JP2003202165A - 低温排熱を利用した空調システム - Google Patents
低温排熱を利用した空調システムInfo
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Abstract
装置からの低温の排熱を主たる熱源に利用して、省エネ
ルギーで行うことを可能とした空調システムの提供。 【解決手段】調温・調湿手段を備えた空気調和装置1の
予熱用熱交換器2、再熱用熱交換器5に、水冷冷却装置
7の低温排熱用の熱媒水を供給する。熱媒水は、水冷冷
却装置7、予熱用熱交換器2および再熱用熱交換器5、
熱媒水冷却用熱交換器8、水冷冷却装置7を連結する循
環経路9を循環し、循環経路9は予熱用熱交換器2およ
び再熱用熱交換器5を迂回させて熱媒水を流通させるバ
イパス路10、予熱用熱交換器2および再熱用熱交換器
5の下流に熱媒水の温度を測定する第1の熱媒水温度測
定部17、この第1の熱媒水温度測定部17での温度に
よりバイパス路10へ流通する熱媒水の流量を調整する
三方弁11、熱媒水冷却用熱交換器8の下流に熱媒水の
温度を測定する第2の熱媒水温度測定部18、第2の熱
媒水温度測定部18での温度により熱媒水冷却用熱交換
器8へ供給する別系統の熱媒の流量を調整する電磁二方
弁12を備える。
Description
した、外気の調温・調湿を行う空調システムに関するも
のである。
空気調和装置としては、外気あるいは外気と被調和室か
らの還気との混合空気を取り入れ、冬季などの暖房時に
所定の温度まで暖める予熱用熱交換器、夏季などの冷房
・除湿時に所定の露点温度まで冷却して除湿する除湿・
冷却用熱交換器、冬季などの乾燥時に加湿を行う加湿
器、冬季などの加湿後および夏季などの除湿・冷却後に
目標とする温度まで暖める再熱用熱交換器を備えたもの
が利用されている。そして、これらの空調方式におい
て、予熱用熱交換器および再熱用熱交換器では、例えば
ボイラなどを熱源とした高温の温水または蒸気などを用
いて送風空気の加熱処理を行い、空調空間に給気するよ
うにしている。
て加熱処理を行う空気調和装置は、特開2001−50
562号公報に記載されている様に、各種の生産装置な
どから排出された温熱を用いた別系統の熱媒を利用し
て、熱交換器により熱媒水を加熱し、この熱媒水を前記
予熱用熱交換器、再熱用熱交換器などの調温手段よりも
上流に配置した予備加熱用熱交換器に供給して、調温手
段で加熱処理する前に、この予備加熱用熱交換器におい
て予め外気を暖めておくことが知られている。
は、各種の生産装置などから排出された温熱を、空気調
和装置の加熱用熱交換器に供給する熱媒水として用いよ
うとする場合において、前記加熱用熱交換器に供給する
熱媒水と、各種の生産装置から排熱された温熱などは別
系統に属しているため、熱交換器で熱交換されることに
よりエネルギーの損失が生じる。例えば、エネルギー損
失として2℃程度の温度低減が生じる。特に、生産装置
の排熱用の冷却水などで、(温度が30℃以下の)低温
の排熱を利用する場合、このエネルギーの損失は大き
く、これによって熱媒水の温度が下がり、空気調和装置
に要求される加熱処理後の送風空気の温度との温度差が
小さくなると、この低温の排熱だけでは要求される温度
まで送風空気を暖めることができなくなる。そのため、
低温の排熱を空気調和装置の加熱熱源として利用するこ
とは、予備的な加熱処理に限られ、この低温の排熱のみ
で加熱処理を行うことが出来ず、例えばボイラなどを熱
源とした加熱処理と常に併用する必要があった。
に利用した、低コスト、省エネルギーで加熱空調処理を
することができる空調システムを提供することにある。
めに本発明は、調温・調湿手段を備えた空気調和装置
と、この空気調和装置の加熱用熱交換器と、冷却を必要
とする発熱部を冷却するための水冷冷却装置とから構成
される空調システムにおいて、前記加熱用熱交換器と前
記水冷冷却装置を連結する配管経路を設け、前記加熱用
熱交換器に供給する熱媒水は、前記水冷冷却装置に供給
する熱媒水が前記発熱部を冷却することにより昇温され
た、(温度が30℃以下の)低温排熱用の熱媒水を、途
中で熱交換器による熱交換などを行わず、直接に利用し
ている。
システムは、前記空気調和装置の前記加熱用熱交換器
