JP2003206341A - ポリエステル系ポリマーの製造方法 - Google Patents

ポリエステル系ポリマーの製造方法

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JP2003206341A JP2002005388A JP2002005388A JP2003206341A JP 2003206341 A JP2003206341 A JP 2003206341A JP 2002005388 A JP2002005388 A JP 2002005388A JP 2002005388 A JP2002005388 A JP 2002005388A JP 2003206341 A JP2003206341 A JP 2003206341A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量のポリエステル系ポリマーを、均一
混合及び除熱における問題を解決し、優れた品質のポリ
エステル系ポリマーを連続的に得る。 【解決手段】 2軸以上の攪拌軸を有する塔型攪拌混合
機と、その出口に接続されたスタティックミキサーより
構成される反応装置に、水酸基および/またはエステル
結合を有するポリマー(A)と1種以上の環状エステル
類(B)を連続的に供給し、ポリマー(A)に環状エス
テル類(B)を開環重合させて共重合体(C)を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2軸以上の攪拌軸
を有する塔型攪拌混合機と、その出口に接続されたスタ
ティックミキサーより構成される反応装置を使用して、
水酸基および/またはエステル結合を有するポリマー
(A)に1種以上の環状エステル類(B)を開環重合さ
せて共重合体(C)を得るポリエステル系ポリマーの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシ酸の分子間脱水環状エステル
であるジラクタイドまたはジグリコライドをモノマーと
して使用したホモポリマー、分子内環状エステルである
ラクトンをモノマーとして使用したホモポリマー、及び
これらのモノマーの共重合体(以下、これらを単にポリ
エステル系ポリマーと云う)は、光、熱、酵素等によっ
て分解され、自然への還元サイクルに取り込まれるた
め、安全性並びに環境汚染防止の観点から、生分解性ポ
リマー材料として多くの研究が為されている。ジラクタ
イドまたはジグリコライドのホモポリマーの製造方法に
関しては、従来から大別して2通りの製造方法が知られ
ている。即ち、対応するヒドロキシカルボン酸から直
接、脱水重縮合してポリマーを製造する方法と、一旦ヒ
ドロキシ酸の脱水環状エステルを合成し、これを開環重
合してポリマーを製造する方法である。前者の直接重縮
合法によると、分子量4,000以上のポリマーを得る
事は難しく(C.H.Halten著、〃Lactic
Acid〃226頁、Veriag Chemie、1
971)、反応操作条件の検討により高分子量化を図っ
ても、特公平2−52930号公報に見られるように分
子量20,000程度が限界であった。このため、更な
る高分子量ポリマーの製造が必要とされる場合には、後
者の環状エステルの開環重合法が用いられてきた。
【0003】また、これらラクタイド類またはラクトン
類を使用したポリエステル系ポリマーの連続製造方法に
関しては、芳香族ポリエステルとラクトン類を使用した
連続製造方法が特開昭61−261124、61−28
3619、61−287922号公報に開示されてい
る。これらは、いずれもニーダーまたはエクストルーダ
ーのようなスクリューまたはパドル型の攪拌翼を反応器
内部に有し、動的攪拌機による攪拌により、反応系を攪
拌し、かつ内容物のポリマーを順次原料仕込口から製品
取り出し口に移送するものである。これらの技術は、短
時間に反応を終了させることが可能であることを開示し
ている。しかしながら、このような動的攪拌機による混
合操作は、高粘度化した反応終期の剪断発熱による温度
上昇を防止しえず、逆にこれを回避するために攪拌速度
を低下させる場合には初期の混合不良が懸念される。加
えて、ここに記載されたような短時間で反応を終了させ
るためには、必然的に反応温度を上げたり、触媒量を増
やす等の操作が必要であるので、同様の問題に加えて、
ポリエステル系ポリマーの耐水性に悪影響を与える。
【0004】またラクタイド類からのポリエステル系ポ
リマーの連続製造方法に関しては、特開平5−9305
0号公報には、複数の攪拌槽を直列につなぎ、これに反
応原料を連続的に供給することによって最初の反応槽か
ら最終反応槽までの滞留時間を反応時間とする連続重合
を行う、いわゆるCSTR連続製造法が開示されてい
る。しかしながらこれらはいずれも動的攪拌器を用いる
反応装置であり、ラクタイド類またはラクトン類から高
分子量のポリエステル系ポリマーを連続的に製造する際
に問題となる反応物の高粘度化に起因する均一攪拌の困
難さ及び除熱の困難さに関しては、解決策を開示もしく
は示唆するものではなかった。
【0005】即ち、前記各技術に開示されているラクタ
イド類からのポリエステル系ポリマーの製造方法を追試
しても、生成ポリマーの分子量の増大にともない、ポリ
マー粘度は1万〜数10万ポイズと非常な高粘度領域ま
で上昇し、通常の攪拌器では攪拌が困難となるばかり
か、反応内容物を取り出すことさえ困難となる。また強
力な攪拌器を用い、かつ攪拌翼を工夫して反応系を攪拌
しても、反応内容物は攪拌翼の回転に従った層流に近い
動きとなり、系内全体を均一に混合することは困難であ
る。また環状エステルの開環重合は発熱を伴うため、高
粘度化に伴う均一攪拌の困難さによって反応槽内の温度
コントロールが困難になり、反応が暴走したり、ポリマ
ー中の温度分布が生じ、局所加熱による品質の劣化が起
こる。
【0006】特開平7−26001および特開平7−1
49878号公報に記載されているように、これらの問
題点を解決する為、動的攪拌機のないスタティックミキ
サー(SM)が使われ始めてきたが、管内に固定された
可動しないミキシング・エレメントにより、流れを分割
・転換・反転を繰り返す構造の為、流体自身への抵抗が
非常に大きい。すなわち、反応系の圧力損失が非常に大
きくなり、反応器やポンプ等の設計が難しくなる。しか
も、この吐出圧の上限により生産能力の低下が発生す
る。また、SMの場合、混合すなわち剪断力をコントロ
ールすべき可動部がない為、ある特定の運転条件のみに
しか最適設計ができず、これ以外の場合、すなわち殆ど
の運転条件では、混合のコントロールができない為、常
に一定以上の混合不良、熱分布を持ったまま運転せざる
を得ない。さらに、高い圧力損失を低下させる為に、S
Mの口径すなわち流体が通る断面積を大きくした場合、
この混合不良及び熱分布は極めて大きくなる。混合不良
は運転開始から排出される製品の物性が安定するまでに
かかる時間、目的の反応率に到達させるための滞留時間
を長期化させ、製品の性状が安定しない原因となる。
