JP2003202035A - 捩じり振動ダンパーに用いられるコイルスプリング、ダンパーディスク組立体 - Google Patents

捩じり振動ダンパーに用いられるコイルスプリング、ダンパーディスク組立体

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JP2003202035A
JP2003202035A JP2002001656A JP2002001656A JP2003202035A JP 2003202035 A JP2003202035 A JP 2003202035A JP 2002001656 A JP2002001656 A JP 2002001656A JP 2002001656 A JP2002001656 A JP 2002001656A JP 2003202035 A JP2003202035 A JP 2003202035A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有効巻数の位置を設定したコイルスプリング
の自由高さを従来より短くする。 【解決手段】 ダンパー機構2に用いられるコイルスプ
リング6は、ドライブプレート4とドリブンプレート5
が相対回転する際に回転方向に圧縮されるものであっ
て、複数のコイルから構成されている。そこでは、内周
側の有効巻数が外周側の有効巻数より多く、外周側の線
間ピッチは等しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コイルスプリン
グ、特に、捩じり振動ダンパーに用いられるコイルスプ
リングに関する。また、本発明は、ダンパーディスク組
立体、特に、捩じり振動ダンパー用コイルスプリングが
用いられたダンパーディスク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のクラッチディスク組立体に用いら
れるダンパー機構は、入力フライホイールに連結され得
る入力回転部材と、トランスミッションから延びるシャ
フトに連結される出力回転部材と、入力回転部材と出力
回転部材とを回転方向に弾性的に連結する弾性連結部材
とから構成されている。入力回転部材はクラッチディス
クとその内周側に固定された1対の入力プレートとから
構成されている。出力回転部材はシャフトに相対回転不
能に連結されたハブからなる。ハブは、シャフトにスプ
ライン係合するボスと、ボスから半径方向外方に延びる
フランジとを有している。弾性連結機構は複数のコイル
スプリングからなる。各コイルスプリングは、フランジ
に形成された窓孔内に収容され、さらに1対の入力プレ
ートに形成された角窓に支持されている。1対の入力プ
レートとハブとが相対回転すると、コイルスプリングは
両部材間で回転方向に圧縮される。このダンパー機能に
よって、クラッチディスク組立体に入力された捩り振動
が吸収・減衰される。
【0003】コイルスプリングは回転方向に圧縮される
際に、その外周側のたわみ量が内周側のたわみ量に比較
して大きくなる。これは、コイルスプリングを押してい
く角窓等の外周側部分の回転方向移動量が内周側の回転
方向移動量より大きいためである。この結果、外周部の
たわみを吸収する内側素線のねじれ量が外側素線のねじ
れ量と比較し大きくなり、応力も大きくなる。このよう
に1つのコイルスプリングにおいて発生応力の偏りが生
じるため、スプリングの捩じりトルクを最大限にできな
かった。
【0004】そこで、ばね圧縮時において内周側と外周
側とで1巻当たりのたわみ量の違いを減らすために、コ
イルスプリングの内周側の有効巻数を外周側の有効巻数
より多くすることが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の構造で
は、例えば、内周側の線間ピッチは等しいが、外周側の
線間ピッチは、両端が他の部分に比べて半分に設定され
ている。したがって、コイルスプリングの自由高さが高
くなることを避けられない。また、従来の構造では、コ
イルスプリングが窓部及び窓孔内で自らの軸中心に回転
してしまうため、有効巻数の関係を初期設定状態に維持
できないことが多かった。そこで、さらにコイルスプリ
ングの回り止めをする構造が従来より考えられてきた。
しかし、その場合は、構造が複雑になったり、部品点数
が増加したりするという問題があった。
【0006】本発明の課題は、有効巻数の位置を設定し
たコイルスプリングの自由高さを従来より短くすること
にある。本発明の他の課題は、有効巻数の位置を設定し
たコイルスプリングを自らの軸中心に回転させないため
