JP2003206248A - オレフィン系不飽和カルボニル化合物の選択的水素化 - Google Patents

オレフィン系不飽和カルボニル化合物の選択的水素化

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JP2003206248A JP2002353047A JP2002353047A JP2003206248A JP 2003206248 A JP2003206248 A JP 2003206248A JP 2002353047 A JP2002353047 A JP 2002353047A JP 2002353047 A JP2002353047 A JP 2002353047A JP 2003206248 A JP2003206248 A JP 2003206248A
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ゲーベル ハンス−ゲオルグ
Till Gerlach
ゲルラッハ ティル
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フンケ フランク
Klaus Ebel
エベル クラウス
Signe Unverricht
ウンベルリッヒ シグン
Gerd Dr Kaibel
カイベル ゲルト
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】オレフィン系不飽和カルボニル化合物を選択的
に水素化して不飽和アルコールを製造するための連続方
法、特にシトラールを選択的に水素化してゲラニオール
とネロールとの混合物を製造する連続方法を提供する。 【解決手段】少なくとも1種の触媒を懸濁した状態で保
持する液相を含み、さらに気相を含んでもよい反応器内
で、オレフィン系不飽和カルボニル化合物を選択的に水
素化して不飽和アルコールを製造する。反応器は水力直
径が0.5〜20mmの範囲の開口部または流路を有す
る装置を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、気相の不在下または存在下に少
なくとも1種の触媒を懸濁した状態で保持する液相を含
む反応器内で、α,β-不飽和カルボニル化合物を選択的
に水素化して不飽和アルコールを製造する方法、特にシ
トラールを選択的に水素化してゲラニオールとネロール
との混合物を製造する方法であって、前記液相と、存在
する場合には前記気相とを、反応器内の開口部(openin
g)または流路(channel)を有する装置に通すことを含む
方法に関する。
【0002】シトラールおよびその対応ヒドロ化合物は
香料として使用されており、またビタミン類の合成にお
ける出発原料としても使用されている。
【0003】従来、α,β-不飽和カルボニル化合物につ
いての様々な水素化方法が開示されている。対応する不
飽和アルコールに対して高い選択性を得ることは非常に
困難である。シトラールの水素化によってアルデヒド基
の水素化に加えてオレフィン系二重結合の水素化が生じ
るか、またはアルデヒド基と共役した二重結合のみの水
素化が生じ、その結果、不飽和アルコールであるゲラニ
オールおよびネロールだけでなく、シトロネロールまた
はシトロネラールのような副生物も生じる可能性があ
る。
【0004】米国特許第4,100,180号には、PtO/Zn/Fe触
媒の存在下、不飽和アルデヒドをバッチ式で水素化して
不飽和アルコールを製造する方法が記載されている。Pt
O粉末にZnおよびFe(懸濁触媒)がドープされている。シ
トラールをシトラール転化率70%で水素化すると3.2%の
シトロネロールが生じる。反応流出液には最大25ppmま
でのFeおよびZnが見出される。触媒を再使用する場合に
は、少量のFeおよびZn化合物を添加しなければならな
い。
【0005】欧州特許第798039号には、少なくとも1種
の触媒を懸濁した液相を含む反応器内で触媒反応を行う
方法が開示されている。多くの場合、この系は気相を含
み、気相中の反応体を液相に溶解させる。このタイプの
典型的な反応は酸化および水素化である。ヒドロデヒド
ロリナロールを水素化してヒドロリナロールを製造し、
さらにテトラヒドロリナロールを製造する方法が記載さ
れている。この反応シーケンスでは、最初に三重結合を
水素化して二重結合を生じさせ、最終的に単結合を生じ
させている。α,β-不飽和カルボニル化合物のカルボニ
ル官能基の選択的水素化については記載されていない。
【0006】撹拌タンク反応器内でのバッチ式プロセス
は、時々、非常に費用がかかり、長時間を要し(反応サ
イクルは、反応体および触媒の調製時間、反応条件(圧
力および温度)の調節、実際の反応時間、その後の反応
器の冷却および圧抜きならびに触媒の取り出しおよび戻
しからなる)、多くの人員を要し、少量の製造に対して
より適したものである。大量生産で利用する場合には、
この方法は非常に大きな反応装置と非常に長い反応時間
が必要である。
【0007】連続式固定層反応器を使用するとバッチ操
作が回避され、したがってより経済的になり、人手もか
