JP2003205851A - 移動農機の操向制御装置 - Google Patents

移動農機の操向制御装置

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JP2003205851A JP2002008037A JP2002008037A JP2003205851A JP 2003205851 A JP2003205851 A JP 2003205851A JP 2002008037 A JP2002008037 A JP 2002008037A JP 2002008037 A JP2002008037 A JP 2002008037A JP 2003205851 A JP2003205851 A JP 2003205851A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パワーステアリング用油圧回路の排出油を、
前輪増速用油圧回路及び/又はブレーキ用油圧回路に供
給することにより、油圧回路の簡略化を図る。 【解決手段】 トラクタ10の操向制御装置として、パ
ワーステアリング用油圧回路60と前輪増速用油圧回路
25とを備えていて、前輪12が操舵されて該前輪12
のステアリング切れ角が例えば40度以上になると、パ
ワーステアリング用油圧回路60からの排出油が前輪増
速用油圧回路25に供給されて、前輪増速装置26が作
動し、前輪12の回転周速度が後輪14の回転周速度よ
りも増速され、前輪12は通常よりも高速で回転する。
これにより、機体は小さな回転半径で旋回可能となる
が、同時に旋回内側の後輪14R(又は14L)にもブ
レーキ力を作用するようにすれば、機体はより小さな回
転半径で旋回可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動農機の操向制
御装置に関し、特に、パワーステアリング用油圧回路と
前輪増速用油圧回路及び/又はブレーキ用油圧回路を備
えた移動農機の操向制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】トラクタ等の移動農機において、例えば
畦際での機体回行を小さな旋回半径で行うために、前輪
のステアリング切れ角が所定値以上となった場合に、前
輪増速装置により前輪の回転周速度を後輪の回転周速度
よりも速くし、かつブレーキ装置により旋回内側の後輪
に自動的に制動作用を付与することにより、機体の急旋
回を可能とした技術が公知である。
【0003】例えば、本件出願人の出願に係る特開平1
1−310122号公報によると、図5に示すように、
トラクタの操向制御に関し、前輪に操舵力を付与する油
圧シリンダ130とパワーステアリングユニット152
を有し、ステアリングホイール122の操作に基き、前
輪のステアリング切れ角が所定値以上になると、油圧ポ
ンプ156から分流弁134を介して前輪増速装置12
6に圧油が供給され、該前輪増速装置126が作動する
と共に、タイミング制御弁168及び方向制御弁170
を介してブレーキ装置146にも圧油が供給されて、旋
回内側のブレーキシリンダ(150R又は150L)が
自動的に作動するようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
例によると、油圧ポンプ156から、前輪増速装置12
6とブレーキ装置146、更に他の油圧作動装置(例え
ば、作業機リフトシリンダや水平制御シリンダ)等に作
動油を供給するために、分流弁134と方向制御弁17
0等を設ける必要があったが、特に分流弁134は、外
部からの電気信号により油圧ポンプ156からの圧油を
各ポートに分流させるための弁であり、その構造は、主
回路圧力をピストン側圧力に減圧する減圧弁160と、
ピストン側圧力の断続切換えを行うソレノイド式切換え
弁136と、主回路がアンロードしたときにピストン側
圧力を確保するシーケンス弁164とにより構成されて
いるため、この分流弁134により、油圧回路が複雑に
なると共に、該油圧回路の製造コストが高価になるとい
う課題があった。
【0005】本発明は、斯かる課題を解決するためにな
されたもので、その目的とするところは、パワーステア
リング用油圧回路の排出油を、前輪増速用油圧回路及び
/又はブレーキ用油圧回路に供給することにより、油圧
回路を簡略化して製造コストの低減を図り得る移動農機
の操向制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、油圧アクチュエータ(3