の構造を簡単にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の捩じり
振動ダンパーに用いられるコイルスプリングは、捩じり
振動ダンパーの2つの部材が相対回転する際に回転方向
に圧縮されるものであって、複数のコイルから構成され
ている。そこでは、内周側の有効巻数が外周側の有効巻
数より多く、外周側の線間ピッチは等しい。
【0008】このコイルスプリングでは、従来の内周側
の有効巻数が外周側の有効巻数より多いコイルと比べた
場合、外周側の線間ピッチが等しいため、従来のコイル
スプリングに比べて自由高さが短くなる。請求項2に記
載の捩じり振動ダンパーに用いられるコイルスプリング
では、請求項1において、座面は互いに平行になるよう
に研削加工されている。内周側の円周方向最外側部分と
それに隣接する部分は円周方向に当接しており、外周側
の円周方向最外側部分の素線円周方向中心と当接部分と
を結ぶ直線同士は互いに平行である。
【0009】このコイルスプリングでは、前記直線同士
が平行であり、従来のコイルスプリングと同様の形状と
なっている。したがって、コイルスプリングの座面の研
削加工が困難となることはない。請求項3に記載のダン
パーディスク組立体は、第1プレートと、第2プレート
と、コイルスプリングとを備えている。第1プレートは
窓孔を有する。第2プレートは、第1プレートの軸方向
両側に配置された一対のプレート部材からなり、窓孔に
対応して形成された窓部を有する。コイルスプリングは
窓孔及び窓部に配置されている。一対のプレート部材の
少なくとも一方の窓部にはコイルスプリングのばね中心
軸回りの回転を規制する規制部が形成されている。
【0010】このダンパーディスク組立体では、プレー
トの窓部に規制部が設けられているため、簡単な構造を
維持したままコイルスプリングの回り止めが実現されて
いる。請求項4に記載のダンパーディスク組立体では、
請求項3において、規制部はコイルスプリングの先端断
面に当接している。
【0011】このダンパーディスク組立体では、コイル
スプリングの先端面を利用しているため、コイルスプリ
ングの回り止めのために複雑な構成を設ける必要がな
い。請求項5に記載のダンパーディスク組立体では、請
求項3又は4において、窓部の円周方向端の一方にはコ
イルスプリングの円周方向端を支持する円周方向支持部
が形成され、規制部は円周方向支持部に形成されてい
る。
【0012】このダンパーディスク組立体では、規制部
は円周方向支持部に形成されているため、他の部分に特
別な構造を設ける必要が無く、全体の構成が簡単にな
る。請求項6に記載のダンパーディスク組立体では、請
求項5において、円周方向支持部は、コイルスプリング
の座面に当接するために軸方向に突出する起こし部を有
している。起こし部の一部が規制部としてコイルスプリ
ングの先端断面に当接している。
【0013】このダンパーディスク組立体では、起こし
部の一部を規制部としてコイルスプリングの回り止めを
行っているため、他の部分に特別な構造を設ける必要が
無く、全体の構成が簡単になる。請求項7に記載のダン
パーディスク組立体では、請求項5又は6において、円
周方向支持部は、第1円周方向面と、第1円周方向面と
異なる円周方向位置に形成された第2円周方向面と、第
1円周方向面と第2円周方向面との境界に形成された半
径方向面とを有している。半径方向面は規制部としてコ
イルスプリングの先端断面に当接している。
【0014】このダンパーディスク組立体では、窓部の
円周方向支持部の半径方向面を規制部としてコイルスプ
リングの回り止めを行っているため、他の部分に特別な
構造を設ける必要が無く、全体の構成が簡単になる。請
求項8に記載のダンパーディスク組立体では、請求項5
〜7のいずれかにおいて、規制部は、一対のプレート部
材の一方の窓部の円周方向片側の円周方向支持部と、一
対のプレート部材の他方の窓部の円周方向反対側の円周
方向支持部とに形成されている。
【0015】このダンパーディスク組立体では、コイル
スプリングは一対のプレート部材に対して、ばね中心軸
回りのいずれ側にも回転不能となっている。
【0016】
【発明の実施の形態】(1)全体構造 図1は本発明の一実施形態が採用されたクラッチディス
ク組立体1の縦断面図であり、図2はクラッチディスク
組立体1の部分平面図である。なお、図1に示すO−O
がクラッチディスク組立体1の回転軸線であり、図1の
左側にエンジンやフライホイール(図示せず)が配置さ
れ、図1の右側にトランスミッション(図示せず)が配
置されている。また、図2の矢印R1がクラッチディス
