JP2001289604A - 変位検出器の故障診断装置および変位検出器の故障診断方法 - Google Patents

変位検出器の故障診断装置および変位検出器の故障診断方法

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JP2001289604A
JP2001289604A JP2000101730A JP2000101730A JP2001289604A JP 2001289604 A JP2001289604 A JP 2001289604A JP 2000101730 A JP2000101730 A JP 2000101730A JP 2000101730 A JP2000101730 A JP 2000101730A JP 2001289604 A JP2001289604 A JP 2001289604A
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displacement
deviation
torque
voltages
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Makoto Murata
真 村田
Takao Kurosawa
孝夫 黒澤
Koji Sasajima
晃治 笹嶋
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Honda Motor Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な故障診断を行うことができる変位検
出器の故障診断装置および変位検出器の故障診断方法を
提供することを課題とする。 【解決手段】 コアと、コアの変位に対応してインダク
タンスが差動で変化する2個の検出コイルとを備える変
位検出器1の故障を診断する故障診断装置2であって、
2個の検出コイルのインダクタンスの変化を電圧の変化
に各々変換して検出する第1検出手段22a,22c,
23a,23bと、第1検出手段とは別に、2個の検出
コイルのインダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換
して検出する第2検出手段22b,22d,23c,2
3dと、第1検出手段で検出した2つの電圧から第1偏
差電圧を検出する第1偏差検出手段24aと、第2検出
手段で検出した2つの電圧から第2偏差電圧を検出する
第2偏差検出手段24bと、第1偏差電圧と第2偏差電
圧に基づいて、変位検出器1の故障を判定する故障判定
手段5とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トルク検出器等に
利用される変位検出器の故障を高精度に診断する変位検
出器の故障診断装置および変位検出器の故障診断方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】検出コイルのインダクタンスの変化に基
づいて変位を検出する変位検出器が知られている。変位
検出器は、様々なセンサの検出手段としても応用され
る。例えば、本願出願人による特開平7−332910
号公報に開示された変位検出器は、トルク検出器に利用
されている。このトルク検出器は、トルクセンサとトル
ク検出手段とからなる。トルクセンサは、トルクの作用
によるトーションバーの捩れ角を、変位検出器の変位セ
ンサでコアの変位に変換している。この変位センサは、
中立位置から両方向に変位可能なコアに対称に配置され
る2個の検出コイルを備える。この2個の検出コイル
は、コアの変位に対応して差動でインダクタンスが変化
する。さらに、変位センサは、2個の検出コイルとこの
2個の検出コイルに各々直列に接続した2個の基準抵抗
によってブリッジ回路が構成される。そして、変位セン
サは、このブリッジ回路にパルス電圧が印加されると、
2個の基準抵抗各々の両端のパルス過渡応答電圧を出力
する。すると、変位検出器の変位検出手段(トルク検出
手段)が、2つのパルス過渡応答電圧のボトム電圧の偏
差電圧に基づいてコアの変位量と変位方向を検出する。
なお、このトルク検出器(変位検出器)は、トルクセン
サ(変位センサ)とトルク検出手段(変位検出手段)と
がコネクタを介して接続している。
【0003】さらに、このトルク検出器における変位検
出器の故障を診断する場合は、2個の基準抵抗のパルス
過渡応答電圧のボトム電圧が利用される。例えば、2個
の検出コイルが互いに逆方向に同数巻かれている場合、
図9に示すように、2つのパルス過渡応答電圧のボトム
電圧を各々Vt1とVt2とし、さらにトルクセンサに
作用するトルクTが0の時にはボトム電圧Vt1,Vt
2が2.5Vに設定されているとする。そこで、変位検
出器の故障を診断する時には、(Vt1+Vt2)/2
を監視する。変位検出器が正常の場合、(Vt1+Vt
2)/2は、トルクTにかかわらず常に2.5Vとな
る。しかし、変位検出器の経年変化や変位センサと変位
検出手段間のコネクタの抜き差し等によって、変位セン
サと変位検出手段のコネクタの接続箇所等に接触抵抗が
発生する。例えば、変位センサから変位検出手段へのパ
ルス過渡応答電圧の入力箇所に接触抵抗が発生すると、
ボトム電圧Vt1にオフセット電圧が加算されてボトム
電圧Vt1がVt1’(図9の一点鎖線)となる。した
がって、(Vt1’+Vt2)/2(図9の破線)は
2.5Vとならない。つまり、(Vt1+Vt2)/2
が2.5Vにならない場合、変位検出器(ひいては、ト
ルク検出器)が故障と判定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パルス
過渡応答電圧のボトム電圧Vt1,Vt2からの(Vt
1+Vt2)/2を監視することによる変位検出器の故
障診断では、接触抵抗の変化に対してボトム電圧Vt
1,Vt2の変化が小さいため、(Vt1+Vt2)/
2の変化が小さい。さらに、変位検出器の各素子の特性
が、温度変化によって変動する。例えば、抵抗の温度特
性によって基準抵抗の抵抗値や変位検出手段の抵抗の抵
抗値等が変動したり、変位検出器の構成部材間の熱膨張
係数の違いによってコアがニュートラルの位置からメカ
的に変位する(つまり、トルク検出器の場合、トルクT
が0でもコアが変位しているためにボトム電圧Vt1,
Vt2が2.5Vとならない)。そのため、温度が変化
すると、ボトム電圧Vt1,Vt2が共に変動してボト
ム電圧Vt1’,Vt2’(図9の一点鎖線)となり、
ひいては(Vt1’+Vt2’)/2(図9の太線)が
常にオフセットされて2.5Vとならない。しかし、こ
の温度変化によって(Vt1+Vt2)/2が変動する
場合には変位検出器としては正常なので、この温度変化
によるボトム電圧Vt1,Vt2の変動分を考慮して故
障判定基準を緩やかに設定しなければならない。そのた
め、(Vt1+Vt2)/2による故障判定では、(V
t1+Vt2)/2の変化が小さい領域では故障と判定
できない。したがって、(Vt1+Vt2)/2が2.
