JP3677540B2 - 電場勾配によるnmrイメージング装置およびその方法 - Google Patents
電場勾配によるnmrイメージング装置およびその方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電場勾配によるNMRイメージング装置およびその方法に関するものであり、特に、イメージング(物質の空間的構造の計測)の分解能の向上に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のNMRイメージングでは、スピンに位置情報をエンコードするための磁場勾配(Field Gradient)を加えるために、傾斜磁場コイルを用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の磁場勾配によるNMRイメージングでは、ミリメーター単位程度の空間分解能しか有しておらず、例えばオングストローム単位での空間分解能が必要となる材料分野等での使用は困難であった。従来のそのような空間分解能の限界は、主として磁場勾配の均一度(勾配の直線性)の精度が低いことが原因となっている。また、磁場勾配の均一性を調整するために、カレント・シムによる制御も行っているが、調整が困難で磁場勾配の均一度の精度も高くはなかった。
【0004】
この発明は、上記のような問題に鑑みて、空間分解能に優れ、かつ、厳密な電場勾配の調整が可能となるNMRイメージング装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
1)本発明のNMR方法は、
NMRを利用して対象物の物理量を測定するNMR方法であって、
前記対象物における原子核双極子と電子殻との相互作用を電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記対象物中の核スピンの共鳴周波数に相違を生じさせ、
前記共鳴周波数の相違に基づいて前記対象物の物理量を測定すること、
を特徴としている。
【0006】
すなわち、前記核スピンは、前記電場による制御を介して共鳴周波数の相違が与えられることになる。したがって、前記NMR方法は、前記対象物の物理量の測定のために前記核スピンの共鳴周波数の相違が必要となる場合において、効果的に利用することができる。
【0007】
2)本発明のNMRイメージング方法は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用を電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせること、を特徴としている。
【0008】
これにより、前記核スピンは、共鳴周波数の変化を与えられる。さらに、前記電場の強度を勾配とすることによって前記原子核双極子と電子殻との相互作用を制御することにより、前記核スピンは、前記NMRイメージングにおける位置情報を与えられる。したがって、前記NMRイメージング方法は、電場による制御によって前記イメージング対象をイメージングすることができる。
【0009】
3)本発明の前記NMRイメージング方法は、
イメージング対象における電子殻のひずみ、または、イメージング対象における電子による反磁性電流を電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせること、を特徴としている。
【0010】
これにより、前記核スピンは、共鳴周波数の変化を与えられる。さらに、前記電場の強度を勾配とすることによって前記電子殻のひずみ、または、前記反磁性電流を制御することにより、前記核スピンは、前記NMRイメージングにおける位置情報を与えられる。したがって、前記NMRイメージング方法は、電場による制御によって前記イメージング対象をイメージングすることができる。
【0011】
4)本発明のNMRイメージング方法は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用を、複数の電極によって生じる電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせること、を特徴としている。
【0012】
これにより、前記核スピンは、共鳴周波数の変化を与えられる。さらに、前記電場の強度を勾配とすることによって前記原子核双極子と電子殻との相互作用を制御することにより、前記核スピンは、前記NMRイメージングにおける位置情報を与えられる。したがって、前記NMRイメージング方法は、電場による制御によって前記イメージング対象をイメージングすることができる。
【0013】
