JP2003201534A - アルミニウム合金缶蓋用圧延板および缶蓋加工用非円形ブランク - Google Patents
アルミニウム合金缶蓋用圧延板および缶蓋加工用非円形ブランクInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 Al合金缶蓋用圧延板およびそれを用いた缶
蓋加工用非円形ブランクとして、缶蓋の巻締め不良の発
生を確実かつ安定して防止し得るものを提供する。 【解決手段】 圧延集合組織のβファイバーに属するC
u方位、S方位、Brass方位の各方位密度の和Sa
と、圧延で残存した再結晶集合組織における垂直方向廻
りに回転した方位の傾角15°以内のCube方位の方
位密度の和Sbとが、2<Sa/Sb<15の関係を満
たし、かつ圧延で残存した再結晶集合組織におけるCu
be方位からGoss方位まで回転したCube方位の
方位密度の和Scと前記Sbとが2.7<Sc/Sb<
10の関係を満たす缶蓋用圧延板。さらに、圧延方向に
対し0°、45°、90°の方向の径をL0、L45、
L90とし、これらが0.99<L45/L90<1の
条件および0.99<L0/L90≦1の条件を満たす
ように円形に近い非円形とされている缶蓋用ブランク。
蓋加工用非円形ブランクとして、缶蓋の巻締め不良の発
生を確実かつ安定して防止し得るものを提供する。 【解決手段】 圧延集合組織のβファイバーに属するC
u方位、S方位、Brass方位の各方位密度の和Sa
と、圧延で残存した再結晶集合組織における垂直方向廻
りに回転した方位の傾角15°以内のCube方位の方
位密度の和Sbとが、2<Sa/Sb<15の関係を満
たし、かつ圧延で残存した再結晶集合組織におけるCu
be方位からGoss方位まで回転したCube方位の
方位密度の和Scと前記Sbとが2.7<Sc/Sb<
10の関係を満たす缶蓋用圧延板。さらに、圧延方向に
対し0°、45°、90°の方向の径をL0、L45、
L90とし、これらが0.99<L45/L90<1の
条件および0.99<L0/L90≦1の条件を満たす
ように円形に近い非円形とされている缶蓋用ブランク。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明はアルミニウムDI
缶等に使用される缶蓋用のアルミニウム合金圧延板、お
よびその缶蓋用圧延板を用いて缶蓋に成形加工するため
の缶蓋加工用ブランクに関するものであり、特に非円形
ブランクに関するものである。
缶等に使用される缶蓋用のアルミニウム合金圧延板、お
よびその缶蓋用圧延板を用いて缶蓋に成形加工するため
の缶蓋加工用ブランクに関するものであり、特に非円形
ブランクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に飲料缶などのアルミニウム缶、例
えばアルミニウムDI缶の缶蓋は、5052合金や51
82合金等のアルミニウム合金からなるコイル状の圧延
板から真円形のブランク(加工素板)を打抜き、各ブラ
ンクに張出し加工やリベット成形、スコア部加工などの
缶蓋加工を行ない、その後別に成形した缶胴のフランジ
部とともに巻締めるのが通常である。この場合の巻締め
は、缶蓋の全周にわたって均一に行なう必要がある。す
なわち巻締めが不均一であれば、缶の気密性が損なわれ
たり、内容物の漏れが生じたりするおそれがある。
えばアルミニウムDI缶の缶蓋は、5052合金や51
82合金等のアルミニウム合金からなるコイル状の圧延
板から真円形のブランク(加工素板)を打抜き、各ブラ
ンクに張出し加工やリベット成形、スコア部加工などの
缶蓋加工を行ない、その後別に成形した缶胴のフランジ
部とともに巻締めるのが通常である。この場合の巻締め
は、缶蓋の全周にわたって均一に行なう必要がある。す
なわち巻締めが不均一であれば、缶の気密性が損なわれ
たり、内容物の漏れが生じたりするおそれがある。
【0003】ところで缶蓋材の材料特性としてその深絞
り耳が高い場合には、真円形のブランクを用いて缶蓋加
工を施した缶蓋を缶胴とともに巻締めた際には、場所に
よって巻締め長さに不均一が生じることがある。すなわ
ち缶蓋の加工は深絞り加工ではないものの、深絞りと同
様な変形挙動を示すため、材料の深絞り耳が高い方向す
なわち山の方向は長く伸ばされ、一方深絞り耳の低い方
向すなわち谷の方向は長さが短くなり、したがって深絞
り耳が高い材料からなる缶蓋材を用いた場合には、巻締
め部分において深絞り耳の谷の方向で巻き込み長さが短
くなってしまい、その箇所で巻締め不良となり、その結
果缶の気密性が損なわれたり、極端な場合は缶の内容物
の漏洩が生じたりするおそれがある。
り耳が高い場合には、真円形のブランクを用いて缶蓋加
工を施した缶蓋を缶胴とともに巻締めた際には、場所に
よって巻締め長さに不均一が生じることがある。すなわ
ち缶蓋の加工は深絞り加工ではないものの、深絞りと同
様な変形挙動を示すため、材料の深絞り耳が高い方向す
なわち山の方向は長く伸ばされ、一方深絞り耳の低い方
向すなわち谷の方向は長さが短くなり、したがって深絞
り耳が高い材料からなる缶蓋材を用いた場合には、巻締
め部分において深絞り耳の谷の方向で巻き込み長さが短
くなってしまい、その箇所で巻締め不良となり、その結
果缶の気密性が損なわれたり、極端な場合は缶の内容物
の漏洩が生じたりするおそれがある。
