JP2018035709A - エンジン制御装置 - Google Patents

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【課題】プレイグニッションの発生時にエンジンが大きく損傷することを抑制する。【解決手段】エンジンを制御するエンジン制御装置であって、エンジンに設けられ、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、エンジンに設けられ、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、混合気の異常燃焼であるプレイグニッションを検出する異常燃焼検出部と、インジェクタの燃料噴射モードとして、プレイグニッションが検出されないときに用いる通常噴射モードと、プレイグニッションが検出されるときに用いる急冷噴射モードと、を少なくとも有する燃料噴射制御部と、を有し、急冷噴射モードにおいては、燃料噴射量が通常噴射モードにおける燃料噴射量よりも増量されるとともに、燃料噴射の終了タイミングTe3が通常噴射モードにおける燃料噴射の終了タイミングTe1よりも遅く設定される。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンを制御するエンジン制御装置に関する。
エンジンの異常燃焼として、衝撃波を伴うノッキングやプレイグニッションがある。これらの異常燃焼はエンジンを損傷させる要因であることから、異常燃焼を検出して対処する装置や方法が提案されている(特許文献1および2参照)。
特開2007−231948号公報 特開平10−321343号公報
ところで、点火プラグによる点火前に混合気が自己着火するプレイグニッションは、ノッキングに比べて抑制することが困難であるため、シリンダ内の状況によってはプレイグニッションが継続的に発生する虞がある。このように、プレイグニッションが継続して発生することは、エンジンを大きく損傷させてしまう要因である。
本発明の目的は、プレイグニッションの発生時にエンジンが大きく損傷することを抑制することにある。
本発明のエンジン制御装置は、エンジンを制御するエンジン制御装置であって、前記エンジンに設けられ、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、前記エンジンに設けられ、前記シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、混合気の異常燃焼であるプレイグニッションを検出する異常燃焼検出部と、前記インジェクタの燃料噴射モードとして、前記プレイグニッションが検出されないときに用いる通常モードと、前記プレイグニッションが検出されるときに用いる第1の異常モードと、を少なくとも有する燃料噴射制御部と、を有し、前記第1の異常モードにおいては、燃料噴射量が前記通常モードにおける燃料噴射量よりも増量されるとともに、燃料噴射の終了タイミングが前記通常モードにおける燃料噴射の終了タイミングよりも遅く設定される。
本発明によれば、プレイグニッションの発生時にエンジンが大きく損傷することを抑制することができる。
本発明の一実施の形態であるエンジン制御装置によって制御されるエンジン11を示す概略図である。 (a)はプレイグニッション発生時のシリンダ内圧変化の一例を示す図であり、(b)はプレイグニッション発生時におけるノックセンサの信号変化の一例を示す図である。 インジェクタの燃料噴射モードを示す説明図である。 (a)〜(c)は、急冷噴射モードにおける燃料噴射状況を順に示す説明図である。 急冷噴射モードにおける点火プラグの温度推移を示す線図である。 燃料噴射モードを切り替える際の手順の一例を示すフローチャートである。 インジェクタの燃料噴射モードの他の例を示す説明図である。 急冷噴射モードにおける点火プラグの温度推移を示す線図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の一実施の形態であるエンジン制御装置10によって制御されるエンジン11を示す概略図である。図1に示すように、直噴式の内燃機関であるエンジン11は、ピストン12が摺動自在に収容されるシリンダブロック13と、このシリンダブロック13に取り付けられるシリンダヘッド14と、を有している。シリンダヘッド14には、燃焼室15つまりシリンダ内に連通する吸気ポート16が形成されており、シリンダ内に連通する排気ポート17が形成されている。また、シリンダヘッド14には、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタ18が組み付けられており、シリンダ内の混合気に点火する点火プラグ19が組み付けられている。
