JP2003205303A - 金属箔帯の重ね圧延方法 - Google Patents

金属箔帯の重ね圧延方法

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JP2003205303A
JP2003205303A JP2001355910A JP2001355910A JP2003205303A JP 2003205303 A JP2003205303 A JP 2003205303A JP 2001355910 A JP2001355910 A JP 2001355910A JP 2001355910 A JP2001355910 A JP 2001355910A JP 2003205303 A JP2003205303 A JP 2003205303A
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純一 舘野
Toshiki Hiruta
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 ステンレス鋼箔帯等をはじめとする金属箔
帯を2枚以上重ねて圧延する重ね圧延方法に関し、 焼き
付き発生や、さらには穴あき等の欠陥発生を防止できる
重ね圧延方法を提供する。 【解決手段】 2枚以上の金属箔帯を重ねて圧延機に装
入して圧延を行なう金属箔帯の重ね圧延方法において、
超硬合金またはセラミックを主材質とする圧延ロールを
用いて、潤滑剤の供給量を金属箔帯の単位面積あたり10
cm3 /m2 以下で圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼箔帯
等の金属箔帯の重ね圧延方法に関し、 特に良好な表面品
質を有する金属箔帯の製造に好適な重ね圧延方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属箔帯の圧延を行なうにあた
っては、通常、前工程でコイル状に巻かれた金属箔帯を
圧延機の入側で巻き戻して、さらに金属箔帯に張力を付
与しながら、上下の圧延ロールを回転させつつ金属箔帯
を厚さ方向に圧下し、その後、圧延機の出側で金属箔帯
を再度コイルに巻き取る。これを所定の厚さになるまで
繰り返した後、 次工程に送給する。
【0003】ところで極薄の金属箔帯を圧延する場合
は、 2枚以上の金属箔帯を重ねて圧延(以下、重ね圧延
という)する方法を用いる場合がある。図1は、重ね圧
延を行なうにあたって、従来から知られている装置の例
を模式的に示す配置図である。図1中の矢印は、金属箔
帯の進行方向を示す。前工程で金属箔帯3a,3bはコイル
状に巻き取られている。このコイルを圧延機の入側に配
設される入側リール1a,1bに装填する。次いで金属箔帯
3a,3bを、それぞれ入側リール1a,1bから巻き戻し、さ
らにデフレクターロール5で重ねて、張力を付与しなが
ら圧延ロール4で圧下しつつ、その圧延ロール4を回転
する。このとき、圧延中の金属箔帯3a,3bと圧延ロール
4との間には、圧延機の入側に配設された潤滑剤供給ノ
ズル6から潤滑剤が供給される。その後、 金属箔帯3a,
3bは、互いに剥離されて、圧延機の出側に配設される出
側リール2a,2bに巻き取られる。
【0004】金属箔帯3a,3bの重ね圧延に限らず金属帯
の圧延では、圧延機の入側から十分に潤滑剤を供給し、
圧延ロールと金属帯との間の潤滑が行なわれている。こ
れは圧延ロールと金属帯との間の摩擦が増大して過大な
圧延荷重やトルクが発生するのを防止するとともに、圧
延ロールと金属帯との間に焼き付きが発生するのを防止
する等の理由によるものである。
【0005】ここで話は変わるが、金属箔帯3a,3bの重
ね圧延では、金属箔帯3a,3b同士が接する面において、
しばしば表面の粗さが不均一になったり、 局所的に金属
箔帯3a,3b間の厚さが不均一になったりして、穴あき
(いわゆるピンホール)等の欠陥が発生する。 このよう
な欠陥は、重ね圧延前の金属箔帯3a,3bに微小疵があっ
たことが原因となる場合もあるが、重ね合わせた面内に
前述のような潤滑剤が入り込み、圧延時に圧延ロール4
の圧下によりロールバイト内で潤滑剤が金属箔帯3a,3b
側に封入されてオイルピットと呼ばれる陥没状の欠陥に
なることが原因となったり、潤滑剤が持ち込んでくる金