【0007】これを回避する為、SMをループ式連続反
応装置として使う場合があるが、ループを増せば混合効
果は増すが、その分だけ反応器内の滞留時間分布が大き
くなり、長時間の受熱によるポリマーの分解・着色の品
質劣化は避けられない。特に水酸基および/またはエス
テル結合を有するポリマーと環状エステル類との共重合
体の製造においては分子量分布が広がり、さらにはエス
テル交換反応等の進行により各ブロックのセグメント長
の均一性が低下し、これはDSCによる結晶ピークをブ
ロードにする等の悪影響を与える。又、ループ部の流量
が増える為、設備が巨大化し、設備費が非常に高くなり
実用的ではない。
【0008】一方、初期の混合に関する問題を回避する
ために、溶剤等を用いて予め均一な溶液を用意するか、
あるいは攪拌機を有する攪拌式反応槽による予備重合す
る方法が提案されているが、固体、あるいは取り扱い温
度において高粘性液体であるポリマー原料と環状エステ
ル類を混合する場合、加熱状態において長時間処理する
必要があり、反応の進行により前述のループ式連続反応
装置と同様の問題を回避し得ない。
【0009】特にこれらの環状エステルから製造される
ポリエステル系ポリマーは、生分解性に優れるという特
性を有する反面、酸、アルカリ、あるいは水による加水
分解を受け易く、熱によっても容易に分子量の低下をき
たす性質を有している。例えば、GUPTAM,C,C
olloid Polym.Sol.(DEU)260
(3)308−311,1982には、空気中に於ける
昇温熱重量分析により、ジラクタイドのホモポリマーの
熱分解速度の研究例が報告されているが、密封された反
応容器内に於いてさえ、250℃以上の高温下では加速
された分子量の低下が起こる。加えて、このジラクタイ
ドのホモポリマー及びコポリマーは、高温暴露により着
色が進行するという性質をも有している。即ち、これら
の環状エステルを使用した従来の製造方法では、ポリマ
ーの高分子量化に伴う高粘度化の為に、均一な混合が妨
げられ、その結果として局部加熱による部分変質を生
じ、品質の低下を来す問題点があり、小規模な研究室で
の実験ではともかくも、大規模な工業生産にはより好ま
しい製造方法が求められていた。
【0010】このように、ポリエステル系ポリマーを製
造する際、反応系が高粘度になるために均一攪拌が困難
になり熱分解、着色等が発生したり、生成ポリマーの品
質低下や高い圧力損失による生産能力の低下などが起こ
ることがあった。また原料である水酸基および/または
エステル結合を有するポリマーと環状エステル類との反
応初期における混合が困難であるために、経済的に不利
なプロセスを余儀なくされていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子量の
ポリエステル系ポリマーを工業的に製造する際に問題と
なる反応物の高粘度化に起因する均一混合の困難さ、高
粘性原料と低粘性原料の均一混合の困難さ、除熱の困難
さ及び高い圧力損失による生産性の低下を解決し、優れ
た品質のポリエステル系ポリマーを連続的に製造する製
造方法を提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
問題点に鑑み、水酸基および/またはエステル結合を有
するポリマー、環状エステル類、およびこれらの反応生
成物であるポリエステル系ポリマーの攪拌・混合方法、
圧力損失を低下させる方法、更にその連続製造方法につ
いて鋭意検討した結果、2軸以上の攪拌軸を有する塔型
攪拌混合機と、その出口に接続されたスタティックミキ
サーより構成される反応装置を用いることにより、重合
液の粘度が高くても、反応内容物の良好な混合が可能
で、効率的に重合熱を除去でき、低い圧力損失で安定な
運転ができ、分解や着色の無い高分子量のポリマーを高
品質、高効率、かつ、高生産性で得られる事を見出して
本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明の第1は、2軸以上の攪拌軸
を有する塔型攪拌混合機と、その出口に接続されたスタ
ティックミキサーより構成される反応装置に、水酸基お
よび/またはエステル結合を有するポリマー(A)と1
種以上の環状エステル類(B)を連続的に供給し、ポリ
マー(A)に環状エステル類(B)を開環重合させて共
重合体(C)を得ることを特徴とするポリエステル系ポ
リマーの製造方法を提供する。本発明の第2は、ポリマ
ー(A)が結晶性芳香族ポリエステルである本発明の第
1に記載の製造方法を提供する。本発明の第3は、環状
エステル類(B)が、ラクトン類である本発明の第1又
は2に記載の製造方法を提供する。本発明の第4は、ラ
クトン類がε−カプロラクトンである本発明の第3に記
載の製造方法を提供する。本発明の第5は、環状エステ
ル類(B)の反応率が、2軸以上の攪拌軸を有する塔型
攪拌混合機通過後、スタティックミキサー通過前におい
て75モル%以下であり、スタティックミキサー通過後
において75モル%以上であることを特徴とする本発明
の第1〜4のいずれかに記載の製造方法を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、共重合体(C)をポ
リエステル系ポリマー(C)又は単にポリマー(C)と
もいう。始めに本発明で用いられる反応装置について説
明する。本発明で言う2軸以上の攪拌軸を有する塔型攪
拌混合機(攪拌混合機(I)という)とは、少なくとも
原料供給口、溶融状態のポリマーを排出する排出口を有
し、管状もしくはこれを並列に組み合わせた容器内に設
置された2軸以上の攪拌軸がそれぞれモーター等の動力
部に接続され、攪拌軸がそれぞれ、同方向あるいは異方
向に回転することにより攪拌を行なう装置を言う。その
形状等は特に限定されるものではないが、装置は縦、斜
め、または横に設置して用いられ、横に設置される場合
は気相部を有するよう設計されたものであってもよい。
攪拌軸には混合を行なうためのパドル等の攪拌翼が設置
されており、例えば、パドル先端部と他の攪拌軸および
管壁との隙間が厳密に調整されたもの、いわゆるセルフ
クリーニング能力を有するものが好ましい。
【0015】攪拌混合機(I)の具体的例としては、ま
ず2軸以上の押出機が挙げられ、好ましくは2軸押出機
で、同方向乃至は異方向回転型2軸押出機である。特に
好ましくは同方向回転噛み合い型2軸押出機である。押
出機のスクリュー長(L)と径(D)との比L/D等は
特に限定されるものではない。このような押出機は、例
えば、スクリュー型パドルが固定された軸部分とニーデ
ィングディスク型パドルが固定された軸部分が複数個組
み合わされて構成されている。スクリュー型パドルは主
に径内の物質を移送する役目と混合能力を有し、ニーデ
ィングディスク型パドルは混合能力と場合により固体状
の原料にせん断をかけることにで発熱、溶融させる能力
を有する。ニーディングディスク型パドルは、軸と直角
方向の断面が例えば凸レンズ形あるいは擬三角形以上の
多角形であり、柱状のフラットパドルあるいは場合によ