図示するエンジン11は、層状給気によって混合気を成層燃焼させるようにしたエンジンである。このため、ピストン12のヘッド部20には、いわゆるウォールガイドとして機能するキャビティ21、つまり点火プラグ19に向けて成層混合気を形成するキャビティ21が設けられている。インジェクタ18からキャビティ21に向けて噴射された燃料は、キャビティ21に沿って向きを変えて点火プラグ19の近傍に導かれる。このように、点火プラグ19の近傍に成層混合気を供給することができるため、エンジン11の希薄燃焼を達成することができ、エンジン11の燃費性能を向上させることができる。
エンジン11を制御するエンジン制御装置10は、マイコン等からなるエンジンコントローラ30を有している。エンジンコントローラ30は、エンジン11の運転状態を検出する各種センサからの信号に基づき、燃料噴射制御や点火時期制御等を実行することでエンジン11の運転状態を制御する。エンジンコントローラ30に接続されるセンサとして、クランク軸の回転角を検出するクランク角センサ31、カム軸の回転角を検出するカム角センサ32、シリンダブロック13の振動を検出するノックセンサ33、吸入空気量を検出するエアフローメータ34、排出ガス中の酸素濃度を検出するO2センサ35、排出ガス中の空燃比を検出するA/Fセンサ36等がある。
[プレイグニッション]
エンジン11の異常燃焼として、点火プラグ19による点火前に混合気が自己着火する早期着火つまりプレイグニッションがある。このプレイグニッションにおいては、シリンダ内に存在するカーボンスラッジやオイル等の熱源により、圧縮行程中の混合気が自己着火すると考えられている。衝撃波を伴うプレイグニッションはエンジン11を重篤に損傷させる要因であるため、プレイグニッションの発生を検出して適切に対処することにより、プレイグニッションからエンジン11を保護することが必要である。そこで、エンジンコントローラ30には、プレイグニッションを検出する異常燃焼検出部37と、エンジン11を保護するためにインジェクタ18の燃料噴射モードを切り替える燃料噴射制御部38と、が設けられている。以下、プレイグニッションの検出方法について説明した後に、エンジン11を保護するための燃料噴射モードについて説明する。
[プレイグニッションの検出]
図2(a)はプレイグニッション発生時のシリンダ内圧変化の一例を示す図であり、図2(b)はプレイグニッション発生時におけるノックセンサ33の信号変化の一例を示す図である。図2(a)に特性線L1で示すように、混合気が正常に燃焼した場合には、筒内圧つまりシリンダ内圧が緩やかに変化するのに対し、図2(a)に特性線L2で示すように、混合気のプレイグニッションが発生した場合には、衝撃波によってシリンダ内圧が急激に変化することになる。また、図2(b)に符号Xで示すように、プレイグニッションが発生した場合には、衝撃波によってシリンダブロック13が振動することから、ノックセンサ33の検出信号のパターンやタイミングに基づきプレイグニッションを検出することが可能である。つまり、エンジンコントローラ30の異常燃焼検出部37は、ノックセンサ33の検出信号に基づいてプレイグニッションの発生を検出している。なお、異常燃焼検出部37は、クランク軸やカム軸の回転角に基づいて、エンジン11が備える複数のシリンダのうち、プレイグニッションが発生したシリンダを特定することが可能である。
[燃料噴射モード]
図3はインジェクタ18の燃料噴射モードを示す説明図である。図3に示すように、インジェクタ18の燃料噴射モードとして、通常噴射モード、増量噴射モードおよび急冷噴射モードの3つが設定されている。通常噴射モード(通常モード)とは、車速やアクセル操作等の運転状況に基づいてエンジン11の制御目標値を決定し、この制御目標値に向けて燃料噴射量や燃料噴射時期などを制御する燃料噴射モードである。プレイグニッションが発生していない通常走行時には、燃料噴射モードとして通常噴射モードが設定される。