0)を介して前輪(12)に操舵力を付与するパワース
テアリング用油圧回路(60)と、前輪(12)のステ
アリング切れ角が所定値以上となったことに基づき、前
輪(12)の回転速度を後輪(14)の回転速度よりも
増速する前輪増速用油圧回路(25)と、を備えた移動
農機の操向制御装置において、前記パワーステアリング
用油圧回路(60)に油圧ポンプ(56)からの圧油を
供給すると共に、該パワーステアリング用油圧回路(6
0)からの排出油を、前記前輪増速用油圧回路(25)
に供給してなる、ことを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明は、油圧アクチュエー
タ(30)を介して前輪(12)に操舵力を付与するパ
ワーステアリング用油圧回路(60)と、前輪(12)
のステアリング切れ角が所定値以上となったことに基づ
き、旋回内側の後輪(14)に強制的にブレーキ作用を
付与するブレーキ用油圧回路(51)と、を備えた移動
農機の操向制御装置において、前記パワーステアリング
用油圧回路(60)に油圧ポンプ(56)からの圧油を
供給すると共に、該パワーステアリング用油圧回路(6
0)からの排出油を、前記ブレーキ用油圧回路(51)
に供給してなる、ことを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、油圧アクチュエー
タ(30)を介して前輪(12)に操舵力を付与するパ
ワーステアリング用油圧回路(60)と、前輪(12)
のステアリング切れ角が所定値以上となったことに基づ
き、前輪(12)の回転速度を後輪(14)の回転速度
よりも増速する前輪増速用油圧回路(25)、及び旋回
内側の後輪(14)に強制的にブレーキ作用を付与する
ブレーキ用油圧回路(51)と、を備えた移動農機の操
向制御装置において、前記パワーステアリング用油圧回
路(60)に油圧ポンプ(56)からの圧油を供給する
と共に、該パワーステアリング用油圧回路(60)から
の排出油を、前記前輪増速用油圧回路(25)及び前記
ブレーキ用油圧回路(51)に供給してなる、ことを特
徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項2又は3に
記載の移動農機の操向制御装置において、前記パワース
テアリング用油圧回路(60)からの排出油を、前記前
輪増速用油圧回路(25)及び前記ブレーキ用油圧回路
(51)に導く油路に、圧力調整弁(44)を連通し、
該圧力調整弁(44)を手動調節可能とした、ことを特
徴とする。
【0010】〔作用〕本発明に係る移動農機の操向制御
装置において、例えば、パワーステアリング用油圧回路
(60)と前輪増速用油圧回路(25)とを備えてい
て、前輪(12)が操舵されて該前輪(12)のステア
リング切れ角が所定値以上になると、前記パワーステア
リング用油圧回路(60)からの排出油が前記前輪増速
用油圧回路(25)に供給されて、前輪増速装置(2
6)が作動し、前輪(12)の回転周速度が後輪(1
4)の回転周速度よりも増速され、前輪(12)は通常
よりも高速で回転する。これにより、機体は小さな回転
半径で旋回可能となるが、このとき、同時に、旋回内側
の後輪(14R又は14L)にもブレーキが作用するよ
うにすれば、機体は該旋回内側の後輪(14R又は14
L)を中心として旋回することとなり、より小さな回転
半径で旋回可能となる。
【0011】なお、括弧内の符号は、図面を参照するた
めのもので、本発明を何ら限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態を説明する。
【0013】図1は、本発明が適用された移動農機とし
てのトラクタの操向制御装置の概要を示す図である。同
図において、トラクタ10は、左右1対の前輪12R,
12L及び後輪14R,14Lで支持された走行機体の
前部にエンジン18、その後部にミッションケース2
0、機体中央の上部の運転席にステアリングホイール2
2等を備えている。エンジン18の動力は、ミッション
ケース20内の主変速及び副変速装置(図示せず)を介
して左右の後輪14R,14Lに伝達され、また、図示
しない後輪デフ機構の前段から分岐した動力が、伝動軸
16を介して左右の前輪12R,12Lに伝達される。
【0014】図2乃至図4は、本実施の形態におけるト
ラクタの操向制御装置を示している。
【0015】これらの図2乃至図4において、操向制御
装置は、油圧力にて前輪12に操舵力を付与するパワー
ステアリングシリンダ30とパワーステアリング用油圧
回路60とを備え、このパワーステアリング用油圧回路