5Vからある程度以上大きく変化した時に、変位検出器
を故障と判定しなければならない。つまり、接触抵抗が
かなり大きくなってから変位検出器を故障と判定するの
で、故障診断の判定精度は低い。ひいては、故障と判定
されるまで、大きくなった接触抵抗によって変位検出器
の検出精度が低下する。
【0005】そこで、本発明の課題は、高精度な故障診
断を行うことができる変位検出器の故障診断装置および
変位検出器の故障診断方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係る変位検出器の故障診断装置は、中立位置から両
方向に変位可能なコアと、前記中立位置から前記コアの
変位方向に対称に配置され、前記コアの変位に対応して
インダクタンスが差動で変化する2個の検出コイルと、
前記2個の検出コイルのインダクタンスの変化を電圧の
変化に各々変換し、前記2つの電圧の偏差電圧に基づい
て前記コアの変位量と変位方向を検出する変位検出器の
故障を診断する故障診断装置であって、前記2個の検出
コイルのインダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換
して検出する第1検出手段と、前記第1検出手段とは別
に、前記2個の検出コイルのインダクタンスの変化を電
圧の変化に各々変換して検出する第2検出手段と、前記
第1検出手段で検出した2つの電圧から第1偏差電圧を
検出する第1偏差検出手段と、前記第2検出手段で検出
した2つの電圧から第2偏差電圧を検出する第2偏差検
出手段と、前記第1偏差電圧と前記第2偏差電圧に基づ
いて、前記変位検出器の故障を判定する故障判定手段と
を備えることを特徴とする。この変位検出器の故障診断
装置によれば、第1検出手段、第1偏差検出手段と第2
検出手段、第2偏差検出手段の同様の手段を2系統設
け、2個の検出コイルのインダクタンスの変化を変換し
た同一の電圧に基づいて第1偏差電圧と第2偏差電圧を
検出できる構成とした。このインダクタンスの変化を変
換した電圧に基づく偏差電圧はコネクタ等に発生する接
触抵抗の変化に対して非常に敏感に変化するので、変位
検出器の故障診断装置は、接触抵抗の抵抗値が小さい段
階で変位検出器を故障と判定できる。さらに、温度変化
によって第1偏差電圧と第2偏差電圧とは変動しないの
で、検出精度を上げても誤判定しない。
【0007】また、前記課題を解決した本発明に係る変
位検出器の故障診断方法は、中立位置から両方向に変位
可能なコアと、前記中立位置から前記コアの変位方向に
対称に配置され、前記コアの変位に対応してインダクタ
ンスが差動で変化する2個の検出コイルと、前記2個の
検出コイルのインダクタンスの変化を電圧の変化に各々
変換し、前記2つの電圧の偏差電圧に基づいて前記コア
の変位量と変位方向を検出する変位検出器の故障を診断
する故障診断方法であって、前記2個の検出コイルのイ
ンダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換して検出す
る第1検出工程と、前記第1検出工程とは別に、前記2
個の検出コイルのインダクタンスの変化を電圧の変化に
各々変換して検出する第2検出工程と、前記第1検出工
程で検出した2つの電圧から第1偏差電圧を検出する第
1偏差検出工程と、前記第2検出工程で検出した2つの
電圧から第2偏差電圧を検出する第2偏差検出工程と、
前記第1偏差電圧と前記第2偏差電圧に基づいて、前記
変位検出器の故障を判定する故障判定工程とを含むこと
を特徴とする。この変位検出器の故障診断方法によれ
ば、第1検出工程、第1偏差検出工程と第2検出工程、
第2偏差検出工程の同様の工程を並行して2系統設け、
2個の検出コイルのインダクタンスの変化を変換した同
一の電圧に基づいて第1偏差電圧と第2偏差電圧を検出
できる構成とした。このインダクタンスの変化を変換し
た電圧に基づく偏差電圧はコネクタ等に発生する接触抵
抗の変化に対して非常に敏感に変化するので、変位検出
器の故障診断方法は、接触抵抗の抵抗値が小さい段階で
変位検出器を故障と判定できる。さらに、温度変化によ
って第1偏差電圧と第2偏差電圧とは変動しないので、
検出精度を上げても誤判定しない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る変位検出器の故障診断装置および変位検出器の故障
診断装置の実施の形態を説明する。
【0009】本発明に係る変位検出器の故障診断装置お
よび変位検出器の故障診断方法は、2系統で2個の検出
コイルのインダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換
して検出し、この2つの偏差電圧に基づいて変位検出器
の故障判定を行う。接触抵抗の変化に対して敏感に変化
する偏差電圧を故障判定に利用し、しかも2系統から検
出した偏差電圧を比較しているので、接触抵抗の変化に
対して故障判定を行う電圧(すなわち、2つの偏差電圧
の差)変化が非常に大きくなる。さらに、温度変化によ
って偏差電圧が変動しないので、検出精度を上げること
ができる。その結果、この変位検出器の故障診断装置お
よび変位検出器の故障診断方法では、小さな抵抗値の接
触抵抗でも検出が可能となり、故障診断精度が向上す
る。
【0010】本実施の形態では、本発明に係る変位検出
器をトルク検出器に利用し、トルク検出器の一部に変位
検出器が組み込まれる。そこで、本実施の形態では、本
発明に係る変位検出器の故障診断装置および変位検出器
の故障診断方法をトルク検出器における変位検出器の故
障診断装置およびトルク検出器における変位検出器の故
障診断方法として説明する。本実施の形態に係るトルク
検出器は、トルクセンサとトルク検出手段からなり、ト
ルク検出器の故障診断装置は、トルク検出手段と制御装
置からなる。なお、本実施の形態では、変位検出器は、
トルクセンサ内に組み込まれる変位センサと変位検出手
段(トルク検出手段に相当)とからなる。また、本実施
の形態では、変位検出器の故障検出装置は、変位検出手
段(トルク検出手段に相当)と前記した制御装置からな
る。また、本実施の形態では、第1の実施の形態として
2個の検出コイルの過渡応答電圧を検出する変位検出器
と、第2の実施の形態として2個の検出コイルの誘起電
圧を検出する変位検出器について説明する。
【0011】図1乃至図5を参照して、第1の実施の形
態について説明する。まず、図1を参照して、トルク検
出器TDについて説明する。トルク検出器TDは、トル
クセンサTSとトルク検出手段4から構成される。な
お、トルクセンサTSには、変位センサ3が組み込まれ
る。また、トルク検出手段4は、変位センサ3からのパ
ルス過渡応答電圧をボトム電圧の偏差電圧として検出す
るので、変位検出手段に相当する。したがって、変位検
出器1は、変位センサ3と変位検出手段(トルク検出手
段)4から構成される。なお、第1の実施の形態では、
変位検出器1が、特許請求の範囲に記載の変位検出器に
相当する。
【0012】それでは、図2を参照して、第1の実施の
形態の変位センサ3について説明する。変位センサ3
は、コア10、検出コイル11a,11bおよび基準抵
抗12a,12bを備える。なお、第1の実施の形態で
は、コア10が特許請求の範囲に記載のコアに相当し、
検出コイル11a,11bが特許請求の範囲に記載の検
出コイルに相当する。
【0013】コア10は、中立位置から両方向に変位す
る非磁性体からなる。なお、図2(a)では、コア10
は、中立位置にある。検出コイル11a,11bは、コ
ア10の変位方向に対称に配置され、コア10の変位に
対応してインダクタンスが差動で変化する。
【0014】そして、変位センサ3は、検出コイル11
aと検出コイル11bの一端同士が接続および基準抵抗
12aと基準抵抗12bの一端同士が接続するととも
に、検出コイル11aの他端が基準抵抗12aの他端に
接続および検出コイル11bの他端が基準抵抗12bの
他端に接続し、電気的に等価回路であるブリッジ回路1
3を構成する。なお、基準抵抗12aと基準抵抗12b
の接続部は、接地(GND)される。
【0015】また、変位センサ3は、検出コイル11a
と検出コイル11bの接続部と基準抵抗12aと基準抵
抗12bの接続部との間にパルス電源14が接続され、
波高値Vpのパルス電圧が印加される。さらに、変位セ
ンサ3は、検出コイル11aと基準抵抗12aと接続部
には2個の出力端子S1,S3を備え、パルス過渡応答
