JP2003204072A - 太陽電池出力の昇圧回路 - Google Patents
太陽電池出力の昇圧回路Info
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Abstract
電子機器の電源及び二次電池の充電の電源として用いる
際に必要な昇圧方法を提供する。 【解決手段】 昇圧対象である直列接続されておらず、
出力電力が0.5V程度の太陽電池単セルまたは、単セ
ルを複数並列接続した太陽電池モジュールである第1の
太陽電池と、第1の太陽電池で発電された電力を昇圧す
る昇圧手段と、昇圧手段の起動及び動作に必要な電圧を
供給するアモルファス太陽電池または、太陽電池モジュ
ールを含む第2の太陽電池とを有する。
Description
圧回路に係り、太陽電池をエネルギー源として利用する
電源、充電器及び、各種電気・電子機器や、太陽電池と
昇圧回路を一体化した太陽電池モジュールに用いるため
の太陽電池出力の昇圧回路に関する。
クリーンなエネルギーであり、また、軽量・薄型な特徴
を持ち、携帯機器への搭載に優れている。しかし、一般
的な太陽電池単セルの出力電圧は、0.5V程度と低い
ため、電気・電子機器を動作させたり、ニッカド電池や
ニッケル水素電池やリチウムイオン電池等の二次電池を
充電することはできない。このため、太陽電池を直列化
して電圧を上げることが一般的に行なわれている。しか
し、この直列接続には3つの大きな問題がある。1つ目
は、電気的な問題であり、構成する太陽電池の何割かが
影になると、太陽電池モジュール全体の何割かが影にな
ったのと同じ影響が発生し、出力が大幅に低下すること
である。特に、携帯機器に搭載した場合、太陽電池モジ
ュール全体が光を受光するのは難しく、また、太陽電池
モジュール全体が光を受光するように強いるのは、利用
者にとって使いづらい印象を与えることとなる。この現
象を避けるためには、太陽電池と並列にバイパスダイオ
ードを挿入しなければならない。
された太陽電池モジュールを作成するには、バイパスダ
イオードの付加に加え、直列接続するための太陽電池表
面と隣接する太陽電池裏面を繋ぐ配線やセル間の絶縁対
策が必要である。モジュール効率を高めるために、各太
陽電池セルは配線のための隙間やセル間絶縁のための隙
間を小さくする必要があり、精度良くセルを配置する技
術が要求される。これが太陽電池モジュールのコスト上
昇の一因になっている。
約される点である。モジュール効率を高めるため、セル
形状は四角形で、各セルの面積は同一となり、意匠的な
工夫を凝らし難いという問題がある。
来の技術として、出力電圧が2V弱と高いタンデム型太
陽電池を使うことで、直列接続を回避し、昇圧回路を使
い二次電池を充電する方法が特許3025106号に開
示されている。
来のタンデム型太陽電池を用いて二次電池を充電する方
法は、太陽電池を多層化し、セル内で各層を直列接続す
ることで出力電圧を上げるタンデム型太陽電池を用いる
ことで、初めて発現し得たものである。タンデム型太陽
電池は通常の太陽電池と比べ、製造工程が多く複雑なた
め、製造コストが高く、その使用は特殊な用途に限られ
ている。言い換えれば、タンデム型太陽電池以外の通常
の太陽電池では、出力電圧が0.5Vと低く、動作開始
に0.7V以上必要な昇圧回路が機能しないため、上記
方法は適用できず、太陽電池利用にかかるコストを低減
できない問題がある。
ブル機器へのエネルギー源として太陽電池を衣服表面に
設置することを考えた場合、太陽電池の発電環境として
極めて厳しい条件に置かれる。太陽電池は肩や背中、
胸、足、頭部などあらゆる部位に装着可能であるが、人
の移動に伴い、太陽光の入射方向は目まぐるしく変化す
ること、また、人体の形状に由来して単一の平面が得ら
れないため、全ての太陽電池セルが均一に発電すること
はできない。このため、上記の課題の1つ目で記載した
ように、発電量の少ないセルに全体の発電量が影響され
て、大幅に発電量が低下する問題がある。発電量の解決
策としては、人体に装着した太陽電池セルを全て並列接
続すればよく、発電電力は各セルの発電量の合計値にほ
ぼ等しくなるが、出力電圧が0.5V程度と低く、電気
・電子機器の電源や二次電池の充電源としては電圧が低
過ぎて利用できない。公知の昇圧回路の起動・動作電圧
の下限は0.7Vであり、直列接続していない太陽電池
