段により設定された仮説の信頼度
を算出する際、スムージング処理を実施して目標のドッ
プラー速度を推定し、その推定結果と観測手段から出力
された速度観測データとの平均二乗誤差に基づいて仮説
の信頼度を算出するようにしたものである。
【0047】この発明に係る追尾初期化装置は、信頼度
算出手段が所定時刻における目標のドップラー速度の推
定結果と観測手段から出力された速度観測データとの平
均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出するようにし
たものである。
【0048】この発明に係る追尾初期化方法は、目標の
存在位置を示す位置観測データと目標のドップラー速度
を示す速度観測データを考慮して、設定した仮説の信頼
度を算出するようにしたものである。
【0049】この発明に係る追尾初期化方法は、仮説の
信頼度を算出する際、目標のドップラー速度が一定であ
ると仮定して仮説の信頼度を算出するようにしたもので
ある。
【0050】この発明に係る追尾初期化方法は、仮説の
信頼度を算出する際、目標のドップラー速度が等加速度
的に変化すると仮定して仮説の信頼度を算出するように
したものである。
【0051】この発明に係る追尾初期化方法は、仮説の
信頼度を算出する際、カルマンフィルタ処理を実施して
目標のドップラー速度を推定し、その推定結果と速度観
測データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算
出するようにしたものである。
【0052】この発明に係る追尾初期化方法は、仮説の
信頼度を算出する際、スムージング処理を実施して目標
のドップラー速度を推定し、その推定結果と速度観測デ
ータとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出す
るようにしたものである。
【0053】この発明に係る追尾初期化方法は、所定時
刻における目標のドップラー速度の推定結果と速度観測
データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出
するようにしたものである。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による追
尾初期化装置を示す構成図であり、図において、1は機
械回転型の送信アンテナ、2は目標に反射された電波を
受信する機械回転型の受信アンテナ、41は受信アンテ
ナ2の受信信号から目標の存在位置と目標のドップラー
速度を観測する信号処理装置である。なお、送信アンテ
ナ1、受信アンテナ2及び信号処理装置41から観測手
段が構成されている。4はレンジ分解能と角度(アジマ
ス角、エレベーション角)分解能から定まる単位で分割
された領域毎に、信号処理装置41から出力された観測
データを、送信アンテナ1と受信アンテナ2の回転速度
から定まる所定のサンプリング分だけ蓄えるメモリ回路
である。
【0055】5はメモリ回路4に格納されている観測デ
ータに基づいて目標の航跡の仮説を少なくとも1以上設
定する航跡候補設定処理部(仮説設定手段)、6は航跡
候補設定処理部5により設定された仮説のうち、信頼度
算出回路42により算出された信頼度が最も大きい仮説
を選択して目標の航跡を確立する航跡相関回路(航跡確
立手段)、42はメモリ回路4に格納されている観測デ
ータを考慮して、航跡候補設定処理部5により設定され
た仮説の信頼度を算出する信頼度算出回路であり、信頼
度算出回路42は目標のドップラー速度が一定であると
仮定して仮説の信頼度を算出するようにしている。8は
メモリ回路4に格納されている観測データに基づいて次
サンプリング時の目標位置等を予測する追尾処理部、9
はスムージング処理を実施して目標位置等の平滑値を算
出するスムージング処理部である。なお、信頼度算出回
路42、追尾処理部8及びスムージング処理部9から信
頼度算出手段が構成されている。図2はこの発明の実施
の形態1による追尾初期化方法を示すフローチャートで
ある。
【0056】次に動作について説明する。信号処理装置
41は、図8の信号処理装置3と同様に、変調した送信
信号を送信アンテナ1に出力することにより、移動物体
である目標に向けて電波を発信する(ステップST2
1)。そして、信号処理装置41は、受信アンテナ2が
移動物体である目標に反射された電波を受信すると(ス
テップST22)、その受信信号から目標の存在位置を
観測し、レンジビンに目標が存在する場合には、そのレ
ンジビンに目標が存在する旨を示す信号(目標の存在位
置を示す観測データ)を出力する。
