JP2003203823A - グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法 - Google Patents

グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法

Info

Publication number
JP2003203823A
JP2003203823A JP2002001097A JP2002001097A JP2003203823A JP 2003203823 A JP2003203823 A JP 2003203823A JP 2002001097 A JP2002001097 A JP 2002001097A JP 2002001097 A JP2002001097 A JP 2002001097A JP 2003203823 A JP2003203823 A JP 2003203823A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
green sheet
holding substrate
suction head
suction
green
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002001097A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Fuchi
康雄 渕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2002001097A priority Critical patent/JP2003203823A/ja
Publication of JP2003203823A publication Critical patent/JP2003203823A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】グリーンシートの積層体の表面に変形を生じさ
せず、グリーンシートの積層体を簡単に吸着ヘッドから
取り外すことができるとともに、保持基板とグリーンシ
ートの積層体との熱収縮の違いによる反りの発生を防止
できるグリーンシートの積層方法を提供する。 【解決手段】受圧テーブル6上に、キャリアフィルム2
により裏打ちされたグリーンシート3を吸引保持する工
程と、吸着面10bを有する吸着ヘッド10を受圧テー
ブル6に近接させ、グリーンシート3をキャリアフィル
ム2から吸着ヘッド10上に移し替えて複数枚のグリー
ンシートを吸着面上に熱圧着積層させる工程とを備える
グリーンシートの積層方法において、吸着ヘッド10の
吸着面10b上に、金属製の保持基板17を吸着保持さ
せ、この保持基板17の上にグリーンシートを圧着し、
次にこのグリーンシート上に順次グリーンシートを熱圧
着積層する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受圧テーブル上
に、キャリアフィルムにより裏打ちされたグリーンシー
トを吸引保持し、吸着面を有する吸着ヘッドを受圧テー
ブルに近接させ、グリーンシートをキャリアフィルムか
ら吸着ヘッド上に移し替えて熱圧着積層させるグリーン
シートの積層方法およびこの積層方法を用いた積層型電
子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、積層コンデンサなどの積層型電子
部品を製造する方法として、キャリアフィルムに裏打ち
された連続状グリーンシートを受圧テーブル上にシート
送り機構により搬送、位置決めし、このグリーンシート
に切断刃を持つ吸着ヘッドを近接させ、切断刃によって
閉ループをなす切断線を形成した後、切断刃内にグリー
ンシートを熱圧着して積層体を形成する方法が知られて
いる(特許第2504276号公報参照)。ところが、
吸着ヘッドの吸着面には真空吸引装置と接続された吸引
穴が設けられており、この吸着面上にグリーンシートを
直接積層すると、吸着面に密着した最外層のグリーンシ
ートに吸引穴による吸引跡が生じるとともに、吸引穴に
対応する部分には圧力がかからず、デラミネーション等
の不良の原因となるという問題がある。また、吸着面に
グリーンシートが密着するため、吸着ヘッドから積層体
を取り外す際に、吸着面にグリーンシートの一部が残存
し、吸着面が汚染されるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、吸着ヘッドの
吸着面に保持基板またはフィルムを吸着保持し、この保
持基板にグリーンシートを熱圧着積層したものが提案さ
れている(特開平7−78725号公報)。保持基板と
しては、例えば表面が離型処理されたPETなどの弾性
シートが使用される。この場合には、吸着ヘッドとグリ