この通常噴射モードにおいて、プレイグニッションが発生した場合には、プレイグニッションの継続的な発生を抑制するため、増量噴射モード(第2の異常モード)が実行される。図3に示すように、増量噴射モードの燃料噴射時間T2は、通常噴射モードの燃料噴射時間T1よりも長く設定されている。つまり、増量噴射モードの燃料噴射量は、通常噴射モードの燃料噴射量よりも多く設定されている。この増量噴射モードを実行することにより、燃料噴射量を増やしてシリンダ内の温度を下げることができ、プレイグニッションの発生を抑制することができる。なお、この増量噴射モードでの燃料増量は、失火しない範囲で最大限の冷却効果が得られるよう、例えば失火限界付近の空燃比になるように設定される。
また、燃料増量モードの実行によってもプレイグニッションが収束しない場合には、点火プラグ19を破損させる急冷噴射モード(第1の異常モード)が実行される。図3に示すように、急冷噴射モードにおける燃料噴射の終了タイミングTe3は、通常噴射モードにおける燃料噴射の終了タイミングTe1よりも遅く設定されている。さらに、急冷噴射モードにおける燃料噴射の終了タイミングTe3は、増量噴射モードにおける燃料噴射の終了タイミングTe2よりも遅くに設定されている。この急冷噴射モードは、混合気を燃焼させる必要のない燃料噴射モードである。このため、急冷噴射モードにおいては、燃料の気化に必要な気化時間Tgを割り込むように、燃料噴射の終了タイミングTe3が上死点(TDC)に近づけて設定されている。
また、急冷噴射モードの燃料噴射時間T3は、通常噴射モードの燃料噴射時間T1、さらには増量噴射モードの燃料噴射時間T2よりも長く設定されている。つまり、急冷噴射モードの燃料噴射量は、通常噴射モードおよび増量噴射モードの燃料噴射量よりも多く設定されている。この急冷噴射モードを実行することにより、燃料噴射量をさらに増量してシリンダ内の温度を下げることができる。特に、点火プラグ19を破損させる為に余剰噴射した「燃焼させない燃料分の気化熱」によるシリンダ内の温度低下効果により、増量噴射モードよりもさらに効果的にプレイグニッションの発生を抑制することができる。
図4(a)〜(c)は、急冷噴射モードにおける燃料噴射状況を順に示す説明図である。なお、図4(a)には上死点直前の状況が示されており、図4(b)には上死点の状況が示されており、図4(c)には上死点直後の状況が示されている。図4(a)〜(c)に示すように、上死点の直前にインジェクタ18から噴射された燃料Fは、ピストン12のキャビティ21で反射して点火プラグ19にかかる。すなわち、インジェクタ18から噴射された燃料は、気化時間が経過する前に点火プラグ19に到達し、気化前の燃料つまり液体燃料が点火プラグ19に付着する。これにより、点火プラグ19を急冷することができ、点火プラグ19を破損させることができる。このように、急冷噴射モードにおける燃料噴射のタイミングは、インジェクタ18から噴射された燃料Fがピストン12で反射して点火プラグ19に付着するタイミングを含んでいる。
ここで、図5は急冷噴射モードにおける点火プラグ19の温度推移を示す線図である。図5に符号a1で示すように、クランク角が上死点に近づくにつれて、点火プラグ19の温度は上昇する。つまり、クランク角が上死点に近づくにつれて混合気が断熱圧縮されるため、燃料増量が行われていない通常噴射モードに比べると穏やかではあるものの、混合気の温度上昇に伴って点火プラグ19の温度も上昇することになる。そして、前述したように、上死点近傍で点火プラグ19に液体燃料が付着することから、符号a2で示すように、点火プラグ19の温度は急速に低下することになる。つまり、図5に破線Xで示したように、点火プラグ19に液体燃料を付着させなかった場合に比べて、点火プラグ19に液体燃料を付着させた場合には、点火プラグ19の温度を急激に低下させることができる。
このように、液体燃料によって点火プラグ19を急冷することにより、図4(c)の拡大部分に示すように、点火プラグ19を破損させることができる。つまり、点火プラグ19は、中心に配置される中心電極40と、中心電極40の外側に設けられる絶縁碍子41と、絶縁碍子41の外側に設けられる接地電極42と、を有している。この点火プラグ19に対して液体燃料をかけることにより、セラミックス製の絶縁碍子41を急激に冷やして割ることができる。点火プラグ19の絶縁碍子41が割れた場合には、接地電極42と中心電極40とが短絡することから、点火プラグ19の点火機能が失われる。
