JP3664767B2 - 転圧機械の駆動装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、左右の駆動輪にそれぞれ油圧モータを個別に設け、各油圧モータを単一の油圧ポンプに対して並列に接続して該油圧ポンプから各油圧モータにそれぞれ作動油を供給することにより、前記左右の駆動輪を駆動するようにした転圧機械の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の転圧機械の駆動装置としては、図6に示すものが知られている。
この駆動装置は、左右の駆動輪にそれぞれ油圧モータa,bの出力軸を直結し、エンジンcからの動力伝達により駆動される単一の油圧ポンプdに対して左右の油圧モータa,bを並列に接続して該油圧ポンプdから該左右の油圧モータa,bにそれぞれ作動油を送出することにより、左右の油圧モータa,bの各出力軸ひいては左右の駆動輪が回転駆動されるようになっている。
【0003】
この場合、転圧機械が方向転換等して左右の駆動輪に回転差が生じるときの差動は、上述したように左右の油圧モータa,bが単一の油圧ポンプdに対して並列に接続されているため、負荷の大きい内輪側の油圧モータより負荷の小さい外輪側の油圧モータの方に多くの作動油が供給されることにより確保される。これにより、左右の駆動輪に回転差が生じるような走行においても左右の駆動輪のスムーズな回転が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる転圧機械の駆動装置においては、転圧機械が凹凸のある路面を走行する等して左右の駆動輪の内で一方の駆動輪が路面から離れると、路面から離れた駆動輪の油圧モータの負荷が小さくなるため、該油圧モータへ全量の作動油が供給されてしまい、他方の駆動輪の油圧モータには作動油が供給されなくなる。この結果、地面から離れた一方の駆動輪のみが空転して他方の駆動輪が回転しなくなり、転圧機械が走行不能になるという不都合がある。
【0005】
本発明はかかる不都合を解消するためになされたものであり、凹凸路面を走行する際に、左右の駆動輪の内で一方の駆動輪が路面から離れても他方の駆動輪の回転を可能にして転圧機械の良好な走行を確保することができる転圧機械の駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1に係る転圧機械の駆動装置は、左右の駆動輪にそれぞれ油圧モータを個別に設け、各油圧モータを単一の油圧ポンプに対して並列に接続して該油圧ポンプから各油圧モータにそれぞれ作動油を供給することにより、前記左右の駆動輪を駆動するようにした転圧機械の駆動装置であって、前記左側の駆動輪に設けられた油圧モータの出力軸に対して制動力を付与する第1の制動手段と、前記右側の駆動輪に設けられた油圧モータの出力軸に対して制動力を付与する第2の制動手段と、前記第1及び第2の制動手段によって付与される制動力を調整する制動力調整手段と、該制動力調整手段による前記第1の制動手段側の制動力の調整と前記第2の制動手段側の前記制動力の調整とを個別に選択する選択手段とを備え、前記第1の制動手段を、前記左側の駆動輪に設けた前記油圧モータに内蔵し、前記油圧ポンプの補助油圧ポンプからの作動油の供給により該油圧モータの出力軸に対する制動力を解除するネガティブブレーキで構成すると共に、前記第2の制動手段を、前記右側の駆動輪に設けた前記油圧モータに内蔵し、前記油圧補助ポンプからの作動油の供給により該油圧モータの出力軸に対する制動力を解除するネガティブブレーキで構成し、前記制動力調整手段は、左右の駆動輪の一方が路面から離れて空転するときに、その一方側の前記ネガティブブレーキに残圧を残してその一方側の前記油圧モータの出力軸に付与される前記制動力を半効かせ状態としつつ、他方側の前記油圧モータにも作動油を供給して制動力を調整することを特徴とする。
【0008】
本発明の転圧機械の駆動装置では、転圧機械が凹凸のある路面を走行する等して左右の駆動輪の内で一方の駆動輪が路面から離れると、選択手段によって、制動力調整手段による制動力の調整を、路面から離れた駆動輪の油圧モータの出力軸に対して制動力を付与する制動手段側に切り換える。
