JP2003201191A - 耐食性セラミックス - Google Patents

耐食性セラミックス

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1000℃以上の高温域において、高温の水
蒸気に対する耐水蒸気腐食性が高く、寿命の長い高耐食
性セラミックスを提供する 【解決手段】 窒化珪素、炭化珪素及びサイアロンのう
ち少なくとも1種を主体とする基体と、該基体の表面に
設けられた表面層とを具備した耐食性セラミックスにお
いて、該表面層が、周期律表第IIIa族元素で安定化さ
れた酸化ジルコニウムからなり、Al及びSiの含有量
が合計で1質量%以下であることを特徴とするもので、
特に表面層の厚みが5〜200μm、表面層の気孔率が
5〜30%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高温用部材とし
て、特に、ガスタービンエンジン用部品などの熱機関用
部品として好適に使用される耐食性セラミックスに関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、エンジニアリングセラミックスとし
て知られている窒化珪素、炭化珪素やサイアロンは、耐
熱性、耐熱衝撃性、耐摩耗性及び耐酸化性に優れること
から、特にガスタービンやタ−ボロ−タ等の熱機関用部
品として応用が進められている。このような珪素を含む
非酸化物セラミックスは、一般には焼結助剤を添加する
ことにより高密度で高強度の特性が得られている。例え
ば、窒化珪素セラミックスの場合、窒化珪素粉末にY
、AlあるいはMgOなどを焼結助剤として
加え焼成することによって窒化珪素質焼結体を得ること
ができる。このようなセラミックスは、1000℃以上
という金属材料では用いることのできない高い温度領域
において使用することが可能であり、例えば40%以上
という従来の金属材料で不可能であった熱効率を実現す
ることも可能である。
【0003】これらのセラミックスを内燃機関、特にガ
スタービン用部材に用いる場合、強度は勿論のこと、高
温という厳しい環境下において、他の特性も優れている
ことが要求されている。例えば、ガスタービンエンジン
等の燃焼機関においては、高温気流による腐食に強いこ
とが要求され、また、微小粒子の衝突に対する耐磨耗性
や耐衝撃性を高めることが必要となる。
【0004】ところが、前述した珪素を含むセラミック
スは、燃料ガスによる耐水蒸気腐食性や耐磨耗性には優
れるものの、ガスタービン燃焼ガス中に含まれる高温水
蒸気と反応し、その結果、高温水蒸気による腐食でセラ
ミックスの消耗が激しく寿命が短いという問題が生じて
いる。特に、ガスタービンに用いられるコンパスタライ
ナ、トランジションダクト及び静翼等の部品では、水蒸
気を含む高温の燃焼ガスに曝され、表面のセラミックス
の消耗が顕著であった。
【0005】そこで、上記問題を解決するために、焼結
助剤、粒界相、焼成条件、酸化保護膜の形成等に関して
種々の試みがなされてきた。例えば特開平9−1836
76号公報には、高温水蒸気に対する耐性を改善するた
めに、窒化珪素またはサイアロンを主成分とする焼結体
表面を、SiOを主体とするガラス層で被覆すること
が提案されている。また、窒化珪素質焼結体上に、耐酸
化性の良好なアルミナ、ムライトなどからなる保護膜
を、CVDや溶射の手法で形成することにより、耐酸化
性、耐エロージョン、コロージョン性を向上する試みも
なされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−183676号公報のように、表面にガラス層を形
成する方法では、気流の伴わない静的な条件下での特性
向上の効果はあるものの、実際のエンジン中で高温高圧
高速ガスに曝されると、ガラスの蒸発によって表面のガ
ラス層が急速に消耗してしまうため、このようなガラス
層はの寿命が短く、保護膜の用をなさないという問題が
あった。また、アルミナ、ムライト等は窒化珪素等に比
べれば耐食性が高いものの、水蒸気分圧の高い雰囲気中
では耐食性が低く、耐久性に劣るため、実用性が不十分
であるという問題があった。
【0007】従って、本発明の目的は、1000℃以上
の高温域において、高温水蒸気に対する耐食性が高く、
寿命の長い耐食性セラミックスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、珪素含有セラ