ーンシートとの間に保持基板が介在しているので、グリ
ーンシートの表面に吸引穴による吸引跡が発生するのを
防止でき、かつ吸引を停止するだけで、グリーンシート
の積層体と保持基板とを簡単に吸着ヘッドから取り外す
ことができる。
【0004】ところが、グリーンシートの積層体と保持
基板とを吸着ヘッドから取り外した時、急に冷やされる
ため熱収縮が起こり、保持基板とグリーンシートの積層
体との熱収縮の違いにより反りが発生するという問題が
あった。一般に、グリーンシートの積層体の方がPET
に比べて熱収縮が大きい。グリーンシートの積層体に対
しては、その後で熱圧着プレスを行う必要があるが、反
りが発生したままではプレス金型にセットできないの
で、従来では熱を加えたり、圧縮したりして反り戻し工
程を実施する必要があり、作業工程が増えるという不具
合があった。また、保持基板と積層体との熱収縮の違い
による反りを少なくするため、保持基板を厚くする方法
もあるが、これでは吸着ヘッドの熱がグリーンシートに
伝わりにくくなり、グリーンシート同士の熱圧着・積層
に不具合をきたす欠点がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、上述のような問
題点を解消できるグリーンシートの積層方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、受圧テーブル上に、キャ
リアフィルムにより裏打ちされたグリーンシートを吸引
保持する工程と、吸着面を有する吸着ヘッドと受圧テー
ブルとを近接させ、グリーンシートをキャリアフィルム
から吸着ヘッド上に移し替えて複数枚のグリーンシート
を吸着面上に熱圧着積層させる工程とを備えるグリーン
シートの積層方法において、上記吸着ヘッドの吸着面上
に、金属製の保持基板を吸着保持させ、この保持基板上
に上記グリーンシートを圧着し、次にこのグリーンシー
ト上に順次グリーンシートを熱圧着積層することを特徴
とするグリーンシートの積層方法を提供する。
【0007】本発明では、保持基板としてPETなどの
樹脂板ではなく、金属板を使用している。グリーンシー
トを積層した状態で保持基板を吸着ヘッドから取り外し
た時、保持基板と積層体との熱収縮差があっても、金属
製の保持基板は剛性が高いので、反りが発生しにくい。
そのため、反り戻し工程を実施する必要がない。また、
当然ながら、吸着ヘッドに吸引穴が設けられていても、
積層体の表面に吸引跡が残ることがない。さらに、積層
体を吸着ヘッドから取り外すとき、保持基板と一緒に取
り外せばよいので、吸着ヘッドにグリーンシートが残存
せず、取り外し作業が容易になるとともに、積層体にダ
メージが加わることがない。また、吸着ヘッドにヒータ
を設けた場合には、金属製保持基板の熱伝導性がよいの
で、ヒータの熱が保持基板に積層された積層体に効率よ
く伝達され、熱圧着性が向上するという特徴がある。
【0008】一般的なセラミックグリーンシート、PE
T、金属板の各熱膨張係数(×10-5/℃)、熱伝導率
(k/W/m-1・K-1)、弾性係数(E/Pa)は次の
通りである。
【0009】
【表1】
【0010】セラミックグリーンシートの場合、熱膨張
係数は組成により大きく変化し、1〜20×10-5/℃
である。PETは、上述のように幅方向と長手方向とで
熱膨張係数が異なり、特に長手方向の熱膨張係数が大き
い。一方、金属板の場合、PETと同様にセラミックグ
リーンシートとの熱膨張係数差が大きいが、PETに比
べて弾性係数が100倍以上であり、積層されたグリー
ンシートの熱収縮力による反りの発生を防止できる。ま
た、金属板の熱伝導率がPETに比べて50倍以上であ
り、熱伝導性が良好であるため、厚肉板を用いても熱伝
導性を低下させない。金属板としては、例えばSUS4
30,SK材,SC材,SUS304などを使用するこ
とができる。この中で、SUS430,SK材,SC材
は磁性を有するが、SUS304は磁性を有しない。
【0011】保持基板を吸着ヘッドに吸着保持する方法
として、請求項2のように、吸着ヘッドの吸着面に保持
基板を真空吸着する吸引穴を設け、金属板を吸着保持し
てもよい。真空吸引を解除することによって、金属板と
積層体とを吸着ヘッドから簡単に取り外すことができ
る。また、保持基板が磁性を有する金属板の場合には、
請求項3のように、吸着ヘッドに保持基板を吸着面に吸
着する磁石を設けてもよい。例えば電磁石を用いた場合
には、グリーンシートの積層中は電磁石を励磁して保持
基板を吸着ヘッドに吸着しておき、電磁石を消磁するこ
とにより金属板と積層体とを吸着ヘッドから簡単に取り
出すことができる。
【0012】請求項4のように、グリーンシートが積層
される保持基板の表面に、グリーンシート接着層を設け
るのがよい。金属板よりなる保持基板にグリーンシート
が接着された時、保持基板の性質によってはグリーンシ