【0009】
そして、該制動手段によって該油圧モータの出力軸に付与される制動力を、制動力調整手段によって調整することにより該出力軸に所定の負荷を与え、これにより他方の駆動輪の油圧モータに作動油を供給して該油圧モータの出力軸の回転を可能にする。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1及び図2を参照して説明する。図1は本発明の一実施例である転圧機械の駆動装置の油圧回路図、図2は該駆動装置の電気結線図である。
まず、図1を参照して構成を説明すると、転圧機械の駆動装置は、後輪たる左右の駆動輪(図示せず)にそれぞれ個別に設けられた油圧モータ1a,1bを備える。油圧モータ1aの出力軸及び油圧モータ1bの出力軸はそれぞれ左側の駆動輪及び右側の駆動輪に直結されている。油圧モータ1a,1bは、エンジン2からの動力伝達により駆動される単一の油圧ポンプ3に対して並列に接続されており、該油圧ポンプ3から各油圧モータ1a,1bに作動油を供給することにより、左右の駆動輪が回転駆動される。尚、図1におい符号4は回路内の作動油を低圧側に補充する補助油圧ポンプである。
【0011】
油圧モータ1a,1bには、油圧モータ1a,1bの各出力軸に対して制動力を付与するネガティブブレーキ5a(第1の制動手段),5b(第2の制動手段)がそれぞれ内蔵されている。
ネガティブブレーキ5a,5bは、共に図示しないシリンダ状ケース内に設けられたディスク6にピストン状制動体7を弾発材8の付勢力により圧接させて油圧モータ1a,1bの出力軸に制動力を付与するものである。
【0012】
具体的には、図1及び図2を参照して、エンジン始動スイッチ2aによってエンジン2を始動すると、油圧補助ポンプ4からネガティブブレーキ5a,5bに作動油を供給する油圧回路に介在された2位置方向電磁切換弁10のSOL.aに電流が流れて、ネガティブブレーキ5a,5bのブレーキシリンダ5c,5dに作動油が供給され、該作動油圧によりピストン状制動体7が弾発材8の付勢力に抗してディスク6から離間し、これにより左右の駆動輪の制動力が開放されている。
【0013】
そして、図示しないブレーキペダルを踏み込むと、SOL.aがOFFとなって2位置方向電磁切換弁10が切り換えられ、ブレーキシリンダ5c,5d内の作動油が作動油タンク11に逃げることにより、ネガティブブレーキ5a,5bのピストン状制動体7が弾発材8の付勢力によってディスク6に圧接して油圧モータ1a,1bの出力軸ひいては左右の駆動輪に制動力が付与されるようになっている。尚、図2において符号12はバッテリ、13はバッテリリレー及び14はヒューズである。
【0014】
ネガティブブレーキ5a,5bと2位置方向電磁切換弁10との間の油圧回路9には、3位置方向電磁切換弁15が介在されている。3位置方向電磁切換弁15は、中立位置で上述した2位置方向電磁切換弁10によるネガティブブレーキ5a,5bに対する作動油の供給及び排出が行えるようにして転圧機械の通常の運転を可能にしている。そして、左右の駆動輪の制動力が開放状態において、運転席近傍に設けられた3ポジションスイッチ16(選択手段:図2参照)を中立位置からSOL.b位置に切り換えると、3位置方向電磁切換弁15のSOL.bに電流が流れて3位置方向電磁切換弁15が切り換えられ、左側の駆動輪の油圧モータ1aに内蔵されたネガティブブレーキ5aのみから作動油が流出して作動油タンク11に逃げ、これにより左側の油圧モータ1aの出力軸のみに制動力が付与される。
【0015】
また、3ポジションスイッチ16を中立位置からSOL.c位置に切り換えると、3位置方向電磁切換弁15のSOL.cに電流が流れて3位置方向電磁切換弁15が切り換えられ、右側の駆動輪の油圧モータ1bに内蔵されたネガティブブレーキ5bのみから作動油が流出して作動油タンク11に逃げ、これにより右側の油圧モータ1bの出力軸のみに制動力が付与される。
【0016】
