JP2003204159A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

Info

Publication number
JP2003204159A
JP2003204159A JP2002000846A JP2002000846A JP2003204159A JP 2003204159 A JP2003204159 A JP 2003204159A JP 2002000846 A JP2002000846 A JP 2002000846A JP 2002000846 A JP2002000846 A JP 2002000846A JP 2003204159 A JP2003204159 A JP 2003204159A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
conductor
insulating
insulating film
thermal expansion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002000846A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Oyamada
毅 小山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2002000846A priority Critical patent/JP2003204159A/ja
Publication of JP2003204159A publication Critical patent/JP2003204159A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板上に絶縁フィルム層による絶縁層を形成
した多層配線基板において、チップ部品等を実装する際
の加熱工程や温度サイクル試験等の耐環境試験において
発生する配線導体層と貫通導体との剥離を解消するこ
と。 【解決手段】 基板1上に有機樹脂から成る複数の絶縁
フィルム層4と配線導体層3とを絶縁フィルム層4間に
絶縁性接着剤層5を介して多層に積層接着するととも
に、上下に位置する配線導体層3同士をその間の絶縁フ
ィルム層4および絶縁性接着剤層5に設けた貫通孔6に
貫通導体7を配して電気的に接続して成る多層配線基板
であって、上下に位置する配線導体層3間における貫通
導体7が配された部分の平均熱膨張係数が絶縁フィルム
層4と絶縁性接着層5との平均熱膨張係数の0.7倍以上
1.5倍以下とされていることから、クラックの発生に至
らず貫通導体7と配線導体層3との間で剥離することが
なくなる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は多層配線基板に関
し、より詳細には混成集積回路装置や半導体素子を収容
する半導体素子収納用パッケージ等に使用される多層配
線基板に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、混成集積回路装置や半導体素子収
納用パッケージ等に使用される多層配線基板としては、
配線導体層を高密度に形成することを目的として、基板
上に薄膜の絶縁層と配線導体層とから成る多層配線部を
形成した多層配線基板が採用されていた。 【0003】かかる多層配線基板は、酸化アルミニウム
質焼結体等から成る基板の上面に、スピンコート法等に
よって形成されるポリイミド樹脂等から成る薄膜の絶縁
層と、銅やアルミニウム等の金属から成り、めっき法や
蒸着法等の薄膜形成技術およびフォトリソグラフィー技
術を採用することによって形成される配線導体層とを交
互に多層に積層させた構造を有している。 【0004】しかしながら、スピンコート法によってポ
リイミド樹脂から成る絶縁層を形成した場合、所望の厚
みに絶縁層を形成するには多数回に分けてポリイミド樹