属粉や破片等の異物が圧延時に圧延ロール4の圧下によ
り金属箔帯3a,3b側に封入されて欠陥になることが原因
である場合が多い。
【0006】このような金属箔帯3a,3b同士が接する面
において発生する欠陥は、 製品の表面品質上の大きな問
題であるとともに、重ね圧延時の張力により穴あき部を
起点として穴が拡大し、ついには金属箔帯3a,3bの破断
を引き起こして、製造設備がその度に長時間停止するの
で生産性の上でも大きな問題となっている。特開平2-14
7106号公報には、重ね圧延前の圧延パスにおいて付着し
た金属粉を原因として金属箔帯の表面に微小疵が生じる
ために、重ね圧延時に穴あきが発生することに着目し、
重ね圧延前の圧延パスを行なう以前に、 金属箔帯をアル
カリ溶液で洗浄して、金属箔帯に付着した金属粉を除去
する方法を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特開平2-
147106号公報に開示された技術では、重ね圧延前の金属
箔帯の微小疵を減少させることは可能であっても、 重ね
圧延時に金属箔帯を重ね合わせた面内に潤滑剤が入り込
み、オイルピットと呼ばれる欠陥ができることや、金属
粉や破片等の異物を潤滑剤が持ち込んできて、金属箔帯
に欠陥ができることに対しては、全く効果がないという
問題がある。
【0008】また、潤滑剤の供給量を少なくすると、前
述したように圧延ロールと金属箔帯との間の摩擦が増大
して過大な圧延荷重やトルクが発生するが、これに対
し、設備仕様を大きくすることで対応したとしても、圧
延ロールと金属箔帯との間に焼き付きが発生するという
大きな問題はそのまま残る。そこで本発明の目的は、か
かる従来技術の問題点を解消することにあり、ステンレ
ス鋼箔帯等をはじめとする金属箔帯を2枚以上重ねて圧
延する重ね圧延方法に関し、 焼き付き発生や、さらには
穴あき(いわゆるピンホール)等の欠陥発生を防止でき
る重ね圧延方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、2枚以上の金
属箔帯を重ねて圧延機に装入して圧延を行なう金属箔帯
の重ね圧延方法において、超硬合金を主材質とする圧延
ロールを用いて、潤滑剤の供給量を金属箔帯の単位面積
あたり10cm3 /m2 以下で圧延する金属箔帯の重ね圧延
方法である。
【0010】また本発明は、2枚以上の金属箔帯を重ね
て圧延機に装入して圧延を行なう金属箔帯の重ね圧延方
法において、セラミックを主材質とする圧延ロールを用
いて、潤滑剤の供給量を金属箔帯の単位面積あたり10cm
3 /m2 以下で圧延する金属箔帯の重ね圧延方法であ
る。前記した発明においては、好適態様として、金属箔
帯が、ステンレス鋼箔帯であることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、 本発明の実施の形態につい
て図1を参照して説明する。前工程で金属箔帯3a,3bは
コイル状に巻き取られている。このコイルを圧延機の入
側に配設される入側リール1a,1bに装填する。次いで金
属箔帯3a,3bを、それぞれ入側リール1a,1bから巻き戻
し、さらにデフレクターロール5で重ねて、張力を付与
しながら圧延ロール4で圧下しつつ、その圧延ロール4
を回転する。その後、金属箔帯3a,3bは、互いに剥離さ
れて圧延機出側に配設される出側リール2a,2bに巻き取
られる。
【0012】ここで本発明では、圧延機の入側に配設さ
れた潤滑剤供給ノズル6から供給する潤滑剤の量を金属
箔帯3a,3bの単位面積(=1m2 )あたり10cm3 /m2
以下とする。潤滑剤の供給量の調整は、 金属箔帯3a,3b
の幅および圧延速度に応じて、噴霧圧力の調整等によっ
て行なうことができる。また、重ね圧延に用いる潤滑剤
としては、液体潤滑剤 (いわゆる潤滑油)が好ましい。
その液体潤滑剤の種類としては、鉱物油,動植物油,合
成潤滑油,水性系潤滑剤等が使用できる。
【0013】なお図1では、金属箔帯3a,3bを2枚重ね
て重ね圧延を行なう例を示したが、3枚以上の金属箔帯
を重ねて圧延を行なう場合には、入側リールおよび出側
リールの数を増加すれば良い。 また金属箔帯3a,3bを圧
延機出側で剥離せずに重ねたまま1個のリールに巻き取
