JP2003203458A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明では、搬送時におけるリーダピンバネ
の重なりを防止することで、組立効率の向上に寄与する
磁気テープカートリッジを提供することを課題とする。 【解決手段】 磁気テープカートリッジは、カートリッ
ジケース１内から磁気テープＭＴを引き出すためのリー
ダピン１０をカートリッジケース１の一側壁１Ｄに形成
された磁気テープ引出口１Ｃ近傍に着脱自在に保持する
ためのリーダピンバネ２０を備えている。このリーダピ
ンバネ２０は、カートリッジケース１内に固定される固
定部２１と、この固定部２１の一端に形成されるバネ足
部２２と、このバネ足部２２の先端に形成される係止部
２３とを有している。前記固定部２１の他端の縁部に
は、この固定部２１の面に対して突出するフランジ部２
５が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープが巻装
された単一のリールを回転自在に収納する磁気テープカ
ートリッジに関し、特に、磁気テープ等の端部に固定さ
れたリーダピンをカートリッジケースの引出口近傍に保
持するために設けられるリーダピンバネに関するもので
ある。 【０００２】 【従来の技術】一般に、コンピュータ等のデータバック
アップ用の外部記録媒体として、磁気テープを巻装した
単一のリールが収納された磁気テープカートリッジがあ
る。このような磁気テープカートリッジを使用する際に
は、記録再生装置がカートリッジケースの引出口から磁
気テープの先端を引き出して、記録再生装置に設けられ
たリールに巻き取ることにより磁気テープを走行させて
いる。そのため、磁気テープの先端にはリーダテープを
介してリーダピンが取り付けられ、このリーダピンを引
っ掛けることにより、記録再生装置が磁気テープを引き
出している。 【０００３】前記リーダピンは、前記引出口の内側近傍
に設けられたリーダピン格納部に着脱自在に固定されて
いる。リーダピン格納部は、カートリッジケースを構成
する上ハーフおよび下ハーフの各底面に形成され、前記
引出口に臨むような略Ｕ字状の凹部となってリーダピン
の両端と係合している。このようにリーダピン格納部に
係合するリーダピンの両端は、上下ハーフの各底面に設
けられる板バネからなるリーダピンバネにより所定の荷
重で保持されることになる。 【０００４】前記リーダピンバネとしては、図６に示す
ように、薄板状となる固定部３１と、この固定部３１の
一端から略垂直に立ち上がるように形成されるバネ足部
３２と、このバネ足部３２の先端に形成される山形の係
止部３３とで主に構成されるものがある。このリーダピ
ンバネ３０は、その固定部３１が上下ハーフの各底面の
適所に固定されると、その係止部３３が前記リーダピン
格納部（図示せず）に張り出すようになっている。その
ため、リーダピンは、その両端部が係止部３３に当たり
バネ足部３２を撓ませることにより、リーダピン格納部
に所定の荷重で着脱自在に保持されている。 【０００５】ところで、このリーダピンバネ３０は、上
下ハーフの各底面の適所にロボットにより自動的にセッ
トされ、その後超音波ホーン等により上下ハーフの一部
を溶かして固定されている。そのため、このリーダピン
バネ３０は、ロボットで確実に把持されるように、パー
ツフィーダによりロボット近傍まで一つずつ連続して供
給されている。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ような構造のリーダピンバネ３０では、パーツフィーダ
による搬送時に、そのバネ足部３２を先頭にして搬送す
ると、下流側のリーダピンバネ３０の固定部３１に上流
側のリーダピンバネ３０が乗り上げてしまうことがあっ
た。このようなリーダピンバネ３０の重なりは、ロボッ
トでうまく把持できない等の組立不良を引き起こし、組
立効率を下げる要因となっていた。 【０００７】そこで、本発明の課題は、搬送時における
リーダピンバネの重なりを防止することで、組立効率の
向上に寄与する磁気テープカートリッジを提供すること
にある。 【０００８】 【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係る磁気テープカートリッジは、カートリッジケー
ス内から磁気テープを引き出すためのリーダピンを前記
カートリッジケースの一側壁に形成された引出口近傍に
着脱自在に保持するためのリーダピンバネを備えた磁気