脂の前駆体を塗布する必要があり、さらにその後にポリ
イミド樹脂の前駆体をポリイミド化させるキュア工程が
必要となるため、製造工程が長くなるという問題点があ
った。 【0005】そこで、ポリイミド樹脂等から成る複数の
絶縁フィルム層を間にビスマレイミドトリアジン樹脂等
から成る絶縁性接着剤層を介して積層して成る絶縁層を
用いる多層配線基板が採用されてきている。 【0006】かかる多層配線基板における絶縁層の形成
は、まず絶縁フィルムに絶縁性接着剤をドクターブレー
ド法等を用いて塗布し乾燥させたものを準備し、この絶
縁フィルム層を基板や下層の絶縁フィルム層の上面に間
に絶縁性接着剤層が配されるように積み重ね、これを加
熱プレス装置を用いて加熱加圧し接着することにより行
なわれる。 【0007】また、上下に位置する配線導体層間の電気
的接続は、レーザやドライエッチング等の手法により絶
縁フィルム層および絶縁性接着剤層に貫通孔を形成し、
その後、貫通孔の内壁に真空成膜法やめっき法により貫
通導体を形成することにより行なわれている。 【0008】この配線導体層や貫通導体は以下の(1)
〜(5)の工程を含む製造方法で形成されている。 (1)レーザにより開口された貫通孔の内部を過マンガ
ン酸カリウム溶液等の粗化液で粗化する。 (2)この粗化した面にめっき触媒としてPd等を付与
し、その後、無電解めっきにより下地導体膜を形成す
る。 (3)次に、下地導体膜の上にフォトレジストを塗布す
るとともにこれに露光・現像を施すことによって、下地
導体層のうち上層の主導体層を形成する部分に所定形状
の窓部を形成する。 (4)次に、フォトレジストの窓部に露出させた下地導
体層を電極として電解めっき皮膜を3〜10μmの厚みに
形成する。これによって上層の主導体層の部分に相当す
る露出した下地導体層上にめっき皮膜が形成され、その
他の部分はフォトレジストに覆われているためにめっき
皮膜が形成されず、上層の配線導体層および貫通導体に
相当する部分にのみ主導体層が形成される。 (5)このようにして所定の厚さの主導体層を形成した
後、フォトレジストを剥離除去し、次に、主導体層をエ
ッチングレジストとして先に電解めっき用電極として使
用した下地導体層の一部をエッチングすることによっ
て、上層の配線導体層および貫通導体が形成される。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような絶縁フィルム層を間に絶縁性接着剤層を介して加
熱加圧し接着する多層配線基板においては、貫通導体,
絶縁フィルム層,絶縁性接着剤層とりわけ貫通導体と絶
縁性接着剤層の熱膨張係数に大きな差があるため、多層
配線基板にチップ部品等を実装する際の加熱工程や温度
サイクル試験等の耐環境試験の熱により応力が生じ、そ
の応力は配線導体層の上面と貫通孔とが接する部分に集
中することとなる。この応力の集中する配線導体層の上
面と貫通孔とが接する部分と、貫通導体の底面と接する
配線導体層の上面との界面が一直線上になり、その界面
の接着力が低い場合には界面方向にクラックが生じ配線
導体層と貫通導体の剥離が発生するという問題点があっ
た。 【0010】本発明は上記従来技術における問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的は、チップ部品等を
実装する際の加熱工程や温度サイクル試験等の耐環境試
験において発生する配線導体層と貫通導体の底面との剥
離を抑制した、電気的接続信頼性に優れた多層配線基板
を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、基板上に有機樹脂から成る複数の絶縁フィルム層と
配線導体層とを前記絶縁フィルム層間に絶縁性接着剤層
を介して多層に積層接着するとともに、上下に位置する
配線導体層同士をその間の前記絶縁フィルム層および絶
縁性接着剤層に設けた貫通孔に貫通導体を配して電気的
