JP2003202601A - 画像表示方法および装置 - Google Patents

画像表示方法および装置

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JP2003202601A
JP2003202601A JP2002303291A JP2002303291A JP2003202601A JP 2003202601 A JP2003202601 A JP 2003202601A JP 2002303291 A JP2002303291 A JP 2002303291A JP 2002303291 A JP2002303291 A JP 2002303291A JP 2003202601 A JP2003202601 A JP 2003202601A
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particle size
display method
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JP2002303291A
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English (en)
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Yoshitomo Masuda
善友 増田
Mitsuharu Takagi
光治 高木
Kazuya Murata
和也 村田
Norio Nihei
則夫 二瓶
Manabu Yakushiji
薬師寺  学
So Kitano
北野  創
Takahiro Kawagoe
隆博 川越
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Bridgestone Corp
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板間に粒子を封入し、この基板間に電界を発
生させて粒子を移動させ画像を表示する画像表示方法に
おいて、安価な、かつ、安定性に優れる画像表示方法お
よび装置を提供する。 【解決手段】対向する基板間に位置する隔壁に、感光性
樹脂組成物を含む感光性ペーストを塗布した後、露光現
像により形成されたものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気を利用した
粒子の移動によって画像を繰り返し表示、消去できる画
像表示方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶(LCD)に代わる画像表示装置と
して、電気泳動方式、エレクトロクロミック方式、サー
マル方式、2色粒子回転方式などの技術を用いた画像表
示装置(ディスプレイ)が提案されている。これらの画
像表示装置は、LCDに比べて、通常の印刷物に近い広
い視野角が得られる、消費電力が小さい、メモリー機能
を有している等のメリットから、次世代の安価な表示装
置として考えられ、携帯端末用表示、電子ペーパー等へ
の展開が期待されている。
【0003】最近、分散粒子と着色溶液からなる分散液
をマイクロカプセル化し、これを対向する基板間に配置
する電気泳動方式が提案されている。(例えば、非特許
文献1参照)。しかしながら、電気泳動方式では、低比
重の溶液中に酸化チタンなどの高比重の粒子を分散させ
ているために、沈降しやすく、分散状態の安定性維持が
難しく、また、色をつけるために溶液に染料等を添加し
ているために長期保存性に難があり、画像繰り返し安定
性に欠けるという問題を抱えている。マイクロカプセル
化にしても、セルサイズをマイクロカプセルレベルに
し、見かけ上、このような欠点が現れ難くしているだけ
で、本質的な問題は何ら解決されていない。
【0004】以上のような溶液中での挙動を利用した電
気泳動方式に対し、溶液を使わず、導電性粒子と電荷輸
送層を基板の一部に組み入れた方式も提案されている。
しかし、このような乾式表示装置では、基板の一部に電
荷輸送層、更には電荷発生層を配置するために構造が複
雑になると共に、導電性粒子から電荷を一定に逃がすこ
とが難しく、安定性に欠ける。
【0005】
【非特許文献1】趙 国来、外3名、“新しいトナーデ
ィスプレイデバイス(I)”、1999年7月21日、
日本画像学会年次大会(通算83回)“Japan Hardcop
y’99”、p.249-252
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実情に
鑑みて鋭意検討された新しいタイプの乾式画像表示方法