り若干のねじりを加えたヘリカルパドルである。他の具
体的例としては、栗本鐵工所製KRCニーダーのように本
質的に混合機能に特化した混練機が挙げられる。これら
の混練機は、一般に押出機と同様に、スクリュー型パド
ルとニーディングディスク型パドルが組み合わされ、特
にニーディングディスク型パドルが主に組み合わされ
る。これらの混練機は内容積を大きくすることが可能で
ある一方、L/Dは20以下で用いられることが多い。
原料が固体である場合には、別途加熱溶融させて本装置
に供給することが好ましい。さらに他の具体的例として
は、表面更新型の重合装置を用いても差し支えない。具
体的には日立製作所製めがね翼重合装置、格子翼重合装
置、三菱重工製SCR、NewSCR、住友重機械工業
製バイポラック等が挙げられる。
【0016】これらの攪拌混合機(I)は気相部を有す
る状態で通常使用されるが、本発明においては未反応環
状エステル類(B)のショートパスが懸念されるため、
満液状態で操作するか、あるいは後述するスタティック
ミキサーを含めた滞留時間の内に占める攪拌混合機
(I)内での滞留時間を短くすることによりその影響を
低減できる。また攪拌混合機(I)自体を斜めに設置
し、排出口付近の気相部を積極的に無くする方法を用い
てもよい。原料が固体である場合には別途加熱溶融させ
て本装置に供給することが好ましい。
【0017】本発明で言うスタティックミキサーとは、
動的攪拌機を有する混合装置に対して、可動部分の無
い、即ち動的攪拌機のない静的混合装置のことを言う。
より具体的には、スタティックミキサーは、通常、管と
管内に固定された可動部分の無いミキシング・エレメン
トからなり、これにより、流れを分割し、かつ流れ方向
を転換または反転させ、流れを縦方向、横方向に分割・
転換・反転を繰り返すことにより流体を混合する混合装
置のことである。スタティックミキサーの種類によって
は、管外周部に熱交換の為のジャケットが備えられてい
るものもあり、またミキシング・エレメント自体に熱媒
体を通す熱交換の為のチューブが備えられているものも
ある。本発明においては、原料液をポンプ等によってこ
のスタティックミキサーに供給し、スタティックミキサ
ーを反応装置として用いる他、原料もしくは生成ポリマ
ーの混合の為に用いる。
【0018】熱分解性を有するポリエステル系ポリマー
(C)の製造においては、樹脂粘度が10,000ポイ
ズを越えるような高粘度領域では、重合熱はもとより、
攪拌剪断応力により発生する攪拌熱の発生が激しく、動
的攪拌ではその攪拌部に於ける局所的発熱が著しくなる
為、剪断応力が小さく、しかも均一に作用するスタティ
ックミキサーの使用が特に好ましい。またスタティック
ミキサーは、通常管状であり、複数のスタティックミキ
サーを直列に連結し、不活性ガス雰囲気下で仕込み口か
ら、原料や攪拌混合機(I)で生成した低分子量共重合
体を連続的に供給し、反応物がスタティックミキサー内
を連続的に移動することにより、反応を連続的に、しか
も外部大気に全く触れることなく行うことができる。従
って、仕込みから、反応、ポリマーの脱低沸による未反
応モノマー(B)やそのオリゴマーや必要に応じて用い
られる溶剤の回収、及びポリマーのペレット化までを連
続的に行なうことが出来る。これは従来のバッチ式反応
装置による製造では得られない利点であり、特に酸素、
水分、あるいはポリマーによっては更に光により分解す
る分解性ポリマーの製造に極めて適した製造方法であ
る。即ち、動的攪拌のみでは、高粘度ポリマーの均一混
合性を上げるべく攪拌動力を増せば増すほど攪拌熱も増
加し、ポリマーの分解が進行する結果となるが、本発明
は、攪拌混合機(I)と、その出口に接続された静的混
合機(スタティック・ミキサー)の使用により、この問
題が解決された。
【0019】またスタティックミキサーは、管外部に熱
交換器を設けて、反応器内の温度を制御することができ
る。また更に内部のミキシングエレメント自体に媒体を
流し、より広い熱交換面積を得ることにより、より効率
的に反応装置内の温度を制御することができる。本発明
に用いられるスタティックミキサーは、具体的には、例
えばスルザー(Sulzer)式スタティックミキサ
ー、ケニックス(Kenics)式スタティックミキサ
ー、東レ式スタティックミキサー等が好ましく用いられ
る。重合発熱量の高いポリマーの製造や特に高粘度にな
る生分解性ポリエステル系ポリマーの製造には、スタテ
ィックミキサーのミキシング・エレメント自体に、熱交
換の為の媒体流路を組み込んだスルザー式のSMRタイ
プが特に好ましい。
【0020】また混合効率は流体の線速度に比例する。
十分な混合効果を得る為のミキシング・エレメントの数
は、反応液の粘度により決定され、その場合、スタティ
ックミキサー中の反応液のレイノルズ数Re=DUρ/
μ(D:管内径(cm)、U:管内流速(cm/se
c)、ρ:密度(g/cm3)、μ:粘度(g/cm・
sec))が、一般的な粘度では103以上であること
が好ましい。しかしながら、本発明は極めて高粘度の重
合反応であるので、むしろスタティックミキサーによる
流れの反転ないしは方向の転換の効果が重要となり、ス
タティックミキサー中のミキシング・エレメントの数
は、必ずしもRe数103以上の条件により設定する必
要はなく、用いるスタティックミキサーの形式によって
異なる。それ故、本発明に用いるスタティックミキサー
はミキシング・エレメントを組み合わせて構成すること
が可能であり、ミキシング・エレメントの総数は、特に
限定する必要はないが、一般に5〜40ユニット、多く
の場合10〜25ユニットである。
【0021】本発明で用いられる反応装置は、2軸以上
の攪拌軸を有する塔型攪拌混合機(攪拌混合機(I))
およびスタティックミキサーより構成される。スタティ
ックミキサー自身は移送能力を持たないので、物質の移
送は2軸以上の攪拌軸を有する塔型攪拌混合機の送り能
力や、必要に応じて反応途中、反応後の反応混合物、ポ
リエステル系ポリマーの移送にはギヤポンプ、プランジ
ャーポンプ等のポンプ類や、加熱溶融する機能をも有す
る1軸あるいは2軸以上の攪拌軸を有する押出機は必須
である。また原料が固体である場合には、攪拌混合機
(I)内部にて加熱溶融(または環状エステルとの溶
解)させるか、あるいは別途押出機等により加熱溶融し
た後、攪拌混合機(I)に供給する。
【0022】次に本発明で用いられるポリエステル系ポ
リマー(C)の重合成分について説明する。本発明で用
いられる環状エステル類(B)としては、ヒドロキシカ
ルボン酸の分子間環状エステルとラクトン類が挙げられ
る。ラクトンとは、分子内環状エステル構造を有するも
のを言い、具体的には、ε−カプロラクトン、α,α−
ジメチル−β−プロピオラクトン、ドデカノラクトン、
β−プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクト
ン、3−アルキルバレロラクトン、β,β−ジアルキル
バレロラクトン、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸
のラクトン、イソクマリン、クマリン、ヒドロキシクマ
リン、フタライド等である。これらの内、ε−カプロラ
クトンが好ましく用いられる。本発明では、環状エステ
ル類(B)と同様にラクタム類も使用可能であり、環状
エステル類(B)とラクタム類の混合物も使用可能であ
る。ラクタム類とは、分子内環状アミド構造を有するも
のを言い、具体的には、ε−カプロラクタム、δ−バレ
ロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタ
ム等が挙げられる。これらの内、ε−カプロラクタム、
γ−ブチロラクタム等が好ましく用いられる。環状エス
テル類(B)やラクタム類は単独で開環重合させ、ポリ
エステル系ポリマーを製造させることができるが、1種
以上のヒドロキシカルボン酸の分子間環状エステルと共
重合させることも出来る。その場合、分子間環状エステ
ルとラクトンの重合比率は、目的とするポリマーにより
種々変えることができるが、分子間環状エステルとラク
トンの組み合わせを種々選定することによって、互いに
好ましい性質を付加させることができる。重合後の環状
エステル類の結晶性を低下させ、調整するのに特に有用
である。
【0023】ヒドロキシカルボン酸の分子間環状エステ
ルとは、同一又は異なる種類の二分子のヒドロキシカル
ボン酸が分子間で脱水環状エステル化したものである。
代表的なものは例えば、下記一般式1で表される。
【0024】
【化1】
【0025】(式中、R1、R2、R3、R4は互いに同一
又は異なっていてもよく、各々水素原子、メチル基又は
エチル基を表す。)
【0026】ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、グ
リコール酸、エチルグリコール酸、ジメチルグリコール
酸、α−ヒドロキシ吉草酸、α−ヒドロキシイソ吉草
酸、α−ヒドロキシカプロン酸、α−ヒドロキシイソカ
プロン酸、α−ヒドロキシ−β−メチル吉草酸、α−ヒ
ドロキシヘプタン酸、α−ヒドロキシオクタン酸、α−
ヒドロキシデカン酸、α−ヒドロキシミリスチン酸、α
−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。同一ヒドロ
キシカルボン酸の環状エステルとしては、例えば、ジグ
リコライド(即ち、1,4−ジオキサ−シクロヘキサン
−2,5−ジオン、単にグリコライドともいう。)、ジ
ラクタイド(即ち、1,4−ジオキサ−3,6−ジメチ
ルシクロヘキサン−2,5−ジオン、単にラクタイドと
もいう。)、ジ(エチルグリコライド)、ジ(ジメチル
グリコライド)、またL−乳酸またはD−乳酸が各々、
二分子間で環状エステル化したL−ジラクタイド、D−
ジラクタイド、D,L−乳酸の二分子が環状エステル化
したD,L−ジラクタイド、L−乳酸またはD−乳酸の
一分子ずつが環状エステル化したMESO−ジラクタイ
ド等のジラクタイド類が挙げられる。異なるヒドロキシ
カルボン酸の環状エステルとしては、例えば、メチルグ
リコライド、α,α−ジメチルグリコライド、トリメチ
ルグリコライド等が挙げられる。本発明に用いられる分
子間環状エステルは目的とするポリマーの特性により選
定され、かつ2種以上組み合わせて用いることが出来
る。例えば、ジラクタイドとジグリコライドのコポリマ
ーとしてジラクタイドを用いる場合であっても、単にジ
ラクタイドとしてL−ジラクタイドまたはD−ジラクタ
イドのみを用いるのではなく、L−ジラクタイド、D−
ジラクタイド、D,L−ジラクタイド、MESO−ジラ
クタイドから選ばれる2種以上のジラクタイドをジグリ
コライドに組み合わせることによって、樹脂の結晶性の
観点から成形性や透明性、耐熱性において、より好まし
い樹脂特性を実現できる。
【0027】環状エステル類(B)の仕込み方法として
は、液状であれば室温以上、固体であれば液化する温度
にまで加熱溶融し、プランジャーポンプ、ギヤポンプ等
を用いて反応器へ移送される。環状エステル類(B)の
加熱は予め加熱が可能なタンク内にて行なわれてもよい
し、一般的に用いられうる熱交換器等を用いてもよい。
例えば後述するポリマー(A)が融点もしくは軟化温度
を有する場合にはその温度以上に加熱することが好まし
いが、溶解性が良好であり、ポリマーの固化が発生しな
い場合においては、ポリマーの融点よりも30℃低い温
度でも実施し得る。具体的には125〜300℃、より
好ましくは150〜250℃である。このように加熱さ
れた環状エステル類(B)は、反応初期を含む2ヶ所以
上に、スタティックミキサーや配管などを使用して、分
散して仕込んでも差し支えない。環状エステル類中の酸
素、水分は、予め除去しておくか、除去した後も乾燥状
態に維持させることが好ましく、減圧、不活性ガスパー
ジ、蒸留、吸着等の通常用いられる方法で低減させるこ
とができる。
【0028】本発明に用いられる、水酸基及び/または
エステル結合を有するポリマー(A)とは、少なくとも
水酸基を有するポリマー又は少なくともエステル結合を
有するポリマーである。水酸基を有するポリマーとして
は、例えばポリビニルアルコール、澱粉、セルロース、
セルロースエーテルが挙げられ、これらを用いた場合は
グラフト系重合に近い重合体が得られ易く、ポリオキシ
アルキレンエーテルではブロック系重合に近い重合体が
得られ易い。またエステル結合を有し、水酸基を有しな
いポリマーとしては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル/エ
チレン共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリレート
系共重合体、ポリカーボネート等が挙げられる。エステ
ル結合を有し、水酸基を有しないで、末端にカルボキシ
ル基を有するポリマーとしては、ポリエステルアミド、
脂肪族ポリエステル、脂環族ポリエステル、結晶性芳香
族ポリエステル、結晶性芳香族を主成分とするポリエス
テル系エラストマー等が挙げられる。末端水酸基が存在
しない場合、反応速度が非常に遅いため、エステルの一
部を加水分解せしめるための微量の水分もしくは促進剤
としての添加物(アルコール等)の添加が好ましい(こ
のような添加物としては後述の分子量調整剤が使用でき
る)。水酸基及びエステル結合を有するポリマーとして
は、部分エステル化セルロースエステル、ポリエステル
アミド、脂肪族ポリエステル、脂環族ポリエステル、結
晶性芳香族ポリエステル、結晶性芳香族を主成分とする
ポリエステル系エラストマー等が挙げられる。これらは
2種以上混合して使用することができる。この中で特に
結晶性芳香族ポリエステルが好ましい。結晶性芳香族ポ
リエステルとは、主にテレフタル酸、イソフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸等から1種以上選択さ
れる芳香族ジカルボン酸、及び/又は4−ヒドロキシ安
息香酸もしくは6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、とエ
チレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジ
オール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水添
ビスフェノールA、キシリレングリコール;ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ジブタンジオール、ポリテトラメチレングリ
コール等のポリアルキレングリコールから1種以上選択
される脂肪族ジオールとから構成される。少量成分とし
て、4−アミノ安息香酸等が含まれていてもよい。結晶
性芳香族ポリエステルは、融点または軟化点が180℃
以上であることが好ましい。具体的にはポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、これら
を中心に構成されるポリエステル系エラストマーが挙げ
られる。またジカルボン酸成分として、全ジカルボン酸
成分中のモル分率として10モル%を超えない範囲で、
こはく酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブ
ラシル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸か
ら選択される脂肪族ジカルボン酸を用いてもよい。この
ような結晶性芳香族ポリエステルは、環状エステル類や
溶剤類への溶解が困難であり、均一溶液を調製するため
には特に長時間、高温下で加熱する必要があり、本発明
の方法を用いることにより改善されうる。本発明に係る
ポリマー(A)としては、これらのポリマーまたはこれ
らの2種以上の混合物を特に制限なく用いることができ
る。ポリマー(A)の重量平均分子量(Mw)は、好ま
しくは5,000〜300,000、さらに好ましくは
重量平均分子量10,000〜200,000である。
特に、重量平均分子量が20,000を超える場合に
は、圧力損失が上昇する問題がより顕著に表れるため
に、本発明の効果をより大きく発現し得る。
【0029】ポリマー(A)の溶融粘度としては、仕込
み混合条件(温度、剪断速度等)において好ましくは
5,000〜500,000ポイズ、好ましくは10,
000〜200,000ポイズである。セルロースエス
テルでは、相溶性の点から、含有水酸基の43〜65%
がエステル化されているものが好ましい。結晶性芳香族
ポリエステル末端等に存在する水酸基量、カルボン酸
量、又は分子量は得られる共重合体のブロック性に影響
を与える。しかし、開環重合とエステル交換反応は何れ
も末端水酸基の量に影響を受け、それぞれの反応の温度
依存性、末端水酸基次数等が近いため、むしろ開環重合
に大きな影響を与える環状エステル濃度を反応の初期お
よび終期で調整する方法や、触媒種等により調整する方
法が好適である。従って特に制限されない。
【0030】本発明は、重合触媒の存在下でも実施し得
る。重合触媒としては、塩化チタン、チタン酸テトラブ
チル、チタン酸テトラプロピル、チタン酸テトラエチル
等のチタン系化合物;塩化第1スズ、臭化第1スズ、ヨ
ウ化第1スズ、2−エチルヘキサン酸スズ等のスズ系化
合物;塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、酸化亜
鉛、炭酸亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、ジエチル亜鉛等の亜鉛
化合物;アルミニウム化合物;マグネシウム化合物;バ
リウム化合物;ジルコニウム化合物;ゲルマニウム化合
物等であり、これらは単独或いは組み合わせて用いるこ
とができ、その添加量は、ポリマー(A)と環状エステ
ル類(B)の合計に対して重量比率で、通常0.001
〜1.0%であり、更に好ましくは、0.01〜0.1
%の範囲である。
【0031】ポリマー(A)の反応器への仕込み方法は
特に制限されない。仕込み温度は、反応温度付近、特に
固体状ポリマーの場合には融点もしくは軟化温度から融
点もしくは軟化温度より50℃高い温度までの温度範
囲、より好ましくは融点より5℃高い温度から20℃高
い温度までの温度範囲から選択される温度、具体的に
は、125〜300℃、より好ましくは180℃〜26
0℃である。装置としては1軸、或いは2軸以上の攪拌
軸を有し、加熱、移送することが可能な装置である押出
機等が用いられる。さらに仕込み精度を向上させるため
に押出機出口にギヤポンプ等を設置してもよい。また、
別途ポリマー(A)の重合反応直後に、溶融状態を保っ
たまま、反応器へ移送し用いてもよい。原料ポリマー
(A)は、通常用いられる乾燥機等を用い、減圧または
通気下にて樹脂中の水分量を少なくとも1,000pp
m以下、好ましくは100ppm以下に低減させ、さら
に必要であれば窒素等不活性ガスによる置換を行い酸素
濃度を低減させると同時に水分の再吸着を防止すること
が好ましい。
【0032】本発明による効果は、ポリマー(A)/環
状エステル類(B)の仕込み混合条件における粘度比が
100,000を超える場合、特に1,000,000
を超える場合に顕著に発現する。一般にこの粘度比が大
きいと混合がより困難となり、また得られるポリエステ
ル系ポリマー(C)の粘度も高粘度となる傾向があるた
め、実質的に混合効率の向上と圧力損失の低減とを両立
しがたい。仕込み混合条件における粘度比は、せん断速
度、温度等を考慮し、反応初期のそれぞれの粘度から求
められる。
【0033】ポリマー(A)と環状エステル類(B)の
仕込み比率は、目的とする共重合ポリマーの性質によっ
て異なるが、環状エステル類(B)とポリマー(A)の
共重合において環状エステル類(B)/ポリマー(A)
の重量比率は、通常は、99/1〜1/99、好ましく
は5/95〜75/25、更に好ましくは10/90〜
50/50である。重合反応温度は、用いる原料により
異なるが、環状エステル類(B)が環状エステルを含む
場合には125〜200℃、より好ましくは150〜1
90℃である。環状エステルがラクトン類のみにより構
成される場合には、150〜300℃、より好ましくは
180〜250℃である。また、ポリマー(A)の融点
もしくは軟化温度より15℃低い温度〜50℃高い温
度、より好ましくは軟化温度もしくは融点〜20℃高い
温度である。具体的には125〜300℃、より好まし
くは150〜260℃である。特に、結晶性芳香族ポリ
エステルを用いる場合には180〜300℃、より好ま
しくは225〜260℃である。
【0034】環状エステル類(B)の反応率は任意に設
定し得るが、該反応率が高い場合には環状エステル類
(B)の重合速度が低下する一方でエステル交換等の反
応が進行するため、特に結晶性芳香族ポリエステルをポ
リマー(A)として使用する場合には融点低下等の変化
に注意する必要がある。好ましい反応率は75〜99モ
ル%であり、より好ましくは90〜97.5モル%であ
る。滞留時間(反応時間)は、用いる原料および比率、