【0004】そこで従来から缶蓋用の加工用材料につい
ても、深絞り耳が低い材料とするための研究が種々重ね
られている。
ても、深絞り耳が低い材料とするための研究が種々重ね
られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のような深絞り耳
による缶蓋の巻締め不良の発生を防止するための手段と
しては、缶蓋加工用のブランクとして、真円形のもでは
なく、非円形のものを使用することが考えられる。すな
わち、材料の深絞り耳が高い方向の径を、深絞り耳の谷
の方向の径よりも短くした非円形のブランクを用いるこ
とが考えられる。この場合には、巻締め時において材料
の深絞り耳が高い方向は、缶蓋加工前のブランクの状態
ではその方向の径が深絞り耳の谷の方向の径より短い
が、缶蓋加工を施した状態では、円周方向でほとんど山
と谷がなくなり、その結果巻き締め時において巻き込み
長さを円周方向にほぼ均一とすることができ、そのため
巻締め不良の発生を低減することが可能となる。
による缶蓋の巻締め不良の発生を防止するための手段と
しては、缶蓋加工用のブランクとして、真円形のもでは
なく、非円形のものを使用することが考えられる。すな
わち、材料の深絞り耳が高い方向の径を、深絞り耳の谷
の方向の径よりも短くした非円形のブランクを用いるこ
とが考えられる。この場合には、巻締め時において材料
の深絞り耳が高い方向は、缶蓋加工前のブランクの状態
ではその方向の径が深絞り耳の谷の方向の径より短い
が、缶蓋加工を施した状態では、円周方向でほとんど山
と谷がなくなり、その結果巻き締め時において巻き込み
長さを円周方向にほぼ均一とすることができ、そのため
巻締め不良の発生を低減することが可能となる。
【0006】また非円形ブランクを用いれば、真円形ブ
ランクを用いた場合よりも元板(圧延板コイル)から多
数のブランクを打抜く際における材料歩留りが上がって
コストダウンを図ることが可能となる。
ランクを用いた場合よりも元板(圧延板コイル)から多
数のブランクを打抜く際における材料歩留りが上がって
コストダウンを図ることが可能となる。
【0007】ところで従来、主として缶胴に用いるため
の加工用ブランクとしては、円形ブランクに代えて非円
形ブランクを用いることが、例えば、特開平11−16
9979号、特開2000−288641、特開200
0−280031などによって提案されている。しかし
ながらこれらの提案は、主として缶胴用の素材を対象と
したものであって、これらの提案の非円形ブランクを缶
蓋の加工に適用した場合の有効性は不明であった。そし
てまた本発明者等が、缶蓋用加工素材として非円形ブラ
ンクを用いる実験を重ねたが、単純に非円形ブランクと
するだけでは、缶蓋に特有の巻締め時において、巻締め
不良の発生を確実かつ安定して防止することが困難であ
ることを見出した。そしてさらに本発明者等が実験・検
討を重ねたところ、缶蓋加工用素材として非円形ブラン
クを用いることに併せて、その非円形ブランクを打抜く
ための圧延板の集合組織を適切に調整することが、缶蓋
としての巻締め不良発生を確実かつ安定して防止できる
ことを見出し、この発明をなすに至ったのである。
の加工用ブランクとしては、円形ブランクに代えて非円
形ブランクを用いることが、例えば、特開平11−16
9979号、特開2000−288641、特開200
0−280031などによって提案されている。しかし
ながらこれらの提案は、主として缶胴用の素材を対象と
したものであって、これらの提案の非円形ブランクを缶
蓋の加工に適用した場合の有効性は不明であった。そし
てまた本発明者等が、缶蓋用加工素材として非円形ブラ
ンクを用いる実験を重ねたが、単純に非円形ブランクと
するだけでは、缶蓋に特有の巻締め時において、巻締め
不良の発生を確実かつ安定して防止することが困難であ
ることを見出した。そしてさらに本発明者等が実験・検
討を重ねたところ、缶蓋加工用素材として非円形ブラン
クを用いることに併せて、その非円形ブランクを打抜く
ための圧延板の集合組織を適切に調整することが、缶蓋
としての巻締め不良発生を確実かつ安定して防止できる
ことを見出し、この発明をなすに至ったのである。
【0008】したがってこの発明は、缶蓋用圧延板およ
びそれを用いた非円形ブランクとして、その集合組織を
適切に調整し、併せて非円形の形状寸法を適切に規制す
ることによって、巻締め不良の発生を確実かつ安定して
防止し得るものを提供することを目的としている。
びそれを用いた非円形ブランクとして、その集合組織を
適切に調整し、併せて非円形の形状寸法を適切に規制す
ることによって、巻締め不良の発生を確実かつ安定して
防止し得るものを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述のような課題を解決
するため、本発明者らが種々実験・研究を重ねた結果、
集合組織、特に板面から板厚方向の1/4の深さの位置
における圧延集合組織および同じく板面から板厚方向の
1/4の深さの位置における圧延で残存した再結晶集合
組織について、 圧延集合組織のβファイバーに属するCu方位、S
方位およびBrass方位の各方位密度の和Sa、 圧延で残存した再結晶集合組織における板面に対し
垂直方向廻りに回転した方位の傾角15°以内のCub
e方位の方位密度の和Sb、 圧延で残存した再結晶集合組織におけるCube方