から昇圧できないという問題がある。
で、直列接続していない通常の太陽電池を電気・電子機
器の電源及び二次電池の充電用の電源として用いること
を可能とする太陽電池出力の昇圧回路を提供することを
目的とする。
成図である。
ギー源として利用する電源、充電器及び各種電気・電子
機器に用いられる太陽電池出力の昇圧回路であって、直
列接続されておらず、出力電圧が0.5V程度の太陽電
池単セルまたは、単セルを複数並列接続した太陽電池モ
ジュールである第1の太陽電池101で発電された電力
を昇圧対象とし、第1の太陽電池101で発電された電
力を昇圧する昇圧手段102と、昇圧手段102の起動
及び動作に必要な電圧を供給するアモルファス太陽電池
または、太陽電池モジュールを含む第2の太陽電池10
4とを有する。
ギー源として利用する電源、充電器及び各種電気・電子
機器に用いられる太陽電池出力の昇圧回路であって、直
列接続されておらず、出力電力が0.5V程度の太陽電
池単セルまたは、単セルを複数並列接続した太陽電池モ
ジュールである第1の太陽電池で発電された電力を昇圧
対象とし、第1の太陽電池で発電された電力を昇圧する
昇圧手段と、直列接続したアモルファス太陽電池また
は、直列接続した太陽電池モジュールを含む第2の太陽
電池と、昇圧手段に起動及び動作に必要な電力を供給す
る方向を順方向とする整流特性を有する第1、第2の整
流素子と、を有し、第2の太陽電池で発電されて第1の
整流素子を介した電力と、第1の太陽電池で発電されて
昇圧手段により昇圧された電力の一部であり、第2の整
流素子を介した電力とのオア出力を、該昇圧手段に起動
及び動作に必要な電力として供給するように構成され
る。
設けられ、該昇圧手段により得られた昇圧電力の一部が
供給されると、定電圧や定電流のための出力制御を行な
う出力制御回路を更に有する。
て、出力制御回路の制御出力を受けて昇圧能力を制御す
る手段を有する。上記のように、本発明では、昇圧回路
を本電源である第1の太陽電池とは異なる第2の太陽電
池で駆動する構成とすることにより、本電源の出力電圧
が0.5V以下であっても高効率に昇圧した電圧を得る
ことができ、本電源として直列接続した複数の太陽電池
を用いる必要がないため、出力電圧の不安定を解消で
き、また、コスト的にも低減を図ることが可能となる。
発電電圧と昇圧対象である第1の太陽電池から得られた
昇圧出力の一部とダイオイードオア出力または、同等の
整流特性を有する整流素子(バイポーラトランジスタの
ベース・エミッタ間等)を用いたオア出力から昇圧回路
の起動及び動作に必要な電力を供給することで、昇圧回
路(手段)の昇圧能力を向上させることが可能となる。
ことにより、昇圧回路(手段)の起動時には、昇圧回路
(手段)の動作が当該出力制御回路の制御出力の影響を
受けず、安定した起動特性を得ることが可能となる。
の形態について説明する。
の形態を示す。
陽電池101の出力を昇圧対象とし、太陽電池104、
昇圧回路102から構成され、負荷としての二次電池1
03に電力を供給する。
電池101に光が入射すると起電力が生じる。太陽電池
101としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、ア
モルファスシリコン、化合物半導体を用いたものなど、
一般に広く普及しているものが使用できる。これらの太
陽電池の単一セルの出力電圧は、最大で0.5V強であ
る。太陽電池101で発電された電力は、昇圧回路10
2により昇圧されて負荷(二次電池)103に供給され
る。負荷103としては、電気・電子回路や二次電池が
接続される。昇圧回路102は、0.6V未満の電圧で
は動作することはできないので、太陽電池101にて駆
動することができないが、アモルファス太陽電池もしく
は、同等のコストで作成可能な直列接続された太陽電池
104から電力の供給を受ける構成にする。太陽電池1
04の面積は、昇圧回路102の消費電力を賄うだけで
よく、1〜3.3平方センチメートル程度の小さな素子
を用いることができる。
したアモルファス太陽電池104を用いることが有効で
ある。アモルファス太陽電池は、半導体プロセスにおい
て、直列接続できる特徴があり、上記の従来の技術で課
題となっていた種々の課題を解決することができる。
構成が有効で、スイッチ素子には駆動電力が極めて小さ
い特徴をもつMOSFETを用いる。このMOSFET
