JP2002295054A - 免震装置 - Google Patents

免震装置

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JP2002295054A
JP2002295054A JP2001102735A JP2001102735A JP2002295054A JP 2002295054 A JP2002295054 A JP 2002295054A JP 2001102735 A JP2001102735 A JP 2001102735A JP 2001102735 A JP2001102735 A JP 2001102735A JP 2002295054 A JP2002295054 A JP 2002295054A
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好洋 福谷
Masanori Tsutsui
正典 筒井
Takayuki Shibayama
隆之 柴山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 適用する建築物の重量に合わせてボールとす
べり軸受との間の摩擦係数を適切な値に調節することが
できる免震装置を提供する。 【構成】 免震装置1は、基礎40に固定される下部支
持体4と、建築物41に固定される上部支持体5と、基
礎40と建築物41とが相対的に変位したときに下部支
持体4と上部支持体5との間を転動するボール3と、か
ら構成され、ボール3には、ボール3の外周をすべり軸
受7を介して挟持する挟持力が調節可能なボール保持体
2が取り付けられていることにより、ボール3に対する
すべり軸受7の挟持力を調節することで面圧依存性を利
用してボール3とすべり軸受7との間のすべり摩擦係数
を変化させることができ、建築物41の重量に合わせて
すべり摩擦係数を適切な値に調節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基礎と建築物との
間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支持す
る免震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物を地震から保護するための装置と
して、基礎と建築物との間に介装されて、地震による揺
れを建築物に伝えないことにより建築物を保護する免震
装置が知られており、近年、この免震装置が設置された
建築物が増加する傾向にある。免震装置には、弾性材料
を使用してその弾性を利用したものや、建築物側に設置
されたボールが基礎側に固定された支持体上を転動する
構造のものなどがあるが、特に、後者の免震装置は、前
者の免震装置が適用させにくい戸建住宅にも対応するこ
とができるため、その利用が増加する傾向にある。
【0003】上記した、建築物側に設置されたボールが
基礎側に固定された支持体上を転動する構造の免震装置
においては、従来、建築物に固定されてボールを回転自
在に保持する保持体とボールとの間にすべり軸受を介在
させ、ボールとすべり軸受との間のすべり摩擦抵抗によ
り、建築物が風圧等の微少な力で移動したり、地震が止
まった後に長時間に亘って建築物の揺れが止まらなくな
ったりすることを防止していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な、保持体とボールとの間にすべり軸受を介在させる免
震装置の場合、ボールとすべり軸受との当接面に建築物
の重量がかかり、ボールとすべり軸受との間のすべり摩
擦抵抗は、すべり軸受に働く荷重、即ち、建築物の重量
によって決まることとなる。このため、本来の設定とは
異なる重量の建築物を適用した場合、例えば、設定より
も重量の重い建築物に適用した場合には、すべり軸受に
かかる面圧が大きくなって摩擦係数が小さくなってしま
うため、免震装置の性能を十分に発揮させることができ
ないという問題がある。
【0005】本発明は、上記した事情に鑑みなされたも
ので、その目的とするところは、適用する建築物の重量
に合わせてボールとすべり軸受との間の摩擦係数を適切