に関するものであり、対向する基板と隔壁と粒子からな
る画像表示方法において、安価な、かつ、安定性に優れ
る画像表示方法および装置を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、対向する基板
間に位置する隔壁に、感光性樹脂組成物を含む隔壁材
料、すなわち感光性樹脂組成物を含む感光性ペーストを
塗布した後、露光現像により形成されたものを用い、隔
壁の形状や材料および隔壁間の空隙部の状態を最適化す
ることにより、安価な、かつ、安定性に優れる画像表示
方法および装置が得られることを見出し、本発明に至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、以下の画像表示装置を
提供するものである。 1.少なくとも一方が透明である2枚の対向する基板間
に粒子を封入し、この基板間に電界を発生させて前記粒
子を移動させることにより画像を表示する画像表示方法
において、前記基板間に隔壁が形成されており、前記隔
壁が感光性樹脂組成物を含む感光性ペーストを塗布した
後、露光現像により形成されたものであることを特徴と
する画像表示方法。 2.対向する基板間に位置する隔壁が、片リブ構造であ
る上記1の画像表示方法。 3.感光性ペーストが無機粉体を含み、かつ無機粉体の
下記式で表される粒子径分布Spanが8以下である上記1
または2の画像表示方法。 Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5) (但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%
がこれより小さいという粒径をμmで表した数値、d
(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒径をμm
で表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である
粒径をμmで表した数値を示す。) 4.無機粉体の平均粒子径d(0.5)が0.1〜20μm
である上記3の画像表示方法。 5.対向する基板間の空隙が、25℃における相対湿度
が60%RH以下の気体で満たされている上記1〜4のい
ずれかの画像表示方法。 6.少なくとも一方が透明な対向する基板間に粒子を封
入し、この基板間に電界を発生させて前記粒子を移動さ
せることにより画像を表示する画像表示装置において、
対向する基板間に位置する隔壁が、感光性樹脂組成物を
含む隔壁材料を塗布した後、露光現像により形成された
ものであることを特徴とする画像表示装置。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の画像表示方法では、対向
する基板間に粒子を封入した表示装置に何らかの手段で
基板表面に電荷が付与される。正に帯電した基板部位に
向かっては負に帯電した粒子がクーロン力により引き寄
せられ、また、負に帯電した基板部位に向かっては正に
帯電した粒子がクーロン力により引き寄せられ、それら
粒子が対向する基板間を往復移動することにより、画像
表示がなされる。従って、基板間に封入する粒子は、均
一に移動し、かつ、繰り返し時あるいは保存時の安定性
を維持できるように、表示装置を設計する必要がある。
【0010】しかしながら、これまでの表示方法では、
粒子の移動の原動力を重んじて、粒子の特性、或いはそ
の粒子の特性でカバーできない特性を駆動電圧などの駆
動方法で補おうとするのが現状であった。例えば、駆動
電圧を低電圧化するために、高帯電性の粒子を用いる
と、粒子移動が速やかに起き、駆動電圧の低電圧化は可
能となるものの、高帯電性であるが故に、繰り返し使用
時に粒子同士が凝集し始めるという問題をかかえる。ま
た、繰り返し耐久性を向上するために、低帯電性粒子を
用いると、粒子同士の凝集は起こりにくく安定性は向上
するものの、粒子の帯電性が不足し、均一な粒子移動が
起きにくくなると共に、たとえ粒子が基板面まで移動し
たとしても、粒子と基板面の付着性、いわゆるメモリー
性が十分でないために、鮮明な画像が得られ難くなると
いう問題をかかえる。
【0011】本発明では、更に改善のヒントが、対向す
る基板間に位置する隔壁の形成方法や形状、及び材料に
あることを、新たに見出した。先に述べたように、粒子
が往復運動するわけであるから、その往復運動を安定的
に、例えば往復運動する距離を精度良く一定に、言い換
えれば、対向する基板間に位置する隔壁の形状を所望と
するサイズに精度良く形成することにより、表示安定性
を向上させられる。既に、隔壁を形成すること自体は周
