JP2003200625A - サーマルプリンタ - Google Patents

サーマルプリンタ

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JP2003200625A
JP2003200625A JP2002060686A JP2002060686A JP2003200625A JP 2003200625 A JP2003200625 A JP 2003200625A JP 2002060686 A JP2002060686 A JP 2002060686A JP 2002060686 A JP2002060686 A JP 2002060686A JP 2003200625 A JP2003200625 A JP 2003200625A
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platen
thermal head
frame body
thermal
thermal printer
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JP2002060686A
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Yukihiro Mori
幸博 森
Hidenari Takahata
秀斎 高畠
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Fujitsu Component Ltd
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Fujitsu Component Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/315Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material
    • B41J2/32Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by selective application of heat to a heat sensitive printing or impression-transfer material using thermal heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J11/00Devices or arrangements  of selective printing mechanisms, e.g. ink-jet printers or thermal printers, for supporting or handling copy material in sheet or web form
    • B41J11/20Platen adjustments for varying the strength of impression, for a varying number of papers, for wear or for alignment, or for print gap adjustment

Landscapes

  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動プラテンを有するサーマルプリンタにお
いて、所要の印字機能を確保しつつ、携帯型情報機器で
の使用に適する水準まで外形寸法を削減する。 【解決手段】 サーマルヘッド12は、フレーム体18
に固定的に取り付けられる。プラテンは、サーマルヘッ
ド12に対して移動可能にフレーム体18に支持され
る。駆動機構16は、回転駆動源44の出力トルクをプ
ラテンに伝達する歯車装置46と、プラテンに回転自在
に連結されるとともに、原動歯車64の回転軸線を中心
に、中間歯車68、69並びに従動歯車66及びプラテ
ンを伴って揺動できる揺動部材70とを備える。プラテ
ンが円弧軌道に沿って移動する間、プラテン軸部42に
固定した従動歯車66と揺動部材70上の一対の中間歯
車68、69とは、いずれも原動歯車64の回転軸線を
中心に同期して同一中心角度だけ変位する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーマルプリンタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】サーマルヘッドとプラテンとを有する感
熱式印字部を備えたサーマルプリンタは、部品点数が比
較的少なく小形化が容易であるため、キャッシュレジス
ター、携帯型端末装置、ATM等の併設プリンタとして
広く採用されている。この種のサーマルプリンタにおい
て、プラテンが、印刷用紙(感熱紙)への安定的な印字
を実現するための背面支持ローラとして機能すると同時
に、印刷用紙を摩擦力により連続的に送り出すための駆
動ローラとして機能する構成を有するものは、用紙送り
専用の機構を省略した小型プリンタとして知られてい
る。
【0003】図22は、このような駆動式プラテンを有
する従来のサーマルプリンタの構成要素群を例示する。
このサーマルプリンタ200は、サーマルヘッド202
と、サーマルヘッド202と協働して印刷用紙Pを挟持
するプラテン204と、サーマルヘッド202をプラテ
ン204に弾性的に押し付ける板ばね206と、プラテ
ン204を回転駆動する駆動機構208と、サーマルヘ
ッド202及びプラテン204を支持するフレーム体2
10と、サーマルヘッド202及び駆動機構208に電
気的に接続される制御回路板212と、これら構成要素
群及びバッテリー214を適当な相対配置で収容する図
示しないケーシングとを備える。さらに、サーマルヘッ
ド202とプラテン204との間に印刷用紙Pを容易に
挿入できるようにするために、板ばね206の付勢力に
抗してサーマルヘッド202を移動させるヘッド解放レ
バー(図示せず)を備える場合もある。
【0004】サーマルヘッド202は、セラミック等の
硬質材料からなる基体の表面に発熱体を設置するととも
に、補強及び放熱機能を有する金属製の支持板に基体を
固定して構成され、支持板に設けた軸を介してフレーム