な値に調節することができる免震装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、請求項1に係る発明においては、基礎と建築物
との間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支
持する免震装置において、該免震装置は、前記基礎に固
定される下部支持体と、前記建築物に固定される上部支
持体と、前記基礎と前記建築物とが相対的に変位したと
きに前記下部支持体と前記上部支持体との間を転動する
ボールと、から構成され、前記ボールには、該ボールの
外周をすべり軸受を介して挟持する挟持力が調節可能な
ボール保持体が取り付けられていることを特徴とする。
このように構成することにより、ボールに対するすべり
軸受の挟持力を調節することで面圧依存性を利用してボ
ールとすべり軸受との間のすべり摩擦係数を変化させる
ことができ、建築物の重量に合わせてすべり摩擦係数を
適切な値に調節することができる。このため、重量の異
なる建築物に適用した場合であっても免震装置の性能を
十分に発揮させることができる。
【0007】また、請求項2に係る発明においては、前
記ボール保持体の上部及び下部には、前記ボールが転動
したとき前記ボール保持体が回転することを防止するた
めの回転防止部材が取り付けられていることを特徴とす
る。このように構成することにより、ボール保持体が回
転してボール保持体の端部が上部支持体又は下部支持体
に当接してしまうことがないため、ボール保持体が上部
支持体及び下部支持体との間をスムーズに移動すること
ができる。
【0008】また、請求項3に係る発明においては、前
記すべり軸受及びボール保持体にそれぞれ調節溝を形成
すると共に、前記ボール保持体に調節溝の溝巾を変化さ
せる調節ボルトを螺着し、前記調節ボルトを回転操作す
ることにより前記すべり軸受及びボール保持体の調節溝
の溝巾を変化させて前記ボールの挟持力が調節できるこ
とを特徴とする。このように構成することにより、調節
ボルトを回転操作するだけでボールの挟持力を調節する
ことができるため、容易にボールとすべり軸受との間の
すべり摩擦係数を変化させることができ、重量の異なる
建築物に対しても迅速に対応することができる。
【0009】更に、請求項4に係る発明においては、前
記すべり軸受は、鋼裏金の表面に施された多孔質金属層
の孔隙とその表面に含浸被覆用組成物を含浸及び被覆す
ることにより形成されていることを特徴とする。このよ
うに構成することにより、摩擦摩耗特性,耐熱性,機械
的強度等に優れたすべり軸受を形成することができ、す
べり軸受を広い温度領域や高荷重等の過酷な条件下で使
用した場合であっても、良好な摺動特性を維持すること
ができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照
して、実施形態に係る免震装置1について説明する。図
1は、基礎40と建築物41との間に介装される免震装
置1の断面図であり、図2は、免震装置1を構成するボ
ール3及びボール保持体2の斜視図であり、図3は、免
震装置1の分解斜視図である。
【0011】図1において、免震装置1は、基礎40と
建築物41との間に介装されるものであり、基礎40に
固定される下部支持体4と、建築物41に固定される上
部支持体5と、基礎40と建築物41とが相対的に変位
したときに下部支持体4と上部支持体5との間を転動す
るボール3と、から構成されている。なお、ボール3に
は、該ボール3の外周を挟持する挟持力が調節可能なす
べり軸受7を有するボール保持体2が取り付けられてい
る図2及び図3において、ボール保持体2は、平面視で
ほぼ長方形状に形成される挟持力調節部材6と、挟持力
調節部材6に穿設された嵌挿穴10に嵌挿されるすべり
軸受7と、挟持力調節部材6の上部及び下部に取り付け
られる回転防止部材8と、から構成されている。
【0012】挟持力調節部材6は、一般構造用圧延鋼材
(例えばSS400),機械構造用炭素鋼(例えばS4
5C),ステンレス鋼等により形成されるものであり、
そのほぼ中央には、嵌挿穴10が穿設され、該嵌挿穴1
0から1つの端面に向かって調節溝11が切欠形成され
ている。調節溝11の両側方は、それぞれ調節片12及
び13として形成されており、一方の調節片12の側面