は、取り込んだ外気の加熱処理を行う予熱用熱交換器
と、除湿・冷却後の送風空気の再加熱などを行う再熱用
熱交換器から構成される。
システムは、前記空気調和装置および前記水冷冷却装置
を流通する熱媒水は、前記水冷冷却装置、前記加熱用熱
交換器、前記水冷冷却装置を連結する循環経路を循環
し、この循環経路は密閉回路を形成している。
システムは、前記循環経路は、前記加熱用熱交換器を迂
回させて熱媒水を流通させるバイパス路、前記加熱用熱
交換器の下流に熱媒水の温度を測定する第1の熱媒水温
度測定部、この第1の熱媒水温度測定部での温度により
バイパス路へ流通する熱媒水の流量を調整する三方弁、
前記第1の熱媒水温度測定部の下流に熱媒水を別の系統
の熱媒と熱交換させて冷却することが可能な熱媒水冷却
用熱交換器、この熱媒水冷却用熱交換器の下流に熱媒水
の温度を測定する第2の熱媒水温度測定部、この第2の
熱媒水温度測定部での温度により前記熱媒水冷却用熱交
換器へ供給する別系統の熱媒の流量を調整する電磁二方
弁を備え、前記水冷冷却装置へ供給する前記加熱用熱交
換器で熱交換された後の熱媒水の温度を所定の温度に保
つ制御機構を有している。
いて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にか
かる説明図である。
湿・冷却用熱交換器3、加湿器4、再熱用熱交換器5、
給気ファン6を備えている。この実施の形態では、予熱
用熱交換器2および再熱用熱交換器5が加熱用熱交換器
である。
気は、冬季などの暖房・加湿運転時には、予熱用熱交換
器2により所定の温度まで暖められる。その後、加湿器
4により加湿されて送風空気の温度が下がった場合は、
再熱用熱交換器5により所定の温度まで再び暖められ
る。こうして、調温・調湿の空調処理がなされた空気
は、給気ファン6により空調空間へ送り出される。ま
た、夏季などの冷房・除湿運転時には、除湿・冷却用熱
交換器3において所定の露点温度まで除湿・冷却された
後、再熱用熱交換器5により所定の温度まで再び暖めら
れる。こうして、調温・調湿の空調処理がなされた空気
は、給気ファン6により空調空間へ送り出される。な
お、図示していないが、除湿・冷却用熱交換器3に対す
る熱媒水の経路は、予熱用熱交換器2および再熱用熱交
換器5に対する熱媒水の循環経路とは独立した別経路に
て設けられている。
と、複数の水冷冷却装置7は、循環経路9により同一系
統内で直接連結される。途中で熱交換器による熱交換を
交わすことのない同一冷媒水を使用するため、熱交換時
におけるエネルギーの損失を無くすことができ、省エネ
ルギー化を図ることができる。従って、水冷冷却装置7
で発熱部を冷却することにより昇温された熱媒水は、昇
温された温度を保持した状態で、予熱用熱交換器2およ
び再熱用熱交換器5に供給される。水冷冷却装置7で発
熱部を冷却することにより昇温された熱媒水が(30℃
以下の)低温であっても、例えば予熱用熱交換器2およ
び再熱用熱交換器5のコイルの段数および列数を増やす
などにより熱交換量を増やすことで、送風空気を所定の
温度まで暖めることを可能とする。また、空気調和装置
1において、予熱用熱交換器2による冬季などの暖房
と、再熱用熱交換器5による夏季などの除湿・冷却後の
再加熱などに、水冷冷却装置7で発熱部を冷却すること
により昇温された低温排熱用の熱媒水を、年間を通じて
利用する事が出来、ボイラなどの温熱源機器に要してい
たエネルギーを、年間を通じて削減することが可能であ
る。
は、水冷冷却装置7→予熱用熱交換器2および再熱用熱
交換器5→熱媒水冷却用熱交換器8→水冷冷却装置7の
順で循環する、密閉回路で形成される循環経路9が接続
されている。この循環経路9は、予熱用熱交換器2およ
び再熱用熱交換器5を迂回させて熱媒水を流通させるバ
イパス路10、予熱用熱交換器2および再熱用熱交換器
5の下流に熱媒水の温度を測定する第1の熱媒水温度測
定部17、この第1の熱媒水温度測定部17での温度に
よりバイパス路10へ流通する熱媒水の流量を調整する
三方弁11を備える。第1の熱媒水温度測定部17での
熱媒水の温度が所定の温度より低くなったときは、三方
弁11によりバイパス路10を流通する熱媒水の流量を
調整して、予熱用熱交換器2および再熱用熱交換器5に
