JP2003204949A - 電場勾配によるnmrイメージング装置およびその方法 - Google Patents

電場勾配によるnmrイメージング装置およびその方法

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JP2003204949A JP2002003962A JP2002003962A JP2003204949A JP 2003204949 A JP2003204949 A JP 2003204949A JP 2002003962 A JP2002003962 A JP 2002003962A JP 2002003962 A JP2002003962 A JP 2002003962A JP 2003204949 A JP2003204949 A JP 2003204949A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間分解能に優れ、かつ、厳密な電場勾配の
調整が可能となる電場勾配イメージング装置およびその
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 NMRイメージングを行う際に、イメー
ジング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用
を電場によって制御する。より具体的には、電場勾配
は、イメージング対象の電子殻にひずみを生じさせるこ
とにより局所磁場を変化させ、その結果核スピンの位置
による共鳴周波数に相違を生じさせる。これにより、核
スピンの歳差運動に位置情報がエンコードされ、NMR
イメージングを行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電場勾配による
NMRイメージング装置およびその方法に関するもので
あり、特に、イメージング(物質の空間的構造の計測)
の分解能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のNMRイメージングでは、スピン
に位置情報をエンコードするための磁場勾配(Fiel
d Gradient)を加えるために、傾斜磁場コイ
ルを用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁場勾配によるNMRイメージングでは、ミリメーター
単位程度の空間分解能しか有しておらず、例えばオング
ストローム単位での空間分解能が必要となる材料分野等
での使用は困難であった。従来のそのような空間分解能
の限界は、主として磁場勾配の均一度(勾配の直線性)
の精度が低いことが原因となっている。また、磁場勾配
の均一性を調整するために、カレント・シムによる制御
も行っているが、調整が困難で磁場勾配の均一度の精度
も高くはなかった。
【0004】この発明は、上記のような問題に鑑みて、
空間分解能に優れ、かつ、厳密な電場勾配の調整が可能
となるNMRイメージング装置およびその方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】1)本
発明のNMR方法は、NMRを利用して対象物の物理量
を測定するNMR方法であって、前記対象物における原
子核双極子と電子殻との相互作用を電場によって制御
し、前記制御を行うことによって前記対象物中の核スピ
ンの共鳴周波数に相違を生じさせ、前記共鳴周波数の相
違に基づいて前記対象物の物理量を測定すること、を特
徴としている。
【0006】すなわち、前記核スピンは、前記電場によ
る制御を介して共鳴周波数の相違が与えられることにな
る。したがって、前記NMR方法は、前記対象物の物理
量の測定のために前記核スピンの共鳴周波数の相違が必
要となる場合において、効果的に利用することができ
る。
【0007】2)本発明のNMRイメージング方法は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
互作用を電場によって制御し、前記制御を行うことによ
って前記イメージング対象中の核スピンの位置による共
鳴周波数の相違を生じさせること、を特徴としている。
【0008】これにより、前記核スピンは、共鳴周波数
の変化を与えられる。さらに、前記電場の強度を勾配と
することによって前記原子核双極子と電子殻との相互作
用を制御することにより、前記核スピンは、前記NMR
イメージングにおける位置情報を与えられる。したがっ
て、前記NMRイメージング方法は、電場による制御に
よって前記イメージング対象をイメージングすることが
できる。
【0009】3)本発明の前記NMRイメージング方法
は、イメージング対象における電子殻のひずみ、また
は、イメージング対象における電子による反磁性電流を
電場によって制御し、前記制御を行うことによって前記
イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数
の相違を生じさせること、を特徴としている。
【0010】これにより、前記核スピンは、共鳴周波数
の変化を与えられる。さらに、前記電場の強度を勾配と
することによって前記電子殻のひずみ、または、前記反
磁性電流を制御することにより、前記核スピンは、前記
