JP2003205618A - インクジェット式記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェット式記録ヘッドの製造方法

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JP2003205618A
JP2003205618A JP2002007498A JP2002007498A JP2003205618A JP 2003205618 A JP2003205618 A JP 2003205618A JP 2002007498 A JP2002007498 A JP 2002007498A JP 2002007498 A JP2002007498 A JP 2002007498A JP 2003205618 A JP2003205618 A JP 2003205618A
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Japan
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recording head
forming substrate
manufacturing
ink jet
jet recording
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JP2002007498A
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Yutaka Furuhata
豊 古畑
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接続配線を良好に形成でき且つ基板の割れを
防止することのできるインクジェット式記録ヘッドの製
造方法を提供する。 【解決手段】 ノズル開口に連通する圧力発生室12が
画成される流路形成基板10と、流路形成基板10の一
方面側に振動板を介して設けられる下電極60、圧電体
層70及び上電極80からなる圧電素子300と、圧電
素子300を駆動させる駆動IC110とを具備し、圧
電素子300から引き出される引き出し配線90の接続
部90aと駆動IC110の接続部110aとがボンデ
ィングワイヤからなる接続配線120によって電気的に
接続されたインクジェット式記録ヘッドの製造方法にお
いて、引き出し配線90及び駆動IC110の各接続部
90a,110aに熱光線を照射して局所的に加熱し、
加熱された各接続部90a,110aに接続配線120
を熱圧着することにより接続部90a,110aと接続
配線120とを電気的に接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出す
るノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構
成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素
子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を吐出するノズル開口と連通す
る圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧
電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧して
ノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式
記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦
振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、た
わみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの
2種類が実用化されている。
【0003】前者は圧電素子の端面を振動板に当接させ
ることにより圧力発生室の容積を変化させることができ
て、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反
面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛
歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた
圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必
要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
【0004】これに対して後者は、圧電材料のグリーン
シートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼
成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作
り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関
係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消す
べく、特開平5−286131号公報に見られるよう
に、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧
電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生
室毎に独立するように圧電素子を形成したものが提案さ
れている。
【0006】また、このような圧電素子は、一般的に、
駆動IC(半導体集積回路)等によって駆動され、この
駆動ICは、例えば、圧力発生室が形成された流路形成
基板の一方面側に接合される接合基板上に固定されてい
る。そして、この駆動ICと各圧電素子から引き出され
る引き出し配線とは、ワイヤボンディングによって形成
された接続配線によって電気的に接続されている。
【0007】また、このような接続配線は、一般的に、
以下のような手順で形成される。まず、圧電素子が形成
された流路形成基板の一方面に、駆動ICが搭載された
接合基板を接合すると共に、他方面にノズル開口が穿設
