JP2003202505A - 画像表示装置用接眼レンズ - Google Patents

画像表示装置用接眼レンズ

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JP2003202505A
JP2003202505A JP2002001366A JP2002001366A JP2003202505A JP 2003202505 A JP2003202505 A JP 2003202505A JP 2002001366 A JP2002001366 A JP 2002001366A JP 2002001366 A JP2002001366 A JP 2002001366A JP 2003202505 A JP2003202505 A JP 2003202505A
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JP
Japan
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lens
lens group
eyepiece
image display
display device
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JP2002001366A
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English (en)
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Noboru Koizumi
昇 小泉
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量かつコンパクトな構成でありながら、従
来に比べて広い視野角を確保でき、観察者がより広い視
野範囲での観測を行うことができるようにする。 【解決手段】 接眼レンズ10は、観察者側から順に、
第1レンズ群G1と、第2レンズ群G2と、第3レンズ
群G3とを備えている。この接眼レンズ10は、第1レ
ンズ群G1が、正のレンズ群によって構成され、第2レ
ンズ群G2が、観察者側から順に、正レンズ、負レンズ
および正レンズが配設されて構成され、第3レンズ群G
3が、負のレンズ群によって構成され、かつ、第1レン
ズ群G1または第2レンズ群G2の少なくとも1面が、
非球面で構成されていることを基本構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばイメージ増
倍管(image intensifier)を用いた画像表示装置に使
用される画像表示装置用接眼レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、画像表示装置によって提供さ
れた表示画像を拡大観察するための画像表示装置用の接
眼レンズが知られている。このような接眼レンズとして
は、例えば暗視光学装置(ナイトスコープ)に用いられ
るものがある。暗視光学装置は、低照度の条件下におい
て使用されるものであり、物体像の明るさを増幅するた
めにイメージ増倍管を使用している。すなわち、暗視光
学装置では、対物レンズで集光した微弱な光をイメージ
増倍管によって増倍し、明るさの増幅された光学像を表
示する。観察者は、このイメージ増倍管によって表示さ
れた光学像を、接眼レンズを介して観察する。近年で
は、このイメージ増倍管の小型化が進んでおり、それに
使用される接眼レンズについても、軽量でコンパクトな
ものが求められている。
【0003】このようなイメージ増倍管を用いた画像表
示装置用の接眼レンズとしては、本願出願人による特開
2000-105344号公報(米国特許6181479号)および特開20
01-66522号公報等に記載されたものがある。これら公報
記載の接眼レンズは、軽量、コンパクト化が図られてお
り、イメージ増倍管を用いた画像表示装置に適した性能
を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
公報記載の接眼レンズは、イメージ増倍管を用いた画像
表示装置に用いられるものとしては十分な性能を有して
いるものの、視野角が40°程度とやや狭いものとなっ