に接続して成る多層配線基板であって、上下に位置する
前記配線導体層間における前記貫通導体が配された部分
の平均熱膨張係数が前記絶縁フィルム層と前記絶縁性接
着層との平均熱膨張係数の0.7倍以上1.5倍以下とされて
いることを特徴とするものである。 【0012】本発明の多層配線基板によれば、貫通導体
により電気的に接続される上下に位置する配線導体層を
仮想の平行平面としたときに、その配線導体層間におけ
る貫通導体が配された部分の平均熱膨張係数を絶縁フィ
ルム層と絶縁性接着層との平均熱膨張係数に対して0.7
倍以上1.5倍以下と近似させているため、チップ部品等
を実装する際の加熱工程や温度サイクル試験等の耐環境
試験において貫通導体が配された部分と絶縁フィルム層
および絶縁性接着剤層との熱膨張差による応力の発生が
抑えられる。これにより、その応力は下側の配線導体層
の上面と貫通孔の底部とが接する部分に作用するもの
の、クラックの発生には至らず貫通導体と配線導体層と
の間で剥離することもなくなる。 【0013】これにより、上下に位置する配線導体層間
の導通不良の発生がなくなり、電気的接続信頼性の優れ
た多層配線基板となる。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を詳
細に説明する。 【0015】図1は本発明の多層配線基板の実施の形態
の一例を示す断面図であり、図2は図1に示す多層配線
基板における貫通導体の周辺の状態を示す要部拡大断面
図である。これらの図において、1は基板、2は多層配
線部、3は配線導体層、4は絶縁フィルム層、5は絶縁
性接着剤層、6は貫通孔、7は貫通導体である。 【0016】基板1は、その上面に複数の絶縁フィルム
層4を間に絶縁性接着剤層5を介して積層した絶縁層と
配線導体層3とを多層に積層した多層配線部2が配設さ
れており、この多層配線部2を支持する支持部材として
機能する。 【0017】基板1は、酸化アルミニウム質焼結体,ム
ライト質焼結体等の酸化物系セラミックス、あるいは表
面に酸化物膜を有する窒化アルミニウム質焼結体,炭化
珪素質焼結体等の非酸化物系セラミックス、さらにはガ
ラス繊維から成る基材にエポキシ樹脂を含浸させたガラ
スエポキシ樹脂やガラス繊維から成る基材にビスマレイ
ミドトリアジン樹脂を含浸させたもの等の電気絶縁材料
で形成されている。 【0018】例えば、酸化アルミニウム質焼結体で形成
されている場合には、アルミナ,シリカ,カルシア,マ
グネシア等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混
合して泥漿状となすとともにこれを従来周知のドクター
ブレード法やカレンダーロール法を採用することによっ
てセラミックグリーンシート(セラミック生シート)を
形成し、しかる後、このセラミックグリーンシートに適
当な打ち抜き加工を施し、所定形状となすとともに高温
(約1600℃)で焼成することによって、あるいはアルミ
ナ等の原料粉末に適当な有機溶剤,溶媒を添加混合して
原料粉末を調整するとともにこの原料粉末をプレス成形
機によって所定形状に成形し、最後にこの成形体を高温
(約1600℃)で焼成することによって製作される。ま
た、ガラスエポキシ樹脂から成る場合は、例えばガラス
繊維から成る基材にエポキシ樹脂の前駆体を含浸させ、
このエポキシ樹脂前駆体を所定の温度で熱硬化させるこ
とによって製作される。 【0019】また、基板1には、その上面に複数の絶縁
フィルム層4を間に絶縁性接着剤層5を介して積層した
絶縁層と配線導体層3とを多層に積層した多層配線部2
が配設されている。この多層配線部2を構成する絶縁フ
ィルム層4は上下に位置する配線導体層3を電気的に絶
縁し、配線導体層3は電気信号を伝達するための伝達路
として機能する。 【0020】多層配線部2の絶縁層は絶縁フィルム層4
と絶縁性接着剤層5とから構成され、絶縁フィルム層4
はポリイミド樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,
