JP2003201770A - 固有トリガー機能をもつ転動方式免震装置とそれを利用した転動方式免震システム - Google Patents
固有トリガー機能をもつ転動方式免震装置とそれを利用した転動方式免震システムInfo
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Abstract
び地震時のボールの滑合、転動の良好性を提供すること
を目的とする。 【解決手段】円錐状凹面をもつ転動支承の頂点凹曲面部
の中央でボールが接触静止状態の接触曲率半径Rcとボ
ール半径Rbとにおいて、Rc>Rbの条件下でRcを
限りなくRbに近い加工製形とし、鉄鋼製部品を全て四
三酸化鉄の皮膜による未然防錆処理とする。免震装置
は、懸垂弾性棒を介して台座に取り付けられ円弧凸面状
の弾性制動帯により支持する。
Description
転動方式免震装置の実用化のカギはトリガー機構にある
と言われている。本発明は転動方式免震装置の円錐凹面
状転動面の頂点の凹曲面曲率半径とボール半径との相関
形成によるトリガー性能の創生及び平常時のボールの静
止状態の安定性、地震時の転動状態の良好性、更に人工
錆(さび)による未然防錆処理等を備える実用的転動方
式免震装置を具体化しようとするものである。 【0002】又本転動方式免震装置を利用して、コスト
ダウンと被免震構造物の揺れの調整作用をもつ転動方式
免震システムを提供するものである。 【従来の技術】 【0003】転動方式免震装置は構造的にシンプルで全
ゆる振動を許容出来、復元性に富み、最も優れた装置で
あるが、従来の技術(装置)はあまりにも形式的形状に
とらわれて、本質的解明が不十分のため、実用化の進展
が見られず、製品が具体化されないのが実状である。 【発明が解決しようとする課題】 【0004】そこで転動方式免震装置が平常時の静止状
態から地震発生、更に地震時、そして元の位置への復元
までの軌跡を現実的に見定めて解析し対処したところが
本発明の特徴である。 【0005】ボールを包含して容易に滑合出来る滑合支
承体で、ボールを介して円錐状凹面をもつ転動支承体を
支承するシンプル構造の転動方式免震装置において、重
要条件は平常時の静止状態の安定性(トリガー機能)で
風圧等で容易に揺れないことが必要となる。更に地震時
のボールの滑合及び転動の良好性を確保し、確実且つ、
適確に機能すると同時に耐久性が要求される。 【課題を解決するための手段】 【0006】本発明の意図は転動面中央部のボールとの
接触曲面形状の創作により特定のトリガー機構を別に付
設せずに独自固有の安定度とトリガー性能を発生させよ
うとするものである。又本装置は長期的耐久性が現実的
に必要であるので、未然防錆対策を考えなければならな
い。 【0007】本発明の転動方式免震装置を利用した新シ
ステムの提供により被免震構造物の揺れの調整鎮静化と
コストダウンを計らうとするものである。 【実施例】 【0008】図面により説明する。図1及び図2におい
て本発明の「固有トリガー機能を発揮する転動方式免震
装置」は鋼製のボール(1)を包含滑合する滑り支承体
(2)と円錐状凹曲面をもつ転動支承(3)から構成さ
れる最もシンプルな構造で、ボール(1)と滑り支承体
(2)との接触面は極めて小さい摩擦係数をもつ合成樹
脂材又はオイルレスベアリング材等で構成されている。 【0009】平常時にはボール(1)は転動支承(3)
の転動面頂点で静止状態にあるが風圧(又は弱震も含め
て)等の外力では動揺せず安定を保ち地震時には免震機
能を発揮する必要がある。 【0010】地震時に、ボール(1)は転動面をランダ
ムに転動して、転動面頂点も通過するが、この頂点通過
の転動状態は最悪を極める点で、ボール(1)に重荷重
が負荷している時は強い衝撃を伴うこととなり、衝撃を
和らげようとして、頂点を平坦(大きな曲面)化すれば
安定性を欠き、トリガー機能を失う。 【0011】そこで転動面頂点において、ボール(1)
の「静止状態での安定性」又、「転動通過時での円滑転
動性」の互いに背反する条件をクリアする頂点形状を確
定しなければならない。 【0012】上記の背反条件を融合緩和して、転動支承
(3)の頂点のボール(1)に対する接点形状の詳細を
図3で説明する。図3はボール(1)が転動支承(3)
の転動面の頂点の凹球面の曲率半径Rcの接線角度αか
らなる転動面頂点で接触静止した状態図である。 【0013】半径Rbのボール(1)に対して、接線角
度αからなる転動面をRb転動面とするとRb転動面の
頂点凹球面の曲率半径はRbであるので、この場合はR
c=Rbとなり、ボール(1)は最も安定性が高く、転
動性も良好で理想的である。又、Rc<Rbとなると安
定性も転動性も良くない。一方Rc>Rbの場合は、転
動性は良好となるが安定性(トリガー性能)に欠ける。 【0014】実際の製作加工に当たり、完全にRc=R