反応温度、目標とする反応率により変化するが、一般に
0.2〜10時間、より好ましくは0.5〜5時間、さ
らには0.5〜2時間である。系内の最大反応圧力は2
〜200kg/cm2、好ましくは2〜50kg/c
2、さらに好ましくは2〜20kg/cm2である。た
だし、攪拌混合機(I)に関しては内容物および揮発成
分の漏洩が問題にならない場合において、高い圧力に保
っても差し支えない。また、本発明において、特に攪拌
混合機(I)通過後、スタティックミキサー通過前にお
いて、好ましい環状エステル類の反応率は75モル%以
下である。より好ましくは50モル%以下、さらには3
0モル%以下である。反応率が高いと攪拌混合機(I)
内部でせん断による発熱が起こり、樹脂物性に悪影響を
与える。
【0035】本発明において使用する重合原料は、生分
解性または加水分解性を有するので、酸素または水分に
よる重合原料の分解を抑える為、乾燥させた重合原料を
窒素ガス等の不活性ガスを流しながら、おのおの異なっ
た方法にて攪拌混合機(I)に供給する。
【0036】本発明では、ポリマー(A)と環状エステ
ル類(B)を溶剤の非存在下に塊状重合することができ
るが、反応液の粘度を調整する目的で、重合反応に悪影
響を与えない溶剤の存在下に反応を行うこともできる。
溶剤を加えると、反応系の粘度を低下させることができ
る為、剪断応力の低下による均一混合の一層の向上が図
れ、また反応装置中に用いるミキシング・エレメントの
数を減らすことができて、混合に必要な流速を得る為の
圧力を低下できるので、反応装置全体の耐圧設計を低く
抑えることができる。反応系に添加できる溶剤は、重合
原料及び生成ポリマーと反応せず、重合原料及び生成ポ
リマーに対する溶解性が良く、かつ回収・再使用が容易
な溶剤であればよい。具体的例としては、トルエン、キ
シレン、エチルベンゼン等が好ましく用いられる。反応
系に加える溶剤量は、連続反応での定常状態では、重合
原料100重量部に対して20重量部以下で用いること
が好ましく、全反応期を通じての反応液の最高粘度を5
0,000ポイズ以下に調整することが好ましい。この
範囲の溶剤量であれば、反応速度は大きな影響を受ける
ことはなく、得られる生成ポリマーの分子量が低下する
こともない。但し、連続反応での非定常状態、例えば連
続反応開始時では、反応系に加える溶剤量は、重合原料
のモノマー及び/またはポリマーから成る重合成分10
0重量部に対して20重量部以上の量で用いられる。こ
れは急激な重合反応が起こらないように、溶剤で反応系
を希釈して反応を開始し、以後、様子を見ながら徐々に
重合成分の比率、反応温度を高めて行き、重合反応を開
始する。溶剤の添加時期は、原料仕込の段階であっても
よいし、またスタティックミキサーの混合能力は極めて
良好で、高粘度の溶液と溶剤も容易に均一に混合できる
ので、反応途中の発熱量が著しい重合段階で、冷却を目
的に反応系に加えることもできる。また重合後期で高分
子量化した生成ポリマーにより反応液の粘度が極めて増
加した時点で、反応系に添加することもできる。また反
応途中で反応系中に溶剤を添加する場合には、添加する
溶剤に更に重合原料のモノマー及び/またはポリマーを
溶解させて、反応系に加えることもできるし、その他の
添加剤、例えば、分子量調節剤、可塑剤、酸化防止剤等
を溶剤に溶解させて、反応系に加えることもできる。溶
剤を加えた場合の重合反応系内の圧力は、用いる重合原
料により異なるが、一般に2〜15kg/cm2、通常
は10kg/cm2以下、重合反応系での滞留時間(反
応時間)は一般に0.2〜10時間である。攪拌軸を有
する塔型攪拌混合機部分は装置形状により軸シール部分
等からの漏洩が無い場合においては、上記以上の圧力下
操作しても差し支えない。
【0037】本発明において、モノマー(B)の反応率
は75モル%以上であればよく、それ以外の未反応モノ
マーは脱低沸装置等によって回収し、再度、原料として
使用する。回収原料モノマーは連続的に原料仕込槽に戻
すこともできるし、一旦クッションタンクに貯蔵し、原
料モノマーとタンク内で混合してから反応に用いること
もできる。反応率が75モル%以上のものであっても、
残存モノマーやオリゴマーは反応性であり、製品ポリマ
ー中に残存すると貯蔵安定性に影響を与え、またヒトに
対する安全性や臭気の面からも残存モノマー、オリゴマ
ーは好ましくない為、除去することが望ましい。
【0038】脱低沸方法としては、重合反応終了後の生
成ポリマーを加熱下、減圧状態もしくはガス流通下に保
つことができ、気層部より低沸分を系外に取り出すこと
ができる方法であれば特に制限は無く、具体的な脱低沸
方法としては、重合反応終了後の生成ポリマーを、反応
装置に接続したプレヒーターにおいて、まずポリマーに
十分な流動性を与えることと低沸物の蒸発熱を与えるこ
とを目的に、加熱溶融させる。この際、熱交換器とし
て、竪型多管式熱交換器や熱交換器を備えたスタティッ
クミキサーを用いることもできる。脱低沸装置として
は、単なるフラッシュ・タンクや縦型の脱低沸装置を用
いて、一段階で脱低沸を行い、残存モノマー及び/また
は溶剤を脱低沸させることができる。好ましくは、二段
階の脱低沸槽の組合せにより脱低沸を行なう。即ち、第
一段目の脱低沸装置内では真空度20〜150mmHg
で脱低沸を行ない、第二段目の脱低沸装置内で更に高い
真空度、例えば、0.1〜20mmHgで、脱低沸し、
未反応モノマーを分離・回収する。真空装置は通常のも
のを使用できる。例えば第一段目にフラッシュ式脱低沸
装置を用い、第二段目に薄膜式脱低沸装置を用いること
ができる。
【0039】脱低沸後、ポリマーを脱低沸装置の底部か
らギアポンプ等により抜き出し、ペレット化することも
できるし、またベント式押出機によって、ポリマーを直
径0.3〜3mmの口径を有する複数の線状ポリマーと
して押し出し、脱低沸装置内に連続的に供給して脱低沸
することもできる。脱低沸が終了したポリマーは、ギア
ポンプにて抜き出し、そのままペレット化することもで
きるし、必要に応じて添加剤をエクストルーダー、スタ
テックミキサー等により混合した後、ペレット化するこ
ともできる。
【0040】未反応モノマーは更にコンデンサーにより
冷却、回収し、再度、新規原料モノマーとともに反応に
供することができる。回収された未反応モノマーは連続
反応が定常状態に達した後は、連続的に原料仕込槽にリ
サイクルされ、連続的に反応に使用される。また分離・
回収された溶剤はコンデンサーにより冷却・回収後は、
溶剤タンク内に貯蔵され、必要に応じて、再使用され
る。原料ポリマー(A)が生成ポリエステル系ポリマー
(C)中に残存することを防ぐ為に、原料モノマー
(B)の原料ポリマー(A)に対する仕込み比を多くす
ることが好ましく、未反応モノマー(B)は回収、再使
用すればよい。連続的にこれらの脱低沸装置を用いるこ
とによって、ポリエステル系ポリマー(C)中の残存モ
ノマー含量を1重量%以下にすることができる。
【0041】得られるポリマー(C)は、原料ポリマー
の重量平均分子量および原料の構成比率に依存するが、