体210に揺動可能に支持される。プラテン204は、
軸を介してフレーム体210に回動自在に支持され、駆
動機構208により回転駆動されて、ロール紙Rから繰
り出された印刷用紙Pを、サーマルヘッド202とプラ
テン204との間に圧力下で挟持しつつ連続的に送り出
す。その間、サーマルヘッド202は、基体表面に設け
た発熱体が電気的に動作して、印刷用紙Pへ所望の印字
を実行する。板ばね206は、サーマルヘッド202と
プラテン204との間に、両者の寸法誤差や位置誤差を
吸収するとともに印刷用紙Pの厚みの変化に対応して安
定的な印字を実現するための、所要の接触圧力を生成す
る。駆動機構208は、回転駆動源216と、回転駆動
源216の出力トルクをプラテン204に伝達する図示
しない動力伝達機構とを備える。また、制御回路板21
2は一般に、フレキシブル配線板218を介して、サー
マルヘッド202及び回転駆動源216に接続される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した駆動プラテン
を有するサーマルプリンタは、用紙送り専用機構の省略
により小型化を促進できるので、電子手帳、携帯情報端
末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の携
帯型情報機器に接続して使用することが期待される。し
かしながら、従来の駆動プラテン式のサーマルプリンタ
では、内蔵する構成要素群の相対配置に起因して、携帯
型情報機器での使用に適する水準までの外形寸法削減が
困難になっていた。
【0006】具体的には、図22に示す従来一般的な構
造を有するサーマルプリンタ200において、サーマル
ヘッド202は、フレーム体210の内側に板ばね20
6を介して配置されるとともに、フレーム体210に支
持されたプラテン204に側方から立て掛けるように置
かれている。さらに、フレーム体210の背後に回転駆
動源216を配置するとともに、その後方に、フレキシ
ブル配線板218を接続した制御回路板212を配置し
ている。構成要素群をこのような相対配置で内蔵した従
来のサーマルプリンタは、ケーシングの特に高さ方向及
び長さ(奥行き)方向の寸法を、上記したような種々の
携帯型情報機器と同時に携帯できる水準まで削減するこ
とが困難であった。
【0007】なお、上記したサーマルプリンタの各種構
成要素は、それぞれが所要の機能を発揮するために必要
十分な寸法を有していると解されるので、プリンタの小
型化を促進する目的で構成要素自体の寸法を無闇に削減
すると、機能低下等の他の不都合を生じることが危惧さ
れる。さらに、サーマルプリンタの小型化が促進される
と、印刷用紙を印字可能状態に迅速に準備することが困
難になる課題も生じ得る。
【0008】したがって本発明の目的は、駆動プラテン
を有するサーマルプリンタにおいて、所要の印字機能を
確保しつつ、携帯型情報機器に接続して使用するのに適
する水準まで外形寸法を削減できるサーマルプリンタを
提供することにある。本発明の他の目的は、駆動プラテ
ンを有するサーマルプリンタにおいて、外形寸法を削減
しつつ、印刷用紙を印字可能状態に容易かつ迅速に準備
できるサーマルプリンタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、サーマルヘッドと、サー
マルヘッドと協働して印刷用紙を挟持するプラテンと、
サーマルヘッドとプラテンとを相互に弾性的に押し付け
る弾性部材と、プラテンを駆動する駆動機構と、サーマ
ルヘッド及びプラテンを支持するフレーム体とを具備す
るサーマルプリンタにおいて、フレーム体は、サーマル
ヘッドを固定的に支持するとともに、プラテンをサーマ
ルヘッドに対して移動可能に支持し、駆動機構は、回転
駆動源と、回転駆動源からプラテンにトルクを伝達する
歯車装置と、プラテンに回転自在に連結されるととも
に、歯車装置のうちでプラテンよりも前段に配置される
いずれか1つの歯車の回転軸線を中心に、この歯車より
も後段の従動側歯車及びプラテンを伴って揺動できる揺
動部材とを具備することを特徴とするサーマルプリンタ
を提供する。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のサーマルプリンタにおいて、弾性部材は、揺動部材
に、上記歯車の回転軸線を中心としてプラテンをサーマ
ルヘッドに接近する方向へ付勢する弾性的付勢力を負荷
するサーマルプリンタを提供する。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載のサーマルプリンタにおいて、サーマルヘッド
は、発熱体を配置する印字面を有し、フレーム体は、プ
ラテンを、上記歯車の回転軸線を中心とする円弧軌道に
沿って、印字面上の発熱体に一様に押し付けられる印字
可能位置に案内する案内構造を有するサーマルプリンタ
を提供する。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の
いずれか1項に記載のサーマルプリンタにおいて、揺動
部材の揺動中心となる回転軸線を有する上記歯車が、回
転駆動源の出力軸に固定される原動歯車であるサーマル
プリンタを提供する。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の
いずれか1項に記載のサーマルプリンタにおいて、プラ
テンの近傍に配置されて用紙通路を画定する用紙ガイド
をさらに具備し、用紙ガイドは、プラテンに接近して印
刷用紙をプラテンの表面に沿わせるガイド位置と、プラ
テンから離れて用紙通路への印刷用紙の導入を容易にす
る開放位置との間で、揺動部材と連動して移動できるサ
ーマルプリンタを提供する。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のサーマルプリンタにおいて、揺動部材と用紙ガイドと
の間に、弾性部材の弾性的付勢力下で用紙ガイドを開放
位置に保持できる連結機構を具備するサーマルプリンタ
を提供する。
【0015】請求項7に記載の発明は、サーマルヘッド
と、サーマルヘッドと協働して印刷用紙を挟持するプラ
テンと、サーマルヘッドとプラテンとを相互に弾性的に
押し付ける弾性部材と、プラテンを回転駆動する回転駆
動機構と、サーマルヘッド及びプラテンを支持するフレ