ートと強く接着できず、キャリアフィルムからグリーン
シートを剥離する際に逆に保持基板から剥離してしまう
可能性がある。そこで、保持基板の表面にグリーンシー
トとの接着性のよい接着層を設けることで、グリーンシ
ートを強く接着でき、積層作業を効率良く行なうことが
できる。
【0013】請求項5のように、キャリアフィルム上に
連続的に形成された連続グリーンシートから所定の大き
さの方形グリーンシートを切断する切断刃を吸着ヘッド
に設け、方形グリーンシートを切断刃の内側に配置され
た保持基板上に積層するのがよい。すなわち、キャリア
フィルム上の連続グリーンシートをカッティングヘッド
で方形グリーンシートに切断した後、別の吸着ヘッドを
方形グリーンシート上に密着させ、方形グリーンシート
をキャリアフィルムから剥離するとともに積層する方法
もあるが、この場合には、切断された方形グリーンシー
トと吸着ヘッドとの位置合わせが必要になる。これに対
し、吸着ヘッドに切断刃を設ければ、吸着ヘッドを受圧
テーブル上の連続グリーンシートに押し付けることによ
り、切断刃によるグリーンシートの切断、方形グリーン
シートへの圧着、切断刃の内側への積層を一工程で実施
できるので、位置合わせの必要がなく、作業効率が向上
するとともに、位置精度も高い。
【0014】本発明の金属製保持基板は、グリーンシー
トの積層工程だけでなく、その後の熱プレス工程および
チップ状へのカット工程にも用いることができる。すな
わち、請求項6では、複数の方形グリーンシートを保持
基板上に熱圧着積層した後、グリーンシートの積層体を
保持基板に接着したまま吸着ヘッドから取り外し、吸着
ヘッドから取り外されたグリーンシートの積層体を保持
基板とともに熱プレスし、プレス後のグリーンシートの
積層体を保持基板に接着したままチップ状にカットし、
積層型電子部品を得ている。このように保持基板を熱プ
レス時の加圧金型として用いることができるので、積層
工程の後工程にそのまま送ることができる。さらに、積
層体が金属板に固定されているため、この金属板の外形
を基準として位置決めが可能であり、位置決め機構が単
純になるとともに、積層体にダメージを与えることな
く、取り扱いが容易となる。なお、保持基板を加圧金型
として用いる場合には、平面度が十分でたもの(好まし
くは10μm以下)とするのがよい。
【0015】本発明にかかる金属製保持基板の厚みは、
グリーンシートの積層体の搬送時における反りを防止す
るのに十分な剛性を備え、かつ軽量化のために0.5〜
2mmとするのが好ましい。一方、保持基板を熱プレス
用の治具にも使用するのであれば、より高い剛性が必要
とされるので、3〜5mmとするのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は本発明にかかるグリーンシ
ートの積層装置の第1実施例を示す。連続体シート1
は、図2に示すように、長尺なキャリアフィルム2の上
に薄層のセラミックグリーンシート3を連続的にシート
成形したものであり、グリーンシート3の表面には所定
ピッチ間隔で電極パターン4が印刷等にて形成されてい
る。
【0017】連続体シート1はシート送り機構(図示せ
ず)によって印刷面を上向きにして定尺ずつ間欠搬送さ
れ、受圧テーブル6の上に送られる。受圧テーブル6
は、グリーンシート3を熱圧着に適した温度(例えば7
0℃〜150℃)に加熱するためのヒータ7と、連続体
シート1の裏面を吸着保持する吸引穴8とを備えてお
り、上記連続体シート1の電極パターン4が形成された
部位を位置決めすることができる。
【0018】受圧テーブル6の上方には、吸着ヘッド1
0が配置されている。吸着ヘッド10は、その上面に突
設したガイド軸11を固定台12に設けたガイド13に
挿通することにより、上下動自在に支持されている。吸
着ヘッド10の上面中央部には、固定台12に固定され
たシリンダ等の加圧離反機構14の可動ロッド14aが
係合する係合部10aが設けられており、吸着ヘッド1
0は加圧離反機構14によって上下方向に駆動され、受
圧テーブル6に対して接近・離反可能である。加圧離反
機構14は、熱圧着に適した加圧力、例えば5〜50M
Paでの加圧が可能である。吸着ヘッド10の内部に
は、熱圧着時にグリーンシート(積層体5)を熱圧着に
適した温度(例えば70℃〜150℃)に均一に加熱す
ることができるヒータ15が設けられている。
【0019】この実施例の吸着ヘッド10には、吸着手
段である磁石16が固定されており、この磁石16の磁
力により保持基板17が下面(吸着面)10bに吸着保
持されている。保持基板17は、SUS430,SK
材,SC材のような磁性金属板で構成され、平坦度が1
0μm以下の平板がよい。保持基板17は、後述する積
層体5とともに吸着ヘッド10から取り外した時、積層
体5の熱収縮力によって撓みが発生しないだけの剛性を
備えたものが望ましい。磁石16としては永久磁石でも
