JPH119570A - 高周波コイル及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

高周波コイル及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置

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JPH119570A
JPH119570A JP9165877A JP16587797A JPH119570A JP H119570 A JPH119570 A JP H119570A JP 9165877 A JP9165877 A JP 9165877A JP 16587797 A JP16587797 A JP 16587797A JP H119570 A JPH119570 A JP H119570A
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JP
Japan
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coil
irradiation
frequency
magnetic field
ring
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JP9165877A
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Inventor
Yukihiro Yasugi
幸浩 八杉
Shizuka Nagai
静 永井
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開放型のMRI装置に好適な、照射/受信効率
が高く、照射/受信均一性のよい平面形状の高周波コイ
ルを提供する。 【解決手段】リング状導体1の内側に放射状に直線導体
2を複数接続した構造の平面コイルであって、リング状
導体1に挿入された共振容量3を調整することにより照
射周波数の1波長に波長整合をとっている。この平面コ
イルは、高周波電流が入力されるとコイル面と平行な面
の回転磁界を発生し、リング状導体1の90度をなす2
ヵ所の位置から入力することにより1つのコイルで直交
コイルを実現できる。このような平面コイルをMRI装
置の上下に対向配置して照射コイル10を構成する。照射
コイルを平面形状にすることができ、撮像空間の開放を
妨げることがなくなるため、被検体へのアクセスが容易
で広範囲な臨床応用を可能とする高性能なMRI装置を
提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気共鳴イメージ
ング装置(以下、MRI装置という)に用いられる新規
な形状の高周波コイル及びそれを備えたMRI装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置では、核磁気共鳴現象を利用
して被検体中の所望の検査部位における原子核スピンの
密度分布、緩和時間分布を計測して、その計測データか
ら被検体の断面を画像表示するものであり、被検体に高
周波パルスを照射するための照射コイル及び被検体から
発生する核磁気共鳴信号を受信するための受信コイルが
備えられている。
【0003】これら照射コイル及び受信コイルは、静磁
場方向に応じて種々の形状、形態の高周波コイルが使用
されている。例えば、被検体の上下方向に静磁場を与え
る垂直磁場方式のMRI装置の場合、高周波磁界は上下
方向を軸とする水平方向の回転磁界となり、ソレノイド
型コイルやサドル型コイルが用いられている。また、照
射、受信効率や均一度を向上させる目的で、直交方式も
利用されている。これは直交状態(90度)に配置された
2つの高周波コイル(ソレノイド型コイルとサドル型コ
イル等)を組み合わせ、位相の90度異なった照射パルス
あるいは受信信号を同時に照射、受信して回転磁界を印
加、検出するものである。
【0004】一方、近年、IVRと呼ばれる手技がX線
装置の分野で普及しつつあるが、MRI装置の分野でも
撮像をしながら各種臨床行為を行うことが要求されてい
る。このためにはMRI装置の撮像空間が開放されてい
ることが重要となる。つまり、静磁場発生磁石の開口面
積が広く、照射や受信を行う高周波コイルが被検体を覆