ーム体とを具備するサーマルプリンタにおいて、フレー
ム体は、サーマルヘッドを固定的に支持するとともに、
プラテンをサーマルヘッドに対して移動可能に支持し、
弾性部材は、フレーム体とプラテンとの間に配置され、
プラテンの回転軸線方向へ平衡した弾性的付勢力によ
り、プラテンをサーマルヘッドに接近する方向へ付勢す
ることを特徴とするサーマルプリンタを提供する。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
のサーマルプリンタにおいて、弾性部材が、プラテンに
連結される一対の弾性腕部分と、それら弾性腕部分の間
に位置してフレーム体に支持される支持部分とを有する
棒状ばねからなるサーマルプリンタを提供する。
【0017】請求項9に記載の発明は、請求項7又は8
に記載のサーマルプリンタにおいて、弾性部材は、プラ
テンに対し、弾性的付勢力を負荷する作用位置と弾性的
付勢力を解除する解放位置との間で移動できるサーマル
プリンタを提供する。
【0018】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載のサーマルプリンタにおいて、弾性部材とプラテンと
の間に配置され、弾性部材の作用位置と解放位置との間
の移動動作をプラテンに伝達してプラテンを移動させる
連結部材をさらに具備するサーマルプリンタを提供す
る。
【0019】請求項11に記載の発明は、請求項7〜1
0のいずれか1項に記載のサーマルプリンタにおいて、
サーマルヘッドは、発熱体を配置する印字面を有し、フ
レーム体は、プラテンを印字面上の発熱体に一様に押し
付けられる印字可能位置に案内する案内構造を有するサ
ーマルプリンタを提供する。
【0020】請求項12に記載の発明は、請求項1〜1
1のいずれか1項に記載のサーマルプリンタにおいて、
サーマルヘッドはフレーム体に直接に固定され、フレー
ム体がサーマルヘッドに生じる熱を伝達して放熱するサ
ーマルプリンタを提供する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態を詳細に説明する。全ての図面に渡っ
て、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。図1
は、本発明の第1の実施形態によるサーマルプリンタ1
0の外観を示す斜視図、図2は、サーマルプリンタ10
の内部構造を概略で示す斜視図、図3は、サーマルプリ
ンタ10の断面図である。図示実施形態によるサーマル
プリンタ10は、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、
携帯電話等の、手持操作可能な種々の携帯型情報機器に
特に有利に接続可能な、それ自体単独で、かつ携帯型情
報機器と同時に携帯できる構造を有するものであるが、
本発明に係るサーマルプリンタの用途はこれに限定され
ない。
【0022】サーマルプリンタ10は、サーマルヘッド
12と、サーマルヘッド12と協働して印刷用紙Pを弾
性的付勢力下で挟持するプラテン14と、プラテン14
を回転駆動する駆動機構16と、サーマルヘッド12及
びプラテン14を支持するフレーム体18とを具備して
構成される。さらにサーマルプリンタ10は、サーマル
ヘッド12及び駆動機構16に電気的に接続される制御
回路板20と、プラテン14の近傍に配置される用紙ガ
イド22と、サーマルヘッド12、プラテン14、駆動
機構16、フレーム体18、制御回路板20及び用紙ガ
イド22を適当な相対配置で収容するケーシング24と
を備える。ケーシング24にはさらに、バッテリー26
が収容されるとともに、ロール形態に巻かれたウエブ状
に連続する印刷用紙P(すなわちロール紙R)を収納す
る収納カバー28が連結される。
【0023】図4に示すように、サーマルヘッド12
は、好ましくはセラミックス等の硬質材料からなる平板
状の基体30と、基体30の略平坦な印字面32の所望
位置に配置される発熱体34とを備える。サーマルヘッ
ド12は、基体30の印字面32に多数のドット状の発
熱素子を直線状に整列配置して発熱体34とし、それら
発熱素子を電気的に走査しながら印字を行うラインドッ
ト構造を有することができる。この場合、印字面32に
は、発熱体34の電気的走査を実行するためのヘッド駆
動IC36が設置される。また、印字面32の外縁領域
には、制御回路板20を接続するための複数の電極38
が形成される。後述するようにサーマルヘッド12は、
印字面32を露出させた状態で、基体30がフレーム体
18の所定位置に固定される。
【0024】プラテン14は、好ましくはゴム等の弾性
体からなる円筒状の本体40と、本体40にその中心軸
線に沿って固定され、本体40の軸線方向両端面から軸
線方向へ突出する軸部42とを備える。プラテン14
は、サーマルヘッド12の印字面32に本体40の外周
面を実質的平行に対向させて、軸部42を介してフレー
ム体18に回転自在に架設される。また、プラテン14
は、後述する弾性部材の弾性的付勢力により、本体40
がサーマルヘッド12の印字面32に押し付けられる方
向へ付勢される。
【0025】プラテン14は、駆動機構16により回転
駆動されて、ロール紙Rから繰り出された印刷用紙P
を、サーマルヘッド12とプラテン14との間に圧力下
で挟持しつつ連続的に送り出す。その間、サーマルヘッ
ド12は、その印字面32に設けた発熱体34が電気的
に動作して、印刷用紙Pへ所望の印字を実行する。この
ようにプラテン14は、サーマルヘッド12による印刷
用紙Pへの安定的な印字を実現するための背面支持ロー
ラとして機能すると同時に、印刷用紙Pを摩擦力により
連続的に送り出すための駆動ローラとして機能する。
【0026】駆動機構16は、例えばパルスモータから
なる回転駆動源44と、回転駆動源44の出力トルクを
プラテン14に伝達する動力伝達機構としての歯車装置
46とを備える。駆動機構16については、後でさらに
詳述する。
【0027】フレーム体18は、金属等の剛性材料から
作製され、平面視で略矩形の天板部分18aと、天板部
分18aの両側縁に沿って天板部分18aに略直交する
方向へ一体的に延設される一対の対向する側板部分18
bとを有する。フレーム体18の天板部分18aには、
両側板部分18bに近い方の表面に、サーマルヘッド1
2の基体30が、印字面32の反対側の裏面を好ましく