からなくなる。しかし、特別に調製された触媒を製造
し、固定層で使用する必要があり、かかる触媒の活性が
消失した場合(多くの場合オンストリーム時間が短いこ
とが確認されている)、費用のかかる手段でしか交換ま
たは再生できず、このような交換または再生のため、一
般にはプラント全体(すなわち水素化段階だけでなく後
処理段階も含む)を停止しなければならないという重大
な欠点がある。
【0008】本発明の課題は、α,β-不飽和カルボニル
化合物、特にシトラールのカルボニル官能基を選択的に
水素化してゲラニオールおよびネロールを製造するため
の経済的な確固たる方法であって、上記で説明した欠点
を持たず、それと同時に空時収率が改善された方法を提
供することである。
【0009】本発明者らは、上記課題が、一般式I:
【化3】 〔式中、R1およびR2は同一でも異なってもよく、それぞ
れ独立に、水素、または一不飽和もしくは多不飽和の、
直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換C1〜C20-ア
ルキル基、非置換もしくは置換アリール基、もしくは非
置換もしくは置換複素環式基であり、R3は、水素または
C1〜C4-アルキルである。〕で表されるオレフィン系不
飽和カルボニル化合物を、気相の不在下または存在下、
少なくとも1種の触媒を懸濁した状態で保持する液相を
含む反応器内で選択的に水素化して、一般式II:
【化4】 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ上記で定義したとお
りである。〕で表される対応不飽和アルコールを製造す
る方法であって、前記液相と、存在する場合には前記気
相とを、反応器内の、水力直径が0.5〜20mmの範囲の開
口部または流路を有する装置に通すことを含む方法によ
り解決されることを見出した。
【0010】上記反応は、α,β-不飽和カルボニル化合
物の水素化であって、驚いたことに二重結合が維持され
たままでカルボニル官能基が水素化されることを特徴と
する水素化に関する。
【0011】一不飽和または多不飽和の、直鎖状または
分枝状のC1-C10-アルキル基は、特に示さない限り、メ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、i-
ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプテニル、
オクチル、ノニル、デシル、1-プロペニル、2-プロペニ
ル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、1-メチル-
2-ペンテニル、イソプロペニル、1-ブテニル、ヘキセニ
ル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、もしくはデセ
ニル基、または下記にさらに挙げた化合物に対応する基
である。
【0012】C1〜C4-アルキル基は、特に示さない限
り、メチル、エチル、プロピル、i-プロピル、ブチルま
たはt-ブチル基である。
【0013】アリール基は、ベンジル、フェニルまたは
ナフチル基である。
【0014】複素環式基は、例えば、ピリジン、ピリミ
ジン、ピリダジン、ピラジン、ピペラジン、イミダゾー
ル、フラン、オキサゾール、イソチアゾール、イソオキ
サゾール、1,2,3-トリアゾールもしくは1,2,4-トリアゾ
ール、チアゾール、チオフェンまたはインドール環であ
る。
【0015】置換基は、メチル、エチル、プロピル、i-
プロピル、ブチル、t-ブチル、フッ素、塩素、臭素、ヨ
ウ素、ニトロまたはアミノであり得る。
【0016】式Iで表されるオレフィン系不飽和カルボ
ニル化合物は、好ましくは、α,β-不飽和カルボニル化
合物、例えばアクロレイン、メタクロレイン、クロトン
アルデヒド、プレナール(prenal)、ファルネサール(far
nesal)またはシトラールであり、特に好ましくはシトラ
ールである。
【0017】本発明の方法の好ましい実施形態は、シト
ラールを転化してゲラニオールとネロールとの混合物を
製造することに関する。
【0018】水素化は、欧州特許第798039号にしたがっ
て反応器内で実施され、反応器内で、液相および気相を
水力直径が0.5〜20mmの範囲、好ましくは1〜10mmの範囲
の開口部または流路を有する装置に通す。水力直径は、
開口部の断面積の4倍とその円周との商と定義される。
【0019】反応混合物を通過させる開口部または流路
を有する装置は、ベッド(bed)、引抜ループニット(draw
n-loop knit)、連続気泡構造(open-celled foam struct
ure)を備えてもよく、好ましくはプラスチック(例えば
ポリウレタンまたはメラミン樹脂)製またはセラミック
製である。あるいは、前記装置は、蒸留および抽出技術
から、原理的に、すなわちその幾何学的形状により知ら
れているパッキングエレメントを備えていてもよい。
【0020】圧力降下が低いという利点をもたらす、か
かるタイプのパッキングエレメントは、例えば、ワイヤ
