JP2003206796A - 筒内噴射式内燃機関 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関

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JP2003206796A
JP2003206796A JP2002003735A JP2002003735A JP2003206796A JP 2003206796 A JP2003206796 A JP 2003206796A JP 2002003735 A JP2002003735 A JP 2002003735A JP 2002003735 A JP2002003735 A JP 2002003735A JP 2003206796 A JP2003206796 A JP 2003206796A
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injection
piston
spark plug
internal combustion
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Kenichi Saito
健一 齋藤
Mitsuhiro Nomura
光宏 野村
Yasuhito Tsutsumi
泰人 堤
Shizuo Abe
静生 安部
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • F02D41/30Controlling fuel injection
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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プレイグニッションの発生を確実に抑制するこ
とのできる筒内噴射式内燃機関を提供する。 【解決手段】筒内噴射式のエンジン11では、燃料噴射
弁23から燃焼室16に直接噴射された燃料19と空気
の混合気が点火プラグ24により着火及び燃焼され、そ
の燃焼にともない生じた燃焼ガスによりピストン15が
往復動される。エンジン11は、イオンセンサ29及び
電子制御装置(ECU)31を備える。イオンセンサ2
9はプレイグニッションの発生又は発生直前の状況を検
出する。ECU31は、イオンセンサ29によるプレイ
グニッション発生検出時に燃料噴射弁23を制御するこ
とにより、吸気行程の上死点近傍で点火プラグ24に燃
料19が到達するように燃料噴射弁23に燃料噴射を行
わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室に直接噴射
された燃料と空気の混合気を点火プラグにより着火及び
燃焼させ、その燃焼にともない生じた燃焼ガスによりピ
ストンを往復動させるようにした筒内噴射式内燃機関に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料及び空気の混合気を点火プラグの火
花により着火及び燃焼させるようにした内燃機関では、
いわゆるプレイグニッションと呼ばれる異常燃焼が発生
する場合がある。プレイグニッションは、点火プラグに
よる本来の点火よりも前に、その点火プラグ自身の熱等
によって混合気が自然着火する現象である。そこで、こ
うしたプレイグニッションを防止・抑制する技術が種々
提案されている。その1つに、特開平1−273872
号公報に開示された「2サイクル内燃機関の燃焼室」が
ある。
【0003】この2サイクル内燃機関では、シリンダヘ
ッドの内壁面から燃焼室に向けて延びるマスク壁を、給
気弁と排気弁との間に形成している。給気弁の周縁部の
うち排気弁側の部分と弁座との間の開口を、前記マスク
壁により給気弁の全開弁期間にわたって閉鎖している。
また、給気弁側のシリンダヘッドの内壁面周辺部に点火
プラグを配置するとともに、給気ポート内に燃料を供給
するようにしている。このように給気流の方向に点火プ
ラグを配置することで、燃料噴射弁から噴射されて給気
弁のかさ部に衝突して霧化した燃料の一部が、点火プラ
グの周りに導かれる。また、流入したばかりの温度の低
い空気が点火プラグの周りに導かれる。これらの燃料及
び空気によって点火プラグが冷却され、その点火プラグ
の温度が下がってプレイグニッションの発生が抑制され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では前
述した内燃機関として、燃費と出力の両立を図るため
に、燃焼室に高圧の燃料を直接噴射するようにした筒内
噴射式の内燃機関が採用される傾向にある。筒内噴射式
内燃機関には、ポート噴射式の内燃機関とは異なり種々
の形態で混合気を燃焼させることができる特徴がある。
この燃焼形態としては、例えば、燃料噴射弁からの噴射
燃料を燃焼室内の点火プラグの周りに偏在させた状態で
燃焼させる、成層燃焼と呼ばれるものがある。また、燃
料噴射弁からの噴射燃料を燃焼室内全体に拡散させた状
態で燃焼させる、均質燃焼と呼ばれるものもある。この
筒内噴射式内燃機関においても、前述したプレイグニッ