よいが、磁力を制御できる電磁石を用いてもよい。ま
た、吸着ヘッド10自体は非磁性材料で形成するのがよ
い。
【0020】吸着ヘッド10の周囲には、グリーンシー
ト3に閉ループ状の切断線CL(図2参照)を形成する
切断刃18が配置されている。切断刃18は環状のホル
ダ18aに固定されており、ホルダ18aは固定台12
の支持台12a上に支持された切断刃駆動手段19によ
って吸着ヘッド10に対して上下動可能である。なお、
切断刃18は枠状に組み合わせた一体刃でもよいし、独
立に駆動可能な4枚の刃で構成してもよい。
【0021】次に、上記構成よりなるグリーンシートの
積層装置の動作を説明する。まず、連続体シート1が受
圧テーブル6上に搬送され、吸引穴8から吸引すること
で位置決めされる。連続体シート1のキャリアフィルム
2上には連続グリーンシート3がシート成形され、グリ
ーンシート3の上にはスクリーン印刷等により電極パタ
ーン4が所定ピッチ間隔で形成されている(図2参
照)。次に、加圧離反機構14によって吸着ヘッド10
を下方へ駆動すると同時に、切断刃駆動手段19によっ
て切断刃18を降下させる。そして、切断刃18を先に
連続グリーンシート3に押し当て、グリーンシート3に
閉ループ状の切断線CLを形成する。切断刃18による
切断の後、吸着ヘッド10の吸着面10bに吸着された
保持基板17を切断された方形グリーンシートに熱圧着
させる。保持基板17と方形グリーンシートは、共にヒ
ータ15,7によって加熱されているので、グリーンシ
ートに含まれるバインダが溶融して保持基板17に接着
される。なお、吸着ヘッド10の熱圧着時に切断刃18
がキャリアフィルム2を切断しないように、切断刃18
は吸着ヘッド10に対して相対的に上方へ移動する。次
に、切断刃18を上昇させるとともに、吸着ヘッド10
を上昇させる。この時、方形グリーンシートはキャリア
フィルム2に比べて保持基板17との接着力の方が強い
ので、方形グリーンシートはキャリアフィルム2から剥
離されて保持基板17に乗り移る。グリーンシートをキ
ャリアフィルム2から剥離しやすくするため、キャリア
フィルム2の表面に予め離型処理を施してもよい。1回
目の熱圧着が終了した後、上記の切断ステップ、熱圧着
ステップ、剥離ステップを繰り返すことで、複数の方形
グリーンシートが切断刃18で囲まれた保持基板17上
に積層され、積層体5となる。
【0022】上記のようにして複数のグリーンシートを
積層してなる積層体5は、吸着ヘッド10の磁石16の
磁力を解除することにより、保持基板17とともに吸着
ヘッド10から取り出される。取り出された保持基板1
7および積層体5は、図3の(a)に示すような一体構
造物であるから、ハンドリングが容易であり、積層体5
に応力が加わることがなく、積層体5へのダメージがな
い。また、保持基板17が剛性のある金属板であるか
ら、積層体5の熱収縮による反りの発生もない。積層体
5の内部には電極パターン4よりなる内部電極が形成さ
れている。保持基板17および積層体5は、後述する熱
プレス工程へ搬送される。
【0023】なお、保持基板17と積層体5との接着力
を高めるため、図3の(b)のように保持基板17の表
面に予め接着層9を設けてもよい。接着層9としては、
例えばバインダ成分が他のグリーンシートより多いグリ
ーンシートを用いてもよいし、グリーンシート3および
金属板17に対する接着性の良好な樹脂層を用いてもよ
い。樹脂層としては、例えば表面粗さRa=50〜20
0nmの樹脂フィルムを用いてもよい。さらに、保持基
板17の表面を表面粗さRa=50〜200nm程度の
粗面としたものでもよい。
【0024】図4は熱プレス装置20を示す。吸着ヘッ
ド10から取り外された保持基板17および積層体5
は、熱プレス装置20へ搬送され、ここで熱プレスが実
施される。熱プレス装置20は、図4の(a)のように
下金型21と、枠金型22とを備えており、保持基板1
7が上金型として機能する。なお、下金型21と保持基
板17とを上下逆にしてもよい。下金型21の凸部21
aに枠金型22の穴22aを嵌合させ、その上から積層
体5を下向きにして保持基板17を枠金型22の穴22
aに挿入する。そして、下金型21と保持基板17との
間に20〜100MPa程度の圧力と熱を加えて加圧す
ると、圧密状態の積層体5となる。保持基板17は、熱
プレス工程を複数回繰り返しても変形しないだけの強度
を備えたものが望ましい。
【0025】上記のように熱プレス工程が終了した保持
基板17および積層体5は、次にチップカット工程に搬
送される。ここで、積層体5は所定寸法にカットされ、
未焼成チップとなる。なお、カット時においてチップが
保持基板17から剥離するのを防止するため、図3の
(b)に示す接着層9付きの保持基板17を用いるのが
よい。保持基板17は、チップカット工程において積層