ここで、3位置方向電磁切換弁15と作動油タンク11との間の油圧回路には、3位置方向電磁切換弁15側にチェック弁17が、作動油タンク11側に絞り弁18がそれぞれ介在されている。チェック弁17は、ネガティブブレーキ5a,5b内に残圧を残して油圧モータ1a,1bの出力軸に付与される制動力を半効かせに調整するためのものであり、絞り弁18は、チェック弁17によって油圧モータ1a,1bの出力軸に付与される制動力の効き速度を調整するためのものである。本実施例では、かかる3位置方向電磁切換弁15、チェック弁17及び絞り弁18によって本発明の制動力調整手段を構成している。尚、図1では絞り弁18は可変絞り弁として表示しているが、固定絞り弁であってもよい。
【0017】
かかる構成の転圧機械の駆動装置においては、エンジン始動スイッチ2aによってエンジン2を始動すると、2位置方向電磁切換弁10のSOL.aに電流が流れて、ブレーキシリンダ5c,5dに作動油が供給され、該作動油圧によりピストン状制動体7が弾発材8の付勢力に抗してディスク6から離間し、ネガティブブレーキ5a,5bによる制動力は開放される。
【0018】
そして、転圧機械が凹凸のある路面を走行する等して左右の駆動輪の内で例えば左側の駆動輪が路面から離れると、3ポジションスイッチ16を中立位置からSOL.b位置に切り換える。これにより、3位置方向電磁切換弁15のSOL.bに電流が流れて3位置方向電磁切換弁15が切り換えられ、左側の駆動輪の油圧モータ1aに内蔵されたネガティブブレーキ5aのブレーキシリンダ5cのみから作動油が流出して作動油タンク11に逃げ、左側の駆動輪のみに制動力が付与される。
【0019】
この時、かかる制動力を調整すべくチェック弁17によってネガティブブレーキ5aのブレーキシリンダ5c内に残圧を残して該制動力を半効かせし、左側の駆動輪の油圧モータ1aの出力軸に所定の負荷を与える。これにより、路面から離れて空転する左側の駆動輪の油圧モータ1aに全量の作動油が供給されることなく、右側の駆動輪の油圧モータ1bにも作動油が供給されて該油圧モータ1bの出力軸ひいては右側の駆動輪が回転し、転圧機械の走行を確保することができる。また、左側の駆動輪に制動力を効かす速度は絞り弁18で調整されるので、転圧機械のスムーズな走行を確保することができる。
【0020】
一方、右側の駆動輪が路面から離れた場合には、3ポジションスイッチ16を中立位置からSOL.c位置に切り換えることにより、3位置方向電磁切換弁15のSOL.cに電流が流れて3位置方向電磁切換弁15が切り換えられ、右側の駆動輪の油圧モータ1bに内蔵されたネガティブブレーキ5bのブレーキシリンダ5dのみから作動油が流出して作動油タンク11に逃げ、これにより右側の駆動輪のみに制動力が付与される。
【0021】
この時、かかる制動力を調整すべくチェック弁17によってネガティブブレーキ5bのブレーキシリンダ5d内に残圧を残して該制動力を半効かせし、右側の駆動輪の油圧モータ1bの出力軸に所定の負荷を与える。これにより、路面から離れて空転する右側の駆動輪の油圧モータ1bに全量の作動油が供給されることなく、左側の駆動輪の油圧モータ1aにも作動油が供給されて該油圧モータ1aの出力軸ひいては左側の駆動輪が回転し、転圧機械の走行を確保することができる。また、右側の駆動輪に制動力を効かす速度は絞り弁18で調整されるので、転圧機械のスムーズな走行を確保することができる。
【0022】
尚、上記実施例では、ネガティブブレーキ5a,5bと2位置方向電磁切換弁10との間の油圧回路に3位置方向電磁切換弁15、チェック弁17及び絞り弁18を介在させて制動力調整手段を構成しているが、必ずしもこれに限定する必要はなく、例えば、図3に示すように、ネガティブブレーキ5aと2位置方向電磁切換弁10との間の油圧回路中に2位置方向電磁切換弁19b及び減圧弁20bを介在させると共に、ネガティブブレーキ5bと2位置方向電磁切換弁10との間の油圧回路中に2位置方向電磁切換弁19a及び減圧弁20aを介在させて制動力調整手段を構成してもよい。
【0023】
図2及び図3を参照して詳述すると、エンジン始動スイッチ2aによってエンジン2を始動すると、2位置方向電磁切換弁10のSOL.aに電流が流れて、ネガティブブレーキ5a,5bのブレーキシリンダ5c,5dに作動油が供給され、該作動油圧によりネガティブブレーキ5a,5bのピストン状制動体7が弾発材8の付勢力に抗してディスク6から離間し、これにより左右の駆動輪の制動力が開放されている。