60は、油圧ポンプ56に接続された配管100の油路
を切換える切換えバルブ54と、該切換えバルブ54と
一体のサーボフィードバック付きのメータリングポンプ
53と、配管100からの圧油を切換えバルブ54を介
してパワーステアリングシリンダ30に供給する配管1
01R,101Lとを有している。このメータリングポ
ンプ53は、ステアリングホイール22の回転角が変化
する際に、油圧ポンプ56の吐出し圧がパイロット圧と
なって、切換えバルブ54が作動するようになってい
る。
【0016】すなわち、ステアリングホイール22を左
右いずれかに旋回操作すると、該ステアリングホイール
22の回転で前記切換えバルブ54が切換わり、タンク
57内の圧油が油圧ポンプ56により、配管100から
配管101R(又は101L)を介して、複動式のパワ
ーステアリングシリンダ30の一方側の油室に供給さ
れ、これにより、フロントアクスルのタイロッド(図示
せず)が油圧により操舵される。また、このとき、後述
するように、パワーステアリングシリンダ30の他方側
の油室から排出された圧油(及び余剰油)が配管102
側に供給されるようになっている。
【0017】なお、本実施の形態のパワーステアリング
装置では、エンジン18が停止した状態においても、パ
ワーステアリング用油圧回路60内でチェック弁55を
介して圧油が巡回され、パワーステアリングシリンダ3
0に向け圧油が供給されて、油圧によりステアリングホ
イール22を操舵することのできる全油圧式のパワース
テアリング装置が採用されている。
【0018】ここで、本実施の形態では、パワーステア
リング用油圧回路60に油圧ポンプ56からの圧油を供
給すると共に、該パワーステアリング用油圧回路60か
らの排出油を、前輪増速用油圧回路25に供給してなる
ことを特徴としている。
【0019】図2は、パワーステアリング用油圧回路6
0と前輪増速用油圧回路25を備えた操向制御装置の実
施の形態を示しており、同図において、前記パワーステ
アリングシリンダ30のロッドの移動量は、切れ角セン
サ(図示せず)によって検出されるようになっていて、
このときの検出値が一定切れ角に達すると該切れ角セン
サからオン信号が出力され、このオン信号に基き、後述
する電磁切換え弁40が作動する。これにより、パワー
ステアリングシリンダ30側から排出された圧油(及び
余剰油)が配管102から前輪増速用油圧回路25に向
けて供給され、この圧油により、前輪増速装置26が作
動する。この前輪増速装置26の作動により、前輪12
の回転周速度が後輪14の回転周速度よりも約2倍速で
回転する。
【0020】すなわち、前輪12がステアリングされ
て、パワーステアリング用油圧回路60からパワーステ
アリングシリンダ30の一方側の油室に圧油が供給され
ると、該パワーステアリングシリンダ30の他方側の油
室から排出された圧油は、配管102側に供給され、更
に、この圧油は配管102を介して前輪増速用油圧回路
25に供給されるようになっている。
【0021】この前輪増速用油圧回路25は、配管10
2によって供給された圧油を、左右1対の配管103
R,103Lに切換え供給する電磁切換え弁40と、該
左右1対の配管103R,103Lから供給される圧油
のうち、高圧側の圧油を受け入れる高圧優先形シャトル
弁42と、配管102に連通されて該配管102の圧力
を略々一定に保持するリリーフ弁44とを有している。
そして、高圧優先形シャトル弁42から前輪増速装置2
6に向け圧油が供給されるようになっている。
【0022】以上により、前輪12がステアリングされ
ると、パワーステアリング用油圧回路60からパワース
テアリングシリンダ30に圧油が供給されると共に、前
輪のステアリング切れ角が所定値以上になると、電磁切
換え弁40における旋回内側の後輪14R(又は14
L)に相当する側のソレノイド(a又はb)が励磁さ
れ、弁が切りかえられる。これにより、パワーステアリ
ングシリンダ30側から排出された圧油が、配管102
と電磁切換え弁40、更に高圧優先形シャトル弁42を
介して前輪増速装置26に供給される。この圧油によ
り、前輪増速装置26のQTピストン28が作動してQ
Tクラッチ27が接続され、前輪12の回転周速度が後
輪14の回転周速度よりも約2倍速で回転する。こうし
て、前輪12は後輪14よりも増速された状態で回転す
るので、機体は小さい回転半径で旋回を行うことができ
る。
【0023】また、本実施の形態では、パワーステアリ
ング用油圧回路60に油圧ポンプからの圧油を供給する
