JP3383255B2 - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP3383255B2
JP3383255B2 JP2000017271A JP2000017271A JP3383255B2 JP 3383255 B2 JP3383255 B2 JP 3383255B2 JP 2000017271 A JP2000017271 A JP 2000017271A JP 2000017271 A JP2000017271 A JP 2000017271A JP 3383255 B2 JP3383255 B2 JP 3383255B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は航空機などの対空
目標を複数の周波数帯域の送信波を用いて探知追尾する
レーダ装置に関し、特に送信波を周波数変調することに
より発生する目標距離の偏移に基づいて対空目標の接近
速度成分(以下、単に「接近速度」という)を算出し、
接近速度を有効利用することにより探知追尾能力を向上
させたレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図13はビーム照射技術を用いた一般的
なレーダ装置の運用状態を示す説明図である。図13に
おいて、1は対空目標(以下、単に「目標」ともいう)
であり、ここでは、目標1が飛行中の航空機の場合を示
している。
【0003】2はレーダ装置の要部を構成するレーダで
あり、目標1に対してビーム3を周期的に照射する。一
般的に、レーダ装置は図13のように構成されており、
ビーム3の反射波を受信することにより、目標1の探知
追尾を実行するようになっている。
【0004】すなわち、レーダ装置は信号処理装置およ
び演算装置を含み、受信された目標1からの反射波に対
して信号処理を行い、目標1の観測値を検出する。
【0005】また、目標1の観測値に基づき、追尾フィ
ルタを用いて目標平滑位置および速度を算出するととも
に、目標予測位置を求め、次のサンプリング時刻におけ
る観測値を用いて目標平滑位置および速度を更新する。
以下、上記処理を繰り返すことにより、目標1の追尾を
継続する。
【0006】このとき、ビーム3の送信波に直線的な周
波数変調をかけている場合、目標1が距離方向に移動す
ると、その観測距離が送信変調波の影響により偏移する
ことが知られている。
【0007】したがって、ビーム3の送信波に大きく変
調をかけた場合や、目標1が高速で距離方向に移動した
場合には、観測距離の偏移が増大し、この結果として、
追尾誤差となって検出される。
【0008】図14は従来のレーダ装置の概略構成を示
すブロック図である。図14において、4はビーム3
(図13参照)を送信して目標1からの反射波を受信す
るためのアンテナ、5はアンテナ4を駆動して反射波を
受信する送受信器、6は送受信器5からの受信信号を検
出する信号検出器である。
【0009】7は信号検出器6の出力信号に基づいて目
標1を追尾するための追尾フィルタであり、一般にカル
マン(kalman)フィルタと呼ばれるものである。
【0010】次に、図13、図15および図16を参照
しながら、図14に示した従来のレーダ装置の動作につ
いて説明する。図15は周波数変調のかかったビーム3
の送信波形の一例を示す説明図であり、図16は単一の
周波数帯域における目標距離の観測状況を示す説明図で
ある。
【0011】図15において、横軸は時間T、縦軸は送
信周波数fであり、Tpはビーム3が送信される時間す
なわち送信パルス幅、Tqは目標1からの反射波が受信
される時間、f1は変調波の送信開始周波数、f0は送
信中心周波数、f2は変調波の送信終了周波数である。
【0012】図16において、13は目標1の真の位
置、14は目標1の距離方向を示すライン、15は目標
1の接近速度DMrt(k)による観測距離の偏移、R
o(k)は観測された距離である。なお、観測距離Ro
(k)内のkは、サンプリング時刻である。
【0013】図14において、まず、レーダ装置内の送
受信器5は、周波数変調をかけた送信波形をアンテナ4
に出力する。これにより、アンテナ4から目標1に対し
て、図13のようにビーム3が照射される。
【0014】このとき、変調波の送信波形のパラメータ
は、図15のように、送信パルス幅Tp、送信中心周波
数f0、送信開始周波数f1、送信終了周波数f2に設
定されている。
【0015】一方、アンテナ4から受信された反射波
は、送受信器5に転送され、増幅および周波数変調の復
調が行われた後、信号検出器6に入力される。信号検出
器6は、入力信号から目標信号の検出処理を実行し、目
標1に関する観測値Zkとして、距離Ro(k)、仰角
Eo(k)およびアジマス角Azo(k)を求め、これ
らを追尾フィルタ7に入力する。
【0016】ここで、観測される目標1の観測距離Ro
(k)は、周波数変調信号が復調された後のサンプリン
グ時刻kにおいて、目標1の運動諸元である距離変化率
すなわち接近速度DMrt(k)により変化するので、
図16のように偏移15が現れる。
【0017】図16において、目標1の真の位置13
と、接近速度DMrt(k)による観測距離の偏移15
と、観測距離Ro(k)との関係は、以下の(1)式の
ように表わされる。
【0018】
【数1】
【0019】(1)式において、Rt(k)は目標1の
真の距離、δTは送信波の定数により決定される偏移時
間成分である。ここで、偏移時間成分δTは、送信パル
ス幅Tp、送信中心周波数f0、送信開始周波数f1、
送信終了周波数f2に影響され、以下の(2)式のよう
に表わされる。
【0020】
【数2】
【0021】次に、追尾フィルタ7は、距離および角度
からなる観測値Zkに基づいて、以下の(3)式のよう
に、次のサンプリング時刻における目標予測位置および
目標速度を算出する。
【0022】
【数3】
【0023】(3)式において、観測値Zkは、距離R
o(k)、仰角Eo(k)およびアジマス角Azo
(k)の各成分を含む3行1列のベクトルからなる。
【0024】また、Xk(+)は平滑値のベクトル、X
k(−)は追尾フィルタ7の出力諸元となる予測値のベ
クトルであり、いずれも距離Ro(k)、仰角Eo
(k)および方位角Azo(k)と、それぞれの速度成
分とを含む6行1列のベクトルからなる。
【0025】また、Kkは平滑の係数となる6行6列の
カルマンゲイン行列、Hは観測値Zkを変換する3行6
列の行列、Pk(+)は平滑誤差共分散を示す6行6列
の行列、Pk(−)は予測誤差共分散を示す6行6列の
行列、Φ(k)は予測時間の遷移を示す6行3列の行列
である。
【0026】また、Qkは目標運動の不安定さを示す駆
動雑音定数(あらかじめ設定される)であり、Γ
1(k)は駆動雑音を変換する6行6列の行列である。
Rkはレーダによるランダムな観測雑音の大きさを示す
6行6列の行列(あらかじめ設定される)であり、Γ2
(k)は観測雑音を変換する行列である。
【0027】なお、上記(3)式においては、追尾フィ
ルタ7の入力諸元となる観測値Zkが、距離Ro
(k)、方位Azo(k)および仰角Eo(k)の3次
元からなる場合を想定しているが、距離Ro(k)およ
び方位Azo(k)の2次元であっても実行可能であ
る。
【0028】このような追尾フィルタ7の平滑値算出動
作により、観測距離のランダム誤差は抑制される。しか
しながら、距離偏移を抑圧することができないので、追
尾フィルタ7は、距離偏移による誤差を残したまま、目
標1の位置や速力を算出することになる。
【0029】上記のように、従来のレーダ装置は、目標
1の観測および追尾を実行する。また、上記追尾継続処
理は、観測値Zkが入力される毎に実行され、目標1の
予測位置および平滑速度が算出される。
【0030】また、従来より、2つの周波数帯域を用い
たレーダ装置も提案されている。図17は2つの周波数
帯域における目標距離の観測状況を示す説明図であり、
13および14は前述(図16参照)と同様のものであ
る。
【0031】図17において、25は第1の周波数帯域
における観測距離の偏移、27は第2の周波数帯域にお
ける観測距離の偏移、Ro1(k)は第1の周波数帯域
における観測距離であり、Ro2(k)は第2の周波数
帯域における観測距離である。
【0032】しかしながら、従来のレーダ装置において
は、図17のように2つの周波数帯域を用いたとして
も、各周波数帯域における観測値に基づいて相関処理な
どを実行することは考慮されていないので、目標1の接
近速度を算出して、これを有効利用することはできな
い。
【0033】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーダ装置は以
上のように、高速移動する目標1に対して、送信波に周
波数変調信号を用いながら追尾する場合に、距離偏移に
よる誤差を残したまま目標1の位置や速力を算出してい
るので、正しい距離を観測することができないという問
題点があった。
【0034】また、従来のレーダ装置において、送信波
に周波数変調信号を使用しない場合には、探知性能の低
下や距離分解能の低下を招くという問題点があった。
【0035】また、従来のレーダ装置においては、通常
観測可能な諸元すなわち観測値Zkは、距離Ro
(k)、角度Eo(k)およびAzo(k)のみであ
り、目標1の接近速度DMrt(k)を直接観測するた
めには、パルスドップラフィルタなど、特殊な回路装置
を必要とするという問題点があった。
【0036】さらに、従来のレーダ装置において、図1
7のように2つの周波数帯域を用いて運用した場合に
は、各周波数帯域における観測値に基づく相関処理を実
行していないので、各観測値に基づく目標1の接近速度
DMr(k)を算出してこれを有効利用することができ
ないという問題点があった。
【0037】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、2つの周波数帯域により得られ
る観測値に基づいて目標の接近速度を算出し、接近速度
を用いて距離の偏移を補正することにより、探知追尾性
能を向上させたレーダ装置を得ることを目的とする。
【0038】また、この発明は、2つの周波数帯域によ
り得られる観測値に基づいて目標の接近速度を算出する
とともに、観測値に含まれるドップラ情報に基づいて目
標の細部接近速度を推定し、細部推定接近速度と接近速
度とを組合せて細部接近速度を算出し、細部接近速度を
用いて観測距離の偏移を補正することにより、探知追尾
性能を向上させたレーダ装置を得ることを目的とする。
【0039】また、この発明は、さらに目標追尾諸元の
うち速度諸元の初期値として用いることにより、速度諸
元を安定させて追尾性能を向上させたレーダ装置を得る
ことを目的とする。
【0040】また、この発明は、さらに追尾中の目標速
度に基づいて複数目標検出時の最適な組合せ判定を行
い、この判定結果を用いて観測距離の偏移を補正するこ
とにより、探知追尾性能を向上させたレーダ装置を得る
ことを目的とする。
【0041】また、この発明は、さらに追尾フィルタに
より算出された目標速度と観測された接近速度とに基づ
いて旋回判定し、追尾フィルタの平滑係数であるカルマ
ンゲイン行列の設定を変化させて追従性を確保すること
により、探知追尾性能を向上させたレーダ装置を得るこ
とを目的とする。
【0042】また、この発明は、さらに多目標追尾フィ
ルタにおける航跡と観測値間の相関処理を実行し、クラ
ッタ環境における追尾継続性を向上させたレーダ装置を
得ることを目的とする。
【0043】また、この発明は、さらに多重運動モデル
追尾フィルタ36における観測値と運動モデル間の相関
処理を実行することにより、旋回目標に対する追尾性能
を向上させたレーダ装置を得ることを目的とする。
【0044】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るレーダ装置は、航空機などの対空目標を探知追尾する
ためのレーダ装置において、対空目標に対してビームの
送受信を行うための第1および第2の周波数帯域を有す
る第1および第2のアンテナと、第1および第2のアン
テナに対して周波数変調をかけた送受信信号を入出力す
る第1および第2の送受信器と、第1および第2の送受
信器からの受信信号に基づいて、対空目標に対する観測
距離および観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第
1および第2の信号検出器と、第1および第2の周波数
帯域でそれぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に
基づいて、対空目標に対する接近速度を算出する接近速
度算出器と、接近速度に基づいて観測距離を補正して補
正観測距離を算出する観測距離補正器と、観測角度およ
び補正観測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実行す
る追尾フィルタとを備えたものである。
【0045】また、この発明の請求項2に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
の影響を受けた各観測値から求まるドップラ情報に基づ
いて、対空目標に対する細部推定接近速度を算出する接
近速度推定器と、細部推定接近速度および接近速度に基
づいて対空目標に対する細部接近速度を算出する速度細
部算出器と、細部接近速度に基づいて観測距離を補正し
て補正観測距離を算出する観測距離補正器と、観測角度
および補正観測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実
行する追尾フィルタとを備えたものである。
【0046】また、この発明の請求項3に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生した
場合に、第1および第2の周波数帯域における各観測値
の組合せを観測値組合せ情報として生成する観測値組合
せ生成器と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基
