JP2003206352A - ポリアミドの製造方法 - Google Patents

ポリアミドの製造方法

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JP2003206352A
JP2003206352A JP2002007744A JP2002007744A JP2003206352A JP 2003206352 A JP2003206352 A JP 2003206352A JP 2002007744 A JP2002007744 A JP 2002007744A JP 2002007744 A JP2002007744 A JP 2002007744A JP 2003206352 A JP2003206352 A JP 2003206352A
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Masayuki Jokai
真之 畳開
Nobuaki Kido
伸明 城戸
Shunichi Matsumura
俊一 松村
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 効率的にフェノール性水酸基を有するポリア
ミドを製造する技術を提供する。 【解決手段】 特定の比率のジアミンとジカルボン酸ジ
アリールエステルとフェノール性水酸基を有する芳香族
ジカルボン酸ジアリールエステルとからフェノール性水
酸基を有するポリアミドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、ポリアミドの製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリアミドおよび芳香族ポリアミ
ドからなる繊維、フィルム、パルプ、その他の成形物
は、引張強度、引張弾性率、そして耐熱性に優れるた
め、複合材料の基材として航空機、自動車、ボート、ス
ポーツ用品等に使用されている。
【0003】一方、たとえば繊維と樹脂マトリックスと
からなる複合材料における、繊維と樹脂マトリックスと
の間の接着性の良否は、複合材料の機械的強度、弾性
率、および耐疲労性に大きな影響を与えるため、複合材
料の物性にとって、この繊維と樹脂マトリックスとの間
の接着性は極めて重要である。
【0004】このような背景にあって、従来の技術によ
る全芳香族ポリアミド繊維と、マトリックスとしてのエ
ポキシ樹脂とを使用した複合材料は、エポキシ樹脂が接
着性においてアラミド系繊維と比較的相性の良い樹脂で
あるにも関わらず、実用上、界面接着力が不十分である
という問題がある。
【0005】この問題は、アラミド系繊維が剛直高分子
で高結晶性なため、繊維表面が化学的に不活性であると
いう点に起因していると考えられている。
【0006】この問題の解決方法として、縮合剤として
亜リン酸またはその誘導体とピリジン誘導体等とを使用
し、フェノール性水酸基を有するジカルボン酸とジアミ
ンとからフェノール性水酸基を有するポリアミド樹脂を
製造し、この樹脂を全芳香族ポリアミド繊維に付着させ
る方法がある。(特開平5−9302号公報)。
【0007】しかし、縮合剤としてフェノール性水酸基
を有するジカルボン酸基準で2倍モル以上の亜リン酸エ
ステル等を用いることからコストが高くなる等の問題が
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本願発明では亜リン酸
エステル等の縮合剤を用いることなく効率的にフェノー
ル性水酸基を有するポリアミドを製造する方法を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】これらの課題について鋭
意研究を重ねた結果、特定のフェノール性水酸基を有す
るジアリールエステルおよびその誘導体を原料として用
いることにより、上記のように大量の縮合剤を用いるこ
となしに、フェノール性水酸基を分子内に有するポリア
ミドを製造可能であることを見出し、本願発明の製造方
法に到達した。
【0010】本願発明の1態様は、下記一般式(A)で
表わされるジアミンの少なくとも1種と、下記一般式
(B)で表わされるジカルボン酸ジアリールエステルの
少なくとも1種と、下記一般式(C)で表わされるフェ
ノール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸ジアリール
エステルの少なくとも1種とを、
【0011】
【化2】
【0012】[上記一般式(A),(B),(C)にお
いて、R1,R1’,R2,R2’は各々独立に炭素数6〜
20の芳香族基を、A1,A2は各々独立に炭素数1〜2
0の2価の炭化水素基を、A3は炭素数6〜20の3価
の芳香族基を表わす。]下記数式(1),(2) 0.8≦a/(b+c)≦1.2 (1) 0.001≦c/(b+c)≦1.0 (2) [ただし、上記数式(1),(2)中、aは一般式
(A)で表わされるジアミン、bは一般式(B)で表わ