NMRイメージングにおける位置情報を与えられる。し
たがって、前記NMRイメージング方法は、電場による
制御によって前記イメージング対象をイメージングする
ことができる。
【0011】4)本発明のNMRイメージング方法は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
互作用を、複数の電極によって生じる電場によって制御
し、前記制御を行うことによって前記イメージング対象
中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせ
ること、を特徴としている。
【0012】これにより、前記核スピンは、共鳴周波数
の変化を与えられる。さらに、前記電場の強度を勾配と
することによって前記原子核双極子と電子殻との相互作
用を制御することにより、前記核スピンは、前記NMR
イメージングにおける位置情報を与えられる。したがっ
て、前記NMRイメージング方法は、電場による制御に
よって前記イメージング対象をイメージングすることが
できる。
【0013】また、前記複数の電極によって前記電場を
制御するのであるから、前記電場の調節が容易であり、
勾配の均一性(勾配の直線性)の高い電場勾配を得るこ
とができる。よって、その電場勾配は、前記核スピンの
共鳴周波数を精度の高い勾配の均一性(勾配の直線性)
とすることができる。したがって、前記NMRイメージ
ング方法は、優れた空間分解能によってイメージングを
行うことができる。
【0014】5)本発明のNMRイメージング装置は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
互作用を制御するための電場を、円筒状または、楕円状
または、長方形状の電極の多層構造によって生じさせる
電場制御手段、を備えたことを特徴としている。
【0015】これにより、前記電場制御手段は、前記電
場の強度が勾配となるように前記原子核双極子と電子殻
との相互作用を制御することにより、前記イメージング
対象における核スピンに対して前記NMRイメージング
における位置情報を与えることができる。したがって、
前記NMRイメージング方法は、前記電場制御手段によ
る制御によって前記イメージング対象をイメージングす
ることができる。
【0016】6)本発明のNMRイメージング装置は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
互作用を制御するための電場を、対向配置された電極に
よって生じさせる対向電極用電場制御手段、を備え、前
記対向配置された電極のそれぞれは、金属層と絶縁体層
とを積層することによって構成され、前記金属層のそれ
ぞれは、対向する金属層と接続されることにより所望の
電圧を印加されるようにしたこと、を備えたことを特徴
としている。
【0017】これにより、前記電場制御手段は、前記電
場の強度が勾配となるように前記原子核双極子と電子殻
との相互作用を制御することにより、前記イメージング
対象における核スピンに対して前記NMRイメージング
における位置情報を与えることができる。したがって、
前記NMRイメージング方法は、前記電場制御手段によ
る制御によって前記イメージング対象をイメージングす
ることができる。
【0018】また、前記金属層は、前記対向する金属層
に対して接続されることにより所望の電圧を印加され、
さらに、隣接する前記金属層とは前記絶縁体層によって
電気的に分離されている。よって、前記対向する金属層
への所望の電圧の印加を、前記絶縁体層を隔てて隣接す
る金属層による電気的な影響を受けることなく容易に行
うことができる。したがって、前記電場制御手段は、前
記電場の強度が勾配となるように前記原子核双極子と電
子殻との相互作用を制御することをより容易に行うこと
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を説明する前提
として、以下、本発明に係る電場勾配NMRイメージン
グの原理の説明を行い、次に実施形態を説明する。 目次 1.電場勾配NMRイメージングの原理 1−1.NMRイメージングにおける電子−原子核相互
作用 1−2.従来の磁場勾配NMRイメージングの原理 1−3.本発明による電場勾配NMRイメージングの原
理 2.電場勾配NMRイメージングの適用例 3.電場勾配NMRイメージング装置100による実施
形態の説明 3−1.回路図の説明 3−2.電極の構造 3−3.電極の作製方法 3−4.特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との
対応 3−5.実施形態によるイメージング方法の概要 3−6.実施形態による効果 4.その他の実施形態等 −−−−−−−−−
【0020】−−1.電場勾配NMRイメージングの原
理−− 本発明は、従来のNMRイメージングとは全く異なる新
しいNMRイメージングの原理を与えるものである。本
発明のNMRイメージングの原理は、電場勾配を利用し
て核スピンに共鳴周波数の変化を生じさせ、その共鳴周
波数の変化によって核スピンの歳差運動に位置情報をコ
ーディングすることを特徴とするものである。このこと
を可能にするのは、核スピンの共鳴周波数は、原子核の