ることもある。本発明では、圧延ロール4として、超硬
合金あるいはセラミックを主材質とするロールを使用す
ることとした。その理由を以下に述べる。
【0014】前述したような重ね圧延時に金属箔帯3a,
3b同士を重ね合わせた面内に潤滑剤が入り込み、圧延時
に圧延ロール4の圧下によりロールバイト内で金属箔帯
3a,3b表層側に封入されてオイルピットと呼ばれる陥没
状の欠陥となったり、潤滑剤が持ち込んでくる金属粉や
破片等の異物が圧延時に圧延ロール4の圧下により金属
箔帯3a,3b側に封入されたりするのが原因で、金属箔帯
3a,3b同士が接する面に穴あき等の欠陥が発生するのを
防止するには、潤滑剤の供給量を少なくすれば良い。
【0015】しかしながら、工具鋼や軸受鋼等を主材質
とする通常の鋼系圧延ロールを用いて重ね圧延した場
合、潤滑剤の供給量が少ないと、圧延ロール4と金属箔
帯3a,3bとの間で凝着が発生し、 焼き付きが発生してし
まう。特にステンレス鋼箔帯のように変形抵抗の大きい
金属箔帯3a,3bの場合には圧延荷重が大きくなるため、
圧延ロール4と金属箔帯3a,3bとの接触圧力が大きくな
り、焼き付きが一層発生しやすくなる。このため、鋼系
圧延ロールを用いて重ね圧延を行なう場合は、十分な量
の潤滑剤の供給が必須であった。
【0016】発明者らは、金属箔帯3a,3bの重ね圧延に
おける潤滑剤の供給量と重ね合わせた面内に入り込む潤
滑剤に起因して発生する表面欠陥の程度との関係につい
て鋭意検討した結果、 両者の関係が図2のようになるこ
とを見出した。すなわち上下の潤滑剤ノズル6からの供
給量が金属箔帯3a,3bの単位面積(=1m2 )あたり10
cm3 /m2 以下であれば、重ね合わせた面内への潤滑剤
の入り込みを防止でき、表面欠陥の発生を防止できるこ
とが分かった。
【0017】なお、重ね合わせた面内に入り込む潤滑剤
の量の測定は、次のようにして行なった。まず1枚の金
属箔帯で重ねずに圧延する場合において、それぞれ潤滑
剤の供給量を変えて圧延したときの金属箔帯を単位面積
切り出して重量を測定し、 予め測定するか、寸法上計算
で求まる金属箔帯だけの重量を差し引いて、金属箔帯の
外側面に付着する潤滑剤の量を算出しておいた上で、以
下に述べるようにした。金属箔帯を重ね圧延する場合、
同様にそれぞれ潤滑剤の供給量を変えて圧延したときの
金属箔帯を単位面積切り出して重量を測定し、前述の通
り求めた金属箔帯だけの重量および前記で算出した金属
箔帯の外側面に付着した潤滑剤の量を差し引くことによ
って、重ね合わせた面内に入り込む潤滑剤の量を算出し
たのである。
【0018】なお金属箔帯3a,3bの幅や圧延速度が変化
した場合でも、金属箔帯3a,3bの単位面積(=1m2
あたりの潤滑剤の供給量で整理した図2の関係は維持さ
れることが分かった。ここで、ちなみに単位面積あたり
の潤滑剤の供給量は、潤滑剤供給源の吐出圧力と、ノズ
ルの口径、ノズルの設置個数から計算上求まる単位時間
あたりの圧延ロール4全幅(胴長)への潤滑剤供給量
を、圧延速度で割り算し、さらに金属箔帯3a,3bの幅の
圧延ロール4全幅に対する比を掛け算することで求ま
る。
【0019】また圧延ロール4について、各種材質のロ
ールを用いて重ね圧延のテストを行なった結果、 超硬合
金あるいはセラミックを主材質とする圧延ロール4を用
いると、圧延ロール4と金属箔帯3a,3bとの間に凝着が
発生しにくいので、潤滑剤の供給量をさらに少なくし、
金属箔帯3a,3bの単位面積(=1m2 )あたり10cm3
2 以下、ひいては究極的にゼロにしても、金属箔帯3
a,3bの焼き付きを発生させずに重ね圧延することが可
能であることを確認した。
【0020】本発明は、これらの知見に基づいてなされ
たもので、第1発明では超硬合金を主材質とする圧延ロ
ール4を用い、第2発明ではセラミックを主材質とする
圧延ロール4を用いて、潤滑剤の供給量を金属箔帯3a,
3bの単位面積(=1m2 )あたり10cm3 /m2 以下で重
ね圧延を行なうこととした。超硬合金を主材質とする圧
延ロール4は、たとえば溶射等の方法により製造したロ
ール胴部表面のみが超硬合金のものでも良いし、 あるい
はロール全体の材質が超硬合金のものでも良い。 超硬合
金は、WC,TaC,TiC等の炭化物にコバルト,ニッケ
ル,クロム,チタン等の金属粉末のうちから選ばれる1