知のことであり、スクリーン印刷、エッチング処理など
の方法の適用が考えられている。しかし、本発明の新し
い乾式画像表示装置においては、粒子を移動させるのに
望まれる所望の隔壁高さが、それらの方法で通常形成さ
れる高さよりも高くする必要がある。このため、例え
ば、スクリーン印刷で印刷と乾燥を数十回繰り返し所望
の隔壁高さにすると、各隔壁高さの精度が悪くなり不揃
いになるばかりでなく、隔壁の側面がくずれて粒子移動
の障害となったり、又、重ね合わせがずれて、電極への
かぶさりや表示開口率が低下するなどの弊害が追加され
る。本発明は、粒子設計、駆動方法に加えて、表示セル
構造、特に隔壁の形成方法と形状、及び材料を最適化す
ることにより、表示安定性と製造安定性を向上させるも
のである。
【0012】本発明は、少なくとも一方が透明な対向す
る基板間に、粒子を封入し、クーロン力により粒子を移
動させ画像を表示する乾式タイプの画像表示方法に関す
るものである。この画像表示は、図1に示すように2種
以上の色の異なる粒子を基板と垂直方向に移動させるこ
とによる表示方式と、図2に示すように1種の色の粒子
を基板と平行方向に移動させることによる表示方式があ
り、そのいずれへも適用できるが、安定性の上から、前
者の方式に適用するのが好ましい。図3は画像表示装置
の構造を示す説明図であり、対向する基板1、基板2及
び隔壁4により形成される表示セルに2種以上の色の異
なる粒子3が封入されている。基板1と基板2の間隔
は、粒子が移動でき、コントラストを維持できれば良い
が、通常10〜5000μm、好ましくは10〜500
μmに調整される。
【0013】基板に関しては、基板1、基板2の少なく
とも一方は装置外側から粒子の色が確認できる透明基板
であり、可視光の透過率が高くかつ耐熱性の良い材料が
好適である。画像表示装置としての可撓性の有無は用途
により適宜選択され、例えば、電子ペーパー等の用途に
は可撓性のある材料、携帯電話、PDA、ノートパソコ
ン類の携帯機器表示等の用途には可撓性のない材料が用
いられる。
【0014】基板材料を例示すると、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエーテルサルフォン、ポリエチレン、
ポリカーボネートなどのポリマーシートや、ガラス、石
英などの無機シートが挙げられる。基板厚みは、2〜5
000μm、好ましくは5〜1000μmが好適であ
り、薄すぎると、強度、基板間の間隔均一性を保ちにく
くなり、厚すぎると、表示機能としての鮮明さ、コント
ラストの低下が発生し、特に、電子ペーパー用途の場合
には可撓性に欠ける。
【0015】本発明の画像表示装置では、基板に電極を
設けない場合と、基板に電極を設ける場合がある。基板
に電極を設けない場合は、基板外部表面に静電潜像を与
え、その静電潜像に応じて発生する電界にて、所定の特
性に帯電した色のついた粒子を基板に引き寄せあるいは
反発させることにより、静電潜像に対応して配列した粒
子を透明な基板を通して表示装置外側から視認する。な
お、この静電潜像の形成は、電子写真感光体を用い通常
の電子写真システムで行われる静電潜像を本発明の画像
表示装置の基板上に転写形成する方法や、イオンフロー
により静電潜像を基板上に直接形成する等の方法があ
る。
【0016】基板に電極を設ける場合は、電極部位への
外部電圧入力により、基板上の各電極位置に生じた電界
により、所定の特性に帯電した色の粒子が引き寄せある
いは反発させることにより、静電潜像に対応して配列し
た粒子を透明な基板を通して表示装置外側から視認す
る。この際の電極は、透明かつパターン形成可能である
導電性材料で形成され、例示すると、酸化インジウム、
アルミニウムなどの金属類、ポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリチオフェンなどの導電性高分子類が挙げられ、
真空蒸着、塗布などの形成手法が例示できる。なお、電
極厚みは、導電性が確保でき光透過性に支障なければ良
く、3〜1000nm、好ましくは5〜400nmが好
適である。この場合の外部電圧入力は、直流あるいは交
流を重畳しても良い。
【0017】本発明では特に、対向する基板間に位置す
る隔壁を精度良く形成することが重要である。隔壁の形
状は、表示にかかわる粒子のサイズにより適宜最適設定
され、一概には限定されないが、隔壁の幅は10〜1000μ
m、好ましくは30〜500μmに、隔壁の高さは10〜5000
μm、好ましくは10〜500μmに調整される。隔壁を形
成するにあたり、対向する両基板の各々にリブを形成し
た後に接合する両リブ法と、片側の基板上にのみリブを
形成する片リブ法が考えられるが、接合時のずれを防止