電圧を各々出力する。また、変位センサ3は、検出コイ
ル11bと基準抵抗12bと接続部には2個の出力端子
S2,S4を備え、パルス過渡応答電圧を各々出力す
る。
【0016】図2(b)図の等価回路において、検出コ
イル11a,11bのインダクタンスを各々L1,L2
(なお、コア10が中立位置の場合、共にインダクタン
スはLとする)とし、基準抵抗12a,12bの抵抗値
を共にRとし、パルス電源14からブリッジ回路13に
パルス電圧を印加する。このとき、出力端子S1〜S4
は、接地端子(GND)を基準として各々LR積分回路
を構成する。そのため、出力端子S1〜S4から各々出
力される出力電圧Vs1〜Vs4は、波高値Vpのパル
ス電圧に対するパルス過渡応答電圧となる。また、出力
端子S1とS2両端間の電圧Vd1はパルス過渡応答電
圧Vs1とVs2の偏差電圧(Vs1−Vs2)とな
り、出力端子S3とS4両端間の電圧Vd2はパルス過
渡応答電圧Vs3とVs4の偏差電圧(Vs3−Vs
4)となる。
【0017】次に、図2および図3を参照して、この変
位センサ3の動作について説明する。変位センサ3にお
いて、対称物が変位し、変位センサ3のコア10が中立
位置から検出コイル11a側にX1変位し、例えば、検
出コイル11aのインダクタンスL(中立位置のインダ
クタンス)が減少してL1となるとともに、検出コイル
11bのインダクタンスLが増加してL2になった場合
について説明する。
【0018】この場合、インダクタンスL1<L2の関
係から、出力端子S1のパルス過渡応答電圧Vs1の時
定数(L1/R)が、出力端子S2のパルス過渡応答電
圧Vs2の時定数(L2/R)より小さくなる。そのた
め、図3に示すように、パルス電源14からのパルス電
圧に対するパルス過渡応答電圧Vs1(実線)の立下り
および立上りが、パルス過渡応答電圧Vs2(破線)よ
り速くなる。
【0019】前記のように、コア10がX1側に変位し
た場合、出力端子S1とS2両端間の偏差電圧Vd1
(=Vs1−Vs2)は、マイナス(−)となる。逆
に、コア10がX2側に変位した場合、出力端子S1と
S2両端間の偏差電圧Vd1(=Vs1−Vs2)は、
プラス(+)となる。
【0020】そして、図3に示すように、パルス電源1
4からのパルス電圧の周期T2を時定数(L/R)より
も充分長い時間に設定し、パルス電源14からのパルス
電圧の周期T2の立下り期間(0V)のT1を時定数
(L/R)より充分短い時間に設定すると、立下り期間
終了時(立上り開始時)でパルス過渡応答電圧Vs1,
Vs2の各ボトム電圧からの偏差電圧Vd1(極性はマ
イナス)を検出できる。
【0021】このように、変位センサ3は、パルス過渡
応答電圧Vs1,Vs2の各ボトム電圧の偏差電圧Vd
1の絶対値によりコア10の変位量X1,X2を検出で
き、偏差電圧Vd1の極性によりコア10の変位方向を
検出することができる。
【0022】それでは、前記した変位センサ3を利用し
たトルクセンサTSについて説明する。トルクセンサT
Sは、図示しないインプットシャフト、アウトプットシ
ャフト、インプットシャフトとアウトプットシャフトを
結合するトーションバーおよび変位センサ3を備える。
【0023】トルクセンサTSは、インプットシャフト
とアウトプットシャフト間にトルクが作用すると、トー
ションバーにトルクTに比例した捩れ角θTが生じる。
この捩れ角θTは、両シャフトに結合されたピン(図示
せず)とコア10に設けられたスパイラル溝(図示せ
ず)の作用により、シャフト軸方向のコア10の変位X
Tに変換される。
【0024】そして、変位センサ3は、コア10の変位
XTを検出コイル11a,11bのインダクタンス変化
ΔLTとして検出する。さらに、変位センサ3は、この
インダクタンス変化ΔLTを、ブリッジ回路13に印加
されるパルス電源14からのパルス電圧Viのパルス過
渡応答電圧Vs1〜Vs4として出力する。
【0025】つまり、トルクセンサTSは、外部から作
用するトルクTを捩れ角θTに変換し、この捩れ角θT
をコア10の変位XTに変換する。さらに、トルクセン
サTSは、変位センサ3の動作により、この変位XTを
インダクタンスの変化ΔLTとして検知し、インダクタ
ンスの変化ΔLTをパルス過渡応答電圧Vs1〜Vs4
として出力する。
【0026】次に、図1および図4を参照して、第1の
実施の形態のトルク検出手段(変位検出手段)4につい
て説明する。トルク検出手段4は、パルス過渡応答電圧
Vs1〜Vs4が入力され、パルス過渡応答電圧Vs1
〜Vs4のボトム電圧Vt1〜Vt4およびこのボトム
電圧Vt1〜Vt4の偏差電圧Vt5,Vt6を出力す
る。そこで、トルク検出手段4は、主として、パルス電
圧発生回路20、ローパスフィルタ回路21a,21
b,21c,21d、ボトムホールド回路22a,22
b,22c,22d、増幅回路23a,23b,23
c,23dおよび差動増幅回路24a,24bから構成
される。ちなみに、パルス電圧発生回路20は、図2に
示すパルス電源14に相当する。なお、このトルク検出
手段4から出力されるボトム電圧Vt1〜Vt4および
偏差電圧Vt5,Vt6は故障診断装置2に利用される
ので、トルク検出手段4は故障診断装置2の構成手段の
一部でもある。なお、第1の実施の形態では、ボトムホ
ールド回路22a,22cと増幅回路23a、23bが
特許請求の範囲に記載の第1検出手段に相当し、ボトム
ホールド回路22b,22dと増幅回路23c、23d
が特許請求の範囲に記載の第2検出手段に相当し、差動
増幅回路24aが特許請求の範囲に記載の第1偏差検出
手段に相当し、差動増幅回路24bが特許請求の範囲に
記載の第2偏差検出手段に相当する。
【0027】パルス電圧発生回路20は、変位センサ3
のブリッジ回路13にパルス電圧を出力する。パルス電
圧発生回路20は、主として、クロック発生器20a、
抵抗20bおよびトランジスタ20cから構成される。
クロック発生器20aは、抵抗20bを介してトランジ
スタ20cのベースに接続する。そして、トランジスタ
20cは、コレクタに5V電源が接続するとともに、エ
ミッタが接地(GND)される。さらに、トランジスタ
20cは、コレクタが変位センサ3のブリッジ回路13
の検出コイル11aと11bの接続部に接続する。クロ
ック発生器20aは、一定周期でON/OFFするパル
スを発生する。なお、図2に示す変位センサ3で説明し
たように、この周期のON(立下り)期間を、時定数
(L/R)より充分に短い時間に設定する。トランジス
タ20cは、抵抗20bを介してベースにクロック発生
器20aからのパルスが入力され、パルスのON期間に
はブリッジ回路13には電圧を印加せず、パルスのOF
F期間にはブリッジ回路13に5Vを印加する(図2参
照)。したがって、変位センサ3のブリッジ回路13に
入力されるパルス電圧Viは、立下り期間が0Vであ
り、立上り期間が5Vである(図4(a)参照)。
【0028】ローパスフィルタ回路21a,21b,2
1c,21dは、変位センサ3からのパルス過渡応答電
圧Vs1,Vs2,Vs3,Vs4に含まれる高周波の
スイッチングノイズN(図4(b)参照)を除去する。
なお、4つのローパスフィルタ回路21a,21b,2
1c,21dは全て同一構成および同一動作なので、ロ
ーパスフィルタ回路21aを代表して説明する。ローパ
スフィルタ回路21aは、主として、抵抗21eとコン
デンサ21fから構成される。抵抗21eは、トルク検
出手段4の入力端子T1および変位センサ3の出力端子
S1を介して一端がブリッジ回路13に接続するととも
に(図2参照)、他端がコンデンサ21fの一端とボト
ムホールド回路22aのオペアンプ22eのプラス入力
端子に接続する。コンデンサ21fは、他端が接地(G
ND)される。ローパスフィルタ回路21aは、パルス
過渡応答電圧Vs1が入力されると、抵抗21eとコン
デンサ21fによる時定数で高周波のスイッチングノイ
ズNを除去してボトムホールド回路22aに出力する。
ちなみに、ローパスフィルタ回路21bの抵抗21eの
他端はボトムホールド回路22bのオペアンプ22eの
プラス入力端子に接続し、ローパスフィルタ回路21c
の抵抗21eの他端はボトムホールド回路22cのオペ
アンプ22eのプラス入力端子に接続し、ローパスフィ
ルタ回路21dの抵抗21eの他端はボトムホールド回
路22dのオペアンプ22eのプラス入力端子に接続す