は密接させて固定的に取り付けられる。また、フレーム
体18の一対の側板部分18bには、互いに対向する位
置に長孔状の支承穴48がそれぞれ形成されるととも
に、それら支承穴48に、プラテン14の軸部42が、
その軸線方向両端部分で実質的にがたつき無く回転自在
かつ摺動自在に挿通される。
【0028】したがってフレーム体18は、サーマルヘ
ッド12を固定的に支持する一方で、プラテン14をサ
ーマルヘッド12に対して所定方向へ移動可能に支持す
ることになる。このような構成により、例えば厚みの異
なる複数種類の印刷用紙Pに連続的に印字しようとする
場合に、プラテン14は、後述する弾性部材の弾性的付
勢力を受けつつ、サーマルヘッド12に接近又は離反す
る方向へ受動的に移動して、それら印刷用紙Pをサーマ
ルヘッド12とプラテン14との間に適正な圧力下で正
確に挟持することができる。また、新たな印刷用紙Pを
印刷可能状態に準備(すなわちセット)する際に、サー
マルヘッド12とプラテン14との間隔を適宜拡大する
ことにより、両者間に印刷用紙Pの初端を容易に挿入す
ることができる。
【0029】フレーム体18に支持されるプラテン14
は、軸部42と一対の支承穴48との係合により、本体
40の外周面がサーマルヘッド12の線状の発熱体34
に一様に押し付けられる印字可能位置と、本体40が発
熱体34から離脱する非作用位置との間で移動できる。
また、プラテン14がサーマルヘッド12に対して移動
する間、フレーム体18は、一対の支承穴48とプラテ
ン軸部42との係合により、プラテン14の回転軸線1
4a(図4)をサーマルヘッド12の線状の発熱体34
に対し実質的平行な状態に維持する。
【0030】さらに、フレーム体18は、サーマルヘッ
ド12で発生する熱を、天板部分18aから両側板部分
18bに至る全体に伝達して、速やかに放熱するように
作用する。この観点でフレーム体18は、銅、鉄、アル
ミニウム等の熱伝導性に優れた金属材料から形成される
ことが有利である。したがってサーマルプリンタ10で
は、従来のサーマルプリンタで用いられていた放熱用の
金属製支持板を省略できるので、ケーシング24の寸法
削減が促進される。なお、サーマルヘッド12の基体3
0は、図示しないボルトや熱伝導性に優れた接着剤等を
用いて、フレーム体18の天板18aに固定できる。
【0031】制御回路板20は、CPU等の電子部品を
搭載する例えばプリント配線板であり、少なくとも自重
により容易には変形しない剛性を有して、フレーム体1
8に固定的に支持される。制御回路板20にはさらに、
サーマルプリンタ10の接続対象機器(図示せず)の制
御回路に接続されるコネクタ部50が設置される。制御
回路板20は、サーマルヘッド12に隣り合わせて、フ
レーム体18の天板部分18aに固定的に取り付けられ
ることが有利である。このような構成によれば、サーマ
ルヘッド12と制御回路板20とを、従来一般的なフレ
キシブル配線板218(図22)を用いずに、例えばワ
イヤ52(すなわちワイヤボンディング技術)によって
電気的に相互接続できるので、ケーシング24の寸法削
減が促進される。
【0032】用紙ガイド22は、例えば樹脂成形品から
なり、プラテン14の本体40の円筒状外周面に対応す
る凹曲面形状のガイド面54を有するとともに、ガイド
面54をプラテン本体40に対向させて、フレーム体1
8の両側板部分18bの間に配置される。用紙ガイド2
2のガイド面54は、好ましくはプラテン本体40の軸
線方向略全長に渡って延長され、それにより、ガイド面
54とプラテン本体40の外周面とフレーム体18の両
側板部分18bとの間に、略一定の空隙からなる用紙通
路56が画定される。用紙通路56は、その一端の導入
端56aで、プラテン14を中心としたサーマルヘッド
12の反対側に開口し、他端の導出端56bで、サーマ
ルヘッド12の近傍に開口する。
【0033】ケーシング24は、好ましくは樹脂成形品
からなる略直方体形状の箱体であり、最大表面積を有す
る1つの壁板24aを、サーマルプリンタ10の通常使
用時にオペレータが対面する天板すなわち操作盤とし
て、上述した種々の構成要素を収容する。詳述すれば、
フレーム体18は、その天板部分18aを壁板24aに
隣接させて、ケーシング24に収容される。したがって
制御回路板20は、フレーム体18の天板部分18aに
固定されることにより、同様に壁板24aに隣接してケ
ーシング24に収容される。この構成によれば、操作盤
として機能する壁板24aに一般的に設置される電源ス
イッチ58やLEDランプ60等を、補助的配線板等を
用いることなく直接に制御回路板20に実装できるの
で、ケーシング24の寸法削減が促進される。
【0034】また、フレーム体18に支持されたサーマ
ルヘッド12及びプラテン14は、ケーシング24の直
方体形状の一側面に設けられた開口部24bの近傍に配
置される。このとき、用紙ガイド22は、開口部24b
から見てプラテン14の背後に配置される。そして、ロ
ール紙Rを収納する収納カバー28は、開口部24bに
隣接してケーシング24に取り付けられる。したがっ
て、ロール紙Rから繰り出された印刷用紙Pは、開口部
24bを通して、プラテン14と用紙ガイド22との間
の用紙通路56に導入端56aから導入され、用紙通路
56の導出端56bから導出されてサーマルヘッド12
とプラテン14との圧接領域に通され、印字後、再び開
口部24bを通してサーマルプリンタ10の外部に送出
される。
【0035】また、駆動機構16の回転駆動源44は、
用紙ガイド22のさらに背後で、フレーム体18の天板
部分18aに固定された制御回路板20の下方に配置さ
れる。回転駆動源44の出力軸44aは、フレーム体1
8の一方の側板部分18bに貫通形成された軸穴62
(図4)に通されて、その先端部分に、歯車装置46の
原動歯車64が固定される。同様に、プラテン14の軸
部42は、フレーム体18の両側板部分18bに設けた
支承穴48に通されて、その一方の先端部分に、歯車装
置46の従動歯車66が固定される。歯車装置46は、
他の中間歯車68、69も含めて、フレーム体18の一
方の側板部分18bとケーシング24の一側壁との間の
空間に収容される。さらに、制御回路板20に設置され
たコネクタ部50は、開口部24bの反対側のケーシン
グ24の一側壁24cに露出して配置される。コネクタ