ーメッシュ(wire mesh)パッキングである。しかしなが
ら、本発明の目的のためには、パッキングの水力直径は
常に、蒸留および抽出技術分野において相当する間隔よ
りもかなり小さい水力直径、通例2〜10倍も小さい水力
直径を有する。
【0021】ワイヤーファブリック(wire fabric)パッ
キングが特に有利である。これは、懸濁粒子のいくつか
がファブリックに保持され、固体/液体の相対速度がか
なり向上することに起因する。ファブリックパッキング
の代わりに、その他の編み組み構造のループ形成性ニッ
ト状またはフェルト状液体透過性材料からなるパッキン
グを本発明の構成で使用することもできる。さらに別の
好適なパッキングとしては、好ましくは目打ちまたはそ
の他の大きな開口部を持たないフラットメタルシート、
例えばMontz B1タイプまたはSulzer Mellapakタイプに
相当するものが挙げられる。Montz BSHタイプのパッキ
ング等のエキスパンドメタルからなるパッキングも有利
である。この場合、目打ち等の開口部もそれ相応に小さ
いまま維持されなければならない。本発明の構成におけ
るパッキングの適合性についての決定的な要因はその形
状ではなく、パッキングにおける流れにとって有効な開
口寸法または流路幅である。
【0022】懸濁反応器は、固体粒子を懸濁するために
機械的エネルギーの導入を必要とし、機械的エネルギー
は、例えばスターラー、ジェットまたはすすぎ気泡(rin
singgas bubble)によって導入可能である。しかしなが
ら、内部付属品を持たない懸濁反応器において懸濁に必
要な機械的エネルギー量以上にエネルギーを導入する速
度を増大させると、液体と懸濁固体粒子との間の物質移
動に顕著な改善が得られなくなる。なぜなら、得られる
相対速度が沈降速度をほんのわずかしか超えないからで
ある。
【0023】この相対速度を高めるために、特に移動お
よび流動層プロセスにおいて、より大きな粒径(1〜10m
m)を有する触媒粒子の使用が提案されている。これらの
より大きい粒子は周囲の液体に対して所望の相対速度を
有するが、その一方で体積に対する表面積が小さいこと
から転化率が制限される。多くの場合これらの作用は互
いに打ち消しあうので、物質移動を増大させるという課
題は解決されていない。
【0024】高相対速度は、懸濁法を断念し、固定層反
応器を使用した場合にのみ達成可能であるが、その場
合、上記のように触媒の体積に対する表面積が小さくな
るという欠点が生じ、より重大である。押出形態または
タブレット形態の触媒のベッド(層)を使用する代わり
に、液相または気相に接触するメタルシートまたはファ
ブリックを触媒材料で被覆することもできる。しかしな
がらこれらの反応器の欠点は、不純な反応生成物による
触媒材料の汚染が生じた場合、被覆した材料を完全に置
き換えることによってのみ触媒材料を再生できるという
ことである。これは費用がかかり、さらに固定層反応器
を使用する場合、例えば出発物質の超精製といった費用
のかかる予防措置が必要となる。
【0025】α,β-不飽和カルボニル化合物、特にシト
ラールの水素化についての従来技術とは対照的に、反応
領域での液相に対する触媒粒子の移動の差の増大(高相
対速度)が、本発明の水素化ではバブルカラム反応器内
に内部付属品を使用することにより得られる。本発明の
方法で懸濁液を得るために、0.0001〜2mm、好ましくは
0.005〜1mm、特に好ましくは0.001〜0.1mmの範囲の平均
粒径を有する通常入手可能な触媒粒子を使用することが
できる。これらの粒子は、体積に対する表面積が大きい
ので良好な結果をもたらす。その結果、非常に高い空時
収率が得られ得る。
【0026】本発明の水素化を使用すると、触媒粒子に
対する液相の相対速度が高くなり、また同時に触媒粒子
の体積に対する表面積は大きい。
【0027】本発明の水素化は、上記の内部付属品の一
つを有する反応器内で、懸濁触媒および水素の存在下、
1〜100bar、好ましくは1〜60bar、特に好ましくは1〜50
barの圧力にて行われる。反応温度は40〜120℃、好まし
くは60〜100℃、特に好ましくは70〜90℃の範囲であ
る。
【0028】本発明の方法では、例えば、シトラールを
純粋な形態で使用せず、アミンアルコール溶液として使
用する。好適なアルコールは好ましくはC1〜C4-アルコ
ールであり、好適なアミン成分は好ましくは第3級C1
C4-アミンである。溶液中のシトラールの濃度は、好ま
しくは、50〜90重量%、特に好ましくは60〜80重量%の範
囲であり、アルコールの濃度は40〜5重量%、好ましくは
20〜35重量%の範囲であり、第3級アミンの濃度は1〜15
重量%、好ましくは1〜8重量%の範囲である。
【0029】水素化反応器で使用される内部付属品は前
記のファブリックまたはシートメタルパッキングであ
る。反応混合物、触媒および水素は、ポンプを用いて高
速度で反応器を循環させる。気相および液相の断面速度
は100m3/m2h以上である。気相はインジェクターノズル
により液相と内部で混合される。