ク組立体1の回転方向を示しており、矢印R2がその反
対方向を示している。なお、以下に説明する実施形態で
の具体的な数値は、説明の便宜のため又は各大きさの関
係を説明するために用いられており、必ずしもその数値
に限定されるものではない。
【0017】クラッチディスク組立体1は、車両のクラ
ッチ装置に用いられる部材であり、クラッチ機能とダン
パー機能とを有している。この実施形態では、以下、主
にダンパー機能について説明する。クラッチディスク組
立体1のダンパー機構2は、主に、ドライブプレート4
と、ドリブンプレート5と、両部材を回転方向に弾性的
に連結するための複数のコイルスプリング6とから構成
されている。
【0018】ドライブプレート4は、円板状かつ環状の
プレート部材であり、円周方向に複数の窓孔4aが形成
されている。窓孔4aは軸方向に貫通した孔部分であ
り、コイルスプリング6を収納・支持するための構造で
ある。ドライブプレート4の外周縁には、図示しないフ
ライホイールに付勢されてクラッチ連結を行うためのク
ラッチディスク32が固定されている。
【0019】ドリブンプレート5は、ドライブプレート
4の軸方向両側に配置された一対のプレート部材7(軸
方向エンジン側),8(軸方向トランスミッション側)
とから構成さている。プレート部材7,8は、円板状か
つ環状のプレート部材であって、ピン35等によって互
いに固定されている。このため、プレート部材7,8は
一体回転するようになっており、さらに両者の軸方向距
離も定められている。プレート部材7,8の各々には、
ドライブプレート4の窓孔4aに対応して、窓部11が
形成されている。窓部11は、コイルスプリング6の軸
方向両側を抑えるとともに、コイルスプリング6からの
トルクを受ける機能を有している。なお、コイルスプリ
ング6と窓部11との関係については後ほど詳細に説明
する。ドリブンプレート5は、低剛性捩じりダンパー3
3を介してスプラインハブ34に対して回転方向に連結
されている。スプラインハブ34は、トランスミッショ
ンから延びるメインドライブシャフト(図示せず)にス
プライン係合している。
【0020】コイルスプリング6は、複数のコイルから
なる部材であり、ドライブプレート4とドリブンプレー
ト5との間で捩じり振動ダンパーとして機能する部材で
ある。具体的には、コイルスプリング6は、ドライブプ
レート4とドリブンプレート5とが相対回転するとき
に、両者間で(より正確には窓孔4aの円周方向片側端
と窓部11の円周方向反対側端との間で)回転方向に圧
縮され、捩じり振動を吸収・減衰する機能を有してい
る。
【0021】(2)コイルスプリングについての詳細説
明 コイルスプリング6は、ダンパー機構2の回転中心Oよ
り任意の取付半径Rに配置された複数個のスプリングで
ある。コイルスプリング6では、図4に示すように、ば
ね中心軸Pが直線になっており、素線の断面は円形であ
る。また、コイルスプリング6はクローズド・エンドで
あり、座巻き37(R1側),38(R2側)のそれぞ
れの座面41,42にはばねが垂直となるように研削加
工が施されている。座面41,42は、互いに平行な平
坦面であり、両者はともにばね中心軸Pに垂直になって
いる。
【0022】概略を説明すると、コイルスプリング6は
N巻きの整数巻きであり、取付け中心に対して内周側の
有効巻き数をN+1と設定している。内周側の巻き部は
捩じり時の外周側のたわみを吸収する部分であるため、
内周側と外周側の発生応力差が小さくなり、さらに捩じ
りトルクが最大になっている。コイルスプリング6のコ
イル巻き形状について詳細に説明する。図4はコイルス
プリング6の断面図であり、図上側がダンパー機構2の
外周側であり、図下側がダンパー機構2の内周側であ
る。コイルスプリング6の外周側の有効巻数は2つであ
り、有効巻部27,28が設けられている。有効巻部2
7,28の円周方向外側にはそれぞれ端巻部29,30
が配置されている。コイルスプリング6の外周側ピッチ
は等しく、図においてはその大きさは記号aで表してい
る。コイルスプリング6の内周側の有効巻数は3つであ
り、有効巻部21,22,23が設けられている。有効
巻部21,23の円周方向外側にはそれぞれ端巻部2
4,25が配置されている。巻部21は巻部24に対し
て当接しており、巻部23は巻部25に対して当接して
いる。コイルスプリング6の内周側ピッチは等しく、図
においてはその大きさは記号bで表している。
【0023】具体的には、外周ピッチaは3.75mm
であり、内周ピッチbは5.63mmである。また、コ
イルスプリング6の自由高さcは45.00mmであ
る。端巻部29の素線(コイルに研削がされていない状