部50は、図示しない電気ケーブルや赤外線ケーブルを
介して、接続対象機器に接続される。
【0036】種々の構成要素群を上記した相対配置で内
蔵したサーマルプリンタ10は、特に、平板状のサーマ
ルヘッド12をケーシング24の天板側に沿わせて配置
したので、ケーシング24の高さ方向の寸法を効果的に
削減できるとともに、制御回路板20もケーシング24
の天板側に沿わせて配置することにより、ケーシング2
4の縦(奥行き)方向の寸法を効果的に削減できる。具
体的には、図22に示す従来構造を有するサーマルプリ
ンタの外形寸法(横×縦×高さ)が例えば80×100
×25(mm)であるときに、略同一装備のサーマルプ
リンタ10の外形寸法は例えば80×60×15(m
m)に縮小できる。なお、サーマルプリンタ10の横方
向寸法は、接続対象機器に適する印刷用紙Pの幅寸法に
対応して設定できる。
【0037】ところで、サーマルプリンタ10は、前述
したように、歯車装置46を介して回転駆動源44に連
結されるプラテン14が、サーマルヘッド12に対して
移動可能な構造を有する。したがって特に、プラテン1
4が回転駆動されて印刷用紙Pを送り出している最中
(例えば印字作業中)に、用紙厚みの変動等に起因して
プラテン14がサーマルヘッド12に対し移動すると、
歯車装置46における従動歯車66とその前段の歯車6
8との噛合条件(例えばバックラッシ)が変化して、ト
ルク伝達損失や騒音を生じることが懸念される。
【0038】このような懸念を排除するために、サーマ
ルプリンタ10では、以下の特徴的構成を有する駆動機
構16を採用している。すなわち、駆動機構16は、動
力伝達機構の補助的要素として、プラテン14に回転自
在に連結されるとともに、原動歯車64の回転軸線を中
心に、中間歯車68、69並びに従動歯車66及びプラ
テン14を伴って揺動できる揺動部材70を備えて構成
される。
【0039】図5及び図6を参照して詳述すると、揺動
部材70は、例えば樹脂成形品からなる平面視略長円形
の板状部材であり、その長手方向一端近傍に貫通形成し
た円形の受容穴72に、フレーム体18の側板部分18
bに設けた軸穴62の円筒状に突出する突縁62aを摺
動自在に受容して、フレーム体18に取り付けられる。
ここで、回転駆動源44をフレーム体18に対し適正位
置に配置すると、回転駆動源44の出力軸44aは、軸
穴62及び受容穴72に同心に位置決めされるようにな
っている。したがって、揺動部材70は、軸穴62の突
縁62aと受容穴72との摺動係合下で、出力軸44a
に固定した原動歯車64の回転軸線64aを中心に揺動
できる。また、揺動部材70の長手方向他端近傍には、
円形の軸受穴74が貫通形成され、この軸受穴74に、
従動歯車66を取り付けるプラテン軸部42の軸線方向
一端部分が、回転自在に挿通される。
【0040】揺動部材70はさらに、受容穴72と軸受
穴74との間の所定位置に、一対の支軸76を立設して
備え、それら支軸76のそれぞれに、中間歯車68、6
9が回転自在に取り付けられる。したがって、一対の中
間歯車68、69は、揺動部材70の揺動動作に一体的
に追従して、原動歯車64の回転軸線64aを中心に揺
動する。これら原動歯車64、中間歯車68、69及び
従動歯車66は、所定の噛合条件で互いに噛み合って、
回転駆動源44の出力トルクを予め定めた回転数比でプ
ラテン14に伝達する。
【0041】フレーム体18と揺動部材70との間に
は、サーマルヘッド12とプラテン14とを相互に弾性
的に押し付けるための弾性部材78が設置される。弾性
部材78は、例えば図示のねじりコイルばねから構成さ
れるが、引張りコイルばね等の他の周知の弾性体も採用
できる。ねじりコイルばねからなる弾性部材78は、一
端78aで、フレーム体18の側板部分18bに設けた
係止孔80に嵌入され、コイル部分で軸穴62の突縁6
2aを取り巻いて、他端78bで、揺動部材70の下縁
に形成した切欠き82に掛着される。弾性部材78は、
揺動部材70に、原動歯車64の回転軸線64aを中心
として、軸受穴74とプラテン軸部42との係合下で、
プラテン14をサーマルヘッド12に接近する方向(図
で時計方向)へ付勢する弾性的付勢力を負荷する。それ
により弾性部材78は、プラテン14がサーマルヘッド
12の発熱体34に当接された印字可能位置にあるとき
に、サーマルヘッド12とプラテン14との間に、両者
の寸法誤差や位置誤差を吸収するとともに印刷用紙Pの
厚みの変化に対応して安定的な印字を実現するための、
所要の接触圧力を生成する。
【0042】上記構成を有する駆動機構16によれば、
プラテン14が回転駆動されて印刷用紙Pを送り出して
いる最中(例えば印字作業中)に、用紙厚みの変動等に
起因してプラテン14がサーマルヘッド12に対し移動
すると、それに伴い(すなわちプラテン軸部42と軸受
穴74との係合下で)、揺動部材70が原動歯車64の
回転軸線64aを中心に揺動する。ここで、図7に示す
ように、フレーム体18の両側板部分18bに設けた支
承穴48には、原動歯車64の回転軸線64aを中心と
する円弧αに沿った湾曲形状がそれぞれ付与されてい
る。したがって、プラテン14がサーマルヘッド12に
対し移動する際に、両支承穴48に摺動自在に支承され
るプラテン軸部42は、原動歯車64の回転軸線64a
を中心とする円弧軌道に沿って案内されることになる。
【0043】プラテン14がこのような円弧軌道に沿っ
て移動する間、プラテン軸部42に固定した従動歯車6
6と揺動部材70上の一対の中間歯車68、69とは、
いずれも原動歯車64の回転軸線64aを中心に同期し
て同一中心角度だけ変位する。その結果、歯車装置46
の全ての隣接歯車間の噛合条件(例えばバックラッシ)
は一定に維持されるので、従動歯車66が原動歯車64
に対して変位するにも関わらず、歯車装置46における
トルク伝達損失や騒音を可及的に低減することができ
る。
【0044】上記した駆動機構16の構成は、揺動部材
が、歯車装置46におけるいずれか一方の中間歯車6
8、69の回転軸線を中心として揺動できる構成とする
ことによっても、同様の作用効果を奏する。図8及び図
9は、そのような構成を有する駆動機構16の変形例を
示す。
【0045】この変形例による駆動機構16では、歯車
装置46における原動歯車64の後段の中間歯車69