ミックスの表面に安定化ジルコニア層を設け、その組成
を制御することにより、高温水蒸気に対する耐性を改善
できるということを知見し、特に高温で動作するガスタ
ービンエンジン等の内燃機関を構成する部品として好適
に用いることのできるセラミックスを実現したものであ
る。
【0009】即ち、本発明によれば、窒化珪素、炭化珪
素及びサイアロンから選択された少なくとも1種の珪素
含有セラミックスからなる基体と、該基体の表面に設け
られた表面層とを具備した耐食性セラミックスにおい
て、前記表面層が、周期律表第IIIa族元素で安定化さ
れた酸化ジルコニウムからなり、且つ該表面層中のAl
及びSiの含有量が合計で1質量%以下に抑制されてい
ることを特徴とする耐食性セラミックスが提供される。
【0010】本発明においては、周期律表第IIIa族元
素で安定化された酸化ジルコニウム(以下、単に安定化
ジルコニアと呼ぶことがある)からなる表面層中には、
高温水蒸気との反応によって消耗の激しいAl及びSi
の含有量が一定量以下の少量に抑制されており、この結
果、かかる表面層は、高温水蒸気腐食に強く、珪素を含
むセラミックスの表面を保護することができる。したが
って本発明の耐食性セラミックスは、特にガスタービン
エンジン用部品等の用途に極めて好適である。
【0011】本発明において、珪素含有セラミックスか
らなる基体との熱膨張差による表面層の剥離を有効に防
止するために、前記表面層の厚みは、5〜200μmで
あることが好ましい。また、酸化ジルコニウムの安定化
のために使用される周期律表第IIIa族元素としては、
Y、Er、Yb及びLuの少なくとも1種であることが
好ましい。これは、上記のようなイオン半径の小さな周
期律表第IIIa族元素で安定化すると熱膨張係数が比較
的小さくなり熱膨張差による表面層の剥離を効果的に防
止できるためである。このような周期律表第IIIa族元
素は、酸化物換算で、3〜15モル%の量で表面層中に
存在することが望ましく、このような周期律表第IIIa
族元素で安定化された酸化ジルコニウムで形成された表
面層を設けることにより、高温高圧高速ガスに曝されて
も剥離や消耗をさらに抑制し、耐酸化性、耐エロージョ
ン、コロージョンを著しく改善することができる。ま
た、前記表面層の気孔率が5〜30%であることが好ま
しい。これにより、基体と表面層との熱膨張差による応
力を緩和し表面層の剥がれを抑制する。更に、前記表面
層が基体との界面から表面方向に柱状に伸びた組織を有
することが望ましい。これは、熱応力により前記表面層
にクラックが入っても、柱状の界面においてクラックが
発生するため、基体から剥がれることなく基体に付着し
たままになるためである。
【0012】さらに本発明においては、前記基体と前記
表面層との間に、RESi及び/又はRE
iO(RE:周期律表第IIIa族元素)からなる中間
層を設けることができる。このような中間層を設けるこ
とにより、基体と表面層との熱膨張差による応力を緩和
し表面層の剥がれを抑制する。
【0013】
【発明の実施の形態】(基体)本発明の耐食性セラミッ
クスにおいて、安定化ジルコニアからなる表面層を形成
すべき基体は、窒化珪素、炭化珪素及びサイアロンのう
ち少なくとも1種からなる珪素含有セラミックスから構
成される。このような珪素含有セラミックスは、室温か
ら高温での強度が高く、これらのセラミックスからなる
基体上に安定化ジルコニアの表面層を設けることによっ
て水蒸気に対する耐食性を著しく改善し、寿命を長くせ
しめることができ、ガスタービン用部材として好適な耐
食性セラミックスを実現することができる。尚、この基
体中には、上記の珪素含有セラミックスの特性が損なわ
れない限り、焼結助剤等に由来する他の成分を含有して
いてもよく、例えば、25モル%以下の範囲で希土類元
素酸化物や二酸化珪素を含有していてもよい。
【0014】(表面層) 上記の基体表面に形成される表
面層は、周期律表第IIIa族元素で安定化された安定化
ジルコニアから形成されていることが重要である。即
ち、酸化ジルコニウムは温度変化が起こると相変態を起
こし、その際に体積変化を生じてクラックを発生する
が、周期律表第IIIa族元素で安定化させることによっ
てクラック発生を防止することができる。
【0015】酸化ジルコニウムの安定化のために使用さ
れる周期律表第IIIa族元素には、Sc、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb及びLuがあり、特に制限