【0024】
図示しないブレーキペダルを踏み込むと、SOL.aがOFFとなって2位置方向電磁切換弁10が切り換えられ、ネガティブブレーキ5a,5bのブレーキシリンダ5c,5d内の作動油が作動油タンク11に逃げることにより、ピストン状制動体7が弾発材8の付勢力によってディスク6に圧接して油圧モータ1a,1bの出力軸ひいては左右の駆動輪に制動力が付与される。
【0025】
2位置方向電磁切換弁19a,19bは、運転席近傍に設けられた3ポジションスイッチ16の中立位置で共にOFF状態とされて上述した2位置方向電磁切換弁10によるネガティブブレーキ5a,5bに対する作動油の供給及び排出が行えるようにして転圧機械の通常の運転を可能にしている。
そして、左右の駆動輪の内で例えば左側の駆動輪が路面から離れて油圧モータ1aの負荷が軽くなったことにより空転した場合、右側の駆動輪を回転可能にするために、まず、ブレーキベダルを踏み込んで(又はパーキングブレーキスイッチをON状態にして)2位置方向電磁切換弁10のSOL.aをOFF状態にし、ネガティブブレーキ5a,5bのブレーキシリンダ5c,5d内の作動油を作動油タンク11に逃がす。次いで、この状態で3ポジションスイッチ16を中立位置からSOL.bに切り換えることにより、2位置方向電磁切換弁19bのSOL.bに電流を流して該2位置方向電磁切換弁19bを切り換え、その後、ブレーキペダルを放して(又はパーキングブレーキスイッチをOFF状態にして)2位置方向電磁切換弁10のSOL.aをON状態にする。これにより、2位置方向電磁切換弁19aを介して右側の駆動輪の油圧モータ1bに内蔵されたネガティブブレーキ5bのブレーキシリンダ5dに作動油が供給されて右側の駆動輪の制動力が解除されると共に、2位置方向電磁切換弁19b及び減圧弁20bを介して左側の駆動輪の油圧モータ1aに内蔵されたネガティブブレーキ5aのブレーキシリンダ5cに減圧された作動油が供給されて空転する左側の駆動輪に半効き状態に調整された制動力が付与される。このようにして、路面から離れた左側の駆動輪の油圧モータ1aに負荷を与えることにより、右側の駆動輪の油圧モータ1bにも作動油が供給されて該油圧モータ1bの出力軸ひいては右側の駆動輪が回転駆動される。
【0026】
一方、左右の駆動輪の内で右側の駆動輪が路面から離れて油圧モータ1bの負荷が軽くなったことにより空転した場合、左側の駆動輪を回転可能にするために、まず、ブレーキベダルを踏み込んで(又はパーキングブレーキスイッチをON状態にして)2位置方向電磁切換弁10のSOL.aをOFF状態にし、ネガティブブレーキ5a,5bのブレーキシリンダ5c,5d内の作動油を作動油タンク11に逃がす。次いで、この状態で3ポジションスイッチ16を中立位置からSOL.cに切り換えることにより、2位置方向電磁切換弁19aのSOL.cに電流を流して該2位置方向電磁切換弁19aを切り換え、その後、ブレーキペダルを放して(又はパーキングブレーキスイッチをOFF状態にして)2位置方向電磁切換弁10のSOL.aをON状態にする。これにより、2位置方向電磁切換弁19bを介して左側の駆動輪の油圧モータ1aに内蔵されたネガティブブレーキ5aのブレーキシリンダ5cに作動油が供給されて左側の駆動輪の制動力が解除されると共に、2位置方向電磁切換弁19a及び減圧弁20aを介して右側の駆動輪の油圧モータ1bに内蔵されたネガティブブレーキ5bのブレーキシリンダ5dに減圧された作動油が供給されて空転する右側の駆動輪に半効き状態に調整された制動力が付与される。このようにして、路面から離れた右側の駆動輪の油圧モータ1bに負荷を与えることにより、左側の駆動輪の油圧モータ1aにも作動油が供給されて該油圧モータ1aの出力軸ひいては左側の駆動輪が回転駆動される。
【0027】
尚、ブレーキペダルの踏み込み操作(又はパーキングブレーキスイッチのON操作)に代えて、3ポジションスイッチ16と図示しないリレー及びタイマー等を組み合わせることにより、3ポジションスイッチ16のみで上記制動力の調整を行うことも可能である。