が、フレーム体18の側板部分18bに固定的に立設さ
れた支軸84に、抜け止め86を用いて回転自在に取り
付けられている。そして、動力伝達機構の補助的要素と
して、プラテン14に回転自在に連結されるとともに、
中間歯車69の回転軸線69aを中心に、もう1つの中
間歯車68並びに従動歯車66及びプラテン14を伴っ
て揺動できる揺動部材88が採用されている。
【0046】揺動部材88は、例えば樹脂成形品からな
る平面視略長円形の板状部材であり、その長手方向一端
近傍に貫通形成した円形の受容穴90に、フレーム体1
8の側板部分18bに突設した支軸84の大径の円筒状
基端部分84aを摺動自在に受容して、フレーム体18
に取り付けられる。したがって、揺動部材88は、支軸
84の基端部分84aと受容穴90との摺動係合下で、
支軸84に取り付けた中間歯車69の回転軸線69aを
中心に揺動できる。また、揺動部材88の長手方向他端
近傍には、円形の軸受穴92が貫通形成され、この軸受
穴92に、従動歯車66を取り付けるプラテン軸部42
の軸線方向一端部分が、回転自在に挿通される。
【0047】揺動部材88はさらに、受容穴90と軸受
穴92との間の所定位置に、一本の支軸94を立設して
備え、支軸94に従動側の中間歯車68が回転自在に取
り付けられる。したがって、中間歯車68は、揺動部材
88の揺動動作に一体的に追従して、その前段の中間歯
車69の回転軸線69aを中心に揺動する。なお、揺動
部材88の揺動中心を構成する中間歯車69は、回転駆
動源44の出力軸44aに固定した原動歯車64に対し
て変位しない。
【0048】フレーム体18と揺動部材88との間に
は、サーマルヘッド12とプラテン14とを相互に弾性
的に押し付けるための弾性部材96が設置される。図示
のねじりコイルばねからなる弾性部材96は、一端96
aで、フレーム体18の側板部分18bに設けた係止孔
80に嵌入され、コイル部分で支軸84の基端部分84
aを取り巻いて、他端96bで、揺動部材88の下縁に
形成した切欠き98に掛着される。弾性部材96は、揺
動部材88に、中間歯車69の回転軸線69aを中心と
して、軸受穴92とプラテン軸部42との係合下で、プ
ラテン14をサーマルヘッド12に接近する方向へ付勢
する弾性的付勢力を負荷する。
【0049】上記構成によれば、プラテン14が回転駆
動されて印刷用紙を送り出している最中(例えば印字作
業中)に、用紙厚みの変動等に起因してプラテン14が
サーマルヘッド12に対し移動すると、それに伴い(す
なわちプラテン軸部42と軸受穴92との係合下で)、
揺動部材88が中間歯車69の回転軸線69aを中心に
揺動する。ここで、フレーム体18の両側板部分18b
に設けた支承穴48には、中間歯車69の回転軸線69
aを中心とする円弧に沿った湾曲形状をそれぞれ付与す
る。それにより、プラテン14がサーマルヘッド12に
対し移動する際に、両支承穴48に摺動自在に支承され
るプラテン軸部42は、中間歯車69の回転軸線69a
を中心とする円弧軌道に沿って案内されることになる。
【0050】プラテン14がこのような円弧軌道に沿っ
て移動する間、プラテン軸部42に固定した従動歯車6
6と揺動部材88上の中間歯車68とは、いずれも原動
側の中間歯車69の回転軸線69aを中心に同期して同
一中心角度だけ変位する。また、原動歯車64とその後
段の中間歯車69との相対位置関係は変化しない。その
結果、歯車装置46の全ての隣接歯車間の噛合条件(例
えばバックラッシ)は一定に維持されるので、従動歯車
66が原動歯車64に対して変位するにも関わらず、歯
車装置46におけるトルク伝達損失や騒音を可及的に低
減することができる。
【0051】このように、本発明に係るサーマルプリン
タの駆動機構は、歯車装置における中間歯車の個数に関
わらず、動力伝達機構の補助的要素として、プラテンに
回転自在に連結されるとともに、歯車装置のうちでプラ
テンよりも前段に配置されるいずれか1つの歯車(原動
歯車又は中間歯車)の回転軸線を中心に、その歯車の後
段の従動側歯車及びプラテンを伴って揺動できる揺動部
材を備えることにより、所期の目的を達成することがで
きる。しかし、揺動部材の揺動動作に追従するプラテン
の移動は、その円弧軌道が、サーマルヘッドの印字面に
対し発熱体を通る法線方向に可及的に近似していること
が、厚みの異なる印刷用紙に対する安定的な印字を確保
する観点で好ましい。
【0052】例えば図7に示す実施形態において、プラ
テン本体40の外周面がサーマルヘッド12の線状の発
熱体34に一様に接触する印字可能位置に対し、印刷用
紙の厚みによりプラテン本体40が発熱体34から離脱
する方向が、印字面に対し発熱体を通る法線方向から大
きくずれる場合には、その印刷用紙をプラテン本体40
と発熱体34との間に最適な圧力下で正確に挟持するこ
とが困難になり、印字品質に影響を及ぼすことが危惧さ
れる。したがって、揺動部材の揺動中心に関するプラテ
ンの揺動(公転)半径を、できるだけ長く取ることが有
利であり、その観点では、図7に示すように原動歯車6
4の回転軸線64aを揺動中心とすることが最も好まし
い。
【0053】前述したサーマルプリンタ10において
は、新たな印刷用紙を印刷可能状態にセットする際に、
プラテン14を、弾性部材78、96の弾性的付勢力に
抗してサーマルヘッド12から離れる方向へ積極的に移
動させることにより、サーマルヘッド12とプラテン1
4との間隔を適当に拡大して、両者間に印刷用紙の初端
を容易に挿入することができる。この場合、オペレータ
は、例えば揺動部材70、88を手動操作することによ
り、プラテン14をサーマルヘッド12から離隔した非
作用位置に移動させることができる。また、前述したよ
うに高さ方向寸法を削減したサーマルプリンタ10で
は、プラテン14と用紙ガイド22との間の用紙通路5
6の導入端56aが狭小になることが予測される。そこ
で、用紙ガイド22をプラテン14に対し移動可能にし
て、必要に応じて導入端56aを拡張できるようにする
ことが、用紙セット作業を簡易にする点で有利である。
【0054】図10〜図12は、そのような可動式の用
紙ガイドを装備した本発明の第2の実施形態によるサー
マルプリンタの主要部を示す。この実施形態は、用紙ガ
イドと駆動機構の揺動部材とを互いに連動して動作可能
な構成としたこと以外は、前述したサーマルプリンタ1