の駆動部には、CMOSロジックICによるマルチバイ
ブレータ発振回路を用いる。マルチバイブレータの発振
周波数は、発振回路の消費電力とブーストコンバータの
コイルのインダクタンスや定格電流から決定する。マル
チバイブレータの発振周波数とブーストコンバータのコ
イルのインダクタンス値とコイルの定格電流値は昇圧対
象である太陽電池101の発電能力によって決まる設計
上の項目であり、公知の技術であるので説明は省略す
る。
2の消費電力は極めて少なく10kHz動作時に10μ
W以下の電力で動作できる。CMOSロジックIC74
HC14をマルチバイブレータ回路に用いた昇圧回路の
起動及び動作電圧の最低電圧は1.2Vであった。大き
さ33mm×10mm、5セルが内部で直列接続された
アモルファス太陽電池を太陽電池104に用いた場合、
1100ルクス程度の明るさ以上で昇圧動作が確認でき
た。
向上する目的でスイッチ素子として大型のMOSFET
を用いたり、複数のMOSFETを並列接続すると、昇
圧回路102の消費電力が増加して昇圧回路102の起
動する最低照度を上昇させる原因となる。
2の実施の形態を示す。
力の向上を実現すると共に、昇圧回路の起動する最低照
度の上昇を招かない構成である。
における図2の構成にダイオード107、108を付加
している。
池104の電力を用い、昇圧動作が開始された後は、昇
圧された電力の一部を昇圧回路102に供給することで
昇圧能力を飛躍的に向上させている。太陽電池104の
電力と昇圧出力の一部とのダイオードオア出力を昇圧回
路に供給しているので、太陽電池104の電力は昇圧回
路のみに供給されるため、起動照度の低下を防ぐことが
できる。昇圧回路102は太陽電池104から電力の供
給を受けると起動し、昇圧動作が始まると、昇圧出力か
らダイオード108を通じて、昇圧回路102に電力を
供給する。この結果、昇圧回路102の昇圧能力が増加
する。太陽電池101による発電電力が大きくなればな
るほど、昇圧される電力が増加し、ダイオード108を
通じて昇圧回路102に供給される電力も増えるので、
昇圧回路の昇圧能力が増強されることとなり、好循環が
生まれる。なお、ダイオード107、108に替えて同
等の整流特性を有する整流素子(バイポーラトランジス
タのベース・エミッタ間等)を用いてもよい。
3の実施の形態を示す。
出力の昇圧回路の構成を示しており、前述の第2の実施
の形態における図3の昇圧回路に出力制御回路105を
付加した構成である。
た電力は、昇圧回路102により昇圧され、出力制御回
路105により定電圧や定電流や充電のための出力制御
を受けた後にダイオード109を通じて電気・電子回路
あるいは、二次電池である負荷103に供給される。昇
圧された電力の一部は出力制御回路105と昇圧回路1
02に供給される。昇圧回路102を起動するための太
陽電池104の電力は、ダイオード108の働きにより
昇圧回路102にのみ供給されるため、起動照度の低下
を防ぐことができる。ダイオード109により負荷10
3から出力制御回路105の方向に電流が逆流すること
はないので、負荷103に二次電池を用いた場合は、二
次電池の不要な放電を防ぐことができる。負荷103が
二次電池でない場合は、ダイオード109を省略しても
よい。また、出力制御回路105は、3端子シリーズレ
ギュレータを用いてもよいし、定電圧ダイオードを用い
た簡単な構成でもよい。
4の実施の形態における昇圧能力を可変にするための太
陽電池出力の昇圧回路の構成を示しており、前述の第3
の実施の形態における図4の昇圧回路において、出力制
御回路105から昇圧回路102に制御信号を送り、昇
圧能力を可変とすることで、制御目標を達成する構成に
ついて説明するための図である。
圧回路102の起動時に太陽電池104から電力を受け
て起動する。この時点では、昇圧出力が発生していない
か、出力制御回路105の最低動作電圧に達していない
ため、出力制御回路105からの制御信号は存在しなか
ったり、不定な動作をする。このため、不本意な制御信
号状態により起動し始めた昇圧回路が停止して、正常な
動作が行なわれない恐れがある。この問題を解決するに
は、以下の特徴を有する回路構成にする必要がある。
路102に不定な制御出力を与えないこと: ・起動時に出力制御回路105の制御信号出力端子はハ
イインピーダンスであること:出力制御回路105が不