ションの発生が問題となる。
【0005】ところが、前記公報では、2サイクル内燃
機関におけるプレイグニッションの抑制については記載
されているものの、点火プラグの温度を下げるという課
題に対し、筒内噴射式内燃機関にどのように適用するか
についての記載はされていない。
【0006】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、筒内噴射式内燃機関におい
てもプレイグニッションの発生を確実に抑制することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の発明では、燃焼室に直接噴射された燃料と
空気の混合気を点火プラグにより着火及び燃焼させ、そ
の燃焼にともない生じた燃焼ガスによりピストンを往復
動させるようにした筒内噴射式内燃機関において、プレ
イグニッションの発生又は発生直前の状況を検出する検
出手段と、前記検出手段による前記状況の検出に応じ、
吸気行程の上死点近傍で前記点火プラグに前記燃料が到
達するように燃料噴射を行う燃料噴射手段とを備えてい
る。
【0008】上記の構成によれば、燃焼室内がプレイグ
ニッションの発生又は発生直前の状況になると、その状
況が検出手段によって検出される。この検出時には、燃
料噴射手段により通常とは異なる形態で燃料噴射が行わ
れる。この噴射により、ピストンが吸気行程において上
死点近傍を移動するとき、点火プラグに燃料が到達す
る。この燃料が気化する際に点火プラグから熱(気化潜
熱)が奪われて、点火プラグの温度が下がり、プレイグ
ニッションの発生が抑制される。
【0009】また、一般に圧縮比(燃焼室の圧縮前の最
大容積と圧縮後の最小容積との比)を上げるにつれて点
火プラグの温度が上がってプレイグニッションが発生し
やすくなるため、通常は圧縮比を上げるにも限度があ
る。しかし、請求項1に記載の発明では、点火プラグの
温度が下がってプレイグニッションが発生しにくくなる
ことから、その分、圧縮比を高くすることが可能とな
る。これにともない爆発圧力が大きくなり、内燃機関の
出力が増大する。
【0010】一方、低い温度で液状の燃料が点火プラグ
に当たると、燻りが発生する場合がある。これに対し、
請求項1に記載の発明では、前記の燃料噴射がプレイグ
ニッションの発生又は発生直前の状況になった場合にの
み行われる。このような状況が検出されない内燃機関の
通常運転時には、点火プラグに燃料が液体の状態で当た
ることはない。従って、通常運転時には、液状の燃料が
点火プラグに付着することによる燻りの発生を抑え、混
合気の着火性の低下を抑制することができる。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記燃料噴射手段は、前記燃料が前
記ピストンの頂面に当たって前記点火プラグ側へ方向を
変えるように、前記ピストンが前記吸気行程の上死点近
傍を移動するときに前記燃料を前記ピストンに向けて噴
射するものであるとする。
【0012】上記の構成によれば、プレイグニッション
の発生又は発生直前の状況が検出された場合には、ピス
トンが吸気行程の上死点近傍を移動するとき、燃料噴射
手段により燃料がピストンに向けて噴射される。この燃
料は、ピストンの頂面に当たって跳ね返り、向きを変え
て点火プラグに到達する。
【0013】一方、前記プレイグニッションの発生又は
発生直前の状況が検出されない場合には、前記上死点近
傍よりも下方へピストンが移動したときに燃料噴射手段
によって燃料が噴射されれば、その燃料は空気に対し均
一に混合して均質な混合気となる。従って、既存の筒内
噴射式内燃機関に対し新たに装置を付加しなくても、均
質な混合気を形成するための噴霧形態を維持しつつ、プ
レイグニッションの発生時又は発生直前時には燃料を点
火プラグに導くことができる。請求項3に記載の発明で
は、請求項1又は2に記載の発明において、前記上死点
近傍での噴射とは別に、前記噴射と同一の吸気行程にお
いて、前記ピストンが前記上死点近傍よりも下方へ移動
したときに第2の燃料噴射を行う第2燃料噴射手段をさ
らに備えるとする。
【0014】上記の構成によれば、上死点近傍での燃料
の噴射と同一の吸気行程において、ピストンが上死点近
傍よりもさらに下方へ移動すると、第2燃料噴射手段に
より第2の燃料噴射が行われる。この燃料は空気と混ざ
って均質な混合気となる。このように、プレイグニッシ
ョン抑制を目的として燃料が点火プラグに導かれる場合
にも、均質な混合気形成のための燃料噴射を行うこと
で、その混合気の燃焼を良好に保つことができる。
【0015】また、第2の燃料噴射に従って噴射された
燃料が気化する際には空気から熱(気化潜熱)が奪わ
れ、その空気の温度が下がって密度が小さくなる。この
ため、シリンダ内により多くの空気、ひいてはより多く
の混合気を充てんして、内燃機関の出力を高めることが
可能となる。
【0016】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
3に記載の発明において、前記ピストンの頂部には、前
記燃料の進行方向を前記点火プラグに向かう方向に変更
