JP2003207400A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JP2003207400A
JP2003207400A JP2002007145A JP2002007145A JP2003207400A JP 2003207400 A JP2003207400 A JP 2003207400A JP 2002007145 A JP2002007145 A JP 2002007145A JP 2002007145 A JP2002007145 A JP 2002007145A JP 2003207400 A JP2003207400 A JP 2003207400A
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coil
coils
inductance
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Yoshikazu Ichiyama
義和 市山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】トルクセンサに適したシンプルなインダクタン
ス差の検出回路を提案して低コストで且つ信頼性の期待
できるトルクセンサを実現提供する。 【解決手段】本発明によるトルクセンサは,トルクに応
じて少なくとも一方のコイルのインダクタンスを変える
一対のコイルと,前記二つのコイルをそれぞれコレクタ
端子に負荷として有し且つそれぞれのコレクタ端子を互
いのベース端子に直接クロス結合された二つのトランジ
スタのエミッタ間をコンデンサで結合して構成されたエ
ミッタ結合型発振回路,或いはコイルとダイオードとが
直列に接続され互いにダイオードの向きを逆にした二組
の回路を並列に入出力端間に有し,コンデンサを入力端
に接続したヒステリシス特性のある反転増幅器で構成す
る発振回路等によりインダクタンス変化をデューティ比
の異なるパルス出力としてトルク検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,トルクセンサに拘わ
り,特にコイルのインダクタンス変化からトルクを検出
するトルクセンサに拘わる。
【0002】
【従来の技術】回転軸に加えられたトルクをコイルのイ
ンダクタンス変化から検出するトルクセンサには図1,
図2にその検出部の構造例を示すように種々の方式が存
在する。図1は回転軸の一端に接続されて周方向に凹凸
を有する磁性体,回転軸の他端に接続されて窓を有する
導体円筒,コイル等で構成され,加えられたトルクによ
り回転軸に捻れを生じると窓と磁性体の凹凸部の位置が
ずれてコイルのインダクタンスを変化させる。図2は,
回転軸外周に斜交して取り付けられた磁気異方性部材
と、この磁気異方性部材を取り巻くコイルとによって構
成され,回転軸に加えられるトルクに応じて生じる微小
な捩れを磁気異方性部材の透磁率の変化,コイルのイン
ダクタンス変化として検出することにより,回転軸に作
用するトルクの大きさを検知する。
【0003】これらの検出部の構成において,多くの場
合コイルは一対としてトルクに応じて一方のインダクタ
ンスは増加し,他方のインダクタンスは減少するよう配
置構成されるが,従来のインダクタンス変化検出回路は
複雑であり調整点も多い難点があった。例えば,図11
に示されるように従来の検出回路は抵抗と共にブリッジ
を構成し,正弦波信号或いはパルス信号を加えてその応
答からインダクタンスの変化を検出するもので発振回
路,検波,差分回路等回路量が多く,コストを増大させ
ると共に調整点の存在が精度を損ないかねない懸念があ
った。
【0004】検出回路をシンプルにする手段として抵
抗,検出コイルとで構成する無安定マルチバイブレータ
が知られ検討された(特開平05−066164,特公
平06−041889等)。それらのインダクタンス変
化検出に挙げられた回路例を図10に示すが,トランジ
スタのベース端子に接続された抵抗がベース電流を制限
すると共に時定数を決していて独立に決められないので