すなわち、プレイグニッションが継続することによって生じ得るエンジン11の重篤な損傷に比して軽微な故障状態を、点火プラグ19を破損させることで意図的に発生させる。これにより、エンジン11の重篤な損傷を招く前にエンジン不調をドライバ(乗員)に知らせることができる。このとき、点火プラグ19が破損していない他の気筒(プレイグニッションが発生していない気筒)の発生トルクを抑制して回転数を下げるように制御することで、プレイグニッションの発生をより確実に抑制することができる。また、エンジン不調をドライバに知らせることで、エンジン回転数が低下する運転となるようドライバを誘導することができるため、この点においてもプレイグニッションの発生の抑制に繋げることができる。さらに、点火プラグ19を冷却することで、プレイグニッションが点火プラグ19の高温化に起因するものであれば、当該プレイグニッションの発生を一層効果的に抑制することができる。
なお、プレイグニッションが発生するシリンダに対して点火プラグ19を破損させる急冷噴射モードが実行されるため、プレイグニッションが発生していない他のシリンダについてはエンジン保護の為のトルク制限はかけるものの正常に機能させることができ、最低限の走行性能を確保することができる。また、エンジンコントローラ30は、O2センサ35やA/Fセンサ36の検出信号に基づいて、点火プラグ19の点火機能が失われたこと、つまりシリンダ内が失火状況に陥ったことを検出することが可能である。これにより、エンジンコントローラ30は、点火プラグ19の機能消失を把握することができ、警告灯43を点灯させてエンジン不調をドライバに知らせることができる。また、警告灯43の点灯により、ドライバに対して修理工場等への入庫を促すこともできる。
[フローチャート]
続いて、前述した燃料噴射モードの切り替えをフローチャートに沿って説明する。図6は燃料噴射モードを切り替える際の手順の一例を示すフローチャートである。なお、図6に示すフローチャートは、エンジンコントローラ30によってシリンダ毎に所定周期で実行される。
図5に示すように、ステップS10では、プレイグニッションが発生したか否かが判定される。ステップS10において、プレイグニッションが発生していないと判定された場合には、ステップS11に進み、インジェクタ18が通常噴射モードで制御される。ステップS10において、プレイグニッションが発生していると判定された場合には、ステップS12に進み、燃料噴射モードが通常噴射モードから増量噴射モードに切り替えられる。この増量噴射モードを実行することにより、燃料噴射量を増やしてシリンダ内の温度を下げることができ、プレイグニッションを抑制することができる。
このように、燃料噴射量を増加させる増量噴射モードが実行されると、ステップS13に進み、再びプレイグニッションが発生しているか否かが判定される。ステップS13において、プレイグニッションが発生していると判定された場合、つまり増量噴射モードの実行によってもプレイグニッションが収束していないと判定された場合には、ステップS14に進み、燃料噴射モードが増量噴射モードから急冷噴射モードに切り替えられる。
このように、増量噴射モードによってもプレイグニッションが収まらない場合、つまりプレイグニッションが継続的に発生する虞がある場合には、燃料噴射の終了タイミングTe3を遅らせる急冷噴射モードが実行される。これにより、プレイグニッションの発生を効果的に抑制しつつ、点火プラグ19に液体燃料をかけて点火プラグ19を積極的に破損させる。そして、ステップS15において、点火プラグ19が破損したことが検出されると、ステップS16に進み、ドライバにエンジン異常を通知するため、警告灯43が点灯される。なお、ステップS15で点火プラグ19の破損が検出されないときには、ステップS13に戻ってプレイグニッションが継続しているか否かが判断される。