全芳香族ポリエステル樹脂,フッ素樹脂等から成る。ま
た、絶縁性接着剤層5はポリアミドイミド樹脂,ポリイ
ミドシロキサン樹脂,ビスマレイミドトリアジン樹脂,
エポキシ樹脂等から成る。 【0021】絶縁層は、まず12.5〜50μm程度の絶縁フ
ィルムに絶縁性接着剤をドクターブレード法等を用いて
乾燥厚みで5〜20μm程度に塗布し乾燥させたものを準
備し、この絶縁フィルムを基板1や下層の絶縁層の上面
に間に絶縁性接着剤が配されるように積み重ね、これを
加熱プレス装置を用いて加熱加圧し接着することによっ
て形成される。 【0022】中でも、貫通導体7を銅または銅合金で形
成し、絶縁フィルム層4をポリイミド樹脂とし、絶縁性
接着剤層5をポリイミドシロキサン樹脂あるいはシロキ
サン変性ポリアミドイミド樹脂とする組み合わせにおい
ては、ポリイミドシロキサン樹脂あるいはシロキサン変
性ポリアミドイミド樹脂が絶縁フィルム層4との接着性
も良好で、かつ耐熱性が高く、また平均熱膨張係数が銅
と比較的近くなるため、貫通導体7と絶縁層との熱膨張
差も小さくなり本発明に好適である。 【0023】絶縁層には所定位置に絶縁フィルム層4お
よび絶縁性接着剤層5を貫通する貫通孔6が形成されて
おり、この貫通孔6内には貫通導体7が被着形成される
ことにより絶縁フィルム層4を挟んで上下に位置する配
線導体層3の各々を電気的に接続する接続路が形成され
る。 【0024】貫通孔6は、例えばレーザを使い絶縁フィ
ルム層4および絶縁性接着剤層5の一部を除去すること
により形成される。特に、貫通孔6の開口径が小さな場
合は、貫通孔6の内壁面の角度をコントロールすること
が容易で貫通孔6の内壁面が滑らかに加工される紫外線
レーザで形成することが望ましい。 【0025】各絶縁フィルム層4の上面に配設される配
線導体層3および貫通孔6内に配設される貫通導体7
は、銅,金,アルミニウム,ニッケル,クロム,モリブ
デン,チタンおよびそれらの合金等の金属材料をスパッ
タリング法,蒸着法,めっき法等の薄膜形成技術を採用
することによって形成することができる。 【0026】貫通導体7は配線導体層3と別々に形成し
てもよいが、これらは同時に形成した方が工程数を少な
くできるとともに両者の電気的な接続信頼性の点でも良
好である。また、配線導体層3と貫通導体7とを一体形
成する場合には、それぞれに所望の厚みのめっき膜を調
整して形成することができるように、主として電解めっ
き法を用いて形成しておくのがよい。 【0027】また、貫通孔6内は貫通導体7で完全に埋
め込まずに、貫通孔6の上部には貫通導体7の内側に凹
部を形成しておくのがよい。この貫通孔6の上部の貫通
導体7の内側の凹部には、貫通導体7が形成された絶縁
層上にさらに絶縁フィルム層4を加熱プレス機にて積層
し多層化する際に、絶縁性接着剤層5が充填される。そ
の結果、上下に位置する配線導体層3間において、貫通
孔6内に貫通導体7が配された部分の平均熱膨張係数
を、この貫通孔6が形成されている絶縁フィルム層4と
絶縁性接着層5との部分の平均熱膨張係数に近づけるこ
とができるようになる。このようにして、貫通孔6の上
部の貫通導体7の内側の凹部の深さを調整することによ
り、上下に位置する配線導体層3を仮想の平行平面とし
たときに、その配線導体層3間における貫通導体7が配
された部分の平均熱膨張係数を調整することができる。 【0028】このとき、上下に位置する配線導体3間に
おける貫通導体7が配された部分の平均熱膨張係数がそ
の貫通孔6が形成されている絶縁フィルム層4と絶縁性
接着層5との部分の平均熱膨張係数の0.7倍より小さい
と、チップ部品等を実装する際の加熱工程や温度サイク
ル試験等の耐環境試験において発生する熱膨張差による
応力が配線導体層3の上面と貫通孔6の底部とが接する
部分にクラックを発生させて貫通導体7と配線導体層3
との間で剥離を発生させ易くなる傾向がある。他方、1.