【0030】水素化は、活性成分として少なくともルテ
ニウムを含む市販の懸濁触媒を用いて行うことができ
る。ルテニウム以外に、触媒は鉄等のその他の活性成分
を含んでもよい。触媒は、金属形態および/または酸化
物形態で、担体を使用してまたは使用せずに用いること
ができる。好適な担体材料としては、例えば、SiO2、Ti
O2、ZrO2、Al2O3、またはグラファイト、カーボンブラ
ック、特に好ましくは活性炭形態の炭素が挙げられる。
ルテニウム含量は0.1〜10重量%の範囲であり、鉄含量は
0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜1.5重量%の範囲である。
【0031】本発明の水素化は、連続的またはバッチ式
のいずれでも実施できるが、連続プロセスが好ましい。
【0032】本発明の水素化、特にゲラニオールおよび
ネロールの製造のための水素化では、開口部および流路
を有する上記装置に液体を約50〜300m3/m2h、好ましく
は100〜250m3/m2hの範囲の表面速度で通す。気相が存在
する場合にはその表面速度は好ましくは50〜300m3/m
2h、特に好ましくは100〜250m3/m2hである。
【0033】本発明の水素化は、ジェットノズル反応
器、バブルカラム、多管反応器等の様々な形状の反応器
で行うことができる。上記の内部付属品は、好ましく
は、反応器内全体を満たす必要はない。本発明の反応器
は、好ましくは垂直バブルカラムであり、気相が存在す
る場合にはこの垂直バブルカラムは上向きの並流で運転
するのが好ましい。さらに好ましい反応器は、加熱可能
で冷却可能な多管反応器であり、本発明の内部付属品は
各管内に収容される。懸濁触媒材料は、通常の手法(沈
降、遠心分離、ケークろ過、クロスフローろ過)により
再び導入し、除去することができる。
【0034】例えば、本発明にしたがってRu/Fe-炭素懸
濁触媒を用いてシトラール含有溶液を水素化し、ゲラニ
オールとネロールとの混合物を製造するための反応器を
図1に詳細に示す。
【0035】図1は、例えば、パッキング2を備えた連
続的に運転される反応器(バブルカラム)1の実験構成を
示す。反応器にはパイプ3を通って液体が供給され、パ
イプ4を通って新鮮なガスが供給される。循環ガス5は、
混合ジェット6によって、新鮮なガスおよびポンプ14に
よって循環される懸濁液11と混合される。反応器流出液
はパイプ7を通って分離容器8に移され、そこで気相が分
離されてパイプ9を通って排出される。ガス状不純物の
蓄積を抑制するために、このガスフローの一部をパイプ
10から排出し、残りをパイプ5から反応器内に入れる。
懸濁触媒は、クロスフローフィルター12に保持されるこ
とで反応器系内に留まり、触媒を含まない液相のみが抜
き取り用のパイプ13から排出される。
【0036】実施例1 反応を、本発明にしたがってファブリックパッキングを
備えたバブルカラム(長さ3000mm、直径27.3mm)内で行っ
た。実験構成は図1のとおりである。パッキングの形状
はMontz A1 1200タイプの通常入手可能なファブリック
パッキングである。体積に対するパッキングの表面積は
1200m2/m3であり、これはファブリックの表面積のみに
基づくものである。懸濁触媒を含有する液体およびガス
を、充填反応器に下方から200m3/m2hの表面速度で導入
した。
【0037】反応を水素圧22barおよび80℃にて連続的
に行った。使用した触媒は、活性炭上に5%ルテニウムお
よび1%鉄を含むRu/Fe-炭素懸濁触媒であった。その平均
粒径は約50μmであった。
【0038】充填バブルカラムへの供給材料は、シトラ
ール70重量%、メタノール27重量%およびトリメチルアミ
ン3重量%からなる溶液であった。
【0039】転化率は90%であり、ゲラニオールおよび
ネロールに対する選択率は94%を超え、シトロネロール
に対する選択率はわずか1.2%であった。重量時間当たり
の空間速度(weight hourly space velocity)は3000g
citral/(kgcat*h)であり、空時収率は230kgcitral/(m
3h)であった。
【0040】実施例2 反応を、本発明にしたがってファブリックパッキングを
備えたバブルカラム(長さ3000mm、直径27.3mm)内で行っ
た。実験構成は図1のとおりである。パッキングの形状
はMontz A1 1200タイプの通常入手可能なファブリック
パッキングである。体積に対するパッキングの表面積は
1200m2/m3であり、これはメッシュの表面積のみに基づ
くものである。懸濁触媒を含有する液体およびガスを、
充填反応器に下方から200m3/m2hの表面速度で導入し
た。
【0041】反応を水素圧30barで80℃にて連続的に行
った。使用した触媒は、活性炭上に5%ルテニウムおよび
1%鉄を含むRu/Fe-炭素懸濁触媒であった。その平均粒径
は約50μmであった。
【0042】充填バブルカラムへの供給材料は、シトラ
ール70重量%、メタノール27重量%およびトリメチルアミ
ン3重量%からなる溶液であった。
【0043】転化率は96%であり、ゲラニオールおよび