づいて対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算
出器と、接近速度に基づいて観測値組合せ情報を対空目
標の検出位置の関係から判定する観測値組合せ判定器
と、接近速度および観測値組合せ判定器の判定結果に基
づいて観測距離を補正して補正観測距離を算出する観測
距離補正器と、観測角度および補正観測距離に基づいて
対空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えた
ものである。
【0047】また、この発明の請求項4に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生した
場合に、第1および第2の周波数帯域における各観測値
の組合せを観測値組合せ情報として生成する観測値組合
せ生成器と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基
づいて対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算
出器と、接近速度に基づいて、観測値組合せ情報が追尾
対象とする対空目標の情報であるか否かを判定する観測
値組合せ判定器と、接近速度に基づいてクラッタなどの
追尾不要な固定目標からの観測値を判定して除去するク
ラッタ判定除去器と、接近速度およびクラッタ判定除去
器の判定結果に基づいて観測距離を補正して補正観測距
離を算出する観測距離補正器と、観測角度および補正観
測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実行する追尾フ
ィルタとを備えたものである。
【0048】また、この発明の請求項5に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生した
場合に、第1および第2の周波数帯域における各観測値
の組合せを観測値組合せ情報として生成する観測値組合
せ生成器と、観測値組合せ情報に含まれる距離情報に基
づいて対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算
出器と、観測値組合せ情報から求まるドップラ情報に基
づいて、対空目標に対する細部推定接近速度を算出する
接近速度推定器と、細部推定接近速度と接近速度との比
較に基づいて、観測値組合せ情報の中から対応する観測
値組合せ情報を選定する観測値組合せ選定器と、接近速
度および観測値組合せ選定器の選定結果に基づいて観測
距離を補正して補正観測距離を算出する観測距離補正器
と、観測角度および補正観測距離に基づいて対空目標の
追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたものであ
る。
【0049】また、この発明の請求項6に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測距
離を算出する観測距離補正器と、観測角度および補正観
測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実行する追尾フ
ィルタとを備え、追尾フィルタは、接近速度に基づいて
追尾フィルタ計算における対空目標の速度初期値を設定
する速度初期値設定器を含むものである。
【0050】また、この発明の請求項7に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
の影響を受けた各観測値から求まるドップラ情報に基づ
いて、対空目標に対する細部推定接近速度を算出する接
近速度推定器と、細部推定接近速度および接近速度に基
づいて対空目標に対する細部接近速度を算出する速度細
部算出器と、細部接近速度に基づいて観測距離を補正し
て補正観測距離を算出する観測距離補正器と、観測角度
および補正観測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実
行する追尾フィルタとを備え、追尾フィルタは、細部接
近速度に基づいて追尾フィルタ計算における対空目標の
速度初期値を設定する速度初期値設定器を含むものであ
る。
【0051】また、この発明の請求項8に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生した
場合に、第1および第2の周波数帯域における各観測値
の組合せを観測値組合せ情報として生成する観測値組合
せ生成器と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基
づいて対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算
出器と、接近速度に基づいて、観測値組合せ情報が追尾
中の対空目標の情報であるか否かを判定する速度相関判
定器と、接近速度および速度相関判定器の判定結果に基
づいて観測距離を補正して補正観測距離を算出する観測
距離補正器と、観測角度および補正観測距離に基づいて
対空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えた
ものである。
【0052】また、この発明の請求項9に係るレーダ装
置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生した
場合に、第1および第2の周波数帯域における各観測値
の組合せを観測値組合せ情報として生成する観測値組合
せ生成器と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基
づいて対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算
出器と、観測値組合せ情報から求まるドップラ情報に基
づいて対空目標に対する細部推定接近速度を算出する接
近速度推定器と、細部推定接近速度と接近速度との比較
に基づいて観測値組合せ情報の中から対応する観測値組
合せ情報を選定する観測値組合せ選定器と、細部推定接
近速度に基づいて、観測値組合せ情報が追尾中の対空目
標の情報であるか否かを判定する速度相関判定器と、細
部推定接近速度および速度相関判定器の判定結果に基づ
いて観測距離を補正して補正観測距離を算出する観測距
離補正器と、観測角度および補正観測距離に基づいて対
空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたも
のである。
【0053】また、この発明の請求項10に係るレーダ
装置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレ
ーダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を
行うための第1および第2の周波数帯域を有する第1お
よび第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対
して周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1お
よび第2の送受信器と、第1および第2の送受信器から
の受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離およ
び観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および
第2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそ
れぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に基づい
て、対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出
器と、接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測
距離を算出する観測距離補正器と、接近速度の変化に基
づいて、追尾中の対空目標が旋回したか否かを判定する
旋回判定器と、対空目標が旋回中と判定された場合に、
追尾フィルタのゲインを設定変更するフィルタゲイン選
択器と、観測角度および補正観測距離とフィルタゲイン
選択器により設定されたゲインとに基づいて、対空目標
の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたものであ
る。
【0054】また、この発明の請求項11に係るレーダ
装置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレ
ーダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を
行うための第1および第2の周波数帯域を有する第1お
よび第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対
して周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1お
よび第2の送受信器と、第1および第2の送受信器から
の受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離およ
び観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および
第2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそ
れぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生し
た場合に、第1および第2の周波数帯域における観測値
の組合せを観測値組合せ情報として生成する観測値組合
せ生成器と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基
づいて対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算
出器と、接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観
測距離を算出する観測距離補正器と、複数の対空目標に
対応した観測角度および補正観測距離に基づいて航跡相
関処理および追尾計算を実行する多目標追尾フィルタと
を備えたものである。
【0055】また、この発明の請求項12に係るレーダ
装置は、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレ
ーダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を
行うための第1および第2の周波数帯域を有する第1お
よび第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対
して周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1お
よび第2の送受信器と、第1および第2の送受信器から
の受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離およ
び観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および
第2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそ
れぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に基づい
て、対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出
器と、接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測
距離を算出する観測距離補正器と、接近速度の変化に基
づいて、追尾中の対空目標が旋回したか否かを判定する
旋回判定器と、対空目標が旋回中と判定された場合に、
多重運動モデル追尾フィルタの多重運動モデルを設定変
更する運動モデル設定選択器と、観測角度および補正観
測距離と運動モデル設定選択器により設定された多重運
動モデルとに基づいて、対空目標の追尾計算を多重運動
モデルの予測法を用いて実行する多重運動モデル追尾フ
ィルタとを備えたものである。
【0056】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、図17のよ
うに2つの周波数帯域に基づく各観測値を用いたこの発
明の実施の形態1を図について説明する。図1はこの発
明の実施の形態1を示すブロック図であり、7は前述
(図14参照)と同様の追尾フィルタである。
【0057】図1において、17は周波数帯域1(第1
の周波数帯域)のアンテナ(以下、「第1のアンテナ」
という)、18は第1のアンテナ17に接続された第1
の送受信器、19は第1の送受信器18に接続された第
1の信号検出器である。
【0058】同様に、20は周波数帯域2(第2の周波
数帯域)のアンテナ(以下、「第2のアンテナ」とい
う)、21は第2のアンテナ20に接続された第2の送
受信器、22は第2の送受信器21に接続された第2の
信号検出器である。
【0059】第1、第2のアンテナ17、20、第1、
第2の送受信器18、21、第1、第2の信号検出器2
2、22は、それぞれ、前述(図14参照)のアンテナ
4、送受信器5、信号検出器6に対応している。
【0060】第1および第2のアンテナ17、20は、
それぞれ、目標1(図13参照)に対してビームの送受
信を行う。第1および第2の送受信器18、21は、そ
れぞれ、第1および第2のアンテナ17、20に対して
周波数変調をかけた送受信信号を入出力する。
【0061】また、第1および第2の信号検出器22、
22は、それぞれ、第1および第2の送受信器18、2
1からの受信信号に基づいて、それぞれ、目標1に対す