体5を保持する保持具としての機能を有するので、カッ
トずれを防止でき、高精度なチップを得ることができ
る。チップ状にカットされた未焼成チップは、その後、
保持基板17から取り外され、脱脂・焼成処理が行なわ
れて焼成チップとなる。このチップに外部電極を形成す
ることにより、積層コンデンサなどの積層型電子部品が
完成する。
【0026】上記のように、保持基板17は積層工程〜
熱プレス工程〜チップカット工程において継続的に使用
される。保持基板17は剛性のある金属板であるため、
保持基板17に接着された積層体5は各工程の搬送中、
変形や外力の影響を受けず、しかも保持基板17と積層
体5とは輪郭寸法が同一のため、保持基板17を位置決
めすれば、同時に積層体5も位置決めしたことになり、
ハンドリング、位置決め作業が容易となる。そして、保
持基板17は繰り返して何度も使用できるため、経済的
である。
【0027】図5は本発明にかかるグリーンシートの積
層装置の第2実施例を示す。なお、図1と同一機能部分
には同一符号を付して重複説明を省略するこの実施例で
は、吸着ヘッド10に設けられる吸着手段として、磁石
に代えて真空吸引装置と接続された吸引穴30を吸着面
10bに設けたものである。この場合には、保持基板1
7として必ずしも磁性金属板を使用する必要はなく、例
えばSUS304やアルミニウムのような非磁性金属板
であってもよい。また、切断刃18は、吸着ヘッド10
の側部に上下動可能に取り付けられ、スプリング31に
よって下方に突出するように付勢されている。吸着ヘッ
ド10を降下させて切断刃18をグリーンシート3に押
し付けると、グリーンシート3のみを閉ループ状に切断
し、さらに吸着ヘッド10を降下させても切断刃18は
上方へ退避できるようになっている。そして、吸着ヘッ
ド10を上昇させれば、それに遅れて切断刃18も上昇
する。この構造の場合には、切断刃18の駆動機構が簡
素にかつ小型になる。
【0028】図6は本発明にかかるグリーンシートの積
層装置の第3実施例を示す。この実施例は第1実施例の
変形例であり、吸着ヘッド10の周囲に切断刃18に代
わって積層枠40を設けたものである。キャリアフィル
ム2上の連続グリーンシート3は、吸着ヘッド10とは
別に設けたカッティングヘッドによって予め方形グリー
ンシートにカットされる。そして、方形グリーンシート
の上方に吸着ヘッド10を位置決めし、積層枠40を方
形グリーンシートの周囲のグリーンシートに押し付けた
後で、保持基板17またはその上に積層された積層体5
を方形グリーンシートに熱圧着する。その後、吸着ヘッ
ド10を引き上げることにより、キャリアフィルム2か
ら方形グリーンシートのみを剥離し、その後、遅れて積
層枠40が連続グリーンシート3から離れることで、積
層枠40の内側の保持基板17にグリーンシートを積層
できる。なお、積層枠40を駆動する駆動機構19とし
ては、図6のような吸着ヘッド10と独立して駆動でき
るものに限らず、図5のようなスプリング31を用いて
もよい。
【0029】上記実施例では、切断刃または積層枠を先
にグリーンシートに押し当て、その後で保持基板または
その上に積層された積層体をグリーンシートに熱圧着す
るようにしたが、切断刃または積層枠の押し当てと、保
持基板またはその上に積層された積層体による熱圧着と
を同時にしてもよいし、熱圧着を先に行い、遅れて切断
してもよい。また、熱圧着時に連続グリーンシートおよ
び積層体を加熱するため、受圧テーブル6および吸着ヘ
ッド10の双方にヒータ7,15を設けたが、いずれか
一方にのみ設けてもよい。
【0030】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、吸着ヘッドの吸着面上に、金属製の保持基板を
吸着保持させ、この保持基板の上にグリーンシートを熱
圧着積層するようにしたので、グリーンシートを積層し
た状態で保持基板を吸着ヘッドから取り外した時、保持
基板と積層体との熱収縮差があっても、金属製の保持基
板は剛性が高いので、反りが発生しにくい。そのため、
反り戻し工程を実施する必要がない。また、吸着ヘッド
の吸着面に吸引穴が設けられていても、積層体の表面に
吸引跡が残ることがなく、積層体にデラミネーションな
どの不具合を発生させることもない。さらに、積層体を
吸着ヘッドから取り外すとき、保持基板と一緒に取り外
せばよいので、吸着ヘッドにグリーンシートが残存せ
ず、取り外し作業が容易になるとともに、積層体にダメ
ージが加わることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るグリーンシートの積層装置の第1
実施例の全体図である。
【図2】連続体シートの一例の平面図である。
【図3】吸着ヘッドから取り出された積層体と保持基板
の2つの例を示す図である。
【図4】熱プレス装置を示す図である。