周りの電子の状態に依存するためである。言いかえれ
ば、核スピンは、外場(磁場)を直接感じるのではな
く、電子の反磁性電流による局所的な磁場を合わせたト
ータルな磁場においてラーマー周波数(核スピンの共鳴
周波数および核スピンの位相の両方を情報として含む)
で回転しているのである。
【0021】すなわち、本発明による電場勾配NMRイ
メージングでは、電場勾配を利用して電子の反磁性電流
を変化させ、その結果、核スピンの共鳴周波数を変化さ
せて核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードするこ
とを特徴としている。
【0022】以下、本発明の原理を説明する上で前提と
なる、NMRイメージングにおける電子−原子核相互作
用について最初に説明し、次に、本発明と対比される磁
場勾配NMRイメージングの原理、及び、本発明による
電場勾配NMRイメージングの原理を説明する。
【0023】1−1.NMRイメージングにおける電子
−原子核相互作用 磁場Hの下での電子の運動は、電子のハミルトニアンに
おいて、
【数1】 により定義される磁気ベクトルポテンシャル(div:
発散、A:ベクトルポテンシャル)を、
【数2】 により定義される磁気ベクトルポテンシャル(cur
l:回転)で置き換えることによって得られる。
【0024】電磁気学によれば、磁気双極子μはそれよ
りベクトルrだけ離れた点にベクトルポテンシャル、
【数3】 により導かれる磁場を生ずる。
【0025】μ:磁気双極モーメント r:距離
【数4】 ここで、電子のシュレディンガー方程式は、
【数5】 m:質量 p:運動量 c:光速 β:ボーア磁子 e:電荷 s:電子スピン で与えられる。一次の摂動計算では、Aについて一次の
項、
【数6】 だけを残せばよい。従って、
【数7】 を得る。ここで、スピンに依存する部分は
【数8】 で与えられるが、これを
【数9】 と書き換えてみると、核磁気モーメントと電子と磁気的
相互作用はこれに電子密度を掛けたものになる。つま
り、
【数10】 drdΩ:極座標(dr:動径、dΩ:角度成分) 従って、電子と原子核との相互作用ハミルトニアンは明
確に、
【数11】 と書くことができる。
【0026】I:軌道角運動量 δ(r):デルタ関数
【数12】 よって、ベクトル演算子、
【数13】 は、電子によって原子核の位置に作られる局所磁場によ
って記述されることがわかる。
【0027】つまり、電子―原子核相互作用の意味する
ところは、物質中の原子核(周りに電子がある原子核)
と裸の原子核(周りに電子がない原子核)とでは、共鳴
周波数が異なるということである。これには、以下の2
つの原因がある。
【0028】(1)外場(磁場)Hをかければ電子の
電荷は磁場の周りにラーマー才差運動を行うが、これは
電流と同等であって原子核の位置に局所磁場Hを生
じ、この磁場が外場に加わる。この磁場大きさは外場H
に比例する。
【0029】(2)外場Hは電子殻を分極する。この
ようにして出来る殻のひずみは、原子核の位置に局所磁
場Hを生じ、この磁場が外場に加わる。この磁場の大
きさは外場Hに比例する。
【0030】これらの原因により、原子核から見た全磁
場は、 H=H+H+H=H(1−σ) となる。ここで、σは相対的な共鳴周波数のずれであっ
て、外場Hの大きさに依存しない。
【0031】以上説明したように、核スピンは、外場を
直接感じるのではなく、電子の反磁性電流による局所的
な磁場を合わせたトータルな磁場において、ラーマー周
波数で回転しているのである。すなわち、核スピンの共
鳴周波数は、原子核の周りの電子の状態に依存している
のである。
【0032】1−2.従来の磁場勾配NMRイメージン
グの原理 NMRイメージングにおいては、磁場勾配(傾斜磁場)
をイメージング対象に与える前に、静磁場Hをかける
必要がある。この静磁場Hをかけると、上で説明した
ように、局所磁場Hと局所磁場Hが生じる。このと
き、反磁性電流が生じていることから、HとHは、
外場Hとは反対方向の磁場となる。したがって、原子
核から見た全磁場Hは、外場Hよりも弱くなる。な
お、外場H の磁場の大きさを1とすると、H、H
の磁場の大きさは、それぞれ約10 −5程度である。
【0033】ここで、局所磁場H及び局所磁場H
は、イメージング対象全体に存在する静磁場Hを均一に
することの妨げとなっている。なぜならば、局所磁場H
及び局所磁場Hが存在することによって、イメージ
ング対象全体にわたって存在する個々の核スピンの共鳴
周波数がずれてしまう(不均一になる)からである。
【0034】静磁場の印加の後は、核スピンの歳差運動
に位置情報をエンコードするために磁場勾配を与えるこ
とになる。より具体的には、外場Hに加わる磁場勾配
によって核スピンの共鳴周波数に変化を与えることにな
る。磁場勾配NMRイメージングでは、さらに、コイル
とカレントシムとを利用し、コンピュータで磁場勾配の
制御を行っている。しかし、上記したように、磁場勾配
をかける以前の静磁場H自体には、精度の高い均一性が
ない。
【0035】すなわち、原子核から見た全磁場Hを示す
次式、 H=H+H+H=H(1−σ) において、磁場勾配は、直接的には、外場Hの大きさ
に加えて磁場勾配を与えているのである。なぜならば、