設定は微妙で発振の安定性に懸念があり,さらにトラン
ジスタ内のベース抵抗も時定数に影響を与えるのでそれ
らの抵抗,トランジスタのばらつきのために温度による
ゼロ点変動が大で使用に耐えなかった。
【0005】上記の他にも検出用コイルを含む発振回路
を用いて回路量を減少させる提案はあったが(特開20
00−234967,特開2000−146722,特
開2000−283863等),アナログ回路の量はか
なり多く,製造段階での回路確認,調整要素も残る等満
足できるレベルにはなっていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は,トルクセンサに適するシンプルな検出回路を提案し
て低コストで且つ信頼性の期待できるトルクセンサを実
現提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によるトルクセン
サは,トルクに応じて少なくとも一方のコイルのインダ
クタンスが変化する一対のコイルとコンデンサとを有
し,前記二つのコイルを通じて行う前記コンデンサの充
電及び放電に要する時間比に比例したデューティ比を持
つパルス列を出力する発振回路と,前記パルス列のデュ
ーティ比識別手段とより構成され,トルクの大きさを前
記パルス列のデューティ比から検知することを特徴とす
る。
【0008】前記発振回路の具体的な例として,発振回
路は二つのコイルをそれぞれコレクタ端子に負荷として
有し且つそれぞれのコレクタ端子を互いのベース端子に
直接クロス結合された二つのトランジスタのエミッタ間
をコンデンサで結合して構成されたエミッタ結合型発振
回路を提案する。
【0009】更に他の具体的な発振回路例として,コイ
ルとダイオードとが直列に接続され互いにダイオードの
向きを逆にした二組の回路を並列に入出力端間に接続
し,コンデンサを入力端に接続したヒステリシス特性の
ある反転増幅器で構成する発振回路を提案している。
【0010】デューティ比識別手段の具体的な回路は,
抵抗とコンデンサとによる積分回路或いは低域通過フィ
ルター等でデューティ比の違いを電圧の差として得る回
路が最もシンプルである。ただ,最近の技術傾向として
測定値はディジタル化してマイクロコンピュータで処理
する場合が多く通常は前記積分回路の後にA/D変換器
を配置してディジタル化する。本発明によるトルクセン
サではデューティ比の変化するパルス列を直接マイクロ
コンピュータに入力させて内部のタイマー或いはカウン
ターによりパルス間隔及びパルスのデューティ比を直接
計数して検知する方法も提案している。
【0011】
【作用】本発明のトルクセンサの検出回路では一つのコ
ンデンサに2つのコイルそれぞれを介して充電,放電作
用を行わせる自励発振回路を基本とするので出力パルス
列内の高レベル,低レベルの時間幅はそれぞれコイルの
インダクタンスに比例する。コンデンサの容量が変動し
て出力パルスの周期は変動してもデューティ比への影響
は無く,パルス列内のデューティ比にコイル以外の影響
要素は少ないので検出回路は無調整で機能する。さらに
2つのコイルのインダクタンスの差分でトルク検出する
ので電源変動,温度変動等の同相的な変動分を補償でき
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明によるトルクセンサ
について,その実施例及び原理作用等を図面を参照しな
がら説明する。
【0013】図1,図2はトルクセンサの検出部の構造
例を示す。図1は回転軸3の一端に接続されて周方向に
凹凸(11b,11a)を有する磁性体11,回転軸3
の他端に接続されて窓12a,12bを有する導体円筒
12,コイル13,14等で構成され,回転軸3に加え
られたトルクにより捻れを生じると窓12a,12bと
磁性体11の凹凸部(11b,11a)の位置がずれて
コイル13,14のインダクタンスを変化させる。図2
(a)は,回転軸21外周に斜交して取り付けられた磁
気異方性部材22,23と、この磁気異方性部材22,
23を取り巻く検出コイル24,25と検出回路26と