されるものではないが、これらの中でも、特に、Er、
Yb、及びLuの少なくとも1種であることが好まし
い。これらの元素はイオン半径が小さく、これらの元素
で安定化する熱膨張係数が比較的小さくなり表面層の剥
離を効果的に抑制できるためである。さらに、安価であ
るという点では、Yが好適に使用される。上記表面層中
の周期律表第IIIa族元素の含有量は、酸化ジルコニウ
ムを安定化させ、水蒸気に対する耐食性に大きな影響を
与えない範囲であればよく、特に酸化物換算で、3〜1
5モル%、更には5〜12モル%であることが良い。
【0016】また、本発明によれば、表面層に含まれる
Al及びSiが合計で1質量%以下、特に0.1質量%
以下、更には0.01質量%以下に抑制されていること
が重要である。Al及びSiの含有量が合計で1質量%
を越えると、高温水蒸気中での腐食が大きくなる。した
がって、本発明においては、表面層形成のためには、高
純度の酸化ジルコニウムや周期律表第IIIa族元素酸化
物を用いて、Al及びSiの含有量を上記範囲内となる
ように抑制することが必要となる。
【0017】本発明においては、上記のような安定化ジ
ルコニアからなる表面層は、従来のSiO、Al
、ムライト、コージェライト、YAGなどからなる保
護膜に比べ、高温水蒸気を含む酸化雰囲気において非常
に安定性を示し、優れた耐酸化性及び耐食性を発揮する
ことが可能となる。また、融点が高いため、耐熱性に優
れ、高温での寿命が長い。
【0018】上述した表面層の厚みは、5〜200μ
m、特に10〜150μm、さらには30〜100μm
であることが好ましい。これは、熱膨張差を低減して保
護層の剥がれを防ぎ、耐食性セラミックスの寿命を長く
するためである。また、表面層の気孔率は、5〜30
%、特に7〜15%であることが好ましい。これは、表
面層に微粒子が衝突してもクラックの発生及び進展を効
果的に抑制し、欠けや剥離を抑制するためである。さら
に、前記表面層は、柱状結晶からなり、柱状結晶の長軸
が基体表面に略垂直であることが望ましい。これは、熱
応力により前記表面層にクラックが入っても、柱状の界
面においてクラックが発生するため、基体から剥がれる
ことなく基体に付着したままになるためである。
【0019】(中間層)また、本発明においては、前記
珪素含有セラミックスからなる基体と表面層との間に、
RESi及び/又はRESiO(RE:周
期律表第IIIa族元素)で表される複合酸化物からなる
中間層を設けることが好ましい。このような中間層の厚
みは、熱応力緩和、高信頼性及び長寿命の見地から、5
〜200μm、特に10〜150μm、30〜100μ
mであるのが良い。上記複合酸化物は、基体となる窒化
珪素、炭化珪素及びサイアロンの熱膨張率と表面層を形
成する安定化ジルコニアの熱膨張率との中間的熱膨張率
を有していることから、このような複合酸化物からなる
中間層を設けることにより、熱膨張差による応力を緩和
し、表面層の剥離を有効に抑制することができる。ま
た、かかる複合酸化物は、高温の水蒸気に対する耐食性
も高く、高融点でもあり、たとえ表面層にピンホールや
クラックが存在しても、基体に対するその影響を小さく
することができ、中間層として有効である。尚、上記複
合酸化物中の希土類元素としては、Y、Er、Yb及び
Luの少なくとも1種であることが好適であり、特に表
面層を形成している酸化ジルコニウムの安定化に使用さ
れているものと同種のものであることが望ましい。
【0020】上述した構造を有する本発明の耐食性セラ
ミックスは、特に、耐酸化性及び水蒸気に対する耐食性
に優れるため、タービンロータ、ノズル、コンバスタラ
イナ、トランジションダクトなどのガスタービンエンジ
ン用部品等の内燃機関部品に好適に用いられる。
【0021】(耐食性セラミックスの製造)本発明の耐
食性セラミックスを製造するにあたっては、まず、窒化
珪素、炭化珪素及びサイアロンのうち少なくとも1種の
珪素含有セラミックスからなる基体を準備する。かかる
基体は、コストの点で焼結体であることが望ましい。ま
た、先に述べた通り、焼結助剤が含まれていても良く、
例えば、希土類元素酸化物を0.5〜10モル%、二酸
化珪素を1〜20モル%含む窒化珪素焼結体を用いるこ
とができる。
【0022】この基体の表面に、所望により、前述した
中間層を形成する。例えば、RESi及び/又
はRESiOで表わされる複合酸化物からなる粉体
を塗布し、1400℃以上の高温で熱処理することによ