されるジカルボン酸ジアリールエステル、cは一般式
(C)で表わされるフェノール性水酸基を有する芳香族
ジカルボン酸ジアリールエステルのモル数である。]を
同時に満足する割合で含む原料を、加熱反応させること
によるポリアミドの製造方法である。
【0013】これにより、縮合剤を使用しないで、効率
よく、フェノール性水酸基を分子内に有するポリアミド
を製造することができる。
【0014】このフェノール性水酸基を分子内に有する
ポリアミドは、フェノール性水酸基を分子内に有しない
芳香族ポリアミドの繊維、フィルム、パルプ、その他の
成形物とエポキシ樹脂等の樹脂マトリックスとを組み合
わせて複合材料を製造する際に、フェノール性水酸基を
分子内に有しない芳香族ポリアミドに付着等させること
により、成形物と樹脂マトリックスとの間の接着性を向
上させることができる。
【0015】なお、0.5g/100mLの濃度の1−
メチル−2−ピロリドン溶液で35℃にて測定した前記
ポリアミドの還元粘度が0.05以上3.0dL/g以
下であることが好ましい場合がある。優れた物性が得ら
れるからである。
【0016】また、b=0であることが好ましい場合が
ある。フェノール性水酸基を分子内に有するポリアミド
におけるフェノール性水酸基を高くでき、優れた接着性
が得られるからである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の具体的内容であ
る、本願発明に係るポリアミドの製造方法について詳述
する。
【0018】本願発明のポリアミドは、上記方法によっ
て良好な生産性で工業的に製造することができる。
【0019】上記一般式(A),(B),(C)中の各
構成単位において、A1,A2,A3,R1,R1’,R2
2’の持つ意味は上記したとおりであるが、さらに詳
述すると次の通りである。
【0020】A1,A2が芳香族基の場合、1個のベンゼ
ン環またはナフタレン環を含むものでもよいが、複数の
ベンゼン環またはナフタレン環が直接結合したもの、あ
るいはこれらの環が−O−,−CO−,−S−,−SO
2−,−CH2−,−C(CH 32−等を介して結合した
ものでもよい。
【0021】かかる芳香族基の具体例としては、メタフ
ェニレン基、パラフェニレン基、オルトフェニレン基、
オルトフェニレン基、2,6−ナフチレン基、2,7−
ナフチレン基、4,4’−イソプロピリデンジフェニレ
ン基、3,4’−イソプロピリデンジフェニレン基、
4,4’−ビフェニレン基、3,4’−ビフェニレン
基、4,4’−ジフェニレンスルフィド基、3,4’−
ジフェニレンスルフィド基、4,4’−ジフェニレンス
ルホン基、3,4’−ジフェニレンスルホン基、4,
4’−ジフェニレンケトン基、3,4’−ジフェニレン
ケトン基、4,4’−ジフェニレンエーテル基、3,
4’−ジフェニレンエーテル基、メタキシリレン基、パ
ラキシリレン基、オルトキシリレン基等を挙げることが
できる。
【0022】これらの芳香族基において、その水素原子
のうち1つまたは複数がそれぞれ独立に、フッ素、塩
素、臭素等のハロゲン基、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基、シク
ロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10の
シクロアルキル基、フェニル基等の炭素数6〜10の芳
香族基で置換されていてもよい。またこれらの芳香族基
は2種以上を同時に併用してもかまわない。
【0023】A1,A2が脂肪族基の場合、具体例として
は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンタメ
チレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチル
シクロヘキシル基、2,4,4−トリメチルシクロヘキ
シル基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−ジメチ
ルシクロヘキシレン基、イソホロニル基等を挙げること
ができるがこれに限定されるものではない。
【0024】特にA1、A2ともメタフェニレン基が最適
である。
【0025】一方、一般式A3としては具体的には、下
記の芳香族基、すなわち、ベンゼン、ナフタレン、ビフ
ェニル、イソプロピリデンジフェニル、ジフェニルエー
テル、ジフェニルスルフィド、ジフェニルスルホン、ジ
フェニルケトン等の3価の残基を例示できる。その構造
を例示すれば次の通りである。
【0026】
【化3】
【0027】これらの芳香族基はその水素原子の1つま
たは複数が、それぞれ独立に、フッ素、塩素、臭素等の
ハロゲン基、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシ
ル基等の炭素数1〜6のアルキル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアル
キル基等で置換されていてもよい。
【0028】A3としては、これらの中でも、生成ポリ
マーの結晶性や染色性等の点で、ベンゼン、ナフタレ
ン、ビフェニルの3価の残基が好ましい。
【0029】一般式(B)と(C)とにおけるR1
1’,R2,R2’は各々独立に炭素数6〜20の1価
の芳香族基を表わす。
【0030】具体的にはフェニル基、ナフチル基、ビフ
ェニル基、イソプロピリデンジフェニル基、ジフェニル
エーテル基、ジフェニルスルフィド基、ジフェニルスル
ホン基、ジフェニルケトン基等を例示できる。
【0031】これらの芳香族基の水素原子のうち1つま
たは複数が各々独立にフッ素、塩素、臭素等のハロゲン
基、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基等の
炭素数1〜6のアルキル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基等の炭素数5〜10のシクロアルキル基、メ
トキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコ
キシカルボニル基等で置換されていてもよい。
【0032】これらの中でも、フェニル基、メトキシカ
ルボニル基、ナフチル基が好ましく、メタ−またはパラ
−のフェニル基であることがさらに好ましい。
【0033】上記式(C)で示される芳香族ジカルボン
酸ジアリールエステルの具体例としては、下記の化学式
で表わされる5−ヒドロキシイソフタル酸ジフェニル、
4−ヒドロキシイソフタル酸ジフェニルが好適に使用さ
れるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
【化4】
【0035】原料モノマーとなるこれらの芳香族ジカル
ボン酸ジアリールエステルの製造法は特に制限はない
が、特に、ジアリールカーボネートを使用して、フェノ
ール性水酸基を有する芳香族ジカルボン酸をエステル化
する方法が好ましい。
【0036】このポリアミドは、上記各構成単位が、次
の数式 0.8≦a/(b+c)≦1.2 (1) 0.001≦c/(b+c)≦1.0 (2) [ただし、上記数式(1),(2)中、aは一般式
(A)で表わされるジアミン、bは一般式(B)で表わ
されるジカルボン酸ジアリールエステル、cは一般式
(C)で表わされるフェノール性水酸基を有する芳香族
ジカルボン酸ジアリールエステルのモル数である。]を
同時に満足する割合で含む原料を、加熱反応させること
によって得られる。
【0037】a/(b+c)が0.8より小さい場合あ
るいは1.2より大きい場合には重合度の十分なものを
得ることが困難である。
【0038】a/(b+c)は、好ましくは0.9以上
であり、より好ましくは0.93以上、さらに好ましく
は0.95以上である。
【0039】また、a/(b+c)は、好ましくは1.
1以下であり、より好ましくは1.07以下、さらに好
ましくは1.05以下である。
【0040】また、c/(b+c)が0.001未満の
場合には、接着性、加工性が良好ではなく好ましくはな
い。
【0041】c/(b+c)の上限は1.0でもよく。
この場合は、上記構成単位(A)と(C)のみからなる
ポリマーとなる。c/(b+c)の範囲は0.3以上
1.0以下が好ましく、さらには0.5以上1.0以下
が好ましい。
【0042】なお、上記a,b,cの量は、上記
(A),(B),(C)で表される化合物を原料として
投入するときの量である。ただし、上記において「数式
(1),(2)を同時に満足する割合で含む原料」は、
必ずしもその状態のものが現実に存在することを要する
必要はなく、別個に、あるいは、分割して、反応物中に
投入した場合には、その全量を指す意味である。
【0043】また、上記(1),(2)の関係は、本願
発明に係るポリアミド自体においても、ほぼ同様に成立
する。
【0044】すなわち、ポリアミドを構成するモノマー
を上記(A),(B),(C)の化合物に換算した場合
に、上記数式(1),(2)が成立する場合には、実質
上、本願発明の原料比で各原料が投入されたものと考え
ることができる。
【0045】本願発明の製造方法によって得られるポリ
アミドの還元粘度は、0.05〜3.0(dL/g)で
あることが好ましく、とりわけ0.08〜2.5(dL
/g)であることが好ましく、さらに好ましくは0.1
〜2.0(dL/g)である。低すぎると物性が不十分
となる場合があり、高すぎると、実質的に製造が困難で
あるほか粘度が高くなりすぎ、成形および他のポリマー
との混練が困難となるからである。
【0046】反応は、溶媒中で行う反応、無溶媒の加熱
溶融反応のいずれも採用できるが、例えば、後述する溶
媒中で撹拌下に反加熱反応させるのが好ましい。
【0047】この方法における反応温度は、100℃か
ら380℃が好ましく、180℃から350℃がさらに
好ましい。
【0048】100℃より温度が低いと反応が進みにく