によって構成され,回転軸21に加えられるトルクに応
じて生じる微小な捩れを磁気異方性部材22,23の透
磁率の変化,コイル24,25のインダクタンス変化と
して検出することにより,回転軸21に作用するトルク
の大きさを検知する。図2(b)は図2(a)から磁気
異方性部材23を除いた簡略な構造で回転軸21に加え
られたトルクによって一方のコイル24の側のインダク
タンスのみが変化し,検出回路26を差動構成とするこ
とにより磁気異方性部材の透磁率変化以外にコイルのイ
ンダクタンスに影響する渦電流効果その他の影響を排除
できる構造である。
【0014】これら図1,2の検出部の構造例におい
て,図2(b)の場合を除いて2つのコイル13,14
或いは24,25のインダクタンスは一方が増大すると
他方が減少するよう構成され,検出回路はそれらの変化
量を差動的に検出する。本発明は特に新規な検出回路を
提案して低コストで且つ高精度なトルクセンサを実現す
る。
【0015】本発明の実施例を具体的に説明する前に従
来提案された検出回路を概観する。図11は一般に用い
られている検出回路を簡略化して表してある。同図にお
いて,コイル24,25と抵抗111,112で構成さ
れたブリッジに高周波発振器113から高周波信号を加
え,抵抗111,112とコイル24,25とで分圧さ
れた電圧をそれぞれ整流・平滑回路114,115で直
流電圧に変え,差動増幅器116を通して出力を得る。
コイル24,25両端の電圧は差動増幅器116で差分
を取るまでにそれぞれ整流・平滑回路114,115を
通るのでこれらのゲインバランスを保持するために何ら
かの調整部は存在し,また高周波発振器113を別途有
し,その出力も厳密に制御されなければならない。実際
に適用される回路は想定される各種の不具合点の検出,
回避等をも考慮するため更に複雑な回路となっている。
【0016】検出回路をシンプルにするために提案され
たマルチバイブレータによる検出回路例を図10を用い
て説明する。同図において,番号101はコイル24,
25のインダクタンスの差をデューティ比の異なるパル
ス列として出力するマルチバイブレータ,番号102は
波形整形回路,番号103はデューティ比の異なるパル
ス列を電圧出力に変える積分回路をそれぞれ示す。コイ
ル24,25はそれぞれトランジスタ104,105の
負荷としてそれらのコレクタ端子に接続され,トランジ
スタ104,105のコレクタ端子は抵抗106を介し
てそれぞれトランジスタ105,104のベース端子に
接続される。コンデンサ107はトランジスタ104,
105のスイッチング速度を速めるために用いられる。
【0017】トランジスタ104,105のベース端子
に流入する電流は抵抗106によって制限され,発振の
時定数はコイル24,25のインダクタンスと抵抗10
6によりそれぞれ決まる。したがってマルチバイブレー
タ101出力の高レベル,低レベルの時間幅はそれぞれ
コイル24,25のインダクタンスと抵抗106とで決
まり,コイル24,25のインダクタンスの差は出力パ
ルスのデューティ比として検出できる。しかしトランジ
スタ104,105のベース電流量は抵抗106にも依
存するので抵抗106の選定は独立では無く設定は微妙
である。さらにトランジスタ104,105内のベース
抵抗は抵抗106と直列になるので時定数に影響する。
したがって抵抗106,トランジスタ104,105等
のばらつきが直接に出力パルスのデューティ比に影響
し,温度によってゼロ点変動を引き起こす等の欠点が目
立ち,シンプルな構成ではあるが現在では省みられてい
ない。
【0018】図3は本発明の第一の実施例であるトルク
センサの検出回路を示す。エミッタ結合型発振回路を用
い,出力パルス列のデューティ比はマイクロコンピュー
タで直接識別してトルクを検知する構成である。同図に
おいて,コイル24,25はトランジスタ32,33の
負荷としてコレクタ端子に接続され,トランジスタ3
2,33のコレクタ端子はそれぞれトランジスタ33,
32のベース端子にクロス結合され,コンデンサ31が
トランジスタ32,33のエミッタ端子間に接続され