わない構造であることが必要である。
【0005】IVRに適したMRI装置として開口面積
の広いオープン構造の磁石を採用した垂直磁場方式のM
RI装置が実用化されているが、このような垂直磁場方
式のMRI装置に従来のソレノイド型やサドル型の高周
波コイルを適用した場合、被検体の一部を覆ってしまう
という問題があった。特に照射コイルは照射の均一性を
確保する目的から比較的大きなコイルが必要とされ、オ
ープン構造を妨げる影響が大きい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これに対し、垂直磁場
方式のMRI装置に適した平面コイルとして図7(a)
に示すような平面コイル7が提案されており、この平面
コイルを磁場空間の上下に2つ対向配置して照射コイル
として用いたMRI装置が実用化されている。このコイ
ルは、中央に位置する2本の導体に同一方向に電流が流
れるように左右のループが形成されており、図示するよ
うに高周波電流iを流すことによって、コイルの上下に
横方向の照射磁界Bを発生させる。
【0007】しかし、この平面照射コイルでは横方向の
磁界を発生しうるのは中央の直線導体の上下部分であ
り、左右のループの中心部分では縦方向の磁界を生じて
しまい、照射磁界として利用できる範囲が狭く、照射磁
界の均一度や、照射効率も低いという問題があった。
【0008】これを改善するために、図7(b)に示す
ように平面コイル7a、7bを直交状態に組み合わせ、
直交照射を行っているが、この場合にも照射の不均一性
を十分に解決するためには平面コイル7を大きくする必
要があり、装置の制約上困難であった。また、このよう
な直交コイルを構成するためには照射コイルの厚さが増
加し、撮像空間を狭めてしまうという新たな問題も生じ
ていた。さらに一般に高磁場装置では照射信号の周波数
が高くなり波長が短くなるために、このような平面コイ
ルを適用した場合、コイル導体上に不必要な電流分布が
生じて、照射コイルとしての良好な動作が期待できなく
なる。勿論、以上の問題は照射コイルのみならず、この
方式の受信コイルにおいても同様である。
【0009】本発明は、オープン構造のMRI装置にお
いて被検体の開放を妨げない構造を有し、照射効率、受
信感度、均一性ともに高く、高磁場装置にも適用しうる
平面高周波コイルを提供することを目的とする。また本
発明はIVRに適したオープン構造を有し、良好な画像
の得られるMRI装置を提供することを目的とする。
【0010】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の高周波コイルは、リング状導体と、このリング状導
体の内側を放射状に接続した複数の直線導体と、リング
状導体あるいは直線導体に接続又は分布された複数のキ
ャパシタンスとを備えている。
【0011】本発明の高周波コイルにおいて、リング状
導体或いは直線導体に接続又は分布されるキャパシタン
スとは、コンデンサ等の素子によるキャパシタンスのみ
ならず、導体自体のキャパシタンスをも含む概念であ
り、導体自体のキャパシタンスを含むキャパシタンス
が、リング状導体を流れる高周波電流の1波長と波長整
合するように調整されているものとする。従って導体自
体のキャパシタンスのみによって波長整合されている場
合には、必ずしも素子を挿入しなくてもよい。またキャ
パシタンス素子を接続する場合、リング状導体でも直線
導体でも、またその両方であってもよいが、発生する磁
場の均一度の点からはリング状導体に接続することが好
ましい。
【0012】この高周波コイルでは、直線導体に流れる
電流によって横方向の磁場を生じる。この場合、リング
状導体がそれを流れる高周波電流と波長整合しているこ
とにより、リング状導体に1波長に相当する電流分布を
生じ、ある瞬間には一方向の電流が流れる。この電流分
布は高周波電流の位相の変化に伴い、変化するので、こ
れにより放射線状の直線導体に順次電流が流れることに
なる。従って高周波コイルの面と平行な回転磁場が発生
する。同様にコイル面と平行な回転磁場を検出できる。
従ってオープン構造の垂直磁場方式のMRI装置におい
て被検体の開放を妨げることなく配置され、水平回転磁
場を発生し或いは検出することができる。
【0013】本発明の高周波コイルは、好適にはリング
状導体の少なくとも2ヵ所に入力及び/又は出力端子を