る観測距離Ro1(k)、Ro2(k)と、観測角度E
o1(k)、Eo2(k)、Azo1(k)、Azo2
(k)とを観測値として算出する。
【0062】23は第1および第2の信号検出器22、
22に接続された接近速度算出器であり、第1および第
2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調の影響を受けた各
観測距離Ro1(k)およびRo2(k)に基づいて、
目標1に対する接近速度DMr(k)を算出する。
【0063】24は接近速度算出器23に接続された観
測距離補正器であり、接近速度算出器23で算出された
接近速度DMr(k)に基づいて、観測距離を補正して
補正観測距離R(k)を算出する。
【0064】追尾フィルタ7は、観測距離補正器24に
接続され、観測角度Eo1(k)、Eo2(k)、Az
o1(k)、Azo2(k)と、補正観測距離R(k)
とに基づいて、目標1の追尾計算を実行する。
【0065】次に、図13および図17を参照しなが
ら、図1のように構成されたこの発明の実施の形態1に
よるレーダ装置の動作原理について説明する。この発明
の実施の形態1は、図17に示した原理を応用したもの
である。
【0066】まず、第1の送受信器18は、周波数変調
をかけた送信波形を第1のアンテナ17に出力する。こ
のとき、第1のアンテナ17に関する変調波の送信波形
を示すパラメータは、送信パルス幅Tp、送信中心周波
数f01、送信開始周波数f11、送信終了周波数f2
1により表わされる。
【0067】第1のアンテナ17は、ビーム3(図13
参照)として第1の送信波を空間に放射し、目標1から
の反射波を受信する。第1の送受信器18は、受信され
た信号を増幅して復調した後、第1の信号検出器19に
入力する。
【0068】第1の信号検出器19は、目標1の検出を
行い、目標1の距離Ro1(k)(図17参照)、仰角
Eo1(k)およびアジマス角Azo1(k)を観測
し、これらを接近速度算出器23に入力する。
【0069】このとき、前述と同様に、周波数変調信号
の復調後に観測される目標1の観測距離Ro1(k)
は、目標1の接近速度DMrt(k)により変化するの
で、上記(1)式と同様に、以下の(4)式のように偏
移が現れる。
【0070】
【数4】
【0071】(4)式において、δT1は送信波の定数
により決定される時間の成分であり、偏移時間成分δT
1は、上記(2)式と同様に、以下の(5)式のように
表わされる。
【0072】
【数5】
【0073】(5)式において、f01は送信中心周波
数、f11は送信開始周波数、f21は送信終了周波数
である。
【0074】一方、第2のアンテナ20、送受信器21
および信号検出器22は、第1のアンテナ17、送受信
器18および信号検出器19と同様に、第2の周波数帯
域の変調波信号を送信して目標1からの反射波を受信
し、受信信号を増幅し且つ復調して目標1の検出を行
う。
【0075】このとき、第2のアンテナ20に関する変
調波の送信波形を示すパラメータは、送信パルス幅T
p、送信中心周波数f02、送信開始周波数f12、送
信終了周波数f22により表わされる。
【0076】すなわち、第2の信号検出器22は、目標
1の距離Ro2(k)、仰角Eo2(k)およびアジマ
ス角Azo2(k)を観測し、接近速度算出器23に入
力する。
【0077】ここで、観測される目標1の観測距離Ro
2(k)は、周波数変調信号の復調後、目標1の接近速
度DMrt(k)により変化するので、上記(4)式と
同様に、以下の(6)式のように偏移が現れる。
【0078】
【数6】
【0079】(6)式において、δT2は送信波の定数
により決定される時間の成分であり、偏移時間成分δT
2は、上記(5)式と同様に、以下の(7)式のように
表わされる。
【0080】
【数7】
【0081】以下、接近速度算出器23は、上記観測距
離Ro1(k)およびRo2(k)のシフト量が2つの
周波数帯域で異なる点に着目し、2つの送信周波数帯域
での各観測値から、目標1の接近速度DMr(k)を算
出する。
【0082】すなわち、接近速度算出器23は、2つの
観測距離Ro1(k)およびRo2(k)から、目標1
の接近速度DMr(k)を、以下の(8)式のように算
出する。
【0083】
【数8】
【0084】続いて、観測距離補正器24は、目標1の
接近速度DMr(k)と、2つの送信周波数帯域におけ
る観測値(目標1の距離Ro1(k)およびRo2
(k)、仰角Eo1(k)およびEo2(k)、アジマ
ス角Azo1(k)およびAzo2(k))とから、以
下の(9)式のように、補正された観測値R(k)、E
(k)およびAz(k)を算出する。
【0085】
【数9】
【0086】(9)式のように補正された観測値R
(k)、E(k)およびAz(k)は、追尾フィルタ7
に入力され、追尾フィルタ7は、前述の(3)式にした
がって、目標1に対する追尾フィルタ計算を実行する。
【0087】上記追尾フィルタ処理は、観測値が入力さ
れる毎に実行され、追尾フィルタ7は、目標1の予測位
置および平滑速度を算出して、追尾を継続する。
【0088】このように、図1に示したこの発明の実施
の形態1によるレーダ装置は、離隔された2つの周波数
帯域で周波数変調をかけたビーム3(送信信号)を各ア
ンテナ17、20から同時に送信して目標1に照射し、
目標1からの各反射波(受信信号)に基づく観測距離R
o1(k)、Ro2(k)を用いて目標1の接近速度D
Mr(k)を算出し、接近速度DMr(k)を用いて観
測距離を補正する。
【0089】このとき、補正された観測距離R(k)に
おいては、観測距離Ro1(k)、Ro2(k)の偏移
が補正される。
【0090】したがって、送信周波数に変調をかけた場
合に、高速で移動する目標1に対して距離観測値の偏移
が大きく発生しても、追尾フィルタ7に入力される前に
観測距離が補正されるので、目標1の追尾性能および追
尾精度を向上させることができる。
【0091】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
は、各信号検出器19、22と観測距離補正器24との
間に、接近速度算出器23のみを挿入したが、さらに接
近速度推定器および速度細部算出器を追加挿入してもよ
い。
【0092】図2は上記実施の形態1に接近速度推定器
および速度細部算出器を追加挿入したこの発明の実施の
形態2を示すブロック図であり、7および17〜24は
前述(図1参照)と同様のものである。
【0093】図2において、38は各信号検出器19、
22に接続された接近速度推定器、39は接近速度算出
器23および接近速度推定器38に接続された速度細部
算出器である。接近速度推定器38および速度細部算出
器39は、各信号検出器19、22と観測距離補正器2
4との間に挿入されている。
【0094】接近速度推定器38は、第1および第2の
周波数帯域で、それぞれ周波数変調の影響を受けた各観
測値から求まるドップラ情報に基づいて、目標1に対す
る細部推定接近速度Vs(k,m,n)を算出する。
【0095】速度細部算出器39は、接近速度算出器2
3で算出された接近速度DMr(k)と、接近速度推定
器38で算出された細部推定接近速度Vs(k,m,
n)とに基づいて、目標1に対する細部接近速度Vs
(k)を算出する。
【0096】したがって、観測距離補正器24は、細部
接近速度Vs(k)に基づいて、観測距離を補正して補
正観測距離を算出し、追尾フィルタ7は、観測角度およ
び補正観測距離に基づいて目標1の追尾計算を実行する
ようになっている。
【0097】次に、図2のように構成されたこの発明の
実施の形態2によるレーダ装置の動作原理について説明
する。なお、第1のアンテナ17〜観測距離補正器24
の動作については、前述と同様なのでここでは詳述しな
い。
【0098】この場合、第1の信号検出器19は、目標
1を検出して、目標1の距離Ro1(k)、仰角Eo1
(k)およびアジマス角Azo1(k)を観測し、これ
らを接近速度算出器23に入力するとともに、これらの
観測値に対して観測周波数シフト量fd1(k)を加え
た値を接近速度推定器38に入力する。観測周波数シフ
ト量fd1(k)は、目標1の移動速度v(k)に対応
したドップラ情報に相当する。
【0099】同様に、第2の信号検出器22は、第2の
周波数帯域に基づく観測値すなわち目標1の距離Ro2
(k)、仰角Eo2(k)およびアジマス角Azo2
(k)を接近速度算出器23に入力するとともに、これ
らにドップラ情報すなわち観測周波数シフト量fd2
(k)を加えた値を接近速度推定器38に入力する。
【0100】この場合も、周波数変調信号の復調後に観
測される各観測距離Ro1(k)、Ro2(k)は、そ
れぞれ、目標1の接近速度DMrt(k)により変化
し、前述の(4)式、(6)式のように偏移が現れる。
【0101】接近速度算出器23は、2つの観測距離R
o1(k)、Ro2(k)から、前述の(8)式によ
り、目標1の接近速度DMr(k)を算出し、これを速
度細部算出器39に入力する。
【0102】ここで、周波数変調信号の復調後に観測さ
れる目標1の信号は、目標1の移動速度v(k)に対応
して周波数がシフトされる。一般に、このときの周波数
シフト量fd(k)は、送信信号の波長をλとすると、
以下の(10)式で与えられる。
【0103】
【数10】
【0104】ただし、(10)式において、周波数シフ
ト量fd(k)は、パルス繰り返し周波数PRFで折り
返される。
【0105】したがって、第1および第2の周波数帯域
での周波数シフト量fd1(k)、fd2(k)と、第
1および第2の周波数帯域で観測される見かけ上の周波
数シフト量fdo1(k)、fdo2との関係は、以下
の(11)式のように表される。
【0106】
【数11】
【0107】また、第1の周波数帯域(波長λ1)の送
信信号に関し、接近速度推定器38により算出される細
部推定接近速度Vs(k,m,n)は、上記(11)式
を満たす整数m、nを用いて、以下の(12)式により
求められる。
【0108】
【数12】
【0109】また、第2の周波数帯域(波長λ2)の送
信信号に関し、接近速度推定器38により算出される細
部推定接近速度Vs(k,m,n)は、上記(11)式
を満たす整数m、nを用いて、以下の(13)式により
求められる。
【0110】
【数13】
【0111】接近速度推定器38は、上記整数m、nの
組を求めて、(12)式、(13)式のように、細部推
定接近速度Vs(k,m,n)を算出し、これを速度細
部算出器39に入力する。
【0112】また、速度細部算出器39は、細部推定接
近速度Vs(k,m,n)と接近速度DMr(k)との
比較に基づいて、(12)式および(13)式の細部推
定接近速度Vs(k,m,n)を定める整数m、nを求
め、以下の(14)式のように細部接近速度Vs(k)
を求める。
【0113】
【数14】
【0114】続いて、観測距離補正器24は、目標1の
細部接近速度Vs(k)と、2つの送信周波数帯域にお
ける目標1の距離Ro1(k)、Ro2(k)と、仰角
Eo1(k)、Eo2(k)およびアジマス角Azo1
(k)、Azo2(k)との観測値から、以下の(1
5)式のように補正された観測値R(k)、E(k)お
よびAz(k)を算出する。
【0115】
【数15】
【0116】(15)式により補正された観測値R
(k)、E(k)およびAz(k)は、追尾フィルタ7
に入力され、追尾フィルタ7は、前述の(3)式にした
がって追尾フィルタ計算を実行する。
【0117】以下、観測値が入力される毎に上記追尾フ
ィルタ処理が実行され、追尾フィルタ7は、目標1の予
測位置および平滑速度を算出して追尾を継続する。
【0118】このように、図2に示したこの発明の実施
の形態2によるレーダ装置は、各周波数帯域毎の反射波
(受信信号)に基づく観測距離Ro1(k)、Ro2
(k)から算出された接近速度DMr(k)と、受信信
号のドップラ情報から算出された細部推定接近速度Vs
(k,m,n)とを用いて、細部接近速度Vs(k)を
算出し、細部接近速度Vs(k)を用いて補正された観
測距離R(k)を算出する。
【0119】このとき、補正された観測距離R(k)
は、観測距離Ro1(k)、Ro2(k)の偏移が補正
される。
【0120】したがって、送信周波数に変調をかけた場
合に、高速で移動する目標1に対して距離観測値の偏移
が大きく発生しても、正確な目標速度の算出に基づく観
測距離の正確な補正を追尾フィルタ7に入力する前に実
行するので、目標1の追尾性能および追尾精度を向上さ
せることができる。
【0121】実施の形態3.なお、上記実施の形態1で
は、各信号検出器19、22の出力側に、接近速度算出
器23を直接接続したが、各周波数帯域毎の観測値が複
数発生した場合を考慮して、接近速度算出器23の入力
側および出力側に観測値組合せ生成器および観測値組合
せ判定器を追加挿入してもよい。
【0122】図3は上記実施の形態1に観測値組合せ生
成器および観測値組合せ判定器を追加挿入したこの発明
の実施の形態3を示すブロック図であり、7および17
〜24は前述(図1参照)と同様のものである。
【0123】ここでは、第1および第2の周波数帯域で
それぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生
した場合、たとえば、目標1が複数存在した場合に個別
の目標1を区別する必要が生じた場合に対処することを
想定している。
【0124】図3において、29は各信号検出器19、
22に接続された観測値組合せ生成器であり、観測値組
合せ生成器29には接近速度算出器23が接続されてい
る。30は接近速度算出器23に接続された観測値組合
せ判定器であり、観測値組合せ判定器30には観測距離
補正器24が接続されている。
【0125】観測値組合せ生成器29は、第1および第
2の周波数帯域における各観測値の組合せを観測値組合
せ情報として生成する。
【0126】したがって、接近速度算出器23は、観測
値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて目標1に対