る。抵抗34,35はトランジスタ32,33のオン時
の電流を決める。番号36は波形整形用のコンパレータ
であり,番号37はマイクロコンピュータを示す。
【0019】電源投入時の状態は不定であるが,トラン
ジスタ32がオンに転じたと考えると,電流はコイル2
4,トランジスタ32,抵抗34を流れ,さらにコンデ
ンサ31,抵抗35にも分流する。この時点で抵抗35
の電圧降下は大であるのでトランジスタ33のエミッタ
電位は十分に高くトランジスタ33はオフに,トランジ
スタ33のコレクタ及びトランジスタ32のベースは高
レベルに保たれトランジスタ32はオンに保たれるが,
コンデンサ31への電荷蓄積が大になるとコンデンサ3
1を通じて抵抗35に流れる電流は徐々に減り,トラン
ジスタ33のエミッタ電位は徐々に低下する。トランジ
スタ33のベースはトランジスタ32のコレクタに接続
されていてトランジスタ33のエミッタとの電位差が所
定レベルに達するとトランジスタ33はオンになり,そ
のコレクタ端子電圧は下がるのでトランジスタ32はオ
フとなる。コイル25を流れる電流はトランジスタ3
3,抵抗35を流れるが一部はコンデンサ31,抵抗3
4を流れ,コンデンサ31を逆方向から充電する。この
ようにしてコイル24,25を通じてコンデンサ31を
交互に逆方向から充電して自励発振を継続する。
【0020】トランジスタ32,33のコレクタ端子の
レベル差をコンパレータ36でパルス整形すると,その
高レベル,低レベルの持続時間はそれぞれコイル24,
25とコンデンサ31で決まる時定数に比例する。この
出力をマイクロコンピュータ37に入力して高レベルの
時間幅と周期との比からデューティ比を求めトルクを算
出する。
【0021】前記発振回路において,抵抗34,35は
トランジスタ32,33を流れる電流値を設定し,出力
パルス列の時間幅にはコイル24,25のインダクタン
ス及びコンデンサ31のみが関係し,その他の素子の影
響は少ない。検出回路に於けるコンデンサ31の容量は
比較的温度の影響を受け発振周期が変化を受ける可能性
有るが,パルスのデューティ比には影響しない。最近で
はディジタル処理をする例が多いので出力パルス列を直
接マイクロコンピュータ37に入力して時間識別をさせ
てディジタル化する事にしたが,この段階で電源電圧そ
の他の変動要因の影響は少ない。
【0022】また,トランジスタ32,33のコレクタ
端子からトランジスタ33,32のベース端子に直接ク
ロス結合をさせたが,トランジスタ32,33のコレク
タ端子にそれぞれエミッタフォロワー回路を設け,その
出力からトランジスタ33,32のベース端子にそれぞ
れ接続しても良く,発振動作の安定化に寄与できる。
【0023】図4は第一の実施例における出力パルス列
を示し,同図を参照して第一の実施例の説明を補足す
る。横軸41は時間を示し,図4(a),(b),
(c)はそれぞれ図3のコンパレータ36の出力パルス
列42,43,44を示す。出力パルス列42,43,
44の高レベル,低レベルの時間幅はコイル24,25
を介して行うコンデンサ31の充電時間に比例するので
高レベルの時間幅とパルスの周期との比からインダクタ
ンス差を求め,トルクを算出出来る。出力パルス列4
2,43ではパルス周期(T1+T2),(T3+T
4)は同じであるが,高レベルの時間幅がT1,T3の
ように異なる場合を示し,出力パルス列44の場合はパ
ルス周期(T5+T6),高レベルの時間幅T5は出力
パルス列42,43と異なるが,T5/(T5+T6)
がT1/(T1+T2)と同じでコイル24,25のイ
ンダクタンス比は出力パルス列42の場合と同じである
ことを示している。
【0024】図4(d)はマイクロコンピュータ37で
パルス周期(T5+T6),高レベルの時間幅T5等を
算出する方法を説明するための図である。マイクロコン
ピュータ37は出力パルス列44を入力し,内蔵のカウ
ンター或いはプログラムにより時間測定をする。十分に
小さい時間間隔のパルス列45で高レベルの時間幅T
5,低レベルの時間幅T6をカウントして測定する。