外場Hに加わる磁場の大きさの変化にしたがい、局所
磁場Hと磁場Hの大きさも変化するが、σは相対
的な共鳴周波数のずれであってH の大きさに依存し
ないから、結局(1−σ)の値は変化しないからであ
る。
【0036】したがって、もともと均一性がない“イメ
ージング対象全体にわたって存在する静磁場H”に対し
て磁場勾配を与えても、得られる勾配は、均一性(勾配
の直線性)がないものとならざるをえない。また、コイ
ルやカレントシム等による磁場の微調整は困難であるこ
とから、磁場勾配をかける前段階の静磁場Hの均一性を
高めることや、磁場勾配をかけた後の勾配の均一性を高
めることも困難であり、結局、磁場勾配によっては均一
性の高い勾配は得られない。以上が、従来の磁場勾配N
MRイメージングでは充分な空間分解能が得られない主
な原因である。
【0037】1−3.本発明による電場勾配NMRイメ
ージングの原理 本発明は、上述した磁場勾配に代えて、電場勾配を利用
したNMRイメージングを行うものである。なお、磁場
勾配、電場勾配のいずれであっても、核スピンに位置情
報をコーディングする仕組み、すなわち、原子核の位置
によって共鳴周波数の違いを生じさせてイメージングす
るという原理そのものは同様である。
【0038】以下、本発明による電場勾配によるNMR
イメージングの原理を説明する。本発明は、電場勾配に
よって、核スピンの共鳴周波数の変化を生じさせて核ス
ピンの歳差運動に位置情報をコーディングすることを特
徴とする。より具体的には、本発明による電場勾配は、
上述した外場Hに加えて磁場勾配を与えるのではな
く、原子核双極子と電子殻との相互作用を制御すること
により、電子殻のひずみの生じさせ方に勾配を与えるも
のある。
【0039】すなわち、原子核から見た全磁場Hを示す
次式、 H=H+H+H=H(1−σ) において、電場勾配は、外場Hが一定のものとされた
状態で、局所磁場H、局所磁場Hの磁場の強度に勾
配を与えているのである。ここで、電場勾配は、電子核
のひずみ方に影響を与えるのであるから、電場勾配は、
直接的には局所磁場Hに対して影響を与えており、さ
らに、そのような電子殻のひずみを介して電子がひずん
で反磁性電流が変化することにより、局所磁場Hに対
しても影響を与えているといえる。すなわち、本発明の
電場勾配NMRイメージングでは、電子殻のひずみ方の
勾配を与えることを介して、従来の磁場勾配イメージン
グでは分解能の向上の妨げとなっていた局所磁場H
及び局所磁場Hの磁場の大きさに対し、均一性の高い
勾配を与えることを特徴としている。その結果、イメー
ジング対象全体にわたって存在する静磁場Hは、電場勾
配をかけられて均一性の高い勾配が与えられることにな
り、核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードするた
めの共鳴周波数の変化が均一性の高い勾配となる。
【0040】したがって、電場勾配によるNMRイメー
ジングによれば、高い空間分解能によってイメージング
を行うことができる、という効果が得られる。また、電
場を利用するのであるから、磁場と比較して勾配の均一
性の調整も容易であるという効果もある。
【0041】なお、NMRに電場勾配を用いる技術も従
来から知られているが、それらの技術は、単にイオンの
濃度分布を生ぜしめることに電場勾配を用いているのみ
である。そして、それらの従来の技術では、イメージン
グ自体はレシーバーコイルの中で動かせるという内容
で、分解能も低く対象物体も限られており、電気泳動を
NMRで観測するといった技術内容であるから、本発明
の原理とは異なるものである。
【0042】−−2.電場勾配NMRイメージングの適
用例−− 本発明は、原子核双極子と電子殻との相互作用を、電場
によって制御することをを特徴とするNMRイメージン
グ方法を提示するものであるが、以下、そのような電場
による原子核双極子と電子殻との相互作用の制御を利用
したNMRイメージングの適用例を説明する。
【0043】最初に、電場勾配NMRイメージングの原
理を利用した装置構成例を、図1に示す。図1Aは、円
筒状のMRI装置の構成例である。円筒状のMRI装置
は、円筒状の電極2と、円筒状の絶縁体層4とを交互に
積み重ねて構成される。そして、図に示すように、装置
全体では、高電圧から低電圧の電場勾配が与えられる
(特許請求の範囲における「電場制御手段」に対応)。
イメージング対象6は、例えば、ヒトであり、この装置
構成によって身体の断層イメージングを得ることができ
る。なお、電極及び絶縁体層の構成の詳細、装置の操作
ステップ等については、後述する装置の実施形態と同様
である。
【0044】図1Bは、楕円状の電極2と、楕円状の絶
縁体層4とを交互に積み重ねて構成されるMRI装置の
構成例である。図1Cは、長方形の電極2と、長方形の
絶縁体層4とを交互に積み重ねて構成されるMRI装置
の構成例である。
【0045】以上、本発明による電場勾配NMRイメー
ジングの原理を利用した装置構成例を説明したが、電極
及び絶縁体層の構成の詳細、装置の操作ステップ等につ
いては、図1で示す適用例とは別の装置を実施形態とし
て例に挙げて説明することとする。
【0046】−−3.電場勾配NMRイメージング装置
