JP2003200802A - サイドエアバッグ - Google Patents

サイドエアバッグ

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JP2003200802A
JP2003200802A JP2002001684A JP2002001684A JP2003200802A JP 2003200802 A JP2003200802 A JP 2003200802A JP 2002001684 A JP2002001684 A JP 2002001684A JP 2002001684 A JP2002001684 A JP 2002001684A JP 2003200802 A JP2003200802 A JP 2003200802A
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JP2002001684A
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Tadao Shikanuma
忠雄 鹿沼
Tadayuki Aoshima
唯之 青島
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Nihon Plast Co Ltd
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Nihon Plast Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量且つコンパクト化と、エアバッグの確実
な展開性と、エアバッグの挿入作業性の面で好適な特性
を有するサイドエアバッグを提供する。 【解決手段】 収納体5は、目付けが170g/m2
下の布帛から成り、収納体5の長さ方向と一致する方向
の引裂強力が50N以上であり、脆弱部8は、40番手
以下の細い縫い糸により運針数1〜3針/cmで縫合さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、折り畳んだエアバ
ッグを収納体内に挿入した構造のサイドエアバッグに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、乗員保護用安全装置としてエアバ
ッグシステムが普及してきており、運転席用から助手席
用、側突保護用、後部座席用と装着部位も増えてきてい
る。
【0003】特に、側面衝突時の衝撃から乗員を保護す
るエアバッグ、即ち側突保護用のサイドエアバッグは、
乗員に対する安全性を更に高める手段として適用されつ
つある。
【0004】サイドエアバッグの中でも側方窓部周辺の
車体内部に収納されるインフレータブルカーテンは、側
面衝突時に乗員の頭部を保護するように設定され、車両
が衝撃で横転しても乗員が車外に放出されないように設
計されている。これらのバッグは車両のピラー部やルー
フサイド部などに収納されるが、収納部が極めて狭いた
め、折り畳んだバッグの軽量且つコンパクト化を図る必
要がある。そのため、折り畳んだエアバッグを、筒状の
収納体内に挿入することにより、容量を小さくしてい
る。
【0005】この種の収納体としては、例えば特表20
00−506810号公報に記載されているように、平
織りシートを筒状に縫合し、その側面に織り方を変えて
部分的に強度を弱くしたライン状の脆弱部を設けてい
る。そして、この収納体内に挿入されたエアバッグが大
きく膨張すると、収納体が脆弱部から開裂し、エアバッ
グが所定形状に展開するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、収納体の軽量化を図るため
に、単に薄い布材を用いると、エアバッグの膨張時に脆
弱部以外の部分から収納体が開裂してしまうおそれがあ
る。そのため、軽量化且つコンパクト化と、エアバッグ
の所定位置から開裂することとの両面で好適な特性を有
する収納体の提案が待たれている。
【0007】また、収納体に設けられる脆弱部として、
従来のように織り方を部分的に弱く変える構造は、脆弱
部の形成が困難で、コスト的に不利である。そこで、筒
状にした収納体の端部同士を単に縫い糸で縫合すること
により脆弱部を形成することが考えられるが、このよう
な単純構造の脆弱部にあっても、縫合強度が強すぎる
と、収納体が確実に開裂せず、また縫合強度が弱すぎる
と、エアバッグの挿入作業の際に脆弱部から破れるおそ
れがある。そのため、縫合による脆弱部を採用する際に