されたノズルプレートを接合する。次いで、このように
形成したヘッド全体を台座上に載置しこの台座を加熱し
てワイヤボンディングすることによって接続配線を形成
する。すなわち、ヘッド全体が加熱された状態で、ボン
ディングワイヤである接続配線の先端部を引き出し配線
又は駆動ICに熱圧着することにより、接続配線が駆動
IC及び引き出し配線に電気的に接続される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにヘッド全体を加熱して接続配線を形成すると、その
熱によって流路形成基板あるいは接合基板に反りが生じ
てこれらの基板に割れが発生するという問題がある。
【0009】具体的には、流路形成基板及び接合基板
は、例えば、シリコン単結晶基板等の比較的硬く割れが
生じやすい材料で形成されるのに対し、ノズル開口が穿
設されたノズルプレートは、例えば、ステンレス鋼等の
金属材料で形成されている。このため、ヘッド全体を加
熱すると、これら流路形成基板及び接合基板とノズルプ
レートとの熱膨張係数の違いによって変形が生じ、流路
形成基板及び接合基板に割れが生じてしまうという問題
がある。
【0010】また、このような基板の割れは、比較的低
温で接続配線を熱圧着することによって防止することが
できるが、引き出し配線及び駆動ICと接続配線との接
合強度が低くなってしまうという問題がある。
【0011】本発明はこのような事情に鑑み、接続配線
を良好に形成でき且つ基板の割れを防止することのでき
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法を提供するこ
とを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の第1の態様は、ノズル開口に連通する圧力発生室が
画成される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側
に振動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電
極からなる圧電素子と、該圧電素子を駆動させる駆動I
Cとを具備し、前記圧電素子から引き出される引き出し
配線の接続部と前記駆動ICの接続部とがボンディング
ワイヤからなる接続配線によって電気的に接続されたイ
ンクジェット式記録ヘッドの製造方法において、前記引
き出し配線及び前記駆動ICの各接続部に熱光線を照射
して局所的に加熱し、加熱された各接続部に前記接続配
線を熱圧着することにより前記接続部と当該接続配線と
を電気的に接続する接続工程を有することを特徴とする
インクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0013】かかる第1の態様では、接続部を局所的に
加熱して接続配線の圧着を行うため、流路形成基板など
の各基板に反りによる割れが発生することが無く、歩留
まりが向上する。また、接続部の温度が上昇する時間が
短縮されるため、製造効率が向上する。
【0014】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記接続工程を少なくとも前記流路形成基板よりも
放熱性の高い材料で形成された台座上で行うことを特徴
とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0015】かかる第2の態様では、流路形成基板等の
各基板の熱が、台座を介して放熱されるため、各基板の
反りの発生がより確実に防止される。
【0016】本発明の第3の態様は、第1又は2の態様
において、前記接続工程を少なくとも前記流路形成基板
よりも低い温度に冷却した台座上で行うことを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0017】かかる第3の態様では、流路形成基板等の
各基板の熱が、台座を介して放熱されるため、各基板の
反りの発生がより確実に防止される。
【0018】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記熱光線がレーザ光であることを特
徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法にあ
る。
【0019】かかる第4の態様では、接続部を比較的短
時間で加熱することができ、製造効率が向上する。
【0020】本発明の第5の態様は、第4の態様におい
て、前記レーザ光が半導体レーザであることを特徴とす
るインクジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0021】かかる第5の態様では、接続部を局所的に
比較的短時間で加熱することができるため、製造効率が
向上する。
【0022】本発明の第6の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記熱光線が所定の光源から照射され
た光を集光した光ビームであることを特徴とするインク
ジェット式記録ヘッドの製造方法にある。
【0023】かかる第6の態様では、比較的容易に、接
続部を局所的に加熱することができ、製造効率が向上す
ると共に、製造コストを低減できる。
【0024】本発明の第7の態様は、第6の態様におい
て、前記光ビームの光源が、キセノンランプであること
を特徴とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法に
ある。
【0025】かかる第7の態様では、所定の光ビームを
照射することにより、接続部の温度が局所的に確実に上
昇する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施形態に基づい
て詳細に説明する。
【0027】(実施形態1)図1は、本発明の実施形態
1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図
であり、図2は、図1の平面図及び断面図である。
【0028】図示するように、流路形成基板10は、本
実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板か
らなる。流路形成基板10としては、通常、150〜3
00μm程度の厚さのものが用いられ、望ましくは18
0〜280μm程度、より望ましくは220μm程度の
