JP2006028053A - アルコールの製造方法 - Google Patents
アルコールの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006028053A JP2006028053A JP2004206884A JP2004206884A JP2006028053A JP 2006028053 A JP2006028053 A JP 2006028053A JP 2004206884 A JP2004206884 A JP 2004206884A JP 2004206884 A JP2004206884 A JP 2004206884A JP 2006028053 A JP2006028053 A JP 2006028053A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reactor
- aldehyde
- reaction
- alcohol
- temperature
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
【課題】 本発明の課題は、アルデヒドを水素添加してアルコールを製造する方法する方法であって、高沸点成分の生成が抑制されたアルコールの製造方法を提供することである。
【解決手段】 固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴とする方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴とする方法。
【選択図】 なし
Description
本発明はアルコールの製造方法に関する。
固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法は、商業的規模で広く実施されている。特開昭51−1685号公報には、溶媒として2−エチルヘキサノールを使用した液相での水添添加によるブタノールの製造方法が開示されているが、好適な反応形式として、ケイソウ土等の担体にニッケル、クロム等の活性成分を担持させた固体触媒を充填した反応塔に溶媒に溶解したブタナールと水素とを並流で導入する固定床並流方式が記載されている。また、特開平8−3084号公報には、アルデヒドを気相で水素と反応させてアルコールを製造する方法が開示されているが、反応装置として、固定触媒床反応装置の様な流通方式が好ましいと記されている。
また、アルデヒドの水素添加によってアルコールを製造する際に、反応系において各種の副反応が起こって多量の副生物が生成することから、反応の選択性を向上する為に種々の方法が行われてきた。例えば、エステル化合物の副生を抑制する為に、I)還元化酸化銅−酸化亜鉛触媒に選択性増進剤を加えたものを水素添加反応触媒として使用する方法(特許2655034号公報)、II)ニッケル、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウムを含有する担持触媒を用いて水素添加反応する方法( 特公平6−4551号公報) 、III)銅、酸化亜鉛、酸化アルミニウムを含有する触媒を用いて水素添加反応する方法(特公平8−29249号公報)、IV)副生物のエステルを水素添加分解して有効成分に変化させて回収する方法(特開昭58−43930号公報)、又はV)脂肪族3級アミン類を存在させて水素添加反応する方法(特昭61−171447号公報)等が開示されている。
水素添加触媒の活性は、時間と共に不可逆的に低下する。その際、反応温度を上げることにより、触媒活性のこの様な低下を相殺することができる。しかしながら、反応温度の上昇は副反応生成物の生成を増加させることとなる。また、反応器内で部分的に温度が上昇して生じるホットスポットの温度が更に上昇し、副生物の生成を更に加速する結果となる。また、温度上昇により、触媒担体の破砕が起こり、運転継続が困難になる。その為、できるだけ低い反応温度のまま運転することが望ましいと考えられてきた。
しかしながら、低い反応温度において運転を行った場合、逆に高沸点化合物の生成が増加するという現象に直面した。
特開昭51−1685号公報
特開平8−3084号公報
特許2655034号公報
特公平6−4551号公報
特公平8- 29249号公報
特開昭58−43930号公報
特昭61−171447号公報
本発明の課題は、アルデヒドを水素添加してアルコールを製造する方法する方法であって、高沸点成分の生成が抑制されたアルコールの製造方法を提供することである。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器後半のアルコール濃度の高い高温部でアルデヒド濃度が高いと高沸点成分の生成が進むことを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明の要旨は、下記(1)〜(5)に存する。
(1) 固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴とする方法。
(1) 固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴とする方法。
(2) 反応器へのアルデヒドのフィード温度、反応器内の温度分布、及び/又は溶剤とアルデヒドの比をコントロールすることにより反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加する上記(1)に記載の方法。
(3) アルデヒドが2−エチルヘキセナールであり、アルコールが2−エチルヘキサノールである上記(1)又は(2)記載の方法。
(3) アルデヒドが2−エチルヘキセナールであり、アルコールが2−エチルヘキサノールである上記(1)又は(2)記載の方法。
(4) アルデヒドがノルマルブチルアルデヒドであり、アルコールがノルマルブタノールである請求項1又は2に記載の方法。
(5) アルデヒドを液相で水素添加する請求項1から4に記載の方法。
(5) アルデヒドを液相で水素添加する請求項1から4に記載の方法。
本発明によれば、反応器内における高沸点成分の生成を抑制することができ、安定して高品質のアルコールを製造することができる。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明のアルコールの製造方法は、固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴としている。反応器内の温度が全体的に低いと、反応器入口付近での反応があまり進行せず、未反応のアルデヒドが反応器後半まで残ってしまう。一方、断熱反応器であれば、反応器内の温度は入口から出口にかけて徐々に高くなり、反応器後半が高温部(ピーク温度部)になる。その為、反応器後半の高温部においてアルコールとアルデヒドから高沸点成分が生成してしまう。即ち、低温で反応させると、反応器前半での反応が進行しないため、後半部の高温領域での高沸化が多くなる。逆に、反応器入口付近の温度が高ければ(低温反応時の高温部よりは低い温度)、入口付近での反応が促進され、反応器後半まで残るアルデヒドの量が少なくなるため、高沸点成分の生成は少なくなる。
本発明のアルコールの製造方法は、固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴としている。反応器内の温度が全体的に低いと、反応器入口付近での反応があまり進行せず、未反応のアルデヒドが反応器後半まで残ってしまう。一方、断熱反応器であれば、反応器内の温度は入口から出口にかけて徐々に高くなり、反応器後半が高温部(ピーク温度部)になる。その為、反応器後半の高温部においてアルコールとアルデヒドから高沸点成分が生成してしまう。即ち、低温で反応させると、反応器前半での反応が進行しないため、後半部の高温領域での高沸化が多くなる。逆に、反応器入口付近の温度が高ければ(低温反応時の高温部よりは低い温度)、入口付近での反応が促進され、反応器後半まで残るアルデヒドの量が少なくなるため、高沸点成分の生成は少なくなる。
本発明において用いられるアルデヒドとしては、特に限定されるものではなく、少なくとも炭素数が3以上であり、通常は炭素数が3〜10の飽和アルデヒド、またはそれをさらにアルドール縮合脱水反応させて2量化された不飽和アルデヒド、およびそれらの混合物等が用いられる。
飽和アルデヒドには直鎖状及び側鎖状アルデヒドが含まれ、具体的にはプロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、ヘキサデシルアルデヒド、ヘプタデシルアルデヒド等が挙げられる。
飽和アルデヒドには直鎖状及び側鎖状アルデヒドが含まれ、具体的にはプロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、ウンデシルアルデヒド、トリデシルアルデヒド、ヘキサデシルアルデヒド、ヘプタデシルアルデヒド等が挙げられる。
また、不飽和アルデヒドとしては、2−エチルヘキセナール、2−プロピルヘプテナール、デセナール等が挙げられる。
これらの中で好ましくはブチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、2−エチルヘキセナール、2−プロピルヘプテナールである。
本発明において、上記したアルデヒドの製造方法は、限定されるものではなく、例えば、飽和アルデヒドの場合には、広く商業化されているオレフィンのヒドロホルミル化反応、より詳細には有機リン化合物を配位子とするVIII族金属錯体触媒等(本発明方法において、VIII属金属とは、1983年の周期律表における属金属であり、現在の周期律表における8〜10族の金属であり、具体的には、ロジウム、パラジウム、コバルト、ルテニウム、白金等が挙げられ、好ましくはロジウムである)のもとで、オレフィンとオキソガスをヒドロホルミル化反応させてアルデヒドを生成させる等の方法が挙げられる。
これらの中で好ましくはブチルアルデヒド、ノニルアルデヒド、2−エチルヘキセナール、2−プロピルヘプテナールである。
本発明において、上記したアルデヒドの製造方法は、限定されるものではなく、例えば、飽和アルデヒドの場合には、広く商業化されているオレフィンのヒドロホルミル化反応、より詳細には有機リン化合物を配位子とするVIII族金属錯体触媒等(本発明方法において、VIII属金属とは、1983年の周期律表における属金属であり、現在の周期律表における8〜10族の金属であり、具体的には、ロジウム、パラジウム、コバルト、ルテニウム、白金等が挙げられ、好ましくはロジウムである)のもとで、オレフィンとオキソガスをヒドロホルミル化反応させてアルデヒドを生成させる等の方法が挙げられる。