(T5−T6)/(T5+T6)からトルクを算出する
ことにしても良い。その具体的な方法にはマイクロコン
ピュータに内蔵するカウンターによる方法,パルス列4
5のパルス間隔時間に対応するプログラムステップを何
回繰り返すかをカウントする方法等がある。またマイク
ロコンピュータではなく,カウンター回路を用いてパル
ス数をカウントしても良い。理想的にはコイル24,2
5のインダクタンスは一方が増大すれば他方は減少する
のでトルクの算出は(T5−T6)で簡略には可能であ
る。
【0025】図5は本発明の第二の実施例であるトルク
センサの検出回路を示す。同図において,番号58は発
振回路を,番号59は積分回路を示す。発振回路58は
コイル24,25とそれぞれダイオード52,53とを
直列接続して反転増幅器54の入出力端に並列に接続
し,反転増幅器54の入力端にはコンデンサ51を接続
して構成する。コンデンサ51の他端は接地し,回路を
含めてシールドを容易としている。その場合,ダイオー
ド52,53は互いに逆向きに接続され,反転増幅器5
4はヒステリシス特性を有するとする。積分回路59は
抵抗55,コンデンサ56とで構成している。番号57
は出力を示す。
【0026】反転増幅器54は入力端が第一のレベルよ
り低下すると出力は高レベルとなり,第二のレベルより
高になると出力は低レベルとなるとする。いま入力端が
第一のレベルより低とすると出力は高レベルとなり,電
流がダイオード53,コイル25を介してコンデンサ5
1を充電し,コンデンサ51の電圧が上昇して第二のレ
ベルを超えると反転増幅器54の出力は低レベルに転
じ,コイル24,ダイオード52を介してコンデンサ5
1の電荷を放電する。コンデンサ51の電圧は徐々に低
下し,第一のレベルより下がると反転増幅器54の出力
は高レベルに転じ,これを繰り返す。
【0027】コンデンサ51の充電はコイル25とコン
デンサ51による時定数に,放電はコイル24とコンデ
ンサ51による時定数によるので出力パルス列の高レベ
ルの時間幅はコイル25のインダクタンスに,低レベル
の時間幅はコイル24のインダクタンスに比例する事に
なる。積分器59は抵抗55,コンデンサ56によって
出力パルス列を平滑化することでデューティ比の異なる
パルス列からデューティ比に比例した電圧出力57を得
る。
【0028】第二の実施例でも出力パルス列の高低の時
間幅はそれぞれコイル25,24とコンデンサ51で決
まり,他の要因の影響する余地は少ない。コンデンサ5
1の容量は温度変動の影響を受ける可能性有るが,高低
レベルの時間幅に等しく寄与するので発振周期に影響は
してもデューティ比への影響は無い。ただ,反転増幅器
54は一般に高低の出力レベルに対しての駆動方法は非
対称であるので温度変動の影響で高低のパルス幅に非対
称性が現れる可能性は残り,第一の実施例とは精度面で
使い分ける必要がある。また積分回路59で電圧出力と
するので積分回路59に入力するパルスの高低のレベル
は厳密に管理する必要がある。積分回路59に入力させ
る前にパルスの整形回路を配置すれば改善される。積分
回路59はシンプルな回路を用いたのでリップルが残る
懸念もあるが高域を十分に減衰させることが出来る低域
通過フィルターで置き換えれば出力電圧のリップルを圧
縮できる。
【0029】トルクセンサは自動車或いは工作機械等の
トルク伝達部分の制御用に開発が盛んであるが,その部
分の障害の及ぼす影響を考慮して不具合の検出,回避等
の対処は厳密に求められ,様々の工夫が為されている。
不具合の具体的事象はコイル断線,接続点の不具合,回
路の調整点のずれ等々である。しかしながらその不具合
点の検出,回避等に多大の回路素子を追加して回路全体
を複雑多岐とし,検出回路全体の信頼性を損ないかねな
い現実は皮肉である。本発明の第三の実施例はそのよう
な点を考慮し,本発明の検出回路がシンプルである利点
を最大限に利用して検出回路を二重化し,それら検出回
路の良否判断,取捨をマイクロコンピュータ内のプログ
ラムによって処理させる高信頼性のトルクセンサを第三
の実施例として提案する。
【0030】図6は本発明の第三の実施例を示し,図6