定な制御信号を出力しないようにするためには、制御信
号出力段にハイポーラトランジスタなどの電流駆動素子
を用いることが有効である。当該素子では、オンするの
に電流が必要であり、昇圧回路起動時は、出力制御回路
105は、電流駆動素子を駆動するだけの能力を持って
いない。また、出力端子をハイインピーダンスにするこ
とで、昇圧回路102から出力制御回路105に電流が
流れ、昇圧回路の起動特性が劣化するのを防止すること
ができる。従って、出力制御回路105の制御信号出力
段には、オープンコレクタやゲート・ソース間に抵抗を
並列接続して電流駆動型にしたオープンドレイン構成を
とるのが有効である。回路構成の詳細については、実施
例において後述する。
る。
コンバータ構成の昇圧回路について説明する。
コンバータ構成の太陽電池出力の昇圧回路の構成を示
す。
れていない太陽電池201であり、また、昇圧回路20
2の出力端子217には、負荷203として定電流・定
電圧制御が可能な電子負荷(富士通伝送EULαXL1
50)を接続した。太陽電池201は、36平方センチ
メートルのシリコン多結晶でAM1.5の状況下にて開
放端出力電圧が0.56V発生するものを用いた。昇圧
回路202には、コイル206として、直流抵抗20ミ
リオーム、定格電流2A、インダクタンス値22マイク
ロヘンリーのものを用いた。スイッチ素子208には、
MOSFETとしてシリコニクス製Si9948DYを
用いた。ダイオード207には、ショトキーバリアダイ
オード東芝製CMS06を用いた。コンデンサ209に
は、三洋製電解コンデンサでESRが20ミリオーム、
キャパシタンス220マイクロファラドのものを用い
た。発振回路224は、汎用CMOSロジックゲートで
あるシュミットトリガ型インバータ74HC14による
マルチバイブレータ発振回路と出力電流強化のためのド
ライブ回路から構成した。
決定するキャパシタ210と抵抗211とシュミットト
リガ型インバータ213から構成したが、ここには、一
般的な低消費電力型の矩形波発振回路を用いることがで
きる。
バータ212及び214を並列にして用いた。ここで
は、一般的な低消費電力型のインバータやバッファタイ
プのロジックゲートを用いることができる。並列数は、
電流駆動能力と負荷の重さから決定すればよい。昇圧回
路202の電源として、前述の発振回路224のシュミ
ットトリガ型インバータ74HC14の電源端子215
への電力供給が必要であるので、ここに直列接続された
太陽電池204とコンデンサ216を接続した。太陽電
池204には、三洋製アモルファス太陽電池で5セル構
成の定格出力3.0V、3.2mA、型番AM1156
を用いた。コンデンサ216には三洋製OS電解コンデ
ンサ220マイクロファラドのものを用いた。太陽電池
201と太陽電池204は近接し、かつ、平面上に配置
した。
02を用い、光源から太陽電池表面までの距離と光源か
ら照度計の受光球までの距離が等しくなるようにして行
なった。
圧動作が始まることが確認された。発振回路224の発
振周波数を調整することで昇圧開始電圧が変化し、発振
周波数が1〜30kHz程度で昇圧開始電圧が最も高感
度であった。昇圧回路の駆動源に用いた太陽電池204
の出力電圧が1.1Vを超えると発振回路224は、発
振を始めるが、スイッチ素子208の駆動には至らな
い。太陽電池204の出力電圧が1.4Vを超えると昇
圧動作が始まることがわかった。照度が1100ルクス
のときに太陽電池204の出力電圧が1.4Vに達して
いた。窓際または、太陽光下では、十分な昇圧動作が得
られ、出力端子217には、20V以上の電圧が得られ
るが太陽電池204の出力電圧は1.9V程度であり、
定格の3.0Vには到達しないため、次に、昇圧回路起
動後の昇圧回路へのエネルギー供給の補強を行なった。
ロジック6個と当該ロジックへの電源供給端子をひとま
とめにした標準パッケージである。また、発振回路22
4は、74HC14の3個のインバータロジック21
2、213、214と抵抗211とコンデンサ210を
使用して構成されている。
1の実施例とは異なるブーストコンバータ構成の昇圧回
路について説明する。
コンバータ構成の太陽電池出力の昇圧回路の構成を示
す。
回路構成における、シュミットトリガ型インタバータ7
4HC14の電源端子215に、太陽電池204と昇圧
回路の昇圧出力とをショットキーダイオード218とシ