するためのキャビティが形成されているとする。
【0017】上記の構成によれば、プレイグニッション
の発生又は発生直前の状況が検出された場合には、ピス
トンが吸気行程の上死点近傍を移動するとき、燃料噴射
手段により燃料がピストンに向けて噴射される。燃料が
キャビティの内面に沿って流れる過程で、その進行方向
が点火プラグに向かう方向に変えられる。そのため、ピ
ストン頂面を略平らにした場合に比べ、燃料を効率よく
点火プラグに導くことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明
を、車両用の筒内噴射火花点火式のガソリンエンジン
(以下、単に「エンジン」という)に具体化した第1実
施形態について、図1〜図4に従って説明する。
【0019】図1及び図2に示すように、エンジン11
はシリンダヘッド12と、複数のシリンダ(両図ではそ
の1つを示す)13を有するシリンダブロック14とを
備えている。各シリンダ13内には、ピストン15が往
復動可能に収容されている。各ピストン15の頂面15
aは略平らに形成されている。各ピストン15は、図示
しないコネクティングロッドを介し、出力軸であるクラ
ンク軸に連結されている。各ピストン15の往復運動
は、コネクティングロッドによって回転運動に変換され
た後、クランク軸に伝達される。
【0020】ピストン15の頂面15a、シリンダ13
の内壁面、及びシリンダヘッド12の下面によって囲ま
れた空間は燃焼室16となっている。シリンダヘッド1
2には、各燃焼室16に連通する吸気ポート17及び排
気ポート18がシリンダ13毎に設けられている。各ポ
ート17,18は、シリンダヘッド12に往復動可能に
支持された吸気バルブ21及び排気バルブ22によって
開放又は閉鎖される。
【0021】吸気ポート17には、図示しないスロット
ル弁等を有する吸気通路が接続されており、エンジン1
1の外部の空気が、吸気通路及び吸気ポート17を通過
して燃焼室16に取り込まれる。スロットル弁は吸気通
路内に回動可能に支持されている。吸気通路を流れる空
気の量である吸入空気量は、スロットル弁の回動角度で
あるスロットル開度に応じて変化する。
【0022】シリンダヘッド12には、燃料噴射弁23
が各シリンダ13に対応して取付けられている。燃料噴
射弁23は、ピストン15が下降する吸気行程におい
て、斜め下方へ向けて(ピストン15に向けて)燃料1
9を噴射する。そして、噴射された燃料19は気化し、
吸気ポート17を通って燃焼室16内に導入される吸入
空気と混ざり合って略均質な混合気となる。
【0023】シリンダヘッド12の下部において、各シ
リンダ13の中心軸線近傍には点火プラグ24が取付け
られている。前記混合気は、点火プラグ24の電気火花
によって着火され、爆発・燃焼する。このときに生じた
高温高圧の燃焼ガスによりピストン15が往復動され、
クランク軸が回転されて、エンジン11の駆動力が得ら
れる。一方、排気ポート18には図示しない排気通路が
接続されている。燃焼によって生じた燃焼室16内のガ
ス(排気ガス)は排気ポート18の開放にともない燃焼
室16から導出され、排気通路を通ってエンジン11の
外部へ排出される。
【0024】車両には、エンジン11の運転状態を検出
するために各種センサが取付けられている。例えば、ク
ランク軸の近傍には、そのクランク軸が一定角度回転す
る毎にパルス状の信号を発生するクランク角センサ25
が設けられている。この信号は、クランク軸の回転角度
(クランク角)及び回転速度(エンジン回転速度)の算
出に用いられる。吸気通路のスロットル弁の近傍には、
スロットル開度を検出するスロットルセンサ26が配置
されている。吸気通路において、スロットル弁よりも下
流側には、吸入空気の圧力(吸気圧)を検出する吸気圧
センサ27が設けられている。そのほかにも、運転者に
よるアクセルペダルの踏込み量(アクセル開度)を検出
するアクセルセンサ28が設けられている。
【0025】さらに、プレイグニッションの発生又は発
生直前の状況を検出する手段として、イオンセンサ29
が用いられている。ここで、プレイグニッションは、点
火プラグ24から始まって燃焼室16の全体に燃え広が
る通常の燃焼とは異なる燃焼形態(異常燃焼)の一種で
あり、点火プラグ24による本来の点火の前に、他の熱
源により混合気への点火が起こる現象である。他の熱源
としては、例えばカーボンの堆積等により、点火プラグ
24にできるホットスポット(熱が集中して高温に保た
れる箇所)が挙げられる。また、プレイグニッションの
発生時にはイオンが発生し、このイオンが点火プラグ2
4の電極に到達すると、そのイオンにより点火プラグ2
4の電極間にイオン電流が流れることがわかっている。
イオンセンサ29は、この現象を利用してイオン電流を
検出し、もってプレイグニッションの発生を検出する。
【0026】前記各種センサ25〜29の検出値に基づ
きエンジン11の各部を制御するために、車両には電子
制御装置(Electronic Control Unit : ECU)31
が用いられている。ECU31はマイクロコンピュータ
を中心として構成されており、中央処理装置(CPU)