く、380℃より温度が高いと反応させるジアミンの沸
点以上になり、あるいは分解等の副反応が起こりやすく
なるためである。
【0049】反応時間は温度条件にもよるが、通常は1
時間から数十時間である。反応は加圧下から減圧下で行
うことができるが、通常は常圧下から減圧下で行う。好
ましくは、生成するフェノール等のモノヒドロキシ化合
物を留去しつつ、反応を行う。加熱溶融反応の場合は減
圧下がよく、溶媒を使用する場合は常圧下で反応させる
のが適当である。
【0050】反応は通常無触媒でも進行するが、必要に
応じてエステル交換触媒を用いてもよい。本願発明で用
いるエステル交換触媒としては三酸化アンチモンといっ
たアンチモン化合物、酢酸第一錫、オクチル酸錫、ジブ
チル錫オキシド、ジブチル錫ジアセテートといった錫化
合物、酢酸カルシウムのようなアルカリ土類金属塩、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウムのようなアルカリ金属塩等
を例示することができる。また、反応時には酸化防止剤
等の各種添加剤を併用することが好ましい。
【0051】生成したポリマーは反応溶液に貧溶媒を添
加して析出し、必要に応じて洗浄、精製等を行って目的
とするポリアミドとして取り出すことができる。
【0052】本願発明では、反応溶液(ポリマー溶液)
をそのままあるいは濃度調整した後に使用してもよい。
【0053】反応に使用する溶媒としては、1−メチル
−2−ピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリド
ン、ジメチルアセトアミド、ジフェニルスルホン、ジク
ロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、水等
がある。これらの溶媒は単独で使用してもよく、2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0054】なお、本願発明の製造方法で使用する上記
式(C)のフェノール性水酸基を有する芳香族ジカルボ
ン酸ジアリールエステルは、反応に先立って、乾燥して
おくことが好ましい場合が多い。これは、フェノール性
水酸基を有する芳香族ジカルボン酸ジアリールエステル
が吸湿しやすいため、吸湿した水分によって重合反応の
進行の妨げになる可能性があるためである。
【0055】本願発明のポリアミドは、フェノール性水
酸基を有しない、あるいは実質的に有しない芳香族ポリ
アミドの繊維、フィルム、パルプ、その他の成形物とエ
ポキシ樹脂等の他の樹脂とを接着させる場合に、その間
の接着性を向上させるのに役立つ。
【0056】その方法としては、フェノール性水酸基を
有しない、あるいは実質的に有しない芳香族ポリアミド
の繊維、フィルム、パルプその他の成形物に混ぜ込む方
法、これらの成形物の表面に塗布する方法、相手の樹脂
に混ぜ込む方法等が考えられる。
【0057】例えば、本願発明に係るフェノール性水酸
基を有するポリアミドをジメチルアセトアミド、1−メ
チル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒に溶解して、乾
式法あるいは湿式法により、繊維、フィルム、パルプ、
その他の成形物に塗布することができる。
【0058】ポリアミドの溶解性、安定性を向上させる
ためにリチウム、ナトリウム、カリウム等アルカリ金属
類および、マグネシウム、カルシウム等アルカリ土類金
属類の水酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩、炭酸水素塩を
上記溶媒と併用することも可能であり、例えば、上記溶
媒にこれらの化合物を溶解させて使用することが推奨さ
れる。
【0059】さらに、上記数式(1),(2)は、他の
化合物が反応に加えられることを排除することを意味す
るものではない。すなわち、本願発明の趣旨に反しない
限り、他の化合物を加えて、化学結合した形で、あるい
は混合物として存在させることも本願発明の範疇に属す
る。生成するポリマーの物性を確保する意味から、その
場合の他の化合物の量としては、全ポリマー量に対し
て、30重量%以下が好ましい。更に好ましくは、10
重量%以下である。
【0060】本願発明のフェノール性水酸基を有するポ
リアミドに物性を損なわない範囲内で添加できる化合物
としては、紫外線吸収剤、難燃剤、酸化防止剤、滑剤、
有機または無機の各種フィラー、無機強化繊維等挙げる
ことができる。
【0061】なお、本願発明のポリアミドと他のポリマ
ーとから樹脂組成物を作製する場合は、上記したポリア
ミドと他のポリマーとの配合割合を、その使用目的及び
使用するポリマーの種類等によって任意に変えることが
できるが、通常は1:99〜99:1の範囲であり、好
ましくは5:95〜95:5の範囲である。
【0062】
【実施例】以下、実施例をあげて本願発明を詳述する
が、本願発明は実施例によって何ら限定されるものでは