おいて、エアバッグの確実な展開性及びエアバッグの挿
入作業性の両面で好適な特性が得られる脆弱部の縫合条
件に関する提案が待たれている。
【0008】この発明は、このような従来の技術に着目
してなされたものであり、軽量且つコンパクト化と、エ
アバッグの確実な展開性と、エアバッグの挿入作業性の
各面で好適な特性を有するサイドエアバッグを提供する
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車両の窓部周辺に折り畳まれて収納され且つ車両側部を
覆うように展開するエアバッグと、このエアバッグを収
納する筒状の収納体とよりなり、収納体は、車両の前後
方向にそれぞれ沿って延びる上端部と下端部とを有し、
下端部には車両の前後方向に沿う脆弱部が少なくとも一
部に形成され、上端部にはエアバッグを車体へ固定する
係止部を挿通する挿通部が形成されたサイドエアバッグ
であって、前記収納体は、目付けが170g/m2以下
の布帛から成り、収納体の長さ方向での引裂強力が50
N以上であり、前記脆弱部は、40番手以下の細い縫い
糸により運針数1〜3針/cmで縫合されている。
【0010】請求項1記載の発明によれば、収納体の目
付けが170g/m2以下(好ましくは50〜170g
/m2、更に好ましくは70〜170g/m2)の範囲の
布帛から成るため、軽量且つコンパクト化の面で好適で
ある。すなわち、収納体の目付けが170g/m2を越
えると、収納体としての重さが増すと共に、柔軟性が無
くなるため、コンパクトな収納も困難になる。また、収
納体の目付けが50g/m2より大きい値を選定するの
が現実的である。この値よりも小さい場合は、充分な強
度が得られない。また、収納体の長さ方向での引裂強力
が50N以上であり、必要な強度が保たれているため、
エアバッグが収納体内で膨張した際に、収納体が脆弱部
以外の部分から開裂するおそれはない。すなわち、エア
バッグが膨張した場合は、必ず脆弱部の方が、他の部位
(挿通部)よりも先に開裂し、エアバッグの確実な展開
性が得られる。更に、脆弱部を縫合する縫い糸に、40
番手以下の細い縫い糸、好ましくは120〜40番手、
更に好ましくは100〜40番手の細い縫い糸を用い
る。そのため、脆弱部の縫合強度が強くなり過ぎず、脆
弱部の方が他の部位よりも先に開裂することはないし、
また弱すぎてエアバッグの挿入作業時に脆弱部から破れ
るようなこともない。そして、その縫い糸を運針数1〜
3針/cmで縫合することにより、縫合強度も好適にな
る。すなわち、縫い糸の番手と同様に、運針数が3針/
cmを超えると、脆弱部が強くなりすぎることもあり、
逆に1針/cm未満の場合は、弱くなりすぎて工程での
ハンドリングが困難になり、エアバッグを挿入する時に
破断するおそれもある。尚、場合によっては、脆弱部を
縫合する際、ガス導入口側の端部、例えば5〜20mm
程度を未縫合のままとしたり、縫製部端末の縫い返しを
施さずに脆弱部の開裂を誘発し、エアバッグの展開が迅
速かつ円滑に行えるようにしてもよい。
【0011】請求項2記載の発明は、布帛が235デシ
テックス以下の太さの糸を用いた織物である。
【0012】請求項2記載の発明によれば、布帛が23
5デシテックス以下の太さの糸を用いているため、エア
バッグ収納体の容積、重さを抑えることができる。織物
の密度は、経および緯を同じとしてもよいし、差を設け
てもよく、物理特性、厚さ、目付などから60〜80本
/吋の範囲から適宜選定すればよい。
【0013】請求項3記載の発明は、布帛が不織布であ
る。
【0014】請求項3記載の発明によれば、布帛が不織
布であるため、織布、編布など他の布帛と比較して、同
じ目付けであれば柔らかい傾向にあり、収納体としての
好ましい特性が得られる。不織布は、短繊維を用いる方
法(カード法、抄造法、スパンレース法)、長繊維を用
いる方法(スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシ
ュ紡糸法)などの各種方法により製造されたものの中か
ら選定すればよく、場合によっては、これら同種または
異種の不織布同士、あるいは目付けで過半数を超えない
範囲で織布、編み布、組み布、フィルム、シートなどを
接着剤、ニードルパンチ、ステッチなどの化学的あるい
は物理的方法により積層、絡合したものでもよい。
【0015】尚、本発明において、収納体の脆弱部の縫
合に使用する縫糸は、一般に化合繊縫糸と呼ばれるもの
や工業用縫糸として使用されているものの中から適宜選
