JP2003201207A - 防菌剤および防かび剤 - Google Patents
防菌剤および防かび剤Info
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Abstract
上の防菌性、防かび性を有する上、無毒性でかつ無公害
であるため使用が制限されない新規な防菌剤、防かび剤
を提供する。 【解決手段】 防菌剤、防かび剤は、一般式(1): nSrO・mB2O3・xH2O (1) (ただし、0<n≦3、0<m≦4、0≦x≦5)で表
されるホウ酸ストロンチウム顔料を有効成分として含有
するものである。
Description
剤に関するものである。
型のメタホウ酸バリウムは、クロムや鉛を含まない低公
害のさび止め顔料として知られている他、防菌性や防か
び性も有している。ところがメタホウ酸バリウムは医薬
用外劇物指定品であるため、その取り扱い作業時の安全
衛生に注意を払う必要があり、また人体に直接接触しな
いように注意を払わねばならないので、使用範囲が制限
されてしまうという問題がある。
等、またはそれ以上の防菌性、防かび性を有する上、無
毒性でかつ無公害であるため使用が制限されない新規な
防菌剤、防かび剤を提供することを目的としている。
リウム等に代わる新規な化合物について種々検討を行っ
た結果、一般式(1): nSrO・mB2O3・xH2O (1) (ただし、0<n≦3、0<m≦4、0≦x≦5)で表
されるホウ酸ストロンチウム顔料が、人体等に対して無
毒性でかつ無公害であり、しかもメタホウ酸バリウム並
みの高い防菌性、防かび性を有している上、白色である
ため配合して使用する製品の色調を制限するおそれがな
いという新たな事実を見出した。
表されるホウ酸ストロンチウム顔料を有効成分として含
有することを特徴とする防菌剤である。またこの発明
は、上記一般式(1)で表されるホウ酸ストロンチウム顔
料を有効成分として含有することを特徴とする防かび剤
である。
の発明の防菌剤、および防かび剤は、いずれも上記のよ
うにホウ酸ストロンチウム顔料を有効成分として製造さ
れる。かかる防菌剤および防かび剤の有効成分であるホ
ウ酸ストロンチウム顔料は、水溶性ストロンチウム塩
と、ホウ酸または水溶性ホウ酸塩とを水中で反応させる
ことで製造されるもので、その形状は、粒状または粉状
であるのが好ましい。
たとえば下記反応式(2)に示すように、天然の鉱石であ
る天青石(セレスタイト鉱、SrSO4)にカーボンを
加えて還元焙焼して、水溶性ストロンチウム塩である硫
化ストロンチウム(SrS)を得る。 SrSO4+4C→SrS+4CO (2) つぎにこれを温水で浸出し、残渣をろ別した後のろ液
に、水溶性ホウ酸塩であるホウ砂(Na2B4O7・5
H2O)を添加すると、下記反応式(3)に示すように、
ろ液中の硫化ストロンチウムとホウ砂が反応して、メタ
ホウ酸ストロンチウム(SrO・B2O3・H2O)が
生成する。
安全性を考慮して60〜80℃であるのが好ましい。ま
た、浸出液中の硫化ストロンチウムの濃度は10〜12
0g/リットル、好ましくは生産性を考慮して50〜7
0g/リットルにする。
形の粒子しか形成されない。したがって、オートクレー
ブに硫化ストロンチウム溶液を入れ、当該硫化ストロン
チウムの溶解度以上に攪拌しながら、反応に必要な量の
ホウ砂を徐々に投入し、常圧で50〜80℃に昇温後、
10分〜3時間反応させる。引き続きゲージ圧力1.0
〜3kg/cm2で100〜150℃まで昇温後1〜5
時間攪拌する。かくして得られた反応生成物を常法によ
りろ過、水洗し、乾燥、粉砕すると、粒状または粉状に
なったホウ酸ストロンチウム顔料が得られる。
トロンチウムと水溶性ホウ酸塩中のホウ素のモル比は0
<(B/Sr)≦3、好ましくは1≦(B/Sr)≦5
である。また、ホウ砂に代えてホウ酸を使用すると常圧
でも反応が進行する。反応式を下記に示す。なお、反応
温度や反応時間は上記の反応と同様でよい。また、水溶
性ストロンチウム塩中のストロンチウムに対するホウ酸
中のホウ素のモル比も、上記水溶性ホウ酸塩のそれと同
じでよい。
を使用すると、ホウ砂を使用しても常圧で反応が進行す
る。反応式を下記に示す。なお、反応温度や反応時間、