ョットキーダイオード219によるオア回路を介して印
加する構成とした。
にのみ供給され、ダイオード219により負荷203に
供給されることはないので、前述の第1の実施例に比
べ、起動照度が劣化することはない。
より昇圧回路が起動し、太陽電池201からの昇圧出力
が得られた。昇圧出力は、負荷203に供給されると同
時に出力の一部を電流制限抵抗220とダイオード21
9を介して昇圧回路202に供給する。すなわち、発振
回路を構成するシュミットトリガ型インバータ74HC
14の電源端子215に供給した。昇圧出力からのエネ
ルギー供給が昇圧回路202に開始されると、74HC
14の電源端子215の電圧が上昇し、発振回路224
の動作が安定すると同時に、昇圧回路202のスイッチ
素子208及び221を十分な駆動能力で駆動し始める
ため、スイッチ素子208及び221のオン抵抗を低く
することができる。この実験では、スイッチ素子208
及び221としてSi9948DYを用いたがオン抵抗
の合成値は10ミリオームを得た。これは、コイル20
6の直流抵抗が20ミリオームの場合、昇圧回路の直流
的な抵抗値は30ミリオーム程度となり、太陽電池20
1の発電電圧が0.3Vの時に最大10Aまでの発電電
流を太陽電池201から昇圧回路202に取り込めるこ
とを意味している。
202が起動すると、昇圧出力の一部を昇圧回路202
に供給するため、起動に用いた太陽電池204は不要と
なる。
圧出力は7Vを超えるため、負荷203に富士通電装電
子負荷EULαXL150を接続し、定電圧動作に設定
した。
象である直列接続されていない太陽電池201の出力電
圧Vinを変化させたときの実験結果の一例である。
電圧動作の5.00Vに設定した。昇圧回路の出力端子
217における出力電圧と出力電流から昇圧出力を測定
した。この結果から、太陽電池201の出力電圧が0.
1Vでも昇圧出力が得られること、8割台の高い変換効
率が得られることがわかる。実験に用いたマルチバイブ
レータによる矩形発振回路は、ディユーティ比を変化さ
せる構成としなかったので、例えば、太陽電池201の
出力電圧Vinが0.5Vのときの太陽電池201から
の供給電流Iinが330ミリアンペアとなっている。
しかし、ディユーティ比を調節できる別な矩形波発振回
路による実験において、ディユーティ比を増加させるこ
とで、太陽電池201からの出力電流Iinが1500
ミリアンペアを超えても昇圧回路202が取り込めるこ
とを確認した。 なお、上記の74HC14は、インバ
ータロジック6個と当該ロジックへの電源供給端子をひ
とまとめにした標準パッケージである。また、発振回路
224は、74HC14の3個のインバータロジック2
12、213、214と抵抗211とコンデンサ210
を使用して構成されている。
機能を有するブーストコンバータ構成の昇圧回路につい
て説明する。
陽電池出力の昇圧回路の構成を示す。
用CMOSロジックゲートであるシュミットトリガ型2
入力NAND(74HC132)によるマルチバイブレ
ータ発振回路と出力電流強化のためのドライブ回路から
構成した。マルチバイブレータ回路は、発振時定数を決
定するキャパシタ233と抵抗232とシュミットトリ
ガ型2入力NAND234から構成したが、この他に
も、発振回路外部から発振状態の制御が可能な低消費電
力型の矩形波発振回路を用いることができる。ドライブ
回路は、シュミットトリガ型2入力NANDゲート23
5、236及び237を並列にして用いた。ここには、
電流駆動能力の優れた低消費電力型のインバータタイプ
のロジックゲートを用いるとよい。並列数は負荷の重さ
に応じて決定すればよい。昇圧回路244の電源として
シュミットトリガ型2入力NAND74HC132の電
源端子230への電力供給が必要であるので、ここに直
列接続された太陽電池204をダイオード218を介し
て接続した。太陽電池204には、三洋製アモルファス
太陽電池で大きさが3.3平方センチメートル、5セル
構成の定格出力3.0V、3.2mA、型番AM115
6を用いた。コンデンサ216には、三洋製低ESR型
電解コンデンサ220マイクロファラドのものを用い
た。前述の電源端子230には、前述の第2の実施例と
同様に太陽電池204の発電出力と昇圧回路244の昇
圧出力とをダイオード218及び219によるOR構成
として接続した。