より冷された熱媒水とバイパス路10を迂回してきた熱
媒水が混合して、第1の熱媒水温度測定部17での熱媒
水の温度が、所定の温度より低くならないように制御す
る。
器8の下流に熱媒水の温度を測定する第2の熱媒水温度
測定部18、この第2の熱媒水温度測定部18での温度
により熱媒水冷却熱交換気8へ供給する別系統の熱媒の
流量を調整する電磁二方弁12を備える。第2の熱媒水
温度測定部18での熱媒水の温度が所定の温度より高く
なったときは、電磁二方弁12により熱媒水冷却用熱交
換器8へ流通する別系統の熱媒の流量を調整して、第2
の熱媒水温度測定部18での熱媒水の温度が所定の温度
に冷されるよう制御する。
水冷冷却装置7に戻ってくる熱媒水の温度を所定の温度
に一定に保つことが可能となる。水冷冷却装置7が各種
の生産装置などを冷却するために利用される場合、水冷
冷却装置7に供給される熱媒水を所定の温度に一定に保
つことが製造プロセス上で要求されており、生産の安定
化に与える効果は大きい。また、この循環経路9は密閉
回路であるため、例えば純水を熱媒水に用いたときに、
この純水の劣化や設備の腐蝕などを抑制するといった利
点がある。
例では、例えば、水冷冷却装置7で発熱部を冷却するこ
とにより、昇温された熱媒水の温度が25℃と低温の排
熱の場合でも、予熱用熱交換器2または再熱用熱交換器
5において、25℃で供給された熱媒水を用いて、送風
空気を23℃まで暖めることができる。発熱負荷を有す
る空調空間では、冬季などの暖房・加湿運転時および夏
季などの冷房・除湿運転時の加熱処理を、この23℃の
送風空気によるだけで完了することができる。このた
め、従来使われていたボイラなどの加熱用の熱源機器が
不要となり、省エネルギー化を図ることが可能となる。
特に、半導体製造工程のクリーンルームなど空調空間内
に発熱負荷となる水冷冷却装置7を備えた生産装置が多
数あり、(温度が30℃以下の)低温排熱用の熱媒水が
年間を通じて24時間連続して多量に得られ、且つ年間
を通じて24時間連続して空調処理を行う必要があると
ころでは、この空調システムにより大きな省エネルギー
効果を得ることが出来る。
再熱用熱交換器5で送風空気を暖めることにより熱を奪
われて冷される。この冷された熱媒水が、循環経路9に
より水冷冷却装置7に供給され、そのときの熱媒水の温
度が所定の温度まで冷されていないときのみ、熱媒水冷
却用熱交換器8で冷し足されるだけであるので、水冷冷
却装置7に供給する熱媒水を冷却するのに要していた冷
凍機などの冷熱源機器のエネルギーも、年間を通じて削
減することが可能である。
る説明図である。空気調和装置1は、低温排熱用の熱媒
水を供給する予熱用熱交換器2と、高温の熱媒を供給す
る予熱用熱交換器13を併設し、低温排熱用の熱媒水を
供給する再熱用熱交換器5と、高温の熱媒を供給する再
熱用熱交換器14を併設する。高温の熱媒とは、例えば
ボイラなどを熱源とした温水または蒸気などである。こ
こで、予熱用熱交換器2と予熱用熱交換器13の順序、
および再熱用熱交換器5と再熱用熱交換器14の順序
は、どちらが上流に備えられてもよい。
いて、取り込まれた外気は、冬季などの暖房・加湿運転
時には、予熱用熱交換器2により温度センサー19にお
ける所定の温度まで暖められる。この予熱用熱交換器2
により暖められた送風空気の温度が、温度センサー19
において所定の温度に達しないときのみ、予熱用熱交換
気13に、温度センサー19における送風空気の温度が
所定の温度になるように電磁二方弁15により高温の熱
媒水の流量を調整しながら供給する。その後、加湿器4
により加湿されることにより送風空気の温度が下がった
場合は、再熱用熱交換器5により温度センサー20にお
ける所定の温度まで再び暖められる。この再熱用熱交換
器5により暖められた送風空気の温度が、温度センサー
20において所定の温度に達しないときのみ、再熱用熱
交換器14に、温度センサー20における送風空気の温
度が所定の温度になるよう電磁二方弁16により高温の
熱媒水の流量を調整しながら供給する。こうして、調温
・調湿の空調処理がなされた空気は、給気ファン6によ
り空調空間へ送り出される。
除湿・冷却用熱交換器3において所定の露点温度まで除
湿・冷却された後、再熱用熱交換器5により温度センサ