また、上記実施例では、油圧モータ1a,1bを後輪のみに設けた場合を例に採ったが、これに限定されず、図4及び図5に示すように、後輪に加えて前輪の左右の駆動輪に油圧モータ1cの出力軸及び油圧モータ1dの出力軸をそれぞれ直結した転圧機械に本発明を適用してもよい。この場合、油圧モータ1c,1dはそれぞれネガティブブレーキ5e,5fが内蔵されて、油圧モータ1a,1bと同様に単一の油圧ポンプ3に対して並列に接続されており、該油圧ポンプ3から各油圧モータ1c,1dに作動油を供給することにより、前輪側の左右の駆動輪が回転駆動される。
【0028】
さらに、上記実施例では、制動力調整手段及び選択手段によって後輪の左右の駆動輪に対する制動力を個別に調整する場合を例に採ったが、これに代えて、又はこれに加えて、前輪の左右の駆動輪に設けられた油圧モータ1c,1dのネガティブブレーキ5e,5fと2位置方向電磁切換弁10の間の油圧回路中に上述した3位置方向電磁切換弁15、チェック弁17及び絞り弁18を介在させるか、又は2位置方向電磁切換弁19a,19b及び減圧弁20a,20bを介在させて前輪の左右の駆動輪に対する制動力を個別に調整するようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、転圧機械が凹凸のある路面を走行する等して左右の駆動輪の内で一方の駆動輪が路面から離れても、従来のように路面から離れて空転する一方の駆動輪の油圧モータに全量の作動油が供給されることなく、他方の駆動輪の油圧モータにも作動油が供給されるので、該油圧モータの出力軸ひいては他方の駆動輪の回転が可能になって転圧機械の良好な走行を確保することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である転圧機械の駆動装置の油圧回路図である。
【図2】該駆動装置の電気結線図である。
【図3】本発明の他の実施例である転圧機械の駆動装置の油圧回路図である。
【図4】本発明の他の実施例である転圧機械の駆動装置の油圧回路図である。
【図5】本発明の他の実施例である転圧機械の駆動装置の油圧回路図である。
【図6】従来の転圧機械の駆動装置を説明するための油圧回路図である。
【符号の説明】
1a,1b…油圧モータ
3…油圧ポンプ
4…補助油圧ポンプ
5a…ネガティブブレーキ(第1の制動手段)
5b…ネガティブブレーキ(第2の制動手段)
15…3位置方向電磁切換弁(制動力調整手段)
16…3ポジションスイッチ(選択手段)
17…チェック弁(制動力調整手段)
18…絞り弁(制動力調整手段)
19a,19b…2位置方向電磁切換弁(制動力調整手段)
20a,20b…減圧弁(制動力調整手段)
Claims (1)
- 左右の駆動輪にそれぞれ油圧モータを個別に設け、各油圧モータを単一の油圧ポンプに対して並列に接続して該油圧ポンプから各油圧モータにそれぞれ作動油を供給することにより、前記左右の駆動輪を駆動するようにした転圧機械の駆動装置であって、
前記左側の駆動輪に設けられた油圧モータの出力軸に対して制動力を付与する第1の制動手段と、前記右側の駆動輪に設けられた油圧モータの出力軸に対して制動力を付与する第2の制動手段と、前記第1及び第2の制動手段によって付与される制動力を調整する制動力調整手段と、該制動力調整手段による前記第1の制動手段側の制動力の調整と前記第2の制動手段側の前記制動力の調整とを個別に選択する選択手段とを備え、
前記第1の制動手段を、前記左側の駆動輪に設けた前記油圧モータに内蔵し、前記油圧ポンプの補助油圧ポンプからの作動油の供給により該油圧モータの出力軸に対する制動力を解除するネガティブブレーキで構成すると共に、
前記第2の制動手段を、前記右側の駆動輪に設けた前記油圧モータに内蔵し、前記油圧補助ポンプからの作動油の供給により該油圧モータの出力軸に対する制動力を解除するネガティブブレーキで構成し、
前記制動力調整手段は、左右の駆動輪の一方が路面から離れて空転するときに、その一方側の前記ネガティブブレーキに残圧を残してその一方側の前記油圧モータの出力軸に付与される前記制動力を半効かせ状態としつつ、他方側の前記油圧モータにも作動油を供給して制動力を調整することを特徴とする転圧機械の駆動装置。
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