配合量は上記の反応と同様でよい。 SrS+2HCl→SrCl2+2H2S (5) 2SrCl2+Na2B4O7・5H2O+2NaOH →2(SrO・B2O3・H2O)+4NaCl+4H2O (6) 水溶性ストロンチウム塩としては、上記のほか、たとえ
ば水酸化ストロンチウム、硝酸ストロンチウムなどが使
用可能である。
ウ酸ストロンチウムには、たとえば下記の構造のものが
包含され、これらのホウ酸ストロンチウムはいずれも無
毒性でかつ無公害であり、しかも高い防菌性、防かび性
を有する。 SrO・B2O3 SrO・2B2O3 2SrO・B2O3 SrO・3B2O3 3SrO・B2O3 SrO・3B2O3・5H2O SrO・4B2O3・2H2O SrO・B2O3・4H2O SrO・B2O3・H2O SrO・3B2O3・2H2O SrO・3B2O3・4H2O 上記のホウ酸ストロンチウム顔料を有効成分とするこの
発明の防菌剤は、たとえば医療施設、食品工場等の壁、
床用の塗料や、上記医療施設、食品工場等で使用される
衣服、タオル等の繊維、あるいは生鮮食料品用の容器や
食器等に配合して使用される。
等のタイルの目地剤や、上記浴場、台所等で使用される
プラスチック製品、あるいは湿気の多い場所の建築物の
内外壁用塗料等に配合して使用される。
明する。但し、この発明は下記の実施例のみに限定され
るものではない。 実施例1 硫化ストロンチウム水溶液(60g/リットル)を調製
し、これを75℃に加温し、この硫化ストロンチウム水
溶液500mlをホウ砂(5水塩)33.3gとともに
圧力容器に投入し、常圧にて75℃で攪拌しながら30
分間反応させた。
きゲージ圧力1.7kg/cm2にて2時間攪拌した
後、反応液をブフナーロートでろ別し、ケーキを純水
1.5リットルで水洗した。ついで、水洗ケーキを12
0℃で16時間乾燥した後、サンプルミルで粉砕して白
色の粉末を得た。この白色粉末についての分析結果を以
下に示す。なお、SrO含量はEDTA法による化学分
析にて、またB2O3含量はマンニット法による化学分
析にて、それぞれ測定した。
B2O3・1.1H2Oで表されるホウ酸ストロンチウ
ムを主成分とするホウ酸ストロンチウム顔料であること
が判明した。 防菌性能試験 (1) 防菌性能の評価方法(カップ法)と結果I 下記3種類の試験菌をそれぞれ、リン酸緩衝生理食塩水
(pH7.2)で10 3倍に希釈し、その1mlをシャ
ーレにとって、45℃に保ったSCD寒天培地20ml
を添加した後、均一になるまで混和した。そして、室温
に放置して冷却固化させることで、試験菌添加平板培地
(菌板)を作製した。 試験菌 緑膿菌(Ps.a :Pseudomonas aerug
inosa IFONo.13275) 大腸菌(E.c:Escherrichia coli
IFO No.12734) 黄色ブドウ状球菌(St.a :Staphylococc
us aureusIFO No.12732) つぎにこの菌板の上に、1cmの高さからステンレス製
カップ(外径8mm、内径6mm、高さ10mm)を落
下させて設置した後、カップ内に、実施例1で作製した
ホウ酸ストロンチウム顔料をリン酸緩衝生理食塩水(p
H7.2)に懸濁した被検液(濃度10%)を満たし
た。
せて、カップの周りにできた阻止円の直径をノギスで測
定し、下記式により、阻止帯の幅を求めた。その結果を
表1に示す。なお、表1には比較のため、メタホウ酸バ
リウムの結果も示している。 阻止帯の幅(mm)=(阻止円の直径−カップの外径)
/2
ム顔料は、この発明の防菌剤の有効成分として、緑膿菌
に対して、メタホウ酸バリウム以上の防菌効果を有する
ことがわかる。 (1) 防菌性能の評価方法(シェイクフラスコ法)と結
果II フラスコ中にて、前記3種の試験菌1mlに、前記被検
液(濃度10%)9mlを加えた後、フラスコを、27
℃の恒温槽中で振とうした。そして、振とう前、振とう
開始24時間後、振とう開始48時間後の生菌数を、混
釈平板培養法によりそれぞれ測定した。その結果を表2
に示す。なお、表2には比較のため、ブランクならびに
メタホウ酸バリウムの結果も示している。
ム顔料は、この発明の防菌剤の有効成分として、各試験
菌に対して、メタホウ酸バリウムと同等またはそれ以上