【0057】ただし、この実施の形態1では、受信信号
から目標の存在位置を観測する際、その目標のドップラ
ー速度も観測する(ステップST23)。即ち、信号処
理装置41では、図8の信号処理装置3と異なり、コヒ
ーレント積分回路16がレンジビン毎にコヒーレント積
分を実施する際、目標のドップラー周波数を計算し、そ
のドップラー周波数に基づいて目標のドップラー速度を
計算する。これにより、メモリ回路4には、目標の存在
位置を示す観測データの他に、目標のドップラー速度を
示す観測データが、送信アンテナ1と受信アンテナ2の
回転速度から定まる所定のサンプリング分だけ蓄えられ
る。
【0058】航跡候補設定処理部5は、メモリ回路4に
格納されている観測データに基づいて目標の航跡の仮説
を少なくとも1以上設定する(ステップST24)。即
ち、航跡候補設定処理部5の航跡設定回路21は、従来
例と同様に、最初の受信アンテナ2の回転時(第一スキ
ャン目)にメモリ回路4に蓄えられた目標の存在位置を
示す観測データと、次の受信アンテナ2の回転時(第二
スキャン目)にメモリ回路4に蓄えられた目標の存在位
置を示す観測データとから、目標の航跡の候補とクラッ
タの候補の組合せをすべて調査して航跡の仮説を設定
し、航跡の候補をスキャン毎に確立する。
【0059】信頼度算出回路42は、メモリ回路4に格
納されている目標の存在位置を示す観測データだけでな
く、目標のドップラー速度を示す観測データも考慮し
て、航跡候補設定処理部5により設定された仮説の信頼
度を算出する(ステップST25)。即ち、信頼度算出
回路42は、従来の平滑値基準信頼度算出回路7と異な
り、目標のドップラー速度が一定であると仮定して仮説
の信頼度を算出する。具体的には、式(16)の代わり
に、式(17)を用いて、i番目の仮説の信頼度を算出
する。
【数17】
【0060】航跡相関回路6は、信頼度算出回路42が
航跡候補設定処理部5により設定された仮説の信頼度を
算出すると、信頼度が最も大きい仮説を選択して目標の
航跡を確立する(ステップST26)。なお、追尾処理
部8及びスムージング処理部9の動作は従来例と同様で
あるため説明を省略する。
【0061】以上で明らかなように、この実施の形態1
によれば、信頼度算出回路42が航跡候補設定処理部5
により設定された仮説の信頼度を算出する際、目標のド
ップラー速度が一定であると仮定して仮説の信頼度を算
出するように構成したので、広い範囲を観測する場合で
も、追尾初期化の成功率を高めることができる効果を奏
する。
【0062】即ち、目標が互いに異なる等速度で移動し
ている場合、スキャン間の時間差と関係なく、第一スキ
ャンで観測されたドップラー速度と第二スキャンで観測
されたドップラー速度が、同一目標の航跡に関してはほ
ぼ等しくなり、異なる目標の航跡に関しては異なるよう
になる。そのため、目標速度を信頼度に取り入れること
により信頼度に差が発生し、正しい目標航跡が確立でき
る。この実施の形態1では、目標のドップラー速度が一
定であると仮定し、目標航跡の仮説に関する相関処理に
ドップラー速度を評価基準として採用しているため、ス
キャン間の長い時間差に起因して、仮説間の信頼度に差
が発生しない従来例の課題が解消されている。
【0063】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2による追尾初期化装置を示す構成図であり、図にお
いて、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので
説明を省略する。43はメモリ回路4に格納されている
観測データを考慮して、航跡候補設定処理部5により設
定された仮説の信頼度を算出する信頼度算出回路(信頼
度算出手段)であり、信頼度算出回路43は目標のドッ
プラー速度が等加速度的に変化すると仮定して仮説の信
頼度を算出するようにしている。
【0064】次に動作について説明する。上記実施の形
態1では、目標のドップラー速度が一定であると仮定し
て仮説の信頼度を算出するものについて示したが、信頼
度算出回路43が、目標のドップラー速度が等加速度的
に変化すると仮定して仮説の信頼度を算出するようにし
てもよい。
【0065】具体的には、信頼度算出回路43は、式
(17)の代わりに、式(18)を用いて、i番目の仮
説の信頼度を算出する。
【数18】 ただし、式(18)においては、ドップラー速度v
i,j,k は観測ベクトルz(i,j,k)に対応する観測
ドップラー速度を表している。
【0066】これにより、目標が互いに異なる等加速度