って中間層を作製できる。
【0023】上記のようにして必要により中間層を形成
した後、安定化ジルコニアからなる表面層を形成する。
かかる表面層を形成するための出発原料としては、高純
度(99.9%以上)の酸化ジルコニウム粉末と周期律
表第IIIa族元素酸化物(RE)粉末を用いる。
また、既に周期律表第IIIa族元素酸化物で安定化され
たジルコニア粉末を直接使用することもできる。尚、い
ずれの場合においても、原料粉末中にAl及びSiの含
有量が前述した範囲(合計で1質量%以下)となるよう
に、高純度のものを使用することが重要である。
【0024】これらの原料粉末を溶媒や分散剤を加えて
混合し、スラリーを作製し、このスラリーを上記の基体
表面、或いは中間層上に塗布し、これを乾燥して被覆層
を形成する。塗布には、スラリーを吹き付けるスプレー
法、スラリーの中に浸漬するディッピング法等により基
体の表面に均一に塗布するのがよい。また、スラリーを
均一に形成するため、スラリーの粘度を0.5〜3.0
Pa・sにすることが好ましい。
【0025】上記のようにして形成された被覆層を有す
る基体を、熱処理することにより、目的とする表面層を
形成することができる。熱処理温度は、表面層を十分緻
密化するために、1300℃〜1900℃、特に140
0〜1600℃、さらには1450〜1550℃の温度
であることが望ましい。
【0026】表面層は、上述のように、スラリーを基体
表面に塗布し、熱処理することによって、安価に且つ密
着良く形成できるが、その他にもプラズマ溶射法、CV
D法、PVD法等の既存の成膜技術で表面層を形成する
ことも可能である。また、柱状結晶を作るためには、C
VD法及びPVD法を用いることが好ましく、特に、E
B−PVD(Electron Beam Phisical Vaper Depositio
n)法を用いるのが良い。また、気孔率を5〜30%に制
御するには、熱処理温度を制御すればよい。例えば、Y
量が8質量%の安定化ジルコニア粉末で塗布法を
用いる場合、熱処理温度を1300〜1600℃の範囲
で調整すればよい。また、安定化剤の含有量や熱処理時
間を変えても気孔率を調整できる。
【0027】 このような製造方法により、Al及びSi
の含有量が少なく、周期律表第IIIa族元素で安定化さ
れた酸化ジルコニウムからなり、特に気孔率が5〜30
%、厚みが5〜200μmの表面層を有する本発明の耐
食性セラミックスを作製することができる。さらに、柱
状結晶で、長軸が基体表面に略垂直な表面層を形成する
こともできる。
【0028】
【実施例】実験例1 基体として、窒化珪素、炭化珪素及びサイアロンを主成
分とする焼結体からなる基体を準備した。窒化珪素焼結
体は、酸化ルテチウムを3モル%、二酸化珪素を6モル
%焼結助剤として加えて焼成したものである。炭化珪素
焼結体は、BCを0.4質量%、Cを1.0質量%焼
結助剤として加えて焼成したものである。また、サイア
ロンは、酸化イットリウムを5モル%、二酸化珪素を4
モル%焼結助剤として加えて焼成したものである。
【0029】これらの基体は、縦4mm、横40mm、
厚み3mmの形状に加工した。尚、試料No.19〜2
1のものについては、この基体表面に、中間層を形成し
た。即ち、ダイシリケート粉末、モノシリケート粉末か
らなるスラリーをスプレーガンで基体表面に吹き付けて
塗布し、乾燥後に温度1750℃で10分間の熱処理を
行って中間層を形成した。
【0030】純度99.9%のZrO粉末、純度9
9.9%のY粉末、Lu粉末、Yb
粉末、Er粉末、Sm粉末及びSc
粉末を、表1に示す組成となるよう秤量し、これに水、
バインダー(PVA)を添加して酸化ジルコニウムボー
ルを用いて24時間回転ミルで混合し、スラリーを作製
した。また、比較のために(試料No.31〜33)、
純度99.9%のAl粉末、ムライト(MU)粉
末及びコーディエライト(CJ)粉末を用いて同様の方
法でスラリーを作製した。得られたスラリーを、上記基
体の表面(中間層が形成されたものについては中間層
上)にスプレーガンで吹き付けて塗布し、120℃の乾
燥機中で乾燥した。得られた試料を大気中で表1の条件
で熱処理した。なお、試料No.25は、EB−PVD
法によって安定化ジルコニアからなる表面層を形成し
た。また、表面層を形成しない窒化系素質焼結体を比較
例(試料No.34)として評価した。
【0031】評価は、酸化試験、衝撃性試験及び水蒸気