ており、この点でまだ改善の余地がある。比較的広い視
野角を有した接眼レンズとしては、例えば米国特許4054
370号公報に記載されたものがあるが、それでも51°
程度である。観察者にとっては、視野角が広い方が、よ
り広い視野範囲での観測が可能となるので望ましい。従
って、従来よりも広い(例えば55°以上の)視野角を
有する接眼レンズの開発が望まれるところである。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、軽量かつコンパクトな構成でありな
がら、従来に比べて広い視野角を確保でき、観察者がよ
り広い視野範囲での観測を行うことができるようにした
画像表示装置用接眼レンズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による画像表示装
置用接眼レンズは、観察者側から順に、第1レンズ群
と、第2レンズ群と、第3レンズ群とを備え、第1レン
ズ群が、正のレンズ群によって構成され、第2レンズ群
が、観察者側から順に、正レンズ、負レンズおよび正レ
ンズが配設されて構成され、第3レンズ群が、負のレン
ズ群によって構成されている。そしてさらに、第1レン
ズ群または第2レンズ群の少なくとも1面が、非球面で
構成されている。
【0007】本発明による画像表示装置用接眼レンズで
は、以上の基本構成により、特にイメージ増倍管を用い
た画像表示装置に適した性能が得られる。また、軽量か
つコンパクト性が確保されると共に、従来に比べて広い
視野角が確保される。特に、第1レンズ群において例え
ば最も観察者側のレンズに正のパワー(屈折力)を持た
せることで、光線の発散が抑えられる。これにより、レ
ンズの外形が小さく抑えられる。このとき、急激に光線
が曲げられたとしても、第1レンズ群または第2レンズ
群の少なくとも1面を非球面にすることにより、種々の
収差の発生が抑えられる。また、第2レンズ群が、正レ
ンズ、負レンズおよび正レンズの構成となっていること
により、特に色収差の発生が抑えられる。
【0008】ここで、本発明による画像表示装置用接眼
レンズは、さらに、以下の条件式(1)〜(3)を満足
するように構成されていることが望ましい。 0.8<f1/f<1.2 ……(1) 1.3<f2/f<2.5 ……(2) −1.9<f3/f<−1.0 ……(3) ただし、fは、全系の焦点距離を示し、f1は、第1レ
ンズ群の焦点距離を示し、f2は、第2レンズ群の焦点
距離を示し、f3は、第3レンズ群の焦点距離を示す。
【0009】本発明による画像表示装置用接眼レンズ
は、また、以下の条件式(4)を満足するように構成さ
れていることが望ましい。 −3.0<RI/f<−1.6 ……(4) ただし、RIは、画像表示面の曲率半径を示す。
【0010】上述の基本構成にこれらの条件式(1)〜
(4)を適宜満足することにより、特に諸収差の補正が
より良好になされる。これにより、広い視野角の確保と
コンパクト性の確保がより容易になされる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0012】まず、図1を参照して、本発明の一実施の
形態に係る画像表示装置用接眼レンズ(以下、単に「接
眼レンズ」という。)10が適用される画像表示装置に
ついて説明する。図1に示した画像表示装置は、例えば
ナイトスコープとして利用されるものであり、物体側に
配置された対物レンズ2と、前面に対物レンズ2が取り
付けられたイメージ増倍管3とを備えている。
【0013】イメージ増倍管3は、対物レンズ2によっ
て形成された光学像の明るさを電子的に増幅して表示す
る機能を有している。イメージ増倍管3は、入射した光
に応じて光電子を放出する光電面4と光電子の衝突によ
り発光する蛍光面5とを有している。イメージ増倍管3
において、光電面4と蛍光面5との間には、光電面4か
ら放出された光電子の数を増幅するためのMCP(Micr
o-Channel Plate)等が配置されている。蛍光面5の表
面には、ファイバ・プレート6が配置されている。イメ
ージ増倍管3の画像表示側の端面12は、中央部が窪ん
だ構造となっており、中空部13が形成されている。蛍
光面5は、中空部13の端面に形成されている。接眼レ
ンズ10は、鏡筒11に収納されている。接眼レンズ1