と共に、該パワーステアリング用油圧回路60からの排
出油を、ブレーキ用油圧回路51に供給してなることを
特徴としている。
【0024】この実施の形態では、まず、図1に示した
ように、左右の後輪14R,14Lには、これらに対応
してかつ独立に作動可能に左右1対のブレーキ46R,
46Lが設けられている。そして、操作ペダル48R,
48Lを踏込み操作すると、ブレーキロッド49R,4
9Lを介して機械的に連結された前記ブレーキ46R,
46Lにより、左右の後輪14R,14Lにブレーキ力
が付与される。更に、このブレーキ46R,46Lは、
油圧によっても作動されるようになっていて、ステアリ
ングホイール22の旋回操作による前記切れ角センサか
らのオン信号に基き、パワーステアリングシリンダ30
側から排出された圧油が旋回内側の後輪14R(又は1
4L)に対応して設けられたブレーキシリンダ50R
(又は50L)に供給されて、前記ブレーキ46R(又
は46L)が自動的に作動するようになっている。
【0025】図3は、パワーステアリング用油圧回路6
0とブレーキ用油圧回路51を備えた操向制御装置の実
施の形態を示している。
【0026】同図において、前輪12がステアリングさ
れると、パワーステアリング用油圧回路60からパワー
ステアリングシリンダ30に圧油が供給されると共に、
前輪のステアリング切れ角が所定値以上になると、電磁
切換え弁40が切換えられ、パワーステアリングシリン
ダ30側から排出された圧油が、配管102を介してブ
レーキ用油圧回路51に供給されるようになっている。
【0027】すなわち、このブレーキ用油圧回路51
は、配管102によって供給された圧油を、左右の後輪
14R,14Lに対応して設けられた左右1対の配管1
03R,103Lに切換え供給する電磁切換え弁40
と、該左右1対の配管103R,103Lから供給され
た圧油を、手動切換え弁52R,52Lを介して受け入
れて作動されるブレーキシリンダ50R,50Lと、配
管102に連通されて該配管102の圧力を略々一定に
保持するリリーフ弁44とを有している。手動切換え弁
52R,52Lは、左右1対の配管103R,103L
内の圧油を連通・遮断可能であって、ブレーキシリンダ
50R,50Lの作動を停止したい場合に切換え操作さ
れる。
【0028】以上により、前輪がステアリングされる
と、パワーステアリング用油圧回路60からパワーステ
アリングシリンダ30に圧油が供給されると共に、前輪
のステアリング切れ角が所定値以上になると、電磁切換
え弁40が切換えられ、パワーステアリングシリンダ3
0側から排出された圧油が、配管102を介してブレー
キ用油圧回路51における旋回内側の後輪14R(又は
14L)に対応するブレーキシリンダ50R(又は50
L)に供給されて、該後輪14R(又は14L)が制動
されるようになっている。
【0029】前記リリーフ弁44は、手動により調節可
能な構成であり、オペレータが機体に乗車状態で、調整
可能なレイアウトにされている。このため、オペレータ
は路面状態に応じて容易に制動力の調整が行えるように
なっている。
【0030】更に、本実施の形態では、パワーステアリ
ング用油圧回路60に油圧ポンプ56からの圧油を供給
すると共に、該パワーステアリング用油圧回路60から
の排出油を、前輪増速用油圧回路25及びブレーキ用油
圧回路51に供給してなることを特徴としている。
【0031】図4は、パワーステアリング用油圧回路6
0と、前輪増速用油圧回路25及びブレーキ用油圧回路
51を備えた操向制御装置の実施の形態を示している。
【0032】同図において、前輪がステアリングされる
と、パワーステアリング用油圧回路60からパワーステ
アリングシリンダ30に圧油が供給されると共に、前輪
12のステアリング切れ角が所定値以上になると、電磁
切換え弁40が切換えられ、パワーステアリングシリン
ダ30側から排出された圧油は、配管102を介して前
輪増速用油圧回路25及びブレーキ用油圧回路51に供
給されるようになっている。この前輪増速用油圧回路2
5とブレーキ用油圧回路51とは、前述したように、夫
々共通の電磁切換え弁40とリリーフ弁44とを有して
いるため、本実施の形態では、これらを共用した油圧回
路が採用されている。
【0033】すなわち、前輪12のステアリング切れ角
が所定値以上になると、パワーステアリングシリンダ3
0から排出された圧油が、配管102を介して前輪増速
用油圧回路25の高圧優先形シャトル弁42を介して高
圧側の配管103R(又は103L)から前輪増速装置
26に供給され、該前輪増速装置26のQTピストン2