テープカートリッジにおいて、前記リーダピンバネは、
前記カートリッジケース内に固定される薄板状の固定部
と、この固定部の一端を立ち上げて形成されるバネ足部
と、このバネ足部の先端に形成される前記リーダピンを
係止する係止部とを有し、前記固定部の他端の縁部に
は、この固定部の面に対して突出する重なり防止部が設
けられていることを特徴とする。 【０００９】本発明によれば、固定部の一端に形成され
るバネ足部を下流側に向けてリーダピンバネを搬送する
際、上流側のリーダピンバネが下流側のリーダピンバネ
の固定部上に乗り上げようとしても、下流側のリーダピ
ンバネの固定部の他端に設けられた重なり防止部に上流
側のリーダピンバネのバネ足部が確実に当接する。 【００１０】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る磁気テープカートリッジの実施の形態を説明する。参
照する図面において、図１は一実施形態に係る磁気テー
プカートリッジの構成部品を示す分解斜視図である。 【００１１】一実施形態の磁気テープカートリッジは、
いわゆるＬＴＯ規格に準拠した磁気テープカートリッジ
であり、図１に示すように、下ハーフ１Ａと上ハーフ１
Ｂとに分割構成されたカートリッジケース１の内部に、
予め磁気テープＭＴが巻装された単一のリール２、リー
ル２の回転をロックするためのロックプレート３および
圧縮コイルばね４、リール２のロック状態を解除するた
めのリリースパッド５、下ハーフ１Ａおよび上ハーフ１
Ｂに跨ってカートリッジケース１の一側壁１Ｄに形成さ
れた磁気テープ引出口１Ｃを開閉するスライドドア６、
スライドドア６を磁気テープ引出口１Ｃの閉位置に付勢
するねじりコイルばね７、誤消去防止爪８、カートリッ
ジメモリチップ９などを組み込んで構成される。 【００１２】前記リール２に巻装された磁気テープＭＴ
またはこれに接続されたリーダテープ（図示せず）の端
部は、カートリッジケース１内から磁気テープＭＴを引
き出すためのリーダピン１０に巻きつけられクリップ１
１で固定されている。そして、このリーダピン１０は、
その両端が前記上下ハーフ１Ｂ，１Ａの磁気テープ引出
口１Ｃの内側近傍に形成されたリーダピン格納部１Ｅに
格納されている。リーダピン格納部１Ｅは、上下ハーフ
１Ｂ，１Ａの各底面１Ｆに形成され、図２に示すよう
に、磁気テープ引出口１Ｃに臨むような略Ｕ字状の凹部
となってリーダピン１０の両端と係合している。このよ
うにリーダピン格納部１Ｅに係合するリーダピン１０の
両端は、このリーダピン格納部１Ｅの内側近傍に設けら
れるリーダピンバネ２０（一つのみ図示）により所定の
荷重で磁気テープ引出口１Ｃの近傍に着脱自在に保持さ
れている。 【００１３】リーダピンバネ２０は、図３に示すよう
に、カートリッジケース１内に固定される固定部２１
と、この固定部２１の一端に一体的に形成されるバネ足
部２２と、このバネ足部２２の先端に形成される前記リ
ーダピン１０を係止する係止部２３とを有している。こ
こで、上ハーフ１Ｂに設けられるリーダピンバネは、図
３に示す下ハーフ１Ａに設けられるリーダピンバネ２０
と上下対称な構造となるため、その説明は省略すること
とする。 【００１４】固定部２１は、略長方形の薄板状となって
おり、その略中央部の適所に下ハーフ１Ａの溶着用突起
１Ｇ（図２参照）と係合する係合孔２４が形成されてい
る。そして、この固定部２１の一辺（一端）を略垂直に
立ち上げて形成されるバネ足部２２と対向する一辺（他
端の縁部）には、この固定部２１の上面に対して突出す
るフランジ部（重なり防止部）２５が一体的に形成され
ている。このフランジ部２５は、固定部２１に対して略
垂直に立ち上がるように前記バネ足部２２と同じ側に折
り曲げて形成されるとともに、バネ足部２２の高さと略
同じ高さで形成されている。 【００１５】バネ足部２２は、固定部２１に対して略垂
直に立ち上がるようにその基端部が一体的に形成されて
いる。係止部２３は、山形となってバネ足部２２の先端
に一体的に形成されている。 【００１６】次に、このリーダピンバネ２０の搬送時に
おける作用について説明する。バネ足部２２を先頭にし
て搬送されるリーダピンバネ２０は、図４（ａ）に示す
ように、パーツフィーダＰにより図示しないロボット近
傍まで一つずつ連続して供給されている。ここで、上流
側のリーダピンバネ２０が下流側のリーダピンバネ２０
に近付いて行って、その下流側のリーダピンバネ２０の
固定部２１上に乗り上げようとしたとする。このとき、
上流側のリーダピンバネ２０は、図４（ｂ）に示すよう