有し、1つのコイルで直交照射コイルあるいは直交受信
コイルを構成する。これによりコイルの厚さを増すこと
なく直交化し、照射効率或いは検出効率を高めることが
できる。
【0014】本発明の高周波コイルは、MRI装置の照
射コイルとして、受信コイルとして或いはその両方とし
て、また照射兼受信コイルとして用いることができる。
【0015】MRI装置としては垂直磁場方式、水平磁
場方式のいずれであってもよく、いずれの場合にも静磁
場方向に対し垂直な面上に配置される。照射コイル或い
は照射兼受信コイルとして本発明の高周波コイルを備え
る場合には、2個のコイルを被検体を挟んで対向した位
置であって、両コイルによって形成される磁場方向が一
致するように配置すること好適である。特に上下に磁石
及び平面状の傾斜磁場コイルを配置したオープン構造の
垂直磁場方式のMRI装置において、傾斜磁場コイルに
近接して配置することが好適である。
【0016】また本発明の好適な態様では、平面状高周
波コイルはその2ヵ所に端子を設け、1つのコイルで直
交照射コイルあるいは直交受信コイルを構成する。1つ
のコイルで直交コイルを構成できるので、厚さを増加す
ることなく、即ち広い空間を提供し、しかも照射効率或
いは検出効率の高い直交コイルとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による高周波コイルの実施
例を図面を参照して説明する。
【0018】図1はMRI装置用照射コイルの1実施例
を示す図で、この照射コイル10は、リング状導体1とそ
の内側に放射線状に接続された8本の直線導体2とから
なる平面形状のコイルで、リング状導体1を8分割する
ように共振容量(キャパシタンス)3が8個挿入され、
1箇所の共振容量3の両端に入力端子4が接続されてい
る。
【0019】このような照射コイルにおいて、水平回転
磁束を発生する原理について図2を用いて説明する。図
中、a〜hはリング状導体1と直線導体2の8ヵ所の接
合点を示す。図2(a)は、図1の平面照射コイル10の
リング状導体1を切り離して開いた状態で表現した回路
であり、共振容量3と直線導体2のインダクタンスとが
ハシゴ型回路を構成している。入力端子4から入力され
た高周波電流はリング状導体1の遅延特性によって特定
の電流分布を示す。この電流分布は共振容量3を調整す
ることにより、リング状導体1にちょうど1波長分の電
流分布(同図(b))を形成するようにすることがで
き、本発明の照射コイルではこのような調整がなされて
いる。
【0020】電流分布は入力された高周波電流に従って
刻々と変化し、リング状導体1上に電流密度変化を生じ
させる。今、図のような電流分布が生じている瞬間を考
えると、接合点aと接合点eの電流密度が最も高く逆極
性であることからa−e間の直線導体2に大きく電流i
が流れることが解る(同図(c))。また、接合点bと
接合点dは電流密度が等しく逆極性であり、同様に接合
点hと接合点fは電流密度が等しく逆極性であるため、
b−d間とh−f間にも電流iが流れるが、接合点c、
gには電流密度がないため、電流は流れない。
【0021】従って、平面コイル全体として見た場合に
は、同図(d)に示すように点aから点eに向かって電
流iが流れることになり、平面照射コイルの上下に水平
磁束Bが生じる。この電流iの向きはリング状導体1の
電流密度変化に従って変わり、その結果水平磁束Bは回
転することになる。
【0022】以上、照射コイルとしての動作を説明した
が、受信コイルとしての動作も相反定理により同様であ
り、水平磁束Bによって直線導体に電流iが誘導される
ことにより水平磁束Bを検出する。この電流の向きが変
化することにより、回転磁界を検出することができる。
【0023】このような構成の高周波コイルは高磁場装
置に好適に採用でき、例えば静磁場強度1.5テスラの
高磁場装置では、共振周波数64MHz程度、波長4.7
m程度であり、直径1m程度の実用的な高周波コイルを
構成することができる。
【0024】本高周波コイルを低磁場装置に適用する場
合、使用周波数が低くなるため、コイルの大きさによっ
てはリング状導体1に1波長分の電流分布を形成するこ
とが困難である。その場合には、リング状導体1あるい
は直線導体2にインダクタンスを挿入し、遅延量を調整
することにより実用的な大きさのコイルを構成すること
が可能である。
【0025】本発明の高周波コイルは、適用されるMR