種または2種以上を添加した超硬材料粉末を焼結したも
のが好ましい。 特にタングステンカーバイド(WC)
に、コバルト,ニッケル,クロム,チタンのうちの1種
または2種以上の超硬材料粉末を、最大で50質量%混合
して、焼結したものが一層好ましい。 タングステンカー
バイド(WC)が最も汎用的に使用されており、容易に
入手できるからである。
【0021】セラミックを主材質とする圧延ロール4
は、たとえばコーティング等の方法により製造したロー
ル胴部表面のみがセラミックのものでも良いし、 あるい
はロール全体の材質がセラミックのものでも良い。 セラ
ミックは、一般に構造用セラミックとして使用されてい
るジルコニア,炭化ケイ素,窒化ケイ素,サイアロン等
を焼結したものが好ましい。 特にサイアロンが強度,靭
性,熱衝撃抵抗が高いので、一層好ましい。
【0022】金属箔帯3a,3bの材質としては、ステンレ
ス鋼箔帯,一般鋼箔帯,銅箔帯,アルミニウム箔帯等に
本発明を適用できる。特にステンレス鋼箔帯は変形抵抗
が大きいので、圧延荷重が大きく、 圧延ロール4と金属
箔帯3a,3bとの焼き付きが発生しやすい。したがって超
硬合金あるいはセラミックを主材質とする圧延ロール4
を用いて、潤滑剤の供給量を金属箔帯3a,3bの単位面積
(=1m2 )あたり10cm3 /m2以下で重ね圧延を行な
うことによって、重ね圧延時に重ね合わせた面内に潤滑
剤が入り込み、金属箔帯3a,3b同士が接する面において
穴あき等の欠陥が発生するのを防止する効果は、ステン
レス鋼箔帯の重ね圧延を行なう際に顕著に発揮される。
そこで本発明の第3発明では、第1発明および第2発明
をステンレス鋼箔帯の重ね圧延に適用するものとした。
【0023】
【実施例】図1に示すような4段圧延機を用いて金属箔
帯3a,3bの重ね圧延を行なう際に、本発明を適用した実
施例について説明する。圧延ロール4は、直径60mm,胴
長350mm であり、超硬合金のタングステンカーバイド合
金(Coを11質量%添加)ロールあるいはセラミックのサ
イアロンロールを使用した。金属箔帯3a,3bとして、ス
テンレス鋼(JIS規格 SUS430, SUS304 )箔帯あるい
は低炭素鋼箔帯を使用し、 圧延ロール4入側における金
属箔帯3a,3bの寸法はいずれも幅300mm ,厚さ0.03mmと
した。これらの金属箔帯3a,3bを各々 2枚ずつ重ねてデ
フレクターロール5で密着させて、圧延ロール4を用い
て1パスで所定の厚さ(すなわち0.02mm)に圧下した。
圧延速度は 100m/分とした。
【0024】潤滑剤として、鉱油をベースとした粘度10
mm2 /s( at 10℃)の潤滑油を使用し、図1に示すよ
うに、 圧延機の入側に配設された潤滑剤供給ノズル6か
ら噴霧した。潤滑剤の供給量は、金属箔帯3a,3bの単位
面積(=1m2 )あたり5cm 3 /m2 ,10cm3 /m2
よび0cm3 /m2 (すなわち潤滑剤を使用せず)の3段
階とした。重ね圧延を行なう際の圧延荷重や圧延張力
は、所定の厚さ(すなわち0.02mm)が得られるように、
金属箔帯3a,3bの材質および圧延ロール4の材質に応じ
て調整した。 これらの重ね圧延の設定条件の組合せを表
1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】発明例1〜6は、3種類の金属箔帯3a,3b
をタングステンカーバイド合金ロール (以下、 WCロー
ルという)あるいはサイアロンロールを用いて、潤滑剤
の供給量を0cm3 /m2 として、いわゆるドライ状態で
重ね圧延を行なった例である。 発明例7〜12は、3種類の金属箔帯3a,3bをWCロー
ルあるいはサイアロンロールを用いて、潤滑剤の供給量
を5cm3 /m2 として、重ね圧延を行なった例である。
【0027】発明例13〜18は、3種類の金属箔帯3a,3b
をWCロールあるいはサイアロンロールを用いて、潤滑
剤の供給量を10cm3 /m2 として、重ね圧延を行なった
例である。 一方、比較例1〜3は、圧延ロール4に冷間ダイス鋼を
主材質とする鋼系ロールを用いて、3種類の金属箔帯3
a,3bの重ね圧延を行なった例である。潤滑剤の供給量
は種々変化させた。
【0028】また比較例4〜9は、金属箔帯3a,3bとし
て2種類のステンレス鋼箔帯をWCロール,サイアロン