【図5】本発明に係るグリーンシートの積層装置の第2
実施例の図である。
【図6】本発明に係るグリーンシートの積層装置の第3
実施例の図である。
【符号の説明】
1 連続体シート 2 キャリアフィルム 3 連続グリーンシート 4 電極パターン 5 積層体 6 受圧テーブル 7 ヒータ 8 吸引穴 9 接着層 10 吸着ヘッド 15 ヒータ 16 磁石 17 保持基板 18 切断刃 19 切断刃駆動手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】受圧テーブル上に、キャリアフィルムによ
    り裏打ちされたグリーンシートを吸引保持する工程と、
    吸着面を有する吸着ヘッドと受圧テーブルとを近接さ
    せ、グリーンシートをキャリアフィルムから吸着ヘッド
    上に移し替えて複数枚のグリーンシートを吸着面上に熱
    圧着積層させる工程とを備えるグリーンシートの積層方
    法において、上記吸着ヘッドの吸着面上に、金属製の保
    持基板を吸着保持させ、この保持基板上に上記グリーン
    シートを圧着し、次にこのグリーンシート上に順次グリ
    ーンシートを熱圧着積層することを特徴とするグリーン
    シートの積層方法。
  2. 【請求項2】上記吸着ヘッドの吸着面には保持基板を真
    空吸着する吸引穴が設けられていることを特徴とする請
    求項1に記載のグリーンシートの積層方法。
  3. 【請求項3】上記保持基板は磁性金属板で構成され、上
    記吸着ヘッドには磁性金属板を吸着面に吸着する磁石が
    設けられていることを特徴とする請求項1に記載のグリ
    ーンシートの積層方法。
  4. 【請求項4】上記グリーンシートが積層される保持基板
    の表面に、グリーンシート接着層が設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のグリ
    ーンシートの積層方法。
  5. 【請求項5】上記キャリアフィルム上に連続的に形成さ
    れた連続グリーンシートから所定の大きさの方形グリー
    ンシートを切断する切断刃が上記吸着ヘッドに設けら
    れ、上記方形グリーンシートは切断刃の内側に配置され
    た保持基板上に積層されることを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載のグリーンシートの積層方法。
  6. 【請求項6】キャリアフィルム上に連続的にグリーンシ
    ートを形成する工程と、上記連続グリーンシート上に電
    極パターンを形成する工程と、受圧テーブル上にグリー
    ンシートを支持するキャリアフィルムの裏面を吸引保持
    する工程と、キャリアフィルム上に形成された連続グリ
    ーンシートから電極パターンを含む所定の大きさの方形
    グリーンシートを切断する工程と、吸着ヘッドの吸着面
    上に、上記方形グリーンシートに対応した大きさの金属
    製の保持基板を吸着保持させる工程と、上記吸着ヘッド
    と受圧テーブルとを近接させ、吸着ヘッドに吸着された
    保持基板を方形グリーンシートに熱圧着させる工程と、
    上記吸着ヘッドと受圧テーブルとを離間させ、方形グリ
    ーンシートをキャリアフィルムから剥離するとともに、
    保持基板上に移し替える工程と、上記切断工程と熱圧着
    工程と剥離工程とを順次繰り返すことで、保持基板上に
    複数の方形グリーンシートを積層する工程と、グリーン
    シートの積層体を保持基板に接着したまま吸着ヘッドか
    ら取り外す工程と、吸着ヘッドから取り外されたグリー
    ンシートの積層体を保持基板とともに熱プレスする工程
    と、プレス後のグリーンシートの積層体を保持基板に接
    着したままチップ状にカットする工程と、を有する積層
    型電子部品の製造方法。
JP2002001097A 2002-01-08 2002-01-08 グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法 Pending JP2003203823A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001097A JP2003203823A (ja) 2002-01-08 2002-01-08 グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002001097A JP2003203823A (ja) 2002-01-08 2002-01-08 グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003203823A true JP2003203823A (ja) 2003-07-18