定すればよく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン46、ポリエステル、ビニロン、アラミド、カー
ボン、ガラスなどがあり、紡績糸、フィラメント合撚
糸、フィラメント樹脂加工糸のいずれでもよい。
【0016】また、本発明の収納体用の布帛には、補強
のため、あるいは平滑性、耐熱性、気密性などを付与す
るために、片面または両面にエアバッグ本体基布に使用
されている被覆材、たとえば、シリコーン系の樹脂また
はゴム、ポリウレタン系の樹脂またはゴム(シリコー
ン、フッ素などによる変性も含む)、フッ素系の樹脂ま
たはゴム、クロロプレンゴムなどの含塩素系の樹脂また
はゴム、ハイパロンゴムなどを付与しても良い。
【0017】収納体の裁断は、布帛の物理的特性に応じ
て行えばよく、布帛が織物の場合は、経糸方向、緯糸方
向、あるいはこれらと交差する方向(例えばバイアス方
向(45°方向))としても良いし、不織布の場合は布
帛の長さ方向、幅方向、あるいはこれらと交差する方向
など、適宜選定すればよい。特に、織物の場合、バイア
ス方向に裁断することは引裂強力を高めることできるの
で好ましい。
【0018】本発明において、エアバッグ本体の基布に
400デシテックス(360デニール)以下、好ましく
は235デシテックス(210デニ−ル)以下の細い糸
を用いた織物を使用することは、本発明の目的とする軽
くてコンパクトに折り畳めるエアバッグを提供する上で
好ましい。また、エアバッグ本体基布の目付は200g
/m2以下、好ましくは150g/m2以下であることも
望ましい。
【0019】さらに、本体基布を構成する糸のデシテッ
クス(dtex)と織物の打込み密度(本/吋)から求
められるカバーファクターは、2000以上、好ましく
は2000〜2600であることも好ましい。カバーフ
ァクターが2000未満の場合には、気密性を得るため
のシリコーン被覆量が多くなり本体基布の目付が重くな
るだけでなく、エアバッグが衝撃的に展開する際に織物
が目ずれを起こし易くなる傾向を持つ。カバーファクタ
ーが大きな値となる場合は、織物が粗硬になる傾向を持
つので、コンパクトな収納に影響がある。ここで、織物
のカバーファクター(CF)は織物構造の緻密さを示す
指数で、織物に用いられている経糸および緯糸のデシテ
ックス(DwおよびDf)と織物の経密度および緯密度
(NwおよびNf)(本/吋)から求められる。
【0020】
【数1】
【0021】本発明の本体基布には、より高い気密性を
確保するため耐熱性、耐久性、基布との接着性などに優
れる被覆材、たとえば、シリコーン樹脂またはシリコー
ンゴム、ポリウレタン樹脂またはポリウレタンゴム(シ
リコーン変性、フッ素変性も含む)、含塩素樹脂または
含塩素ゴム(クロロプレンやハイパロンなど)などを付
与しても良い。
【0022】収納体および本体基布に被覆材を付与する
方法は、布帛および基布との接着、被覆層の気密性が確
保できるものであればよく、コーティング法(ナイフ、
キス、リバース)、印刷法(スクリーン、ロール、ロー
タリー)、浸漬法、などいずれの加工法でもよい。被覆
材の付与量は、要求される気密性、耐熱性に応じて定め
ればよいが、10〜100g/m2(固型分換算)の範
囲で選定すればよい。
【0023】本発明に用いる被覆材には、加工性、接着
性、表面特性あるいは耐久性などを改良するために通常
使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、反応促進
剤、反応遅延剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定
剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、
撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与
剤、難燃剤、可塑剤、などの一種または二種以上を選
択、混合して使用してもよい。
【0024】本発明の収納体に収納されるサイドエアバ
ッグは、対向する二枚の基布パネルによりエアバッグを
形成したものであるが、接合の方法は、縫合、接着、溶
着、製織、製編などから選定した方法で行えばよい。
【0025】エアバッグの形成を製織、製編以外の方法
でおこなう場合、エアバッグを構成する基布は、同一形
状に裁断された二枚の基布を重ねてもよいし、一枚の基
布を折り返して重ねてもよく、場合によっては重ね合わ
せた二枚の基布を更に折り返したり、相似形に裁断され