には、調節ボルト17が挿通される調節ボルト挿通穴1
4が貫通して穿設され、他方の調節片13には、調節ボ
ルト挿通穴14と同軸上に、調節ボルト17が螺着され
る調節ボルト締付穴15が貫通して穿設されている。ま
た、嵌挿穴10の周回には、回転防止部材8を取り付け
るための防止部材取付ネジ穴16が複数箇所(図示の場
合は、3箇所)貫通して穿設されている。
【0013】すべり軸受7は、長方形状のすべり軸受を
リング状に曲げ加工したものであり、両端部の間には、
調節溝24が形成されると共に、その内周面には、ボー
ル3が挟持されるボール保持凹部23(図1参照)が曲
面状に形成されている。また、すべり軸受7は、鋼裏金
の表面に施された多孔質金属層の孔隙とその表面に含浸
被覆用組成物を含浸及び被覆することにより形成されて
いる。この含浸被覆用組成物は、ボール3が摺動する表
面摺動層として形成されるものであり、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(以下、PTFEという)あるい
は、ポリアセタール(以下、POMという)等をベース
樹脂とし、各種固体潤滑剤を含有した材料から構成され
ている。このようなすべり軸受7は、摩擦摩耗特性,耐
熱性,機械的強度等に優れているため、すべり軸受7を
広い温度領域や高荷重等の過酷な条件下で使用した場合
であっても、良好な摺動特性を維持することができる。
なお、ボール保持凹部23で保持されるボール3は、ス
テンレス又は軸受鋼によりほぼ球状に形成されるもので
ある。
【0014】回転防止部材8は、PTFE,POM等の
樹脂材料によりリング状に形成されるものである。回転
防止部材8の中心には、挿通穴20が穿設されると共
に、挿通穴20の周回には、前記挟持力調節部材6の防
止部材取付ネジ穴16と対応する位置に取付穴21が穿
設されている。
【0015】基礎40に固定される下部支持体4は、図
3に示すように、平面視でほぼ正方形状の底板27とほ
ぼ円形状の転動面25とが一体的に、ステンレス又は鋼
板により形成されるものである。底板27の4箇所の隅
角部には、下部支持板4を基礎40に取り付けるための
取付ボルト29が挿通される取付穴28がそれぞれ穿設
されている。転動面25は、中心に向かって下り傾斜す
る円錐形状に形成されると共に、その外周縁には、停止
壁26が全周に亘って突設されている。転動面25の傾
斜角θ(図1参照)は、すべり軸受7の摩擦係数μとの
間でtanθ≧μの計算式を満たすように設定されるも
のであり、θ=0〜3.5°の範囲で設定される。な
お、θ=0°となるのは、後述の図5に示すように、転
動面25が水平面に形成され、復帰用ダンパ部材30の
復元力で建築物41を元の位置に復帰させる構造の場合
である。
【0016】また、転動面25の表面は、硬質クロムメ
ッキ,高周波焼入れ,熱処理等の硬化処理が施されると
共に、下部支持体4全体には、錆止め剤の塗布あるいは
PTFE等の樹脂コーティング等により防錆処理が施さ
れている。なお、硬質クロムメッキによる硬化処理は、
防錆効果も有するため、転動面25に硬質クロムメッキ
を施した場合には、錆止め剤の塗布あるいはPTFE等
の樹脂コーティング等の防錆処理は、転動面25以外の
面にのみ施してもよい。このように下部支持体4に防錆
処理を施すことにより、下部支持体4の錆びつきによる
劣化や破壊等を防ぐことができ、長時間に亘って免震装
置1の機能を維持することができる。なお、建築物41
に固定される上部支持体5は、下部支持体4と全く同様
のものであるので、その詳細な説明は省略する。
【0017】しかして、上記したボール3,下部支持体
4,上部支持体5,挟持力調節部材6,すべり軸受7及
び回転防止部材8を用いて、免震装置1を組み立てるに
は、以下のように行う。まず、すべり軸受7のボール保
持凹部23にボール3を嵌入することにより、図3に示
すように、ボール3をすべり軸受7に取り付ける。すべ
り軸受7には、前述したように、調節溝24が形成され
ているため、ボール3をすべり軸受7に挿入する際、す
べり軸受7が外側に広がってボール3を容易に挿入する
ことができる。そして、ボール3がボール保持凹部23
に嵌入されると、すべり軸受7が再び内側に閉じるた