する狙いから、片リブ法による隔壁形成が好ましい。隔
壁は粒子の横移動を防止できれば良いので隙間が空いて
いても良い。これらリブからなる隔壁により形成される
表示セルは、図4に示すごとく、基板平面方向からみて
四角状、三角状、ライン状、円形状が例示される。表示
側から見える隔壁断面部分に相当する部分(表示セルの
枠部の面積)はできるだけ小さくした方が良く、画像表
示の鮮明さが増す。
【0018】本発明において、対向する基板間に位置す
る隔壁は、感光性樹脂組成物を含む隔壁材料、すなわち
感光性樹脂組成物を含む感光性ペーストを塗布した後、
露光現像により形成される。隔壁の形成方法の具体的プ
ロセスとしては、図5に例示するように以下の工程から
なる。 (1) 感光性樹脂を含む感光性ペーストを作製する。 (2) 片側の基板(必要に応じて、前述した電極パター
ンを形成した基板)の上に、感光性ペーストを塗布す
る。 (3) フォトマスクを用いて、隔壁に相当する部位にの
み露出し、感光性ペーストを硬化させる。(必要に応じ
て、所望の隔壁高さになるまで(2)(3)を繰り返す。) (4) 現像して、非硬化部分を取り除く。 (5) 必要に応じて、硬化部分を焼成する。
【0019】感光性ペーストは、少なくとも感光性樹脂
を含み、その他として無機粉体、溶剤、光開始剤、樹
脂、添加剤等からなる。無機粉体とは、セラミック粉体
やガラス粉体であり、1種あるいは2種以上を組み合わ
せて使用する。セラミック粉体を例示すると、Zr
2 、Al2 3 、CuO、MgO、TiO2 、ZnO
2 などの酸化物系セラミック、SiC、AlN、Si3
4 などの非酸化物系セラミックが挙げられる。ガラス
粉体を例示すると、原料となるSiO2 、Al2 3
2 3 、ZnOを溶融、冷却、粉砕したものが挙げら
れる。なお、ガラス粉体のガラス転移点Tgは、300〜
500℃にあることが好ましく、この範囲では焼成プロ
セスでの低温化が図られるので、樹脂へのダメージが少
ないメリットがある。
【0020】ここで、無機粉体の下記式で示される粒径
分布Spanを8以下、好ましくは5以下とすることが好ま
しい。 Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5) (但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%
がこれより小さいという粒径をμmで表した数値、d
(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒径をμm
で表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である
粒径をμmで表した数値である。) Spanを8以下の範囲とすることにより、感光性ペースト
中の無機粉体のサイズが揃い、先に述べた感光性ペース
トを塗布〜硬化するプロセスを繰り返し積層しても、精
度良い隔壁形成を行うことができる。
【0021】また、感光性ペースト中の無機粉体の平均
粒子径d(0.5)を、0.1〜20μm、好ましくは0.
3〜10μmとすることが好ましい。このような範囲に
することにより、繰り返し積層時に精度良い隔壁形成を
行うことができる。なお、上記の粒子径分布及び粒径
は、レーザー回折/散乱法などから求めることができ
る。測定対象となる粒子にレーザー光を照射すると空間
的に回折/散乱光の光強度分布パターンが生じ、この光
強度パターンは粒子径と対応関係があることから、粒子
径及び粒子径分布が測定できる。本発明における粒子径
及び粒子径分布は、体積基準分布から得られたものであ
る。具体的には、Mastersizer2000(Malvern Instrument
s Ltd.)測定機を用いて、窒素気流中に粒子を投入し、
付属の解析ソフト(Mail理論を用いた体積基準分布を基
本としたソフト)にて、粒子径及び粒子径分布の測定を
行なうことができる。
【0022】感光性樹脂は、紫外線、電子線照射又は加
熱により硬化するものであればいずれでも良いが、例示
すると、アクリル系、スチレン系、エポキシ系、フェノ
ール系、ウレタン系、ポリエステル系、尿素系などが挙
げられ、特に、アクリル系、エポキシ系、ウレタン系、
ポリエステル系が好適である。
【0023】隔壁用のペーストに添加される溶剤は、前
述した無機粉体および感光性樹脂を相溶すればいずれで
も良いが、例示すると、フタル酸エステル、トルエン、
キシレン、ベンゼンなどの芳香族溶剤、オキシアルコー
ル、ヘキサノール、オクタノールなどのアルコール系溶
剤、酢酸エステルなどのエステル系溶剤が挙げられ、通
常、無機粉体に対して0.1〜50重量部が添加され