た基布の大きい側を小さい側の端縁部を包み込むように
折り返して重ねてもよい。
【0026】そして、接合を縫合でおこなう場合、縫合
の仕様は接合部を補強することができるものであればよ
いが、本体基布を構成する糸が細い場合、特に250デ
シテックス以下では、使用する縫糸番手Tならびに運針
数S(針/cm)を、20≦T≦80および2≦T
/S≦8の関係を満足する条件で縫合することが好まし
い。縫合に使用する縫糸が上糸、下糸などで糸番手の異
なる場合は、いずれの縫糸も前記の関係式式および
式の関係を満足することが最もよいが、上糸または下糸
などいずれか一方のみが式および式の関係を満足す
ればよい。また、縫目仕様は、使用する基布、バッグ仕
様、装着部位、要求される接合部強度などに応じて選定
すればよく、本縫い、二重環縫い、片伏せ縫い、オーバ
ーロック縫い、安全縫い、千鳥縫い、偏平縫いなどがあ
り、これらの組み合わせでもよい。縫合に用いる縫糸の
材料は、前記した収納体の縫合に用いるこができるもの
の中から適宜選定すればよい。
【0027】また、本発明においては、エアバッグ本体
の特に接合強度を高める必要がある部位、例えば、エア
バッグの外周部、インフレーター取付け口周辺部などに
ついては縫合に加えシリコーンなどの接着剤などを併用
することも好ましい。
【0028】また、本発明の収納体およびエアバッグ本
体の織物を構成する繊維糸条は特に限定するものではな
く、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4
6、ナイロン610、ナイロン612などの単独または
これらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド
繊維、ナイロン6T、ナイロン9Tに代表される脂肪族
アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合によ
り得られるポリエステル繊維、パラフェニレンテレフタ
ルアミド、およびこれと芳香族エーテルとの共重合物な
どに代表されるアラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊
維、ビニロン繊維、超高分子量ポリエチレン系繊維、ポ
リテトラフルオロエチレンを含むフッ素系繊維、ポリサ
ルフォン繊維、ポリフェニレンサルファイド系(PP
S)繊維、ポリエーテルエーテルケトン系(PEEK)
繊維、ポリイミド(PI)繊維、ポリエーテルイミド
(PEI)繊維、高強力レーヨンを含むセルロース系繊
維、アクリル系繊維、炭素繊維、ガラス繊維、シリコー
ンカーバイド(SiC)繊維、アルミナ繊維などから適
宜選定すればよく、場合によっては、スチールに代表さ
れる金属繊維などの無機繊維を含んでもよい。
【0029】これらの繊維糸条には紡糸性や加工性、材
質の耐久性を改善するために通常使用されている各種の
添加剤、例えば、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定
剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油
剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可
塑剤などの一種または二種以上を使用してもよい。ま
た、場合によっては、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回
加工などの加工を施してもよい。さらに糸条の形態は、
長繊維のフィラメント、短繊維の紡績糸、これらの複合
糸など、特に限定するものでない。
【0030】本発明の収納体および本体基布の織物を製
造する織機は通常の工業用織物を製織するのに用いられ
る各種織機から適宜選定すればよく、例えば、シャトル
織機、ウォータージェット織機(WJL)、エアージェ
ット織機(AJL)、レピア織機、プロジェクタイル織
機などから選べばよい。織物の組織も、平織、斜子織
(バスケット織)、綾織、格子織(リップ・ストップ
織)、あるいはこれらの複合組織など、いずれでもよ
い。収納体が織物である場合も上記の織機、織物組織の
中から選定すればよい。
【0031】本発明になるエアバッグのインフレーター
取付け口周辺の補強に用いられる補強布は、エアバッグ
に用いられたものと同じ織物でもよいが、別途準備した
補強用織物、例えば、ナイロン66の940デシテック
ス、470デシテックスなどを用いて作成された、本発
明のエアバッグ本体用織物より厚手織物の単独または複