I装置の性能や用途等によって種々の変更が可能であ
り、例えば、図示する例ではリング状導体1に共振容量
3を挿入しているが、これは直線導体2に挿入してもよ
い。また直線導体の数は、図示するような8本に限ら
ず、それより多くても少なくてもよく、直線導体の数を
増やすことにより照射の均一度を向上できる。
【0026】図3に本発明の高周波コイルの他の実施例
を示す。図3(a)は図1の高周波コイルを直交コイル
10'として構成した実施例を示し、この高周波コイル10'
はリング状導体1の2ヵ所、90度をなす位置に入力端
子4a、4bが設けられている。この高周波コイルを照
射コイルとして用いる場合には、これら入力端子4a、
4bから90度位相の異なった照射パルス(高周波電流
i、i’)を入力する。リング状導体1は1波長に整合
が取れているため、入力端子4aから見た場合、それと
90度位置(図2、接合点c)には電流分布が生じな
い。従って、この位置から照射パルスを入力しても2つ
の入力が互いに干渉することはなく、あたかも2つの照
射コイルのように動作することができる。
【0027】このように直交状態に配置された2つの照
射コイルを使用することにより、必要な強度の照射パル
スを得るのにパワーアンプの出力を半減することができ
る。また従来の直交照射方式では2つの照射コイルを必
要としたのに対し、1つのコイルで直交照射コイルを構
成できるので、照射コイルの厚さを抑え、撮像空間を圧
迫しないというメリットもある。
【0028】この直交コイルは、端子4a、4bを出力
端子とすることによりMRI装置の受信コイルとしても
適用でき、検出効率を向上することができる。
【0029】尚、このように本発明の高周波コイルを直
交コイルとして用いる場合には、直線導体の数は2組の
端子の角度に対応して所定の数とする必要がある。例え
ば2つの入力端子を90度の角度で設ける場合には、4
の倍数、例えば8本ないしは12本が適当である。
【0030】図3(b)は、本発明の高周波コイル10”
の他の実施例を示す図で、この高周波コイルは中央にリ
ング5を挿入したものである。既に述べたように直線導
体2の本数は多いほど照射パルスの均一性が向上すると
考えられるが、照射磁界強度は直線導体の集まる平面照
射コイルの中心付近で高くなる。この高周波コイル10”
では中心リング5を挿入することにより、中心付近にお
いて磁界強度が高くなることを低減できる。中心リング
5を挿入した場合にも、コイルの動作原理は図1の高周
波コイルと全く同様である。
【0031】次に上述した高周波コイルを組込んだ本発
明のMRI装置について説明する。図4は垂直磁場方式
のMRI装置の全体構成概略を示すブロック図で、この
MRI装置は、主として被検体14の置かれる測定空間に
静磁場を発生する磁場発生装置11、静磁場に重畳される
傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル12、被検体14に高周
波磁場を照射する照射コイル10、被検体14から発生する
核磁気共鳴(NMR)信号を受信する受信コイル13、被
検体14を寝かせて測定空間に搬送するためのベット15、
これらを制御するためのMRIユニット16及び表示装置
17より構成される。
【0032】MRIユニット15は、撮像における種々の
パルスシーケンスをコントロールする制御装置18、制御
装置18のコントロールに従って照射コイル10により被検
体14にスピン励起のための高周波パルスを照射する高周
波装置19、傾斜磁場電源20及び受信コイル17で検出し、
高周波装置19で収集した信号データに画像再構成演算等
を行なう画像データ演算装置21により構成される。表示
装置17は演算装置21で得られたMRI画像を表示する。
【0033】磁場発生装置11は、被検体14の周りのある
広がりをもった空間に垂直に強く均一な静磁場を発生さ
せるもので、永久磁石方式あるいは超電導方式等の磁場
発生手段からなり、術者や操作者が被検体の近くで生検
等の処置を施すことができるようにオープン構造になっ
ている。
【0034】傾斜磁場コイル12は、X、Y、Zの3軸方
向のコイルをそれぞれ平板状にして組合せたもので、上
下の磁場発生手段11に近接して3組配置されている。こ
れら傾斜磁場コイル12は、制御装置18に制御される傾斜
磁場電源20の出力電流によって被検体14の周りに必要な