100による実施形態の説明−− 実施形態は、電場勾配によるNMRイメージング装置を
例示するものであり、これにより、従来の磁場勾配を用
いた場合よりも空間分解能が高いイメージング解析を行
うことができる。実施形態の説明では、まず始めに、実
施形態によるNMRイメージング装置の回路図の概略を
説明し、次に、本装置に使用する電極の構造、電極の作
製方法の概略等の説明を行う。
【0047】3−1.イメージング装置100の回路図
の説明 本実施形態によるNMRイメージング装置の回路図の概
略について、従来のNMRイメージング装置の回路図と
比較しつつ説明する。なお、イメージング対象である試
料の大きさは、例示として約1cmのサイズのものとす
る。
【0048】図2は、本実施形態によるイメージング装
置100の回路図の概略である。イメージング装置10
0は、RFオシレータ10、ゲート12、RF(Rad
ioFrequency)アンプ14、パルスジェネレ
ータ16、ミキサ18、ローカルオシレータ20、プリ
アンプ22、RFアンプ15、IF(Intermed
iate Frequency)アンプ28、位相敏感
検波(Phasesensitive detecto
r)32、コンピュータ30、電源33、電源34、ト
ランスミッタ(トランスミッタコイル)36、レシーバ
(レシーバコイル)38、静磁場コイル11、電極35
0、電極360を備えている。
【0049】静磁場コイル11は、イメージング測定を
行う試料の核スピンが励起するように均一な磁場を作る
ためのものである。電極350及び電極360は、核ス
ピンの歳差運動に位置情報を与えるために場所により強
さの異なる電場(電場勾配、傾斜電場)を作るためのも
のである。電極350は正の電極であり、電極360は
負の電極である。RFオシレータ10及び、ゲート1
2、RFアンプ14、パルスジェネレータ16、トラン
スミッタ36は、高周波磁場(ラジオ波)を照射し核ス
ピンに共鳴を起こさせるものである。レシーバ38、プ
リアンプ22、RFアンプ15は、その共鳴の結果、励
起された核スピンの運動を検知するものである。なお、
トランスミッタコイルとレシーバコイルは直交するもの
とし、レシーバコイルには励起ラジオ波が入力されない
ようにする。IFアンプ28は、中間周波を増幅するた
めのものである。コンピュータ30は、電場勾配の切り
換えや高周波磁場の発生のタイミング(パルスシーケン
ス)を制御したり、レシーバ38が受信した信号をもと
に位相敏感検波32から出力される信号をフーリエ変換
して、周波数ないし位相にコーディングされて画像を作
り出す計算等を行うものである。
【0050】図3は、イメージング装置100と従来の
磁場勾配NMRイメージング装置との相違部分の概略を
示す図である。図3中、点線で囲った部分250が、図
2中の点線で囲った部分50との相違部分を示してい
る。従来の磁場勾配NMRイメージング装置は、図2の
部分50以外の構成の他に、傾斜磁場201、静磁場コ
イル203、シムコイル205、電源207、電源20
9、電源211を備えている。傾斜磁場コイル201
は、核スピンの歳差運動に位置情報を与えるために場所
により強さの異なる磁場(磁場勾配、傾斜磁場)を作る
ためのものである。シムコイル205は、静磁場コイル
203による静磁場の空間的な不均一を改善するために
補正磁場を発生させるためのものである。
【0051】以上のように、実施形態によるイメージン
グ装置100は、従来の磁場勾配NMRイメージング装
置と比較した場合、電場勾配を利用する構成において相
違するものである。具体的には、従来は傾斜磁場コイル
に電流を流すことによって傾斜磁場を発生させていたの
に対し、実施形態によるイメージング装置100は、電
極間に生ずる電場によって電場勾配を発生させている点
を特徴としている。
【0052】3−2.電極の構造 図4は、本実施形態によるイメージング装置100にお
いて、電場勾配を生じさせるための電極の構造の概略で
ある。本実施形態では、図に示す対向配置された電極3
50及び電極360によって電場勾配を生じさせること
としている。正(+)側の電極350は、基板300上
に、金属薄層310と絶縁体薄層320とが交互に積み
上げられた構造となっている。負(−)側の電極360
は、金属薄層330と絶縁体薄層340とが交互に積み
上げられた構造となっている。金属薄層と絶縁体薄層と
が積層された1レイヤーは、0.01mm程度としてい
る。測定対象となる試料301は、電極350と電極3
60との間のほぼ中央に備えられた試料台303の上に
固定される。
【0053】電極350、360は、図のように2つの
電極が対向する面の反対面が階段状となるように、各金
属薄層310について電場印加用リード線を接着するた
めのテラスを設けることとしている。電極への電場印加
用リード線のワイヤーボンディングは、リード線が接着
できる程度のスペースがあれば良く、ここでは、1〜2
mm程度ぐらいの領域であるリード線テラス315、3
35を設けることとしている。このリード線により、対
向する金属薄層同士は、電気的に接続されることにな
る。
【0054】なお、電極の層数は、対象となる試料につ
いて求められる分解能によって決定すればよいが、本実
施形態では、1000レイヤーとしており、したがっ