(a)は検出部の構成を,図6(b)は検出回路をそれ
ぞれ示す。図6(a)において,回転軸21とその外周
に固定された磁気異方性部材22,23の構成は図2
(a)の場合と同じであるが,検出コイルは各磁気異方
性部材22,23毎に二つのコイル61,62,63,
64を配置してある。図6(b)は検出回路を示し,コ
イル61,64で構成する発振回路65と,コイル6
2,63で構成する発振回路66のそれぞれの出力をマ
イクロコンピュータ67に入力させて構成する。発振回
路65,66は第一の実施例と同じであるので動作説明
は省略する。
【0031】それぞれの発振回路65,66の出力から
インダクタンス差の検出,トルク算出はマイクロコンピ
ュータ67内のプログラムによる。そのプログラム例は
図7にプログラムフローを示し,図4,図6,図7を参
照しながら説明する。
【0032】図7において発振回路65の出力をCH
1,発振回路66の出力をCH2として説明する。
[1.],[2.],[3.],[4.]のステップに
おいて,マイクロコンピュータ67内のカウンターを用
いて発振回路65の出力から高レベルの時間幅T5,低
レベルの時間幅T6,さらに発振回路66の出力から高
レベルの時間幅T5’,低レベルの時間幅T6’を得
る。[5.]で高レベルの時間幅T5,T5’の比較検
証を行い,|T5−T5’|が予め定めた所定の値以上
で有れば異常として[8.]で処理し,所定の値以下で
有れば正常として[6.]のステップを実行する。
[6.]は検出した低レベルの時間幅T6,T6’を比
較検証し,|T6−T6’|が予め定めた所定値より大
では異常として[8.]へ,所定値より小では正常とし
て[7.]のステップへ移る。[7.]では(T5−T
6+T5’−T6’)/(T5+T6+T5’+T
6’)からトルクを算出し[1.]に戻って測定を継続
する。
【0033】[8.]は異常処理ルーチンであり,T
5,T6,T5’,T6’のそれぞれ前回の値と差を比
較し,許容範囲内の数値であるか否かから妥当であるか
どうかを判断する。一方のCHの値が適合ならそのCH
のみを有効として[7.]へ移り,双方の値共に不適合
である場合にはさらに[9.]の異常処理ルーチンに移
る。
【0034】[9.]では過去の履歴と比較検証して異
常発生の頻度,連続性等から各CHの障害が偶発的か,
固定的障害かを判断する。偶発的障害との判断で有れば
トルク算出をスキップして[1.]に進む。一方のCH
が固定的な障害との判断ではその障害CHを切り離し,
上位システムに報告をして[1.]へ進む。両CH共に
固定的障害との判断では[11.]で上位システムへの
報告を行って動作を中断する。
【0035】第三の実施例は検出部及び検出回路を完全
に二重化し,それらをマイクロコンピュータ内のプログ
ラムで比較対照しながら良否を判定して障害部分を切り
離し,或いは上位へ報告して障害による被害を回避する
方法である。検出回路は調整部分が無くシンプルであ
り,上記第三の実施例によれば信頼性のあるシステムを
構築できる。第三の実施例では第一の実施例で示した発
振回路で二重化したが,第二の実施例で示した発振回路
で置き換えても良く,本発明の趣旨内で変更修正は可能
である。
【0036】第一,第二,第三の実施例は2つのコイル
のインダクタンスがトルクに応じて逆方向にに変化する
場合の実施例であったが,一方のコイルのインダクタン
スのみが変化する簡略な場合も存在する。第四の実施例
としてドリルに加わるトルクを測定する例を図8に示
す。
【0037】図8において,ドリル81の刃部の外周に
コイル82,平坦部外周にコイル83を配置し,発振回
路は図5に示した発振回路58を用いている。鉄を主成
分とする磁性体で構成されたドリル81は加えられた回
転トルクに応じて機械的に弱くなっている刃部の歪みは
大で透磁率が変化するが,平坦部での透磁率は殆ど変化
しない。その結果,回転トルクに応じてコイル82のイ
ンダクタンスは変化し,コイル83のインダクタンスは
変化しない。トルクに応じてインダクタンスが変わるコ