5倍より大きいと、熱膨張差により配線導体層3の上面
と貫通孔6の底部とが接する部分の絶縁層に引き剥がし
の応力を発生させて配線導体層3と絶縁性接着剤層5と
の間で剥離を発生させ易くなる傾向がある。このため、
上下に位置する配線導体3間における貫通導体7が形成
された部分の平均熱膨張係数は絶縁フィルム層4と絶縁
性接着層5との平均熱膨張係数の0.7倍以上1.5倍以下と
しておくのがよい。 【0029】これにより、チップ部品等を実装する際の
加熱工程や温度サイクル試験等の耐環境試験において熱
膨張差による応力の発生が抑えられ、その応力は配線導
体層3の上面と貫通孔6の底部とが接する部分に作用す
るものの、クラックの発生には至らず貫通導体7と配線
導体層3との間で剥離することもなくなる。 【0030】ここで平均熱膨張係数とは、単一材料で形
成された層の熱膨張係数とその厚みの積を複数層分足し
合わせたものをその厚みの和で除したものをいい、例え
ば、図1において絶縁フィルム層4を熱膨張係数が13
(×10-6/℃)でその厚みが12.5μmのポリイミド樹脂
とし、絶縁性接着剤層5を熱膨張係数が50(×10-6
℃)でその厚みが10μmのポリイミドシロキサン樹脂と
し、配線導体層3および貫通導体7を熱膨張係数が18
(×10-6/℃)の銅とし、貫通導体7が貫通孔6を埋め
込んでいる厚みを10μmとすると、貫通導体7が配され
た部分は絶縁性接着剤層5が12.5μmで貫通導体7が10
μmとなり、平均熱膨張係数は35.8(×10-6/℃)とな
る。また、絶縁フィルム層4と絶縁性接着層5との部分
は絶縁フィルム層4が12.5μmで絶縁性接着剤層5が10
μmとなり、平均熱膨張係数は29.4(×10-6/℃)とな
る。この場合は、貫通導体7が配された部分の平均熱膨
張係数は絶縁フィルム層4と絶縁性接着剤層5との平均
熱膨張係数の約1.22倍となる。 【0031】配線導体層3および貫通導体7の形成方法
は、例えば、まず広面積に銅層を主体としこの銅層の少
なくとも一方の主面に拡散防止層(バリア層)としての
クロム,モリブデン,チタン等を被着させて下地導体層
を形成する。次に、この上に所望のパターンにフォトレ
ジストを形成し、このフォトレジストをマスクにして主
導体層部分をメッキにて所望の厚みまで形成する。その
後、フォトレジストを剥離し、下地導体層をエッチング
にて除去することにより所望のパターンに加工すること
ができる。 【0032】なお、絶縁フィルム層4の最上層の主導体
層には、チップ部品の実装性および耐環境性の点から、
主導体層が銅層からなる場合にはその上にニッケル層や
金層を形成するとよい。 【0033】かくして、本発明の多層配線基板によれ
ば、基板1の上面に被着させた多層配線部2の上に半導
体素子や容量素子,抵抗器等の電子部品を搭載実装し、
電子部品の各電極を配線導体層3に電気的に接続するこ
とによって半導体装置や混成集積回路装置等となる。 【0034】なお、本発明は上記の例に限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々
の変更は可能である。例えば、上述の実施例においては
基板1の上面にのみ絶縁層と配線導体層3とから成る多
層配線部2を設けたが、多層配線部2を基板1の下面側
のみに設けても、上下の両面に設けてもよい。 【0035】 【実施例】絶縁フィルムとしてユーピレックスS(宇部