する接近速度DMr(k)を算出する。
【0127】また、観測値組合せ判定器30は、接近速
度DMr(k)に基づいて、観測値組合せ情報を目標の
検出位置の関係から判定する。
【0128】したがって、観測距離補正器24は、接近
速度DMr(k)と観測値組合せ判定器30の判定結果
とに基づいて、観測距離を補正して補正観測距離を算出
し、追尾フィルタ7は、観測角度および補正観測距離に
基づいて目標1の追尾計算を実行する。
【0129】次に、図3のように構成されたこの発明の
実施の形態3によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に検出された受信信号に基づ
き、第1の信号検出器19は、目標1の検出を行い、目
標1の観測値(距離Ro1(k)、仰角Eo1(k)、
アジマス角Azo1(k))を観測値組合せ生成器29
に入力する。
【0130】同様に、第2の信号検出器22は、目標1
の検出を行い、観測値(距離Ro2(k)、仰角Eo2
(k)、アジマス角Azo2(k))を観測値組合せ生
成器29に入力する。
【0131】ここで、周波数変調信号の復調後に観測さ
れる観測距離Ro1(k)、Ro2(k)には、前述の
(4)式、(6)式のように偏移が現れる。
【0132】観測値組合せ生成器29は、各送信周波数
帯域における観測値が複数発生した場合に、可能性のあ
る観測値の組合せを観測値組合せ情報として生成する。
たとえば、第1の周波数帯域で2つの観測値が得られ、
また、第2の周波数帯域で2つの観測値が得られた場合
には、4つの観測値組合せ情報が生成される。
【0133】観測値組合せ情報は接近速度算出器23に
入力され、接近速度算出器23は、2つの観測値の組み
合わされた距離を用いて、目標1の接近速度DMr
(k)を前述の(8)式にしたがって算出する。
【0134】観測値組合せ判定器30は、2つの周波数
帯域による観測値の組合せを、角度差の最も小さいもの
を同一目標からの観測値として採用し、これを観測距離
補正器24に入力する。
【0135】観測距離補正器24は、目標1の接近速度
DMr(k)と、2つの送信周波数帯域における目標1
の距離、仰角およびアジマス角の観測値とを用いて、補
正された観測値を前述の(9)式にしたがって算出す
る。
【0136】補正された観測値は追尾フィルタ7に入力
され、追尾フィルタ7は、前述の(3)式にしたがって
追尾フィルタ計算を実行する。以下、追尾フィルタ7
は、観測値が検出される毎に処理を継続する。
【0137】このように、図3に示したこの発明の実施
の形態3によるレーダ装置は、受信信号により検出され
た目標1の観測距離に基づいて、複数目標検出時におけ
る組合せ判定を実行するとともに接近速度を算出して、
距離の偏移の補正する。
【0138】これにより、複数の受信信号が検出された
場合においても、追尾処理前に補正を実行して、複数の
観測値の中から所要の観測値を選択するので、目標1の
探知追尾性能および追尾精度を向上させることができ
る。
【0139】実施の形態4.なお、上記実施の形態3で
は、観測値組合せ判定器30の出力側に、観測距離補正
器24を直接接続したが、目標1とクラッタ(雲などの
静止対象)とを区別するために、クラッタ判定除去器を
追加挿入してもよい。
【0140】図4は上記実施の形態3にクラッタ判定除
去器を追加挿入したこの発明の実施の形態4を示すブロ
ック図であり、7、17〜24、29および30は前述
(図3参照)と同様のものである。
【0141】ここでは、第1および第2の周波数帯域で
それぞれ周波数変調の影響を受けた各観測値が複数発生
した場合、たとえば、目標1の他にクラッタが存在した
場合に対処することを想定している。
【0142】図4において、31は観測値組合せ判定器
30に接続されたクラッタ判定除去器であり、クラッタ
判定除去器31には観測距離補正器24が接続されてい
る。観測値組合せ判定器30は、接近速度DMr(k)
に基づいて、観測値組合せ情報が追尾対象とする目標1
の情報であるか否かを判定する。
【0143】クラッタ判定除去器31は、接近速度DM
r(k)に基づく観測値組合せ判定器30の判定結果か
ら、クラッタなどの追尾不要な固定目標からの観測値を
判定して除去する。
【0144】観測距離補正器24は、接近速度DMr
(k)とクラッタ判定除去器31の判定結果とに基づい
て、観測距離を補正して補正観測距離を算出し、追尾フ
ィルタ7は、観測角度および補正観測距離に基づいて目
標の追尾計算を実行する。
【0145】次に、図4のように構成されたこの発明の
実施の形態4によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に、観測値組合せ生成器29
は、観測値組合せ情報を接近速度算出器23に入力し、
接近速度算出器23は、目標1の接近速度DMr(k)
を(8)式にしたがって算出する。
【0146】また、観測値組合せ判定器30は、2つの
周波数帯域による観測値の組合せを、角度差の小さいも
のを同一目標1からの観測値として採用し、これをクラ
ッタ判定除去器31に入力する。
【0147】クラッタ判定除去器31は、算出された接
近速度DMr(k)のうちの接近速度の値が低い観測値
組合せ情報を、固定目標からの反射波によるクラッタ信
号と判定し、クラッタと判定された観測値組合せ情報を
除去して観測距離補正器24に入力する。
【0148】以下、観測距離補正器24は、補正された
観測値を(9)式にしたがって算出し、追尾フィルタ7
は、(3)式にしたがって追尾フィルタ計算を実行す
る。
【0149】このように、目標1の接近速度DMr
(k)の算出とともに、複数目標検出時における観測値
の組合せ判定を実行して、クラッタなどの固定目標から
の不要な観測値を除去した後に、距離の偏移の補正を実
行することにより、複数の観測値の中から所要の観測値
を選択して固定目標からの誤警報を防止するとともに、
目標1の探知追尾性能および追尾精度を向上させること
ができる。
【0150】実施の形態5.なお、上記実施の形態3で
は、観測値組合せ生成器29の出力側に、接近速度算出
器23および観測値組合せ判定器30を接続したが、接
近速度推定器および観測値組合せ選定器を追加挿入して
もよい。
【0151】図5は上記実施の形態3の観測値組合せ判
定器30に代えて接近速度推定器および観測値組合せ選
定器を追加挿入したこの発明の実施の形態5を示すブロ
ック図であり、7、17〜24、29および38は前述
(図2、図3参照)と同様のものである。
【0152】図5において、接近速度推定器38は、観
測値組合せ生成器29に接続され、接近速度算出器23
に並列に配設されており、観測値組合せ情報から求まる
ドップラ情報に基づいて、目標1に対する細部推定接近
速度を算出する。
【0153】40は観測値組合せ選定器であり、接近速
度算出器23および接近速度推定器38に接続され、観
測値組合せ情報の選定および速度算出を行う。観測値組
合せ選定器40は、細部推定接近速度Vs(k,m,
n)と接近速度DMr(k)との比較に基づいて、観測
値組合せ情報の中から対応する観測値組合せ情報を選定
する。
【0154】観測距離補正器24は、接近速度DMr
(k)と観測値組合せ選定器40の選定結果とに基づい
て、観測距離を補正して補正観測距離を算出し、追尾フ
ィルタ7は、観測角度および補正観測距離に基づいて目
標1の追尾計算を実行する。
【0155】次に、図5のように構成されたこの発明の
実施の形態5によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に、第1の信号検出器19は、
目標1の距離Ro1(k)、仰角Eo1(k)、アジマ
ス角Azo1(k)、および、接近速度に対応したドッ
プラによる周波数シフトfd1(k)を観測し、これら
を観測値組合せ生成器29に入力する。
【0156】また、第2の信号検出器22は、目標1の
距離Ro2(k)、仰角Eo2(k)、アジマス角Az
o1(k)および周波数シフトfd2(k)を観測し、
これらを観測値組合せ生成器29に入力する。
【0157】観測値組合せ生成器29は、観測値組合せ
情報を接近速度算出器23および接近速度推定器38に
入力する。接近速度算出器23は、2つの観測値の組み
合わされた距離を用いて、目標1の接近速度DMr
(k)を(8)式にしたがって算出する。
【0158】また、接近速度推定器38は、2つの観測
値の組み合わされた周波数シフト量を用いて、細部推定
接近速度Vs(k,m,n)の整数m、nを、(12)
式にしたがって算出する。
【0159】観測値組合せ選定器40は、各周波数帯域
による観測値の組合せを、接近速度DMr(k)と細部
推定接近速度Vs(k,m,n)との対応を用いて、
(12)式の整数m、nを選定することにより選定し、
また、細部接近速度Vs(k)を算出して、観測距離補
正器24に入力する。
【0160】以下、観測距離補正器24は、目標1の細
部接近速度Vs(k)と各送信周波数帯域での目標1の
距離、仰角およびアジマス角の観測値を用いて、補正さ
れた観測値を(9)式にしたがって算出する。また、追
尾フィルタ7は、補正された観測値を用いて、(3)式
にしたがって追尾フィルタ計算を実行する。
【0161】このように、各受信信号から検出された目
標1の観測距離に基づいて接近速度DMr(k)を算出
し、また、受信信号から検出されたドップラ情報に基づ
いて細部推定接近速度Vs(k、m,n)を推定演算
し、接近速度DMr(k)および細部推定接近速度Vs
(k、m,n)から細部接近速度Vs(k)を算出し、
複数目標検出時における観測値組合せ選定器40の選定
結果を用いて距離の偏移を補正する。
【0162】これにより、追尾処理前に、正確な目標速
度に基づき観測距離の正確な補正を実行し、複数の観測
値の中から所要の観測値を選択することができ、目標1
の探知追尾性能および追尾精度を向上させることができ
る。
【0163】実施の形態6.なお、上記実施の形態1で
は、目標1の接近速度の初期値について考慮しなかった
が、接近速度の初期値として速度初期値を設定するため
の速度初期値設定器を追尾フィルタ7に設けてもよい。
【0164】図6は上記実施の形態1の追尾フィルタ7
に速度初期値設定器を設けたこの発明の実施の形態6を
示すブロック図であり、7および17〜24は前述(図
1参照)と同様のものである。
【0165】図6において、追尾フィルタ7は速度初期
値設定器を含み、速度初期値設定器は、接近速度DMr
(k)に基づいて、追尾フィルタ計算における目標1の
接近速度の初期値(速度初期値)を設定する。
【0166】次に、図6のように構成されたこの発明の
実施の形態6によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に、各信号検出器19、22
は、目標1の距離Ro1(k)、Ro2(k)、仰角E
o1(k)、Eo2(k)、アジマス角Azo1
(k)、Azo2(k)を観測して接近速度算出器23
に入力する。
【0167】接近速度算出器23は、各観測距離Ro1
(k)、Ro2(k)から、(8)式にしたがって目標
1の接近速度DMr(k)を算出し、観測距離補正器2
4および追尾フィルタ7に入力する。
【0168】観測距離補正器24は、目標1の接近速度
DMr(k)と各送信周波数帯域における目標1の距
離、仰角およびアジマス角の観測値とを用いて、補正さ
れた観測値を(9)式にしたがって算出する。
【0169】こうして補正された観測値および2つの観
測値より算出された接近速度DMr(k)は追尾フィル
タ7に入力され、追尾フィルタ7は、(3)式にしたが
って追尾フィルタ計算を実行する。
【0170】このとき、追尾フィルタ7内の速度初期値
設定器は、目標1の距離方向の接近速度の初期値とし
て、速度初期値を以下の(16)式にしたがって設定す
る。
【0171】
【数16】
【0172】(16)式において、dRk(+)は目標
1の速度初期値である。以下、追尾フィルタ7は、観測
値が入力される毎に上記処理を実行し、目標1の予測位
置および平滑速度を算出して追尾を継続する。
【0173】このように、目標1の接近速度を算出して
距離の偏移を補正するとともに、追尾フィルタ7内の速
度初期値設定器において目標1の速度初期値を設定する
ことにより、目標追尾諸元のうち速度諸元の初期値とし
て用いることができる。
【0174】したがって、目標速度の算出が不安定とな
り易い場合でも、追尾処理前に観測距離の補正を実行す
ることにより、追尾フィルタ7で算出される速度諸元を
安定化させることができ、目標1の追尾性能および追尾
精度を向上させることができる。
【0175】実施の形態7.同様に、上記実施の形態2
では、目標1の速度初期値について考慮しなかったが、
速度初期値を設定するための速度初期値設定器を追尾フ
ィルタ7に設けてもよい。
【0176】図7は上記実施の形態2の追尾フィルタ7
に速度初期値設定器を設けたこの発明の実施の形態7を
示すブロック図であり、7、17〜24、38および3
9は前述(図2参照)と同様のものである。
【0177】図7において、追尾フィルタ7は速度初期
値設定器を含み、追尾フィルタ7内の速度初期値設定器
は、細部接近速度Vs(k)に基づいて、追尾フィルタ
計算における目標1の接近速度の初期値(速度初期値)
を設定する。
【0178】次に、図7のように構成されたこの発明の
実施の形態7によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に、各信号検出器19、22
は、目標1の距離Ro1(k)、Ro2(k)、仰角E
o1(k)、Eo2(k)、アジマス角Azo1
(k)、Azo2(k)を観測して接近速度算出器23
に入力する。
【0179】また、各信号検出器19、22は、目標1
の移動速度に対応したドップラ効果による観測周波数シ
フト量fd1(k)、fd2(k)を加えて、接近速度
推定器38に入力する。
【0180】接近速度算出器23は、各観測距離Ro1
(k)、Ro2(k)から、(8)式にしたがって目標
1の接近速度DMr(k)を算出し、これを速度細部算