め、ボール3がボール保持凹部23で保持されることと
なる。
【0018】ボール3が保持されたすべり軸受7を挟持
力調節部材6の嵌挿穴10に挿入した後、皿バネ18を
挿通した調節ボルト17を調節ボルト挿通穴14に挿通
し、調節ボルト締付穴15に螺着する。このとき、すべ
り軸受7の調節溝24と挟持力調節部材6の調節溝11
とが対応する位置となるようにすべり軸受7を嵌挿穴1
0に挿入する。上記のように挟持力調節部材6に螺着さ
れた調節ボルト17を締め付けることにより、調節溝1
1,24の溝巾が狭くなるため、嵌挿穴10に嵌挿され
たすべり軸受7が締め付けられ、ボール3の挟持力が増
大する。逆に調節ボルト17を緩めることにより、調節
片12と調節片13との間が広くなるため、調節溝1
1,24の溝巾が広がってすべり軸受7の締め付けが弱
まり、ボール3の挟持力が減少する。このように、調節
ボルト17を締め付けたり、緩めたりすることにより、
ボール3に対するすべり軸受7の挟持力を調節すること
ができ、面圧依存性を利用してボール3とすべり軸受7
との間のすべり摩擦係数を変化させることができる。な
お、皿バネ18は、調節片12を調節片13側に押え付
ける方向、即ち、調節溝11を狭くする方向に荷重を加
えている。
【0019】挟持力調節部材6にボール3及びすべり軸
受7を取り付けた後、挟持力調節部材6の上部及び下部
に回転防止部材8を取り付ける。回転防止部材8は、取
付穴21に挿通した取付ボルト22を挟持力調節部材6
の防止部材取付ネジ穴16に螺着することにより、挟持
力調節部材6に取り付けられる。
【0020】上記のように、挟持力調節部材6にボール
3,すべり軸受7及び回転防止部材8を取り付けること
により、図2に示すように、ボール3が保持されたボー
ル保持体2が組み立てられる。
【0021】一方、基礎40には、下部支持体4の取付
穴28に挿通した取付ボルト29が基礎40に穿設され
た取付ネジ穴(図示しない)に螺着されることにより、
下部支持体4が取り付けられ、建築物41には、上部支
持体5の取付穴28に挿通した取付ボルト29が建築物
41に穿設された取付ネジ穴(図示しない)に螺着され
ることにより、上部支持体5が取り付けられる。そし
て、基礎40に取り付けられた下部支持体4上に上記し
たボール保持体2を載置し、このボール保持体2上に建
築物41に取り付けられた上部支持体5が載置されるこ
とにより、免震装置1が組み立てられ、基礎40と建築
物41との間に介装されることとなる。
【0022】次に、図4を参照して、免震装置1の作用
について説明する。図4は、基礎40に対して建築物4
1が移動した場合の免震装置1の断面図である。上記の
ように組み立てられた免震装置1を備えた基礎40及び
建築物41が地震の影響を受けた場合、基礎40に固定
された下部支持体4が横揺れし、下部支持体4が横揺れ
することによって、図4に示すように、ボール3が下部
支持体4の転動面25及び上部支持板5の転動面25に
沿って転動する。このように、ボール3が下部支持体4
の転動面25と上部支持体5の転動面25との間を転動
することにより、横揺れが吸収されるため、地震による
揺れが建築物41に伝わり難く、建築物41が地震から
保護されることとなる。このとき、前述したように、下
部支持体4及び上部支持体5の転動面25の外周縁に
は、停止壁26が全周に亘って突設されているため、極
めて大きな揺れが生じてもボール3が転動面25から脱
落することはない。そして、地震が止まった後、ボール
3が転動面25に沿って転動するため、建築物41が基
礎40に対して若干揺れることになるが、この揺れは、
すべり軸受7とボール3との間のすべり摩擦抵抗によっ
て徐々に収束し、やがて建築物41は、転動面25の傾
斜角によって基礎40に対して元の位置で停止すること
となる。
【0023】このように、ボール保持凹部23の内部
に、ボール3の転動時にボール3がその表面を摺動する
すべり軸受7が取り付けられているため、すべり軸受7
とボール3との間のすべり摩擦抵抗により、地震が止ま
った後に長時間に亘って建築物41の揺れが止まらなく
なるということがなく、また、建築物41が風圧等の微
小な力で移動することがないため、建築物41内の者が
不快感を持つことがない。