0と実質的に同一の構成を有するものとする。したがっ
て、対応する構成要素には共通の参照符号を付してその
説明を省略する。
【0055】図示実施形態では、用紙ガイド22は、用
紙通路56の導出端56bを確定するガイド面54の一
端縁近傍で、長手方向両端面から共軸状に突出する一対
の枢着軸100(1つの枢着軸100のみ図示)と、用
紙通路56の導入端56aを確定するガイド面54の他
端縁近傍で、長手方向一端面から枢着軸100に略平行
に突出する連結軸102とを備える。用紙ガイド22
は、両枢着軸100の中心軸線100aをプラテン14
の回転軸線14aに平行に配置した状態で、それら枢着
軸100を介して、フレーム体18の両側板部分18b
に回動自在に連結される。
【0056】用紙ガイド22の連結軸102は、揺動部
材70を配置した側のフレーム体18の側板部分18b
を越えて外方へ延長される。他方、揺動部材70には、
プラテン軸部42を受容する軸受穴74の下方位置に、
連結軸102を受容できる長孔状の連結穴104が貫通
形成される。用紙ガイド22は、その連結軸102が揺
動部材70の連結穴104に摺動可能に受容されること
により、揺動部材70の揺動動作に連動して、両枢着軸
100の中心軸線100aを中心に回動する。
【0057】すなわち、弾性部材78の弾性的付勢力下
で、プラテン14がサーマルヘッド12に押し付けられ
る印刷可能位置にあるときは、用紙ガイド22は、プラ
テン14に接近して印刷用紙をプラテン本体40の表面
に沿わせるガイド位置に置かれる。このとき、用紙通路
56の導入端56aの開口寸法は、サーマルプリンタの
外形寸法の制約に適応すべく最小限になっている(図1
2(a))。この状態から、揺動部材70を弾性部材7
8の付勢力に抗して揺動させると、プラテン14がサー
マルヘッド12から離隔する方向へ移動し、それに連動
して、連結軸102と連結穴104との摺動係合下で、
用紙ガイド22が枢着軸100を中心にプラテン14か
ら離れる方向へ回動する。それにより、プラテン14が
非作用位置に配置されるとともに、用紙ガイド22は、
用紙通路56の導入端56aが所望の開口寸法まで拡張
された開放位置に置かれ、用紙通路56への印刷用紙の
導入が容易になる(図12(b))。
【0058】このように、用紙通路56の導入端56a
が拡張された状態では、印刷用紙を用紙通路56に容易
に導入できるだけでなく、用紙通路56に沿って案内さ
れる印刷用紙が、サーマルヘッド12とプラテン14と
の間の開放空間に滞りなく迅速に挿入される。したがっ
て、用紙セット作業性が著しく向上する。なお、この構
成によれば、オペレータは、ケーシング24の開口部2
4b(図3)を介して用紙ガイド22を手動操作するだ
けで、プラテン14も同時に移動させることができる。
【0059】上記構成においては、オペレータが手を離
しても用紙ガイド22が弾性部材78の付勢力に抗して
開放位置に保持されるように構成することが、用紙セッ
ト作業を一層容易にする点で有利である。その目的で、
図13に示すように、揺動部材70に設けた連結穴10
4の輪郭形状を、比較的長い凹曲面からなる安定保持部
分104aと、比較的短い凹曲面からなる一時的保持部
分104bと、両保持部分104a、104bの間を円
滑に接続する局所的凸曲面からなる係留部分104cと
を有した曲面形状とすることができる。
【0060】このような構成によれば、プラテン14が
印刷可能位置にあるときに、用紙ガイド22は、その連
結軸102が連結穴104の安定保持部分104aに受
容されることにより、弾性部材78の付勢力下でガイド
位置に安定的に保持される(図14(a))。この状態
から、用紙ガイド22をプラテン14から離れる方向へ
回動させると、連結軸102は、連結穴104の安定保
持部分104aに沿って摺動し、係留部分104cに接
近する(図14(b))。そして、用紙ガイド22が所
定回動角度を越えた時点で、連結軸102が連結穴10
4の係留部分104cを乗り越えて一時的保持部分10
4bに受容される(図14(c))。このとき用紙ガイ
ド22は、弾性部材78の付勢力下で連結軸102が連
結穴104の係留部分104cに係留されることによ
り、弾性部材78の付勢力に抗して開放位置に一時的に
保持される。
【0061】上記した操作態様において、連結軸102
が連結穴104の係留部分104cを乗り越えて一時的
保持部分104bに受容されるときに、オペレータは用
紙ガイド22からクリック感を触覚認知することができ
る。また、用紙ガイド22を開放位置からガイド位置に
復帰させるときには、オペレータは、弾性部材78の付
勢力を超える押圧力を用紙ガイド22に負荷することに
より、同様にクリック感を認知しつつ操作できる。この
ようにして、用紙セット時の部材操作性が著しく向上す
る。
【0062】なお、上記実施形態では、揺動部材70に
おける揺動中心64a、軸受穴74及び連結穴104を
同様に有する揺動部材70´(図2)を、歯車装置を配
置しない側のフレーム体18の側板部分18bに沿って
配備することもできる。この場合、用紙ガイド22に
は、上記した連結軸102に共軸状に配置される追加の
連結軸を、軸線方向他端面に突設する。そして、プラテ
ン軸部40をその軸線方向両端部分で一対の揺動部材7
0、70´に連結するとともに、用紙ガイド22の両連
結軸102をそれら揺動部材70、70´の連結穴10
4に係合させることにより、プラテン14と用紙ガイド
22との連動動作の確実性を向上させるとともに、プラ
テン14をその回転軸線14aとサーマルヘッド12の
発熱体34との平行性を正確に維持しつつ移動させるこ
とができる。その結果、用紙セット時の部材操作性が著
しく向上する。
【0063】本発明に係るサーマルプリンタは、内蔵す
る構成要素の個数を減らすことによって、構成要素群を
図22に示す従来のサーマルプリンタと同様の相対配置
に設置した場合にも、外形寸法の所要の削減を達成する
ことができる。図15〜図17は、構成要素群をそのよ
うな相対配置で内蔵した本発明の第3の実施形態による
サーマルプリンタの主要部を示す。この実施形態による
サーマルプリンタは、前述した第1及び第2の実施形態
によるサーマルプリンタと同様に、電子手帳、携帯情報
端末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の