0は、像側のレンズが部分的に中空部13内に位置する
ように配置されている。
【0014】ファイバ・プレート6は、多数の光ファイ
バが互いに平行配置されて構成されたものであり、光学
的な情報を一端面から他端面に伝達する機能を有してい
る。また、ファイバ・プレート6は、蛍光面5を保護す
る機能も有している。ファイバ・プレート6の一端面
は、蛍光面5の表面に当接され、他端面6Aは接眼レン
ズ10の最も観察像側のレンズ面側に配置されている。
このファイバ・プレート6の他端面が、接眼レンズ10
によって観察される画像表示面6Aになる。ファイバ・
プレート6は、表面の形状を例えば光軸方向に湾曲させ
ることが可能となっており、蛍光面5からの光学像を湾
曲した状態で接眼レンズ10側に伝達することが可能と
なっている。このファイバプレート6の性質を利用し
て、ファイバ・プレート6の他端面(画像表示面)6A
を、例えば、接眼レンズ10が有する像面湾曲の特性に
合わせた形状に湾曲させることで、接眼レンズ10の光
学性能を向上させることができる。
【0015】このような構成の画像表示装置では、対物
レンズ2によって形成された光学像が、イメージ増倍管
3の光電面4上に結像される。光電面4からは、入射し
た光学像の明るさに応じた光電子が放出される。放出さ
れた光電子は、増幅されて蛍光面5に衝突することによ
り、蛍光面5上で明るさの増幅された光学像が表示され
る。蛍光面5上に表示された画像は、ファイバ・プレー
ト6を介して接眼レンズ10側に伝達される。イメージ
増倍管3およびファイバ・プレート6を介して提供され
た対物レンズ2からの画像は、接眼レンズ10を介して
拡大観察される。
【0016】次に、本実施の形態に係る接眼レンズ10
の構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る
接眼レンズの一構成例を示している。また、図3〜図5
は、本実施の形態に係る接眼レンズの他の構成例を示し
ている。図2〜図5に示した構成例は、それぞれ、後述
の第1〜第4の数値実施例(図6(A),(B)〜図9
(A),(B))のレンズ構成に対応している。
【0017】以下、図2〜図5に示した本実施の形態に
係る接眼レンズ10A〜10D(以下、特に必要のある
場合を除き10A〜10Dを総称して10と記す。)に
ついて、図2に示した接眼レンズ10Aを基本にして説
明する。
【0018】図2〜図5において、符号Zeyeで示す
側が観察側(観察者側、瞳側)である。また、符号Zi
mgで示す側が、観察像側(図1に示した画像表示装置
における画像表示面6A側)に対応する。また、図2〜
図5において、符号riは、瞳位置(アイポイント)
E.Pを1番目として、観察像側に向かうに従い順次増
加するi番目の構成要素の面の曲率半径を示す。符号d
iは、i番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔
を示す。図2〜図5において、r13は、図1に示した
画像表示装置における画像表示面6Aの曲率半径RIに
対応する。また、d1は、アイレリーフに対応する。
【0019】本実施の形態に係る接眼レンズ10は、光
軸Z1に沿って、観察者側から順に、第1レンズ群G1
と、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とを備えて
いる。この接眼レンズ10は、第1レンズ群G1が、正
のレンズ群によって構成され、第2レンズ群G2が、観
察者側から順に、正レンズ、負レンズおよび正レンズが
配設されて構成され、第3レンズ群G3が、負のレンズ
群によって構成され、かつ、第1レンズ群G1または第
2レンズ群G2の少なくとも1面が、非球面で構成され
ていることを基本構成としている。
【0020】第1レンズ群G1は、観察者側から順に、
例えば2枚のレンズ(レンズL1,L2)を配設した構
成となっている。レンズL1,L2はそれぞれ、例えば
正の単レンズによって構成される。レンズL1,L2
は、少なくとも1面が非球面で構成されていることが望
ましい。この場合、後述の実施例4(図9(A),
(B))のように、例えばレンズL2の観察者側の面S
4を非球面で構成することが望ましい。
【0021】第1レンズ群G1において、レンズL1