また、前記複数の電極によって前記電場を制御するのであるから、前記電場の調節が容易であり、勾配の均一性(勾配の直線性)の高い電場勾配を得ることができる。よって、その電場勾配は、前記核スピンの共鳴周波数を精度の高い勾配の均一性(勾配の直線性)とすることができる。したがって、前記NMRイメージング方法は、優れた空間分解能によってイメージングを行うことができる。
【0014】
5)本発明のNMRイメージング装置は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用を制御するための電場を、円筒状または、楕円状または、長方形状の電極の多層構造によって生じさせる電場制御手段、
を備えたことを特徴としている。
【0015】
これにより、前記電場制御手段は、前記電場の強度が勾配となるように前記原子核双極子と電子殻との相互作用を制御することにより、前記イメージング対象における核スピンに対して前記NMRイメージングにおける位置情報を与えることができる。したがって、前記NMRイメージング方法は、前記電場制御手段による制御によって前記イメージング対象をイメージングすることができる。
【0016】
6)本発明のNMRイメージング装置は、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用を制御するための電場を、対向配置された電極によって生じさせる対向電極用電場制御手段、
を備え、
前記対向配置された電極のそれぞれは、
金属層と絶縁体層とを積層することによって構成され、
前記金属層のそれぞれは、
対向する金属層と接続されることにより所望の電圧を印加されるようにしたこと、
を備えたことを特徴としている。
【0017】
これにより、前記電場制御手段は、前記電場の強度が勾配となるように前記原子核双極子と電子殻との相互作用を制御することにより、前記イメージング対象における核スピンに対して前記NMRイメージングにおける位置情報を与えることができる。したがって、前記NMRイメージング方法は、前記電場制御手段による制御によって前記イメージング対象をイメージングすることができる。
【0018】
また、前記金属層は、前記対向する金属層に対して接続されることにより所望の電圧を印加され、さらに、隣接する前記金属層とは前記絶縁体層によって電気的に分離されている。よって、前記対向する金属層への所望の電圧の印加を、前記絶縁体層を隔てて隣接する金属層による電気的な影響を受けることなく容易に行うことができる。したがって、前記電場制御手段は、前記電場の強度が勾配となるように前記原子核双極子と電子殻との相互作用を制御することをより容易に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を説明する前提として、以下、本発明に係る電場勾配NMRイメージングの原理の説明を行い、次に実施形態を説明する。
目次
1.電場勾配NMRイメージングの原理
1−1.NMRイメージングにおける電子−原子核相互作用
1−2.従来の磁場勾配NMRイメージングの原理
1−3.本発明による電場勾配NMRイメージングの原理
2.電場勾配NMRイメージングの適用例
3.電場勾配NMRイメージング装置100による実施形態の説明
3−1.回路図の説明
3−2.電極の構造
3−3.電極の作製方法
3−4.特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応
3−5.実施形態によるイメージング方法の概要
3−6.実施形態による効果
4.その他の実施形態等
−−−−−−−−−
【0020】
−−1.電場勾配NMRイメージングの原理−−
本発明は、従来のNMRイメージングとは全く異なる新しいNMRイメージングの原理を与えるものである。本発明のNMRイメージングの原理は、電場勾配を利用して核スピンに共鳴周波数の変化を生じさせ、その共鳴周波数の変化によって核スピンの歳差運動に位置情報をコーディングすることを特徴とするものである。このことを可能にするのは、核スピンの共鳴周波数は、原子核の周りの電子の状態に依存するためである。言いかえれば、核スピンは、外場(磁場)を直接感じるのではなく、電子の反磁性電流による局所的な磁場を合わせたトータルな磁場においてラーマー周波数(核スピンの共鳴周波数および核スピンの位相の両方を情報として含む)で回転しているのである。
【0021】
すなわち、本発明による電場勾配NMRイメージングでは、電場勾配を利用して電子の反磁性電流を変化させ、その結果、核スピンの共鳴周波数を変化させて核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードすることを特徴としている。
【0022】
以下、本発明の原理を説明する上で前提となる、NMRイメージングにおける電子−原子核相互作用について最初に説明し、次に、本発明と対比される磁場勾配NMRイメージングの原理、及び、本発明による電場勾配NMRイメージングの原理を説明する。