重量平均分子量5,000〜500,000、より好ま
しくは10,000〜300,000である。特に、重
量平均分子量が20,000を超える場合には、圧力損
失が上昇する問題がより顕著に表れるために、本発明の
効果が顕著となる。ポリマー(C)の操作条件(温度、
剪断速度)における溶融粘度は、5,000〜500,
000ポイズ、より好ましくは10,000〜200,
000ポイズである。
【0042】また本発明では、目的に応じ、水、乳酸、
グリコール酸及び他のアルコールまたはカルボン酸等の
分子量調節剤(連鎖移動剤)、官能基としてカルボキシ
ル基、水酸基および他のエステル形成性基より選択され
る官能基を3以上有する化合物を用い低分子量のポリマ
ーを得ることもできる。更に、本発明には一般に用いら
れる他のポリマー添加剤である酸化防止剤、紫外線吸収
剤、可塑剤等についても、特に制約無く、添加すること
ができ、これらは反応途中で溶剤に溶解させて反応系に
添加することができる。また、本発明における連続反応
の間、先に述べた共重合可能な成分はもとより、イソシ
アネート類、酸無水物、エポキシ化合物等を更に追加添
加することも可能であり、ポリマーの性能を改質するこ
とができる。
【0043】本発明は、2軸以上の攪拌軸を有する塔型
攪拌混合機とスタティックミキサーより構成される反応
装置に、環状エステル類(B)およびポリマー(A)を
連続的に供給し、溶剤の存在下または非存在下に、反応
物が大気中の酸素、水分に全く触れない状態で、好まし
くは環状エステル類(B)のワンパス反応率75%以上
で連続的に反応させ、溶融粘度500,000ポイズ以
下、重量平均分子量10,000以上のポリエステル系
ポリマーの連続製造方法である。本発明は、特に2種以
上のポリマー成分より構成されるブロック、グラフト共
重合体の製造に適しており、ここで製造されるポリマー
は相溶化剤、接着剤、エラストマー、形状記憶性樹脂、
各種成形用樹脂として多くの用途に用いられる。
【0044】
【実施例】以下に実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるもの
ではない。なお%及び部は、特に記載しない限り全て重
量%および重量部を表す。
【0045】使用した分析、物性測定条件を下記に示
す。 (1)融点 示差走査熱量測定装置(DSC)により、JIS K
7121に従って、融解ピーク温度(Tpm);融解開始温
度(Tim)と溶融終了温度(Tem)を、それぞれ融点;融点分
散として求めた。実施例および比較例に記載されたそれ
ぞれの重合後の樹脂では、ポリカプロラクトンホモポリ
マー又はポリカプロラクトンのブロック部分に由来する
低融点ピークは全く観測されなかった。 (2)未反応ラクトン量 島津製作所製ガスクロマトグラフGC−14Aを用い、
内径3.2mm、長さ2.1mのガラス製カラムに、P
EG20Mの10%/ユニポートHPSを充填したもの
を使用した。サンプル0.5gと内部標準物質としてジ
フェニルエーテル0.1gを正確に量り取り、HFIP
(ヘキサフルオロイソプロパノール)20gに溶解させ
た。180℃一定温度にて、窒素をキャリアーとして測
定し得られた結果は内部標準法により計算し、未反応ラ
クトン量(重量%)を求めた。 (3)重量平均分子量 GPCにより、標準PMMA換算により求めた。GPC測定
は、カラムに昭和電工株式会社製Shodex GPC HFIP-800
P、HFIP-805P、HFIP-804P、HFIP-803Pを用い、検出器に
島津製作所製RID-6Aを用い、溶離液にはHFIPを使用
し、カラム温度50℃、流速1.0ml/minにて行った。 (4)原料 ポリマー(A):ポリブチレンテレフタレート(ポリプ
ラスチックス社製、240℃、10/秒での溶融粘度2
5,000ポイズ)をホッパードライヤー(露点が−4
0℃のエアー使用)にて水分濃度40ppm以下に乾燥
したものを使用した。 環状エステル類(B):ε−カプロラクトン (5)残存モノマー濃度 ε−カプロラクトンを所定量供給してから所定時間経過
した時点より、30分毎に5回、得られたポリエステル
系ポリマーのサンプリングを行い、それぞれのモノマー
濃度の平均値を残存モノマー濃度とし、最大と最小の値
を示した。
【0046】(比較例1)反応器として、日本製鋼所製
2軸同方向回転噛み合い型押出機TEX30(内径32
mm、L/D=42)を使用した。上記ポリブチレンテ
レフタレートをスクリュー式フィーダーを用いて4.8
kg/時間で、上記反応器に供給した。その後、ε−カ
プロラクトンをプランジャーポンプを使用し、ベント口
より3.2kg/時間にて供給した。反応器のスクリュ
ー配置は、ポリブチレンテレフタレート供給口直下はス
クリューパドル、直後にニーディングディスクパドルを
配し、ついでε−カプロラクトン供給ベント口付近はス
クリューパドル、その後さらにニーディングディスクパ
ドルを配した後、最後にスクリューパドルを配するよう
にした。加熱温度は供給口に近い方から190℃、22
0℃とし、残りのシリンダーはすべて230℃とし、ス
クリュー回転数100rpmで反応を行なった。平均滞
留時間(カーボンブラック添加着色により測定した。以
下同じ)7分であった。ダイス付近の樹脂温度は253
℃にまで上昇していた。次に、得られたポリエステル系
ポリマーを、ダイスからストランド状で排出し、水冷後
ペレット化した。ペレットについて各種の性状や分析、
物性測定を行った。結果を表1に示す。残存モノマー測
定用サンプリングはε−カプロラクトンを所定量供給し
てから1時間経過した時点より行った。
【0047】(比較例2)スクリュー回転数を50rp
m、加熱温度を供給口に近いほうから190℃、230
℃とした以外は、比較例1と同様にして行なった。滞留
時間は10分であった。ダイス付近の樹脂温度は238
℃であった。測定結果を表1に示す。
【0048】(比較例3)反応機として、日本製鋼所製
2軸同方向回転噛み合い型押出機TEX30(内径32
mm、L/D=28)を使用した以外は、比較例2と同
様にして行なった。滞留時間は2.5分であった。ダイ
ス付近の樹脂温度は230℃であった。得られたポリエ
ステル系ポリマーは反応率が低く、ストランド状に取り
出すことができなかったが、測定結果を表1に示す。
【0049】(比較例4)反応器として、栗本鉄工所製
KRCニーダーS2(内径50mm、L/D=9)を使用
した。前記ポリブチレンテレフタレートを、直径30m
mの1軸押出機およびギヤポンプを用いて樹脂温度24
0℃にて上記反応器の原料供給口より連続的に供給し
た。一方、ε−カプロラクトンをプランジャーポンプに
よる送液と熱交換器による加熱を実施し、液温210℃
になるようにし、上記反応器のベント口より供給した。
原料供給速度は、ポリブチレンテレフタレート600g
/時間、ε−カプロラクトン400g/時間、触媒はポ
リブチレンテレフタレート中に含まれるもの以外は用い
なかった。スクリュー配置は、原料供給口およびベント
口付近をスクリューパドルとし、他をすべてフラットタ