は、例えば両凸形状で構成される。ただし、このレンズ
L1を、接眼レンズ10B(図3)および10D(図
5)のように、観察者側に凸面を向けたメニスカス形状
で構成してもよい。レンズL2は、例えば観察者側に凸
面を向けたメニスカス形状で構成される。ただし、この
レンズL2を、接眼レンズ10B〜10D(図3〜図
5)のように、両凸形状で構成してもよい。
【0022】第2レンズ群G2は、観察者側から順に、
正、負、正の3枚のレンズL3〜L5を配設した構成と
なっている。レンズL3〜L5は、少なくとも1面が非
球面で構成されていることが望ましい。この場合、後述
の実施例1〜3(図6(A),(B)〜図8(A),
(B))のように、最も観察者側に配置されたレンズL
3の観察者側の面S6を非球面で構成することが望まし
い。
【0023】第2レンズ群G2において、レンズL3
は、例えば観察者側に凸面を向けたメニスカス形状で構
成される。ただし、このレンズL3を、接眼レンズ10
B〜10D(図3〜図5)のように、両凸形状で構成し
てもよい。
【0024】第2レンズ群G2において、レンズL4と
レンズL5は、例えば接合レンズを構成している。レン
ズL4は、例えば観察者側に凸面を向けたメニスカス形
状で構成される。ただし、このレンズL4を、接眼レン
ズ10B〜10D(図3〜図5)のように、両凹形状で
構成してもよい。レンズL5は、例えば両凸形状で構成
される。
【0025】第3レンズ群G3は、例えば負の単レンズ
(レンズL6)によって構成されている。ただし、第3
レンズ群G3が複数のレンズ成分に分割された構成であ
ってもよい。レンズL6は、例えば、観察者側に凹面を
向けたメニスカス形状で構成される。ただし、このレン
ズL6を、接眼レンズ10D(図5)のように、両凹形
状で構成してもよい。
【0026】本接眼レンズ10は、主として良好な収差
性能を確保するために、以下の条件式(1)〜(3)を
満足するように構成されていることが望ましい。条件式
(1)〜(3)において、fは、全系の焦点距離を示
し、f1は、第1レンズ群G1の焦点距離を示し、f2
は、第2レンズ群G2の焦点距離を示し、f3は、第3
レンズ群G3の焦点距離を示す。 0.8<f1/f<1.2 ……(1) 1.3<f2/f<2.5 ……(2) −1.9<f3/f<−1.0 ……(3)
【0027】本接眼レンズ10は、また、像面湾曲を良
好な範囲とするために、以下の条件式(4)を満足する
ように構成されていることが望ましい。条件式(4)に
おいて、RIは、画像表示面6Aの曲率半径を示す。 −3.0<RI/f<−1.6 ……(4)
【0028】次に、以上のような構成の本接眼レンズ1
0によってもたらされる光学的な作用および効果につい
て説明する。
【0029】この接眼レンズ10において、レンズの外
径を小さく抑え、軽量かつコンパクト性を確保するため
には、第1レンズ群G1に正のパワー(屈折力)を持た
せ、光線を発散させないことが肝要である。特に、第1
レンズ群G1において最も観察者側のレンズL1に正の
パワーを持たせ、より曲率半径の小さい面を観察者側に
向けることにより、光線を良好に偏向できる。しかしな
がら、このように第1レンズ群G1において急激に光線
を曲げることは、特に球面収差とコマ収差の発生を引き
起こす。このため、第1レンズ群G1または第2レンズ
群G2に非球面を導入することが必要となる。第1レン
ズ群G1または第2レンズ群G2の少なくとも1面を非
球面にすることにより、特に球面収差とコマ収差の発生
が抑えられる。
【0030】また、第2レンズ群G2が、観察者側から
順に、正、負、正の3枚のレンズL3〜L5を配設した
構成となっていることにより、特に色収差の発生が抑え
られる。また特に、第3レンズ群G3が負のレンズ群の
構成となっていることにより、アイレリーフを確保しや
すくなる。
【0031】条件式(1)は、第1レンズ群G1の適正
な正のパワー範囲を規定している。条件式(1)の下限
を越えると第1レンズ群G1のパワーが強くなり過ぎ、
球面収差およびコマ収差が補正しきれなくなる。一方、
上限を越えると、第1レンズ群G1のパワーが弱くな
り、光線の偏向角がとれなくなる。このため、特に第2
レンズ群G2の外径の増大を招き、その結果、接眼レン
ズ10全体のコンパクト性が失われてしまう。