【0023】
1−1.NMRイメージングにおける電子−原子核相互作用
磁場Hの下での電子の運動は、電子のハミルトニアンにおいて、
【数1】
により定義される磁気ベクトルポテンシャル(div:発散、A:ベクトルポテンシャル)を、
【数2】
により定義される磁気ベクトルポテンシャル(curl:回転)で置き換えることによって得られる。
【0024】
電磁気学によれば、磁気双極子μはそれよりベクトルrだけ離れた点にベクトルポテンシャル、
【数3】
により導かれる磁場を生ずる。
【0025】
μ:磁気双極モーメント
r:距離
【数4】
ここで、電子のシュレディンガー方程式は、
【数5】
m:質量
p:運動量
c:光速
β:ボーア磁子
e:電荷
s:電子スピン
で与えられる。一次の摂動計算では、Aについて一次の項、
【数6】
だけを残せばよい。従って、
【数7】
を得る。ここで、スピンに依存する部分は
【数8】
で与えられるが、これを
【数9】
と書き換えてみると、核磁気モーメントと電子と磁気的相互作用はこれに電子密度を掛けたものになる。つまり、
【数10】
drdΩ:極座標(dr:動径、dΩ:角度成分)
従って、電子と原子核との相互作用ハミルトニアンは明確に、
【数11】
と書くことができる。
【0026】
I:軌道角運動量
δ(r):デルタ関数
【数12】
よって、ベクトル演算子、
【数13】
は、電子によって原子核の位置に作られる局所磁場によって記述されることがわかる。
【0027】
つまり、電子―原子核相互作用の意味するところは、物質中の原子核(周りに電子がある原子核)と裸の原子核(周りに電子がない原子核)とでは、共鳴周波数が異なるということである。これには、以下の2つの原因がある。
【0028】
(1)外場(磁場)H0をかければ電子の電荷は磁場の周りにラーマー才差運動を行うが、これは電流と同等であって原子核の位置に局所磁場Hdを生じ、この磁場が外場に加わる。この磁場大きさは外場H0に比例する。
【0029】
(2)外場H0は電子殻を分極する。このようにして出来る殻のひずみは、原子核の位置に局所磁場HPを生じ、この磁場が外場に加わる。この磁場の大きさは外場H0に比例する。
【0030】
これらの原因により、原子核から見た全磁場は、
H=H0+Hd+Hp=H0(1−σ)
となる。ここで、σは相対的な共鳴周波数のずれであって、外場H0の大きさに依存しない。
【0031】
以上説明したように、核スピンは、外場を直接感じるのではなく、電子の反磁性電流による局所的な磁場を合わせたトータルな磁場において、ラーマー周波数で回転しているのである。すなわち、核スピンの共鳴周波数は、原子核の周りの電子の状態に依存しているのである。
【0032】
1−2.従来の磁場勾配NMRイメージングの原理
NMRイメージングにおいては、磁場勾配(傾斜磁場)をイメージング対象に与える前に、静磁場H0をかける必要がある。この静磁場H0をかけると、上で説明したように、局所磁場Hdと局所磁場HPが生じる。このとき、反磁性電流が生じていることから、HdとHpは、外場H0とは反対方向の磁場となる。したがって、原子核から見た全磁場Hは、外場H0よりも弱くなる。なお、外場H0の磁場の大きさを1とすると、Hp、Hdの磁場の大きさは、それぞれ約10−5程度である。
【0033】
ここで、局所磁場HD及び局所磁場Hp は、イメージング対象全体に存在する静磁場Hを均一にすることの妨げとなっている。なぜならば、局所磁場Hd及び局所磁場Hpが存在することによって、イメージング対象全体にわたって存在する個々の核スピンの共鳴周波数がずれてしまう(不均一になる)からである。
【0034】
静磁場の印加の後は、核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードするために磁場勾配を与えることになる。より具体的には、外場H0に加わる磁場勾配によって核スピンの共鳴周波数に変化を与えることになる。磁場勾配NMRイメージングでは、さらに、コイルとカレントシムとを利用し、コンピュータで磁場勾配の制御を行っている。しかし、上記したように、磁場勾配をかける以前の静磁場H自体には、精度の高い均一性がない。
【0035】
すなわち、原子核から見た全磁場Hを示す次式、
H=H0+Hd+Hp=H0(1−σ)
において、磁場勾配は、直接的には、外場H0の大きさに加えて磁場勾配を与えているのである。なぜならば、外場H0に加わる磁場の大きさの変化にしたがい、局所磁場Hp と磁場Hdの大きさも変化するが、σは相対的な共鳴周波数のずれであってH0 の大きさに依存しないから、結局(1−σ)の値は変化しないからである。
【0036】