位からGoss方位まで圧延方向廻りに回転したCub
e方位の方位密度の和Sc、以上のSa、Sb、Scが
相互に特定の関係を満たすように調整し、さらには非円
形ブランクの各方向の寸法比(径比)を厳密に規制する
ことによって、巻締め不良の発生を確実かつ安定して防
止し得ることを見出し、この発明をなすに至ったのであ
る。
するため、本発明者らが種々実験・研究を重ねた結果、
集合組織、特に板面から板厚方向の1/4の深さの位置
における圧延集合組織および同じく板面から板厚方向の
1/4の深さの位置における圧延で残存した再結晶集合
組織について、 圧延集合組織のβファイバーに属するCu方位、S
方位およびBrass方位の各方位密度の和Sa、 圧延で残存した再結晶集合組織における板面に対し
垂直方向廻りに回転した方位の傾角15°以内のCub
e方位の方位密度の和Sb、 圧延で残存した再結晶集合組織におけるCube方
位からGoss方位まで圧延方向廻りに回転したCub
e方位の方位密度の和Sc、以上のSa、Sb、Scが
相互に特定の関係を満たすように調整し、さらには非円
形ブランクの各方向の寸法比(径比)を厳密に規制する
ことによって、巻締め不良の発生を確実かつ安定して防
止し得ることを見出し、この発明をなすに至ったのであ
る。
【0010】具体的には、請求項1の発明のアルミニウ
ム合金缶蓋用圧延板は、板面から板厚方向の1/4の位
置における圧延集合組織のβファイバーに属するCu方
位、S方位およびBrass方位の各方位密度の和Sa
と、圧延で残存した再結晶集合組織における板面に対し
垂直方向廻りに回転した方位の傾角15°以内のCub
e方位の方位密度の和Sbとが、次の(1)式 2<Sa/Sb<15 ・・・(1) を満たし、かつ圧延で残存した再結晶集合組織における
Cube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに回転
したCube方位の方位密度の和Scと前記Sbとが次
の(2)式 Sc/Sb<10 ・・・(2) を満たすことを特徴とするものである。
ム合金缶蓋用圧延板は、板面から板厚方向の1/4の位
置における圧延集合組織のβファイバーに属するCu方
位、S方位およびBrass方位の各方位密度の和Sa
と、圧延で残存した再結晶集合組織における板面に対し
垂直方向廻りに回転した方位の傾角15°以内のCub
e方位の方位密度の和Sbとが、次の(1)式 2<Sa/Sb<15 ・・・(1) を満たし、かつ圧延で残存した再結晶集合組織における
Cube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに回転
したCube方位の方位密度の和Scと前記Sbとが次
の(2)式 Sc/Sb<10 ・・・(2) を満たすことを特徴とするものである。
【0011】また請求項2の発明のアルミニウム合金缶
蓋用圧延板は、請求項1に記載のアルミニウム合金缶蓋
用圧延板において、圧延で残存した再結晶集合組織にお
けるCube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに
回転したCube方位の方位密度の和Scと前記Sbと
が次の(2’)式 2.7<Sc/Sb<10 ・・・(2’) を満たすことを特徴とするものである。
蓋用圧延板は、請求項1に記載のアルミニウム合金缶蓋
用圧延板において、圧延で残存した再結晶集合組織にお
けるCube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに
回転したCube方位の方位密度の和Scと前記Sbと
が次の(2’)式 2.7<Sc/Sb<10 ・・・(2’) を満たすことを特徴とするものである。
【0012】さらに請求項3の発明のアルミニウム合金
缶蓋加工用非円形ブランクは、請求項1もしくは請求項
2に記載のアルミニウム合金缶蓋用圧延板を使用した缶
蓋加工用ブランクであって、かつ圧延方向に対し平行な
方向の直径をL0、45°方向の直径をL45、直角な
方向の直径をL90として、これらのL0、L45、L
90が、次の(3)式および(4)式 0.99<L45/L90<1 ・・・(3) 0.99<L0/L90≦1 ・・・(4) を満たすように円形に近い非円形に打抜かれていること
を特徴とするものである。
缶蓋加工用非円形ブランクは、請求項1もしくは請求項
2に記載のアルミニウム合金缶蓋用圧延板を使用した缶
蓋加工用ブランクであって、かつ圧延方向に対し平行な
方向の直径をL0、45°方向の直径をL45、直角な
方向の直径をL90として、これらのL0、L45、L
90が、次の(3)式および(4)式 0.99<L45/L90<1 ・・・(3) 0.99<L0/L90≦1 ・・・(4) を満たすように円形に近い非円形に打抜かれていること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】先ずこの発明における圧延板(素
材コイル)の集合組織条件について説明する。
材コイル)の集合組織条件について説明する。
【0014】先ずこの発明では、ブランクを打抜くべき
圧延板における板面から板厚の1/4の深さの箇所にお
ける集合組織として、圧延集合組織成分のβファイバー
(β−fiber)に属するCu方位、S方位、Bra
ss方位の各方位密度の和Saと、圧延で残存した再結