に、そのバネ足部２２が下流側のリーダピンバネ２０の
フランジ部２５に確実に当接するため、その下流側のリ
ーダピンバネ２０に乗り上げることがない。そのため、
各リーダピンバネ２０が、確実にロボット近傍まで一つ
ずつ連続して供給されることになる。 【００１７】以上によれば、本実施形態において、次の
ような効果を得ることができる。上流側のリーダピンバ
ネ２０が下流側のリーダピンバネ２０の固定部２１上に
乗り上げようとしても、下流側のリーダピンバネ２０の
フランジ部２５に上流側のリーダピンバネ２０のバネ足
部２２が確実に当接するので、搬送時におけるリーダピ
ンバネ２０の重なりが確実に防止される。そのため、ロ
ボット等の自動組立における組立効率を向上させること
ができる。リーダピンバネ２０のバネ足部２２とフラン
ジ部２５が同一の方向に形成されるので、リーダピンバ
ネ２０の固定部２１の上面と他のリーダピンバネ２０の
固定部の下面とが密着して接触することがない。そのた
め、たとえば、ボール状のパーツフィーダへ複数のリー
ダピンバネをまとめて供給した際にも、各リーダピンバ
ネの重なりを防止することができる。 【００１８】以上、本発明は、前記実施形態に限定され
ることなく、様々な形態で実施される。本実施形態で
は、重なり防止部をフランジ部２５としたが、本発明は
これに限定されず、一端に形成されるバネ足部とは反対
側となる他端の縁部が固定部の面に対して突出していれ
ばどのような構造であってもよい。たとえば、図５に示
すように、固定部２１のバネ足部２２と反対側の両端
に、上方に向かって折り曲げるように爪部２６を形成
し、この爪部２６を重なり防止部としてもよい。また、
本実施形態のようなフランジ部２５を固定部２１に対し
てバネ足部２２とは逆側に突出するように形成してもよ
い。このような構造であっても、本実施形態と同様の作
用効果を奏することができる。 【００１９】本実施形態では、リーダピンバネ２０を上
下ハーフ１Ｂ，１Ａの各底面１Ｆに固定させるものとし
たが、本発明はこれに限定されず、たとえば、側面に固
定させるものでもよい。その他、リーダピンバネ２０等
の構造、材質または形状等は、適宜に変更可能であるこ
とはいうまでもない。特に、リーダピンバネ２０のフラ
ンジ部２５の高さを本実施形態ではバネ足部２２の高さ
と略同一としたが、本発明はこれに限定されず、適宜に
変更可能である。 【００２０】 【発明の効果】本発明によれば、上流側のリーダピンバ
ネが下流側のリーダピンバネの固定部上に乗り上げよう
としても、下流側のリーダピンバネの重なり防止部に上
流側のリーダピンバネのバネ足部が確実に当接するの
で、搬送時におけるリーダピンバネの重なりが確実に防
止される。そのため、ロボット等の自動組立における組
立効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明に係る磁気テープカートリッジの構成部
品を示す分解斜視図である。 【図２】図１の下ハーフにおける磁気テープ引出口付近
の拡大斜視図である。 【図３】図２のリーダピンバネの拡大斜視図である。 【図４】図３のリーダピンバネの通常の搬送状態を示す
断面図（ａ）と、上流側のリーダピンバネが下流側のリ
ーダピンバネの上に乗り上がろうとしている状態を示す
断面図（ｂ）である。 【図５】本発明に係るリーダピンバネの他の実施形態を
示す拡大斜視図である。 【図６】従来のリーダピンバネを示す拡大斜視図であ
る。 【符号の説明】 １ カートリッジケース ＭＴ 磁気テープ １Ｄ 一側壁 １Ｃ 磁気テープ引出口 １０ リーダピン １Ｅ リーダピン格納部 ２０ リーダピンバネ ２１ 固定部 ２２ バネ足部 ２３ 係止部 ２４ 係合孔 ２５ フランジ部（重なり防止部）

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 カートリッジケース内から磁気テープを
   引き出すためのリーダピンを前記カートリッジケースの
   一側壁に形成された引出口近傍に着脱自在に保持するた
   めのリーダピンバネを備えた磁気テープカートリッジに
   おいて、 前記リーダピンバネは、前記カートリッジケース内に固
   定される薄板状の固定部と、この固定部の一端を立ち上
   げて形成されるバネ足部と、このバネ足部の先端に形成
   される前記リーダピンを係止する係止部とを有し、 前記固定部の他端の縁部には、この固定部の面に対して
   突出する重なり防止部が設けられていることを特徴とす
   る磁気テープカートリッジ。