【0032】条件式(2)は、第2レンズ群G2の適正
な正のパワー範囲を規定している。条件式(2)の下限
を越えると、第2レンズ群G2のパワーが強くなり過
ぎ、第3レンズ群G3の負のパワーの増大を引き起こ
す。このため、像面湾曲およびコマ収差の補正が困難と
なる。一方、上限を越えると、第2レンズ群G2のパワ
ーが弱くなり、第1レンズ群G1の正のパワーの増大を
引き起こす。このため、特に、球面収差、コマ収差およ
び歪曲収差の補正が困難となる。
【0033】条件式(3)は、第3レンズ群G3におけ
る適正な負のパワー範囲を規定している。条件式(3)
の下限を越えると第3レンズ群G3のパワーが弱くな
り、発散作用が小さくなる。このため、特に、像面湾曲
の劣化を招き、また、十分なバックフォーカスがとれな
くなってしまう。一方、上限を越えると、第1および第
2レンズ群G1,G2の正のパワーの増大を招き、特に
球面収差およびコマ収差の補正が困難となる。
【0034】ところで、接眼レンズ10は、基本的には
正レンズであるため、像面は凹面に湾曲する。この湾曲
量は、接眼レンズ10のパワーと密接に関係しており、
これにより規制を受ける。このため、条件式(4)の上
限または下限を越えると、像面湾曲が大きくなり、特
に、視界端でのピントずれが大きくなってしまう。すな
わち、条件式(4)を満足することで、像面湾曲の補正
をしやすくなり、特に視界端でのピントずれの改善を行
うことができる。
【0035】以上説明したように、本実施の形態に係る
接眼レンズ10によれば、上述の構成と各条件式を適宜
満足することにより、特にイメージ増倍管を用いた画像
表示装置に適した性能を得ることができる。特に、諸収
差が良好に補正され、軽量かつコンパクトな構成であり
ながら、従来に比べて広い(例えば55°以上の)視野
角を確保することができる。これにより、観察者がより
広い視野範囲での観測をしやすくなる。
【0036】
【実施例】次に、本実施の形態に係る接眼レンズ10の
具体的な数値実施例について説明する。以下では、第1
〜第4の数値実施例(実施例1〜4)についてまとめて
説明する。
【0037】図6(A),(B)〜図9(A),(B)
は、図2〜図5に示した接眼レンズ10A〜10Dの構
成に対応する具体的な数値実施例としてのレンズデータ
を示している。図6(A)〜図9(A)はそれぞれ、実
施例1〜4のレンズデータのうち基本的なデータ部分を
示し、図6(B)〜図9(B)は、非球面形状に関する
データを示している。
【0038】各図に示したレンズデータにおける面番号
Siの欄には、各実施例の接眼レンズについて、アイポ
イントE.Pを1番目として、観察像側に向かうに従い
順次増加する構成要素の面の番号を示している。曲率半
径riの欄には、図2〜図5に示した符号riに対応さ
せて、アイポイントE.Pも含めて観察者側からi番目
の構成要素の面の曲率半径の値を示す。面間隔diの欄
についても、図2〜図5に示した符号に対応させて、観
察者側からi番目の面Siとi+1番目の面Si+1と
の光軸上の間隔を示す。曲率半径riおよび面間隔di
の値の単位はミリメートル(mm)である。ndj,νdj
の欄には、それぞれ、観察者側からj番目(j=1〜6)
のレンズ要素のd線(波長587.6nm)に対する屈
折率およびアッベ数の値を示す。また、fは、全系の焦
点距離(mm)を示す。ωは、半視野角を示す。なお、
各実施例のレンズデータは、全系の焦点距離fが1.0
になるようにノーマライズしてある。
【0039】図6(B)〜図9(B)に示した非球面デ
ータは、以下の式(A)によって表される非球面多項式
における係数である。式(A)の非球面多項式は、光軸
Z1に直交する方向にy軸をとって非球面の形状を表し
たものである。非球面は、式(A)で表される曲線を光
軸Z1の周りに回転して得られる曲面である。yは、光
軸Z1からレンズ面までの距離(高さ)に相当する。Z
の値は、光軸Z1から高さyの位置にある非球面上の点
から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下
ろした垂線の長さ、すなわち非球面の深さを示す。r
は、非球面頂点近傍における近軸曲率半径を表す。K
は、円錐係数を表し、A4,A6,A8,A10は、それぞ
れ4次,6次,8次,10次の非球面係数を表す。