る。該ペーストには、その他、必要に応じて、光重合開
始剤、非感光性樹脂、染料、増感剤、重合禁止剤、可塑
剤、増粘剤、分散剤、酸化防止剤、沈降防止剤を加えて
も良い。これらから成る感光性ペースト材料は、所望の
組成にて、混練機、攪拌機、3本ローラなどにて分散調
合される。作業性を加味すると、粘度を500〜300
000cpsとすることが好ましい。
【0024】基板間に封入する粒子は、球形であること
が好ましい。該粒子の作製は、必要な樹脂、帯電制御
剤、着色剤、その他添加剤を混練り粉砕しても、あるい
はモノマーから重合しても、あるいは既存の粒子を樹
脂、帯電制御剤、着色剤、その他添加剤でコーティング
しても良い。以下に、樹脂、帯電制御剤、着色剤、その
他添加剤を例示する。樹脂の例としては、ウレタン樹
脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン変性ア
クリル樹脂、シリコーン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ
樹脂、スチレン樹脂、ブチラール樹脂、塩化ビニリデン
樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂など
が挙げられ、2種以上混合することもでき、特に、基板
との付着力を制御する上から、アクリルウレタン樹脂、
アクリルウレタンシリコーン樹脂、アクリルウレタンフ
ッ素樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂が好適である。
【0025】帯電制御剤の例としては、正電荷付与の場
合には、4級アンモニウム塩系化合物、ニグロシン染
料、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール誘導体
などが挙げられ、負電荷付与の場合には、含金属アゾ染
料、サリチル酸金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体な
どが挙げられる。着色剤の例としては、塩基性、酸性な
どの染料が挙げられ、ニグロシン、メチレンブルー、キ
ノリンイエロー、ローズベンガルなどが例示される。無
機系添加剤の例としては、酸化チタン、亜鉛華、硫化亜
鉛、酸化アンチモン、炭酸カルシウム、鉛白、タルク、
シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナホワイト、カドミ
ウムイエロー、カドミウムレッド、カドミウムオレン
ジ、チタンイエロー、紺青、群青、コバルトブルー、コ
バルトグリーン、コバルトバイオレット、酸化鉄、カー
ボンブラック、マンガンフェライトブラック、コバルト
フェライトブラック、銅粉、アルミニウム粉などが挙げ
られる。
【0026】また、ここで繰り返し耐久性を更に向上さ
せるためには、該粒子を構成する樹脂の安定性、特に、
吸水率と溶剤不溶率を管理することが効果的である。基
板間に封入する粒子を構成する樹脂の吸水率は、3重量
%以下、特に2重量%以下とすることが好ましい。な
お、吸水率の測定は、ASTM−D570に準じて行
い、測定条件は23℃で24時間とする。該粒子を構成
する樹脂の溶剤不溶率に関しては、下記関係式で表され
る粒子の溶剤不溶率を50%以上、特に70%以上とす
ることが好ましい。 溶剤不溶率(%)=(B/A)×100 (但し、Aは樹脂の溶剤浸漬前重量、Bは良溶媒中に樹
脂を25℃で24時間浸漬した後の重量を示す) この溶剤不溶率が50%未満では、長期保存時に粒子表
面にブリードが発生し、粒子との付着力に影響を及ぼし
粒子の移動の妨げとなり、画像表示耐久性に支障をきた
す場合がある。なお、溶剤不溶率を測定する際の用の溶
剤(良溶媒)としては、フッ素樹脂ではメチルエチルケ
トン等、ポリアミド樹脂ではメタノール等、アクリルウ
レタン樹脂ではメチルエチルケトン、トルエン等、メラ
ミン樹脂ではアセトン、イソプロパノール等、シリコー
ン樹脂ではトルエン等が好ましい。
【0027】更に、本発明においては基板間の粒子を取
り巻く空隙部分の気体の管理が重要であり、表示安定性
向上に寄与する。具体的には、空隙部分の気体の湿度に
ついて、25℃における相対湿度を60%RH以下、好ま
しくは50%RH以下、更に好ましくは35%RH以下とす
ることが重要である。この空隙部分とは、図3におい
て、対向する基板1、基板2に挟まれる部分から、粒子
3の占有部分、隔壁4の占有部分、装置シール部分を除
いた、いわゆる粒子が接する気体部分を指すものとす
る。空隙部分の気体は、先に述べた湿度領域であれば、
その種類は問わないが、乾燥空気、窒素、アルゴン、ヘ