で移動している場合には、第一スキャンでのドップラー
速度の変化から一意的に第二スキャンのドップラー速度
の変化が決まる。また、その決まり方は目標毎に異なっ
たものとなる。そのため、加速度を信頼度に取り入れる
ことにより、正解仮説と誤り仮説間の信頼度に差が発生
し、目標航跡の分離が可能となる。この実施の形態2で
は、目標ドップラー速度が等加速度的に変化すると仮定
し、目標航跡の仮説に関する相関処理にドップラー周波
数を評価基準として採用しているため、スキャン間の長
い時間差に起因して、仮説間の信頼度に差が発生しない
従来例の課題が解消されている。
【0067】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3による追尾初期化装置を示す構成図であり、図にお
いて、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので
説明を省略する。44はメモリ回路4に格納されている
観測データを考慮して、航跡候補設定処理部5により設
定された仮説の信頼度を算出する信頼度算出回路(信頼
度算出手段)であり、信頼度算出回路44はカルマンフ
ィルタ処理を実施して目標のドップラー速度を推定し、
その推定結果とメモリ回路4に格納されている目標のド
ップラー速度を示す観測データとの平均二乗誤差に基づ
いて仮説の信頼度を算出するようにしている。
【0068】次に動作について説明する。上記実施の形
態1では、目標のドップラー速度が一定であると仮定し
て仮説の信頼度を算出するものについて示したが、信頼
度算出回路44が、カルマンフィルタ処理を実施して目
標のドップラー速度を推定し、その推定結果とメモリ回
路4に格納されている目標のドップラー速度を示す観測
データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出
するようにしてもよく、上記実施の形態1と同様の効果
を奏する。
【0069】具体的には、信頼度算出回路44は、式
(17)の代わりに、式(19)を用いて、i番目の仮
説の信頼度を算出する。
【数19】 ただし、目標のドップラー速度の推定演算は、式(2
0)を用いて行う。
【数20】
【0070】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4による追尾初期化装置を示す構成図であり、図にお
いて、図4と同一符号は同一または相当部分を示すので
説明を省略する。45はメモリ回路4に格納されている
観測データを考慮して、航跡候補設定処理部5により設
定された仮説の信頼度を算出する信頼度算出回路(信頼
度算出手段)であり、信頼度算出回路45はスムージン
グ処理を実施して目標のドップラー速度を推定し、その
推定結果とメモリ回路4に格納されている目標のドップ
ラー速度を示す観測データとの平均二乗誤差に基づいて
仮説の信頼度を算出するようにしている。
【0071】次に動作について説明する。上記実施の形
態3では、カルマンフィルタ処理を実施して目標のドッ
プラー速度を推定し、その推定結果とメモリ回路4に格
納されている目標のドップラー速度を示す観測データと
の平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出するもの
について示したが、信頼度算出回路45が、スムージン
グ処理を実施して目標のドップラー速度を推定し、その
推定結果とメモリ回路4に格納されている目標のドップ
ラー速度を示す観測データとの平均二乗誤差に基づいて
仮説の信頼度を算出するようにしてもよく、上記実施の
形態3と同様の効果を奏する。
【0072】具体的には、信頼度算出回路45は、式
(19)の代わりに、式(21)を用いて、i番目の仮
説の信頼度を算出する。
【数21】
【0073】実施の形態5.図6はこの発明の実施の形
態5による追尾初期化装置を示す構成図であり、図にお
いて、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので
説明を省略する。46はスムージング処理を実施して目
標のドップラー速度を推定し、その推定結果とメモリ回
路4に格納されている目標のドップラー速度を示す観測
データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出
する信頼度算出回路(信頼度算出手段)であり、信頼度
算出回路46は特に所定時刻における目標のドップラー
速度の推定結果と目標のドップラー速度を示す観測デー
タとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出する
ようにしている。
【0074】次に動作について説明する。上記実施の形
態4では、スムージング処理を実施して目標のドップラ
ー速度を推定し、その推定結果とメモリ回路4に格納さ
れている目標のドップラー速度を示す観測データとの平
均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出するものにつ
いて示したが、信頼度算出回路46が、所定時刻におけ
る目標のドップラー速度の推定結果と目標のドップラー
速度を示す観測データとの平均二乗誤差に基づいて仮説
の信頼度を算出するようにしてもよく、上記実施の形態
4と同様の効果を奏する。
【0075】具体的には、信頼度算出回路46は、式
(21)の代わりに、式(22)を用いて、i番目の仮
説の信頼度を算出する。
【数22】
【0076】ただし、式(22)において、a
min1,i,j,k、bmin1,i,j,k、amin2,i,j,k、b
min2,i,j,kは最小二乗規範により計算される。具体的に
は、式(23)、式(24)を基に計算される。
【数23】
【0077】なお、式(23)、式(24)よりドップ
ラー速度と時間の関係を線形近似する関数が導入され、
f1は第一スキャン目の航跡のドップラー速度変化を線
形近似する関数を表し、f2は第二スキャン目の航跡の
ドップラー速度変化を線形近似する関数を表している。
最小二乗誤差を最小化するパラメータは式(25)、式
(26)を満足する点として計算される。
【数24】
【0078】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、観測
手段から出力された位置観測データと速度観測データを
考慮して、仮説設定手段により設定された仮説の信頼度
を算出する信頼度算出手段を設けるように構成したの
で、広い範囲を観測する場合でも、追尾初期化の成功率
を高めることができる効果がある。
【0079】この発明によれば、信頼度算出手段が仮説
設定手段により設定された仮説の信頼度を算出する際、
目標のドップラー速度が一定であると仮定して仮説の信
頼度を算出するように構成したので、目標が互いに異な
る等速度で移動している場合、広い範囲を観測する場合
でも、追尾初期化の成功率を高めることができる効果が
ある。
【0080】この発明によれば、信頼度算出手段が仮説
設定手段により設定された仮説の信頼度を算出する際、
目標のドップラー速度が等加速度的に変化すると仮定し
て仮説の信頼度を算出するように構成したので、目標が
互いに異なる等加速度で移動している場合、広い範囲を
観測する場合でも、追尾初期化の成功率を高めることが
できる効果がある。
【0081】この発明によれば、信頼度算出手段が仮説
設定手段により設定された仮説の信頼度を算出する際、
カルマンフィルタ処理を実施して目標のドップラー速度
を推定し、その推定結果と観測手段から出力された速度
観測データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を
算出するように構成したので、広い範囲を観測する場合
でも、追尾初期化の成功率を高めることができる効果が
ある。
【0082】この発明によれば、信頼度算出手段が仮説
設定手段により設定された仮説の信頼度を算出する際、
スムージング処理を実施して目標のドップラー速度を推
定し、その推定結果と観測手段から出力された速度観測
データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出
するように構成したので、広い範囲を観測する場合で
も、追尾初期化の成功率を高めることができる効果があ
る。
【0083】この発明によれば、信頼度算出手段が所定
時刻における目標のドップラー速度の推定結果と観測手
段から出力された速度観測データとの平均二乗誤差に基
づいて仮説の信頼度を算出するように構成したので、追
尾初期化の成功率を更に高めることができる効果があ
る。
【0084】この発明によれば、目標の存在位置を示す
位置観測データと目標のドップラー速度を示す速度観測
データを考慮して、設定した仮説の信頼度を算出するよ
うに構成したので、広い範囲を観測する場合でも、追尾
初期化の成功率を高めることができる効果がある。
【0085】この発明によれば、仮説の信頼度を算出す
る際、目標のドップラー速度が一定であると仮定して仮
説の信頼度を算出するように構成したので、目標が互い
に異なる等速度で移動している場合、広い範囲を観測す