が、読出し専用メモリ(ROM)に記憶されている制御
プログラム、初期データ、制御マップ等に従って演算処
理を行い、その演算結果に基づいて各種制御を実行す
る。CPUによる演算結果は、ランダムアクセスメモリ
(RAM)において一時的に記憶される。
【0027】各種制御として、ECU31は、例えばク
ランク角センサ25によるエンジン回転速度、アクセル
センサ28によるアクセル開度(又は吸気圧センサ27
による吸気圧)等に基づき燃料噴射量を算出する。ま
た、ECU31はプレイグニッションの発生の有無に基
づき燃料19の噴射時期A,Bを算出する。
【0028】噴射時期Aは、プレイグニッションの発生
又は発生直前の状況になっている場合に算出される噴射
時期である。噴射時期Bは、「吸気行程で噴射した燃料
19がピストン15の頂面15aに当たって跳ね返り点
火プラグ24に至る」という条件が満たされる時期に決
定される。この決定に際してはエンジン回転速度が考慮
される。エンジン回転速度に応じてピストン15の移動
速度が異なり、それにともない噴射された燃料19がピ
ストン15の頂面15aに当たるタイミングが異なって
くるからである。具体的には、クランク軸が吸気上死点
よりも若干回転したとき、すなわち、図1に示すよう
に、ピストン15が上死点近傍を移動しているときが噴
射時期Aとされる。
【0029】噴射時期Bは、プレイグニッションが発生
していない通常の運転時に算出される噴射時期であり、
例えば、エンジン回転速度、エンジン負荷(例えばアク
セル開度、吸気圧)等に基づき決定される。この噴射時
期Aで燃料19が噴射されることにより、エンジン11
の出力がそのときの運転状況に最適な値となる。具体的
には、クランク軸が吸気上死点から150°CA(C
A:クランク角)程度回転して、ピストン15が図2に
示すように上死点近傍よりも下がったときが噴射時期A
とされる。
【0030】そして、ECU31は前記のようにして算
出したいずれかの噴射時期A,Bを目標噴射時期とし、
この目標噴射時期に従い燃料噴射弁23に通電して燃料
19を噴射させる。また、ECU31は、エンジン負荷
(エンジン回転速度、吸気圧等)に基づき目標点火時期
を算出し、この目標点火時期に従ってイグナイタ(図示
略)を駆動制御して点火プラグ24で電気火花を発生さ
せる。
【0031】次に、前記のように構成された第1実施形
態の作用について説明する。図4のフローチャートは、
ECU31が実行する各処理のうち、燃料噴射弁23へ
の通電を制御して燃焼室16に燃料19を噴射させるル
ーチンを示しており、所定のタイミング、例えば一定時
間毎に行われる。また、図3のフローチャートは、前記
図4の噴射制御ルーチンで用いられる噴射時期切替えフ
ラグFを設定するルーチンを示しており、点火毎に行わ
れる。ここで、噴射時期切替えフラグFは、前記噴射時
期A,Bのいずれを噴射時期とするかを決定する際に用
いられるものであり、プレイグニッションの発生状況に
基づき設定される。
【0032】図3のフラグ設定ルーチンでは、ECU3
1は、まずステップ110において、イオンセンサ29
によって検出されたイオン電流に基づき、プレイグニッ
ションの発生又は発生直前の状況であるかどうかを判定
する。具体的には、イオンセンサ29の検出値が判定値
よりも大きいか否かを判定する。検出値が判定値よりも
大きい場合には、プレイグニッションの発生又は発生直
前の状況であるとし、小さい場合にはそのような発生状
況にないとする。ステップ110の判定条件が満たされ
ていると、ステップ120で噴射時期切替えフラグを
「1」に設定し、満たされていないと、ステップ130
で同フラグFを「0」に設定する。そして、ステップ1
20又は130の処理を経た後にフラグ設定ルーチンを
一旦終了する。
【0033】図4の噴射制御ルーチンでは、ECU31
は、まずステップ210において、前記フラグ設定ルー
チンで設定された噴射時期切替えフラグFが「1」であ
るかどうかを判定する。この判定条件が満たされている
(F=1)と、ステップ220で前記噴射時期Aを目標
噴射時期として設定し、満たされていない(F=0)と
ステップ230で前記噴射時期Bを目標噴射時期として
設定する。次に、ステップ240において、前記ステッ
プ220又は230で設定された目標噴射時期になる
と、別途算出した燃料噴射量に対応した時間にわたり燃
料噴射弁23に通電する。目標噴射時期になったかどう
かは、クランク角センサ25による現在のクランク角が
前記目標噴射時期に対応するクランク角と同じであるか
どうかによって判定する。そして、ステップ240の処
理を経た後、噴射制御ルーチンを一旦終了する。このよ
うに噴射制御ルーチンによると、プレイグニッションの
発生又は発生直前の状況になると、燃料19の噴射時期
がBからAに切替えられ、この状況が解消すると元の噴
射時期Bに戻される。
【0034】以上詳述した第1実施形態によれば、次に
示す効果が得られる。 (1)プレイグニッションの発生又は発生直前の状況を
イオンセンサ29によって検出した場合、通常の噴射時
期Bとは異なる噴射時期Aに従って燃料噴射を行うよう