また、不飽和アルデヒドの場合には、飽和アルデヒドをアルドール縮合脱水反応させることによって得られるが、アルドール縮合脱水反応としては、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液等を触媒として、前記のヒドロホルミル化反応等で生成したアルデヒドを2量化して不飽和のアルデヒドを得る方法が挙げられる。
尚、本発明においては、アルデヒドは市販品を使用することも勿論可能である。
尚、本発明においては、アルデヒドは市販品を使用することも勿論可能である。
固体水素添加触媒としては、従来知られている任意のものを使用することができ、例えば、珪藻土、セライト等の担体に、ニッケル、クロム、銅などの活性成分を担持させた触媒が挙げられる。特に、珪藻土を担体として、ニッケル及び/又はクロムを活性成分として担持させたものが本発明においては好ましい。上記アルデヒドの水素添加反応においては、上記水素添加触媒を用い、通常は0.1MPa〜15MPa及び40〜200℃の反応条件下で行うことで、対応するアルコールが生成する。
反応は原料アルデヒドを気化させて気相中で行うこともできるし、原料アルデヒドを液体のまま反応器に導入して液相で行うこともできる。偏流等によるホットスポットと呼ばれる局所的な高温部の発生を抑制するという観点から、アルデヒドは液相で水素添加するのが好ましい。
反応器は、上記の固体水素添加触媒を充填した固定床反応器が用いられ、反応器の形式としては、単層又は多層に充填した水素添加触媒に上部よりアルデヒドと水素ガスを並流にて導入するトリクルベッド式反応器や、多管式の反応器に水素添加触媒を充填したものに気化したアルデヒドと水素ガスを導入して反応を行う多管式反応器などが用いられる。
反応器は、上記の固体水素添加触媒を充填した固定床反応器が用いられ、反応器の形式としては、単層又は多層に充填した水素添加触媒に上部よりアルデヒドと水素ガスを並流にて導入するトリクルベッド式反応器や、多管式の反応器に水素添加触媒を充填したものに気化したアルデヒドと水素ガスを導入して反応を行う多管式反応器などが用いられる。
反応器は断熱反応器でも等温反応器でも使用可能であり、断熱反応器の場合は、反応の進行に伴い、反応器入口から出口に向かって徐々に温度が上昇する。等温反応器の場合には、冷媒による除熱や、ガス循環による除熱を行うことができる。好ましくは断熱反応器が用いられる。
反応器内の温度分布を監視する為、反応器入口から出口までの間に数点の温度測定点を設けて測定できるようにしてあることが好ましい。
液相にて反応を行う場合には、除熱の為にアルデヒドを溶剤に溶解して導入することがある。溶剤としてはアルコールやエーテルなど一般的な溶剤を使用することができるが、製品の精製の面から好ましくは飽和アルコールであり、特に好ましくは製品アルコールと同一のアルコールである。
反応器内の温度分布を監視する為、反応器入口から出口までの間に数点の温度測定点を設けて測定できるようにしてあることが好ましい。
液相にて反応を行う場合には、除熱の為にアルデヒドを溶剤に溶解して導入することがある。溶剤としてはアルコールやエーテルなど一般的な溶剤を使用することができるが、製品の精製の面から好ましくは飽和アルコールであり、特に好ましくは製品アルコールと同一のアルコールである。
なお、本発明における製品としてのアルコール(固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加して得られるアルコール)は、原料としてのアルデヒドの炭素数と同じ炭素数のアルコールである。
本発明において、反応器の入口より3/4の位置とは、重量換算で全触媒の3/4の触媒を通過した時点を指す。
本発明において、反応器の入口より3/4の位置とは、重量換算で全触媒の3/4の触媒を通過した時点を指す。
本発明においては、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上、好ましくは95%以上のアルデヒドを水素添加する。反応器の入口より3/4の位置までにおいてアルデヒドの水素添加が不充分な場合、アルデヒド濃度の高いままの原料が反応器後半の高温部へ供給されるため、高沸点成分の生成が多くなる。
なお本発明は、反応器入口より3/4の位置でのアルデヒドの水添反応率(転化率)を指標として水添反応方法を定義したものである。
本発明の手段である反応器内でのアルデヒドからアルコールへの転化率の分布のコントロール(反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加する方法)は、例えば、断熱反応器であれば、原料の反応器へのフィード温度を調整することによりコントロール可能である。何故なら、フィード温度を上げれば、反応器入口付近の触媒の反応活性は高くなり、反応器入口付近での反応が進み、フィード温度を下げれば、逆に反応器入口付近での反応が抑制されるからである。また、反応器に除熱のための冷媒や循環ガスが導入されている場合には、これらの流量や温度を調整することにより転化率の分布をコントロールすることもできる。他のコントロール方法としては、除熱のために導入する溶剤と原料のアルデヒドの流量比を調整する方法がある。供給するアルデヒド量が同一の場合、溶剤の比率が増えると反応器内の線速が上がり、滞留時間が短くなる為に、同じ転化率となる点は相対的に反応器の後段へ移動することになる。