態)円周方向中心と巻部21,24の当接部分を結ぶ直
線49は、ばね中心軸Pに対して垂直に延びている。端
巻部30の素線円周方向中心と巻部23,25の当接部
分を結ぶ直線50は、ばね中心軸Pに対して垂直に延び
ている。したがって、直線49と直線50は互いに平行
である。
【0024】座巻き37,38は、それぞれの座面4
1,42の研削加工によって、根元部分から先端に向か
ってばね軸方向の厚みが薄くなっている。先端部44
は、厚みが最も薄い部分であり、一定のコイル巻き方向
長さにわたって隣接するコイルに当接している。さら
に、座巻きの先端部44には、一定の面積を有する先端
断面45が形成されている。回転方向R1側の先端断面
45は、軸方向トランスミッション側に位置して、半径
方向外側を向いている。回転方向R2側の先端断面45
は、軸方向エンジン側に位置して、半径方向内側を向い
ている。座巻き37,38の座面41,42において、
根元部分には研削開始部分と先端部44の先端断面45
との間には、非研削面46が確保されている。つまり、
座面41,42の平坦部分は連続しておらず、先端断面
45の先側に空間が確保されていることになる。
【0025】(3)窓部についての詳細説明 窓部11は、図2及び図3に示すように、円周方向に比
較的長い四角形状である。窓部11は、軸方向に貫通し
た孔形状であり、その孔周囲にはコイルスプリング6を
支持するため支持構造が形成されている。窓部11の具
体的な支持構造としては、外周側支持部12と、内周側
支持部13と、円周方向支持部14が設けられている。
外周側支持部12及び内周側支持部13は、円板状部分
から軸方向外側に絞り加工によって起こされた起こし形
状部分であり、コイルスプリング6の軸方向外側を支持
するとともに半径方向両側への移動を規制している。
【0026】円周方向支持部14は、コイルスプリング
6の座面41,42が当接する部分である。円周方向支
持部14を構成する部分としては、外周側起こし部15
と内周側起こし部16が設けられている。外周側起こし
部15は、外周側支持部12の円周方向端部に一体に形
成された部分であり、円板状部分から軸方向外側に絞り
加工によって起こされた起こし形状部分である。外周側
起こし部15は、外周側支持部12から内周側に向けて
徐々に軸方向突出量が少なくなっているが、先端部には
半径方向内側を向く規制面19が確保されている。内周
側起こし部16は、内周側支持部13の円周方向端部に
一体に形成された部分であり、円板状部分から軸方向外
側に絞り加工によって起こされた起こし形状部分であ
る。内周側起こし部16は、外周側支持部12から内周
側に向けて徐々に軸方向突出量が少なくなっている。外
周側起こし部15と内周側起こし部16は連続しておら
ず、したがって、両者間には板厚断面のみからなる部分
が確保されている。以上より、円周方向支持部14は、
外周側起こし部15及び内周側起こし部16の軸方向に
延ばされた面と、その間の平板部断面とから構成されて
いることになる。
【0027】なお、図2に示すように、回転方向R2側
の円周方向支持部14では、外周側起こし部15と内周
側起こし部16とその間の部分の円周方向面は、直線状
になっており、コイルスプリング6の座面42に当接し
ている。しかし、図3に示すように、回転方向R1側の
円周方向支持部14では、外周側起こし部15は内周側
起こし部16より円周方向内側に入り込んでおり、その
第1円周方向支持面17は、内周側起こし部16及び中
間部分で形成される第2円周方向支持面18より円周方
向内側に位置している。この結果、回転方向R1側の外
周側起こし部15の規制面19は、窓部11の孔内にお
いて円板状部分より軸方向に突出する面を形成してい
る。
【0028】以上に述べたのは第2プレート部材8の窓
部11の円周方向支持部14の構造であるが、第1プレ
ート部材7においては窓部11の円周方向支持部14の
構造がダンパー機構2の回転方向で逆転している。つま
り、直線状の円周方向支持面は回転方向R1側に形成さ
れ、段差のある円周方向支持面は回転方向R2側に形成
されている。
【0029】以上の結果、コイルスプリング6の回転方
向R1側の座巻きの先端部44の先端断面45は回転方
向R1側の外周側起こし部15の規制面19に当接して
おり、この結果、コイルスプリング6は第2プレート部
材8に対してばね中心軸P回り一方向に回転不能となっ
ている。さらに、コイルスプリング6は第1プレート部
材7に対してばね中心軸P回りの反対方向に回転不能と
なっている。この結果、コイルスプリング6はドライブ