にしている(ステップ110,120,210,22
0,240)。このように噴射時期をA及びB間で変更
することにより、ピストン15が吸気行程において上死
点近傍を移動する際、点火プラグ24に燃料19が到達
する。この燃料19が気化する際に点火プラグ24から
熱(気化潜熱)が奪われ、点火プラグ24の温度が下が
るため、プレイグニッションの発生が抑制される。この
効果は、吸気ポートに燃料を噴射するようにしたタイプ
のエンジンでは得られない。これは、ポート噴射式のエ
ンジンでは、噴射された燃料が点火プラグに直接当たる
前に気化してしまうからである。
【0035】(2)一般に、圧縮比(燃焼室16の圧縮
前の最大容積と圧縮後の最小容積との比)を上げるにつ
れて、点火プラグ24の温度が上がってプレイグニッシ
ョンが発生しやすくなるため、通常は圧縮比を上げるに
も限度がある。しかし、前記のように点火プラグ24の
温度が下がってプレイグニッションが発生しにくくなる
ことから、その分、圧縮比を高くすることが可能とな
る。これにともない爆発圧力が大きくなり、エンジン1
1の出力を増大させることができる。
【0036】(3)低い温度で液状の燃料19が点火プ
ラグ24に当たると、燻りが発生する場合がある。これ
に対し、第1実施形態では、噴射時期Aでの燃料噴射
を、プレイグニッションの発生又は発生直前の状況にな
った場合にのみ行う。このような状況が検出されない通
常運転時には、点火時期Bに従って燃料噴射を行うよう
にしている(ステップ110,130,210,23
0,240)。このため、通常運転時に点火プラグ24
に燃料19が液体の状態で当たることはない。従って、
通常運転時には液状の燃料19が点火プラグ24に付着
することに起因する燻りの発生を抑え、混合気の着火性
の低下を抑制することができる。
【0037】(4)プレイグニッションの発生又は発生
直前の状況を検出した場合に、噴射時期Aを目標噴射時
期として設定している(ステップ110,120,21
0,220)。この目標噴射時期に従う(ステップ24
0)ことで、図1に示すようにピストン15が吸気行程
の上死点近傍を移動するとき、燃料噴射弁23から噴射
された燃料19が、ピストン15の頂面15aに当たっ
て跳ね返り、向きを変えて点火プラグ24に到達する。
【0038】一方、前記の状況を検出しない場合には、
噴射時期Bを目標噴射時期として設定している(ステッ
プ210,230)。この目標噴射時期に従う(ステッ
プ240)ことで、図2に示すように、吸気上死点近傍
よりも下方へピストン15が移動したときに燃料噴射弁
23から燃料19が噴射される。この燃料19は、ピス
トン15に到達する前に空気に対し均一に混合して均質
な混合気となる。
【0039】従って、既存の筒内噴射式のエンジン11
に対し新たに装置を付加しなくても、均質な混合気を形
成するための噴霧形態を維持しつつ、プレイグニッショ
ンの発生時又は発生直前時に燃料19を点火プラグ24
に導くことができる。
【0040】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態について図5に従って説明する。前述した第1実施
形態では、同一の吸気行程において、噴射時期A及び噴
射時期Bのいずれか一方に従って燃料19を噴射するよ
うにしている。これに対し、第2実施形態では、プレイ
グニッションの発生の有無にかかわらず、各吸気行程に
おいて噴射時期Bになると常に燃料噴射を行う。そし
て、プレイグニッションが発生した場合には、噴射時期
Bに先立ち噴射時期Aでも燃料19を噴射するようにし
ている。それ以外の点、例えばエンジン11の各部の構
成やフラグ設定ルーチンについては第1実施形態と同様
である。そのため、第1実施形態と重複している箇所に
ついては説明を省略する。
【0041】図5は、ECU31によって実行される処
理のうち、前述した図4に対応する噴射制御ルーチンを
示している。この噴射制御ルーチンでは、ECU31は
まずステップ310において、前記図3のフラグ設定ル
ーチンで設定された噴射時期切替えフラグFが「0」で
あるかどうかを判定する。この判定条件が満たされてい
ない(F=1)と、ステップ320で噴射時期Aに従い
燃料噴射弁23に通電する。この場合、噴射時期Aが目
標噴射時期とされる。続いて、ステップ330におい
て、同一吸気行程の噴射時期Bに従い、別途算出した燃
料噴射量に対応した時間にわたり燃料噴射弁23に通電
する。この場合、噴射時期Bが目標噴射時期とされる。
従って、F=1の場合には、同一の吸気行程において、
噴射時期Aと噴射時期Bとにそれぞれ従って、合計2回
の燃料噴射が行われることとなる。ステップ330の処
理を経た後、噴射制御ルーチンを一旦終了する。
【0042】これに対し、ステップ310の判定条件が
満たされている(F=0)と、前述したステップ320
の処理を行うことなく、ステップ330の処理を行った
後、噴射制御ルーチンを一旦終了する。従って、F=0
の場合、吸気行程では噴射時期Bのみに従って1回の燃
料噴射が行われる。
【0043】以上詳述した第2実施形態によれば、前記
(1)〜(4)の効果に加え、次に示す効果も得られ