厚さのものが好適である。これは、隣接する圧力発生室
間の隔壁の剛性を保ちつつ、配列密度を高くできるから
である。
【0029】流路形成基板10の一方の面は開口面とな
り、他方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリ
コンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成され
ている。
【0030】一方、流路形成基板10の開口面には、シ
リコン単結晶基板を異方性エッチングすることにより、
複数の隔壁11により区画された圧力発生室12が幅方
向に並設され、その長手方向外側には、後述するリザー
バ形成基板のリザーバ部に連通孔51を介して連通され
て各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ1
00を構成する連通部13が形成され、各圧力発生室1
2の長手方向一端部とそれぞれインク供給路14を介し
て連通されている。
【0031】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板のエッチングレートの違いを利用して行われ
る。例えば、本実施形態では、シリコン単結晶基板をK
OH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々に侵食されて
(110)面に垂直な第1の(111)面と、この第1
の(111)面と約70度の角度をなし且つ上記(11
0)面と約35度の角度をなす第2の(111)面とが
出現し、(110)面のエッチングレートと比較して
(111)面のエッチングレートが約1/180である
という性質を利用して行われる。かかる異方性エッチン
グにより、二つの第1の(111)面と斜めの二つの第
2の(111)面とで形成される平行四辺形状の深さ加
工を基本として精密加工を行うことができ、圧力発生室
12を高密度に配列することができる。
【0032】本実施形態では、各圧力発生室12の長辺
を第1の(111)面で、短辺を第2の(111)面で
形成している。この圧力発生室12は、流路形成基板1
0をほぼ貫通して弾性膜50に達するまでエッチングす
ることにより形成されている。ここで、弾性膜50は、
シリコン単結晶基板をエッチングするアルカリ溶液に侵
される量がきわめて小さい。また各圧力発生室12の一
端に連通する各インク供給路14は、圧力発生室12よ
り浅く形成されており、圧力発生室12に流入するイン
クの流路抵抗を一定に保持している。すなわち、インク
供給路14は、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中ま
でエッチング(ハーフエッチング)することにより形成
されている。なお、ハーフエッチングは、エッチング時
間の調整により行われる。
【0033】また、流路形成基板10の開口面側には、
各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側で連通
するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が
接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。な
お、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.1〜1
mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜
4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、又
は不錆鋼などからなる。ノズルプレート20は、一方の
面で流路形成基板10の一面を全面的に覆い、シリコン
単結晶基板を衝撃や外力から保護する補強板の役目も果
たす。また、ノズルプレート20は、流路形成基板10
と熱膨張係数が略同一の材料で形成するようにしてもよ
い。この場合には、流路形成基板10とノズルプレート
20との熱による変形が略同一となるため、熱硬化性の
接着剤等を用いて容易に接合することができる。
【0034】ここで、インク滴吐出圧力をインクに与え
る圧力発生室12の大きさと、インク滴を吐出するノズ
ル開口21の大きさとは、吐出するインク滴の量、吐出
スピード、吐出周波数に応じて最適化される。例えば、
1インチ当たり360個のインク滴を記録する場合、ノ
ズル開口21は数十μmの直径で精度よく形成する必要
がある。
【0035】一方、流路形成基板10の開口面とは反対
側の弾性膜50の上には、厚さが例えば、約0.2μm
の下電極膜60と、厚さが例えば、約1μmの圧電体層
70と、厚さが例えば、約0.1μmの上電極膜80と
が、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子30
0を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極
膜60、圧電体層70、及び上電極膜80を含む部分を
いう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極
を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力
発生室12毎にパターニングして構成する。そして、こ
こではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体
層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電
歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態で
は、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上
電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、
駆動ICや配線の都合でこれを逆にしても支障はない。
何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部
が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素