これまで説明したように、プレイグニッションが検出された場合には、プレイグニッションを抑制するため、噴射燃料を増加させる増量噴射モードが実行される。そして、増量噴射モードによってもプレイグニッションが収まらない場合、つまりプレイグニッションが継続的に発生する虞がある場合には、燃料噴射の終了タイミングTe3を遅らせる急冷噴射モードが実行される。これにより、プレイグニッションの継続的な発生を効果的に抑制しつつ、エンジン不調をドライバに知らせることができる。
前述したように、プレイグニッションが継続的に発生する虞がある場合には、点火プラグ19を積極的に破損させている。つまり、プレイグニッションが継続的に発生する虞がある場合には、点火プラグ19をヒューズとして機能させることにより、プレイグニッションによる重篤な破損からエンジン11を保護している。しかも、急冷噴射モードを実行した場合であっても、点火プラグ19の交換によってエンジン11を修理することができるため、簡単かつ安価にエンジン11を修理することができる。また、急冷噴射モードによって点火プラグ19を物理的に破損させるため、プレイグニッションの発生を簡単に検証することができる。つまり、エンジンコントローラ30に記録された急速噴射モードの実行状況と、点火プラグ19の物理的な破損状況とに基づいて、プレイグニッションが発生したことを簡単に検証することができる。
前述の説明では、燃料噴射モードを通常噴射モードから増量噴射モードに切り替えた後に、燃料噴射モードを増量噴射モードから急冷噴射モードに切り替えているが、これに限られることはない。つまり、プレイグニッションの発生状況によっては、増量噴射モードを実行することなく、燃料噴射モードを通常噴射モードから急冷噴射モードに切り替えても良い。また、図3に示す例では、急冷噴射モードにおける燃料噴射の終了タイミングTe3を点火時期Tiの前に設定しているが、これに限られることはなく、図3に破線αで示すように、終了タイミングTe3を点火時期Tiの後に設定しても良く、図3に破線βで示すように、終了タイミングTe3を上死点の後に設定しても良い。さらに、図3に示す例では、各燃料噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs1,Ts2,Ts3を互いに一致させているが、これに限られることはなく、燃料噴射の開始タイミングTs1,Ts2,Ts3を互いにずらしても良い。
[他の実施の形態]
前述の説明では、通常噴射モードや増量噴射モードと同様のタイミングで、急冷噴射モードにおいても燃料噴射を開始しているが、これに限られることはなく、急冷噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs3を遅らせても良い。ここで、図7はインジェクタ18の燃料噴射モードの他の例を示す説明図である。また、図8は急冷噴射モードにおける点火プラグ19の温度推移を示す線図である。なお、図7に示した通常噴射モードおよび増量噴射モードは、図3に示した通常噴射モードおよび増量噴射モードと同じである。また、図8に示した破線Xは、図5に示した破線Xと同じである。
図7に示すように、急冷噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs3は、通常噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs1よりも遅く設定されている。また、急冷噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs3は、増量噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs2よりも遅く設定されている。このように、急冷噴射モードにおける燃料噴射の開始タイミングTs3を遅らせることにより、断熱圧縮後の温度を増大させることで点火プラグ19に給熱される。
これにより、図8に符号b1で示すように、図5に示した急冷噴射モードよりも点火プラグ19の温度を上昇させることができる。そして、図8に示す急冷噴射モードにおいても、上死点近傍で点火プラグ19に液体燃料を付着させることから、点火プラグ19は急速に冷却されることになる。すなわち、図8に符号b1で示すように、点火プラグ19の温度は大きく上昇していることから、図8に符号b2で示すように、その後の急冷過程において点火プラグ19に大きな温度変化を与えることができる。このように、点火プラグ19の温度を大きく変化させることにより、点火プラグ19の絶縁碍子41をより確実に割ることができる。