晶集合組織における板面に対して垂直な方向廻りに回転
した傾角15°以内のCube方位(以下CubeND
と略記する)の方位密度の和Sbとが、(1)式の関係を
満たす必要がある。 2<Sa/Sb<15 ・・・(1)
圧延板における板面から板厚の1/4の深さの箇所にお
ける集合組織として、圧延集合組織成分のβファイバー
(β−fiber)に属するCu方位、S方位、Bra
ss方位の各方位密度の和Saと、圧延で残存した再結
晶集合組織における板面に対して垂直な方向廻りに回転
した傾角15°以内のCube方位(以下CubeND
と略記する)の方位密度の和Sbとが、(1)式の関係を
満たす必要がある。 2<Sa/Sb<15 ・・・(1)
【0015】このように(1)式を規定した理由は次の通
りである。すなわち、一般に圧延集合組織のβファイバ
ーに属するCu方位、S方位、Brass方位は、圧延
方向に対して45°方向に耳を形成させ、また圧延で残
存した再結晶集合組織のCubeNDは圧延方向に対し
て0°方向、90°方向に耳を形成させることが知られ
ている。ここで、Sa/Sbの比の値が2以下の場合に
は、45°方向の深絞り耳が低いため、非円形ブランク
とすることによる効果が著しくは現れず、大幅なコスト
ダウンを見込めなくなり、また場合によっては非円形ブ
ランクによって45°方向が谷となってしまい、缶蓋と
して巻締め不良が生じることもある。一方Sa/Sbの
比の値が15以上の場合には、45°方向の深絞り耳が
高くなり過ぎて、90°方向に45°方向の山(深絞り
耳)と対称な谷が発達し過ぎてしまい、そのため非円形
ブランクを用いても巻締め不良を抑えることが困難とな
る。これらの理由から、(1)式の条件を規定した。
りである。すなわち、一般に圧延集合組織のβファイバ
ーに属するCu方位、S方位、Brass方位は、圧延
方向に対して45°方向に耳を形成させ、また圧延で残
存した再結晶集合組織のCubeNDは圧延方向に対し
て0°方向、90°方向に耳を形成させることが知られ
ている。ここで、Sa/Sbの比の値が2以下の場合に
は、45°方向の深絞り耳が低いため、非円形ブランク
とすることによる効果が著しくは現れず、大幅なコスト
ダウンを見込めなくなり、また場合によっては非円形ブ
ランクによって45°方向が谷となってしまい、缶蓋と
して巻締め不良が生じることもある。一方Sa/Sbの
比の値が15以上の場合には、45°方向の深絞り耳が
高くなり過ぎて、90°方向に45°方向の山(深絞り
耳)と対称な谷が発達し過ぎてしまい、そのため非円形
ブランクを用いても巻締め不良を抑えることが困難とな
る。これらの理由から、(1)式の条件を規定した。
【0016】次に、圧延で残存した再結晶集合組織にお
けるCube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに
回転したCube方位(Cube〜Goss方位:以下
CubeRDと略記する)の方位密度の和Scと、前述
のCubeNDの方位密度の和Sbとが、(2)式の関
係を満たす必要がある。 Sc/Sb<10 ・・・(2)
けるCube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに
回転したCube方位(Cube〜Goss方位:以下
CubeRDと略記する)の方位密度の和Scと、前述
のCubeNDの方位密度の和Sbとが、(2)式の関
係を満たす必要がある。 Sc/Sb<10 ・・・(2)
【0017】このように(2)式を規定した理由は次の
通りである。
通りである。
【0018】一般に再結晶集合組織における圧延方向廻
りに回転したCube方位でも、傾角15°以内であれ
ば圧延方向に対して0°方向、90°方向に耳を均等に
形成させる。しかしながら、傾角が15°を越えれば9
0°方向への耳の寄与が小さくなり、0°方向が優先と
なる。冷間圧延材の場合には、Sc/Sbとなるのが一
般的であり、Sc/Sb<10になるように制御するこ
とが必要である。そこで前記(2)式を規定した。
りに回転したCube方位でも、傾角15°以内であれ
ば圧延方向に対して0°方向、90°方向に耳を均等に
形成させる。しかしながら、傾角が15°を越えれば9
0°方向への耳の寄与が小さくなり、0°方向が優先と
なる。冷間圧延材の場合には、Sc/Sbとなるのが一
般的であり、Sc/Sb<10になるように制御するこ
とが必要である。そこで前記(2)式を規定した。
【0019】なおここで、(2)式ではSc/Sbの比
の値の下限を規定していないが、再結晶集合組織である
圧延によるCube方位の回転は、板面に対し垂直方向
廻りではなく、圧延方向廻りに優先的に生じるのが通常
であり、したがってCube方位の方位密度について
は、圧延方向廻りの方位密度の和Scの方が必然的に圧
延面に対し垂直方向廻りの方位密度の和Sbより大きく
なるから、通常は 1<Sc/Sb となる。
の値の下限を規定していないが、再結晶集合組織である
圧延によるCube方位の回転は、板面に対し垂直方向
廻りではなく、圧延方向廻りに優先的に生じるのが通常
であり、したがってCube方位の方位密度について
は、圧延方向廻りの方位密度の和Scの方が必然的に圧
延面に対し垂直方向廻りの方位密度の和Sbより大きく
なるから、通常は 1<Sc/Sb となる。
【0020】但し、より一層の低コスト化を図るために