る。 (5)プレイグニッションの発生時又は発生直前時に
は、噴射時期Aに従って行われる吸気上死点近傍での噴
射(第1の燃料噴射)に加え、同一吸気行程において、
ピストン15が上死点近傍よりも下方へ移動した噴射時
期Bに従って第2の燃料噴射を行うようにしている(ス
テップ310,320,330)。このため、噴射され
た燃料19は吸気と混ざって均質な混合気となる。この
ように、プレイグニッションの抑制を目的として燃料1
9が点火プラグ24に導かれる場合にも、均質な混合気
形成のための燃料噴射を行うことで、その混合気の燃焼
を良好に保つことができる。
【0044】(6)噴射時期Bに従った燃料噴射では、
吸気行程においてピストン15が上死点近傍よりも下方
へ移動したときに燃料19が噴射される。この燃料19
が気化する際に空気から熱(気化潜熱)が奪われ、その
空気の温度が下がって密度が小さくなる。このため、シ
リンダ13内により多くの空気、ひいてはより多くの混
合気を充てんして、エンジン11の出力を高めることが
できる。
【0045】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態を図6及び図7に従って説明する。エンジン11の
各部の構成について、第1及び第2実施形態との相違点
は、ピストン15の形状である。ピストン15の頂部に
おける吸気ポート17寄りの箇所、詳しくは、点火プラ
グ24と燃料噴射弁23とによって挟まれた箇所には、
凹状をなす平面略楕円形のキャビティ35が形成されて
いる。このキャビティ35は、燃料噴射弁23から噴射
された燃料19の進行方向を点火プラグ24に向かう方
向に変更するためのものである。キャビティ35の周縁
部(頂面15aとの境界部分)において点火プラグ24
寄りの箇所には、リップ部35aが形成されている。リ
ップ部35aは、頂面15a側ほど点火プラグ24及び
排気ポート18に近づくように傾斜している。そして、
ピストン15が吸気上死点近傍へ移動したとき、リップ
部35aの接線上に点火プラグ24が位置するように設
定されている。
【0046】ここで、成層燃焼を行う一般的な筒内噴射
式エンジンにおいても、頂部にキャビティを有するピス
トンが用いられる場合がある。成層燃焼は、エンジンの
低負荷時等において、圧縮行程(ピストンの上昇中)の
後半に燃料をピストンの頂部に向けて噴射することによ
り、混合気を層状化し、その後に点火を行う燃焼方式で
ある。別の表現をすると、成層燃焼は、燃料の噴射時期
を可能な限り遅らせることで、燃料が燃焼室の全体に拡
散する前に、点火プラグの周辺には燃料の濃い(理論空
燃比程度)混合気の層を形成し、その周りには燃料の少
ない混合気の層を形成する方式である。この場合のキャ
ビティは、着火性の良好な可燃混合気を、比較的短時間
で点火プラグの近傍に形成するために設けられている。
従って、キャビティの一方(点火プラグ側)の周縁部
は、点火プラグを越えて排気ポート側まで延びている。
【0047】これに対し、第3実施形態でのキャビティ
35は、前述したように燃料噴射弁23から噴射された
燃料19の進行方向を点火プラグ24に向かう方向に変
更するためのものである。キャビティ35の一方(点火
プラグ24側)の周縁部は、点火プラグ24の下方近傍
までしか達していない。このように、第3実施形態での
キャビティ35は、上記成層燃焼用のピストンにおける
キャビティとは異なる目的のために設けられている。そ
して、この目的の相違から、キャビティ35の位置、特
に点火プラグ24側の周縁部の位置が前記のように異な
っている。
【0048】なお、前述した事項以外の構成(フラグ設
定ルーチン及び噴射制御ルーチンを含む)は、第1及び
第2実施形態と同様である。そのため、第1及び第2実
施形態と重複している箇所については説明を省略する。
【0049】以上詳述した第3実施形態によれば、前記
(1)〜(6)の効果に加え、次に示す効果も得られ
る。 (7)プレイグニッションの発生又は発生直前の状況が
検出された場合には、ピストン15が吸気行程の上死点
近傍を移動するとき、燃料噴射弁23から燃料19がピ
ストン15に向けて噴射される。
【0050】ここで、キャビティの一方(点火プラグ
側)の周縁部が点火プラグを越えて排気ポート側まで延
びている前記成層燃焼用ピストンでは、燃料がキャビテ
ィの内面に沿って流れる過程で、その燃料の進行方向が
変更される。しかし、この場合には、燃料の進行方向は
排気ポートに向かう側へ変更され、燃料を点火プラグに
当てることが困難である。
【0051】これに対し、第3実施形態では、キャビテ
ィ35の一方(点火プラグ24側)の周縁部が点火プラ
グ24の下方近傍まで延びている。このため、燃料19
がキャビティ35の内面に沿って流れる過程で、その燃
料19の進行方向が点火プラグ24に向かう方向に変更
される。従って、前記成層燃焼用ピストンとは異なり、
燃料19を点火プラグ24に当てることができる。しか
も、ピストン15の頂面15aが略平らに形成された場
合と比べても、燃料19を効率よく点火プラグ24に導
くことができる。
【0052】(8)キャビティ35の点火プラグ24側