8が作動してQTクラッチ27が接続される。
【0034】これと略々同時に、ブレーキ用油圧回路5
1における旋回内側の後輪14R(又は14L)に対応
するブレーキシリンダ50R(又は50L)に圧油が供
給されて、該後輪14R(又は14L)にブレーキが作
用するようになっている。なお、手動切換え弁52R,
52Lを切り側に操作すれば、ブレーキシリンダ50
R,50Lへの圧油の供給が遮断されるため、この手動
切換え弁52R,52Lの操作により、前輪増速装置2
6のみを作動させることもできる。
【0035】次いで、本実施の形態の作用を説明する。
【0036】図4において、例えばステアリングホイー
ル22を右側に切ると、パワーステアリング用油圧回路
60内の切換えバルブ54がp側に切換わり、油圧ポン
プ56に接続された配管100内の圧油は、メータリン
グポンプ53及び配管101Rを通って、パワーステア
リングシリンダ30の右側の油室に供給されて、該シリ
ンダ30内のロッドが移動し、ステアリングホイール2
2に油圧による操舵力が付与される。
【0037】また、この旋回操作時に、パワーステアリ
ングシリンダ30の左側の油室から排出された圧油(及
び余剰油)は、配管102側へ供給されることとなる
が、前輪12の切れ角が所定値(例えば角度40度)以
上になると、切れ角センサからの電気信号により、電磁
切換え弁40のソレノイドbに通電されて該電磁切換え
弁40が切換えられる。これにより、配管102からの
圧油が電磁切換え弁40を介して配管103Rに供給さ
れ、手動切換え弁52Rを通って右側の後輪14Rのブ
レーキシリンダ50Rに供給される。これにより、旋回
内側の後輪14Rにブレーキ力が付与される。なお、配
管102,103R,103Lを流れる圧油の圧力制御
は、リリーフ弁44により行われる。
【0038】更に、配管103Rに供給された圧油は、
高圧優先形シャトル弁42を介して前輪増速装置26の
QTクラッチ27を作動させ、これにより、前輪12の
周速度は後輪14の周速度に対し略々2倍の速度で回転
する。こうして、前輪12は増速された状態で回転する
と共に、旋回内側の後輪14Rにはブレーキ力が作用す
るので、機体は旋回内側の後輪14Rを略々中心として
より小さな回転半径で旋回することができる。
【0039】次いで、ステアリングホイール22を元の
中立位置側に戻すと、電磁切換え弁40のソレノイドb
の励磁が切られて、該電磁切換え弁40は中立位置に復
帰し、配管103R内の圧油は、タンク57’に戻され
る。
【0040】以上により、パワーステアリングシリンダ
30内の排出油を利用して、ブレーキシリンダ50R
(又は50L)とQTクラッチ27とを略々同時に作動
させるので、前輪12のステアリング切れ角が所定値
(例えば角度40度)以上になると、前輪12は後輪1
4よりも2倍速で回転すると共に、旋回内側の後輪14
R(又は14L)を略々中心として旋回するので、機体
はより小さい回転半径で急旋回することが可能となる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、パワース
テアリング用油圧回路からの排出油を、前輪増速用油圧
回路に供給してなることにより、油圧回路を簡略化して
製造コストの低減を図ることができると共に、前輪のス
テアリング切れ角が所定値以上になると、前輪増速装置
が作動して前輪は後輪よりも増速された状態で回転する
ので、機体は小さい回転半径で旋回を行うことができ
る。
【0042】請求項2記載の発明によれば、パワーステ
アリング用油圧回路からの排出油をブレーキ用油圧回路
に供給してなることにより、油圧回路を簡略化して製造
コストの低減を図ることができると共に、前輪のステア
リング切れ角が所定値以上になると、旋回内側の後輪に
ブレーキ作用が付与されるので、機体は旋回内側の後輪
を略々中心として小さい回転半径で旋回を行うことがで
きる。
【0043】請求項3記載の発明によれば、パワーステ
アリング用油圧回路からの排出油を、前記前輪増速用油
圧回路及び前記ブレーキ用油圧回路に供給してなること
により、油圧回路を簡略化して製造コストの低減を図る
ことができると共に、前輪のステアリング切れ角が所定
値以上になると、前輪増速装置が作動し、かつ旋回内側
の後輪にブレーキ作用が付与されるので、前輪は後輪よ
りも増速された状態で回転し、かつ旋回内側の後輪を略
々中心として旋回するので、機体はより小さい回転半径
で急旋回を行うことができる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、請求項2又
