JP5535723B2 - イソアミルアルコールの製造方法 - Google Patents
イソアミルアルコールの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5535723B2 JP5535723B2 JP2010080304A JP2010080304A JP5535723B2 JP 5535723 B2 JP5535723 B2 JP 5535723B2 JP 2010080304 A JP2010080304 A JP 2010080304A JP 2010080304 A JP2010080304 A JP 2010080304A JP 5535723 B2 JP5535723 B2 JP 5535723B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- isovaleraldehyde
- isoamyl alcohol
- reaction
- selectivity
- concentration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
しかしながら、非特許文献1の方法は、イソアミルアルコールと同モルのギ酸が副生するため、反応器が腐食するという問題がある。非特許文献2の方法はイソブチルアルコールも副生するためにイソアミルアルコールの効率的な合成法ではなく、また、非特許文献1及び非特許文献2の方法は共に、生物化学的な合成法であるため反応条件の厳密な制御が必要であり、簡便な合成法とは言い難い。非特許文献3の方法は、イソプロパノールが水素源のため、生成するイソアミルアルコールと同モルのアセトンが副生し、精製工程や原料のコストがかさむという問題がある。非特許文献4の方法は、収率は63%にとどまり、反応条件が厳しいことから経済的な方法ではない。
一方、非特許文献5に記載の遷移金属触媒の存在下にイソバレルアルデヒドを接触水素化する方法では、(1)ジイソアミルエーテルの生成や脱カルボニル化による炭化水素の生成が副反応として生じ、イソアミルアルコールの選択性が低下する、(2)特にジイソアミルエーテルの副生は、イソバレルアルデヒドとイソアミルアルコールが反応して生成するアセタール体を経由して起こり、反応温度の制御だけではジイソアミルエーテルの副生をほとんど抑制できない、(3)ジイソアミルエーテル濃度が1%以下の領域でのジイソアミルエーテルとイソアミルアルコールとの比揮発度はおよそ1.05であることから、ジイソアミルエーテルはイソアミルアルコールとの蒸留による分離が困難であり、反応混合物を蒸留して高純度のイソアミルアルコールを得るためには、高段数の蒸留塔を必要とする、といった問題を有している。従って、純度の高いイソアミルアルコールの簡便な合成法の開発が望まれている。
イソバレルアルデヒドを反応系へ供給する際の、供給液におけるイソバレルアルデヒドの濃度は、5〜35重量%の範囲であり、10〜30重量%の範囲であることが好ましい。アルデヒド濃度が5重量%以上の場合、十分な生産性で反応が行えるために有利であり、アルデヒド濃度が35重量%以下の場合、反応熱の除去や、副生物の抑制の観点で有利である。
本発明の方法を連続方式で実施する場合、水素を供給する速度は、使用するラネーニッケル触媒の容量あたり、300〜1000hr−1であることが好ましい。水素の供給速度が300hr−1以上1000hr−1以下の場合、十分な反応速度が得られるため有利である。イソバレルアルデヒドを含む供給液を反応系へ供給する速度は、使用するラネーニッケル触媒の容量あたり、2.0〜30.0hr−1であることが好ましく、5.0〜10.0hr−1であることがより好ましい。供給速度が2.0hr−1以上の場合、熱履歴を抑えることができ、副反応を抑えられるため有利である。また、供給速度が30.0hr−1以下の場合、十分な転化率で反応が行え、また、反応熱による温度上昇の制御が容易に行えるため有利である。
[ガスクロマトグラフィー分析条件]
分析機器:GC14A(株式会社島津製作所製)
検出器:FID(水素炎イオン化型検出器)
使用カラム:G−300(20m)(財団法人化学物質評価研究機構製)
分析条件:Injection Temp.250℃、Detection Temp.250℃
昇温条件:80℃→(5℃/分で昇温)→280℃
電気的に加熱されるジャケット付反応器(長さ:1500mm、内径:20mm)中に市販のラネーニッケル触媒(日興リカ株式会社製 70重量%のNi、29重量%のAl、1重量%のMo、表面pH8.9)を100mL(110g)充填した。
反応系を120℃、4.0MPa(水素圧)とし、水素を60L/hr(600hr−1)の速度で反応系に供給しながら、触媒の活性化を2時間行った。
その後、イソバレルアルデヒド(純度100%)とイソアミルアルコール(純度100%)とをイソバレルアルデヒドの濃度が20重量%となるように混合した混合液を600mL/hr(6.0hr−1)で供給した。供給は10時間行った。反応生成物を反応圧のもとで室温に冷却し、反応生成物の液相をガスクロマトグラフィーで分析した結果、イソバレルアルデヒドの転化率は98.1%、イソアミルアルコールの選択率は99.0%であり、ジイソアミルエーテルの生成は確認されなかった。
イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が30重量%であるイソアミルアルコール混合液を用いた以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は96.1%、イソアミルアルコールの選択率は98.9%であり、ジイソアミルエーテルの選択率は0.2%だった。
反応圧力を2.0MPa(水素圧)とする以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は94.0%、イソアミルアルコールの選択率は99.0%であり、ジイソアミルエーテルの生成は確認できなかった。
イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が30重量%であるイソアミルアルコール混合液を900mL/hr(9.0hr−1)で供給する以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は97.9%、イソアミルアルコールの選択率は98.8%であり、ジイソアミルエーテルの選択性は0.1%だった。
イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が30重量%であるイソアミルアルコール混合液を400mL/hr(4.0hr−1)で供給する以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は99.1%、イソアミルアルコールの選択率は98.8%であり、ジイソアミルエーテルの選択性は0.2%だった。
反応温度を100℃とする以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は97.2%、イソアミルアルコールの選択率は98.9%であり、ジイソアミルエーテルの生成は確認されなかった。
反応温度を80℃とし、イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が30重量%であるイソアミルアルコール混合液を300mL/hr(3.0hr−1)で供給する以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は92.9%、イソアミルアルコールの選択率は98.6%であり、ジイソアミルエーテルの生成は確認されなかった。
反応温度を160℃とする以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は98.9%、イソアミルアルコールの選択率は98.6%であり、ジイソアミルエーテルの選択性は0.1%だった。
イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が30重量%であるイソアミルアルコール混合液を100mL/hr(1.0hr−1)で供給する以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は99.5%、イソアミルアルコールの選択率は98.7%であり、ジイソアミルエーテルの選択性は0.4%だった。
イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が30重量%であるイソアミルアルコール混合液の供給を100時間行う以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は98.1%、イソアミルアルコールの選択率は99.0%であり、ジイソアミルエーテルの生成は確認されなかった。このことより、反応時間を長くした場合の反応生成物におけるイソバレルアルデヒドの転化率およびイソアミルアルコールの選択率に変化は無く、触媒の活性は維持されていたことがわかった。
触媒として珪藻土にニッケルを担持させた触媒(日揮触媒化成株式会社製 50重量%のNi)を使用する以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は97.3%、イソアミルアルコールの選択率は96.0%であり、ジイソアミルエーテルの選択率は1.4%だった。
触媒としてアルミナに銅を担持させた触媒(日揮触媒化成株式会社製、N242)を用いる以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は97.9%、イソアミルアルコールの選択率は97.0%であり、ジイソアミルエーテルの選択率は1.2%だった。
イソバレルアルデヒド(純度100%)の濃度が40重量%であるイソアミルアルコール混合液を用いた以外は実施例1と同様にして反応操作を行った。その結果、イソバレルアルデヒドの転化率は88.6%、イソアミルアルコールの選択率は96.9%であり、ジイソアミルエーテルの選択率は1.0%だった。
また、比較例3は反応系内へ供給する供給液全体に対するイソバレルアルデヒドの濃度を40重量%と高くした例であり、ジイソアミルエーテルの選択率が1.0%と高く、劣っている。このことから、原料溶液中のイソバレルアルデヒドの濃度が適切ではない場合にはジイソアミルエーテルの生成を抑えられないことがわかる。
Claims (1)
- 水素およびラネーニッケル触媒の存在下、イソバレルアルデヒドを水素化するイソアミルアルコールの製造方法であって、イソバレルアルデヒドを反応系へ連続的に供給する際の、イソバレルアルデヒドと溶媒とを含む供給液におけるイソバレルアルデヒドの濃度が5〜35重量%の範囲であることを特徴とする、イソアミルアルコールの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010080304A JP5535723B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | イソアミルアルコールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010080304A JP5535723B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | イソアミルアルコールの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011213598A JP2011213598A (ja) | 2011-10-27 |
JP5535723B2 true JP5535723B2 (ja) | 2014-07-02 |
Family
ID=44943723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010080304A Active JP5535723B2 (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | イソアミルアルコールの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5535723B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114262257B (zh) * | 2020-09-16 | 2023-07-14 | 万华化学集团股份有限公司 | 一种通过柠檬醛工艺废液加氢回收异戊醇的方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5867637A (ja) * | 1981-10-20 | 1983-04-22 | Nippon Kayaku Co Ltd | ヒドロキシベンジルアルコ−ル類の製造法 |