リウムなどが好適である。この気体は、その湿度が保持
されるように装置に封入することが必要であり、例え
ば、粒子、基板などを所定湿度環境下にて組み立て、更
に、外からの湿度侵入を防ぐシール材、シール方法を施
すことが肝要である。なお、本発明の画像表示装置は、
ノートパソコン、PDA、携帯電話などのモバイル機器
の表示部、電子ブック、電子新聞などの電子ペーパー、
看板、ポスター、黒板などの掲示板、コピー機、プリン
ター用紙代替のリライタブルペーパー、電卓、家電製品
の表示部、ポイントカードなどのカード表示部などに用
いられる。
【0028】
【実施例】次に実施例および比較例を示して、本発明を
更に具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例によ
り限定されるものではない。なお、実施例および比較例
で得られた隔壁材料を構成する粉体の特性および画像表
示装置について、下記の基準に従い、評価を行った。
【0029】(1)隔壁材料を構成する無機粉体の粒子
径分布及び平均粒子径 Mastersizer2000(Malvern instruments Ltd.)測定機に
各粒子を投入し、付属のソフト(体積基準分布を基に粒
子径分布、粒子径を算出するソフト)を用いて、下記値
を求めた。 粒子径分布:Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5) (但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%
がこれより小さいという粒径をμmで表した数値、d
(0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒径をμm
で表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である
粒径をμmで表した数値である。) 平均粒子径(μm):上記のd(0.5)である。 (2)表示機能の評価 作製した画像表示装置に、250Vを印加し、極性を反
転させることにより、黒色と白色の表示を繰り返した。
表示機能の評価は、コントラスト比について、初期、黒
色と白色の表示を10000回繰り返し後を反射画像濃
度計を用いて測定した。ここで、コントラスト比とは白
色表示時に対する黒色表示時反射濃度(コントラスト比
=黒色表示時反射濃度/白色表示時反射濃度)である。
なお、初期のコントラスト比に対する10000回繰り
返し後のコントラスト比を保持率とした。また、目視に
て、粒子の凝集などによる異常点がないかを観察した。
【0030】実施例1 約500Å厚みの酸化インジウム電極を設けたガラス基
板上に、高さ250μmのリブを作り、ストライプ状の
片リブ構造の隔壁を形成した。リブの形成は次のように
行なった。先ず感光性ペーストは、無機粉体としてSi
2 、Al2 3 、B2 3 およびZnOの混合物を、
溶融、冷却、粉砕したガラス粉体を、感光性樹脂として
紫外線硬化型樹脂LR350R (サンノプコ製)を、溶剤とし
てγ−ブチルラクトンを、その他の添加剤として光開始
剤を混練したペーストを準備した。感光性ペーストを前
述基板上に塗布し、ライン50μm、スペース200μ
m、ピッチ250μmのネガタイプのフォトマスクを通
して、水銀灯で紫外線照射露光し、塗布と露光を繰返す
ことにより、リブの高さが250μmになるように調製
した。その後、現像液としてトリクロロエタンを用い
て、非硬化部分を溶出させ現像した。なお、焼成は52
0℃で15分間行なった。次に、粒子A,粒子Bを準備
した。粒子Aは、熱可塑性ポリエーテルエステルエラス
トマー:ハイトレル6377(東レ・デュポン社製)にCB4
phr、荷電制御剤ボントロンN07(オリエント化学製)2
phrを添加し、混練り後、ジェットミルにて粉砕分級し
て粒子を作製した。粒子Bは、熱可塑性ポリエーテルエ
ステルエラストマー:ハイトレル6377(東レ・デュポン
社製)に酸化チタン10phr、荷電制御剤ボントロンE89
(オリエント化学製)2phrを添加し、混練り後、ジェ
ットミルにて粉砕分級して粒子を作製した。前述のリブ
を形成した酸化インジウム電極付きのガラス基板と、リ
ブを形成していない酸化インジウム電極付きのガラス基
板の間に、前述粒子A、Bを入れ、ガラス基板周辺をエ
ポキシ系接着剤にて接着すると共に、粒子を封入し、画
像表示装置を作製した。粒子Aと粒子Bの混合率は同重
量づつとし、それら粒子のガラス基板間への充填率は6
0容量%となるように調整した。ここで、空隙を埋める
気体は、相対湿度50%RHの空気とした。隔壁材料を構
成する無機粉体の粒子径分布及び平均粒子径と、得られ