て、電極の高さは1cm程度としている。
【0055】3−3.電極の作製方法 図5は、本実施形態によるイメージング装置100の電
極の作製方法の概略を示す図である。この電極の作製方
法は、通常のIC製造工程と同様のものである。
【0056】図5に示すように、まず最初にスパッタリ
ング法によって金属と絶縁体の単原子層を交互に積み上
げる(記号1)。本実施形態では、金属として金、絶縁
体としてSiOを例示する。次に、市販の机上型(卓
上型)研磨器によって電極の研磨の前処理を行った後、
EEM(Elastic Emission Mach
ining)加工法によって、積み上げた層全体として
の断面のポリッシング加工を行う(記号2)。以上の方
法によって独立して2つの電極を作製し基板上に積載す
る(記号3)。
【0057】なお、印加する電場勾配の均一度を高める
ために、下の金属薄層から上の金属薄層までの全ての対
向する薄層間の距離は一定にする必要がある。しかし、
電極作製過程において誤差が生じた場合には、そのよう
な誤差を原因として生じる電場勾配の均一度のずれを補
整するために、コンピュータ30により制御すればよ
い。
【0058】なお、薄層作製については、スパッタリン
グ法の他に、レーザーアブレーション法、真空蒸着法等
を利用してもよい。ポリッシング加工については、研磨
器による物理的な切断の他に、酸によって化学的に切断
するようにしてもよい。また、金属の単原子層について
は、本実施形態で例示した金の他に、銀、銅、白金等を
利用してもよい。電極層の厚さは、0.01mm程度と
しているが、分解能を高めるためにこれよりも薄くして
もよい。ただし、電極として電位を加えることができる
最低限の厚さは必要である。
【0059】3−4.特許請求の範囲に記載した用語と
実施形態との対応 特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応は以
下の通りである。「NMRイメージング装置」は、図2
のイメージング装置100に対応する。「対向配置され
た電極」は、図2の電極350、360に対応する。
「対向電極用電場制御手段」は、電極350及び電極3
60に対して電圧を印加して、それぞれの電極層に電位
を発生させるコンピュータ30の制御に対応する。「金
属層」は、図4の金属薄層310、330に対応する。
「絶縁体層」は、図4の絶縁体薄層330、340に対
応する。「接続領域」は、図4のリード線テラス31
5、335に対応する。 3−5.実施形態によるイメージング方法の概略 実施形態による電場勾配イメージング装置によるNMR
イメージング方法の概略を以下に説明する。
【0060】(1)静磁場印加 コンピュータ30の制御により、静磁場コイル11を介
して、試料台303上に設置された試料301に対して
静磁場を印加する。これにより、試料301の核スピン
が静磁場方向を軸として回転する。試料301は、試験
管等に入れられた状態となっている。
【0061】(2)電場勾配の発生 次に、コンピュータ30の制御により、電極350及び
電極360に対して電圧を印加して、それぞれの電極層
に電位を発生させる。ここで、イメージング装置100
による電場勾配の印加とそのときの試料301中の電子
の電子殻のひずみを示す模式図を図6に示す。なお、こ
のときの静磁場方向をz方向とする。
【0062】図6に示すように電場印加は、正の電極3
50中の各電極層と、それら各電極層に対向する位置に
ある負の電極360中の各電極層との間で、低電圧Vm
から高電圧Vnへと順番に電圧を変化させることとして
いる。各電極層に印加する電圧の具体的な量について
は、0〜数百ボルト程度が適当であるが、イメージング
対象である試料について求められる空間分解能によって
決定すればよい。
【0063】上記のように電極350及び電極360に
電圧を、電圧の変化の傾きがほぼ直線的になるように印
加する結果として、両電極間の空間に生ずる電場勾配
は、試料が設置された電極間の中央で直線的なものとな
ると考えられる。ただし、各電極厚みの誤差等が原因で
電場勾配の均一性が保てない場合(勾配の直線性が保て
ない場合等)は、電圧の印加を調整すればよい。このと
き、電極間に電界を測定するセンサを入れておき、その
測定結果をコンピュータ30に対してフィードバックを
かけて、補整コイル等を利用して調整してもよい。
【0064】このような電場勾配を発生させることによ
り、試料301においては、電場による影響を受けて電
子殻の歪が生じ、原子核550のスピンの遮蔽が変化す
る結果、電場勾配中の位置によって核スピンの共鳴周波
数に変化が生じることになる。具体的には、電場の強い
ところと弱いところとで、電子殻のひずみに相違が生
じ、上で説明した局所磁場H及び局所磁場Hに変化
が生じる結果、試料301中の個々の核スピンの共鳴周
波数に均一性の高い勾配が生じ、それれの核スピンの歳
差運動に位置情報が与えられることになる。
【0065】(3)ラジオ波パルス照射及びイメージン
グ コンピュータ30は、トランスミッタ36等を介して試
料301にラジオ波(π/2パルス)をパルス照射し、
核スピンに共鳴を起こさせる。試料301中の核スピン
は、電場勾配中において異なる電場強度に比例した周波
数の電磁エネルギー、すなわち、励起パルス信号を吸収