数枚を用いてもよい。ここでいう補強布は、インフレー
ターから噴出する熱ガスを遮蔽するための防炎布を含む
ものとし、補強布に耐熱性を付与するために、シリコー
ン樹脂、フッ素樹脂などの耐熱性樹脂、耐熱性ゴムなど
を塗布してもよいし、アラミド繊維などの耐熱性繊維を
用いた織物を使用してもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1〜図4に基づいて説明する。この実施形態では、
実施例1〜3と、比較例1〜3の試験を行った。
【0033】実施例1 先ず、エアバッグ1の基布として、350dtex/7
2f(原糸強度8.6cN/dtex)の糸を用いて、
精練、熱セットし、シリコーン樹脂を30g/m2塗布
し、熱処理して、織密度が経・緯いずれも62本/吋で
あるコート基布を作成した。次いで、図1に示すように
略平行四辺形のパネル(基布2)1枚、基布2の一部を
切除したような略台形のパネル(基布3)1枚をコーテ
ィング基布から裁断した。この時、基布2の各辺の長さ
は、上辺155cm、下辺180cm、斜辺がそれぞれ
80cm、65cm、高さが55cmであり、基布3の
各辺の長さは上辺120cm、下辺180cm、斜辺8
0cm、高さ55cmであった。そして、基布2、3の
外周と、内部の内部3ヶ所(図1の4a、4b、4d)
の“まゆ型”部(縦が約30cm、横が約15cm)お
よび4cの変形矩形部(縦が約30cm、横が約30c
m)を、ナイロン66の縫い糸により縫製した。縫い糸
は上下共5番手糸で、縫い仕様は外周が二重環縫い二
列、内部は本縫い二列で、運針数はいずれも3.5針/
cmとし、外周の縫い代は20mmとした。次いで、こ
のエアバッグ1を折り幅約25mmで蛇腹折りにした。
【0034】この蛇腹状に折畳まれたエアバッグ1を収
納体5中に挿入した。収納体5用の布帛として、ナイロ
ン66繊維235dtex/72f(原糸強度8.0c
N/dtex)の糸を用い、織密度が経・緯いずれも7
3本/吋での平織物を作成した。この織物を精練、熱セ
ットし、織密度が経・緯いずれも75本/吋のノンコー
ト基布を得た。基布の目付は155g/m2、引裂強力
は91Nであった。
【0035】次いで、図2に示すように幅の中心線上
に、エアバッグ1の上端部を車体に固定する係止部6を
挿通する挿通部7を5ヶ所設けた、長さが180cm、
幅が14cmの長方形に裁断し、図3に示すように二つ
折りして重ね合わせ、縫い代を1cmとしてナイロン6
6の60番手(150d相当)糸により本縫い、運針数
2.0針/cm、一列、の仕様にて縫合し、脆弱部8を
形成した。脆弱部8を形成することにより、収納体5は
筒形状になり、前後方向に沿った状態となる上端部5a
と下端部5bに、それぞれ挿通部7と脆弱部8とが形成
された状態になる。そして、このような収納体5内に、
図4に示すように、蛇腹状の折り畳んだエアバッグ1を
挿入して、展開試験を行った。
【0036】尚、実施例の中でエアバッグ1の性能評価
は以下の方法によった。
【0037】(1) 引裂強力 JIS L-1096 8.15.2(A−2法)によ
り収納体用の布帛の引裂強力(タング法)を測定した。
【0038】(2) 収納性 エアバッグ1を収納する際に、エアバッグ1の納まり状
態、全体としての扱い易さ、硬さ、などから総合的に判
断した。
【0039】(3)展開試験 エアバッグ1のインフレーター挿入部(エアバッグ1の
前端部)に、固定金具と共にインフレーター(タンク圧
150kpa、アトランティックリサーチ社製ハイブリ
ッドインフレーター)を固定し、エアバッグ1を室温に
て展開し、展開後の収納体5の状態を観察した。
【0040】結果は、後述した表1に示すように、エア
バッグ1の収納性は良好で、展開時も収納体5は脆弱部
8から開裂し、所望の適切なエアバッグ1の展開が行え
た。
【0041】実施例2 収納体5用の布帛として175dtex/68f(原糸
強度8.6cN/dtex)の糸を用いた織密度が経・
緯いずれも84本/吋の平織物に、シリコーン樹脂を1
5g/m2コーティングしたコート基布を用い、脆弱部
8を100番手糸(90d相当)で、運針数2.5針/
cmで縫合した以外は、実施例1に準じて収納体5とエ
アバッグ1を作成し、展開試験を行った。尚、基布のコ
ーティング後の目付は140g/m2、引裂強力は12
2Nであった。
【0042】表1に示すように、得られた収納体5への
エアバッグ1の収納性は極めて良好で、エアバッグ1の
展開時も脆弱部8から開裂し、エアバッグ1の展開は好