は、 2.7<Sc/Sb とし、前記(2)式の代りに、次の(2’)式 2.7<Sc/Sb<10 (2’) を満たすように調整することが好ましい。その理由は次
の通りである。
は、 2.7<Sc/Sb とし、前記(2)式の代りに、次の(2’)式 2.7<Sc/Sb<10 (2’) を満たすように調整することが好ましい。その理由は次
の通りである。
【0021】すなわち、2.7<Sc/Sbであれば、
0°方向、180℃方向に優先的に耳が生じるが、打抜
く際のコイル進行方向(プレス進行方向)は通常はコイ
ルの圧延方向と平行であるから、圧延方向に対し0°、
180°の方向の耳の発生を考慮してその分圧延方向
(0°−180°方向)の径の小さい異形ブランクを打
抜くようにすれば、コイル全長にわたってのブランク打
抜き数を多く(言い換えればコイル全長におけるプレス
ストローク数を増加)することができ、そのため材料歩
留りを一層向上させることが可能となる。
0°方向、180℃方向に優先的に耳が生じるが、打抜
く際のコイル進行方向(プレス進行方向)は通常はコイ
ルの圧延方向と平行であるから、圧延方向に対し0°、
180°の方向の耳の発生を考慮してその分圧延方向
(0°−180°方向)の径の小さい異形ブランクを打
抜くようにすれば、コイル全長にわたってのブランク打
抜き数を多く(言い換えればコイル全長におけるプレス
ストローク数を増加)することができ、そのため材料歩
留りを一層向上させることが可能となる。
【0022】なおここで、前記(1)式、(2)式、
(2’)式は、前述のようにいずれも圧延板(製品板)
における板面から板厚の1/4の深さの位置において、
板表面に対して垂直な方向からX線回折で測定した場合
のものとする。すなわち、各圧延メーカーの圧延ロール
径や圧延パスの圧下率などはそれぞれ異なるから、板表
面で測定した場合には、圧延ロールとの摩擦の影響によ
る方位分散や、時には剪断集合組織成分も現れることが
あり、そのため深絞り耳と集合組織との関係が、必ずし
も明確とはならないおそれがある。しかしながら本発明
者等が種々実験を行った結果、圧延板表面から板厚の1
/4の深さの位置であれば、圧延ロールの影響が小さい
ために、上述のような現象が生じ難く、深絞り耳と各集
合組織条件との関係が明確となることが判明したのであ
る。
(2’)式は、前述のようにいずれも圧延板(製品板)
における板面から板厚の1/4の深さの位置において、
板表面に対して垂直な方向からX線回折で測定した場合
のものとする。すなわち、各圧延メーカーの圧延ロール
径や圧延パスの圧下率などはそれぞれ異なるから、板表
面で測定した場合には、圧延ロールとの摩擦の影響によ
る方位分散や、時には剪断集合組織成分も現れることが
あり、そのため深絞り耳と集合組織との関係が、必ずし
も明確とはならないおそれがある。しかしながら本発明
者等が種々実験を行った結果、圧延板表面から板厚の1
/4の深さの位置であれば、圧延ロールの影響が小さい
ために、上述のような現象が生じ難く、深絞り耳と各集
合組織条件との関係が明確となることが判明したのであ
る。
【0023】またここで、それぞれの方位の方位密度
は、X線回折によって(200)、(220)、(11
1)の不完全極点図から方位分布関数(ODF)を計算
して求めた。詳細には、Cu方位、S方位、Brass
方位はBungeの表示法でψ 2:45°、65°、9
0°の断面から求め、傾角を考慮せずに3方位の和Sa
を求めた。また、CubeRDとCubeNDとは傾角
を考慮して、それぞれの和Sb、Scを求めた。詳細に
は、CubeRDはBungeの表示法によるφ角0°
〜45°の範囲内で5°間隔づつ、CubeNDはψ1
角0°〜15°の範囲内で5°間隔づつの方位密度を計
算して和を求めた。また、ODFを計算するときにはゴ
ーストピークの補正を行なうが、方位によっては方位密
度が負になったり1より小さくなる場合がある。ここで
の方位密度は完全にランダムな材料に対しての倍数で表
されるため、方位密度が負になったり1より小さくなる
場合は、方位密度を1として計算した。
は、X線回折によって(200)、(220)、(11
1)の不完全極点図から方位分布関数(ODF)を計算
して求めた。詳細には、Cu方位、S方位、Brass
方位はBungeの表示法でψ 2:45°、65°、9
0°の断面から求め、傾角を考慮せずに3方位の和Sa
を求めた。また、CubeRDとCubeNDとは傾角
を考慮して、それぞれの和Sb、Scを求めた。詳細に
は、CubeRDはBungeの表示法によるφ角0°
〜45°の範囲内で5°間隔づつ、CubeNDはψ1
角0°〜15°の範囲内で5°間隔づつの方位密度を計
算して和を求めた。また、ODFを計算するときにはゴ
ーストピークの補正を行なうが、方位によっては方位密
度が負になったり1より小さくなる場合がある。ここで
の方位密度は完全にランダムな材料に対しての倍数で表
されるため、方位密度が負になったり1より小さくなる
場合は、方位密度を1として計算した。
【0024】以上のような集合組織条件を満たす圧延板
を用いて缶蓋用のブランクを得るにあたっては、圧延方
向に対して平行な方向、45°方向および直角な方向の
各方向のブランク径(L0、L45、L90)の関係が
次の(3)式、(4)式を満たすような非円形ブランク