る。そして、ローパスフィルタ回路21bはパルス過渡
応答電圧Vs3から高周波のスイッチングノイズNを除
去してボトムホールド回路22bに出力し、ローパスフ
ィルタ回路21cはパルス過渡応答電圧Vs2から高周
波のスイッチングノイズNを除去してボトムホールド回
路22cに出力し、ローパスフィルタ回路21dはパル
ス過渡応答電圧Vs4から高周波のスイッチングノイズ
Nを除去してボトムホールド回路22dに出力する。
【0029】ボトムホールド回路22a,22b,22
c,22dは、ローパスフィルタ回路21a,21b,
21c,21dから高周波のスイッチングノイズNが除
去されたパルス過渡応答電圧Vs1、Vs2,Vs3,
Vs4が入力され、パルス過渡応答電圧Vs1、Vs
2,Vs3,Vs4のボトム電圧を増幅回路23a,2
3b,23c,23dに各々出力する。なお、4つのボ
トムホールド回路22a,22b,22c,22dは全
て同一構成および同一動作なので、ボトムホールド回路
22aを代表して説明する。ボトムホールド回路22a
は、主として、オペアンプ22e、抵抗22f、コンデ
ンサ22gおよび抵抗22hから構成される。オペアン
プ22eは、プラス入力端子がローパスフィルタ回路2
1aの抵抗21eの他端に接続するとともに、マイナス
入力端子が抵抗22fの一端に接続する。さらに、オペ
アンプ22eは、出力端子が抵抗21fの他端に接続す
る。コンデンサ22gおよび抵抗22hは、一端がオペ
アンプ22eの出力端子におよび抵抗23fを介して増
幅回路23aのオペアンプ23eのプラス入力端子に接
続するとともに、他端が5V電源に接続する。ボトムホ
ールド回路22aは、高周波のスイッチングノイズNが
除去されたパルス過渡応答電圧Vs1が入力されと、パ
ルス電圧の立下り期間終了時(立上り期間開始時)の電
圧を保持し、ボトム電圧として増幅回路23aに出力す
る。ちなみに、ボトムホールド回路22bのオペアンプ
22eの出力端子は抵抗23fを介して増幅回路23c
のオペアンプ23eに接続し、ボトムホールド回路22
cのオペアンプ22eの出力端子は抵抗23fを介して
増幅回路23bのオペアンプ23eに接続し、ボトムホ
ールド回路22dのオペアンプ22eの出力端子は抵抗
23fを介して増幅回路23dのオペアンプ23eに接
続する。そして、ボトムホールド回路22bはボトム電
圧を増幅回路23cに出力し、ボトムホールド回路22
cはボトム電圧を増幅回路23bに出力し、ボトムホー
ルド回路22dはボトム電圧を増幅回路23dに出力す
る。
【0030】増幅回路23a,23b,23c,23d
は、ボトムホールド回路22a,22b,22c,22
dからのボトム電圧を増幅し、ボトム電圧Vt1,Vt
2,Vt3,Vt4を制御装置5および差動増幅器24
a,24bに各々出力する。なお、増幅回路23a,2
3b,23c,23dは全て同一構成および同一動作な
ので、増幅回路23aを代表して説明する。増幅回路2
3aは、主として、オペアンプ23eおよび抵抗23
f,23gから構成される。オペアンプ23eは、プラ
ス入力端子が抵抗23fの一端に接続するとともに、マ
イナス入力端子が抵抗23gの一端におよび抵抗23h
を介して増幅回路23bのオペアンプ23eのマイナス
入力端子に接続する。さらに、オペアンプ23eは、出
力端子が抵抗23gの他端および抵抗24dを介して差
動増幅回路24aのオペアンプ24cのプラス入力端子
に接続するとともに、出力端子が制御装置5に接続す
る。抵抗23fは、他端がボトムホールド回路22aの
オペアンプ22eの出力端子に接続する。そして、オペ
アンプ23eは、抵抗23hと抵抗23gの抵抗値によ
って増幅率k1が決定され、この増幅率k1に従ってボ
トムホールド回路22aからのボトム電圧をボトム電圧
Vt1として制御装置5と差動増幅回路24aに出力す
る。なお、増幅回路23aは、トルクセンサTSに作用
するトルクTが0の場合、ボトム電圧Vt1が2.5V
(基準電圧)となるように設定される(図4(d)参
照)。ちなみに、増幅回路23bのオペアンプ23eの
出力端子は抵抗24eを介して差動増幅回路24aのオ
ペアンプ24cのマイナス入力端子に接続し、増幅回路
23cのオペアンプ23eの出力端子は抵抗24dを介
して差動増幅回路24bのオペアンプ24cのプラス入
力端子に接続し、増幅回路23dのオペアンプ23eの
出力端子は抵抗24eを介して差動増幅回路24bのオ
ペアンプ24cのマイナス入力端子に接続する。そし
て、増幅回路23bはボトム電圧Vt2を制御装置5と
差動増幅器24aに出力し、増幅回路23cはボトム電
圧Vt3を制御装置5と差動増幅器24bに出力し、増
幅回路23dはボトム電圧Vt4を制御装置5と差動増
幅器24bに出力する。なお、トルクセンサTSにトル
クTが作用すると(変位センサ3のコア10が変位Xす
ると)、パルス過渡応答電圧Vs1,Vs3とパルス過
渡応答電圧Vs2,Vs4の立上り特性および立下り特
性が変わり、ボトム電圧Vt1,Vt3とボトム電圧V
t2,Vt4に偏差ができる(図4(c)参照)。ま
た、ボトム電圧Vt1,Vt3とボトム電圧Vt2,V
t4は、トルクセンサTSに作用するトルクTの大きさ
に対応して共にリニアに変化し、トルクTの方向によっ
て増減が逆になる(図4(d)参照)。なお、第1の実
施の形態では、特許請求の範囲に記載の第1偏差電圧を
検出するための2つの電圧を、変位センサ3からのパル
ス過渡応答電圧Vs1,Vs2のボトム電圧を増幅した
ボトム電圧Vt1,Vt2とする。また、第1の実施の
形態では、特許請求の範囲に記載の第2偏差電圧を検出
するための2つの電圧を、変位センサ3からのパルス過
渡応答電圧Vs3,Vs4のボトム電圧を増幅したボト
ム電圧Vt3,Vt4とする。
【0031】差動増幅回路24aは、増幅回路23a,
23bからのボトム電圧Vt1,Vt2の偏差電圧を増
幅して偏差電圧Vt5として制御装置5に出力する。ま
た、差動増幅回路24bは、増幅回路23c,23dか
らのボトム電圧Vt3,Vt4の偏差電圧を増幅して偏
差電圧Vt6として制御装置5に出力する。なお、差動
増幅回路24a,24bは同一構成および同一動作なの
で、差動増幅回路24aを代表して説明する。差動増幅
回路24aは、主として、オペアンプ24cおよび抵抗
24d,24e,24f,24gから構成される。オペ
アンプ24cは、プラス入力端子が抵抗24dの一端に
および抵抗24fの一端に接続するとともに、マイナス
入力端子が抵抗24eの一端におよび抵抗24gの一端
に接続する。さらに、オペアンプ24cは、出力端子が
抵抗24fの他端および抵抗24gの他端に接続すると
ともに、出力端子が制御装置5に接続する。抵抗24d
は、他端が増幅回路23aのオペアンプ23eの出力端
子に接続する。抵抗24eは、他端が増幅回路23bの
オペアンプ23eの出力端子に接続する。オペアンプ2
4cは、抵抗24d,24e,24f,24gの抵抗値
によって差動増幅率k2が決定される。そして、オペア
ンプ24cは、プラス入力端子に入力されたボトム電圧
Vt1からマイナス入力端子に入力されたボトム電圧V
t2を減算し、さらに差動増幅率k2で増幅し、偏差電
圧Vt5(=k2×(Vt1−Vt2))として制御装
置5に出力する。なお、差動増幅回路24aは、トルク
センサTSに作用するトルクTが0の場合、偏差電圧V
t5が2.5V(基準電圧)となるように設定される
(図4(e)参照)。ちなみに、差動増幅回路24b
は、プラス入力端子に入力されたボトム電圧Vt3から
マイナス入力端子に入力されたボトム電圧Vt4を減算
し、さらに差動増幅率k2で増幅し、偏差電圧Vt6
(=k2・(Vt3−Vt4))として制御装置5に出
力する。また、偏差電圧Vt5と偏差電圧Vt6は、ト
ルクセンサTSに作用するトルクTの方向と大きさに対
応して共にリニアに変化する(図4(e)参照)。な
お、第1の実施の形態では、偏差電圧Vt5が特許請求
の範囲に記載の第1偏差電圧に相当し、偏差電圧Vt6
が特許請求の範囲に記載の第2偏差電圧に相当する。
【0032】このように、トルク検出手段4は、トルク
センサTSに作用しているトルクT(変位センサ3のコ
ア10の変位XT)に対応する偏差電圧Vt5(Vt
6)を出力する。例えば、トルクTが左方向に作用する
と偏差電圧Vt5(Vt6)が減少し、トルクTが右方
向に作用すると偏差電圧Vt5(Vt6)が増加する
(図4(e)参照)。
【0033】そこで、予め設計値や実験値に基づいて求