【0040】 Z=(y2/r)/[1+{1−(K+1)(y/r)21/2] +A44+A66+A88+A1010 ……(A) ただし、Z:光軸Z1から高さyの位置にある非球面上
の点から、非球面の頂点の接平面に下ろした垂線の長さ
(mm) y:光軸からの高さ(mm) K:円錐係数 r:非球面頂点近傍での近軸曲率半径 A4〜A10:非球面係数
【0041】ここで、実施例1のレンズ構成を基準とし
て、各実施例の接眼レンズについてそのレンズ形状の違
いについて説明する。まず、実施例2の接眼レンズが、
実施例1の接眼レンズに対して構成上大きく異なるの
は、第1レンズ群G1におけるレンズL1,L2と第2
レンズ群G2におけるレンズL3,L4の部分である。
すなわち、レンズL1については、実施例1では両凸形
状となっているが、実施例2では観察者側に凸面を向け
たメニスカス形状となっている。また、レンズL2につ
いては、実施例1では観察者側に凸面を向けたメニスカ
ス形状となっているが、実施例2では両凸形状となって
いる。また、レンズL3については、実施例1では観察
者側に凸面を向けたメニスカス形状となっているが、実
施例2では両凸形状となっている。レンズL4について
は、実施例1では観察者側に凸面を向けたメニスカス形
状となっているが、実施例2では両凹形状となってい
る。
【0042】次に、実施例3の接眼レンズが、実施例1
の接眼レンズに対して構成上大きく異なるのは、第1レ
ンズ群G1におけるレンズL2と第2レンズ群G2にお
けるレンズL3,L4の部分である。すなわち、レンズ
L2については、実施例1では観察者側に凸面を向けた
メニスカス形状となっているが、実施例3では両凸形状
となっている。また、レンズL3については、実施例1
では観察者側に凸面を向けたメニスカス形状となってい
るが、実施例3では両凸形状となっている。レンズL4
については、実施例1では観察者側に凸面を向けたメニ
スカス形状となっているが、実施例3では両凹形状とな
っている。
【0043】実施例4の接眼レンズが、実施例1の接眼
レンズに対して構成上大きく異なるのは、第1レンズ群
G1におけるレンズL1,L2と第2レンズ群G2にお
けるレンズL3,L4と第3レンズ群G3におけるレン
ズL6の部分である。すなわち、レンズL1について
は、実施例1では両凸形状となっているが、実施例4で
は観察者側に凸面を向けたメニスカス形状となってい
る。レンズL2については、実施例1では観察者側に凸
面を向けたメニスカス形状となっているが、実施例4で
は両凸形状となっている。また、レンズL3について
は、実施例1では観察者側に凸面を向けたメニスカス形
状となっているが、実施例4では両凸形状となってい
る。レンズL4については、実施例1では観察者側に凸
面を向けたメニスカス形状となっているが、実施例4で
は両凹形状となっている。レンズL6については、実施
例1では観察者側に凹面を向けたメニスカス形状となっ
ているが、実施例4では両凹形状となっている。
【0044】また、非球面に関しては、実施例1〜3で
は、第2レンズ群G2における最も観察者側に配置され
たレンズL3の観察者側の面(第6面)が非球面形状で
あるのに対し、実施例4では、第1レンズ群G1におけ
るレンズL2の観察者側の面(第4面)が非球面形状と
なっている。
【0045】図10は、上述の条件式(1)〜(4)に
対応する値を各実施例について示したものである。図1
0に示したように、各実施例の値が、各条件式の範囲内
となっている。
【0046】図11〜図18は、各実施例の接眼レンズ
についての諸収差を示している。より詳しくは、図11
(A),(B),(C)はそれぞれ、実施例1の接眼レ
ンズについての球面収差、非点収差およびディストーシ
ョン(歪曲収差)を示している。同様に、図13(A)
〜(C)、図15(A)〜(C)および図17(A)〜
(C)はそれぞれ、実施例2〜4の接眼レンズについて
の球面収差、非点収差および歪曲収差を示している。ま
た、図12(A)〜(H)は、実施例1の接眼レンズに
ついての横収差を示している。同様に、図14(A)〜
(H)、図16(A)〜(H)および図18(A)〜
(H)はそれぞれ、実施例2〜4の接眼レンズについて
の横収差を示している。
【0047】なお、非点収差を示す図において、符号S