た画像表示装置の表示機能の評価結果を第1表に示す。
【0031】実施例2 実施例1において、基板間の空隙を埋める気体の相対湿
度を70%RH(25℃)へ変更した以外は、同様にし
て、表示装置を作製した。評価結果を第1表に示す。空
隙の気体の湿度が高いのでコントラストがやや悪化し
た。
【0032】実施例3 実施例1において、ペーストに用いるガラス粉体作製の
粉砕条件を変えた以外は、同様にして、表示装置を作製
した。評価結果を第1表に示す。無機粉体の粒子径分布
Spanが大きいので、コントラストがやや悪化した。
【0033】比較例1 実施例1において、感光性ペースト材料を用いず、通常
のスクリーン印刷にてリブを形成した以外は、同様にし
て、表示装置を作製した。スクリーン印刷に用いたペー
ストは、エポキシ系の熱硬化性樹脂とし、所定のリブ高
さになるまで印刷を繰り返し、その後150℃にて硬化
させた。評価結果を第1表に示す。10000回繰り返
し後のコントラスト比の低下が大きく、異常点があるこ
とから、耐久性が大幅に悪化したことが分かる。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明は、対向する基板間をつなぐ隔壁
は、感光性樹脂組成物を含む感光性ペーストを塗布した
後、露光現像により形成されたものであるが、隔壁材料
に安価な無機粉体を用い、構造的に安定性した隔壁を容
易に得ることができる。また、本発明の画像表示方法で
は、繰返し耐久性に優れた画像を表示することができ
る。従って本発明により、安価で、かつ、安定性に優れ
た画像を表示できる画像表示装置が得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像表示方法の表示方式を示す説明
図である。
【図2】 本発明の画像表示方法の表示方式を示す説明
図である。
【図3】 本発明の画像表示方法における表示装置の構
造を示す説明図である。
【図4】 本発明の画像表示方法における隔壁の形状の
一例を示す図である。
【図5】 本発明の画像表示方法における隔壁材料の形
成工程の説明図である。
【符号の説明】
1、2:基板 3:粒子 4:隔壁
フロントページの続き (72)発明者 二瓶 則夫 東京都小平市小川東町3−5−5 (72)発明者 薬師寺 学 東京都小平市小川東町3−2−6 (72)発明者 北野 創 東京都小平市小川東町3−5−5 (72)発明者 川越 隆博 埼玉県所沢市青葉台1302−57

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明である2枚の対向
    する基板間に粒子を封入し、この基板間に電界を発生さ
    せて前記粒子を移動させることにより画像を表示する画
    像表示方法において、前記基板間に隔壁が形成されてお
    り、前記隔壁が感光性樹脂組成物を含む感光性ペースト
    を塗布後、露光現像によって形成されたものであること
    を特徴とする画像表示方法。
  2. 【請求項2】 対向する基板間に位置する隔壁が、片リ
    ブ構造である請求項1に記載の画像表示方法。
  3. 【請求項3】 感光性ペーストが無機粉体を含み、かつ
    無機粉体の下記式で表される粒子径分布Spanが8以下で
    ある請求項1または請求項2に記載の画像表示方法。 Span=(d(0.9)−d(0.1))/d(0.5) (但し、d(0.5)は粒子の50%がこれより大きく、50%
    がこれより小さいという粒径をμmで表した数値、d
    (0.1)はこれ以下の粒子の比率が10%である粒径をμm
    で表した数値、d(0.9)はこれ以下の粒子が90%である
    粒径をμmで表した数値を示す。)
  4. 【請求項4】 無機粉体の平均粒子径d(0.5)が0.1
    〜20μmである請求項3に記載の画像表示方法。
  5. 【請求項5】 対向する基板間の空隙が、25℃におけ
    る相対湿度が60%RH以下の気体で満たされている請求
    項1〜4のいずれかに記載の画像表示方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方が透明な対向する基板間
    に粒子を封入し、この基板間に電界を発生させて前記粒
    子を移動させることにより画像を表示する画像表示装置
    において、対向する基板間に位置する隔壁が、感光性樹
    脂組成物を含む隔壁材料を塗布した後、露光現像により
    形成されたものであることを特徴とする画像表示装置。
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