イル82はダイオード53と直列に接続されて反転増幅
器54の入出力端に接続され,一定インダクタンスのコ
イル83はダイオード52と直列に接続されて反転増幅
器54の入出力端に接続される。反転増幅器54の出力
84は直接マイクロコンピュータ85に入力される。
【0038】出力84に現れるパルス波形は図4と同様
であり,図4(c),(d)を用いて動作を説明する。
出力84に於ける出力パルスの高レベルの時間幅T5は
コイル82とコンデンサ51との時定数に,低レベルの
時間幅T6はコイル83とコンデンサ51の時定数に比
例するので加えられたトルクが変化するとT5が変わる
が,T6は一定である。しかしながら,温度が変動する
とコイル82,83の寸法変化,或いは軸81表面の電
気抵抗等が変化し,コイル82,83のインダクタンス
も変化する。双方共に変化する場合は(T5−T6)/
(T5+T6)として相殺されるが,変化の仕方が不平
衡である場合には完全に相殺されない。その場合を考慮
して予めT6を指標として温度が変わった場合の算出ト
ルクの補正量を求めてデータベースとして記憶させ,温
度補正を行う。
【0039】図9は第四の実施例においてトルクを算出
する場合のマイクロコンピュータ85内でのプログラム
例をフロー図として示している。
【0040】[1.],[2.]のステップにおいて,
マイクロコンピュータ85内のカウンターを用いて高レ
ベルの時間幅T5,低レベルの時間幅T6を得る。
[3.]で高レベルの時間幅T5を前回の値と比較検証
し,その差が予め定めた所定の値以上で有れば異常とし
て[7.]で処理し,所定の値以下で有れば正常として
[4.]のステップに進む。[4.]は検出した低レベ
ルの時間幅T6を前回の値と比較検証し,その差が予め
定めた所定の値以上で有れば異常として[7.]で処理
し,所定の値以下で有れば正常として[5.]のステッ
プに進む。
【0041】[5.]では(T5−T6)/(T5+T
6)からトルクを算出し,[6.]で低レベルの時間幅
T6を指標にデータベースから算出トルクの補正データ
を得て補正して[1.]に戻って測定を継続する。T6
はトルクによっては変動しないはずであるので検出部の
温度検知手段として利用し,温度により生じたアンバラ
ンスな変動分を予め収集し,記憶したデータベースから
補正する。
【0042】[7.]は高低レベルの時間幅T5,T6
の異常処理ルーチンであり,T5,T6を過去の履歴と
比較検証して過去の変動履歴から異常発生の頻度,連続
性等を調べて偶発的な誤りか,固定的な誤りかを判断す
る。誤りが確率的であり,頻度も少なければ偶発性と判
断し[1.]に進んで計測を繰り返す。誤りの頻度が高
く,連続性が高いと判断すれば固定障害と見なして
[8.]で上位システムに警告し,計測作業を停止す
る。
【0043】
【発明の効果】以上,実施例を用いて説明したように本
発明のトルクセンサに依れば,シンプルな構成の発振回
路を用い,二つのコイルのインダクタンス差をパルスの
デューティ比に変換し,簡単な回路で電圧に変換し,ま
たマイクロコンピュータに直接入力して識別,トルク算
出が可能である。検出回路自体は無調整で機能する特徴
を有し,高精度及び高信頼性を実現できるが,第三の実
施例で示したように検出回路のシンプルさを利用して二
重化し,マイクロコンピュータ上で比較対照するシステ
ムを構築して自動車等の高信頼性を必要とするような応
用に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 磁路制御のトルクセンサの検出部構成例
【図2】 磁歪式トルクセンサの検出部構成例
【図3】 本発明の第一の実施例の検出回路
【図4】 第一の実施例での出力パルス列
【図5】 本発明の第二の実施例の検出回路
【図6】 本発明の第三の実施例
【図7】 第三の実施例におけるプログラムフロー図
【図8】 本発明の第四の実施例
【図9】 第四の実施例におけるプログラムフロー図
【図10】 従来提案されたマルチバイブレータによる
検出回路
【図11】 従来提案されたブリッジ方式の検出回路
【符号の説明】
3・・・回転軸, 11・・・磁性