ロールあるいは冷間ダイス鋼ロールを用いて重ね圧延を
行なった例である。 潤滑剤の供給量は15cm3 /m2 とし
た。その他の条件は発明例と同じである。 発明例1〜12と比較例1〜9について、圧延ロール4出
側で金属箔帯3a,3bの焼き付き性および重ね合わせた面
の表面欠陥を調査した。その結果は、表1に示す通りで
ある。
【0029】なお表1では、焼き付き性の評価は、圧延
ロール4と接する方の金属箔帯3a,3b表面について、焼
き付き痕の占める面積率で評価し、 焼き付き痕のない場
合を良好(すなわち○),焼き付き痕の面積率が10%未
満の場合を不良(すなわち×),焼き付き痕の面積率が
10%以上の場合を極めて不良(すなわち××)として示
す。
【0030】重ね合わせた面の表面欠陥の評価は、表面
粗さが不均一になったり、局所的に厚さが変化したり、
さらには穴あき(いわゆるピンホール)等の表面欠陥
が、金属箔帯3a,3b表面積の単位面積(=1m2 )あた
り1ケ所未満の場合を良好(すなわち○),1ケ所以上
の場合を不良(すなわち×)として示す。発明例1〜12
では、焼き付き性および重ね合わせた面の表面欠陥の評
価は、 いずれも良好であった。
【0031】一方、 比較例1〜3では、焼き付きが発生
し、特にステンレス鋼(JIS規格SUS430, SUS304 )
箔帯の場合に焼き付き性が極めて不良となった。その理
由は、ステンレス鋼の変形抵抗が大きいので、圧延ロー
ル4と金属箔帯3a,3bの接触圧力が増大したためと推定
される。また比較例4〜9では、いずれも焼き付き性が
良好であるものの、重ね合わせた面の表面欠陥が発生し
た。
【0032】このように、本発明では、ステンレス鋼箔
帯等の金属箔帯3a,3bを2枚以上重ねて圧延機に装入し
て重ね圧延を行なう際に、焼き付き発生や、さらには穴
あき(いわゆるピンホール)等の欠陥発生を防止でき、
良好な表面品質が得られることが確かめられた。
【0033】
【発明の効果】本発明では、金属箔帯を2枚以上重ねて
重ね圧延を行なう際に、焼き付き発生や、さらには穴あ
き(いわゆるピンホール)等の欠陥発生を防止でき、良
好な表面品質を有する金属箔帯を製造することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】重ね圧延の装置の例を模式的に示す配置図であ
る。
【図2】金属箔帯の重ね圧延における潤滑剤の供給量と
重ね合わせた面内に入り込む潤滑剤の量との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1a 入側リール(下側) 1b 入側リール(上側) 2a 出側リール(下側) 2b 出側リール(上側) 3a 金属箔帯(下側) 3b 金属箔帯(上側) 4 圧延ロール 5 デフレクターロール 6 潤滑剤供給ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B21B 27/10 B21B 27/10 C Fターム(参考) 4E002 AA07 AD13 BC08 CB03 4E016 AA03 BA02 CA09 DA02 EA06 EA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚以上の金属箔帯を重ねて圧延機に装
    入して圧延を行なう金属箔帯の重ね圧延方法において、
    超硬合金を主材質とする圧延ロールを用いて、潤滑剤の
    供給量を前記金属箔帯の単位面積あたり10cm3 /m2
    下で圧延することを特徴とする金属箔帯の重ね圧延方
    法。
  2. 【請求項2】 2枚以上の金属箔帯を重ねて圧延機に装
    入して圧延を行なう金属箔帯の重ね圧延方法において、
    セラミックを主材質とする圧延ロールを用いて、潤滑剤
    の供給量を前記金属箔帯の単位面積あたり10cm3 /m2
    以下で圧延することを特徴とする金属箔帯の重ね圧延方
    法。
  3. 【請求項3】 前記金属箔帯が、ステンレス鋼箔帯であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の金属箔帯
    の重ね圧延方法。
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