なお本発明は、反応器入口より3/4の位置でのアルデヒドの水添反応率(転化率)を指標として水添反応方法を定義したものである。
本発明の手段である反応器内でのアルデヒドからアルコールへの転化率の分布のコントロール(反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加する方法)は、例えば、断熱反応器であれば、原料の反応器へのフィード温度を調整することによりコントロール可能である。何故なら、フィード温度を上げれば、反応器入口付近の触媒の反応活性は高くなり、反応器入口付近での反応が進み、フィード温度を下げれば、逆に反応器入口付近での反応が抑制されるからである。また、反応器に除熱のための冷媒や循環ガスが導入されている場合には、これらの流量や温度を調整することにより転化率の分布をコントロールすることもできる。他のコントロール方法としては、除熱のために導入する溶剤と原料のアルデヒドの流量比を調整する方法がある。供給するアルデヒド量が同一の場合、溶剤の比率が増えると反応器内の線速が上がり、滞留時間が短くなる為に、同じ転化率となる点は相対的に反応器の後段へ移動することになる。
反応器内でのアルデヒドからアルコールへの転化率は、反応器内の温度分布や冷媒・循環ガスの流量、溶剤の比率等から反応熱量と除熱量のバランスから求めることができる。例えば、断熱反応器において反応器出口までのアルデヒドの転化率が100%の場合には、入口から出口までの温度上昇に対する入口から各点までの温度上昇の比によって、その点までの転化率を算出することができる。もし、反応器入口から3/4の位置まででの転化率が90%未満の場合、原料のフィード温度を上げることにより反応速度を上げ、反応器前半部での反応を促進することにより、転化率をコントロールすることができる。
実施例1
塔径1mの水素添加反応器に、珪藻土にニッケル及びクロムを担持させた固体水素添加触媒5800kgを4層に分けて各層1450kgを均一に充填し、プロピレンのヒドロホルミル化反応によって得られたブチルアルデヒドを分離、精製して得られたノルマルブチルアルデヒド1500kg/Hrと溶剤としてのノルマルブタノール9000kg/Hrを供給し(以下、これら反応器に供給するノルマルブチルアルデヒドとノルマルブタノールとを併せて「供給液」という)、反応器内の圧力が4.0MPaGに保たれるように水素を供給しながら、ノルマルブチルアルデヒドの液相水素添加反応を行った。
塔径1mの水素添加反応器に、珪藻土にニッケル及びクロムを担持させた固体水素添加触媒5800kgを4層に分けて各層1450kgを均一に充填し、プロピレンのヒドロホルミル化反応によって得られたブチルアルデヒドを分離、精製して得られたノルマルブチルアルデヒド1500kg/Hrと溶剤としてのノルマルブタノール9000kg/Hrを供給し(以下、これら反応器に供給するノルマルブチルアルデヒドとノルマルブタノールとを併せて「供給液」という)、反応器内の圧力が4.0MPaGに保たれるように水素を供給しながら、ノルマルブチルアルデヒドの液相水素添加反応を行った。
反応器は、触媒層を4層持つ断熱式のトリクルベッド式の反応器で、反応器上部より原料を供給し、各触媒層の上部と下部に温度計を設置し、各層の温度を検知できるようにしたものを用いた。(装置的な制約から、実際は温度計を各触媒槽の30cm入った部分に設置した。:第1層上部の温度計位置は第1層上端から30cm下部、第1層下部の温度計位置は第1層下端から30cm上部、第2層上部の温度計位置は第2層上端から30cm下部、第2層下部の温度計位置は第2層下端から30cm上部、第3層上部の温度計位置は第3層上端から30cm下部、第3層下部の温度計位置は第3層下端から30cm上部、第4層上部の温度計位置は第4層上端から30cm下部、第4層下部の温度計位置は第4層下端から30cm上部の位置に設置した。)
反応器への供給液の温度を48.7℃にした時、反応器内の各層の温度は表1のようになった。
反応器への供給液の温度を48.7℃にした時、反応器内の各層の温度は表1のようになった。
ガスクロマトフィーによって分析した反応器出口の組成より求めたエーテル化率及び高沸化率は表1の通りであった。
反応器は断熱反応器であるので、反応器内の温度分布から転化率を推定することができる。この時、全体の1/2弱の位置である第2層下部(温度計の位置)までの転化率は59.8%、全体の3/4弱の位置である第3層下部(温度計の位置)までの転化率は98.5%であった。
反応器は断熱反応器であるので、反応器内の温度分布から転化率を推定することができる。この時、全体の1/2弱の位置である第2層下部(温度計の位置)までの転化率は59.8%、全体の3/4弱の位置である第3層下部(温度計の位置)までの転化率は98.5%であった。