耐食試験を行った。酸化試験は、大気中、1200℃で
100時間放置し、酸化による重量の変化量(増加量)
を測定した。また、衝撃性試験は、1300℃−300
℃の条件で、熱サイクル試験を20サイクル行い、表面
層にクラックがあるかどうか蛍光探傷液浸透法を用いて
観察した。水蒸気耐食試験は、密閉容器中に水と試料を
入れ、温度を200℃、圧力を1.5MPaに100時
間保ち、重量の変化量(減少量)を測定した。また、曝
露試験は、曝露試験装置に試料を載置し、メタンガスを
燃焼させ、表2の流速で、試料に燃焼ガスを吹き付け、
重量減少量を測定すると共にコーティング層のクラック
の有無を確認した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】まず、本発明の試料No.1〜4、8〜3
0は、水蒸気耐食試験での質量減少量が0.005mg
/cm以下で水蒸気含有ガス雰囲気中での耐食性が高
いことがわかる。また、耐酸化性、耐熱衝撃性に優れる
こともわかる。さらに、燃焼ガスに対する暴露試験にお
いても重量減少量が0.01mg/cm以下で燃焼ガ
スに対する耐食性に優れている。一方、表面層のAl及
びSiの不純物が1質量%を越え、本発明の範囲外の試
料No.5〜7は、暴露試験において質量減少量が0.
50mg/cm以上であった。また、耐酸化性も0.
07mg/cm以上であった。さらに、水蒸気耐食試
験での重量減少量が0.2mg/cm以上であった。
また、表面層に安定化ZrOを用いていない試料N
o.31〜34はいずれも質量減少量が暴露試験におい
て0.50mg/cm以上となり、耐熱衝撃試験にお
いてクラックを生成した。さらに、水蒸気耐食試験での
重量減少量が0.3mg/cm以上であった。
【0035】
【発明の効果】本発明の耐食性セラミックスは、100
0℃以上、特に1000〜1500℃の燃焼ガス雰囲気
中でも耐水蒸気腐食性が高く、寿命を改善して長時間使
用が可能な耐食性セラミックスを実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鶴薗 佐蔵 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 久松 暢 神奈川県横須賀市長坂2−6−1 財団法 人電力中央研究所横須賀研究所内 (72)発明者 百合 功 神奈川県横須賀市長坂2−6−1 財団法 人電力中央研究所横須賀研究所内 Fターム(参考) 3G002 AA12 AB07 AB08 BA08 BA09 BB04 BB05 CA13 CA14 EA08 EA09 FA11 GA10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素、炭化珪素及びサイアロンから
    選択された少なくとも1種の珪素含有セラミックスから
    なる基体と、該基体の表面に設けられた表面層とを具備
    した耐食性セラミックスにおいて、 前記表面層が、周期律表第IIIa族元素で安定化された
    酸化ジルコニウムからなり、且つ該表面層中のAl及び
    Siの含有量が合計で1質量%以下に抑制されているこ
    とを特徴とする耐食性セラミックス。
  2. 【請求項2】 前記表面層中の周期律表第IIIa族元素
    含量が、酸化物換算で3〜15モル%である請求項1に
    記載の耐食性セラミックス。
  3. 【請求項3】 前記表面層の厚みが5〜200μmであ
    る請求項1乃至3のいずらかに記載の耐食性セラミック
    ス。
  4. 【請求項4】 前記周期律表第IIIa族元素がY、E
    r、Yb及びLuの少なくとも1種である請求項1乃至
    4のいずれかに記載の耐食性セラミックス。
  5. 【請求項5】 前記基体と前記表面層との間にRE
    及び/又はRESiO(REは周期律表第
    IIIa族元素を示す)で表わされる複合酸化物からなる
    中間層が設けられている請求項1乃至4にいずれかに記
    載の耐食性セラミックス。
  6. 【請求項6】 前記表面層の気孔率が5〜30%である
    請求項1乃至5記載の耐食性セラミックス。
  7. 【請求項7】 前記表面層が柱状結晶からなり、該柱状
    結晶の長軸が基体表面に略垂直である請求項1乃至6の
    いずれかに記載の耐食性セラミックス。
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