る場合でも、追尾初期化の成功率を高めることができる
効果がある。
【0086】この発明によれば、仮説の信頼度を算出す
る際、目標のドップラー速度が等加速度的に変化すると
仮定して仮説の信頼度を算出するように構成したので、
目標が互いに異なる等加速度で移動している場合、広い
範囲を観測する場合でも、追尾初期化の成功率を高める
ことができる効果がある。
【0087】この発明によれば、仮説の信頼度を算出す
る際、カルマンフィルタ処理を実施して目標のドップラ
ー速度を推定し、その推定結果と速度観測データとの平
均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出するように構
成したので、広い範囲を観測する場合でも、追尾初期化
の成功率を高めることができる効果がある。
【0088】この発明によれば、仮説の信頼度を算出す
る際、スムージング処理を実施して目標のドップラー速
度を推定し、その推定結果と速度観測データとの平均二
乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出するように構成し
たので、広い範囲を観測する場合でも、追尾初期化の成
功率を高めることができる効果がある。
【0089】この発明によれば、所定時刻における目標
のドップラー速度の推定結果と速度観測データとの平均
二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出するように構成
したので、追尾初期化の成功率を更に高めることができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による追尾初期化装
置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による追尾初期化方
法を示すフローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態2による追尾初期化装
置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による追尾初期化装
置を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による追尾初期化装
置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5による追尾初期化装
置を示す構成図である。
【図7】 従来の追尾初期化装置を示す構成図である。
【図8】 信号処理装置の内部構成を示す構成図であ
る。
【図9】 航跡候補設定処理部の内部構成を示す構成図
である。
【図10】 追尾処理部及びスムージング処理部の内部
構成を示す構成図である。
【図11】 推定値基準信頼度算出回路の処理手順を示
すフローチャートである。
【図12】 目標の観測データを示す説明図である。
【符号の説明】
1 送信アンテナ(観測手段)、2 受信アンテナ(観
測手段)、4 メモリ回路、5 航跡候補設定処理部
(仮説設定手段)、6 航跡相関回路(航跡確立手
段)、7 平滑値基準信頼度算出回路、8 追尾処理部
(信頼度算出手段)、9 スムージング処理部(信頼度
算出手段)、11 変調回路、12 送信機、13 受
信機、14 A/D変換器、15 復調回路、16 コ
ヒーレント積分回路、17 検波回路、18 警報回
路、21 航跡設定回路、22 推定値基準信頼度算出
回路、23 メモリ回路、24 推定値算出回路、25
予測値算出回路、31 メモリ回路、32 推定値算
出回路、33 予測値算出回路、34 メモリ回路、3
5 平滑値算出回路、41 信号処理装置(観測手
段)、42〜46 信頼度算出回路(信頼度算出手
段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小菅 義夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AC02 AC06 AD02 AE04 AH02 AH04 AH34 AH39 AJ13 BA01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動物体である目標に向けて電波を発信
    する一方、その目標に反射された電波を受信して、その
    目標の存在位置を示す位置観測データと目標のドップラ
    ー速度を示す速度観測データを出力する観測手段と、上
    記観測手段から出力された位置観測データに基づいて目
    標の航跡の仮説を少なくとも1以上設定する仮説設定手