めたトルクTと偏差電圧Vt5(Vt6)の変換テーブ
ルをデータとして制御装置5のROM(Read On
lyMemory)に記憶しておく。そして、制御装置
5は、この変換テーブルに従って、トルク検出手段4か
らの偏差電圧Vt5(Vt6)に基づいて、トルクセン
サTSに作用しているトルクTを検出することができ
る。ちなみに、制御装置5は、トルク検出器TDの専用
の制御装置ではなく、検出されるトルクを制御量の一つ
とするシステムの制御装置である。
【0034】次に、図1を参照して、トルク検出器TD
(変位検出器1)の故障診断装置2について説明する。
故障診断装置2は、トルク検出手段(変位検出手段)4
と制御装置5からなる。つまり、トルク検出手段4は、
トルクセンサTSに作用するトルクTを検出するために
および故障診断装置2でトルク検出器TD(変位検出器
1)の故障を検出するために、パルス過渡応答電圧Vs
1〜Vs4から偏差電圧Vt5,Vt6等を検出する。
なお、第1の実施の形態では、制御装置5が、特許請求
の範囲に記載の故障判定手段に相当する。
【0035】制御装置5は、偏差電圧Vt5と偏差電圧
Vt6に基づいて、トルク検出器TD(変位検出器1)
の故障を判定する。この故障判定では、パルス過渡応答
電圧Vs1〜Vs4のボトム電圧Vt1〜Vt4ではな
く、パルス過渡応答電圧Vs1〜Vs4の各ボトム電圧
Vt1〜Vt4から検出された2つの偏差電圧Vt5,
Vt6によって行うので、非常に故障判定精度が高い。
【0036】というのは、従来は、ボトム電圧Vt1と
ボトム電圧Vt2に基づく(Vt1+Vt2)/2によ
り、故障判定しなければならなかった。さらに、検出値
を電源電圧の0〜5Vの範囲内にしなければならないた
めに、(Vt1+Vt2)を1/2しているので、故障
判定精度がより低下した。しかし、故障診断装置2は、
ボトム電圧Vt1とVt2およびボトム電圧Vt3とV
t4からの偏差電圧Vt5および偏差電圧Vt6を利用
するとともに、この偏差電圧Vt5とVt6の絶対的な
変化によって故障判定するので、故障判定精度が非常に
向上する。
【0037】さらに、温度変化によってボトム電圧Vt
1とVt2(Vt3とVt4)が共に変動しても、偏差
電圧Vt5(Vt6)はボトム電圧Vt1とVt2(V
t3とVt4)の偏差として検出されるので、ボトム電
圧Vt1とVt2(Vt3とVt4)の相手の変動分を
相殺する。つまり、温度変化の影響によって、偏差電圧
Vt5と偏差電圧Vt6は変動しない。その結果、故障
判定精度を上げても、温度変化の影響によって誤判定す
ることはない。
【0038】トルク検出器TD(変位検出器1)が正常
の場合(すなわち、出力端子S1〜S4と入力端子T1
〜T4間のコネクタ部に接触抵抗が発生していない場
合)、例えば、トルクセンサTSに作用するトルクTが
0の時、ボトム電圧Vt1,Vt3およびボトム電圧V
t2,Vt4が全て2.5Vとなり(図4(d)の実線
の交点参照)、偏差電圧Vt5とVt6が2.5Vとな
る(図4(e)のトルク=0の時の実線参照)。したが
って、制御装置5は、偏差電圧Vt5とVt6の差が0
Vなので、トルク検出器TD(変位検出器1)が正常と
判定する。なお、温度変化によってボトム電圧Vt1,
Vt3およびボトム電圧Vt2,Vt4が全て(2.5
+α)Vとなった場合でも、αV分が相殺されて偏差電
圧Vt5とVt6は2.5Vとなる。したがって、温度
変化があった場合でも、制御装置5は、偏差電圧Vt5
とVt6の差が0Vなので、トルク検出器TD(変位検
出器1)が正常と判定する。
【0039】トルク検出器TD(変位検出器1)が故障
の場合、例えば、トルクセンサTSに作用するトルクT
が0の時、ボトム電圧Vt1,Vt3およびボトム電圧
Vt2,Vt4のいずれかが2.5Vとならないため、
偏差電圧Vt5とVt6のどちらかが2.5Vとならな
い。例えば、トルクセンサTS(変位センサ3)の出力
端子S1とトルク検出手段(変位検出手段)4の入力端
子T1間のコネクタ部に接触抵抗が発生した場合、ボト
ム電圧Vt1がオフセットしてVt1’となるため、ト
ルクT=0の時にボトム電圧Vt1’が2.5Vとなら
ない(図4(d)の破線参照)。したがって、偏差電圧
Vt5もオフセットしてVt5’となる(図4(e)の
破線参照)。その結果、制御装置5は、偏差電圧Vt
5’とVt6に差が発生するので、トルク検出器TD
(変位検出器1)が故障と判定する。
【0040】ちなみに、図5に示すように、偏差電圧V
t5,Vt6は、トルクセンサTS(変位センサ3)の
出力端子S1〜S4とトルク検出手段(変位検出手段)
4の入力端子T1〜T4間のコネクタ部に接触抵抗が発
生した場合、接触抵抗の増加に従ってリニアに変化す
る。そのため、トルク検出器TD(変位検出器1)に発
生した接触抵抗を検出する場合、故障判定に2つの偏差
電圧Vt5,Vt6を利用することによって、故障判定
精度が非常に向上する。なお、図5は、トルク検出器T
D(変位検出器1)に接触抵抗が発生した際の接触抵抗
に対するボトム電圧Vt5(Vt6)の変化を示す。
【0041】この故障診断装置2によれば、接触抵抗の
変化に敏感に変化する2つの偏差電圧Vt5,Vt6に
基づいてトルク検出器TD(変位検出器1)の故障を診
断するので、非常に故障診断精度が向上する。また、故
障診断装置2は、トルクセンサTSに作用するトルクT
を検出するための偏差電圧Vt5,Vt6を利用してい
るので、特に、2つの偏差電圧Vt5,Vt6を検出す
るための手段を設けなくてよい。さらに、温度変化によ
って偏差電圧Vt5、Vt6は変動しないので、判定精
度を厳しくしても、誤判定しない。
【0042】次に、図6乃至図7を参照して、第2の実
施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第
1の実施の形態の変位検出器1に代わって、変位検出器
31がトルク検出器TDに組み込まれる。この変位検出
器31は、変位センサ33と変位検出手段(トルク検出
手段)34から構成される。なお、第2の実施の形態に
おいて、第1の実施の形態と同一の構成及び同一の動作
をする構成要素については同一の符号を付し、その詳細
な説明を省略する。なお、第2の実施の形態では、変位
検出器31が、特許請求の範囲に記載の変位検出器に相
当する。
【0043】それでは、図7を参照して、第2の実施の
形態の変位センサ33について説明する。変位センサ3
3は、コア40、一次コイル41、二次検出コイル42
a,42bおよびボビン43を備える。なお、第2の実
施の形態では、コア40が特許請求の範囲に記載のコア
に相当し、二次検出コイル42a,42bが特許請求の
範囲に記載の検出コイルに相当する。
【0044】コア40は、中立位置から両方向に変位す
る磁性体からなる。なお、図7の(a)図では、コア4
0は、中立位置にある。一次コイル41は、両端に交流
電源44が接続され、励磁される。二次検出コイル42
a,42bは、コア40の変位方向に対称に配置され、
コア40の変位に対応してインダクタンスが差動で変化
する。なお、二次検出コイル42aの一端および二次検
出コイル42bの一端は、接地(GND)される。ボビ
ン43は、各コイル41,42a,42bを実装し、絶
縁体からなる。なお、コア40は、ボビン43内を移動
する。
【0045】そして、変位センサ33は、交流電源44
から一次コイル41に交流電圧が印加される。さらに、
変位センサ33は、二次検出コイル42aの他端に2個
の出力端子S1,S3を備え、誘起電圧Vs1,Vs3
を各々出力する。また、変位センサ33は、二次検出コ
イル42bの他端に2個の出力端子S2,S4を備え、
誘起電圧Vs2,Vs4を各々出力する。さらに、出力
端子S1とS2両端間の電圧Vd1は誘起電圧Vs1と
Vs2の偏差電圧(Vs1−Vs2)となり、出力端子
S3とS4両端間の電圧Vd2は誘起電圧Vs3とVs
4の偏差電圧(Vs3−Vs4)となる。なお、この出
力される誘起電圧Vs1〜Vs4は、整流回路によって
整流される。
【0046】次に、図7を参照して、この変位センサ3
3の動作について説明する。なお、ここでは、出力端子
S1,S2からの誘起電圧Vs1,Vs2および偏差電
圧Vd1について説明するが、出力端子S3,S4から
の誘起電圧Vs3,Vs4および偏差電圧Vd2も同様
の特性を有する。変位センサ33は、二次検出コイル4