傾斜磁場空間を形成し、NMR信号に位置情報を与え
る。
【0035】受信コイル13は、この実施例では検査部位
(ここでは頭部)に応じた形状のコイルで検査に際して
被検体14に装着される。
【0036】照射コイル10は、図1に示すようなリング
状導体と放射線状の直線導体とからなる平面コイルで、
図5に示すように2つの平面照射コイル10a、10bを磁
場発生装置11内の磁場空間上下に対向して配置し、照射
コイル10を構成する。このとき、上下の平面照射コイル
10a、10bの入力端子4を互いに逆接続するか、あるい
は入力する高周波パルスの位相を180度ずらして与え
る。これにより、上下のコイルの対応する直線導体2に
大きさが同一で逆向きの電流iが流れ、照射コイル10の
中心付近にそれぞれの電流によって同じ向きの磁束Bが
生じる。既に述べたように入力された高周波電流により
次々に電流の流れる直線導体2が変化することにより、
それに伴い発生磁束Bの向きも変化し、磁場空間にスピ
ンを励起するのに必要な水平の回転磁界を得ることがで
きる。
【0037】尚、図示していないが、この照射コイルに
は、受信コイルとの干渉を避けるために受信動作中はコ
イルループがオープンとなるようなデカップリング回路
が付加されている。デカップリング回路はピンダイオー
ドなどの高周波スイッチング素子をコイルループに直列
に接続し、スイッチング電流を制御することによって実
現できる。この場合、すべてのリング状導体と直線導体
により作られるループに、このデカップリング回路を付
加する必要がある。
【0038】このように垂直磁場方式のMRI装置の照
射コイルとして本発明の平面コイルを用いたことによ
り、オープン構造のMRI装置とすることができ、しか
も高効率且つ均一性よく高周波パルスの照射を行えるの
で良好な画像を得ることができる。
【0039】照射コイルとしては、図1に示す1つの入
力端子4を設けた高周波コイルの他、本発明の高周波コ
イルの種々の変更例を採用することができる。例えば、
照射コイルの照射効率の向上には直交照射方式が有効で
あり、このためには図3(a)に示すようにリング状導
体1の2ヵ所に入力端子4a、4bを設けた高周波コイ
ルを用い、これら入力端子4a、4bから90度位相の
異なった照射パルス(高周波電流)を入力する。これに
より1つのコイルで直交照射方式を実現でき、少ない照
射パワーアンプの出力で効率良く回転磁場を照射するこ
とができる。
【0040】また照射均一性を向上させるためには、直
線導体数の多い高周波コイルを採用してもよい。この場
合、照射磁界強度がコイル中央で高くなるのを低減する
ために図3(b)に示すように中心リング5を挿入した
照射コイルを用いることが有効である。
【0041】更に低磁場装置の場合には、リング状導体
や直線導体に共振容量だけでなく、インダクタンスを付
加することにより波長整合をとった高周波コイルを用い
る。これにより比較的周波数の低い低磁場装置であって
も、実用的な大きさの高周波コイルを組込むことがで
き、上述した実施例と同様の効果を得ることができる。
【0042】以上、本発明による平面コイルの構成及び
それを組込んだMRI装置について説明したが、本発明
による平面コイルはMRI装置の受信コイルとしても適
用することができる。この応用例を図6に示す。
【0043】本発明の平面コイルは、相反定理により、
図2(d)に示す磁界Bによってそれと直交する直線導
体に電流iが誘導されることにより磁界Bを検出する。
NMR信号は静磁場と垂直な面内の回転磁場として検出
されるので、本発明の平面コイルを受信コイルとして用
いる場合は、信号回転面と平行な面であって被検体近傍
に設置する。例えば、図6(a)は垂直磁場方式のMR
I装置の場合で、この場合には平面受信コイル6を被検
体の関心領域(ここでは頭部)の下側或いは上側に水平
に設置する。また同図(b)は水平磁場方式のMRI装
置の場合で、この場合には信号回転面は垂直となるの
で、頭頂部位置等に垂直に設置する。同図(c)は、装
置例は少ないが、横磁場方式MRI装置の場合で、被検
体14の左右位置に設置して使用できる。
【0044】図6からも分かるように本発明の平面受信
コイル6は、被検体の関心領域を覆わない形状であるの
で、被検体に閉塞感を与えることなく、またIVR等に
おける処置を容易に行うことができる。