したがって、もともと均一性がない“イメージング対象全体にわたって存在する静磁場H”に対して磁場勾配を与えても、得られる勾配は、均一性(勾配の直線性)がないものとならざるをえない。また、コイルやカレントシム等による磁場の微調整は困難であることから、磁場勾配をかける前段階の静磁場Hの均一性を高めることや、磁場勾配をかけた後の勾配の均一性を高めることも困難であり、結局、磁場勾配によっては均一性の高い勾配は得られない。以上が、従来の磁場勾配NMRイメージングでは充分な空間分解能が得られない主な原因である。
【0037】
1−3.本発明による電場勾配NMRイメージングの原理
本発明は、上述した磁場勾配に代えて、電場勾配を利用したNMRイメージングを行うものである。なお、磁場勾配、電場勾配のいずれであっても、核スピンに位置情報をコーディングする仕組み、すなわち、原子核の位置によって共鳴周波数の違いを生じさせてイメージングするという原理そのものは同様である。
【0038】
以下、本発明による電場勾配によるNMRイメージングの原理を説明する。本発明は、電場勾配によって、核スピンの共鳴周波数の変化を生じさせて核スピンの歳差運動に位置情報をコーディングすることを特徴とする。より具体的には、本発明による電場勾配は、上述した外場H0に加えて磁場勾配を与えるのではなく、原子核双極子と電子殻との相互作用を制御することにより、電子殻のひずみの生じさせ方に勾配を与えるものある。
【0039】
すなわち、原子核から見た全磁場Hを示す次式、
H=H0+Hd+Hp=H0(1−σ)
において、電場勾配は、外場H0が一定のものとされた状態で、局所磁場Hd、局所磁場Hpの磁場の強度に勾配を与えているのである。ここで、電場勾配は、電子核のひずみ方に影響を与えるのであるから、電場勾配は、直接的には局所磁場Hpに対して影響を与えており、さらに、そのような電子殻のひずみを介して電子がひずんで反磁性電流が変化することにより、局所磁場Hdに対しても影響を与えているといえる。すなわち、本発明の電場勾配NMRイメージングでは、電子殻のひずみ方の勾配を与えることを介して、従来の磁場勾配イメージングでは分解能の向上の妨げとなっていた局所磁場Hd、及び局所磁場Hpの磁場の大きさに対し、均一性の高い勾配を与えることを特徴としている。その結果、イメージング対象全体にわたって存在する静磁場Hは、電場勾配をかけられて均一性の高い勾配が与えられることになり、核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードするための共鳴周波数の変化が均一性の高い勾配となる。
【0040】
したがって、電場勾配によるNMRイメージングによれば、高い空間分解能によってイメージングを行うことができる、という効果が得られる。また、電場を利用するのであるから、磁場と比較して勾配の均一性の調整も容易であるという効果もある。
【0041】
なお、NMRに電場勾配を用いる技術も従来から知られているが、それらの技術は、単にイオンの濃度分布を生ぜしめることに電場勾配を用いているのみである。そして、それらの従来の技術では、イメージング自体はレシーバーコイルの中で動かせるという内容で、分解能も低く対象物体も限られており、電気泳動をNMRで観測するといった技術内容であるから、本発明の原理とは異なるものである。
【0042】
−−2.電場勾配NMRイメージングの適用例−−
本発明は、原子核双極子と電子殻との相互作用を、電場によって制御することをを特徴とするNMRイメージング方法を提示するものであるが、以下、そのような電場による原子核双極子と電子殻との相互作用の制御を利用したNMRイメージングの適用例を説明する。
【0043】
最初に、電場勾配NMRイメージングの原理を利用した装置構成例を、図1に示す。図1Aは、円筒状のMRI装置の構成例である。円筒状のMRI装置は、円筒状の電極2と、円筒状の絶縁体層4とを交互に積み重ねて構成される。そして、図に示すように、装置全体では、高電圧から低電圧の電場勾配が与えられる(特許請求の範囲における「電場制御手段」に対応)。イメージング対象6は、例えば、ヒトであり、この装置構成によって身体の断層イメージングを得ることができる。なお、電極及び絶縁体層の構成の詳細、装置の操作ステップ等については、後述する装置の実施形態と同様である。
【0044】
図1Bは、楕円状の電極2と、楕円状の絶縁体層4とを交互に積み重ねて構成されるMRI装置の構成例である。図1Cは、長方形の電極2と、長方形の絶縁体層4とを交互に積み重ねて構成されるMRI装置の構成例である。
【0045】
以上、本発明による電場勾配NMRイメージングの原理を利用した装置構成例を説明したが、電極及び絶縁体層の構成の詳細、装置の操作ステップ等については、図1で示す適用例とは別の装置を実施形態として例に挙げて説明することとする。
【0046】
−−3.電場勾配NMRイメージング装置100による実施形態の説明−−