プレート4に対してばね中心軸P回りのいずれ側にも回
転不能となっている。
【0030】以上の構造を別の観点から説明すると、ド
リブンプレート5の一対のプレート部材7,8の窓部1
1の円周方向支持部14にコイルスプリング6の回り止
めを行わせる構造を設けていることになる。特に、この
実施形態において、円周方向支持部14はコイルスプリ
ング6の円周方向端部の形状に適合して形成されてお
り、トルク伝達及び回り止めの両方を実現している。
【0031】図4にコイルスプリング自由状態を示し、
図5にコイルスプリングの作動(圧縮)状態を示してい
る。図4の状態から取付半径Rで角度θ分コイルスプリ
ング6を圧縮すると、図5に示すように外周側ピッチは
aからa’となり、内周側ピッチはbからb’となる。
a’は0.39mmであり、b’は2.14mmであ
り、Rは90.0mmであり,θは5.4度である。こ
のように、a’が全て微小値となり、さらにb’が従来
より大幅に小さくなっているため、コイルスプリング6
の圧縮長が短くなっている。
【0032】図6にコイルスプリング6の線間隙間線図
を示す。図6の左側のグラフ6が図4の状態に対応して
おり、図6の右側のグラフが図5の状態に対応してい
る。図より明らかなように、内周たわみ量は外周たわみ
量よりわずかに大きいだけであって、その差は大変小さ
くなっている。 (4)作用効果 コイルスプリングの設定及び回り止め コイルスプリング6では、内周側の有効巻数が外周側の
有効巻数より多いため、内周たわみ量が外周たわみ量に
対して大幅に多いという状態は避けられ、両たわみ量が
より均等化されている。この結果、コイルスプリング6
の発生応力が均等になり、捩じりトルクが最大になる。
言い換えると、コイルスプリング6の発生荷重や応力が
安定する。
【0033】特に、コイルスプリング6はドライブプレ
ート4に対して回り止めされているため、前記設定を維
持することができる。 コイルスプリングの回り止め構造 コイルスプリング6を回り止めするための規制部として
の規制面19が一対のプレート部材7,8の窓部11の
円周方向支持部14に設けられているため、他の部分に
特別な構造を設ける必要が無く、全体の構成が簡単にな
っている。特に、規制面19は、コイルスプリング6の
先端断面45に当接しているため、コイルスプリングの
回り止めのために複雑な構成を設ける必要がない。さら
に、スプリングシートを省略できるため、部品点数が少
なくなる。
【0034】さらに、コイルスプリング6はプレート部
材7,8との接触形状が一定となるため、コイルスプリ
ング6に遠心力が作用して窓部11の外周側部分等に摺
動した場合の摩耗が生じにくくなる。 コイルスプリングの自由高さの短縮 コイルスプリング6の外周側のピッチは等しくなってい
るため、コイルスプリング6の自由高さが従来に比べて
短くなっている。従来であれば、例えば、有効巻き部の
間のピッチは端巻部とその円周方向内側の巻部との間の
ピッチの2倍に設定されていた。これを半分として等ピ
ッチとすることでコイルスプリング6の自由高さを大幅
に短縮することができている。具体的には、両端の線間
隙間(ピッチ)×(有効巻き−2)分だけ、コイルスプ
リング6の自由長が短くなっている。
【0035】また、直線49と直線50が平行になるよ
うに、内周側のピッチは調整されている。この結果、コ
イルスプリング6の座面41,42の座面は従来と同様
の構造となっており、特に研削加工が困難になるような
問題は生じない。 (5)他の実施形態 コイルスプリングの具体的な形状は前記実施形態に限定
されない。例えばコイルスプリングの素線断面形状は卵
形や楕円形であってもよい。
【0036】ダンパーディスク組立体の具体的な構造は
前記実施形態に限定されず、他の種類のクラッチディス
ク組立体であってもよい。また、クラッチディスク組立
体に限定されず、トルクコンバータのロックアップ装置
やフライホイール組立体であってもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明に係る捩じり振動ダンパーに用い
られるコイルスプリングでは、従来の内周側の有効巻数
が外周側の有効巻数より多いコイルと比べた場合、外周
側の線間ピッチが等しいため、従来のコイルスプリング
に比べて自由高さが短くなる。本発明に係るダンパーデ
ィスク組立体では、プレートの窓部に規制部が設けられ
ているため、簡単な構造を維持したままコイルスプリン
グの回り止めが実現されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディ
スク組立体。
【図2】クラッチディスク組立体の部分平面図。