実施例2
反応器内の圧力を5.0MPaGとしたのと、反応器への供給液の温度を45.9℃にした以外は実施例1と同様にしてアルコールを製造した。
反応器への供給液の温度を45.9℃にした時、反応器内の各層の温度は表1のようになった。
反応器内の圧力を5.0MPaGとしたのと、反応器への供給液の温度を45.9℃にした以外は実施例1と同様にしてアルコールを製造した。
反応器への供給液の温度を45.9℃にした時、反応器内の各層の温度は表1のようになった。
ガスクロマトフィーによって分析した反応器出口の組成より求めたエーテル化率及び高沸化率は表1の通りであった。
実施例1と同様に全体の1/2弱の位置である第2層下部(温度計の位置)までの転化率を求めると64.5%、全体の3/4弱の位置である第3層下部(温度計の位置)までの転化率は99.1%であった。
実施例1と同様に全体の1/2弱の位置である第2層下部(温度計の位置)までの転化率を求めると64.5%、全体の3/4弱の位置である第3層下部(温度計の位置)までの転化率は99.1%であった。
実施例3
反応器への供給液の温度を42.6℃にした以外は実施例1と同様にしてアルコールを製造した。
反応器への供給液の温度を42.6℃にした時、反応器内の各層の温度は表1のようになった。
反応器への供給液の温度を42.6℃にした以外は実施例1と同様にしてアルコールを製造した。
反応器への供給液の温度を42.6℃にした時、反応器内の各層の温度は表1のようになった。
ガスクロマトフィーによって分析した反応器出口の組成より求めたエーテル化率及び高沸化率は表1の通りであった。
実施例1と同様に全体の1/2弱の位置である第2層下部(温度計の位置)までの転化率を求めると44.7%、全体の3/4弱の位置である第3層下部(温度計の位置)までの転化率は87.6%、全体の3/4強の位置である第4層上部(温度計の位置)までの転化率は96.7%であった。
実施例1と同様に全体の1/2弱の位置である第2層下部(温度計の位置)までの転化率を求めると44.7%、全体の3/4弱の位置である第3層下部(温度計の位置)までの転化率は87.6%、全体の3/4強の位置である第4層上部(温度計の位置)までの転化率は96.7%であった。
[解説]
反応は供給口である上層より順に進行する。断熱反応であるため、反応熱により温度が上昇するので、供給温度との温度差により、反応がどの程度進んでいるか算出することができる。
例えば、実施例1の第3層下部までの転化率は、
反応は供給口である上層より順に進行する。断熱反応であるため、反応熱により温度が上昇するので、供給温度との温度差により、反応がどの程度進んでいるか算出することができる。
例えば、実施例1の第3層下部までの転化率は、
実施例では、反応器入口から3/4の位置までに90%以上の反応が終了しており(反応器の入口から3/4の位置は、3層目下部の温度計の位置と4層目上部の温度計の位置の中間になる。実施例1、2においては、3層目下部の温度計位置で転化率が90%以上になっていることから、明らかに反応器入口から3/4の位置では90%以上の転化率が達成できている。また実施例3においても、3/4の位置では90%以上の転化率(転化率の勾配が一定として計算して92.1%)が達成できている。)、未反応のアルデヒド濃度は低くなっているので、高沸化、エーテル化が低く抑えられていることがわかる。
また、実施例1、2と実施例3を比較すると、反応器入口から3/4の位置までの転化率が高いほど、高沸化、エーテル化が低く抑えられていることがわかる。
Claims (5)
- 固体水素添加触媒が充填された固定床反応器にアルデヒドを供給し、水素添加してアルコールを製造する方法において、反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加することを特徴とする方法。
- 反応器へのアルデヒドのフィード温度、反応器内の温度分布、及び/又は溶剤とアルデヒドの流量比をコントロールすることにより反応器の入口より3/4の位置までに90%以上のアルデヒドを水素添加する請求項1に記載の方法。
- アルデヒドが2−エチルヘキセナールであり、アルコールが2−エチルヘキサノールである請求項1又は2に記載の方法。
- アルデヒドがノルマルブチルアルデヒドであり、アルコールがノルマルブタノールである請求項1又は2に記載の方法。
- アルデヒドを液相で水素添加する請求項1から4に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004206884A JP2006028053A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | アルコールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004206884A JP2006028053A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | アルコールの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006028053A true JP2006028053A (ja) | 2006-02-02 |