子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じ
る振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
【0036】また、圧電素子300の上電極膜80の長
手方向一端部近傍から圧力発生室12の外側まで、例え
ば、金(Au)等からなるリード電極90が引き出され
ており、後述する駆動IC110と接続配線120を介
して電気的に接続されている。
【0037】流路形成基板10の圧電素子300側に
は、リザーバ100の少なくとも一部を構成するリザー
バ部31を有するリザーバ形成基板30が接合されてい
る。このリザーバ部31は、本実施形態では、リザーバ
形成基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の幅
方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基
板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共
通のインク室となるリザーバ100を構成している。
【0038】また、リザーバ形成基板30の圧電素子3
00に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害
しない程度の空間を確保した状態で、その空間を密封可
能な圧電素子保持部32が設けられ、圧電素子300は
この圧電素子保持部32内に密封されている。
【0039】このようなリザーバ形成基板30として
は、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例え
ば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好まし
く、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシ
リコン単結晶基板を用いて形成した。これにより、上述
のノズルプレート20の場合と同様に、熱硬化性の接着
剤を用いた高温での接着であっても両者を確実に接着す
ることができる。したがって、製造工程を簡略化するこ
とができる。
【0040】また、このリザーバ形成基板30上には、
圧電素子300を駆動するための駆動IC(半導体集積
回路)110が実装されている。そして、圧電素子保持
部32内に密封された圧電素子300の上電極膜80か
ら圧電素子保持部32の外側までリード電極90が延設
され、このリード電極90の接続部90aと駆動IC1
10の接続部110aとがボンディングワイヤからなる
接続配線120によって電気的に接続されている。な
お、本実施形態では、リード電極90の先端部近傍が接
続部90aであり、駆動IC110の例えば、Au
(金)等からなるパッド111が設けられた部分が接続
部110aである。
【0041】また、リザーバ形成基板30のリザーバ部
31に対応する領域には、封止膜41及び固定板42か
らなるコンプライアンス基板40が接合されている。封
止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、
厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)
フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ
部31の一方面が封止されている。一方、固定板42
は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのス
テンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板4
2のリザーバ100に対向する領域は、厚さ方向に完全
に除去された開口部43となっているため、リザーバ1
00の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止さ
れ、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部33とな
っている。
【0042】このように構成したインクジェット式記録
ヘッドは、図示しない外部インク供給手段からインクを
取り込み、リザーバ100からノズル開口21に至るま
で内部をインクで満たした後、駆動IC110からの記
録信号に従い、上電極膜80と下電極膜60との間に電
圧を印加し、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体層7
0をたわみ変形させることにより、圧力発生室12内の
圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
【0043】以下、このようなインクジェット式記録ヘ
ッドの製造方法について、図3〜図5を参照して説明す
る。なお、図3〜図5は、圧力発生室12の長手方向の
断面図である。
【0044】まず、図3(a)に示すように、流路形成
基板10の一方面側に弾性膜50を形成する。具体的に
は、流路形成基板10となる単結晶シリコン基板のウェ
ハを約1100℃の拡散炉で熱酸化して二酸化シリコン
からなる弾性膜50を形成する。
【0045】次に、図3(b)に示すように、例えば、
白金等からなる下電極膜60を弾性膜50の全面に形成
後、所定形状にパターニングする。
【0046】次に、図3(c)に示すように、例えば、
チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等からなる圧電体層7
0と、例えば、アルミニウム、金、ニッケル、白金等の
多くの金属、あるいは導電性酸化物等からなる上電極膜
80とを順次積層し、これらを同時にパターニングして
圧電素子300を形成する。
【0047】次いで、図3(d)に示すように、例え
ば、金(Au)等からなるリード電極90を流路形成基
板10の全面に亘って形成すると共に、圧電素子300
毎に独立するように所定形状にパターニングする。
【0048】以上が膜形成プロセスである。このように
して膜形成を行った後、前述したアルカリ溶液によるシ
リコン単結晶基板の異方性エッチングを行い、図4
(a)に示すように、圧力発生室12、連通部13及び
インク供給路14を形成する。また、同時に、連通部1
3に対向する領域の弾性膜50及び下電極膜60を除去