Family

ID=27641310

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002001097A Pending JP2003203823A (ja) 2002-01-08 2002-01-08 グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003203823A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009182293A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Seiko Epson Corp 積層シート、及びセラミック多層基板の製造方法
JP2016062864A (ja) * 2014-09-22 2016-04-25 株式会社豊田自動織機 電極の製造方法及び電極の製造装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009182293A (ja) * 2008-02-01 2009-08-13 Seiko Epson Corp 積層シート、及びセラミック多層基板の製造方法
JP2016062864A (ja) * 2014-09-22 2016-04-25 株式会社豊田自動織機 電極の製造方法及び電極の製造装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4781802B2 (ja) サポートプレートの貼り合わせ手段及び貼り合わせ装置、並びにサポートプレートの貼り合わせ方法
JP4401322B2 (ja) 支持板分離装置およびこれを用いた支持板分離方法
JP4311522B2 (ja) 接着シート貼付方法およびその装置並びに半導体ウエハ処理方法
TWI419183B (zh) A method for producing a sheet laminate, and a manufacturing apparatus for a sheet laminate
US5876549A (en) Method and apparatus for stacking sheets supported by carriers
CN101529575A (zh) 芯片的拾取方法及拾取装置
KR102037948B1 (ko) 다이 본딩 방법 및 장치
TWM518818U (zh) 膠材貼合裝置
WO2014167947A1 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2003203823A (ja) グリーンシートの積層方法および積層型電子部品の製造方法
JP4075646B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP3916553B2 (ja) 熱接着フィルム貼付方法およびその装置
WO2006061933A1 (ja) 部品の組み立て装置及び組み立て方法
JP2003205495A (ja) グリーンシートの積層装置
JP2011222633A5 (ja) 基板貼り合わせ装置、積層半導体の製造方法、積層半導体及び基板貼り合わせ方法
TW202145322A (zh) 薄片剝離方法以及薄片剝離裝置
JP4134774B2 (ja) 電子部品供給方法
JP4397340B2 (ja) セラミックグリーンシートの仮積層装置および仮積層方法
JP4926863B2 (ja) セラミックグリーンシートの仮積層装置
JP3417376B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法および製造装置
JP2015082618A (ja) シート貼付装置および貼付方法
JP4134729B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP2004288689A (ja) 電子部品製造方法および電子部品の集合体の製造方法
KR102426343B1 (ko) 마이크로 엘이디 전사장치 및 전사방법
US8074349B2 (en) Magnetic hold-down for foil substrate processing

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040906

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070501

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20070522

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070925