実施形態は、電場勾配によるNMRイメージング装置を例示するものであり、これにより、従来の磁場勾配を用いた場合よりも空間分解能が高いイメージング解析を行うことができる。実施形態の説明では、まず始めに、実施形態によるNMRイメージング装置の回路図の概略を説明し、次に、本装置に使用する電極の構造、電極の作製方法の概略等の説明を行う。
【0047】
3−1.イメージング装置100の回路図の説明
本実施形態によるNMRイメージング装置の回路図の概略について、従来のNMRイメージング装置の回路図と比較しつつ説明する。なお、イメージング対象である試料の大きさは、例示として約1cmのサイズのものとする。
【0048】
図2は、本実施形態によるイメージング装置100の回路図の概略である。イメージング装置100は、RFオシレータ10、ゲート12、RF(RadioFrequency)アンプ14、パルスジェネレータ16、ミキサ18、ローカルオシレータ20、プリアンプ22、RFアンプ15、IF(Intermediate Frequency)アンプ28、位相敏感検波(Phase sensitive detector)32、コンピュータ30、電源33、電源34、トランスミッタ(トランスミッタコイル)36、レシーバ(レシーバコイル)38、静磁場コイル11、電極350、電極360を備えている。
【0049】
静磁場コイル11は、イメージング測定を行う試料の核スピンが励起するように均一な磁場を作るためのものである。電極350及び電極360は、核スピンの歳差運動に位置情報を与えるために場所により強さの異なる電場(電場勾配、傾斜電場)を作るためのものである。電極350は正の電極であり、電極360は負の電極である。RFオシレータ10及び、ゲート12、RFアンプ14、パルスジェネレータ16、トランスミッタ36は、高周波磁場(ラジオ波)を照射し核スピンに共鳴を起こさせるものである。レシーバ38、プリアンプ22、RFアンプ15は、その共鳴の結果、励起された核スピンの運動を検知するものである。なお、トランスミッタコイルとレシーバコイルは直交するものとし、レシーバコイルには励起ラジオ波が入力されないようにする。IFアンプ28は、中間周波を増幅するためのものである。コンピュータ30は、電場勾配の切り換えや高周波磁場の発生のタイミング(パルスシーケンス)を制御したり、レシーバ38が受信した信号をもとに位相敏感検波32から出力される信号をフーリエ変換して、周波数ないし位相にコーディングされて画像を作り出す計算等を行うものである。
【0050】
図3は、イメージング装置100と従来の磁場勾配NMRイメージング装置との相違部分の概略を示す図である。図3中、点線で囲った部分250が、図2中の点線で囲った部分50との相違部分を示している。従来の磁場勾配NMRイメージング装置は、図2の部分50以外の構成の他に、傾斜磁場201、静磁場コイル203、シムコイル205、電源207、電源209、電源211を備えている。傾斜磁場コイル201は、核スピンの歳差運動に位置情報を与えるために場所により強さの異なる磁場(磁場勾配、傾斜磁場)を作るためのものである。シムコイル205は、静磁場コイル203による静磁場の空間的な不均一を改善するために補正磁場を発生させるためのものである。
【0051】
以上のように、実施形態によるイメージング装置100は、従来の磁場勾配NMRイメージング装置と比較した場合、電場勾配を利用する構成において相違するものである。具体的には、従来は傾斜磁場コイルに電流を流すことによって傾斜磁場を発生させていたのに対し、実施形態によるイメージング装置100は、電極間に生ずる電場によって電場勾配を発生させている点を特徴としている。
【0052】
3−2.電極の構造
図4は、本実施形態によるイメージング装置100において、電場勾配を生じさせるための電極の構造の概略である。本実施形態では、図に示す対向配置された電極350及び電極360によって電場勾配を生じさせることとしている。正(+)側の電極350は、基板300上に、金属薄層310と絶縁体薄層320とが交互に積み上げられた構造となっている。負(−)側の電極360は、金属薄層330と絶縁体薄層340とが交互に積み上げられた構造となっている。金属薄層と絶縁体薄層とが積層された1レイヤーは、0.01mm程度としている。測定対象となる試料301は、電極350と電極360との間のほぼ中央に備えられた試料台303の上に固定される。
【0053】
電極350、360は、図のように2つの電極が対向する面の反対面が階段状となるように、各金属薄層310について電場印加用リード線を接着するためのテラスを設けることとしている。電極への電場印加用リード線のワイヤーボンディングは、リード線が接着できる程度のスペースがあれば良く、ここでは、1〜2mm程度ぐらいの領域であるリード線テラス315、335を設けることとしている。このリード線により、対向する金属薄層同士は、電気的に接続されることになる。