して貫通部51を形成する。
【0049】次に、図4(b)に示すように、流路形成
基板10の圧電素子300側の面に、リザーバ形成基板
30を接着剤等によって接合する。
【0050】次いで、図4(c)に示すように、流路形
成基板10の圧電素子300とは反対側の面にノズル開
口21が穿設されたノズルプレートを接着剤等によって
接合する。また、リザーバ形成基板30上に封止膜41
と固定板42とからなるコンプライアンス基板40を接
合してリザーバ部31を封止すると共に、このリザーバ
形成基板30上に駆動IC110を実装する。
【0051】その後、ワイヤボンディングすることによ
り、各圧電素子300から引き出されたリード電極90
と駆動IC110とを電気的に接続する。すなわち、リ
ード電極90及び駆動IC110の接続配線120が接
続される部分である接続部90a及び110aをそれぞ
れ局所的に加熱し、加熱された各接続部90a及び11
0aにボンディングワイヤからなる接続配線120をそ
れぞれ熱圧着することにより、この接続配線120を介
してリード電極90と駆動IC110とを電気的に接続
する。
【0052】例えば、本実施形態では、図5(a)に示
すように、ヘッドを固定した台座200の上方に設けら
れる熱光線発生機210から熱光線211を照射するこ
とによって駆動IC110の接続部110a、本実施形
態ではパッド111を局所的に加熱して所定温度まで上
昇させる。そして、接続配線120が引き出されるキャ
ピラリ220を移動して、接続配線120を加熱された
接続部110aに熱圧着する。
【0053】ここで、接続部90a及び110aを加熱
する熱光線211としては、例えば、半導体レーザ、ア
ルゴンレーザ又はYAGレーザ等のレーザ光であること
が好ましく、本実施形態では、半導体レーザを用いてい
る。なお、熱光線211は、所定の光源から照射された
光を集光した光ビームであってもよく、この場合の光源
としては、例えば、キセノンランプ又はハロゲンランプ
等であることが好ましい。
【0054】次いで、図5(b)に示すように、熱光線
発生機210を移動して熱光線211を照射することに
よりリード電極90の接続部90aを局所的に加熱して
所定温度まで上昇させ、キャピラリ220を移動させて
接続配線120を引き延ばし、接続配線120を加熱さ
れた接続部90aに熱圧着する。
【0055】このように、本実施形態では、各圧電素子
300から引き出されるリード電極90と駆動IC11
0とを電気的に接続する接続配線120を形成する際
に、ヘッド全体を加熱することなく、リード電極90及
び駆動IC110の接続部90a及び110aを局所的
に加熱するようにしたので、流路形成基板10及びリザ
ーバ形成基板30等の温度上昇が抑えられ、熱変形に伴
う割れの発生を防止することができる。したがって、各
リード電極90と駆動IC110とを接続配線120に
よって電気的に良好に接続することができる。
【0056】また、接続部90a,110aを局所的に
加熱するようにしたので、所望の温度に達するまでの時
間を短縮することができ、製造効率を向上することがで
きる。
【0057】さらに、接続部90a,110aを局所的
に加熱することにより、流路形成基板10及びリザーバ
形成基板30を加熱することなく、接続部90a,11
0aを比較的高い温度に上昇させることができるため、
各接続部90a,110aと接続配線120との接合強
度が著しく向上する。
【0058】また、ヘッドを固定する台座200は、少
なくとも流路形成基板10よりも放熱性の高い材料、す
なわち、熱伝導率の高い材料で形成されていることが好
ましい。これにより、接続部90a,110aを加熱し
た際に、流路形成基板10及びリザーバ形成基板30等
に伝わった熱がノズルプレート20及びこの台座200
を介して効果的に放熱されるため、流路形成基板10及
びリザーバ形成基板30の温度上昇を防止することがで
きる。
【0059】さらに、接続部90a,110aを加熱す
る際に、台座200を冷却するようにしてもよい。台座
200を少なくとも流路形成基板10及びリザーバ形成
基板30よりも低い温度に冷却しておけば、流路形成基
板10及びリザーバ形成基板30の熱がより効果的に放
熱され、流路形成基板10及びリザーバ形成基板30の
温度上昇を防止することができる。
【0060】(他の実施形態)以上、本発明の各実施形
態を説明したが、インクジェット式記録ヘッドの基本的
構成は上述したものに限定されるものではない。
【0061】例えば、上述の実施形態では、リザーバ形
成基板30上に駆動IC110を実装するようにした
が、駆動ICを実装する位置は特に限定されず、例え
ば、流路形成基板10上に実装するようにしてもよい。
【0062】また、例えば、上述の実施形態では、リー
ド電極90と駆動IC110とを接続する接続配線12
0を一例として本発明を説明したが、本発明の製造方法
は、ボンディングワイヤからなる配線であれば、何れの
部分を電気的に接続する配線にも適用することができ
る。
【0063】また、例えば、上述の実施形態では、成膜
及びリソグラフィプロセスを応用して製造される薄膜型
のインクジェット式記録ヘッドを例にしたが、勿論これ
に限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを
貼付する等の方法により形成される厚膜型のインクジェ
ット式記録ヘッドにも本発明を採用することができる。
【0064】また、これら各実施形態のインクジェット
式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するイン
ク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成し
て、インクジェット式記録装置に搭載される。図6は、
そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図であ
る。
【0065】図6に示すように、インクジェット式記録
ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、イ
ンク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着
脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1
Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けら
れたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられてい
る。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、
それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物
を吐出するものとしている。
【0066】そして、駆動モータ6の駆動力が図示しな
い複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリ
ッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及
び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿っ
て移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に
沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ロ
ーラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シ
ートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、熱光線
を照射することによって、引き出し配線及び駆動ICの
接続部を局所的に加熱し、加熱した接続部に接続配線を
熱圧着するようにしたので、流路形成基板の温度上昇が
抑えられ、この温度上昇に伴う割れの発生を防止するこ
とができる。
【0068】また、接続部を比較的短時間で所定温度ま
で上昇させることができ、製造効率を著しく向上させる
ことができる。
【0069】さらに、接続部を局所的に比較的高温に上
昇させることができるため、接続配線の接合強度が著し
く向上し、接続不良等の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの分解斜視図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの平面図及び断面図である。
【図3】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るインクジェット式記
録ヘッドの製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るインクジェット式記
録装置の概略図である。
【符号の説明】
10 流路形成基板 12 圧力発生室 20 ノズルプレート 21 ノズル開口 30 リザーバ形成基板 40 コンプライアンス基板 50 弾性膜 60 下電極膜 70 圧電体層 80 上電極膜 90 リード電極 90a 接続部 100 リザーバ 110 駆動IC 110a 接続部 120 接続配線 200 台座 210 熱光線発生機 211 熱光線 220 キャピラリ 300 圧電素子

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通する圧力発生室が画成
    される流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に振
    動板を介して設けられる下電極、圧電体層及び上電極か
    らなる圧電素子と、該圧電素子を駆動させる駆動ICと
    を具備し、前記圧電素子から引き出される引き出し配線
    の接続部と前記駆動ICの接続部とがボンディングワイ
    ヤからなる接続配線によって電気的に接続されたインク
    ジェット式記録ヘッドの製造方法において、 前記引き出し配線及び前記駆動ICの各接続部に熱光線
    を照射して局所的に加熱し、加熱された各接続部に前記
    接続配線を熱圧着することにより前記接続部と当該接続
    配線とを電気的に接続する接続工程を有することを特徴
    とするインクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記接続工程を少な
    くとも前記流路形成基板よりも放熱性の高い材料で形成
    された台座上で行うことを特徴とするインクジェット式
    記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、前記接続工程
    を少なくとも前記流路形成基板よりも低い温度に冷却し
    た台座上で行うことを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記熱
    光線がレーザ光であることを特徴とするインクジェット
    式記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記レーザ光が半導
    体レーザであることを特徴とするインクジェット式記録
    ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記熱
    光線が所定の光源から照射された光を集光した光ビーム
    であることを特徴とするインクジェット式記録ヘッドの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記光ビームの光源
    が、キセノンランプであることを特徴とするインクジェ
    ット式記録ヘッドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007069445A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP2010041061A (ja) * 2004-03-05 2010-02-18 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド
JP2012183747A (ja) * 2011-03-07 2012-09-27 Ricoh Co Ltd 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置

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