とする。 0.99<L45/L90<1 ・・・(3) 0.99<L0/L90≦1 ・・・(4) 但し、ここでL90とは真円ブランクの場合の直径に相
当する。
を用いて缶蓋用のブランクを得るにあたっては、圧延方
向に対して平行な方向、45°方向および直角な方向の
各方向のブランク径(L0、L45、L90)の関係が
次の(3)式、(4)式を満たすような非円形ブランク
とする。 0.99<L45/L90<1 ・・・(3) 0.99<L0/L90≦1 ・・・(4) 但し、ここでL90とは真円ブランクの場合の直径に相
当する。
【0025】図1、図2に、(3)式、(4)式に従っ
た非円形ブランクの代表例を模式的に示す。ここで、図
1は圧延方向と平行な方向の径L0が圧延方向に対し直
角な方向の径L90よりも小さい場合、すなわち(4)
式におけるL0/L90が1よりも小さい場合を示す。
また図2では、圧延方向と平行な方向の径L0が圧延方
向に対し直角な方向の径L90と等しい場合、すなわち
(4)式におけるL0/L90が1に相当する場合を示
す。もちろん圧延方向に対し45°方向の径L45は
(3)式を満たすものとする。なお図1、図2におい
て、破線は真円形を示している。また図1、図2は飽く
まで説明のために模式的に示したものであり、図1、図
2中の実線寸法がそのまま(3)式、(4)式の左辺の
条件を満たしているとは限らないことはもちろんであ
る。
た非円形ブランクの代表例を模式的に示す。ここで、図
1は圧延方向と平行な方向の径L0が圧延方向に対し直
角な方向の径L90よりも小さい場合、すなわち(4)
式におけるL0/L90が1よりも小さい場合を示す。
また図2では、圧延方向と平行な方向の径L0が圧延方
向に対し直角な方向の径L90と等しい場合、すなわち
(4)式におけるL0/L90が1に相当する場合を示
す。もちろん圧延方向に対し45°方向の径L45は
(3)式を満たすものとする。なお図1、図2におい
て、破線は真円形を示している。また図1、図2は飽く
まで説明のために模式的に示したものであり、図1、図
2中の実線寸法がそのまま(3)式、(4)式の左辺の
条件を満たしているとは限らないことはもちろんであ
る。
【0026】上述のように(3)式、(4)式によって
非円形ブランクの各方向の径を定めた理由は次の通りで
ある。
非円形ブランクの各方向の径を定めた理由は次の通りで
ある。
【0027】(3)式、(4)式によって規定される非
円形ブランクは、非円形とはいえども、実際の大きさの
ブランクにすれば、真円形ブランクとの差は最大コンマ
数mm程度であり、真円形ブランクに極めて近いもので
はあるが、缶蓋については(3)式、(4)式が極めて
重要である。すなわち、缶蓋の場合にはその周縁部を缶
胴とのフランジ部と重ねて巻締めを施すが、実際の巻締
め長さは極めてわずかであるため、真円形から外れてい
ることが目視により直ちに判るような極端な非円形のブ
ランクであれば、缶蓋加工を行なった状態で真円形から
大きく外れた形状となって、逆に巻締め不良が多発して
しまうおそれがある。これに対し(3)式、(4)式で
規定するような真円に近い非円形のブランクであれば、
巻締め不良を起こすおそれが少なくなるのである。また
コストダウンの観点からすれば、1枚の非円形ブランク
で見れば真円形ブランクとの寸法の差がわずかであって
も、実操業上における数万缶レベルの製蓋量になれば、
真円形ブランクとの差が歴然と現れ、非円形ブランクを
用いたことによるコストダウンの効果が顕著に認められ
るようになる。なお非円形ブランクを用いる加工法自体
は、既に述べたように特開平11−169979号、特
開2000−288641、特開2000−28003
1などによって提案されてはいるが、非円形ブランクを
缶蓋に用いる際には、使用する板についての缶蓋に適し
た集合組織の諸条件および非円形ブランクとしての寸法
条件の組合せが極めて重要であり、これらの点は、この
発明によってはじめて明確化されたのである。すなわち
上記のようなこれまでの提案では、このような観点から
の検討は全くされておらず、単なる非円形ブランクを用
いた加工方法にしか過ぎなかったのである。
円形ブランクは、非円形とはいえども、実際の大きさの
ブランクにすれば、真円形ブランクとの差は最大コンマ
数mm程度であり、真円形ブランクに極めて近いもので
はあるが、缶蓋については(3)式、(4)式が極めて
重要である。すなわち、缶蓋の場合にはその周縁部を缶
胴とのフランジ部と重ねて巻締めを施すが、実際の巻締
め長さは極めてわずかであるため、真円形から外れてい
ることが目視により直ちに判るような極端な非円形のブ
ランクであれば、缶蓋加工を行なった状態で真円形から
大きく外れた形状となって、逆に巻締め不良が多発して
しまうおそれがある。これに対し(3)式、(4)式で
規定するような真円に近い非円形のブランクであれば、
巻締め不良を起こすおそれが少なくなるのである。また
コストダウンの観点からすれば、1枚の非円形ブランク
で見れば真円形ブランクとの寸法の差がわずかであって
も、実操業上における数万缶レベルの製蓋量になれば、
真円形ブランクとの差が歴然と現れ、非円形ブランクを
用いたことによるコストダウンの効果が顕著に認められ
るようになる。なお非円形ブランクを用いる加工法自体
は、既に述べたように特開平11−169979号、特
開2000−288641、特開2000−28003