出器39、観測距離補正器24および追尾フィルタ7に
入力する。
【0181】また、接近速度推定器38は、(12)式
を満たす整数m、nを求めて細部推定接近速度Vs
(k,m,n)を算出し、これを速度細部算出器39に
入力する。
【0182】速度細部算出器39は、細部推定接近速度
Vs(k,m,n)と接近速度DMr(k)との比較に
より、(12)式の細部推定接近速度Vs(k,m,
n)を定める整数m、nを求め、細部接近速度Vs
(k)を求める。
【0183】観測距離補正器24は、目標1の細部接近
速度Vs(k)と、各送信周波数帯域における目標1の
距離、仰角およびアジマス角の観測値とを用いて、
(9)式にしたがって補正された観測値を算出する。
【0184】追尾フィルタ7は、補正された観測値およ
び2つの観測値より算出された接近速度を用いて、
(3)式にしたがって追尾フィルタ計算を実行する。こ
のとき、距離方向の接近速度の初期値を、速度初期値と
して(16)式にしたがって設定する。
【0185】この処理を観測値が入力される毎に行い、
目標1の予測位置と平滑速度を算出し、追尾を継続す
る。
【0186】このように、細部接近速度Vs(k)を算
出して距離の偏移の補正を実行するとともに、追尾フィ
ルタ7で算出する目標1の接近速度の初期値を設定する
ことにより、目標1の追尾諸元のうち速度諸元の初期値
として用いることができる。
【0187】したがって、目標速度の算出が不安定とな
り易い場合でも、追尾処理前に観測距離の補正を実行す
ることにより、追尾フィルタ7で算出される速度諸元を
安定化させて、追尾性能および追尾精度を向上させるこ
とができる。
【0188】実施の形態8.なお、上記実施の形態3で
は、接近速度算出器23と観測距離補正器24との間に
観測値組合せ判定器30を挿入したが、追尾フィルタ7
と関連する速度相関判定器を挿入してもよい。
【0189】図8は上記実施の形態3の観測値組合せ判
定器30に代えて速度相関判定器を設けたこの発明の実
施の形態8を示すブロック図であり、7、17〜24お
よび29は前述(図3参照)と同様のものである。
【0190】図8において、32はフィルタ7と関連す
る速度相関判定器であり、接近速度算出器23と観測距
離補正器24との間に挿入されている。速度相関判定器
32は、接近速度DMr(k)と追尾フィルタ7の速度
算出結果とに基づいて、観測値組合せ情報が追尾中の目
標1の情報であるか否かを判定する。
【0191】したがって、観測距離補正器24は、接近
速度DMr(k)と速度相関判定器32の判定結果とに
基づいて、観測距離を補正して補正観測距離を算出し、
これを追尾フィルタ7に入力する。
【0192】次に、図8のように構成されたこの発明の
実施の形態8によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に、各信号検出器19、22
は、目標1の距離Ro1(k)、Ro2(k)、仰角E
o1(k)、Eo2(k)、アジマス角Azo1
(k)、Azo2(k)を観測して観測値組合せ生成器
29に入力する。
【0193】観測値組合せ生成器29は、各送信周波数
帯域における観測値が複数発生した場合に、可能性のあ
る観測値の組合せを観測値組合せ情報として生成し、こ
れを接近速度算出器23に入力する。
【0194】接近速度算出器23は、2つの観測値の組
み合わされた距離から、目標1の接近速度DMr(k)
を(8)式にしたがって算出し、これを速度相関判定器
32に入力する。
【0195】速度相関判定器32は、各周波数帯域によ
る観測値の組合せを、前回サンプリング時刻に追尾フィ
ルタ7で算出された目標1の接近速度に基づいて比較
し、速度差の少ない観測値の組合せを、同一目標からの
観測値として採用し、これを観測距離補正器24に入力
する。
【0196】観測距離補正器24は、目標1の接近速度
DMr(k)と各送信周波数帯域における距離と仰角と
アジマス角の観測値とを用いて、(9)式にしたがって
補正された観測値を算出する。
【0197】以下、追尾フィルタ7は、補正された観測
値を用いて、(3)式にしたがう追尾フィルタ計算を観
測値の入力毎に実行し、目標1の予測位置および平滑速
度を算出して追尾を継続する。
【0198】このように、追尾中の目標1の接近速度に
基づいて複数目標検出時の最適な組合せ判定を実行する
とともに、追尾処理前に観測距離の偏移を補正すること
により、複数の観測値の中から追尾中の目標速度に見合
った観測値を選択することができ、追尾性能および追尾
精度を向上させることができる。
【0199】実施の形態9.なお、上記実施の形態5で
は、観測値組合せ選定器40に観測距離補正器24を直
接接続したが、観測値組合せ選定器40と観測距離補正
器24との間に追尾フィルタ7と関連する速度相関判定
器を挿入してもよい。
【0200】図9は上記実施の形態5に速度相関判定器
を追加挿入したこの発明の実施の形態9を示すブロック
図であり、7、17〜24、29、32、38および4
0は前述(図5、図8参照)と同様のものである。
【0201】図9において、フィルタ7と関連する速度
相関判定器32は、観測値組合せ選定器40と観測距離
補正器24との間に挿入されている。観測値組合せ選定
器40は、細部推定接近速度と接近速度DMr(k)と
の比較に基づいて、観測値組合せ情報の中から対応する
観測値組合せ情報を選定する。
【0202】速度相関判定器32は、接近速度DMr
(k)および細部推定接近速度に基づいて、観測値組合
せ情報が追尾中の対空目標の情報であるか否かを判定す
る。観測距離補正器24は、細部推定接近速度と速度相
関判定器の判定結果とに基づいて、観測距離を補正して
補正観測距離を算出する。
【0203】次に、図9のように構成されたこの発明の
実施の形態9によるレーダ装置の作動原理について説明
する。まず、前述と同様に、接近速度算出器23は、目
標1の接近速度DMr(k)を(8)式にしたがって算
出し、接近速度推定器38は、(12)式による細部推
定接近速度Vs(k,m,n)の整数m、nを求める。
【0204】観測値組合せ選定器40は、2つの周波数
帯域による観測値の組合せを、接近速度DMr(k)と
細部推定接近速度Vs(k,m,n)との対応により選
定し、(12)式の整数m、nを求めて細部接近速度V
s(k)を算出し、速度相関判定器32に入力する。
【0205】速度相関判定器32は、2つの周波数帯域
による観測値の組合せを、前回サンプリング時刻におい
て追尾フィルタ7で算出された目標1の接近速度に基づ
いて比較し、速度差の少ない観測値の組合せを、同一目
標からの観測値として採用し、これを観測距離補正器2
4に入力する。
【0206】観測距離補正器24は、目標1の細部接近
速度Vs(k)および2つの送信周波数帯域における目
標1の距離、仰角およびアジマス角の観測値から(9)
式にしたがって補正された観測値を算出する。
【0207】以下、前述と同様に、追尾フィルタ7は、
補正された観測値を用いて、(3)式にしたがう追尾フ
ィルタ計算を観測値が入力される毎に実行し、目標1の
予測位置および平滑速度を算出して追尾を継続する。
【0208】このように、追尾中の目標1の接近速度に
基づいて複数目標検出時の最適な組合せ判定を実行する
とともに、追尾処理前に観測距離の偏移を補正すること
により、複数の目標1が検出された場合でも、複数の観
測値の中から追尾中の目標速度に見合った観測値を選択
して、追尾性能および追尾精度を向上させることができ
る。
【0209】実施の形態10.なお、上記実施の形態1
では、目標1の旋回判定について考慮しなかったが、接
近速度算出器23と追尾フィルタ7との間に、追尾フィ
ルタ7と関連する旋回判定器およびフィルタゲイン選択
器を追加挿入してもよい。
【0210】図10は上記実施の形態1に旋回判定器お
よびフィルタゲイン選択器を追加挿入したこの発明の実
施の形態10を示すブロック図であり、7および17〜
24は前述(図1参照)と同様のものである。
【0211】図10において、33は追尾フィルタ7に
関連する旋回判定器であり、接近速度算出器23に接続
されている。34はフィルタゲイン選択器であり、旋回
判定器33と追尾フィルタ7との間に挿入されている。
【0212】旋回判定器33は、接近速度DMr(k)
の変化に基づいて、追尾中の目標1が旋回したか否かを
判定する。フィルタゲイン選択器34は、目標1が旋回
中と判定された場合に、追尾フィルタ7のゲインを設定
変更する。
【0213】したがって、追尾フィルタ7は、観測角度
および補正観測距離と、フィルタゲイン選択器34によ
り設定されたゲインとに基づいて、目標1の追尾計算を
実行する。
【0214】次に、図10のように構成されたこの発明
の実施の形態10によるレーダ装置の作動原理について
説明する。まず、前述と同様に、接近速度算出器23
は、目標1の接近速度DMr(k)を(8)式にしたが
って算出する。
【0215】旋回判定器33は、接近速度算出器23に
より算出された接近速度DMr(k)と、前回サンプリ
ング時刻において追尾フィルタ7で算出された接近速度
とを比較して、その差に基づいて目標1が旋回している
か否か判定し、判定結果をフィルタゲイン選択器34に
入力する。
【0216】フィルタゲイン選択器34は、目標1が旋
回中であるか、または直進中であるかの状況に合わせ
て、追尾フィルタ7の駆動雑音パラメータの設定値(フ
ィルタゲイン)を適宜変更する。
【0217】観測距離補正器24は、目標1の接近速度
DMr(k)と、2つの送信周波数帯域における距離お
よび角度の観測値とを用いて、(9)式にしたがって補
正された観測値を算出する。
【0218】以下、追尾フィルタ7は、補正された観測
値と2つの観測値より算出された接近速度DMr(k)
とを用いて、速度初期値を設定した後、(3)にしたが
って追尾フィルタ計算を実行する。
【0219】なお、目標1が旋回中の場合においては、
駆動雑音の設定変更により、追尾フィルタ7のフィルタ
ゲインが増加するので、自動的に追従性が向上する。
【0220】このように、追尾フィルタ7により算出さ
れた目標速度と観測された接近速度とに基づいて旋回判
定を行い、追尾フィルタ7の平滑係数であるカルマンゲ
イン行列の設定を増減させて追従性を確保するととも
に、追尾処理前に観測距離の偏移を補正する。
【0221】したがって、目標1が旋回運動を行う場合
でも、目標1の旋回運動の判定結果より追尾フィルタゲ
インを選択して、正確な目標速度を適用することがで
き、目標1の追尾性能および追尾精度を向上させること
ができる。
【0222】実施の形態11.なお、上記実施の形態3
では、接近速度算出器23と観測距離補正器24との間
に観測値組合せ判定器30を挿入したが、観測値組合せ
判定器30を除去するとともに、追尾フィルタ7に代え
て多目標追尾フィルタを設けてもよい。
【0223】図11は上記実施の形態3の観測値組合せ
判定器30に代えて多目標追尾フィルタを設けたこの発
明の実施の形態11を示すブロック図であり、17〜2
4および29は前述(図3参照)と同様のものである。
【0224】図11において、35はゲート相関追尾フ
ィルタからなる多目標追尾フィルタであり、観測距離補
正器24に接続されている。多目標追尾フィルタ35
は、複数の目標1に対応した観測角度および補正観測距
離に基づいて、航跡相関処理および追尾計算を実行す
る。
【0225】次に、図11のように構成されたこの発明
の実施の形態11によるレーダ装置の作動原理について
説明する。まず、前述と同様に、観測値組合せ生成器2
9は、各送信周波数帯域における観測値が複数発生した
場合に、可能性のある観測値の組合せを観測値組合せ情
報として生成し、これを接近速度算出器23に入力す
る。
【0226】接近速度算出器23は、2つの観測値の組
み合わされた距離から、目標1の接近速度DMr(k)
を(8)式にしたがって算出する。
【0227】また、観測距離補正器24は、目標1の接
近速度DMr(k)と、各送信周波数帯域における距
離、仰角およびアジマス角の観測値とを用いて、(9)
式にしたがって補正された観測値を算出し、これを多目
標追尾フィルタ35に入力する。
【0228】この場合、補正された観測値は組合せられ
た数だけ存在し、全ての補正観測値が多目標追尾フィル
タ35に入力される。以下、多目標追尾フィルタ35
は、補正された観測値の組合せを用いて、以下の(1
7)式にしたがって追尾フィルタ計算を行う。
【0229】
【数17】
【0230】(17)式において、前述の(3)式と同
様に、Zkは入力諸元である観測値であり、距離Ro
(k)と仰角Eo(k)とアジマス角Az(k)の成分
を含む3行1列のベクトルである。
【0231】また、Skは相関ゲートの範囲を示す3行
3列の行列、Pdは探知確率の設定値、βk,iは相関
処理により算出される観測値の信頼度、mkは入力され
る観測値の数、DMr(k),iは観測値の組合せ毎の
接近速度成分、DMrpは接近速度の予測値、σDMr
は接近速度観測精度である。
【0232】また、g(A;B,C)は、正規分布によ
る確率密度関数を示し、予測値Bを中心とし、観測値の
存在範囲を標準偏差Cとして、観測値Aの確率密度を求
めることを意味している。
【0233】また、観測位置と予測位置との相関の項
は、距離、仰角およびアジマス角の3次元空間上におけ
る正規分布による確率密度関数を示し、接近速度の項
は、1次元の正規分布による確率密度関数を示してい
る。
【0234】したがって、多目標追尾フィルタ35は、
上記相関ゲートにより、複数入力される観測値を確率密
度に応じた重み付けを行い統合し、追尾フィルタ計算を
実行する。
【0235】また、(17)式において、Xk(+)は
平滑値のベクトル、Xk(−)は多目標追尾フィルタ3
5の出力諸元である予測値のベクトルであり、いずれ
も、距離、仰角および方位角と、それぞれの速度成分を
含む6行1列のベクトルでからなる。
【0236】また、Kkは平滑の係数となる6行3列の
カルマンゲイン行列、Hは観測値を変換する3行6列の
行列、Pk(+)は平滑誤差共分散を示す6行6列の行