【0054】
なお、電極の層数は、対象となる試料について求められる分解能によって決定すればよいが、本実施形態では、1000レイヤーとしており、したがって、電極の高さは1cm程度としている。
【0055】
3−3.電極の作製方法
図5は、本実施形態によるイメージング装置100の電極の作製方法の概略を示す図である。この電極の作製方法は、通常のIC製造工程と同様のものである。
【0056】
図5に示すように、まず最初にスパッタリング法によって金属と絶縁体の単原子層を交互に積み上げる(記号1)。本実施形態では、金属として金、絶縁体としてSiO2を例示する。次に、市販の机上型(卓上型)研磨器によって電極の研磨の前処理を行った後、EEM(Elastic Emission Machining)加工法によって、積み上げた層全体としての断面のポリッシング加工を行う(記号2)。以上の方法によって独立して2つの電極を作製し基板上に積載する(記号3)。
【0057】
なお、印加する電場勾配の均一度を高めるために、下の金属薄層から上の金属薄層までの全ての対向する薄層間の距離は一定にする必要がある。しかし、電極作製過程において誤差が生じた場合には、そのような誤差を原因として生じる電場勾配の均一度のずれを補整するために、コンピュータ30により制御すればよい。
【0058】
なお、薄層作製については、スパッタリング法の他に、レーザーアブレーション法、真空蒸着法等を利用してもよい。ポリッシング加工については、研磨器による物理的な切断の他に、酸によって化学的に切断するようにしてもよい。また、金属の単原子層については、本実施形態で例示した金の他に、銀、銅、白金等を利用してもよい。電極層の厚さは、0.01mm程度としているが、分解能を高めるためにこれよりも薄くしてもよい。ただし、電極として電位を加えることができる最低限の厚さは必要である。
【0059】
3−4.特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応
特許請求の範囲に記載した用語と実施形態との対応は以下の通りである。「NMRイメージング装置」は、図2のイメージング装置100に対応する。「対向配置された電極」は、図2の電極350、360に対応する。「対向電極用電場制御手段」は、電極350及び電極360に対して電圧を印加して、それぞれの電極層に電位を発生させるコンピュータ30の制御に対応する。「金属層」は、図4の金属薄層310、330に対応する。「絶縁体層」は、図4の絶縁体薄層330、340に対応する。「接続領域」は、図4のリード線テラス315、335に対応する。
3−5.実施形態によるイメージング方法の概略
実施形態による電場勾配イメージング装置によるNMRイメージング方法の概略を以下に説明する。
【0060】
(1)静磁場印加
コンピュータ30の制御により、静磁場コイル11を介して、試料台303上に設置された試料301に対して静磁場を印加する。これにより、試料301の核スピンが静磁場方向を軸として回転する。試料301は、試験管等に入れられた状態となっている。
【0061】
(2)電場勾配の発生
次に、コンピュータ30の制御により、電極350及び電極360に対して電圧を印加して、それぞれの電極層に電位を発生させる。ここで、イメージング装置100による電場勾配の印加とそのときの試料301中の電子の電子殻のひずみを示す模式図を図6に示す。なお、このときの静磁場方向をz方向とする。
【0062】
図6に示すように電場印加は、正の電極350中の各電極層と、それら各電極層に対向する位置にある負の電極360中の各電極層との間で、低電圧Vmから高電圧Vnへと順番に電圧を変化させることとしている。各電極層に印加する電圧の具体的な量については、0〜数百ボルト程度が適当であるが、イメージング対象である試料について求められる空間分解能によって決定すればよい。
【0063】
上記のように電極350及び電極360に電圧を、電圧の変化の傾きがほぼ直線的になるように印加する結果として、両電極間の空間に生ずる電場勾配は、試料が設置された電極間の中央で直線的なものとなると考えられる。ただし、各電極厚みの誤差等が原因で電場勾配の均一性が保てない場合(勾配の直線性が保てない場合等)は、電圧の印加を調整すればよい。このとき、電極間に電界を測定するセンサを入れておき、その測定結果をコンピュータ30に対してフィードバックをかけて、補整コイル等を利用して調整してもよい。
【0064】
このような電場勾配を発生させることにより、試料301においては、電場による影響を受けて電子殻の歪が生じ、原子核550のスピンの遮蔽が変化する結果、電場勾配中の位置によって核スピンの共鳴周波数に変化が生じることになる。具体的には、電場の強いところと弱いところとで、電子殻のひずみに相違が生じ、上で説明した局所磁場Hp及び局所磁場Hdに変化が生じる結果、試料301中の個々の核スピンの共鳴周波数に均一性の高い勾配が生じ、それれの核スピンの歳差運動に位置情報が与えられることになる。