    段と、上記観測手段から出力された位置観測データと速
    度観測データを考慮して、上記仮説設定手段により設定
    された仮説の信頼度を算出する信頼度算出手段と、上記
    仮説設定手段により設定された仮説のうち、上記信頼度
    算出手段により算出された信頼度が最も大きい仮説を選
    択して目標の航跡を確立する航跡確立手段とを備えた追
    尾初期化装置。
  2. 【請求項2】 信頼度算出手段は、仮説設定手段により
    設定された仮説の信頼度を算出する際、目標のドップラ
    ー速度が一定であると仮定して仮説の信頼度を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の追尾初期化装置。
  3. 【請求項3】 信頼度算出手段は、仮説設定手段により
    設定された仮説の信頼度を算出する際、目標のドップラ
    ー速度が等加速度的に変化すると仮定して仮説の信頼度
    を算出することを特徴とする請求項1記載の追尾初期化
    装置。
  4. 【請求項4】 信頼度算出手段は、仮説設定手段により
    設定された仮説の信頼度を算出する際、カルマンフィル
    タ処理を実施して目標のドップラー速度を推定し、その
    推定結果と観測手段から出力された速度観測データとの
    平均二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出することを
    特徴とする請求項1記載の追尾初期化装置。
  5. 【請求項5】 信頼度算出手段は、仮説設定手段により
    設定された仮説の信頼度を算出する際、スムージング処
    理を実施して目標のドップラー速度を推定し、その推定
    結果と観測手段から出力された速度観測データとの平均
    二乗誤差に基づいて仮説の信頼度を算出することを特徴
    とする請求項1記載の追尾初期化装置。
  6. 【請求項6】 信頼度算出手段は、所定時刻における目
    標のドップラー速度の推定結果と観測手段から出力され
    た速度観測データとの平均二乗誤差に基づいて仮説の信
    頼度を算出することを特徴とする請求項5記載の追尾初
    期化装置。
  7. 【請求項7】 移動物体である目標に向けて電波を発信
    する一方、その目標に反射された電波を受信して、その
    目標の存在位置と目標のドップラー速度を観測すると、
    その目標の存在位置を示す位置観測データに基づいて目
    標の航跡の仮説を少なくとも1以上設定する一方、その
    目標の存在位置を示す位置観測データと目標のドップラ
    ー速度を示す速度観測データを考慮して、その設定した
    仮説の信頼度を算出し、その信頼度が最も大きい仮説を
    選択して目標の航跡を確立する追尾初期化方法。
  8. 【請求項8】 仮説の信頼度を算出する際、目標のドッ
    プラー速度が一定であると仮定して仮説の信頼度を算出
    することを特徴とする請求項7記載の追尾初期化方法。
  9. 【請求項9】 仮説の信頼度を算出する際、目標のドッ
    プラー速度が等加速度的に変化すると仮定して仮説の信
    頼度を算出することを特徴とする請求項7記載の追尾初
    期化方法。
  10. 【請求項10】 仮説の信頼度を算出する際、カルマン
    フィルタ処理を実施して目標のドップラー速度を推定
    し、その推定結果と速度観測データとの平均二乗誤差に
    基づいて仮説の信頼度を算出することを特徴とする請求
    項7記載の追尾初期化方法。
  11. 【請求項11】 仮説の信頼度を算出する際、スムージ
    ング処理を実施して目標のドップラー速度を推定し、そ
    の推定結果と速度観測データとの平均二乗誤差に基づい
    て仮説の信頼度を算出することを特徴とする請求項7記
    載の追尾初期化方法。
  12. 【請求項12】 所定時刻における目標のドップラー速
    度の推定結果と速度観測データとの平均二乗誤差に基づ
    いて仮説の信頼度を算出することを特徴とする請求項1
    1記載の追尾初期化方法。
JP2002006412A 2002-01-15 2002-01-15 追尾初期化装置及び追尾初期化方法 Pending JP2003207566A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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