体,11a・・・磁性体の凸部, 11b・・・
磁性体の凹部,12・・・導体の円筒, 1
2a,12b・・窓部,13,14・・コイル,21・
・・回転軸, 22,23・・磁気異方
性部材,24,25・・コイル, 26・・
・検出回路,31・・・コンデンサ, 3
2,33・・トランジスタ,34,35・・抵抗,
36・・・コンパレータ,37・・・マイク
ロコンピュータ,41・・・時間,
42,43,44・・出力パルス列,45・・・小さい
時間間隔のパルス列,51・・・コンデンサ,
52,53・・ダイオード,54・・・反転増幅
器, 55・・・抵抗,56・・・コンデン
サ, 57・・・電圧出力,58・・・発振
回路, 59・・・積分回路,61,6
2,63,64・・コイル 65,66・・発振回路,
67・・・マイクロコンピュータ,81・・・ドリル,
82,83・・コイル,84・・・出
力, 85・・・マイクロコンピュー
タ,101・・・マルチバイブレータ, 102・・
・波形整形回路,103・・・積分回路,
104,105・・トランジスタ,106・・・抵
抗, 107・・・コンデンサ108
・・・抵抗, 109・・・コンデン
サ,111,112・・抵抗, 113・・
高周波発振器,114,115・・整流・平滑回路,
116・・・差動増幅器

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に加えられたトルクに応じて少な
    くとも一方のコイルのインダクタンスが変化する一対の
    コイルと,前記二つのコイルを通じて行うコンデンサの
    充電及び放電に要する時間比に比例したデューティ比を
    有するパルス列を出力する発振回路と,パルス幅を微小
    時間間隔で計数する計数手段或いは積分回路で構成する
    前記パルス列のデューティ比識別手段とより構成され,
    トルクの大きさを前記パルス列のデューティ比から検知
    することを特徴とするトルクセンサ
  2. 【請求項2】 請求項1記載のトルクセンサに於いて,
    発振回路は二つのコイルをそれぞれコレクタ端子に負荷
    として有し且つそれぞれのコレクタ端子を互いのベース
    端子にクロス結合された二つのトランジスタのエミッタ
    間を前記コンデンサで結合して構成されたエミッタ結合
    型発振回路であることを特徴とするトルクセンサ
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトルクセンサに於いて,
    コイルとダイオードとが直列に接続され互いにダイオー
    ドの向きを逆にした二組の回路を並列に入出力端間に接
    続し,前記コンデンサを入力端に接続したヒステリシス
    特性のある反転増幅器で発振回路を構成したことを特徴
    とするトルクセンサ
  4. 【請求項4】 請求項1或いは2或いは3記載のトルク
    センサに於いて,前記一対のコイルは回転軸に加えられ
    たトルクに応じて互いに逆方向にインダクタンスが変化
    することを特徴とするトルクセンサ
  5. 【請求項5】 請求項1或いは2或いは3記載のトルク
    センサに於いて,回転軸に加えられたトルクに応じて第
    一のコイルのインダクタンスは変化するが,第二のコイ
    ルは第一のコイルとほぼ等価で一定のインダクタンスを
    有し,第一のコイル近傍に配置されることを特徴とする
    トルクセンサ
  6. 【請求項6】 請求項5記載のトルクセンサに於いて,
    予め記憶保持された第二のコイルのインダクタンスに起
    因するパルス幅と算出トルク補正量との関係データを用
    いて算出トルクを第二のコイルのインダクタンスに起因
    するパルス幅により補正することを特徴とするトルクセ
    ンサ
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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