イプのニーディングディスクパドルとした。加熱温度は
すべて230℃とし、攪拌回転数50rpmの条件で連
続的に供給し付加反応を行なった。平均滞留時間は40
分であった。ダイス付近の樹脂温度は235℃であっ
た。次にダイスからポリマーをストランド状で排出し、
水冷後カッティングして、ポリエステル系ポリマーを得
た。測定結果を表1に示す。残存モノマー測定用サンプ
リングはε−カプロラクトンを所定量供給してから3時
間経過した時点より行った。
【0050】(比較例5)反応器として、日立製作所製
格子翼重合機(内容積6L)を使用した。前記ポリブチ
レンテレフタレートを、直径30mmの1軸押出機およ
びギヤポンプを用いて樹脂温度240℃にて原料供給口
より連続的に供給した。一方、ε−カプロラクトンをプ
ランジャーポンプによる送液と熱交換器による加熱を実
施し、液温210℃になるようにし、原料供給口より供
給した。原料供給速度は、ポリブチレンテレフタレート
5.4kg/時間、ε−カプロラクトン3.6kg/時
間、触媒はポリブチレンテレフタレート中に含まれるも
の以外は用いなかった。加熱温度はすべて230℃と
し、攪拌回転数10rpmの条件で連続的に供給し付加
反応を行なった。平均滞留時間は45分であった。ダイ
ス付近の樹脂温度は230〜231℃で安定していた。
次にダイスからポリマーをストランド状で排出し、水冷
後カッティングして、ポリエステル系ポリマーを得た。
測定結果を表1に示す。残存モノマー測定用サンプリン
グはε−カプロラクトンを所定量供給してから3時間経
過した時点より行った。
【0051】(実施例1)反応器として、比較例1と同
じ押出機TEX30の出口に、スルザー社製スタティッ
クミキサーSMX(内径3インチ、長さ1200mm)
を接続して使用した。前記ポリブチレンテレフタレート
を、スクリュー式フィーダーを用いて4.8kg/時間
にて供給した。その後ε−カプロラクトンはプランジャ
ーポンプを使用し、ベント口より3.2kg/時間にて
供給した。スクリュー配置は、ポリブチレンテレフタレ
ート供給口直下はスクリューパドル、直後にニーディン
グディスクパドルを配し、ついでε−カプロラクトン供
給ベント口付近はスクリューパドル、その後さらにニー
ディングディスクパドルを配した後、最後にスクリュー
パドルを配した。加熱温度は供給口に近い方から190
℃、220℃とし、残りのシリンダーはすべて230℃
とし、スクリュー回転数50rpmで付加反応を行なっ
た。またスタティックミキサー部分は加熱温度230℃
とした。反応器全体の平均滞留時間は43分であった。
ダイス付近の樹脂温度は230〜231℃で安定してい
た。次にダイスからポリマーをストランド状で排出し、
水冷後カッティングして、ポリエステル系ポリマーを得
た。測定結果を表1に示す。残存モノマー測定用サンプ
リングはε−カプロラクトンを所定量供給してから3時
間経過した時点より行った。
【0052】(実施例2)反応器として、比較例4と同
じニーダーS2に、ギヤポンプを介して、実施例1と同
じスタティックミキサーSMXを接続して使用した。前
記ポリブチレンテレフタレートを、直径30mmの1軸
押出機およびギヤポンプを用いて樹脂温度240℃にて
ニーダーS2の原料供給口より連続的に供給した。一
方、ε−カプロラクトンをプランジャーポンプによる送
液と熱交換器による加熱を実施し、液温210℃になる
ようにし、ニーダーS2のベント口より供給した。原料
供給速度は、ポリブチレンテレフタレート4.8kg/
時間、ε−カプロラクトン3.2kg/時間、触媒はポ
リブチレンテレフタレート中に含まれるもの以外は用い
なかった。スクリュー配置は、原料供給口およびベント
口付近をスクリューパドルとし、他はすべて送り機能を
有するヘリカルタイプのニーディングディスクパドルと
した。加熱温度はすべて230℃とし、攪拌回転数50
rpmの条件で連続的に供給し付加反応を行なった。反
応器全体の平均滞留時間は45分であった。ダイス付近
の樹脂温度は230〜231℃で安定していた。次にダ
イスからポリマーをストランド状で排出し、水冷後カッ
ティングして、ポリエステル系ポリマーを得た。測定結
果を表1に示す。残存モノマー測定用サンプリングはε
−カプロラクトンを所定量供給してから3時間経過した
時点より行った。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、水酸基および/または
エステル結合を有するポリマー(A)と1種以上の環状
エステル類(B)を連続的に開環重合させて高分子量の
ポリエステル系ポリマーを製造する際に、反応物の高粘
度化に起因する均一混合の困難さ及び除熱の困難さ、且
つ圧力損失の上昇が解決され、安定して、優れた品質の
ポリエステル系ポリマーが連続的に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J029 AA02 AB04 AC03 AC05 EG00 EG02 EG03 EG05 EG07 EG09 EG10 EH01 EH02 EH03 JE012 JE032 JE072 JE092 JE162 JE182 KC03 LA08 4J031 BA06 BA26 BA27 BA28 BA29 BC15 BD10 BD13 CA02 CA32 CA67 CB05 CC02 CE01 CF01 CF05 CG10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸以上の攪拌軸を有する塔型攪拌混合
    機と、その出口に接続されたスタティックミキサーより
    構成される反応装置に、水酸基および/またはエステル
    結合を有するポリマー(A)と1種以上の環状エステル
    類(B)を連続的に供給し、ポリマー(A)に環状エス
    テル類(B)を開環重合させて共重合体(C)を得るこ
    とを特徴とするポリエステル系ポリマーの製造方法。
  2. 【請求項2】 ポリマー(A)が結晶性芳香族ポリエス
    テルである請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 環状エステル類(B)が、ラクトン類で
    ある請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ラクトン類がε−カプロラクトンである
    請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 環状エステル類(B)の反応率が、2軸
    以上の攪拌軸を有する塔型攪拌混合機通過後、スタティ
    ックミキサー通過前において75モル%以下であり、ス
    タティックミキサー通過後において75モル%以上であ
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製
    造方法。
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