は電源端子230にのみ供給でき、また、昇圧出力から
太陽電池204に逆流することなく電源端子230に昇
圧出力の一部を供給することができる。昇圧出力から電
源端子230に昇圧出力の一部を供給する際に、電流制
限抵抗220を挿入することで電源端子230に過大な
電力が供給されるのを防ぎ、昇圧回路の変換効率を向上
することができる。
イオード207とダイオード238には、順方向降下電
圧が小さい特徴を持つショットキーバリアダイオードを
用いるとよい。本実施例では、東芝製CMS06を用い
た。
出力を昇圧回路244により昇圧する際に昇圧出力を定
電圧化するための回路構成例である。昇圧出力を一定電
圧に制御するか、あるいは、一定電流に制御するかは、
この昇圧回路の本質ではなく、公知の出力制御技術が利
用可能である。ここで、必要なのは、これら出力制御回
路が必要とする電力をどこから得ているかということと
制御信号のインタフェース方法である。昇圧対象である
太陽電池201の出力電圧は、0.4V程度、最大でも
0.5V強である。このような低電圧で一般的な出力制
御回路を構成するコンパレータや基準電圧源を駆動する
ことは不可能である。もう一つのエネルギー源である太
陽電池204は、昇圧回路244の起動動作に必要なエ
ネルギーを供給するためのものであり、ごく小面積の太
陽電池の利用を前提にしている。仮に、太陽電池204
からエネルギーを流用すると、太陽電池204の出力電
圧低下を招き、本昇圧回路の低照度動作の特性を著しく
低下させるか、昇圧回路244の起動ができない事態を
招くこととなる。出力制御回路は、昇圧回路244から
昇圧出力が発生している時のみ機能すれば良い。従っ
て、図8のように、直列接続されていない太陽電池20
1の昇圧出力から電圧を得るように接続することで、本
昇圧回路の低照度動作の特性を全く劣化させることな
く、公知の出力制御手段を利用することができる。
いて説明する。定電圧制御や定電流制御などの出力制御
は、昇圧回路244の昇圧動作に働きかけて昇圧能力を
調節することで実現する。ここで、出力制御手段が昇圧
回路244の昇圧出力から電力を得て動作している場
合、昇圧回路244から昇圧出力が得られるまでは、出
力制御手段は動作することができない。昇圧回路内の発
振回路がこの出力制御手段からゼロボルトでない発振許
可信号を受けて発振し、昇圧動作を実現する場合以下の
問題が発生する。
ロジックのハイレベルに相当する発振許可信号を受信す
ることで、発振を開始し昇圧動作が行なわれる。昇圧回
路244が起動する際には、昇圧出力はまだ発生してい
ないため、出力制御手段から発振許可信号を得ることが
できないので、発振回路は発振することができない。従
って、昇圧動作ができず昇圧出力が得られない。そこ
で、図8のように、発振制御端子260を電源端子23
0に抵抗231とコンデンサ245による積分回路を介
して接続する。また、発振許可信号出力時以外の出力制
御回路の出力端子のインピーダンスを高くするため、制
御信号の出力端子の回路構成をオープンドレインかオー
プンコレクタ構成になるようにする。この回路構成で
は、起動時の発振制御端子260の電圧は、電源端子2
30の電源電圧とほぼ等しいため、ロジックハイレベル
を安定して得られる特徴を持つ。
る電力消費要因は存在しない。上記の問題を克服する直
列接続されていない太陽電池出力の昇圧手段のための出
力制御方法として、定電圧出力制御の例を本実施例にお
いて示し、定電圧制御動作について説明する。
構成のコンパレータ241と基準電圧源242とバイア
ス抵抗239及び出力電圧値設定のための出力電圧抵抗
240及び243から構成され、図8のように結線し
た。コンパレータ241は、オープンドレイン出力もし
くは、オープンコレクタ構成以外の場合でもコンパレー
タ出力端子にN型MOSFETかNPN型バイポーラト
ランジスタを介して発振制御端子260に接続すること
も可能である。
られていないため、コンパレータ241の出力段のN型
MOSFETあるいは、NPNトランジスタはオフ状態
にあり、発振制御端子260の電圧が上昇して、昇圧回
路内のマルチバイブレータが発振を開始し、昇圧出力が
得られる。分割抵抗240と243による昇圧電圧の分
割電圧が基準電圧源242の電圧より高くなると、コン
パレータの出力は電流を引き込むので発振制御端子26
0は、ロジックローレベルになり、発振を停止し、昇圧