ない。ポリマーの還元粘度は、溶媒として1−メチル−
2−ピロリドンを用い、濃度0.5g/100mL、温
度35℃で測定した値である。
【0063】[参考例1]5−ヒドロキシイソフタル酸
18.20重量部、ジフェニルカーボネート42.81
重量部にジメチルアミノピリジン0.0012重量部を
加え200℃にて反応を開始した。30分後常圧のまま
220℃に昇温し、同温度にてフェノールの留出を確認
した後、系内を徐々に減圧した。
【0064】その後さらに、昇温、減圧し、反応開始か
ら5時間後、系内の最終到達温度を240℃、真空度を
約133hPaとした。
【0065】得られた粗生成物36.7重量部を300
重量部のトルエンに溶解した後、この溶液を1000重
量部のn−ヘキサンに加え再沈させることで、5−ヒド
ロキシイソフタル酸ジフェニル28.8重量部を得た。
【0066】[実施例1]参考例1で得た5−ヒドロキ
シイソフタル酸ジフェニル33.43重量部、キシリレ
ンジアミン13.61重量部を、235.20重量部の
1−メチル−2−ピロリドンに溶解し、200℃にて5
時間加熱撹拌した。
【0067】反応終了後反応溶液を1000重量部の水
にて再沈殿し、沈殿物をろ過することで目的の接着性に
優れたポリアミドを得た。
【0068】得られたポリアミドの還元粘度は0.14
dL/gであった。
【0069】[実施例2]参考例1で得た5−ヒドロキ
シイソフタル酸ジフェニル33.43重量部、2,2,
4−トリメチルヘキサメチレンジアミン17.22重量
部を、253.25重量部の1−メチル−2−ピロリド
ンに溶解した他は実施例1と同様の操作を行い、目的の
接着性に優れたポリアミドを得た。
【0070】得られたポリアミドの還元粘度は0.13
dL/gであった。
【0071】[実施例3]参考例1で得た5−ヒドロキ
シイソフタル酸ジフェニル155.98重量部、テレフ
タル酸ジフェニル3.34重量部、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン79.14重量部を49
2.30重量部の1−メチル−2−ピロリドンに溶解
し、200℃にて5時間加熱攪拌した。
【0072】反応終了後反応溶液を2000重量部の水
にて再沈殿し、沈殿物をろ過することで目的の接着性に
優れたポリアミドを得た。
【0073】得られたポリアミドの還元粘度は1.08
dL/gであった。
【0074】
【発明の効果】本願発明により、効率的にフェノール性
水酸基を有するポリアミドを製造することができる。
フロントページの続き (72)発明者 松村 俊一 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DB02 DD05 EB36 EB37 EC08 EC47 EC48 EE65F FB03 FB06 JA04 JA05 JA10 JA12 JB02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(A)で表わされるジアミン
    の少なくとも1種と、 下記一般式(B)で表わされるジカルボン酸ジアリール
    エステルの少なくとも1種と、 下記一般式(C)で表わされるフェノール性水酸基を有
    する芳香族ジカルボン酸ジアリールエステルの少なくと
    も1種とを、 【化1】 [上記一般式(A),(B),(C)において、R1
    1’,R2,R2’は各々独立に炭素数6〜20の芳香
    族基を、A1,A2は各々独立に炭素数1〜20の2価の
    炭化水素基を、A3は炭素数6〜20の3価の芳香族基
    を表わす。]下記数式(1),(2) 0.8≦a/(b+c)≦1.2 (1) 0.001≦c/(b+c)≦1.0 (2) [ただし、上記数式(1),(2)中、aは一般式
    (A)で表わされるジアミン、bは一般式(B)で表わ
    されるジカルボン酸ジアリールエステル、cは一般式
    (C)で表わされるフェノール性水酸基を有する芳香族
    ジカルボン酸ジアリールエステルのモル数である。]を
    同時に満足する割合で含む原料を、加熱反応させること
    によるポリアミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 0.5g/100mLの濃度の1−メチ
    ル−2−ピロリドン溶液で35℃にて測定した前記ポリ
    アミドの還元粘度が0.05以上3.0dL/g以下で
    あることを特徴とする請求項1に記載のポリアミドの製
    造方法。
  3. 【請求項3】 b=0であることを特徴とする請求項1
    または2に記載のポリアミドの製造方法。
JP2002007744A 2002-01-16 2002-01-16 ポリアミドの製造方法 Pending JP2003206352A (ja)

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