・放出する。励起された核スピンの運動は、レシーバ3
8によって検知され、位相敏感検波32によって自由減
衰信号(FID(Free Induction De
cay)信号)としてコンピュータ30に取りこまれ
る。コンピュータ30は、位相敏感検波32から出力さ
れる信号を取り込んでフーリエ変換し、周波数ないし位
相にコーディングされて試料301中の画像を作り出す
計算を行う。
【0066】なお、パルス照射方向及び信号取込み方向
の関係は、図6中で示す方向によれば、トランスミッタ
36によるラジオ波のパルス照射の方向をx方向とすれ
ば、レシーバ38によるパルス信号の取込みの方向はy
方向となる。これは、レシーバ38が、トランスミッタ
36からのパルス信号を直接受信しないようにするため
である。以上の操作により、試料301中の核スピンの
分布の情報を得ることができる。
【0067】なお、上述の説明では、電場勾配を一方向
(y方向:図6参照)のみ与えることとしているため、
試料301中の核スピンの分布の一次元での位置情報を
得ることができる。したがって、二次元での位置情報
(イメージング情報)を得る場合には、試料301中で
選択した二次元スライスにおいて、1の電場勾配に加
え、これに直交する他の電場勾配(x方向またはz方
向、あるいはそれらの両方)を同時に印加することとす
ればよい。また、電場勾配が一方向であっても、本装置
に試料台303を回転させる装置を備えることにより、
一方向毎の位置情報を順次得ることによって、選択した
スライスにおける二次元の位置情報を得るようにしても
よい。また、三次元のイメージング情報が必要であれ
ば、直交する3方向(x、y、z方向)での電場勾配を
印加すればよい。その他、二次元のイメージング情報を
得つつ、試料台303をその二次元のスライス断面に直
行する方向に移動させながらイメージング情報を得るよ
うにしてもよい。
【0068】3−6.実施形態による効果 本実施形態によるイメージング装置100は、核スピン
の歳差運動に位置情報をエンコードすることを目的とし
て、電場勾配を発生させるための対向配置された電極3
50及び電極360を備えている。
【0069】ここで、従来の磁場勾配NMRイメージン
グにおける磁場勾配の直線性及び均一性は、図3に示す
ように傾斜磁場コイル201の巻き数の調整やコイル間
の距離の調整、あるいはシムコイル205によって調節
されていた。そのため、磁場勾配の均一性の精度は高く
なく、さらに、その勾配の調節も困難であった。
【0070】一方、実施形態によるイメージング装置1
00は、電極を利用した電場勾配を発生させることとし
ている。これにより、試料301中の核スピンの歳差運
動に位置情報をエンコードすることについて、従来の磁
場勾配よりも容易に勾配の調節を行うことができる。し
たがって、イメージング装置100は、直線性及び均一
度の高い電場勾配となるよう調節を行うことにより、優
れた空間分解能によってイメージングを行うことができ
る。
【0071】本実施形態によるイメージング装置100
の正の電極350及び負の電極360のそれぞれは、金
属薄層310、330と絶縁体薄層320、340とを
積層することによって構成され、個々の金属薄層310
は、空間的に対面する金属薄層と接続されることにより
所望の電圧を印加されるようにされている。これによ
り、電極350及び電極360との間で発生する電場勾
配の均一性及び直線性の調節は、積層された金属薄層3
10、330のそれぞれに対して印加する電圧の調整に
よって行うことができる。したがって、イメージング装
置100は、直線性及び均一度の高い電場勾配となるよ
うにコンピュータ30の制御を介した調節を行うことに
より、優れた空間分解能によってイメージングを行うこ
とができる。
【0072】また、電極350、360は、それぞれ1
000層程度の金属薄層を含んで構成されている。した
がって、個々の金属薄層に印加する電圧を段階的に変化
させることにより、試料301が影響を受ける電極間の
空間では、全体として連続的(傾斜的)な電場勾配を発
生させることができ、また、そのような電場勾配の均一
性は、試料について求められる空間分解能に合わせてデ
ジタル的に調節が可能である。
【0073】なお、特許請求の範囲の記載で用いる「対
向する金属層と接続される」とは、正(+)の電極35
0側の金属薄層310と、その個々の金属薄層310と
接続される負(−)の電極360側の個々の金属薄層3
10とが、ほぼ平行に配置されている状態を含むものと
する。
【0074】本実施形態による金属薄層310は、対向
する金属薄層330と電気的に接続するためのリード線
テラス315、335を備えている。これにより、個々
の金属薄層310、330は、対向する金属薄層に対し
て容易に電気的に接続されることができる。したがっ
て、対向する金属薄層への所望の電圧の印加を、絶縁体
を隔てて隣接する金属薄層の電位に影響されることなく
容易に行うことができる。
【0075】以上説明した、NMRイメージングを行う
際に、電場勾配を利用して核スピンの共鳴周波数に差異
を生じさせ、さらに、金属薄層の積層によってその電場
勾配の均一性の精度を向上することでイメージング空間
分解能を高めることができるという技術は、発明者独自