動作が停止する。出力電圧が前述の分割抵抗240と2
43による設定値以下になるとコンパレータのオープン
ドレイン出力回路はオフし、昇圧発振制御端子260の
電圧が積分回路を介して電圧を上昇し、ロジックハイレ
ベルになると、昇圧回路244が発振を再開して昇圧動
作を行い、出力電圧が一定になるように制御される。
4は近接し、かつ、平面上に配置した。照度の測定は、
照度計に横河電機製510−02を用い、光源から太陽
電池表面までの距離と光源から照度計の受光球までの距
離が等しくなるようにして行なった。実験の結果、照度
が800ルクスから発振動作が始まることが確認され
た。発振回路の発振周波数を調整することで昇圧開始電
圧が変化し、発振周波数が1〜30kHz程度で昇圧開
始電圧が最も高感度であった。昇圧回路の駆動源に用い
た太陽電池204の出力電圧が0.95Vを超えると発
振回路は発振を始めるが、スイッチ素子208の駆動に
は至らない。照度が1100ルクスのときに太陽電池2
04の出力電圧が1.2Vに達し、昇圧動作が始まるこ
とがわかった。窓際や太陽光下では十分な昇圧動作が得
られ、分割抵抗240と243で設定した出力電圧が出
力端子217から得られた。
機能を有するブーストコンバータ構成の昇圧回路につい
て説明する。
機能を有するブーストコンバータ構成の直列接続されて
いない太陽電池出力の昇圧回路の構成を示す。
回路構成同様に出力制御回路の制御出力により、昇圧回
路244の発振制御端子260を介して昇圧能力を調節
して定電圧出力動作を実現するものである。前述の第3
の実施例との差異は、昇圧回路244の発振制御端子2
60がロジックローレベルの時に発振回路が動作し、昇
圧回路を動作させることで、第3の実施例では必要であ
った電源端子230からのバイアス回路を不要とするも
のである。
レベルの時に発振回路の動作が停止するので、コンパレ
ータ出力の後にPNPトランジスタ272或いは、P型
MOSFETによるレベルシフト回路を付加する。抵抗
273と274は、PNPトランジスタ272のバイア
ス抵抗である。
ダウン抵抗、抵抗271は、PNPトランジスタ272
からの過電流防止と発振回路制御端子への過電圧印加に
よるラッチアップを防止するものである。コンデンサ2
75は、発振回路制御端子の耐ノイズ特性を向上するた
めのものである。
る。
から出力電圧が発生すると、電源端子230の電圧が上
昇し、シュミットトリガ型2入力NANDロジックゲー
ト74HC132が動作可能な状態となる。昇圧出力は
ないので、発振回路制御端子260は、プルダウン抵抗
270によりロジックローレベルにあり、発振回路は発
振を開始し、昇圧回路が起動し昇圧出力が発生する。昇
圧出力電圧が分割抵抗240と243により分割された
電圧と基準電圧源242の電圧とをコンパレータ241
にて比較し、昇圧出力電圧の方が高圧電圧であるとき
は、コンパレータ241は、後段のPNPトランジスタ
272をオンするように正入力端子と負入力端子を接続
する。トランジスタ272が、オンすると昇圧出力から
プルダウン抵抗270に電流が流れ、発振回路制御端子
がロジックハイレベルとなり、発振動作が停止して昇圧
動作が停止する。
コンパレータ出力はオフとなり、PNPトランジスタ2
72は、オフするので発振回路制御端子260は、ロジ
ックローレベルとなる。このため、発振回路が動作して
昇圧動作が再開されるので出力電圧は一定電圧に制御さ
れる。
ることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用
が可能である。
いない太陽電池の昇圧回路によれば、直列接続されてい
ない太陽電池の出力電圧が0.5V以下であっても何等
問題なく、高効率に昇圧した電圧を得ることができるの
で、従来の直列接続した太陽電池で問題であった、構成
する太陽電池の何割かが影になると、太陽電池モジュー
ル全体の何割かが影になったのと同じ効果が発生し、出
力が大幅に低下する問題を解決することができる。
ュールを作成するには、バイパスダイオードの付加に加
え、太陽電池表面と隣接する太陽電池裏面を繋ぐ配線や
セル間の絶縁対策が必要であり、モジュール効率を高め
るためには、各太陽電池セルにおいて、配線のための隙
間やセル間絶縁のための隙間を小さくし、かつ、精度よ
くセルを配置する技術が要求されるため、コスト高の太