を付した破線はサジタル像面に対する収差を示し、符号
Tを付した破線はタンジェンシャル(メリジオナル)像
面に対する収差を示している。球面収差は、d線(波長
587.6nm),F線(波長486.1nm),C線
(波長656.3nm)についての値を示す。各収差図
において、特に波長を明記していないものは、d線に対
する収差を示す。また、各収差図において、ωは半視野
角を示す。球面収差図に示したhは、アイポイントE.
Pの瞳半径を表している。横収差を示す図において、E
Xは、サジタル像面に対する収差を示し、EYはタンジ
ェンシャル像面に対する収差を示す。すなわち、例えば
図12(A)〜(D)は、各視野角におけるサジタル像
面に対する横収差を示し、例えば図12(E)〜(H)
は、各視野角におけるタンジェンシャル像面に対する横
収差を示す。またこれら横収差を示す図において、P
Y,PXは、入射瞳面上での光線位置を示す。
【0048】以上の各レンズデータおよび各収差図から
わかるように、各実施例について、諸収差が良好に補正
され、従来に比べて広い視野角が確保されている。具体
的には、実施例1,2,4については、視野角2ω=5
5°が確保され、実施例3については、視野角2ω=6
0°が確保されている。
【0049】なお、本発明は、上記実施の形態および各
実施例に限定されず種々の変形実施が可能である。例え
ば、各レンズ成分の曲率半径r、面間隔d、屈折率nお
よびアッベ数νの値などは、上記各数値実施例で示した
値に限定されず、他の値をとり得る。
【0050】さらに、本発明は、イメージ増倍管を用い
た画像表示装置に限定されるものではなく、他の画像表
示装置にも適用可能である。また、上記実施の形態およ
び各実施例では、観察対象となる画像表示面が湾曲して
いるものとして説明したが、画像表示面が平面である場
合にも、本発明はもちろん適用可能である。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項3のいずれか1項に記載の画像表示装置用接眼レン
ズによれば、第1レンズ群を正のレンズ群によって構成
し、第2レンズ群を観察者側から順に、正レンズ、負レ
ンズおよび正レンズが配設された構成とし、さらに、第
3レンズ群を負のレンズ群によって構成し、そしてさら
に、第1レンズ群または第2レンズ群の少なくとも1面
を、非球面で構成するようにしたので、軽量かつコンパ
クトな構成でありながら、従来に比べて広い(例えば5
5°以上の)視野角を確保することができる。これによ
り、観察者がより広い視野範囲での観測をしやすくな
る。
【0052】特に、請求項2記載の画像表示装置用接眼
レンズによれば、請求項1記載の画像表示装置用接眼レ
ンズにおいて、各レンズ群のパワー配分に関して所定の
条件式(1)〜(3)を満足するようにしたので、特に
諸収差の補正をしやすくなり、広い視野角の確保とコン
パクト性の確保とをより容易に行うことができる。
【0053】さらに、請求項3記載の画像表示装置用接
眼レンズによれば、画像表示面の曲率半径RIと全系の
パワーとに関連する所定の条件式(4)を満足するよう
にしたので、像面湾曲の補正をしやすくなり、特に視界
端でのピントずれの改善を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズが適用される画像表示装置の概略を示す構成図
である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの一構成例を示すものであり、第1の数値実施
例に対応するレンズ断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの他の構成例を示すものであり、第2の数値実
施例に対応するレンズ断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの他の構成例を示すものであり、第3の数値実
施例に対応するレンズ断面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの他の構成例を示すものであり、第4の数値実
施例に対応するレンズ断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの第1の数値実施例(実施例1)としてのレン