なお、図7に示す例においても、急冷噴射モードにおける燃料噴射時間T3を通常噴射モードの燃料噴射時間T1よりも長くして燃料噴射量を増量し、筒内温度をコントロールしながら点火プラグ19に十分な温度変化を与えるようにすることが好ましい。また、図7に示す急冷噴射モードは継続して実施するのではなく、例えば増量噴射モードから急冷噴射モードに移行した直後に1回あるいは所定回数実施し、その後は図3に示す急冷噴射モードを実施するようにしても良いし、図3に示す急冷噴射モードを実施しても点火プラグ19の破損に至らない場合に、図7に示す急冷噴射モードを1回あるいは所定回数行うようにしても良い。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、図示するエンジン11は、水平対向エンジンであるが、これに限られることはなく、直列型やV型など他の形式のエンジンであっても良い。また、前述の説明では、急冷噴射モードによって、点火プラグ19の絶縁碍子41を破損させているが、これに限られることはなく、点火プラグ19の点火機能を失わせることが可能であれば、点火プラグ19の他の部位を破損させても良い。
前述の説明では、ノックセンサ33を用いることにより、シリンダブロック13の振動に基づいてプレイグニッションを検出しているが、これに限られることはない。例えば、シリンダ内の圧力を検出する圧力センサを設けることにより、シリンダ内圧に基づいてプレイグニッションの発生を検出しても良い。また、燃焼時に発生するイオンを検出するイオン電流センサを設けることにより、イオンの検出タイミングつまり燃焼時期に基づいてプレイグニッションの発生を検出しても良い。
10 エンジン制御装置
11 エンジン
12 ピストン
18 インジェクタ
19 点火プラグ
30 エンジンコントローラ
37 異常燃焼検出部
38 燃料噴射制御部
Ts1,Ts2,Ts3 開始タイミング
Te1,Te2,Te3 終了タイミング

Claims (4)

  1. エンジンを制御するエンジン制御装置であって、
    前記エンジンに設けられ、シリンダ内に燃料を噴射するインジェクタと、
    前記エンジンに設けられ、前記シリンダ内の混合気に点火する点火プラグと、
    混合気の異常燃焼であるプレイグニッションを検出する異常燃焼検出部と、
    前記インジェクタの燃料噴射モードとして、前記プレイグニッションが検出されないときに用いる通常モードと、前記プレイグニッションが検出されるときに用いる第1の異常モードと、を少なくとも有する燃料噴射制御部と、
    を有し、
    前記第1の異常モードにおいては、燃料噴射量が前記通常モードにおける燃料噴射量よりも増量されるとともに、燃料噴射の終了タイミングが前記通常モードにおける燃料噴射の終了タイミングよりも遅く設定される、エンジン制御装置。
  2. 請求項1記載のエンジン制御装置において、
    前記第1の異常モードにおける燃料噴射の開始タイミングは、前記通常モードにおける燃料噴射の開始タイミングよりも遅い、エンジン制御装置。
  3. 請求項1または2記載のエンジン制御装置において、
    前記第1の異常モードにおける燃料噴射のタイミングは、前記インジェクタから噴射された燃料が前記シリンダ内のピストンで反射して前記点火プラグに付着するタイミングを含む、エンジン制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエンジン制御装置において、
    前記燃料噴射制御部は、
    前記通常モード中に前記プレイグニッションを検出した場合に、前記インジェクタの燃料噴射モードを前記通常モードよりも燃料噴射量の多い第2の異常モードに切り替え、
    前記第2の異常モード中に前記プレイグニッションを検出した場合に、前記インジェクタの燃料噴射モードを前記第1の異常モードに切り替え、
    前記第1の異常モードにおける燃料噴射の終了タイミングは、前記第2の異常モードにおける燃料噴射の終了タイミングよりも遅い、エンジン制御装置。
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