は3に記載の移動農機の操向制御装置において、パワー
ステアリング用油圧回路からの排出油を、前輪増速用油
圧回路及びブレーキ用油圧回路に導く油路に、圧力調整
弁を連通し、該圧力調整弁を手動調節可能としたことに
より、路面状態に合わせて任意に装置の旋回性能を調整
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動農機の操向制御装置を模式的
に示す図である。
【図2】同上の油圧回路の実施の形態を示す図である。
【図3】同上の油圧回路の実施の形態を示す図である。
【図4】同上の油圧回路の実施の形態を示す図である。
【図5】従来の油圧回路の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
10 トラクタ 12 前輪 14 後輪 22 ステアリングホイール 25 前輪増速用油圧回路 26 前輪増速装置 27 QTクラッチ 28 QTピストン 30 パワーステアリングシリンダ 40 電磁切換え弁 44 リリーフ弁(圧力調整弁) 46R,46L ブレーキ 50R,50L ブレーキシリンダ 51 ブレーキ用油圧回路 56 油圧ポンプ 57,57’ タンク 60 パワーステアリング用油圧回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2B043 AA04 AB08 BA02 BB01 DA03 DB06 DB09 DB17 DB30 3D033 EC07 EC10 3D052 AA05 AA18 BB09 DD03 EE03 FF01 FF05 GG03 HH01 HH02 HH03 JJ03 JJ17 JJ25 JJ26 JJ37

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータを介して前輪に操舵
    力を付与するパワーステアリング用油圧回路と、前輪の
    ステアリング切れ角が所定値以上となったことに基づ
    き、前輪の回転速度を後輪の回転速度よりも増速する前
    輪増速用油圧回路と、を備えた移動農機の操向制御装置
    において、 前記パワーステアリング用油圧回路に油圧ポンプからの
    圧油を供給すると共に、該パワーステアリング用油圧回
    路からの排出油を、前記前輪増速用油圧回路に供給して
    なる、ことを特徴とする移動農機の操向制御装置。
  2. 【請求項2】 油圧アクチュエータを介して前輪に操舵
    力を付与するパワーステアリング用油圧回路と、前輪の
    ステアリング切れ角が所定値以上となったことに基づ
    き、旋回内側の後輪に強制的にブレーキ作用を付与する
    ブレーキ用油圧回路と、を備えた移動農機の操向制御装
    置において、 前記パワーステアリング用油圧回路に油圧ポンプからの
    圧油を供給すると共に、該パワーステアリング用油圧回
    路からの排出油を、前記ブレーキ用油圧回路に供給して
    なる、 ことを特徴とする移動農機の操向制御装置。
  3. 【請求項3】 油圧アクチュエータを介して前輪に操舵
    力を付与するパワーステアリング用油圧回路と、前輪の
    ステアリング切れ角が所定値以上となったことに基づ
    き、前輪の回転速度を後輪の回転速度よりも増速する前
    輪増速用油圧回路、及び旋回内側の後輪に強制的にブレ
    ーキ作用を付与するブレーキ用油圧回路と、を備えた移
    動農機の操向制御装置において、 前記パワーステアリング用油圧回路に油圧ポンプからの
    圧油を供給すると共に、該パワーステアリング用油圧回
    路からの排出油を、前記前輪増速用油圧回路及び前記ブ
    レーキ用油圧回路に供給してなる、 ことを特徴とする移動農機の操向制御装置。
  4. 【請求項4】 前記パワーステアリング用油圧回路から
    の排出油を、前記前輪増速用油圧回路及び前記ブレーキ
    用油圧回路に導く油路に、圧力調整弁を連通し、該圧力
    調整弁を手動調節可能とした、 ことを特徴とする請求項2又は3に記載の移動農機の操
    向制御装置。
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CN114179907A (zh) * 2022-01-06 2022-03-15 安徽合力股份有限公司 一种电动工业车辆液压转向和驻车制动控制液压系统

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