ネロールに対する選択率は92%を超え、シトロネロール
に対する選択率は4%であった。重量時間当たりの空間速
度は2100gcitral/(kgcat*h)であり、空時収率は230kg
citral/(m3h)であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の水素化用の連続的に運転され
る反応器(バブルカラム)の実験構成を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ティル ゲルラッハ ドイツ連邦共和国 67071 ルートヴィッ ヒシャーフェン アム ヴァイデンシュラ グ 18 (72)発明者 フランク フンケ ドイツ連邦共和国 68161 マンハイム クー7 12アー (72)発明者 クラウス エベル ドイツ連邦共和国 68623 ランペルトハ イム,クラーニッヒヴェグ 23 (72)発明者 シグン ウンベルリッヒ ドイツ連邦共和国 68169 マンハイム, ガルテンフェルトシュトラーセ 23 (72)発明者 ゲルト カイベル ドイツ連邦共和国 68623 ランペルトハ イム、ロベルト−ボッシュ−シュトラーセ 4 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 BA19 BA23 BA55 BA61 BB14 BB19 BC18 BC33 BC35 BD84 BE20 FE11 4H039 CA60 CB90

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I 【化1】 〔式中、R1およびR2は同一でも異なってもよく、それぞ
    れ独立に、水素、または一不飽和もしくは多不飽和の、
    直鎖状もしくは分枝状の置換もしくは非置換C1〜C20-ア
    ルキル基、非置換もしくは置換アリール基、もしくは非
    置換もしくは置換複素環式基であり、 R3は、水素またはC1〜C4-アルキルである。〕で表され
    るα,β-不飽和カルボニル化合物を、気相の不在下また
    は存在下、少なくとも1種の触媒を懸濁した状態で保持
    する液相を含む反応器内で選択的に水素化して、一般式
    II: 【化2】 〔式中、R1、R2およびR3はそれぞれ上記で定義したとお
    りである。〕で表される対応不飽和アルコールを製造す
    る方法であって、前記液相と、存在する場合には前記気
    相とを、反応器内の、水力直径が0.5〜20mmの範囲の開
    口部または流路を有する装置に通すことを含む、前記方
    法。
  2. 【請求項2】 シトラールを水素化してゲラニオールと
    ネロールの混合物を製造する、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 懸濁触媒粒子の平均粒径が0.0001〜2mm
    である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 開口部または流路を有する装置が、ベッ
    ド、引抜ループニット、連続気泡構造、または蒸留およ
    び抽出技術から原理的に知られているパッキングエレメ
    ントである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 液相および存在する場合には気相の少な
    くとも一部を開口部または流路に通し、その開口部また
    は流路の壁材料が、懸濁触媒粒子の平均粒径の0.1〜10
    倍の表面粗さを有する、請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 液相を開口部または流路を有する装置に
    表面速度50〜300m3/m2hで通し、存在する気相を表面速
    度5〜300m3/m2hで通す、請求項1〜5のいずれか1項に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 シトラールをアミンアルコール溶液とし
    て使用する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 溶液中のシトラールの濃度が50〜90重量
    %の範囲である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 溶液中のアルコールの濃度が40〜5重量%
    の範囲である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 溶液中のアミンの濃度が1〜15重量%
    の範囲である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 反応器がバブルカラムである、請求項
    1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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