列、Pk(−)は予測誤差共分散を示す6行6列の行
列、Φ(k)は予測時間の遷移を示す6行3列の行列で
ある。
【0237】また、Qkは目標運動の不安定さを示す駆
動雑音定数であり、あらかじめ設定する値である。Γ1
(k)は上記駆動雑音を変換する6行6列の行列であ
る。
【0238】また、Rkはレーダによるランダムな観測
雑音の大きさを示す6行6列の行列であり、あらかじめ
設定される定数からなる。さらに、Γ2(k)はこの観
測雑音を変換する行列である。
【0239】上記(17)式に基づいて、多目標追尾フ
ィルタ35は、複数入力される観測値の位置および接近
速度を、追尾予測位置および平滑速度に基づいて相関処
理し、追尾対象とする目標1と思われる観測値を算出す
る。すなわち、観測値の信頼度による重み付け統合によ
り、観測値の代表値を算出する。
【0240】また、この処理を観測値が入力される毎に
行い、目標1の予測位置および平滑速度を算出して追尾
を継続する。このように、目標1の接近速度を算出して
観測距離の偏移を補正するとともに、多目標追尾フィル
タ35を用いて、航跡と観測値との間で位置情報および
接近速度情報による相関処理を実行する。
【0241】これにより、複数の目標1が検出されるク
ラッタ環境においても、追尾処理前に観測距離を補正す
ることにより、複数の観測値の中から追尾中の目標予測
位置と速度に見合った観測値を選択することができ、目
標1の追尾継続性能および追尾精度を向上させることが
できる。
【0242】実施の形態12.なお、上記実施の形態1
0では、追尾フィルタ7に関連したフィルタゲイン選択
器34を設けたが、追尾フィルタ7およびフィルタゲイ
ン選択器34に代えて多重運動モデル追尾フィルタおよ
び運動モデル設定選択器を設けてもよい。
【0243】図12は上記実施の形態10の追尾フィル
タ7およびフィルタゲイン選択器34に代えて多重運動
モデル追尾フィルタおよび運動モデル設定選択器を設け
たこの発明の実施の形態12を示すブロック図であり、
17〜24および33は前述(図10参照)と同様のも
のである。
【0244】図12において、36は多重運動モデル追
尾フィルタであり、前述の追尾フィルタ7に代えて、観
測距離補正器24に接続されている。37は多重運動モ
デル追尾フィルタ36に関連した運動モデル設定選択器
であり、前述のフィルタゲイン選択器34に代えて、旋
回判定器33に接続されている。
【0245】運動モデル設定選択器37は、旋回判定器
33において目標1が旋回中と判定された場合に、多重
運動モデル追尾フィルタ36の多重運動モデルを設定変
更する。
【0246】多重運動モデル追尾フィルタ36は、観測
角度および補正観測距離と、運動モデル設定選択器37
により設定された多重運動モデルに基づいて、目標1の
追尾計算を多重運動モデルの予測法を用いて実行する。
【0247】次に、図12のように構成されたこの発明
の実施の形態12によるレーダ装置の作動原理について
説明する。まず、前述と同様に、接近速度算出器23
は、2つの観測された距離から目標1の接近速度DMr
(k)を(8)式にしたがって算出し、旋回判定器33
は、接近速度DMr(k)と前回サンプリング時刻にお
いて追尾フィルタで算出された接近速度との差に基づい
て目標1が旋回しているか否かを判定する。
【0248】旋回判定器33の判定結果は運動モデル設
定選択器37に入力され、運動モデル設定選択器37
は、目標旋回中または直進中の状況に合わせて、多重運
動モデル追尾フィルタ36の多重運動モデルパラメータ
の設定値を適宜変更する。
【0249】観測距離補正器24は、目標1の接近速度
DMr(k)および2つの送信周波数帯域における距
離、仰角およびアジマス角の観測値を用いて、(9)式
にしたがって補正された観測値を算出する。
【0250】補正された観測値および2つの観測値より
算出された接近速度は、多重運動モデル追尾フィルタ3
6に入力され、多重運動モデル追尾フィルタ36は、以
下の(18)式にしたがって多重運動モデル追尾フィル
タ計算を実行する。
【0251】
【数18】
【0252】(18)式において、Zkは入力諸元であ
る観測値であり、距離Ro(k)、仰角Eo(k)およ
びアジマス角Az(k)の成分を含む3行1列のベクト
ルである。
【0253】多重運動モデル追尾フィルタ36は、「目
標1が直進している」または「1G旋回している」など
の運動モデルを複数仮定し、予測位置の算出に加味する
ことにより予測精度を向上させている。
【0254】また、(18)式において、Skは運動モ
デル相関ゲートの範囲を示す3行3列の行列であり、U
k,nそれぞれの運動モデルにおける定数加速度ベクト
ル、Γ(k)は運動モデルの定数加速度ベクトルの変換
行列である。
【0255】また、DMr,n(k)は運動モデル毎の
予測接近速度、DMr(k)は接近速度観測値、σDM
rは接近速度の観測精度、Βkpは運動モデルの相関処
理により算出される運動モデルの信頼度、nは運動モデ
ル数である。
【0256】また、g(A;B,C)は、正規分布によ
る確率密度関数を示し、各運動モデル毎の予測値Bを中
心とし、予測値の存在範囲を標準偏差Cとして、観測値
Aの確率密度を求めることを意味しており、結果とし
て、運動モデルの信頼度を得ている。
【0257】多重運動モデル追尾フィルタ36は、上記
相関ゲートにより、複数の運動モデルにより算出される
予測値に対し、確率密度に応じた重み付けを行い統合
し、追尾フィルタ計算を実行する。
【0258】また、(18)式において、Xk(+)は
平滑値のベクトル、Xk(−)は追尾フィルタの出力諸
元である予測値のベクトルであり、いずれも、距離、仰
角および方位角と、それぞれの速度成分を含む6行1列
のベクトルからなる。
【0259】また、Kkは平滑の係数となる6行3列の
カルマンゲイン行列、Hは観測値を変換する3行6列の
行列、Pk(+)は平滑誤差共分散を示す6行6列の行
列、Pk(−)は予測誤差共分散を示す6行6列の行
列、Φ(k)は予測時間の遷移を示す6行3列の行列で
ある。
【0260】Qkは目標運動の不安定さを示す駆動雑音
定数であり、あらかじめ設定される値である。また、Γ
1(k)は上記駆動雑音を変換する6行6列の行列であ
る。
【0261】さらに、Rkはレーダによるランダムな観
測雑音の大きさを示す6行6列の行列であり、あらかじ
め設定される定数である。また、Γ2(k)は上記観測
雑音を変換する行列である。
【0262】なお、目標1の旋回中においては、多重運
動モデル法による予測位置が目標運動に適応した設定と
なるので、自動的に予測精度が向上する。多重運動モデ
ル追尾フィルタ36は、上記処理を観測値が入力される
毎に実行し、目標1の予測位置および平滑速度を算出し
て追尾を継続する。
【0263】このように、目標1の接近速度を算出して
観測距離の偏移の補正を実行するとともに、多重運動モ
デルの予測法に基づく多重運動モデル追尾フィルタ36
を用いて、観測値と運動モデルとの間で位置情報および
接近速度情報による相関処理を実行する。
【0264】これにより、目標1が旋回運動を行う場合
でも、追尾処理前に観測距離の補正を実行し、目標1の
旋回運動の判定結果から目標運動に適した追尾フィルタ
予測法を選択することにより、予測位置が正確に算出す
ることができ、旋回中の目標1に対する追尾性能および
追尾精度を向上させることができる。
【0265】なお、上記各実施の形態1〜12では、2
つの送信周波数帯域を用いるレーダ装置について説明し
たが、2つ以上の複数の送信周波数帯域を使用するレー
ダ装置にも適用可能なことは言うまでもない。
【0266】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、航空機などの対空目標を探知追尾するためのレー
ダ装置において、対空目標に対してビームの送受信を行
うための第1および第2の周波数帯域を有する第1およ
び第2のアンテナと、第1および第2のアンテナに対し
て周波数変調をかけた送受信信号を入出力する第1およ
び第2の送受信器と、第1および第2の送受信器からの
受信信号に基づいて、対空目標に対する観測距離および
観測角度を観測値としてそれぞれ算出する第1および第
2の信号検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれ
ぞれ周波数変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測距
離を算出する観測距離補正器と、観測角度および補正観
測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実行する追尾フ
ィルタとを設け、観測距離補正を追尾フィルタへの入力
前に実行するようにしたので、送信周波数変調をかけた
場合に高速移動する対空目標に対して距離観測値の偏移
が大きく発生しても、正確な目標速度に基づく正確な観
測距離補正を実現することができ、目標探知追尾性能お
よび追尾精度を向上させたレーダ装置が得られる効果が
ある。
【0267】また、この発明の請求項2によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、対空目標に
対する接近速度を算出する接近速度算出器と、第1およ
び第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調の影響を受け
た各観測値から求まるドップラ情報に基づいて、対空目
標に対する細部推定接近速度を算出する接近速度推定器
と、細部推定接近速度および接近速度に基づいて対空目
標に対する細部接近速度を算出する速度細部算出器と、
細部接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測距
離を算出する観測距離補正器と、観測角度および補正観
測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実行する追尾フ
ィルタとを設け、正確な目標速度に基づく正確な観測距
離補正を追尾フィルタ処理前に実行するようにしたの
で、送信周波数変調をかけた場合に高速移動する対空目
標に対して距離観測値の偏移が大きく発生しても、目標
探知追尾性能および追尾精度を向上させたレーダ装置が
得られる効果がある。
【0268】また、この発明の請求項3によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、第
1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、接近速度に基づいて観測値組合せ情報を対空目標の
検出位置の関係から判定する観測値組合せ判定器と、接
近速度および観測値組合せ判定器の判定結果に基づいて
観測距離を補正して補正観測距離を算出する観測距離補
正器と、観測角度および補正観測距離に基づいて対空目
標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを設け、正確な
目標速度に基づく正確な観測距離補正を追尾フィルタ処
理前に実行するようにしたので、送信周波数変調をかけ
た場合に高速移動する対空目標に対して距離観測値の偏
移が大きく発生し且つ複数目標が検出されても、複数の
観測値の中から所要の観測値を選択して、目標探知追尾
性能および追尾精度を向上させたレーダ装置が得られる
効果がある。
【0269】また、この発明の請求項4によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、第
1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、接近速度に基づいて、観測値組合せ情報が追尾対象
とする対空目標の情報であるか否かを判定する観測値組
合せ判定器と、接近速度に基づいてクラッタなどの追尾
不要な固定目標からの観測値を判定して除去するクラッ
タ判定除去器と、接近速度およびクラッタ判定除去器の
判定結果に基づいて観測距離を補正して補正観測距離を
算出する観測距離補正器と、観測角度および補正観測距
離に基づいて対空目標の追尾計算を実行する追尾フィル
タとを設け、正確な目標速度に基づく正確な観測距離補
正を追尾フィルタ処理前に実行するようにしたので、送
信周波数変調をかけた場合に高速移動する対空目標に対
して距離観測値の偏移が大きく発生し且つクラッタを含
む複数目標が検出されても、複数の観測値の中から所要
の観測値を選択して、目標探知追尾性能および追尾精度
を向上させたレーダ装置が得られる効果がある。
【0270】また、この発明の請求項5によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、第
1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
と、観測値組合せ情報に含まれる距離情報に基づいて、
対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
と、観測値組合せ情報から求まるドップラ情報に基づい
て対空目標に対する細部推定接近速度を算出する接近速
度推定器と、細部推定接近速度と接近速度との比較に基
づいて観測値組合せ情報の中から対応する観測値組合せ
情報を選定する観測値組合せ選定器と、接近速度および
観測値組合せ選定器の選定結果に基づいて観測距離を補
正して補正観測距離を算出する観測距離補正器と、観測
角度および補正観測距離に基づいて対空目標の追尾計算
を実行する追尾フィルタとを設け、正確な目標速度に基
づく正確な観測距離補正を追尾フィルタ処理前に実行す
るようにしたので、送信周波数変調をかけた場合に高速
移動する対空目標に対して距離観測値の偏移が大きく発
生し且つクラッタを含む複数目標が検出されても、複数
の観測値の中から所要の観測値を選択して、目標探知追
尾性能および追尾精度を向上させたレーダ装置が得られ
る効果がある。
【0271】また、この発明の請求項6によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、対空目標に