ましいものであった。
【0043】実施例3 収納体5用の布帛として2種類のPET長繊維不織布
(旭化成社製「ポシブルAK−65N」と「アイエルE
01040」)を積層して用いた以外は、実施例1に準
じて収納体5を作成し、展開試験を行った。積層した不
織布の目付は105g/m2、引裂強力は75Nであっ
た。
【0044】表1に示すように、得られた収納体5への
エアバッグ1の収納性は極めて良好で、エアバッグ1の
展開時も収納体5は脆弱部8から開裂し、エアバッグ1
の展開も問題がなかった。
【0045】比較例1 収納体5用の布帛として、470デシテックス/73f
の糸を用いた織密度が経・緯いずれも54本/吋のノン
コート平織物を用いた以外は、実施例1に準じて収納体
5を試作し、展開試験を行った。基布の目付は215g
/m2、引裂強力は226Nであった。
【0046】表1に示すように、得られた収納体5はエ
アバッグ1の展開には問題がないが、布帛が極めて粗硬
で、重く、収納性が劣っていた。
【0047】比較例2 脆弱部8の縫合に縫い糸30番手(420d相当)糸を
用い、運針数4.0針/cmとした以外は、実施例1に
準じて収納体5を作成し、展開試験を行った。
【0048】表1に示すように、得られた収納体5への
収納性は良好であるが、脆弱部8に未開裂部分が残り、
収納体5の上端に設けた挿通部7が破断し、エアバッグ
1の展開は円滑に行えなかった。
【0049】比較例3 収納体5用の布帛としてナイロン6長繊維不織布(旭化
成社製「エルタス」N01100)を使用した以外は実
施例1に準じて収納体を作成し、展開試験をおこなっ
た。不織布の目付は100g/m2、引裂強力は34N
であった。
【0050】表1に示すように、脆弱部8より上端に設
けた挿通部7から先に破断し、所望のエアバッグ1の展
開挙動が得られなかった。収納体5に使用した布帛の引
裂強力は本比較例のものでは足りないことが判明した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、軽量化且つコンパク
ト化と、エアバッグの確実な展開性と、エアバッグの挿
入作業性の面で好適な特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るエアバッグを示す
側面図。
【図2】収納体の裁断後の形状を示す平面図。
【図3】収納体の縫製後の形状を示す斜視図。
【図4】収納体内にエアバッグを挿入した状態を示す斜
視図。
【符号の説明】
1 エアバッグ 5 収納体 5a 上端部 5b 下端部 6 係止部 7 挿通部 8 脆弱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D054 AA02 AA03 AA04 AA07 AA18 BB21 CC20 CC26 CC27 CC34 CC36 CC42 CC45 EE20 FF01 FF18 4L048 AB07 AB11 CA15 DA25 EB00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の窓部周辺に折り畳まれて収納され
    且つ車両側部を覆うように展開するエアバッグと、この
    エアバッグを挿入する筒状の収納体とよりなり、 前記収納体は、車両の前後方向にそれぞれ沿って延びる
    上端部と下端部とを有し、下端部には車両の前後方向に
    沿う脆弱部が少なくとも一部に形成され、上端部にはエ
    アバッグを車体へ固定する係止部を挿通する挿通部が形
    成されたサイドエアバッグであって、 前記収納体は、目付けが170g/m2以下の布帛から
    成り、収納体の長さ方向での引裂強力が50N以上であ
    り、 前記脆弱部は、40番手以下の細い縫い糸により運針数
    1〜3針/cmで縫合されていることを特徴とするサイ
    ドエアバッグ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のサイドエアバッグであ
    って、 布帛が235デシテックス以下の太さの糸を用いた織物
    であることを特徴とするサイドエアバッグ。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のサイドエアバッグであ
    って、 布帛が不織布であることを特徴とするサイドエアバッ
    グ。
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