2a、42bが同方向に巻かれていると、一次コイル4
1が形成する磁界によって二次検出コイル42a,42
bに流れる電流方向が逆になる。そして、変位センサ3
3は、対称物が変位し、コア40が中立位置から二次検
出コイル42a側にX1変位または二次検出コイル42
b側にX2変位すると、二次検出コイル42a,42b
のインダクタンスが差動で変化する。例えば、図7の
(b)図に示すように、変位センサ33は、コア40が
X1側に変位すると、誘起電圧Vs1が増大し、誘起電
圧Vs2が減少する。他方、変位センサ33は、コア4
0がX2側に変位すると、誘起電圧Vs1が減少し、誘
起電圧Vs2が増大する。なお、図7の(b)図には、
整流回路によって整流した誘起電圧Vs1,Vs2(V
s3,Vs4)を示す。
【0047】したがって、コア40がX1側に変位した
場合、出力端子S1とS2両端間の偏差電圧Vd1(=
Vs1−Vs2)は、プラス(+)となる。逆に、コア
40がX2側に変位した場合、出力端子S1とS2両端
間の偏差電圧Vd1(=Vs1−Vs2)は、マイナス
(−)となる。したがって、変位センサ33は、偏差電
圧Vd1の符号によって、コア40の変位方向を検出で
きる。さらに、偏差電圧Vd1の絶対値によりコア40
の変位量X1,X2を検出できる。
【0048】なお、前記した変位センサ33を利用した
トルクセンサTSについては、第1の実施の形態と同一
の構成および同一の動作なので、説明を省略する。ちな
みに、トルクセンサTSにトルクTが作用すると、変位
センサ33は、コア40の変位XTを二次検出コイル4
2a,42bのインダクタンス変化ΔLTとして検出す
る。さらに、変位センサ33は、このインダクタンス変
化ΔLTを、誘起電圧Vs1〜Vs4として出力する。
【0049】次に、図6を参照して、第2の実施の形態
のトルク検出手段(変位検出手段)34について説明す
る。トルク検出手段34は、変位センサ33からの誘起
電圧Vs1〜Vs4が入力され、誘起電圧Vs1〜Vs
4を整流した整流誘起電圧Vt1〜Vt4およびこの整
流誘起電圧Vt1〜Vt4の偏差電圧Vt5,Vt6を
制御装置5に出力する。そこで、トルク検出手段34
は、主として、整流回路51a,51b,51c,51
d、増幅回路23a,23b,23c,23dおよび差
動増幅回路24a,24bから構成される。つまり、ト
ルク検出手段34は、第1の実施の形態のトルク検出手
段4のローパスフィルタ回路21a,21b,21c,
21d、ボトムホールド回路22a,22b,22c,
22dの代わりに、整流回路51a,51b,51c,
51dを備える。なお、トルク検出手段34は、変位セ
ンサ33の一次コイル41に交流電圧を供給する交流電
源回路(交流電源44)を備えるものでもよい(図7参
照)。なお、このトルク検出手段34から出力される整
流誘起電圧Vt1〜Vt4および偏差電圧Vt5,Vt
6は故障診断装置32に利用されるので、トルク検出手
段34は故障診断装置32の構成手段の一部でもある。
なお、第2の実施の形態では、整流回路51a,51c
と増幅回路23a、23bが特許請求の範囲に記載の第
1検出手段に相当し、整流回路51b,51dと増幅回
路23c、23dが特許請求の範囲に記載の第2検出手
段に相当し、差動増幅回路24aが特許請求の範囲に記
載の第1偏差検出手段に相当し、差動増幅回路24bが
特許請求の範囲に記載の第2偏差検出手段に相当する。
【0050】整流回路51a,51b,51c,51d
は、変位センサ33からの誘起電圧Vs1,Vs2,V
s3,Vs4が入力され、整流した誘起電圧Vs1,V
s2,Vs3,Vs4を増幅回路23a,23b,23
c,23dに各々出力する。なお、4つの整流回路51
a,51b,51c,51dは全て同一構成および同一
動作なので、整流回路51aを代表して説明する。整流
回路51aは、ダイオード51e、コンデンサ51fお
よび抵抗51gから構成される。ダイオード51eは、
トルク検出手段34の入力端子T1および変位センサ3
3の出力端子S1を介してアノードが二次検出コイル4
2aの他端に接続するとともに(図7の(a)図参
照)、カソードがコンデンサ51fと抵抗51gの一端
および抵抗23fを介して増幅回路23aのオペアンプ
23eのプラス入力端子に接続する。コンデンサ51f
と抵抗51gは、一端が抵抗23fを介して増幅回路2
3aのオペアンプ23eのプラス入力端子に接続すると
ともに、他端がグランド50に接地される。なお、変位
センサ33の二次検出コイル42aと二次検出コイル4
2bの接続点は、トルク検出手段34の入力端子T5お
よび変位センサ33の出力端子S5を介してグランド5
0に接地される。そして、整流回路51aは、交流であ
る誘起電圧Vs1をダイオード51eによって半波整流
する。さらに、整流回路51aは、コンデンサ51fと
抵抗51gによる時定数で半波整流された誘起電圧Vs
1を直流にして増幅回路23aに出力する。ちなみに、
整流回路51bのダイオード51eのカソードは抵抗2
3fを介して増幅回路23cのオペアンプ23eのプラ
ス入力端子に接続し、整流回路51cのダイオード51
eのカソードは抵抗23fを介して増幅回路23bのオ
ペアンプ23eのプラス入力端子に接続し、整流回路5
1dのダイオード51eのカソードは抵抗23fを介し
て増幅回路23dのオペアンプ23eのプラス入力端子
に接続する。そして、整流回路51bは誘起電圧Vs3
を整流して増幅回路23cに出力し、整流回路51cは
誘起電圧Vs2を整流して増幅回路23bに出力し、整
流回路51dは誘起電圧Vs4を整流して増幅回路23
dに出力する。
【0051】増幅回路23a,23b,23c,23d
は、整流回路51a,51b,51c,51dからの整
流した誘起電圧Vs1,Vs2,Vs3,Vs4を増幅
し、整流誘起電圧Vt1,Vt2,Vt3,Vt4を制
御装置5および差動増幅器24a,24bに各々出力す
る。なお、増幅回路23a,23b,23c,23d
は、トルクセンサTSに作用するトルクTが0の場合、
整流誘起電圧Vt1,Vt2,Vt3,Vt4が2.5
V(基準電圧)となるように設定される なお、第2の実施の形態では、特許請求の範囲に記載の
第1偏差電圧を検出するための2つの電圧を、変位セン
サ33からの誘起電圧Vs1,Vs2を整流した後に増
幅した整流誘起電圧Vt1,Vt2とする。また、第2
の実施の形態では、特許請求の範囲に記載の第2偏差電
圧を検出するための2つの電圧を、変位センサ33から
の誘起電圧Vs3,Vs4を整流した後に増幅した整流
誘起電圧Vt3,Vt4とする。
【0052】差動増幅回路24aは、増幅回路23a,
23bからの整流誘起電圧Vt1,Vt2の偏差電圧を
増幅して偏差電圧Vt5として制御装置5に出力する。
また、差動増幅回路24bは、増幅回路23c,23d
からの整流誘起電圧Vt3,Vt4の偏差電圧を増幅し
て偏差電圧Vt6として制御装置5に出力する。なお、
差動増幅回路24a,24bは、トルクセンサTSに作
用するトルクTが0の場合、偏差電圧Vt5,Vt6が
2.5V(基準電圧)となるように設定される なお、第2の実施の形態では、偏差電圧Vt5が特許請
求の範囲に記載の第1偏差電圧に相当し、偏差電圧Vt
6が特許請求の範囲に記載の第2偏差電圧に相当する。
【0053】このように、トルク検出手段34は、トル
クセンサTSに作用しているトルクT(変位センサ33
のコア40の変位XT)に対応する偏差電圧Vt5(V
t6)を出力する。例えば、トルクTが左方向に作用す
ると偏差電圧Vt5(Vt6)が減少し、トルクTが右
方向に作用すると偏差電圧Vt5(Vt6)が増加す
る。
【0054】そこで、予め設計値や実験値に基づいて求
めたトルクTと偏差電圧Vt5(Vt6)の変換テーブ
ルをデータとして制御装置5のROM(Read On
lyMemory)に記憶しておく。そして、制御装置
5は、この変換テーブルに従って、トルク検出手段34
からの偏差電圧Vt5(Vt6)に基づいて、トルクセ
ンサTSに作用しているトルクTを検出することができ
る。ちなみに、制御装置5は、トルク検出器TDの専用
の制御装置ではなく、検出されるトルクを制御量の一つ
とするシステムの制御装置である。
【0055】次に、図6を参照して、トルク検出器TD
(変位検出器31)の故障診断装置32について説明す
る。故障診断装置32は、トルク検出手段(変位検出手
段)34と制御装置5からなる。つまり、トルク検出手