【0065】
(3)ラジオ波パルス照射及びイメージング
コンピュータ30は、トランスミッタ36等を介して試料301にラジオ波(π/2パルス)をパルス照射し、核スピンに共鳴を起こさせる。試料301中の核スピンは、電場勾配中において異なる電場強度に比例した周波数の電磁エネルギー、すなわち、励起パルス信号を吸収・放出する。励起された核スピンの運動は、レシーバ38によって検知され、位相敏感検波32によって自由減衰信号(FID(Free Induction Decay)信号)としてコンピュータ30に取りこまれる。コンピュータ30は、位相敏感検波32から出力される信号を取り込んでフーリエ変換し、周波数ないし位相にコーディングされて試料301中の画像を作り出す計算を行う。
【0066】
なお、パルス照射方向及び信号取込み方向の関係は、図6中で示す方向によれば、トランスミッタ36によるラジオ波のパルス照射の方向をx方向とすれば、レシーバ38によるパルス信号の取込みの方向はy方向となる。これは、レシーバ38が、トランスミッタ36からのパルス信号を直接受信しないようにするためである。以上の操作により、試料301中の核スピンの分布の情報を得ることができる。
【0067】
なお、上述の説明では、電場勾配を一方向(y方向:図6参照)のみ与えることとしているため、試料301中の核スピンの分布の一次元での位置情報を得ることができる。したがって、二次元での位置情報(イメージング情報)を得る場合には、試料301中で選択した二次元スライスにおいて、1の電場勾配に加え、これに直交する他の電場勾配(x方向またはz方向、あるいはそれらの両方)を同時に印加することとすればよい。また、電場勾配が一方向であっても、本装置に試料台303を回転させる装置を備えることにより、一方向毎の位置情報を順次得ることによって、選択したスライスにおける二次元の位置情報を得るようにしてもよい。また、三次元のイメージング情報が必要であれば、直交する3方向(x、y、z方向)での電場勾配を印加すればよい。その他、二次元のイメージング情報を得つつ、試料台303をその二次元のスライス断面に直行する方向に移動させながらイメージング情報を得るようにしてもよい。
【0068】
3−6.実施形態による効果
本実施形態によるイメージング装置100は、核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードすることを目的として、電場勾配を発生させるための対向配置された電極350及び電極360を備えている。
【0069】
ここで、従来の磁場勾配NMRイメージングにおける磁場勾配の直線性及び均一性は、図3に示すように傾斜磁場コイル201の巻き数の調整やコイル間の距離の調整、あるいはシムコイル205によって調節されていた。そのため、磁場勾配の均一性の精度は高くなく、さらに、その勾配の調節も困難であった。
【0070】
一方、実施形態によるイメージング装置100は、電極を利用した電場勾配を発生させることとしている。これにより、試料301中の核スピンの歳差運動に位置情報をエンコードすることについて、従来の磁場勾配よりも容易に勾配の調節を行うことができる。したがって、イメージング装置100は、直線性及び均一度の高い電場勾配となるよう調節を行うことにより、優れた空間分解能によってイメージングを行うことができる。
【0071】
本実施形態によるイメージング装置100の正の電極350及び負の電極360のそれぞれは、金属薄層310、330と絶縁体薄層320、340とを積層することによって構成され、個々の金属薄層310は、空間的に対面する金属薄層と接続されることにより所望の電圧を印加されるようにされている。これにより、電極350及び電極360との間で発生する電場勾配の均一性及び直線性の調節は、積層された金属薄層310、330のそれぞれに対して印加する電圧の調整によって行うことができる。したがって、イメージング装置100は、直線性及び均一度の高い電場勾配となるようにコンピュータ30の制御を介した調節を行うことにより、優れた空間分解能によってイメージングを行うことができる。
【0072】
また、電極350、360は、それぞれ1000層程度の金属薄層を含んで構成されている。したがって、個々の金属薄層に印加する電圧を段階的に変化させることにより、試料301が影響を受ける電極間の空間では、全体として連続的(傾斜的)な電場勾配を発生させることができ、また、そのような電場勾配の均一性は、試料について求められる空間分解能に合わせてデジタル的に調節が可能である。
【0073】