陽電池モジュールとなっていた。これに対し、本発明を
適用することで、直列接続する必要がないので、太陽電
池モジュールのコストを低減できる。
め、セル形状は四角形となり、意匠的な工夫を凝らすこ
とが困難であったが、発電対象である太陽電池を直列接
続する必要がないので、本発明により、様々な形状の太
陽電池を並列接続して用いることができ、太陽電池モジ
ュールの形状の制約から開放される。
成の太陽電池出力の昇圧回路の構成図である。
成の太陽電池出力の昇圧回路の構成図である。
路の構成図である。
ブーストコンバータ構成の直列接続されていない太陽電
池出力の昇圧回路の構成図である。
次電池 104 第2の太陽電池、太陽電池 107,108,109 ダイオード 201 昇圧対象である直列接続れていない太陽電池 202 昇圧回路 203 負荷 204 太陽電池 205 コンデンサ 206 コイル 207 ダイオード 208 N型MOSFET 209,210 コンデンサ 211 抵抗 212,213,214 シュミットトリガ型インバー
タゲート 215 シュミットトリガ型インバータゲートIC74
HC14の電源端子 216 コンデンサ 217 出力端子 218,219 ダイオード 220 抵抗 221 N型MOSFET 224 発振回路 230 シュミットトリガ型2入力NANDゲートロジ
ックIC74HC132 231,232 抵抗 233 コンデンサ 234,235,236,237 シュミットトリガ型
2入力NANDゲート 238 ダイオード 239,240 抵抗 241 コンパレータ 242 基準電圧源 243 抵抗 244 昇圧回路 245 コンデンサ 260 制御端子 270,271 抵抗 272 PNPトランジスタ 273,274 抵抗
Claims (4)
- 【請求項1】 太陽電池をエネルギー源として利用する
電源、充電器及び各種電気・電子機器に用いられる太陽
電池出力の昇圧回路であって、 直列接続されておらず、出力電圧が0.5V程度の太陽
電池単セルまたは、単セルを複数並列接続した太陽電池
モジュールである第1の太陽電池で発電された電力を昇
圧対象とし、 前記第1の太陽電池で発電された電力を昇圧する昇圧手
段と、 前記昇圧手段の起動及び動作に必要な電圧を供給するア
モルファス太陽電池または、太陽電池モジュールを含む
第2の太陽電池とを有することを特徴とする太陽電池出
力の昇圧回路。 - 【請求項2】 太陽電池をエネルギー源として利用する
電源、充電器及び各種電気・電子機器に用いられる太陽
電池出力の昇圧回路であって、 直列接続されておらず、出力電力が0.5V程度の太陽
電池単セルまたは、単セルを複数並列接続した太陽電池
モジュールである第1の太陽電池で発電された電力を昇
圧対象とし、 前記第1の太陽電池で発電された電力を昇圧する昇圧手
段と、 直列接続したアモルファス太陽電池または、直列接続し
た太陽電池モジュールを含む第2の太陽電池と、 前記昇圧手段に起動及び動作に必要な電力を供給する方
向を順方向とする整流特性を有する第1、第2の整流素
子と、 を有し、 前記第2の太陽電池で発電されて前記第1の整流素子を
介した電力と、前記第1の太陽電池で発電されて前記昇
圧手段により昇圧された電力の一部であり、前記第2の
整流素子を介した電力とのオア出力を、該昇圧手段に起
動及び動作に必要な電力として供給するように構成され
たことを特徴とする太陽電池出力の昇圧回路。 - 【請求項3】 前記昇圧手段の後段に設けられ、該昇圧
手段により得られた昇圧電力の一部が供給されると、定
電圧や定電流のための出力制御を行なう出力制御回路を
更に有する請求項2記載の太陽電池出力の昇圧回路。 - 【請求項4】 前記昇圧手段は、 前記出力制御回路の制御出力を受けて昇圧能力を制御す
る手段を有する請求項3記載の太陽電池出力の昇圧回
路。
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竹内一平 外2名: "太陽電池単セルによる充電回路", 電子情報通信学会技術研究報告EE, vol. 101, no. 428, JPN6009009735, 9 November 2001 (2001-11-09), pages 31 - 37, ISSN: 0001313272 * |
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