段34は、トルクセンサTSに作用するトルクTを検出
するためにおよび故障診断装置32でトルク検出器TD
(変位検出器31)の故障を検出するために、整流誘起
電圧Vs1〜Vs4から偏差電圧Vt5,Vt6等を検
出する。なお、第2の実施の形態では、制御装置5が、
特許請求の範囲に記載の故障判定手段に相当する。
【0056】制御装置5は、偏差電圧Vt5と偏差電圧
Vt6に基づいて、トルク検出器TD(変位検出器3
1)の故障を判定する。この故障判定では、誘起電圧V
s1〜Vs4を整流した整流誘起電圧Vt1〜Vt4で
はなく、誘起電圧Vs1〜Vs4の整流誘起電圧Vt1
〜Vt4から検出された2つの偏差電圧Vt5,Vt6
によって行うので、非常に故障判定精度が高い。この理
由については、第1の実施の形態と同様の理由によるの
で、説明を省略する。また、温度変化に対する判定精度
についても、第1の実施の形態と同様の特性を有するの
で、説明を省略する。
【0057】トルク検出器TD(変位検出器31)が正
常の場合(すなわち、出力端子S1〜S4と入力端子T
1〜T4間のコネクタ部に接触抵抗が発生していない場
合)、例えば、トルクセンサTSに作用するトルクTが
0の時、整流誘起電圧Vt1,Vt3および整流誘起電
圧Vt2,Vt4が全て2.5Vとなり、偏差電圧Vt
5とVt6が2.5Vとなる。したがって、制御装置5
は、偏差電圧Vt5とVt6の差が0Vなので、トルク
検出器TD(変位検出器31)が正常と判定する。な
お、温度変化によって整流誘起電圧Vt1,Vt3およ
び整流誘起電圧Vt2,Vt4が全て(2.5+α)V
となった場合でも、αV分が相殺されて偏差電圧Vt5
とVt6は2.5Vとなる。したがって、温度変化があ
った場合でも、制御装置5は、偏差電圧Vt5とVt6
の差が0Vなので、トルク検出器TD(変位検出器3
1)が正常と判定する。
【0058】トルク検出器TD(変位検出器31)が故
障の場合、例えば、トルクセンサTSに作用するトルク
Tが0の時、整流誘起電圧Vt1,Vt3および整流誘
起電圧Vt2,Vt4のいずれかが2.5Vとならない
ため、偏差電圧Vt5とVt6のどちらかが2.5Vと
ならない。例えば、トルクセンサTS(変位センサ3
3)の出力端子S1とトルク検出手段(変位検出手段)
34の入力端子T1間のコネクタ部に接触抵抗が発生し
た場合、整流誘起電圧Vt1がオフセットしてVt1’
となるため、トルクT=0の時に整流誘起電圧Vt1’
が2.5Vとならない。したがって、偏差電圧Vt5も
オフセットしてVt5’となる。その結果、制御装置5
は、偏差電圧Vt5’とVt6に差が発生するので、ト
ルク検出器TD(変位検出器31)が故障と判定する。
【0059】この故障診断装置32によれば、接触抵抗
の変化に敏感に変化する2つの偏差電圧Vt5,Vt6
に基づいてトルク検出器TD(変位検出器31)の故障
を診断するので、非常に故障診断精度が向上する。ま
た、故障診断装置32は、トルクセンサTSに作用する
トルクTを検出するための偏差電圧Vt5,Vt6を利
用しているので、特に、2つの偏差電圧Vt5,Vt6
を検出するための手段を設けなくてよい。さらに、温度
変化によって偏差電圧Vt5、Vt6は変動しないの
で、判定精度を厳しくしても、誤判定しない。
【0060】次に、図8を参照して、故障診断装置2
(または32)によるトルク検出器TD(変位検出器1
または31)の故障診断方法について説明する。なお、
随時、説明に応じて図1乃至図7を参照する。
【0061】まず、トルク検出手段4(または34)の
ローパスフィルタ回路21a、ボトムホールド回路22
a(または整流回路51a)および増幅回路23aが、
変位センサ3(または33)からのパルス過渡応答電圧
Vs1(または誘起電圧Vs1)からボトム電圧Vt1
(または整流誘起電圧Vt1)を検出する(ステップS
1)。また、トルク検出手段4(または34)のローパ
スフィルタ回路21c、ボトムホールド回路22c(ま
たは整流回路51c)および増幅回路23bが、変位セ
ンサ3(または33)からのパルス過渡応答電圧Vs2
(または誘起電圧Vs2)からボトム電圧Vt2(また
は整流誘起電圧Vt2)を検出する(ステップS1) なお、本実施の形態では、ステップS1の処理が、特許
請求の範囲に記載の第1検出工程に相当する。
【0062】また、トルク検出手段4(または34)の
ローパスフィルタ回路21b、ボトムホールド回路22
b(または整流回路51b)および増幅回路23cが、
変位センサ3(または33)からのパルス過渡応答電圧
Vs3(または誘起電圧Vs3)からボトム電圧Vt3
(または整流誘起電圧Vt3)を検出する(ステップS
2)。また、トルク検出手段4(または34)のローパ
スフィルタ回路21d、ボトムホールド回路22d(ま
たは整流回路51d)および増幅回路23dが、変位セ
ンサ3(または33)からのパルス過渡応答電圧Vs4
(または誘起電圧Vs4)からボトム電圧Vt4(また
は整流誘起電圧Vt4)を検出する(ステップS2)。
なお、ステップS2の処理は、ステップS1の処理と並
行して行う。なお、本実施の形態では、ステップS2の
処理が、特許請求の範囲に記載の第2検出工程に相当す
る。
【0063】次に、トルク検出手段4(または34)の
差動増幅回路24aが、増幅回路23aからのボトム電
圧Vt1(または整流誘起電圧Vt1)と増幅回路23
bからのボトム電圧Vt2(または整流誘起電圧Vt
2)とから偏差電圧Vt5を検出する(ステップS
3)。なお、本実施の形態では、ステップS3の処理
が、特許請求の範囲に記載の第1偏差検出工程に相当す
る。
【0064】また、トルク検出手段4(または34)の
差動増幅回路24bが、増幅回路23cからのボトム電
圧Vt3(または整流誘起電圧Vt3)と増幅回路23
dからのボトム電圧Vt4(または整流誘起電圧Vt
4)とから偏差電圧Vt6を検出する(ステップS
4)。なお、ステップS4の処理は、ステップS3の処
理と並行して行う。なお、本実施の形態では、ステップ
S4の処理が、特許請求の範囲に記載の第2偏差検出工
程に相当する。
【0065】次に、制御装置5が、トルク検出手段4
(または34)から偏差電圧Vt5と偏差電圧Vt6を
取り込み、偏差電圧Vt5から偏差電圧Vt6を減算
し、判定値JVを演算する(ステップS5)。さらに、
制御装置5は、判定値JVが所定電圧以上か否かを判定
する(ステップS6)。つまり、制御装置5は、トルク
センサTS(変位センサ3または33)からトルク検出
手段(変位検出手段)4(または34)へのパルス過渡
応答電圧Vs1〜Vs4(または誘起電圧Vs1〜Vs
4)の入力部分のコネクタ部に接触抵抗が所定抵抗値以
上発生しているか否かを判定する。なお、判定値JVを
判定する基準の所定電圧は、変位検出器1(または3
1)を故障として検出する接触抵抗の抵抗値から決定す
る。また、この接触抵抗の抵抗値は、できるだけ小さい
値とし、変位検出器1(または31)の故障判定精度等
を考慮して設定する。
【0066】そして、判定値JVが所定電圧以上の場
合、制御装置5は、トルク検出器TD(変位検出器1ま
たは31)が故障と判定する(ステップS7)。つま
り、トルク検出器TD(変位検出器1または31)に接
触抵抗が所定抵抗値以上発生している。そして、制御装
置5は、トルク検出器TDによる制御を停止する(ステ
ップS8)。
【0067】他方、判定値JVが所定電圧未満の場合、
制御装置5は、トルク検出器TD(変位検出器1または
31)が正常と判定する(ステップS9)。そして、制
御装置5は、トルク検出器TDによる制御を継続する
(ステップS10)。なお、本実施の形態では、ステッ
プS5,S6,S7,S9の処理が、特許請求の範囲に
記載の故障判定工程に相当する。
【0068】この故障診断方法によれば、偏差電圧Vt
5および偏差電圧Vt6を検出するために並行して同様
工程を設け、この偏差電圧Vt5と偏差電圧Vt6の差
からトルク検出器TD(変位検出器1または31)の故
障判定を行ったので、非常に故障判定精度が向上する。
さらに、温度変化によって偏差電圧Vt5、Vt6は変
動しないので、判定精度を厳しくしても、誤判定しな
い。
【0069】以上、本発明は、前記の実施の形態に限定
されることなく、様々な形態で実施される。例えば、ト
ルク検出手段4(または34)アナログ回路で構成した
が、ディジタル回路で構成してもよい。また、マイクロ