の周縁部に、傾斜したリップ部35aを形成している。
このため、燃料19がキャビティ35から離れる際に、
リップ部35aにより、その燃料19をより確実に点火
プラグ24に向かわせることができる。
【0053】なお、本発明は次に示す別の実施形態に具
体化することができる。 ・プレイグニッションの発生又は発生直前の状況を検出
する手段として、前述したイオンセンサ29以外のもの
を用いてもよい。この検出手段としては、例えば点火プ
ラグ24の温度を検出するセンサ(プラグ温度センサ)
が挙げられる。このセンサとしては、例えば熱電対を用
いることができる。一般に、プレイグニッションは、点
火プラグ24の温度がある値を越えると起こる。従っ
て、プラグ温センサによって点火プラグ24の温度を監
視し、同温度が判定値を上回ったかどうかによって、プ
レイグニッションの発生又は発生直前の状況を検出する
ことができる。ただし、プレイグニッションが起こる点
火プラグ24の温度はどの種類のエンジン11でも同じ
であるとは限らない。そのため、実験等によりエンジン
11の種類毎に適切な判定値を設定することが望まし
い。
【0054】そのほかにも、プレイグニッションが発生
しているときには、燃焼圧が通常運転時よりも高くなる
傾向にある。このことを利用して、燃焼室16内の燃焼
圧を検出する燃焼圧センサを前記検出手段として用いる
こともできる。この場合、燃焼圧センサの検出値が判定
値よりも大きいと、プレイグニッションの発生又は発生
直前の状況であると判断する。
【0055】・図8に示すように、本発明を、燃料噴射
弁23から噴射される燃料19の向きを切替える手段を
備えたエンジン11に適用してもよい。この噴射切替え
手段としては、例えば、特開2001−27170号公
報に開示されたものを用いることができる。そして、プ
レイグニッションの発生又は発生直前の状況が検出され
ない場合には、第2の燃料噴射として、図8において実
線で示すように点火プラグ24よりも下方へ向けて(ピ
ストンに向けて)燃料19を噴射させる。プレイグニッ
ションの発生又は発生直前の状況が検出された場合に
は、第1の燃料噴射として、図8において二点鎖線で示
すように、点火プラグ24に向けて燃料19を噴射させ
る。このように、プレイグニッションの発生の状況に応
じ、第1の燃料噴射と第2の燃料噴射との間で噴射形態
を切替える。
【0056】このようにすると、プレイグニッションの
発生しない通常運転時に、第2の燃料噴射を行うこと
で、均質な混合気を形成してその混合気の燃焼を良好に
保つことができる。また、プレイグニッションの発生又
は発生直前に、第1の燃料噴射を行うことで燃料19を
点火プラグ24に当てて温度を下げ、プレイグニッショ
ンの発生を抑制することができる。なお、この場合に
は、ピストンでの燃料の跳ね返りを利用することなく燃
料を点火プラグ24に当てることとなる。
【0057】・図9に示すように、点火プラグ24より
も下方へ燃料19(図9の実線参照)を噴射する燃料噴
射弁23と、点火プラグ24に向けて燃料19(図9の
二点鎖線参照)を噴射する燃料噴射弁36とを用いても
よい。このようにしても、前述した図8と同様にして、
必要なとき(プレイグニッションの発生又は発生直前の
状況が検出されたとき)のみ燃料19を点火プラグ24
に当てて温度を下げることができる。
【0058】・キャビティ35、特にその開口部を第3
実施形態とは異なる形状に変更してもよい。 ・本発明は、点火プラグ24を第1〜第3実施形態とは
異なる箇所に取付けた筒内噴射式内燃機関にも適用可能
である。
【0059】その他、前記各実施形態から把握できる技
術的思想について、それらの効果とともに記載する。 (A)燃焼室に直接噴射された燃料と空気の混合気を点
火プラグにより着火及び燃焼させ、その燃焼にともない
生じた燃焼ガスによりピストンを往復動させるようにし
た筒内噴射式内燃機関において、前記点火プラグに向け
て第1の燃料噴射を行う第1燃料噴射手段と、前記ピス
トンに向けて第2の燃料噴射を行う第2燃料噴射手段
と、プレイグニッションの発生又は発生直前の状況を検
出する検出手段と、前記検出手段による前記状況の検出
に応じ、前記第2燃料噴射手段による前記第2の燃料噴
射から、前記第1燃料噴射手段による前記第1の燃料噴
射に切替える噴射切替え手段とを備えることを特徴とす
る筒内噴射式内燃機関。
【0060】上記の構成によれば、噴射切替え手段は、
プレイグニッションの発生状況に応じて、第1燃料噴射
手段による第1の燃料噴射と、第2燃料噴射手段による
第2の燃料噴射との間で燃料の噴射形態を切替える。こ
のため、プレイグニッションの発生しない通常運転時に
は、第2の燃料噴射を行うことで、均質な混合気を形成
してその混合気の燃焼を良好に保つことができる。ま
た、プレイグニッションの発生又は発生直前には、第1
の燃料噴射を行うことで燃料を点火プラグに当てて温度
を下げ、プレイグニッションの発生を抑制することがで
きる。
【0061】(B)燃料噴射弁から燃焼室に直接噴射さ
れた燃料と空気の混合気を点火プラグにより着火及び燃
焼させる筒内噴射式内燃機関に用いられ、吸気行程の上