【0024】また、前述のように、ボール保持体2の調
節ボルト17を締め付けたり、緩めたりすることによ
り、ボール3とすべり軸受7との間のすべり摩擦係数を
変化させることができるため、建築物41の重量に合わ
せてすべり摩擦係数を適切な値に調節することができ
る。このため、例えば、建築物41の設計変更等によ
り、建築物41の重量が変わってしまった場合等のよう
に、免震装置1が重量の異なる建築物41に適用される
ことになった場合でもその性能を十分に発揮させること
ができる。
【0025】また、調節ボルト17に挿通された皿バネ
18は、前述のように、調節片12を調節片13側に押
え付ける方向に常時荷重を加えているため、すべり軸受
7が摩耗しても、皿バネ18が加え得る荷重の範囲内で
ボール3への挟持力を保つことができる。
【0026】また、ボール保持体2の上部及び下部に
は、それぞれ回転防止部材8が取り付けられており、ボ
ール3が回転した際に、この回転防止部材8の端部が上
部支持体5あるいは下部支持体4の転動面25に点接触
しながら摺動する。回転防止部材8は、ボール3が回転
した際にボール保持部材2も回転してしまい、挟持力調
節部材6の端部が上部支持体5あるいは下部支持体4の
転動面25に当接してボール保持体2のスムーズな移動
を妨げることを防止するものである。前述のように、回
転防止部材8は、PTFE,POM等の低摩擦の樹脂材
料により形成されているため、転動面25上をスムーズ
に摺動することができ、ボール保持体2が上部支持体5
及び下部支持体4との間をスムーズに移動することがで
きる。また、摩耗した場合には、取付ボルト22を緩め
ることにより取り外して交換することができる。
【0027】また、ボール3が下部支持体4の転動面2
5と上部支持体5の転動面25との間を転動した際、例
えば、図4に示すように、ボール3が下部支持体4に対
してXだけ移動すると、上部支持体5は、ボール3に対
して同様にXだけ移動する。従って、上部支持体5は、
下部支持体4に対して2X移動することとなる。即ち、
基礎40に対する建築物41の水平方向の移動量は、下
部支持体4及び上部支持体5の転動面25の寸法の2倍
になるため、従来技術で示したような、建築物に固定さ
れた保持体でボールを保持する構造の免震装置と比較し
て、下部支持体4の転動面25の寸法を1/2にするこ
とができる。このため、下部支持体4の外形を小さくす
ることができ、基礎40への設置スペースが制限される
場合にも対応することができる。
【0028】なお、上記した実施形態(以下、第1実施
形態という)においては、免震装置1の下部支持体4及
び上部支持体5は、転動面25が中心に向かって傾斜す
る円錐形状に形成されるものを示したが、中心に向かっ
て下り傾斜する円錐形状に形成されるものに限らず、平
面状に形成されるものであってもよい。このような実施
形態(以下、第2実施形態という)について、図5を参
照して説明する。図5は、第2実施形態に係る免震装置
1の断面図である。なお、上記した免震装置1に係る第
1実施形態と同一の機能を有する部品には、同一の符号
を付した。
【0029】図5において、第2実施形態に係る免震装
置1におけるボール3及びボール保持体2は、第1実施
形態とまったく同様の形状である。一方、基礎40に取
り付けられる下部支持体4及び建築物41に取り付けら
れる上部支持体5は、第1実施形態における免震装置1
の下部支持体4及び上部支持体5の転動面25を水平面
にした以外は、まったく同様の形状である。また、第2
実施形態と第1実施形態との相違点としては、第2実施
形態においては、復帰用ダンパ部材30が設置されてい
ることである。図5において、第2実施形態における免
震装置1の左右両側方には、基礎40と建築物41とに
亘って復帰用ダンパ部材30が設置されている。この復
帰用ダンパ部材30は、基礎40及び建築物41に取り
付けられる上下2つのフランジ部32と、ゴム等の弾性
部材により形成されて2つのフランジ部32を連結する
弾性部31と、から構成されている。この復帰用ダンパ
部材30は、取付ボルト(図示しない)をフランジ部3
2に穿設された取付穴(図示しない)に挿通し、基礎4
0及び建築物41にそれぞれ螺着することにより取り付