の知見によるものである。
【0076】−−4.その他の実施形態等−− 本実施形態のイメージング装置100は、イメージング
を行うために、核スピンの共鳴周波数の相違を測定対象
物理量として利用したが、これに限定されるものではな
い。その他の実施形態として、イオンの移動度(イオン
モビリティ、電気伝導度)、イオンの拡散速度、スピン
エコー、半導体中のエキシトン、π電子等を、測定対象
物理量としてもよい。
【0077】本実施形態の電極350、360は、傾斜
磁場コイル201に替わるものとして利用したが、これ
に限られるものではない。その他の実施形態として、電
極350、360を、パルス的な電場勾配(直流または
交流による場合を含む)を与える場合等にも適用するこ
とができる。
【0078】本実施形態では、金属薄層310、330
についてリード線を接着する領域を確保する目的で、電
極350、360を階段状に積層することとしているが
(図4参照)、電極の形状はこれに限られるものではな
い。その他の形状として、電極全体としては階段形状を
採用せず、各金属薄層310、330について、リード
線が接着できる程度の領域を有する突起領域を設けるよ
うにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】電場勾配NMRイメージングの適用例である。
【図2】イメージング装置100の回路図の概略図であ
る。
【図3】イメージング装置100と従来の磁場勾配イメ
ージング装置の相違部分の概略図である。
【図4】イメージング装置100の電極構造の概略図で
ある。
【図5】イメージング装置100の電極作製方法の概略
図である。
【図6】イメージング装置100による電場勾配の印加
とそのときの試料中の電子の電子殻のひずみを示す模式
図である。
【符号の説明】
350、360・・・電極 301・・試料

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】NMRを利用して対象物の物理量を測定す
    るNMR方法において、 前記対象物における原子核双極子と電子殻との相互作用
    を電場によって制御し、 前記制御を行うことによって前記対象物中の核スピンの
    共鳴周波数に相違を生じさせ、 前記共鳴周波数の相違に基づいて前記対象物の物理量を
    測定すること、 を特徴とするNMR方法。
  2. 【請求項2】NMRイメージング方法において、 イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
    互作用を電場によって制御し、 前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の
    核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせるこ
    と、 を特徴とするNMRイメージング方法。
  3. 【請求項3】NMRイメージング方法において、 イメージング対象における電子殻のひずみ、または、イ
    メージング対象における電子による反磁性電流を電場に
    よって制御し、 前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の
    核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせるこ
    と、 を特徴とするNMRイメージング方法。
  4. 【請求項4】NMRイメージング方法において、 イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
    互作用を、複数の電極によって生じる電場によって制御
    し、 前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の
    核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせるこ
    と、 を特徴とするNMRイメージング方法。
  5. 【請求項5】NMRイメージング装置において、 イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
    互作用を制御するための電場を、円筒状または、楕円状
    または、長方形状の電極の多層構造によって生じさせる
    電場制御手段、 を備えたことを特徴とするNMRイメージング装置。
  6. 【請求項6】NMRイメージング装置において、 イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相
    互作用を制御するための電場を、対向配置された電極に
    よって生じさせる対向電極用電場制御手段、 を備え、 前記対向配置された電極のそれぞれは、 金属層と絶縁体層とを積層することによって構成され、 前記金属層のそれぞれは、 対向する金属層と接続されることにより所望の電圧を印
    加されるようにしたこと、 を備えたことを特徴とするNMRイメージング装置。
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