【0045】また本発明の平面コイルを受信コイルとし
て用いる場合も、2つの出力端子を90度位置に設けた
ものを使用することにより、1つのコイルで直交受信コ
イルを構成できるので検出効率を高めることができ、ま
た従来のコイルのように、2つのコイルを互いに検出方
向を直交させて重ねて配置する必要がないので、撮像空
間を広く確保できる。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、平面
形状であってしかも照射/受信効率のよい高周波コイル
を構成できるので、撮像空間の開放を妨げることがな
く、被検体へのアクセスが容易で広範囲な臨床応用を可
能とする高性能なMRI装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による高周波コイルの一実施例を示す
構成図。
【図2】 本発明による照射コイルの原理を説明する
図。
【図3】 (a)及び(b)はそれぞれ本発明による高
周波コイルの一実施例を示す構成図。
【図4】 本発明が適用されるMRI装置の構成図。
【図5】 MRI装置における照射コイルの配置を説明
する図。
【図6】 本発明による受信コイルの配置を説明する
図。
【図7】 (a)は従来の平面コイル及びその感度分布
を示す図、(b)は従来の平面コイルを直交コイルとし
て用いた場合を示す図。
【符号の説明】
1・・・・・・リング状導体 2・・・・・・直線導体 3・・・・・・共振容量 4、4a、4b・・・・・・入力端子 5・・・・・・中心リング 6・・・・・・平面受信コイル 10、10a、10b・・・・・・照射コイル 10'、10"・・・・・・照射コイル 11・・・・・・磁場発生装置(磁気回路) 12・・・・・・傾斜磁場コイル 21・・・・・・演算装置(画像再構成手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気共鳴イメージング装置において被検体
    に高周波磁場を照射し及び/又は前記被検体から発生す
    る磁気共鳴信号を検出する高周波コイルであって、 リング状導体と、このリング状導体の内側を放射状に接
    続した複数の直線導体と、前記リング導体あるいは直線
    導体に接続又は分布された複数のキャパシタンスとを備
    えたことを特徴とする平面状の高周波コイル。
  2. 【請求項2】前記キャパシタンスは、前記リング状導体
    を流れる高周波電流の1波長と整合するように調整され
    ていることを特徴とする請求項1記載の高周波コイル。
  3. 【請求項3】前記リング状導体の少なくとも2箇所に信
    号入力手段及び/又は信号出力手段を有することを特徴
    とする請求項1記載の高周波コイル。
  4. 【請求項4】被検体に静磁場を与える磁気回路と、前記
    被検体に傾斜磁場を印加する傾斜磁場コイルと、前記被
    検体を構成する原子の原子核に磁気共鳴を起こさせる高
    周波パルスを印加する照射コイルと、前記被検体から発
    生する磁気共鳴信号を検出する受信コイルと、検出され
    た磁気共鳴信号を使って画像を再構成する画像再構成手
    段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、 前記照射コイル及び/又は受信コイルが、請求項1ない
    し3いずれか1項記載の平面状の高周波コイルであって
    前記磁気回路の形成する磁場と垂直となる面に配置され
    ていることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 【請求項5】2つの前記平面状の高周波コイルを、前記
    被検体を挟んで対向した位置に配置したことを特徴とす
    る請求項4記載の磁気共鳴イメージング装置。
  6. 【請求項6】前記平面状高周波コイルの2個所に信号の
    入出力手段を設け、1つのコイルで直交照射コイルある
    いは直交受信コイルを構成したことを特徴とした請求項
    4又は5記載の磁気共鳴イメージング装置。
JP9165877A 1997-06-23 1997-06-23 高周波コイル及びそれを用いた磁気共鳴イメージング装置 Pending JPH119570A (ja)

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