興産株式会社製ポリイミドフィルム、商品名、熱膨張係
数12×10-6/℃)の12.5μm厚みのものに絶縁性接着剤
としてシロキサン変性ポリアミドイミド(熱膨張係数50
×10-6/℃)を10μm厚みに塗布し、絶縁性接着剤層付
きの絶縁フィルム層を準備した。次に、配線導体層(第
1導体層)を形成したアルミナ基板(100mm角)に圧
力3MPa,260℃,60分間の加熱加圧条件で先の絶縁
フィルム層を絶縁性接着剤層を間にして積層し絶縁層
(第1絶縁層)を形成した。その後、エキシマレーザに
てφ30μmの貫通孔の加工を行ない、次いで、スパッタ
リング法にてCrとCuとの多層膜を形成し電解めっき
用の下地導体層を形成した。次に、配線導体層および貫
通導体を形成する以外の部分にフォトレジストをマスキ
ングし、電解硫酸銅めっきにて配線導体層および貫通導
体の主導体層のめっき膜を形成した。その後、フォトレ
ジストを剥離し、電解銅めっき用の下地導体層を除去す
ることにより、配線導体層(第2導体層)および貫通導
体(第1導体層と第2導体層とを接続する)を形成し
た。このとき、電解硫酸銅めっきの添加剤(上村工業株
式会社製スルカップAC−90および荏原ユージライト株
式会社製キューブライトVFII)およびめっき時間を変
えることにより、貫通孔の底部における貫通導体の厚み
を変え、貫通導体が配された部分の平均熱膨張係数が絶
縁フィルム層と絶縁性接着剤層との平均熱膨張係数の約
1.69〜0.65倍となるようにした。 【0036】次に、上記手順と同様の方法で第2絶縁
層,第3配線導体層,第2配線導体層と第3配線導体層
とを接続する貫通導体を形成した。また、第3配線導体
層には表層保護膜としてさらにニッケル層と金層を順次
形成した。 【0037】上記方法で900穴組の貫通導体の接続抵抗
値を測定できる試験片を製作し、リフロー通炉試験(26
0℃ピーク),温度サイクル試験(−55℃⇔125℃,1000
サイクル),高温放置試験(150℃,1000時間)を行な
い、貫通導体の接続抵抗値の変化率を評価した。判定は
初期値に対して±10%以上の変化を示したものを故障と
した。各試験における故障数/サンプル数の結果のまと
めを表1に示す。 【0038】 【表1】 【0039】表1に示すように、貫通導体が配された部
分の平均熱膨張係数が絶縁フィルム層と絶縁性接着剤層
との平均熱膨張係数の1.5倍より大きい1.69倍の場合
は、各試験後に貫通導体の接続抵抗値の大幅な変化が見
られた。そこで、この故障した貫通孔部の解析を行なっ
た結果、第2絶縁層を積層する際のプレス工程で発生し
たと考えられる貫通導体の変形および破断が確認され
た。 【0040】また、貫通導体が配された部分の平均熱膨
張係数が絶縁フィルム層と絶縁性接着剤層との平均熱膨
張係数の0.7倍より小さい0.65倍の場合も、各試験後に
貫通導体の接続抵抗値の大幅な変化が見られた。そこ
で、この故障した貫通孔部の解析を行なった結果、貫通
導体と第1配線導体層との間の剥離が確認された。この
剥離の原因は、絶縁層と貫通導体との熱膨張差により貫
通導体が押し上げられ剥離したことによるものと考え
る。 【0041】また、貫通導体が配された部分の平均熱膨
張係数が絶縁フィルム層と絶縁性接着剤層との平均熱膨
張係数の0.7倍以上1.5倍以内の範囲内にある0.75倍,1.