死点近傍を移動するとき、プレイグニッションの発生又
は発生直前の状況になっていると、前記燃料噴射弁から
頂部に向けて燃料が噴射されるピストンであって、前記
頂部には前記噴射燃料の進行方向を前記点火プラグに向
かう方向に変更するためのキャビティが形成されている
ことを特徴とする筒内噴射式内燃機関用ピストン。
【0062】上記構成のピストンを筒内噴射式内燃機関
に用いることにより、燃料噴射弁から噴射された燃料を
キャビティによって点火プラグに向かう方向に変えるこ
とができる。このため、燃料を効率よく点火プラグに導
くことができる。
【0063】(C)上記(B)に記載の筒内噴射式内燃
機関用ピストンにおいて、前記キャビティの周縁部に
は、ピストン頂面側ほど点火プラグに近づくように傾斜
したリップ部が形成されている。
【0064】上記構成のピストンを筒内噴射式内燃機関
に用いることにより、燃料がキャビティから離れる際
に、リップ部により、その燃料をより確実に点火プラグ
に向かわせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態において、プレイグニッションの
発生又は発生直前の状況が検出された場合の燃焼室及び
その周辺部分を示す概略断面図。
【図2】プレイグニッションの発生又は発生直前の状況
が検出されない場合の燃焼室及びその周辺部分を示す概
略断面図。
【図3】ECUによって実行される処理のうち、噴射時
期切替えフラグを設定する手順を示すフローチャート。
【図4】噴射制御の手順を示すフローチャート。
【図5】第2実施形態における噴射制御の手順を示すフ
ローチャート。
【図6】第3実施形態において、プレイグニッションの
発生又は発生直前の状況が検出された場合の燃焼室及び
その周辺部分を示す概略断面図。
【図7】ピストン及び燃料噴射弁の概略平面図。
【図8】1つの燃料噴射弁を用いて、燃料の噴射方向を
切替えるようにした別の実施形態を示す概略断面図。
【図9】2つの燃料噴射弁を用いて、燃料の噴射方向を
切替えるようにした別の実施形態を示す概略断面図。
【符号の説明】
11…エンジン(筒内噴射式内燃機関)、15…ピスト
ン、16…燃焼室、19…燃料、23…燃料噴射弁、2
4…点火プラグ、29…イオンセンサ(検出手段)、3
1…ECU(電子制御装置)、35…キャビティ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堤 泰人 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 (72)発明者 安部 静生 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車 株式会社内 Fターム(参考) 3G019 AA09 AB03 CA02 CD06 GA16 3G023 AA01 AB01 AB03 AC04 AC05 AD02 AF01 AF02 AG02 3G084 AA02 AA04 BA13 BA15 BA17 DA28 DA33 DA38 EB22 EC02 FA10 FA11 FA33 FA35 FA38 3G301 HA01 HA03 HA04 HA16 JA21 JA22 LB04 MA03 MA18 MA23 NA08 NE11 PA07Z PA11Z PA18Z PB05A PB05Z PE01Z PE03Z PE09Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼室に直接噴射された燃料と空気の混合
    気を点火プラグにより着火及び燃焼させ、その燃焼にと
    もない生じた燃焼ガスによりピストンを往復動させるよ
    うにした筒内噴射式内燃機関において、 プレイグニッションの発生又は発生直前の状況を検出す
    る検出手段と、 前記検出手段による前記状況の検出に応じ、吸気行程の
    上死点近傍で前記点火プラグに前記燃料が到達するよう
    に燃料噴射を行う燃料噴射手段とを備えることを特徴と
    する筒内噴射式内燃機関。
  2. 【請求項2】前記燃料噴射手段は、前記燃料が前記ピス
    トンの頂面に当たって前記点火プラグ側へ方向を変える
    ように、前記ピストンが前記吸気行程の上死点近傍を移
    動するときに前記燃料を前記ピストンに向けて噴射する
    ものである請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関。
  3. 【請求項3】前記上死点近傍での噴射とは別に、前記噴
    射と同一の吸気行程において、前記ピストンが前記上死
    点近傍よりも下方へ移動したときに第2の燃料噴射を行
    う第2燃料噴射手段をさらに備える請求項1又は2に記
    載の筒内噴射式内燃機関。
  4. 【請求項4】前記ピストンの頂部には、前記燃料の進行
    方向を前記点火プラグに向かう方向に変更するためのキ
    ャビティが形成されている請求項2又は3に記載の筒内
    噴射式内燃機関。
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