対する接近速度を算出する接近速度算出器と、接近速度
に基づいて観測距離を補正して補正観測距離を算出する
観測距離補正器と、観測角度および補正観測距離に基づ
いて対空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備
え、追尾フィルタは、接近速度に基づいて追尾フィルタ
計算における対空目標の速度初期値を設定する速度初期
値設定器を含み、正確な目標速度に基づく正確な観測距
離補正を追尾フィルタ処理前に実行するようにしたの
で、送信周波数変調をかけた場合に高速移動する対空目
標に対して距離観測値の偏移が大きく発生し且つ目標速
度算出が不安定な状況になっても、追尾フィルタにより
算出される速度諸元を安定化させて、目標探知追尾性能
および追尾精度を向上させたレーダ装置が得られる効果
がある。
【0272】また、この発明の請求項7によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、対空目標に
対する接近速度を算出する接近速度算出器と、第1およ
び第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調の影響を受け
た各観測値から求まるドップラ情報に基づいて、対空目
標に対する細部推定接近速度を算出する接近速度推定器
と、細部推定接近速度および接近速度に基づいて対空目
標に対する細部接近速度を算出する速度細部算出器と、
細部接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測距
離を算出する観測距離補正器と、観測角度および補正観
測距離に基づいて対空目標の追尾計算を実行する追尾フ
ィルタとを備え、追尾フィルタは、細部接近速度に基づ
いて追尾フィルタ計算における対空目標の速度初期値を
設定する速度初期値設定器を含み、正確な目標速度に基
づく正確な観測距離補正を追尾フィルタ処理前に実行す
るようにしたので、送信周波数変調をかけた場合に高速
移動する対空目標に対して距離観測値の偏移が大きく発
生し且つ目標速度算出が不安定な状況になっても、追尾
フィルタにより算出される速度諸元を安定化させて、目
標探知追尾性能および追尾精度を向上させたレーダ装置
が得られる効果がある。
【0273】また、この発明の請求項8によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、第
1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて対
空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器と、
接近速度に基づいて、観測値組合せ情報が追尾中の対空
目標の情報であるか否かを判定する速度相関判定器と、
接近速度および速度相関判定器の判定結果に基づいて観
測距離を補正して補正観測距離を算出する観測距離補正
器と、観測角度および補正観測距離に基づいて対空目標
の追尾計算を実行する追尾フィルタとを設け、正確な目
標速度に基づく正確な観測距離補正を追尾フィルタ処理
前に実行するようにしたので、送信周波数変調をかけた
場合に高速移動する対空目標に対して距離観測値の偏移
が大きく発生し且つ複数目標が検出されても、複数の観
測値の中から追尾中の目標速度に見合った観測値を選択
して、目標探知追尾性能および追尾精度を向上させたレ
ーダ装置が得られる効果がある。
【0274】また、この発明の請求項9によれば、航空
機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置にお
いて、対空目標に対してビームの送受信を行うための第
1および第2の周波数帯域を有する第1および第2のア
ンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数変
調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の送
受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号に
基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度を
観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検
出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数
変調の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、第
1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて対
空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器と、
観測値組合せ情報から求まるドップラ情報に基づいて対
空目標に対する細部推定接近速度を算出する接近速度推
定器と、細部推定接近速度と接近速度との比較に基づい
て観測値組合せ情報の中から対応する観測値組合せ情報
を選定する観測値組合せ選定器と、細部推定接近速度に
基づいて、観測値組合せ情報が追尾中の対空目標の情報
であるか否かを判定する速度相関判定器と、細部推定接
近速度および速度相関判定器の判定結果に基づいて観測
距離を補正して補正観測距離を算出する観測距離補正器
と、観測角度および補正観測距離に基づいて対空目標の
追尾計算を実行する追尾フィルタとを設け、正確な目標
速度に基づく正確な観測距離補正を追尾フィルタ処理前
に実行するようにしたので、送信周波数変調をかけた場
合に高速移動する対空目標に対して距離観測値の偏移が
大きく発生し且つ複数目標が検出されても、複数の観測
値の中から追尾中の目標速度に見合った観測値を選択し
て、目標探知追尾性能および追尾精度を向上させたレー
ダ装置が得られる効果がある。
【0275】また、この発明の請求項10によれば、航
空機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置に
おいて、対空目標に対してビームの送受信を行うための
第1および第2の周波数帯域を有する第1および第2の
アンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数
変調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の
送受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号
に基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度
を観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号
検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波
数変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、対空目標
に対する接近速度を算出する接近速度算出器と、接近速
度に基づいて観測距離を補正して補正観測距離を算出す
る観測距離補正器と、接近速度の変化に基づいて、追尾
中の対空目標が旋回したか否かを判定する旋回判定器
と、対空目標が旋回中と判定された場合に、追尾フィル
タのゲインを設定変更するフィルタゲイン選択器と、観
測角度および補正観測距離とフィルタゲイン選択器によ
り設定されたゲインとに基づいて、対空目標の追尾計算
を実行する追尾フィルタとを設け、正確な目標速度に基
づく正確な観測距離補正を追尾フィルタ処理前に実行す
るようにしたので、送信周波数変調をかけた場合に高速
移動する対空目標に対して距離観測値の偏移が大きく発
生し且つ目標が旋回運動しても、旋回運動の判定結果か
ら追尾フィルタゲインを選択して正確な目標速度を適用
することができ、追従性を確保して目標探知追尾性能お
よび追尾精度を向上させたレーダ装置が得られる効果が
ある。
【0276】また、この発明の請求項11によれば、航
空機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置に
おいて、対空目標に対してビームの送受信を行うための
第1および第2の周波数帯域を有する第1および第2の
アンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数
変調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の
送受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号
に基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度
を観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号
検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波
数変調の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、
第1および第2の周波数帯域における観測値の組合せを
観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
と、観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて対
空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器と、
接近速度に基づいて観測距離を補正して補正観測距離を
算出する観測距離補正器と、複数の対空目標に対応した
観測角度および補正観測距離に基づいて航跡相関処理お
よび追尾計算を実行する多目標追尾フィルタとを設け、
正確な目標速度に基づく正確な観測距離補正を追尾フィ
ルタ処理前に実行するようにしたので、送信周波数変調
をかけた場合に高速移動する対空目標に対して距離観測
値の偏移が大きく発生し且つ複数目標が検出されても、
複数の観測値の中から追尾中の目標速度に見合った観測
値を選択して、目標探知追尾性能および追尾精度を向上
させたレーダ装置が得られる効果がある。
【0277】また、この発明の請求項12によれば、航
空機などの対空目標を探知追尾するためのレーダ装置に
おいて、対空目標に対してビームの送受信を行うための
第1および第2の周波数帯域を有する第1および第2の
アンテナと、第1および第2のアンテナに対して周波数
変調をかけた送受信信号を入出力する第1および第2の
送受信器と、第1および第2の送受信器からの受信信号
に基づいて、対空目標に対する観測距離および観測角度
を観測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号
検出器と、第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波
数変調の影響を受けた各観測距離に基づいて、対空目標
に対する接近速度を算出する接近速度算出器と、接近速
度に基づいて観測距離を補正して補正観測距離を算出す
る観測距離補正器と、接近速度の変化に基づいて、追尾
中の対空目標が旋回したか否かを判定する旋回判定器
と、対空目標が旋回中と判定された場合に、多重運動モ
デル追尾フィルタの多重運動モデルを設定変更する運動
モデル設定選択器と、観測角度および補正観測距離と運
動モデル設定選択器により設定された多重運動モデルと
に基づいて、対空目標の追尾計算を多重運動モデルの予
測法を用いて実行する多重運動モデル追尾フィルタとを
設け、正確な目標速度に基づく正確な観測距離補正を追
尾フィルタ処理前に実行するようにしたので、送信周波
数変調をかけた場合に高速移動する対空目標に対して距
離観測値の偏移が大きく発生し且つ目標が旋回運動して
も、旋回運動の判定結果から目標運動に適した追尾フィ
ルタ予測法を選択することができ、予測位置を正確に算
出して目標探知追尾性能および追尾精度を向上させたレ
ーダ装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック図で
ある。
【図2】 この発明の実施の形態2を示すブロック図で
ある。
【図3】 この発明の実施の形態3を示すブロック図で
ある。
【図4】 この発明の実施の形態4を示すブロック図で
ある。
【図5】 この発明の実施の形態5を示すブロック図で
ある。
【図6】 この発明の実施の形態6を示すブロック図で
ある。
【図7】 この発明の実施の形態7を示すブロック図で
ある。
【図8】 この発明の実施の形態8を示すブロック図で
ある。
【図9】 この発明の実施の形態9を示すブロック図で
ある。
【図10】 この発明の実施の形態10を示すブロック
図である。
【図11】 この発明の実施の形態11を示すブロック
図である。
【図12】 この発明の実施の形態12を示すブロック
図である。
【図13】 ビーム照射技術を用いた一般的なレーダ装
置の運用状態を示す説明図である。
【図14】 従来のレーダ装置を概略的に示すブロック
図である。
【図15】 周波数変調のかかったビーム送信波形の一
例を示す説明図である。
【図16】 単一の周波数帯域における目標距離の観測
状況を示す説明図である。
【図17】 2つの周波数帯域における目標距離の観測
状況を示す説明図である。
【符号の説明】
1 目標(対空目標)、2 レーダ、3 ビーム、7
追尾フィルタ、13真の目標位置、17 第1のアンテ
ナ、18 第1の送受信器、19 第1の信号検出器、
20 第2のアンテナ、21 第2の送受信器、22
第2の信号検出器、23 接近速度算出器、24 観測
距離補正器、25 第1の周波数帯域における距離偏
移、27 第2の周波数帯域における距離偏移、29
観測値組合せ生成器、30 観測値組合せ判定器、31