00倍,1.24倍および1.44倍の試験片では、貫通導体の接
続抵抗値の大幅な変化は見られなかった。 【0042】 【発明の効果】以上のように、本発明の多層配線基板に
よれば、貫通導体により電気的に接続される上下に位置
する配線導体層を仮想の平行平面としたときに、その配
線導体層間における貫通導体が配された部分の平均熱膨
張係数を絶縁フィルム層と絶縁性接着層との平均熱膨張
係数に対して0.7倍以上1.5倍以下と近似させているた
め、チップ部品等を実装する際の加熱工程や温度サイク
ル試験等の耐環境試験において貫通導体が配された部分
と絶縁フィルム層および絶縁性接着剤層との熱膨張差に
よる応力の発生が抑えられる。これにより、その応力は
下側の配線導体層の上面と貫通孔の底部とが接する部分
に作用するものの、クラックの発生には至らず貫通導体
と配線導体層との間で剥離することもなくなる。 【0043】これにより、上下に位置する配線導体層間
の導通不良の発生がなくなり、電気的接続信頼性の優れ
た多層配線基板となる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の多層配線基板の実施の形態の一例を示
す断面図である。 【図2】図1に示す多層配線基板における貫通導体の周
辺の状態を示す要部拡大断面図である。 【符号の説明】 1・・・・基板 2・・・・多層配線部 3・・・・配線導体層 4・・・・絶縁フィルム層 5・・・・絶縁性接着剤層 6・・・・貫通孔 7・・・・貫通導体

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板上に有機樹脂から成る複数の絶縁フ
    ィルム層と配線導体層とを前記絶縁フィルム層間に絶縁
    性接着剤層を介して多層に積層接着するとともに、上下
    に位置する前記配線導体層同士をその間の前記絶縁フィ
    ルム層および前記絶縁性接着剤層に設けた貫通孔に貫通
    導体を配して電気的に接続して成る多層配線基板であっ
    て、上下に位置する前記配線導体層間における前記貫通
    導体が配された部分の平均熱膨張係数が前記絶縁フィル
    ム層と前記絶縁性接着層との平均熱膨張係数の0.7倍
    以上1.5倍以下とされていることを特徴とする多層配
    線基板。
JP2002000846A 2002-01-07 2002-01-07 多層配線基板 Withdrawn JP2003204159A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000846A JP2003204159A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 多層配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002000846A JP2003204159A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 多層配線基板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003204159A true JP2003204159A (ja) 2003-07-18

Family

ID=27641123

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002000846A Withdrawn JP2003204159A (ja) 2002-01-07 2002-01-07 多層配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003204159A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276956A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Neopt Kk 照明ユニットおよびそれを用いた照明装置
CN103728339A (zh) * 2013-12-17 2014-04-16 上海交通大学 一种火电锅炉侧换热设备平均热阻的实时辨识方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005276956A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Neopt Kk 照明ユニットおよびそれを用いた照明装置
JP4744093B2 (ja) * 2004-03-23 2011-08-10 ネオプト株式会社 照明ユニットおよびそれを用いた照明装置
CN103728339A (zh) * 2013-12-17 2014-04-16 上海交通大学 一种火电锅炉侧换热设备平均热阻的实时辨识方法
CN103728339B (zh) * 2013-12-17 2016-08-17 上海交通大学 一种火电锅炉侧换热设备平均热阻的实时辨识方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3547423B2 (ja) 部品内蔵モジュール及びその製造方法
US7198996B2 (en) Component built-in module and method for producing the same
WO2007052799A1 (ja) 多層プリント配線基板及びその製造方法
JP2001007468A (ja) 配線基板,多層配線基板およびその製造方法
US20080128911A1 (en) Semiconductor package and method for manufacturing the same
JP5744210B2 (ja) 薄膜配線基板およびプローブカード用基板
JP3854160B2 (ja) 多層配線基板
JP4299601B2 (ja) 多層配線基板
JP2003204159A (ja) 多層配線基板
JP5996971B2 (ja) 多層配線基板およびそれを用いたプローブカード
JP4578254B2 (ja) 多層配線基板
JP2003069233A (ja) 多層配線基板
JP2005268259A (ja) 多層配線基板
JP4812287B2 (ja) 多層配線基板及びその製造方法
JP2004214586A (ja) 多層配線基板
JP3872329B2 (ja) 多層配線基板
JP3872339B2 (ja) 多層配線基板
JP4841234B2 (ja) ビアアレイキャパシタ内蔵配線基板の製造方法
JP4200664B2 (ja) 積層基板およびその製造方法
JP3798965B2 (ja) 多層配線基板
JP2003037365A (ja) 多層配線基板
JP4480431B2 (ja) 多層配線基板
JP2003158377A (ja) 多層配線基板
JP2006012921A (ja) 多層配線基板
JP2014107390A (ja) 配線基板およびそれを用いた多層配線基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040716

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20060904