の防菌性能を有することがわかる。その際、防菌性能
が、たとえメタホウ酸バリウムと同等であっても、実施
例1で得たホウ酸ストロンチウム顔料は、メタホウ酸バ
リウムのような劇物ではなく、毒性が低いため使用が制
限されないという利点がある。
る。 防かび性能試験 (1) 防かび塗料の調製 顔料として防かび剤、カーボンブラックおよび炭酸カル
シウムを使用した。また樹脂として、エマルション樹脂
(大日本インキ社製の商品名「VONCORTEC−7
40」、不揮発物40%)と、常乾型エポキシエステル
樹脂(大日本インキ社製の商品名「WATERSOL
CD−540」、不揮発物40%)とを用いた。なお、
EC−740変成とは上記EC−740の100重量部
にテキサノール2重量部、ブチルセロソルブ2重量部お
よび水2重量部を加えて変成したものである。
スとガラスビーズ(直径1.5mm)とを1:2(重量
比)で混合し、40分間分散させた。一方、レットダウ
ンでは20分間分散を行った。配合比を表3に示す。な
お、防かび剤のP.W.C.は、顔料中の防かび剤の重
量〔Wafa〕と、樹脂その他の不揮発成分の総重量〔Wn
vm〕と、顔料全体の重量〔Wpig〕とから、次式により
求めた。
た。
プコ社製の消泡剤、BYK─080はビックケミー ゲ
ー・エム・ベーハー(BYK−Chemie Gmb
H)社製の界面活性剤である。また、「Dicnate
3111」は大日本インキ社製の乾燥剤である。 (2) 防かび性能の評価方法と結果 JIS Z 2911−1981の第7項にて規定す
る、塗料のかび抵抗性試験にて評価した。その結果を表
4に示す。
びにメタホウ酸バリウムの結果も示している。ブランク
は、防かび剤の配合量分を、同量の炭酸カルシウムで置
き換えたものである。評価は試験片の全面積に対する、
かびの発生した面積の割合(面積率%)を求めて、以下
の基準にて判定した。 評価基準 かびの発生面積率 (−) 0% (+1) 10%未満 (+2) 10〜30% (+3) 30〜70% (+4) 70%超
ム顔料は、この発明の防かび剤の有効成分として、メタ
ホウ酸バリウムと同等またはそれ以上の防かび性能を有
することがわかる。その際、防かび性能が、たとえメタ
ホウ酸バリウムと同等であっても、実施例1のホウ酸ス
トロンチウム顔料は、メタホウ酸バリウムのような劇物
ではなく、毒性が低いため使用が制限されないという利
点がある。
び防かび剤はともに、無毒性でかつ無公害であり、しか
も防菌性、防かび性にすぐれる上、白色であるため他の
有色顔料と組み合わせて自由な色調にできるホウ酸スト
ロンチウム顔料を有効成分とする。このため、上記の各
特性にすぐれる上、高い安全性を有するという効果があ
る。また、色調に制限がある場合にも容易に対応できる
という効果がある。
Claims (2)
- 【請求項1】一般式(1): nSrO・mB2O3・xH2O (1) (ただし、0<n≦3、0<m≦4、0≦x≦5)で表
されるホウ酸ストロンチウム顔料を有効成分として含有
することを特徴とする防菌剤。 - 【請求項2】一般式(1): nSrO・mB2O3・xH2O (1) (ただし、0<n≦3、0<m≦4、0≦x≦5)で表
されるホウ酸ストロンチウム顔料を有効成分として含有
することを特徴とする防かび剤。
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---|---|---|---|
JP2002370726A JP3678232B2 (ja) | 1993-10-06 | 2002-12-20 | 防菌剤および防かび剤 |
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---|---|---|---|
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JP25070393 | 1993-10-06 | ||
JP2002370726A JP3678232B2 (ja) | 1993-10-06 | 2002-12-20 | 防菌剤および防かび剤 |
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