1などによって提案されてはいるが、非円形ブランクを
缶蓋に用いる際には、使用する板についての缶蓋に適し
た集合組織の諸条件および非円形ブランクとしての寸法
条件の組合せが極めて重要であり、これらの点は、この
発明によってはじめて明確化されたのである。すなわち
上記のようなこれまでの提案では、このような観点から
の検討は全くされておらず、単なる非円形ブランクを用
いた加工方法にしか過ぎなかったのである。
【0028】
【実施例】表1の寸法条件No.1〜No.4に示すよ
うに圧延方向に対する0°方向、45°方向、90°方
向の各方向の径を種々変化させた非円形ブランクであっ
って、かつ表2の集合組織条件A〜Dに示すような種々
の条件の集合組織を有する缶蓋用のブランクを用い、そ
の缶蓋用ブランクを缶蓋に加工し、別途作成したDI缶
胴と組合せて、各試料について1000個巻締め加工を
行って缶を作成し、巻締め性を調べた。ここで、巻締め
性の評価は、缶の耐圧試験を行なって、蓋のパネル部が
角出しする前に、1缶でも巻締め部分から蓋が外れた場
合を不合格とした。その結果を表3に示す。なお缶蓋用
の材料としては、アルミニウム合金缶蓋材として広く使
用されている5052合金からなる板厚0.24mmの
冷延板に、常法に従って塗装焼付けを行なったものを用
いた。また缶胴としては同じくアルミニウム合金缶胴材
として広く用いられている3004合金からなるDI缶
胴を用いた。
うに圧延方向に対する0°方向、45°方向、90°方
向の各方向の径を種々変化させた非円形ブランクであっ
って、かつ表2の集合組織条件A〜Dに示すような種々
の条件の集合組織を有する缶蓋用のブランクを用い、そ
の缶蓋用ブランクを缶蓋に加工し、別途作成したDI缶
胴と組合せて、各試料について1000個巻締め加工を
行って缶を作成し、巻締め性を調べた。ここで、巻締め
性の評価は、缶の耐圧試験を行なって、蓋のパネル部が
角出しする前に、1缶でも巻締め部分から蓋が外れた場
合を不合格とした。その結果を表3に示す。なお缶蓋用
の材料としては、アルミニウム合金缶蓋材として広く使
用されている5052合金からなる板厚0.24mmの
冷延板に、常法に従って塗装焼付けを行なったものを用
いた。また缶胴としては同じくアルミニウム合金缶胴材
として広く用いられている3004合金からなるDI缶
胴を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】表3から明らかなように、圧延板の集合組
織条件がこの発明で規定する範囲内にあり、かつ非円形
ブランクの各方向の径の条件(寸法条件)もこの発明で
規定する範囲内にある場合には、いずれも良好な巻締め
性を示した。これに対し、集合組織条件と非円形ブラン
クの各方向の径の条件(寸法条件)のいずれか一方でも
この発明で規定する範囲を外れている場合には、巻締め
性に劣ることが判明した。
織条件がこの発明で規定する範囲内にあり、かつ非円形
ブランクの各方向の径の条件(寸法条件)もこの発明で
規定する範囲内にある場合には、いずれも良好な巻締め
性を示した。これに対し、集合組織条件と非円形ブラン
クの各方向の径の条件(寸法条件)のいずれか一方でも
この発明で規定する範囲を外れている場合には、巻締め
性に劣ることが判明した。
【0033】
【発明の効果】前述の実施例からも明らかなように、請
求項1、請求項2の発明の缶蓋用圧延板によれば、集合
組織条件を適切に規制することによって、非円形ブラン
クとして缶蓋に適用した場合に、確実かつ安定して良好
な巻締め性を示すことができる。また請求項3の発明の
缶蓋用非円形ブランクによれば、請求項1もしくは請求
項2に規定する集合組織条件を満たす圧延板を用いかつ
非円形の寸法条件を適切に調整することによって、実際
に巻締め性が確実かつ安定して優れた缶を得ることがで
きる。
求項1、請求項2の発明の缶蓋用圧延板によれば、集合
組織条件を適切に規制することによって、非円形ブラン
クとして缶蓋に適用した場合に、確実かつ安定して良好
な巻締め性を示すことができる。また請求項3の発明の
缶蓋用非円形ブランクによれば、請求項1もしくは請求
項2に規定する集合組織条件を満たす圧延板を用いかつ
非円形の寸法条件を適切に調整することによって、実際
に巻締め性が確実かつ安定して優れた缶を得ることがで
きる。
【図1】この発明による缶蓋用非円形ブランクの一例を
示す模式図である。
示す模式図である。
【図2】この発明による缶蓋用非円形ブランクの他の例
を示す模式図である。
を示す模式図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 板面から板厚方向の1/4の位置におけ
る圧延集合組織のβファイバーに属するCu方位、S方
位およびBrass方位の各方位密度の和Saと、圧延
で残存した再結晶集合組織における板面に対し垂直方向
廻りに回転した方位の傾角15°以内のCube方位の
方位密度の和Sbとが、次の(1)式 2<Sa/Sb<15 ・・・(1) を満たし、かつ圧延で残存した再結晶集合組織における
Cube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに回転
したCube方位の方位密度の和Scと前記Sbとが次
の(2)式 Sc/Sb<10 ・・・(2) を満たすことを特徴とする、缶蓋加工用非円形ブランク