ー20における所定の温度まで再び暖められる。この再
熱用熱交換器5により暖められた送風空気の温度が、温
度センサー20において所定の温度に達しないときの
み、再熱用熱交換器14に、温度センサー20における
送風空気の温度が所定の温度になるように電磁二方弁1
6により高温の熱媒水の流量を調整しながら供給する。
こうして、調温・調湿の空調処理がなされた空気は、給
気ファン6により空調空間へ送り出される。
熱源による補助機構と温度制御機構を備えることによ
り、水冷冷却装置7の稼働状況が安定せず、水冷冷却装
置7からの排熱を利用して空気調和装置1へ供給するこ
とができない場所や、水冷冷却装置7からの排熱を空調
用の熱源として十分な量を空気調和装置1へ供給するこ
とができない場所などへも、本空調システムを適用して
いくことが可能となる。
る説明図である。空気調和装置1において、予熱用熱交
換器2は空気調和装置1の上流に付設され、再熱用熱交
換器5は空気調和装置1の下流に付設される。この実施
の形態によると、従来から利用されている既設の空気調
和装置1に本発明の空調システムを適用する事が可能と
なる。また、既設の空気調和装置1を、ボイラなどを熱
源機器とした熱媒による補助機構としてそのまま利用出
来るので、先に説明した本発明の第2の実施の形態にか
かる空気調和装置1と同様に、水冷冷却装置7の稼働状
況が安定していない場所や、水冷冷却装置7からの排熱
を空調用の熱源として十分な量を空気調和装置1へ供給
することができない場所などへも、本空調システムを適
用していくことが可能となる。
温排熱用の冷却水を、空気調和装置による冬季などの暖
房、夏季などの除湿・冷却後の再加熱などに用いるた
め、空気調和装置に供給する加熱用の熱媒水を加熱する
熱源、および水冷冷却装置に供給する冷却水を冷却する
熱源に要するエネルギーを、年間を通じて削減できる。
また、水冷冷却装置に供給する冷却水を一定の温度で供
給することが出来るので、水冷冷却装置が生産装置の冷
却に使われている場合などでは、品質の安定化が図れる
などの効果がある。
ムの説明図である。
ムの説明図である。
ムの説明図である。
Claims (4)
- 【請求項1】調温・調湿手段を備えた空気調和装置と、
前記空気調和装置の加熱用熱交換器と、冷却を必要とす
る発熱部を冷却するための水冷冷却装置とから構成され
る空調システムにおいて、前記加熱用熱交換器に供給す
る熱媒水は、前記水冷冷却装置に供給する熱媒水が前記
発熱部を冷却することにより昇温された(温度が30℃
以下の)低温排熱用の熱媒水であることを特徴とする低
温排熱を利用した空調システム。 - 【請求項2】請求項1において、前記空気調和装置の前
記加熱用熱交換器は、取り込んだ外気の加熱処理を行う
予熱用熱交換器と、除湿・冷却後の送風空気の再加熱な
どを行う再熱用熱交換器から構成されることを特徴とす
る低温排熱を利用した空調システム。 - 【請求項3】請求項1〜2のいずれかにおいて、前記空
気調和装置および前記水冷冷却装置を流通する熱媒水
は、前記水冷冷却装置、前記加熱用熱交換器、前記水冷
冷却装置を連結する循環経路を循環し、この循環経路は
密閉回路を形成していることを特徴とする低温排熱を利
用した空調システム。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、前記循
環経路は、前記加熱用熱交換器を迂回させて前記熱媒水
を流通させるバイパス路、前記加熱用熱交換器の下流に
熱媒水の温度を測定する第1の熱媒水温度測定部、この
第1の熱媒水温度測定部での温度によりバイパス路へ流
通する熱媒水の流量を調整する三方弁、前記第1の熱媒
水温度測定部の下流に熱媒水を別の系統の熱媒と熱交換
させて冷却することが可能な熱媒水冷却用熱交換器、こ
の熱媒水冷却用熱交換器の下流に熱媒水の温度を測定す
る第2の熱媒水温度測定部、この第2の熱媒水温度測定
部での温度により前記熱媒水冷却用熱交換器へ供給する
別系統の熱媒の流量を調整する電磁二方弁を備え、前記
水冷冷却装置へ供給する熱媒水の温度を所定の温度に保
つ制御機構を有することを特徴とする低温排熱を利用し
た空調システム。
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