けられるものであり、地震後の建築物41の揺れが停止
する際に、建築物41を元の位置に戻す働きをするもの
である。即ち、地震が止まった後、ボール3が転動面2
5に沿って転動するため、建築物41が基礎40に対し
て若干揺れることになるが、この揺れは、復帰用ダンパ
部材30の弾性部31の復元力及びすべり軸受7とボー
ル3との間のすべり摩擦抵抗によって徐々に収束し、や
がて建築物41は、復帰用ダンパ部材30の弾性部31
が元の形状に戻ることにより、基礎40に対して元の位
置に復帰して停止することとなる。なお、復帰用ダンパ
部材30として、免震装置1の左右両側に取り付けられ
るものを示したが、免震装置1の左右両側に取り付けら
れるものに限らず、基礎40と建築物41との間で任意
の位置に取り付けられるものであってもよい。
【0030】以上、実施形態について詳細に説明してき
たが、本実施形態においては、基礎40と建築物41と
の間に介装されて該建築物41を水平方向に移動可能に
支持する免震装置1において、該免震装置1は、前記基
礎40に固定される下部支持体4と、前記建築物41に
固定される上部支持体5と、前記基礎40と前記建築物
41とが相対的に変位したときに前記下部支持体4と前
記上部支持体5との間を転動するボール3と、から構成
され、前記ボール3には、該ボール3の外周をすべり軸
受7を介して挟持する挟持力が調節可能なボール保持体
2が取り付けられていることにより、ボール3に対する
すべり軸受7の挟持力を調節することで面圧依存性を利
用してボール3とすべり軸受7との間のすべり摩擦係数
を変化させることができ、建築物41の重量に合わせて
すべり摩擦係数を適切な値に調節することができる。こ
のため、重量の異なる建築物41に適用した場合であっ
ても免震装置1の性能を十分に発揮させることができ
る。
【0031】また、本実施形態においては、前記ボール
保持体2の上部及び下部には、前記ボール3が転動した
とき前記ボール保持体2が回転することを防止するため
の回転防止部材8が取り付けられていることにより、ボ
ール保持体2が回転してボール保持体2を構成する挟持
力調節部材6の端部が上部支持体5又は下部支持体4に
当接してしまうことがないため、ボール保持体2が上部
支持体5及び下部支持体4との間をスムーズに移動する
ことができる。
【0032】また、本実施形態においては、前記すべり
軸受7及びボール保持体2にそれぞれ調節溝24,11
を形成すると共に、前記ボール保持体2に調節溝24,
11の溝巾を変化させる調節ボルト17を螺着し、前記
調節ボルト17を回転操作することにより前記すべり軸
受7及びボール保持体2の調節溝24,11の溝巾を変
化させて前記ボール3の挟持力が調節できることによ
り、調節ボルト17を回転操作するだけでボール3の挟
持力を調節することができるため、容易にボール3とす
べり軸受7との間のすべり摩擦係数を変化させることが
でき、重量の異なる建築物41に対しても迅速に対応す
ることができる。
【0033】更に、本実施形態においては、前記すべり
軸受7は、鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔隙
とその表面に含浸被覆用組成物を含浸及び被覆すること
により形成されていることにより、摩擦摩耗特性,耐熱
性,機械的強度等に優れたすべり軸受を形成することが
でき、すべり軸受7を広い温度領域や高荷重等の過酷な
条件下で使用した場合であっても、良好な摺動特性を維
持することができる。
【0034】なお、上記した実施形態においては、すべ
り軸受7は、鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔
隙とその表面に含浸被覆用組成物を含浸及び被覆するこ
とにより形成されたものを示したが、このようなものに
限らず、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(以下、
PEEKという)樹脂で形成したものや、PEEKのベ
ース樹脂に、PTFE0.1〜50重量%を添加した合
成樹脂のような、弾性,耐熱性,摩擦摩耗特性,機械的
強度等の優れた合成樹脂により形成されるものであって
もよい。
【0035】