向けのアルミニウム合金缶蓋用圧延板。 - 【請求項2】 請求項1に記載のアルミニウム合金缶蓋
用圧延板において;圧延で残存した再結晶集合組織にお
けるCube方位からGoss方位まで圧延方向廻りに
回転したCube方位の方位密度の和Scと前記Sbと
が次の(2’)式 2.7<Sc/Sb<10 ・・・(2’) を満たすことを特徴とする、缶蓋加工用非円形ブランク
向けのアルミニウム合金缶蓋用圧延板。 - 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2に記載のアル
ミニウム合金缶蓋用圧延板を使用した缶蓋加工用ブラン
クであって、かつ圧延方向に対し平行な方向の直径をL
0、45°方向の直径をL45、直角な方向の直径をL
90として、これらのL0、L45、L90が、次の
(3)式および(4)式 0.99<L45/L90<1 ・・・(3) 0.99<L0/L90≦1 ・・・(4) を満たすように円形に近い非円形に打抜かれていること
を特徴とするアルミニウム合金缶蓋加工用非円形ブラン
ク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004761A JP2003201534A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | アルミニウム合金缶蓋用圧延板および缶蓋加工用非円形ブランク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004761A JP2003201534A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | アルミニウム合金缶蓋用圧延板および缶蓋加工用非円形ブランク |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003201534A true JP2003201534A (ja) | 2003-07-18 |
Family
ID=27643999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002004761A Pending JP2003201534A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | アルミニウム合金缶蓋用圧延板および缶蓋加工用非円形ブランク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003201534A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007084098A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Showa Aluminum Kan Kk | アルミニウム缶の成形加工方法 |
JP2011052290A (ja) * | 2009-09-03 | 2011-03-17 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 缶エンド用アルミニウム合金板及びその製造方法。 |
JP2011214109A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kobe Steel Ltd | 包装容器蓋用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2011214107A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kobe Steel Ltd | 缶胴用Al合金板およびその製造方法 |
JP2016141886A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002004761A patent/JP2003201534A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007084098A (ja) * | 2005-09-21 | 2007-04-05 | Showa Aluminum Kan Kk | アルミニウム缶の成形加工方法 |
JP2011052290A (ja) * | 2009-09-03 | 2011-03-17 | Sumitomo Light Metal Ind Ltd | 缶エンド用アルミニウム合金板及びその製造方法。 |
JP2011214109A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kobe Steel Ltd | 包装容器蓋用アルミニウム合金板およびその製造方法 |
JP2011214107A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Kobe Steel Ltd | 缶胴用Al合金板およびその製造方法 |
JP2016141886A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 株式会社神戸製鋼所 | 缶蓋用アルミニウム合金板 |
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