JP3400291B2 (ja) * | 1996-09-17 | 2003-04-28 | 高砂香料工業株式会社 | (e)−(r)−2−アルキル−4−(2,2,3−トリメチルシクロペント−3−エン−1−イル)−2−ブテン−1−オール誘導体、その製造方法および用途 |
FI108029B (fi) * | 1997-12-30 | 2001-11-15 | Neste Oy | Menetelmä neopentyyliglykolin valmistamiseksi |
-
2010
- 2010-03-31 JP JP2010080304A patent/JP5535723B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011213598A (ja) | 2011-10-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1836147B1 (en) | Vapour phase hydrogenation of glycerol | |
EP2024319B1 (en) | Process for the conversion of glycerol to propylene glycol and amino alcohols | |
JP5073170B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
EP1762554B1 (en) | Hydrogenation of acetone | |
EP2365952B1 (en) | An improved process for hydrogenating alkyl ester(s) in the presence of carbon monoxide | |
US9475786B2 (en) | Method for synthesising 2,5-di(hydroxymethyl)furan and 2,5-di(hydroxymethyl)tetrahydrofuran by selective hydrogenation of furan-2,5-dialdehyde | |
AU2010363852A1 (en) | Process for the selective preparation of 1-propanol, iso-butanol and other C3+ alcohols from synthesis gas and methanol | |
CA2945927C (en) | Improved process of making bioderived propylene glycol | |
JP5535723B2 (ja) | イソアミルアルコールの製造方法 | |
Qin et al. | An efficient method for the production of cyclohexylamine from cyclohexanone and ammonia over Cu-Cr-La/γ-Al2O3 | |
US9193650B1 (en) | Long chain secondary alcohols from fatty acids and fatty oils | |
CA2951451C (en) | A selective process for conversion of levulinic acid to gamma-valerolactone | |
Sato et al. | Dehydrogenation of 1, 3-butanediol over Cu-based catalyst | |
JP2021521146A (ja) | アルファ−,ベータ−ジヒドロキシカルボニル化合物の乳酸及び他の生成物への脱水及び分解 | |
JP7168565B2 (ja) | ビスアシルオキシ化エキソメチレン化合物の製造方法 | |
CN113906005B (zh) | 一种通过雷尼tm钴催化由醛连续生产二醇的方法 | |
JP4037393B2 (ja) | アルコールの製造方法 | |
WO2005026091A1 (ja) | アルコールの製造方法 | |
JPH02131449A (ja) | 6―ヒドロキシカプロン酸エステルの製造方法 | |
JP6140826B2 (ja) | アルデヒドから第一級脂肪族アミンを製造するための連続方法 | |
JP2006028053A (ja) | アルコールの製造方法 | |
JP2012193187A (ja) | アルコールの製造方法 | |
JP2004269504A (ja) | クメンの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20120925 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20131209 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131217 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140422 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140423 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Ref document number: 5535723 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Country of ref document: JP |