【発明の効果】以上、説明したところから明らかなよう
に、請求項1に係る発明においては、ボールに対するす
べり軸受の挟持力を調節することで面圧依存性を利用し
てボールとすべり軸受との間のすべり摩擦係数を変化さ
せることができ、建築物の重量に合わせてすべり摩擦係
数を適切な値に調節することができる。このため、重量
の異なる建築物に適用した場合であっても免震装置の性
能を十分に発揮させることができる。
【0036】また、請求項2に係る発明においては、ボ
ール保持体が回転してボール保持体の端部が上部支持体
又は下部支持体に当接してしまうことがないため、ボー
ル保持体が上部支持体及び下部支持体との間をスムーズ
に移動することができる。
【0037】また、請求項3に係る発明においては、調
節ボルトを回転操作するだけでボールの挟持力を調節す
ることができるため、容易にボールとすべり軸受との間
のすべり摩擦係数を変化させることができ、重量の異な
る建築物に対しても迅速に対応することができる。
【0038】更に、請求項4に係る発明においては、摩
擦摩耗特性,耐熱性,機械的強度等に優れたすべり軸受
を形成することができ、すべり軸受を広い温度領域や高
荷重等の過酷な条件下で使用した場合であっても、良好
な摺動特性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基礎と建築物との間に介装される免震装置の断
面図である。
【図2】免震装置を構成するボール保持体及びボールの
斜視図である。
【図3】免震装置の分解斜視図である。
【図4】基礎に対して建築物が移動した場合の免震装置
の断面図である。
【図5】第2実施形態に係る免震装置の断面図である。
【符号の説明】
1 免震装置 2 ボール保持体 3 ボール 4 下部支持体 5 上部支持体 6 挟持力調節部材 7 すべり軸受 8 回転防止部材 10 嵌挿穴 11 調節溝 12 調節片 13 調節片 17 調節ボルト 18 皿バネ 23 ボール保持凹部 24 調節溝 25 転動面 40 基礎 41 建築物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴山 隆之 愛知県名古屋市北区猿投町2番地 大同メ タル工業株式会社内 Fターム(参考) 3J048 AA03 BA03 BE15 BG02 CB21 DA01 EA38

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基礎と建築物との間に介装されて該建築
    物を水平方向に移動可能に支持する免震装置において、 該免震装置は、前記基礎に固定される下部支持体と、前
    記建築物に固定される上部支持体と、前記基礎と前記建
    築物とが相対的に変位したときに前記下部支持体と前記
    上部支持体との間を転動するボールと、から構成され、 前記ボールには、該ボールの外周をすべり軸受を介して
    挟持する挟持力が調節可能なボール保持体が取り付けら
    れていることを特徴とする免震装置。
  2. 【請求項2】 前記ボール保持体の上部及び下部には、
    前記ボールが転動したとき前記ボール保持体が回転する
    ことを防止するための回転防止部材が取り付けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 【請求項3】 前記すべり軸受及びボール保持体にそれ
    ぞれ調節溝を形成すると共に、前記ボール保持体に調節
    溝の溝巾を変化させる調節ボルトを螺着し、前記調節ボ
    ルトを回転操作することにより前記すべり軸受及びボー
    ル保持体の調節溝の溝巾を変化させて前記ボールの挟持
    力が調節できることを特徴とする請求項1又は請求項2
    記載の免震装置。
  4. 【請求項4】 前記すべり軸受は、鋼裏金の表面に施さ
    れた多孔質金属層の孔隙とその表面に含浸被覆用組成物
    を含浸及び被覆することにより形成されていることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の免震
    装置。
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