クラッタ判定除去器、32 速度相関判定器、33
旋回判定器、34 フィルタゲイン選択器、35 多目
標追尾フィルタ、36 多重運動モデル追尾フィルタ、
37 運動モデル設定選択器、38 接近速度推定器、
39 速度細部算出器、40 観測値組合せ選定器、f
0 変調波の送信中心周波数、f1 送信開始周波数、
f2 送信終了周波数、Ro1(k) 第1の周波数帯
域における観測距離、Ro2(k) 第2の周波数帯域
における観測距離、Tp ビーム送信時間(送信パルス
幅)、Tq反射波の受信時間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−23702(JP,A) 特開2000−2760(JP,A) 特開 平9−236400(JP,A) 特開 平8−75847(JP,A) 特開 平7−20239(JP,A) 特開 平5−52945(JP,A) 特開 平10−160831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測距離に基づいて、前記対空目標に
    対する接近速度を算出する接近速度算出器と、 前記接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補正観
    測距離を算出する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測距離に基づいて、前記対空目標に
    対する接近速度を算出する接近速度算出器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値から求まるドップラ情報に基づ
    いて、前記対空目標に対する細部推定接近速度を算出す
    る接近速度推定器と、 前記細部推定接近速度および前記接近速度に基づいて前
    記対空目標に対する細部接近速度を算出する速度細部算
    出器と、 前記細部接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補
    正観測距離を算出する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  3. 【請求項3】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、前記第
    1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
    観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
    と、 前記観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて前
    記対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
    と、 前記接近速度に基づいて前記観測値組合せ情報を前記対
    空目標の検出位置の関係から判定する観測値組合せ判定
    器と、 前記接近速度および前記観測値組合せ判定器の判定結果
    に基づいて前記観測距離を補正して補正観測距離を算出
    する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  4. 【請求項4】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、前記第
    1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
    観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
    と、 前記観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて前
    記対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
    と、 前記接近速度に基づいて、前記観測値組合せ情報が追尾
    対象とする前記対空目標の情報であるか否かを判定する
    観測値組合せ判定器と、 前記接近速度に基づいてクラッタなどの追尾不要な固定
    目標からの観測値を判定して除去するクラッタ判定除去
    器と、 前記接近速度および前記クラッタ判定除去器の判定結果
    に基づいて前記観測距離を補正して補正観測距離を算出
    する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  5. 【請求項5】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、前記第
    1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
    観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
    と、 前記観測値組合せ情報に含まれる距離情報に基づいて前
    記対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
    と、 前記観測値組合せ情報から求まるドップラ情報に基づい
    て前記対空目標に対する細部推定接近速度を算出する接
    近速度推定器と、 前記細部推定接近速度と前記接近速度との比較に基づい
    て、前記観測値組合せ情報の中から対応する観測値組合
    せ情報を選定する観測値組合せ選定器と、 前記接近速度および前記観測値組合せ選定器の選定結果
    に基づいて、前記観測距離を補正して補正観測距離を算
    出する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  6. 【請求項6】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測距離に基づいて、前記対空目標に
    対する接近速度を算出する接近速度算出器と、 前記接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補正観
    測距離を算出する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備え、 前記追尾フィルタは、前記接近速度に基づいて、追尾フ
    ィルタ計算における前記対空目標の速度初期値を設定す
    る速度初期値設定器を含むことを特徴とするレーダ装
    置。
  7. 【請求項7】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測距離に基づいて、前記対空目標に
    対する接近速度を算出する接近速度算出器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値から求まるドップラ情報に基づ
    いて、前記対空目標に対する細部推定接近速度を算出す
    る接近速度推定器と、 前記細部推定接近速度および前記接近速度に基づいて前
    記対空目標に対する細部接近速度を算出する速度細部算
    出器と、 前記細部接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補
    正観測距離を算出する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備え、 前記追尾フィルタは、前記細部接近速度に基づいて追尾
    フィルタ計算における前記対空目標の速度初期値を設定
    する速度初期値設定器を含むことを特徴とするレーダ装
    置。
  8. 【請求項8】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、前記第
    1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
    観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
    と、 前記観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて前
    記対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
    と、 前記接近速度に基づいて、前記観測値組合せ情報が追尾
    中の前記対空目標の情報であるか否かを判定する速度相
    関判定器と、 前記接近速度および前記速度相関判定器の判定結果に基
    づいて前記観測距離を補正して補正観測距離を算出する
    観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  9. 【請求項9】 航空機などの対空目標を探知追尾するた
    めのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、前記第
    1および第2の周波数帯域における各観測値の組合せを
    観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
    と、 前記観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて前
    記対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
    と、 前記観測値組合せ情報から求まるドップラ情報に基づい
    て前記対空目標に対する細部推定接近速度を算出する接
    近速度推定器と、 前記細部推定接近速度と前記接近速度との比較に基づい
    て、前記観測値組合せ情報の中から対応する観測値組合
    せ情報を選定する観測値組合せ選定器と、 前記細部推定接近速度に基づいて、前記観測値組合せ情
    報が追尾中の前記対空目標の情報であるか否かを判定す
    る速度相関判定器と、 前記細部推定接近速度および前記速度相関判定器の判定
    結果に基づいて前記観測距離を補正して補正観測距離を
    算出する観測距離補正器と、 前記観測角度および前記補正観測距離に基づいて前記対
    空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えたこ
    とを特徴とするレーダ装置。
  10. 【請求項10】 航空機などの対空目標を探知追尾する
    ためのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測距離に基づいて、前記対空目標に
    対する接近速度を算出する接近速度算出器と、 前記接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補正観
    測距離を算出する観測距離補正器と、 前記接近速度の変化に基づいて、追尾中の前記対空目標
    が旋回したか否かを判定する旋回判定器と、 前記対空目標が旋回中と判定された場合に、後記追尾フ
    ィルタのゲインを設定変更するフィルタゲイン選択器
    と、 前記観測角度および前記補正観測距離と前記フィルタゲ
    イン選択器により設定されたゲインとに基づいて、前記
    対空目標の追尾計算を実行する追尾フィルタとを備えた
    ことを特徴とするレーダ装置。
  11. 【請求項11】 航空機などの対空目標を探知追尾する
    ためのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測値が複数発生した場合に、前記第
    1および第2の周波数帯域における前記観測値の組合せ
    を観測値組合せ情報として生成する観測値組合せ生成器
    と、 前記観測値組合せ情報に含まれる観測距離に基づいて前
    記対空目標に対する接近速度を算出する接近速度算出器
    と、 前記接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補正観
    測距離を算出する観測距離補正器と、 複数の対空目標に対応した前記観測角度および前記補正
    観測距離に基づいて航跡相関処理および追尾計算を実行
    する多目標追尾フィルタとを備えたことを特徴とするレ
    ーダ装置。
  12. 【請求項12】 航空機などの対空目標を探知追尾する
    ためのレーダ装置において、 前記対空目標に対してビームの送受信を行うための第1
    および第2の周波数帯域を有する第1および第2のアン
    テナと、 前記第1および第2のアンテナに対して周波数変調をか
    けた送受信信号を入出力する第1および第2の送受信器
    と、 前記第1および第2の送受信器からの受信信号に基づい
    て、前記対空目標に対する観測距離および観測角度を観
    測値としてそれぞれ算出する第1および第2の信号検出
    器と、 前記第1および第2の周波数帯域でそれぞれ周波数変調
    の影響を受けた各観測距離に基づいて、前記対空目標に
    対する接近速度を算出する接近速度算出器と、 前記接近速度に基づいて前記観測距離を補正して補正観
    測距離を算出する観測距離補正器と、 前記接近速度の変化に基づいて、追尾中の前記対空目標
    が旋回したか否かを判定する旋回判定器と、 前記対空目標が旋回中と判定された場合に、後記多重運
    動モデル追尾フィルタの多重運動モデルを設定変更する
    運動モデル設定選択器と、 前記観測角度および前記補正観測距離と前記運動モデル
    設定選択器により設定された多重運動モデルとに基づい
    て、前記対空目標の追尾計算を多重運動モデルの予測法
    を用いて実行する多重運動モデル追尾フィルタとを備え
    たことを特徴とするレーダ装置。
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