なお、特許請求の範囲の記載で用いる「対向する金属層と接続される」とは、正(+)の電極350側の金属薄層310と、その個々の金属薄層310と接続される負(−)の電極360側の個々の金属薄層310とが、ほぼ平行に配置されている状態を含むものとする。
【0074】
本実施形態による金属薄層310は、対向する金属薄層330と電気的に接続するためのリード線テラス315、335を備えている。これにより、個々の金属薄層310、330は、対向する金属薄層に対して容易に電気的に接続されることができる。したがって、対向する金属薄層への所望の電圧の印加を、絶縁体を隔てて隣接する金属薄層の電位に影響されることなく容易に行うことができる。
【0075】
以上説明した、NMRイメージングを行う際に、電場勾配を利用して核スピンの共鳴周波数に差異を生じさせ、さらに、金属薄層の積層によってその電場勾配の均一性の精度を向上することでイメージング空間分解能を高めることができるという技術は、発明者独自の知見によるものである。
【0076】
−−4.その他の実施形態等−−
本実施形態のイメージング装置100は、イメージングを行うために、核スピンの共鳴周波数の相違を測定対象物理量として利用したが、これに限定されるものではない。その他の実施形態として、イオンの移動度(イオンモビリティ、電気伝導度)、イオンの拡散速度、スピンエコー、半導体中のエキシトン、π電子等を、測定対象物理量としてもよい。
【0077】
本実施形態の電極350、360は、傾斜磁場コイル201に替わるものとして利用したが、これに限られるものではない。その他の実施形態として、電極350、360を、パルス的な電場勾配(直流または交流による場合を含む)を与える場合等にも適用することができる。
【0078】
本実施形態では、金属薄層310、330についてリード線を接着する領域を確保する目的で、電極350、360を階段状に積層することとしているが(図4参照)、電極の形状はこれに限られるものではない。その他の形状として、電極全体としては階段形状を採用せず、各金属薄層310、330について、リード線が接着できる程度の領域を有する突起領域を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】電場勾配NMRイメージングの適用例である。
【図2】イメージング装置100の回路図の概略図である。
【図3】イメージング装置100と従来の磁場勾配イメージング装置の相違部分の概略図である。
【図4】イメージング装置100の電極構造の概略図である。
【図5】イメージング装置100の電極作製方法の概略図である。
【図6】イメージング装置100による電場勾配の印加とそのときの試料中の電子の電子殻のひずみを示す模式図である。
【符号の説明】
350、360・・・電極
301・・試料
Claims (5)
- NMRイメージング方法において、
イメージング対象(ただし、ヒトを除く)における原子核双極子と電子殻との相互作用を電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせること、
を特徴とするNMRイメージング方法。 - NMRイメージング方法において、
イメージング対象(ただし、ヒトを除く)における電子殻のひずみ、または、イメージング対象(ただし、ヒトを除く)における電子による反磁性電流を電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせること、
を特徴とするNMRイメージング方法。 - NMRイメージング方法において、
イメージング対象(ただし、ヒトを除く)における原子核双極子と電子殻との相互作用を、複数の電極によって生じる電場によって制御し、
前記制御を行うことによって前記イメージング対象中の核スピンの位置による共鳴周波数の相違を生じさせること、
を特徴とするNMRイメージング方法。 - NMRイメージング装置において、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用を制御するための電場を、円筒状または、楕円状または、長方形状の電極の多層構造によって生じさせる電場制御手段、
を備えたことを特徴とするNMRイメージング装置。 - NMRイメージング装置において、
イメージング対象における原子核双極子と電子殻との相互作用を制御するための電場を、対向配置された電極によって生じさせる対向電極用電場制御手段、を備え、
前記対向配置された電極のそれぞれは、
金属層と絶縁体層とを積層することによって構成され、
前記金属層のそれぞれは、
対向する金属層と接続されることにより所望の電圧を印加されるようにしたこと、
を備えたことを特徴とするNMRイメージング装置。
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