【図3】クラッチディスク組立体の窓部の一部を示す部
分平面図。
【図4】コイルスプリングの自由状態における横断面
図。
【図5】コイルスプリングの作動状態における横断面
図。
【図6】コイルスプリングの自由状態及び作動状態にお
ける線間隙間線図。
【図7】ダンパーディスク組立体においてコイルスプリ
ングの端部と窓部との係合部分を示す部分斜視図。
【図8】図7に対応する部分斜視図であり、説明の便宜
のためにコイルスプリングを取り除いた図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 ダンパー機構 4 ドライブプレート(第1プレート) 4a 窓孔 5 ドリブンプレート(第2プレート) 6 コイルスプリング 7 第1プレート部材 8 第2プレート部材 11 窓部 14 円周方向支持部 15 外周側起こし部 16 内周側起こし部 17 第1円周方向支持面 18 第2円周方向支持面 19 規制面(規制部、半径方向面) 41,42 座面 44 先端部 45 先端断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3J056 AA58 AA62 BA03 BE27 CB14 CB19 CX02 CX14 CX23 CX36 CX43 CX75 CX83 CX87 GA02 GA12 3J059 AE01 AE04 BA02 BB04 BD01 CC10 GA50

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】捩じり振動ダンパーの2つの部材が相対回
    転する際に回転方向に圧縮されるコイルスプリングであ
    って、 複数のコイルから構成され、 内周側の有効巻数が外周側の有効巻数より多く、外周側
    の線間ピッチは等しい、捩じり振動ダンパーに用いられ
    るコイルスプリング。
  2. 【請求項2】座面は互いに平行になるように研削加工さ
    れており、 内周側の円周方向最外側部分とそれに隣接する部分は円
    周方向に当接しており、 外周側の円周方向最外側部分の素線円周方向中心と前記
    当接部分とを結ぶ直線同士は互いに平行である、請求項
    1に記載の捩じり振動ダンパーに用いられるコイルスプ
    リング。
  3. 【請求項3】窓孔を有する第1プレートと、 前記第1プレートの軸方向両側に配置された一対のプレ
    ート部材からなり、前記窓孔に対応して形成された窓部
    をそれぞれ有する第2プレートと、 前記窓孔及び窓部に配置され、前記第1プレートと前記
    第2プレートが相対回転すると前記窓孔と前記窓部との
    間で回転方向に圧縮されるコイルスプリングとを備え、 前記一対のプレート部材の少なくとも一方の前記窓部に
    は前記コイルスプリングのばね中心軸回りの回転を規制
    する規制部が形成されている、ダンパーディスク組立
    体。
  4. 【請求項4】前記規制部は前記コイルスプリングの先端
    断面に当接している、請求項3に記載のダンパーディス
    ク組立体。
  5. 【請求項5】前記窓部の円周方向端の一方には前記コイ
    ルスプリングの円周方向端を支持する円周方向支持部が
    形成され、前記規制部は前記円周方向支持部に形成され
    ている、請求項3又は4に記載のダンパーディスク組立
    体。
  6. 【請求項6】前記円周方向支持部は、前記コイルスプリ
    ングの座面に当接するために軸方向に突出する起こし部
    を有し、 前記起こし部の一部が前記規制部として前記コイルスプ
    リングの先端断面に当接している、請求項5に記載のダ
    ンパーディスク組立体。
  7. 【請求項7】前記円周方向支持部は、第1円周方向面
    と、前記第1円周方向面と異なる円周方向位置に形成さ
    れた第2円周方向面と、前記第1円周方向面と前記第2
    円周方向面との境界に形成された半径方向面とを有し、 前記半径方向面は前記規制部として前記コイルスプリン
    グの先端断面に当接している、請求項5又は6に記載の
    ダンパーディスク組立体。
  8. 【請求項8】前記規制部は、前記一対のプレート部材の
    一方の窓部の円周方向片側の円周方向支持部と、前記一
    対のプレート部材の他方の窓部の円周方向反対側の円周
    方向支持部とに形成されている、請求項5〜7のいずれ
    かに記載のダンパーディスク組立体。
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