ズデータを示す説明図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの第2の数値実施例(実施例2)としてのレン
ズデータを示す説明図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの第3の数値実施例(実施例3)としてのレン
ズデータを示す説明図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係る画像表示装置用接
眼レンズの第4の数値実施例(実施例4)としてのレン
ズデータを示す説明図である。
【図10】第1ないし第4の数値実施例に係る画像表示
装置用接眼レンズが満たす条件式のデータを示す説明図
である。
【図11】実施例1の画像表示装置用接眼レンズについ
ての球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図で
ある。
【図12】実施例1の画像表示装置用接眼レンズについ
ての横収差を示す収差図である。
【図13】実施例2の画像表示装置用接眼レンズについ
ての球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図で
ある。
【図14】実施例2の画像表示装置用接眼レンズについ
ての横収差を示す収差図である。
【図15】実施例3の画像表示装置用接眼レンズについ
ての球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図で
ある。
【図16】実施例3の画像表示装置用接眼レンズについ
ての横収差を示す収差図である。
【図17】実施例4の画像表示装置用接眼レンズについ
ての球面収差、非点収差および歪曲収差を示す収差図で
ある。
【図18】実施例4の画像表示装置用接眼レンズについ
ての横収差を示す収差図である。
【符号の説明】
E.P…アイポイント(瞳位置)、G1〜G3…第1〜
第3レンズ群、Z1…光軸、2…対物レンズ、3…イメ
ージ増倍管、4…光電面、5…蛍光面、6…ファイバ・
プレート、6A…画像表示面、10(10A〜10D)
…画像表示装置用接眼レンズ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観察者側から順に、第1レンズ群と、第
    2レンズ群と、第3レンズ群とを備えた画像表示装置用
    接眼レンズにおいて、 前記第1レンズ群は、正のレンズ群によって構成され、 前記第2レンズ群は、観察者側から順に、正レンズ、負
    レンズおよび正レンズが配設されて構成され、 前記第3レンズ群は、負のレンズ群によって構成され、 かつ、前記第1レンズ群または前記第2レンズ群の少な
    くとも1面が、非球面で構成されていることを特徴とす
    る画像表示装置用接眼レンズ。
  2. 【請求項2】 さらに、以下の条件式(1)〜(3)を
    満足するように構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の画像表示装置用接眼レンズ。 0.8<f1/f<1.2 ……(1) 1.3<f2/f<2.5 ……(2) −1.9<f3/f<−1.0 ……(3) ただし、 f:全系の焦点距離 f1:第1レンズ群の焦点距離 f2:第2レンズ群の焦点距離 f3:第3レンズ群の焦点距離 とする。
  3. 【請求項3】 さらに、以下の条件式(4)を満足する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の画像表示装置用接眼レンズ。 −3.0<RI/f<−1.6 ……(4) ただし、 RI:画像表示面の曲率半径 とする。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105739084A (zh) * 2016-04-29 2016-07-06 厦门灵境信息科技有限公司 一种光学镜头系统及头戴式显示装置
WO2018124563A1 (ko) * 2016-12-26 2018-07-05 삼성전자 주식회사 텔레 컨버터 렌즈 및 이를 포함하는 전자 장치

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