Family
ID=35894826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004206884A Pending JP2006028053A (ja) | 2004-07-14 | 2004-07-14 | アルコールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006028053A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8742177B2 (en) | 2011-12-28 | 2014-06-03 | Rohm And Haas Company | Catalyst and process to produce branched unsaturated aldehydes |
-
2004
- 2004-07-14 JP JP2004206884A patent/JP2006028053A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8742177B2 (en) | 2011-12-28 | 2014-06-03 | Rohm And Haas Company | Catalyst and process to produce branched unsaturated aldehydes |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR960004875B1 (ko) | 수소화 방법 | |
Akiyama et al. | Dehydration–hydrogenation of glycerol into 1, 2-propanediol at ambient hydrogen pressure | |
US7586017B2 (en) | Hydrogenation | |
EP1117631B1 (en) | Process for the preparation of ethyl acetate | |
EP2547642B1 (en) | Processes for the production of alcohols | |
US8252961B2 (en) | Method of producing lower alcohols from glycerol | |
JP2000086552A (ja) | C5〜c24―オレフィンのヒドロホルミル化からの反応混合物の水素化法 | |
KR20140042402A (ko) | 올레핀으로부터 알코올의 제조장치 및 제조방법 | |
JPH027295B2 (ja) | ||
EP0308411A1 (en) | Process for hydrogenating an unsaturated organic compound | |
EP3400208B1 (en) | Process for the preparation of ethylene glycol from sugars | |
EP2240429B1 (en) | Method of producing lower alcohols from glycerol | |
KR102363003B1 (ko) | 2-메틸렌 알칸알의 연속식 제조 방법 | |
US9492813B2 (en) | Method for regenerating hydrogenation catalyst | |
JP2006028053A (ja) | アルコールの製造方法 | |
KR101352309B1 (ko) | 올레핀으로부터의 알코올을 제조하는 장치 | |
KR20160036486A (ko) | 고효율의 네오펜틸 글리콜의 제조방법 및 이의 제조장치 | |
KR20130132008A (ko) | 수소화 촉매의 재생방법 | |
JP5535723B2 (ja) | イソアミルアルコールの製造方法 | |
RU2284313C1 (ru) | Способ переработки бутанол-бутилформиатных фракций | |
US9108898B2 (en) | Continuous method for producing primary aliphatic amines from aldehydes | |
KR20130132686A (ko) | 알데히드의 수소화 처리방법 | |
JP2000229904A (ja) | 飽和ケトン化合物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20070216 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Effective date: 20090617 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20100302 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100629 |