プロセッサを用いてもよい。また、変位検出器1(また
は31)をトルク検出器TDに組み込んだが、2個の検
出コイルのインダクタンスの変化を変換した電圧(ひい
ては、偏差電圧)を2系統で検出できれば、変位検出器
を単独で使用したり、他の検出器に組み込んで使用して
もよい。
【0070】
【発明の効果】本発明に係る変位検出器の故障診断装置
は、コネクタ部等に発生する接触抵抗の変化に敏感に変
化する偏差電圧を、変位検出器からの同一の電圧に基づ
いて第1偏差電圧と第2偏差電圧の2系統検出できる構
成とした。そして、この故障診断装置は、第1偏差電圧
と第2偏差電圧に基づいて変位検出器の故障を判定する
ので、故障診断精度が非常に向上する。さらに、温度変
化によって第1偏差電圧および第2偏差電圧は変動しな
いので、判定精度を上げても、誤判定しない。その結
果、この故障診断装置は、接触抵抗の抵抗値が小さい段
階で変位検出器を故障と判定でき、変位検出器の検出精
度が低下する前に変位検出器の使用を停止することがで
きる。
【0071】本発明に係る変位検出器の故障診断方法
は、変位検出器からの同一の電圧に基づいて第1偏差電
圧と第2偏差電圧を検出できる同様の工程を並行して設
け、この第1偏差電圧と第2偏差電圧に基づいて変位検
出器の故障を判定することができる。つまり、偏差電圧
はコネクタ部等に発生する接触抵抗の変化に非常に敏感
に変化するので、2つの第1偏差電圧と第2偏差電圧を
比較することによって、故障診断精度が非常に向上す
る。さらに、温度変化によって第1偏差電圧および第2
偏差電圧は変動しないので、判定精度を上げても、誤判
定しない。その結果、この故障診断方法は、接触抵抗の
抵抗値が小さい段階で変位検出器を故障と判定でき、変
位検出器の検出精度が低下する前に変位検出器の使用を
停止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るトルク検出器(変位検
出器)およびその故障診断装置の全体構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係るトルク検出器における
変位検出器であり、(a)は変位センサの要部構成図で
あり、(b)は変位センサの等価回路図である。
【図3】図2の変位センサのパルス過渡応答電圧の波形
である。
【図4】図1のトルク検出手段における各部の波形であ
り、(a)はパルス発生回路からの時間に対するパルス
電圧波形であり、(b)はトルクセンサ(変位センサ)
からの時間に対するパルス過渡応答電圧波形であり(な
お、変位センサのコアが変位していない場合)、(c)
はローパスフィルタ回路を通過した時間に対するパルス
過渡応答電圧波形であり(なお、変位センサのコアが変
位している場合)、(d)はボトムホールド回路および
増幅回路を通過した入力トルクに対するボトム電圧波形
であり、(e)は差動増幅回路を通過した入力トルクに
対する偏差電圧波形である。
【図5】本実施の形態に係るトルク検出器(変位検出
器)に接触抵抗が発生した場合の接触抵抗に対する偏差
電圧の変化を示すグラフである。
【図6】第2の実施の形態に係るトルク検出器(変位検
出器)およびその故障診断装置の全体構成図である。
【図7】第2の実施の形態に係るトルク検出器における
変位検出器であり、(a)は変位センサの要部構成図で
あり、(b)は変位センサの誘起電圧を整流した波形で
ある。
【図8】本実施の形態に係るトルク検出器における変位
検出器の故障診断方法を示すフローチャートである。
【図9】従来のトルク検出器における変位検出器の入力
トルクに対する過渡応答電圧のボトム電圧波形である。
【符号の説明】
1,31・・・変位検出器 2,32・・・故障診断装置 3,33・・・変位センサ 4,34・・・トルク検出手段(変位検出手段) 5・・・制御装置(故障判定手段) 10,40・・・コア 11a,11b・・・検出コイル 42a,42b・・・二次検出コイル(検出コイル) 22a,22c・・・ボトムホールド回路(第1検出手
段) 22b,22d・・・ボトムホールド回路(第2検出手
段) 23a,23b・・・増幅回路(第1検出手段) 23c、23d・・・増幅回路(第2検出手段) 24a・・・差動増幅回路(第1偏差検出手段) 24b・・・差動増幅回路(第2偏差検出手段) 51a,51c・・・整流回路(第1検出手段) 51b,51d・・・整流回路(第2検出手段) TD・・・トルク検出器 TS・・・トルクセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹嶋 晃治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 2F063 AA02 AA34 BA30 CA02 CA09 CA40 DA01 DA21 DD03 GA04 GA15 GA16 GA29 GA30 LA02 LA06 LA11 LA13 LA23 LA27 LA29 2F077 AA02 CC02 FF04 FF12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中立位置から両方向に変位可能なコア
    と、前記中立位置から前記コアの変位方向に対称に配置
    され、前記コアの変位に対応してインダクタンスが差動
    で変化する2個の検出コイルと、前記2個の検出コイル
    のインダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換し、前
    記2つの電圧の偏差電圧に基づいて前記コアの変位量と
    変位方向を検出する変位検出器の故障を診断する故障診
    断装置であって、 前記2個の検出コイルのインダクタンスの変化を電圧の
    変化に各々変換して検出する第1検出手段と、 前記第1検出手段とは別に、前記2個の検出コイルのイ
    ンダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換して検出す
    る第2検出手段と、 前記第1検出手段で検出した2つの電圧から第1偏差電
    圧を検出する第1偏差検出手段と、 前記第2検出手段で検出した2つの電圧から第2偏差電
    圧を検出する第2偏差検出手段と、 前記第1偏差電圧と前記第2偏差電圧に基づいて、前記
    変位検出器の故障を判定する故障判定手段と、 を備えることを特徴とする変位検出器の故障診断装置。
  2. 【請求項2】 中立位置から両方向に変位可能なコア
    と、前記中立位置から前記コアの変位方向に対称に配置
    され、前記コアの変位に対応してインダクタンスが差動
    で変化する2個の検出コイルと、前記2個の検出コイル
    のインダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換し、前
    記2つの電圧の偏差電圧に基づいて前記コアの変位量と
    変位方向を検出する変位検出器の故障を診断する故障診
    断方法であって、 前記2個の検出コイルのインダクタンスの変化を電圧の
    変化に各々変換して検出する第1検出工程と、 前記第1検出工程とは別に、前記2個の検出コイルのイ
    ンダクタンスの変化を電圧の変化に各々変換して検出す
    る第2検出工程と、 前記第1検出工程で検出した2つの電圧から第1偏差電
    圧を検出する第1偏差検出工程と、 前記第2検出工程で検出した2つの電圧から第2偏差電
    圧を検出する第2偏差検出工程と、 前記第1偏差電圧と前記第2偏差電圧に基づいて、前記
    変位検出器の故障を判定する故障判定工程と、 を含むことを特徴とする変位検出器の故障診断方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100572397B1 (ko) * 2004-11-16 2006-04-18 현대모비스 주식회사 차량의 조향장치용 토크센서의 고장진단 시스템 및 그의방법
JP2010249825A (ja) * 2010-05-11 2010-11-04 Amitec:Kk トルクセンサ
WO2012163191A1 (zh) * 2011-05-30 2012-12-06 湖南三一智能控制设备有限公司 一种变送器故障诊断电路及方法

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