bの加工値の実現は困難であるのでRc>Rbの条件下
でRcをRbに限りなく近い頂点凹球面の曲率半径(R
c>RbでRc≒Rb)で加工形成した形状独自の固有
トリガー機能を最大に近づけるのが現実的である。 【0015】免震装置の特性上、長期耐久性と機能の確
実性が重要で、大敵は錆の発生である。本転動方式免震
装置では転動面と転動体(ボール)は未然防錆処理法を
採用して人工的に四三酸化鉄皮膜の均一平滑処理を特徴
とする。 【0016】上記本発明の固有トリガー機能をもつ転動
方式免震装置を応用して、コストダウンと地震時の揺れ
の制震鎮静化を計った本発明の整振(揺れの調整化)転
動方式免震システムを図面で説明する。 【0017】図4は本転動方式免震システムの断面構造
図で、基礎〔I〕上に設置した2基(複数、最小2基)
の前記請求項1の固有トリガー機能をもつ転動方式免震
装置〔II〕は所定の重垂(重り)Wを装備した梁板
〔III〕で連結されている。 【0018】同じく基礎〔I〕上に敷設した支承体〔I
V〕の上に配置されて、梁板〔III〕の上部に位置す
る免震台座〔V〕の懸垂弾性棒〔V−1〕は梁板〔II
I〕の深孔〔III−1〕内で滑合しつつ、免震台座
〔V〕と梁板〔III〕を連係して、整振(揺れの調整
化)作用を発揮し、重力により元の位置に復元出来、更
に中央部には基礎〔I〕上に円弧凸面状の摩擦係の大き
い弾性(ゴム等)制動帯〔VI〕は平常時の静止状態
で、梁板〔III〕の中央の重垂Wの先端の凸曲面と接
して、揺れの始動時のトリガー性を助長すると共に戻り
時の衝撃を緩和する構造を特徴とする転動方式免震シス
テムである。 【発明の効果】 【0019】本発明の固有トリガー機能をもつ転動方式
免震装置は別装備のトリガー機構を具備することなく、
独自固有のトリガー機能を創生すると同時に構造上の最
簡潔化で、大幅なコストダウンが実現できる。 【0020】又、本発明の転動方式免震システムは請求
項1の転動方式免震装置の敷設数の減少でコストダウン
が出来、被免震構造物に整振性を与える技術的効果があ
る。
断面構造図。 【図2】は図1の下面図 【図3】は図1でボール(1)と接触する転動面頂点の
凹曲面形状の詳細説明図 【図4】は請求項2の転動方式免震システムの断面構造
図 【図5】は図4の上面図 【符号の説明】 (1)はボール、 (2)は滑合支承、 (3)は転動支承 〔I〕は基礎、 〔II〕は転動方式免震装置、 〔III〕は梁板、 〔III−1〕は深孔、 〔IV〕は支承体、 〔V〕は免震台座、 〔V−1〕は懸垂弾性棒、 〔VI〕は制動帯。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】転動方式免震装置の構造(図1参照)にお
いて、転動支承(3)の円錐状凹面の頂点の曲面部に対
して、滑合支承体(2)に包含されたボール(1)が前
記頂点曲面の中央点で接触静止状態にあるとき、接触頂
点の曲率半径Rcとボール半径Rbとにおいて、 Rc>Rbの条件下で、Rcを限りなく、Rbに近い加
工製形、及び鉄鋼製部分を全て、四三酸化鉄皮膜による
未然防錆処理を特徴とする転動方式免震装置 【請求項2】基礎〔I〕上(図4参照)に設置した2基
(複数、最小2基)の 【請求項1】の転動方式免震装置が所定の重垂(重り)
Wを装備した梁板〔III〕で連結されている。同じく
基礎〔I〕上の支承体〔IV〕の上に配置され、梁板
〔III〕の上部に位置する免震台座〔V〕の懸垂弾性
棒〔V−1〕は梁板〔III〕の深孔〔III−1〕内
で滑合しつつ、免震台座〔V〕と梁板〔III〕が連係
して揺れ、重力により元の位置に復元出来、更に基礎
〔I〕上の中央部で重垂Wと接する円弧凸球面状の弾性
摩擦制動帯〔VI〕をもつ構造を特徴とする転動方式免
震システム。
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CN108221652A (zh) * | 2018-03-19 | 2018-06-29 | 西安建筑科技大学 | 一种球形摩擦摆隔震支座 |
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2002
- 2002-02-08 JP JP2002073269A patent/JP3843354B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4580468B2 (ja) * | 2004-02-12 | 2010-11-10 | 株式会社エーエス | 支持構造体 |
CN108221652A (zh) * | 2018-03-19 | 2018-06-29 | 西安建筑科技大学 | 一种球形摩擦摆隔震支座 |
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