携帯型情報機器に特に有利に接続可能な、それ自体単独
で、かつ携帯型情報機器と同時に携帯できる構造を有す
る。
【0064】第3実施形態によるサーマルプリンタは、
サーマルヘッド110と、サーマルヘッド110と協働
して印刷用紙Pを弾性的付勢力下で挟持するプラテン1
12と、サーマルヘッド110とプラテン112とを相
互に弾性的に押し付ける弾性部材114と、プラテン1
12を回転駆動する回転駆動機構116と、サーマルヘ
ッド110及びプラテン112を相対移動可能に支持す
るフレーム体118とを具備して構成される。さらにサ
ーマルプリンタは、サーマルヘッド110及び回転駆動
機構116に電気的に接続される図示しない制御回路板
と、プラテン112の近傍に配置される用紙ガイド12
0と、サーマルヘッド110、プラテン112、弾性部
材114、回転駆動機構116、フレーム体118、制
御回路板及び用紙ガイド120を適当な相対配置で収容
する図示しないケーシングとを備える。なおこの実施形
態では、サーマルヘッド110はフレキシブル配線板1
22を介して制御回路板(図示せず)に接続される。
【0065】サーマルヘッド110及びプラテン112
は、前述したサーマルプリンタ10におけるサーマルヘ
ッド12及びプラテン14とそれぞれ実質的同一の構成
を有するものであり、それらの説明を省略する。回転駆
動機構116は、例えばパルスモータからなる回転駆動
源124と、回転駆動源124の出力トルクをプラテン
112に伝達する動力伝達機構としての歯車装置126
とを備える。歯車装置126については、後でさらに詳
述する。
【0066】フレーム体118は、金属等の剛性材料か
ら作製され、平面視で略矩形の天板部分118aと、天
板部分118aの両側縁に沿って天板部分118aに略
直交する方向へ一体的に延設される一対の対向する側板
部分118bとを有する。フレーム体118の天板部分
118aには、両側板部分118bの間に延びる内面
に、サーマルヘッド110の基体128が、その印字面
130の反対側の裏面を好ましくは密接させて固定的に
取り付けられる。また、フレーム体118の一対の側板
部分118bには、互いに対向する位置に長孔状の支承
穴132がそれぞれ形成され、それら支承穴132に、
プラテン112の軸部134が、その軸線方向両端部分
で回転自在に挿通される。各支承穴132は、その長軸
をフレーム体118の天板部分118aに略直交する方
向へ向けて、真直ぐに延設される。
【0067】プラテン112の軸部134には、その軸
線方向両端部分に、軸受孔136aを有する軸受部材1
36がそれぞれ回動自在に装着される。各軸受部材13
6は、略長円形輪郭を有する剛性板からなり、その長軸
方向一端領域に、軸受孔136aを画定する略円筒状の
スリーブ部分136bが、一方の面から直立状に突設さ
れる。軸受部材136のスリーブ部分136bは、フレ
ーム体118の側板部分118bに設けた支承穴132
に実質的にがたつき無く回動自在かつ摺動自在に挿入可
能な形状及び寸法を有する。各軸受部材136は、スリ
ーブ部分136bを対応の支承穴132に挿入すること
により、フレーム体118に装着される。
【0068】したがってプラテン112の軸部134
は、その軸線方向両端部分で、フレーム体118の支承
穴132内に位置する両軸受部材136の軸受孔136
aにそれぞれ回動自在に支承されるとともに、両軸受部
材136のスリーブ部分136bを介して、支承穴13
2に沿って摺動自在にフレーム体118に支持される。
なお図示実施形態では、組立作業を容易にするために、
フレーム体118の一方の側板部分118bに設けた支
承穴132は、プラテン軸部134を挿通可能なスリッ
ト132aを介して側板部分118bの外縁に開口する
ように形成される。また、後述するように、各軸受部材
136は、その長軸方向他端に設けた取付孔136cに
て弾性部材114に取り付けられ、弾性部材114が発
揮する弾性的付勢力を、プラテン112の軸部134に
伝達するように作用する。
【0069】このようにフレーム体118は、サーマル
ヘッド110を固定的に支持する一方で、プラテン11
2をサーマルヘッド110に対して弾性部材114の弾
性的付勢力下で所定方向へ移動可能に支持する。この構
成により、例えば厚みの異なる複数種類の印刷用紙Pに
連続的に印字しようとする場合に、プラテン112は、
弾性部材114の弾性的付勢力を受けつつ、サーマルヘ
ッド110に接近又は離反する方向へ受動的に移動し
て、それら印刷用紙Pをサーマルヘッド110とプラテ
ン112との間に適正な圧力下で正確に挟持することが
できる。また、新たな印刷用紙Pを印刷可能状態に準備
する際に、サーマルヘッド110とプラテン112との
間隔を適宜拡大することにより、両者間に印刷用紙Pの
初端を容易に挿入することができる。
【0070】さらにフレーム体118は、サーマルヘッ
ド110で発生する熱を、天板部分118aから両側板
部分118bに至る全体に伝達して、速やかに放熱する
ように作用する。この観点でフレーム体118は、銅、
鉄、アルミニウム等の熱伝導性に優れた金属材料から形
成されることが有利である。したがってこのサーマルプ
リンタでは、従来のサーマルプリンタで用いられていた
放熱用の金属製支持板を省略できるので、ケーシングの
寸法削減が促進される。なお、サーマルヘッド110の
基体128は、図示しないボルトや熱伝導性に優れた接
着剤等を用いて、フレーム体118の天板118aに固
定できる。
【0071】フレーム体118に支持されるプラテン1
12は、軸部134を軸支した一対の軸受部材136の
スリーブ部分136bとフレーム体118の対応の支承
穴132との摺動係合下で、プラテン本体138の外周
面がサーマルヘッド110の線状の発熱体140(図1
6)に一様に押し付けられる印字可能位置と、プラテン
本体138が発熱体140から離脱する非作用位置との
間で移動できる。また、プラテン112がサーマルヘッ
ド110に対して移動する間、フレーム体118は、一
対の支承穴132と対応の軸受部材136のスリーブ部
分136bとの係合により、プラテン112の回転軸線
112a(図16)をサーマルヘッド110の線状の発
熱体140に対し実質的平行な状態に維持する。
【0072】回転駆動機構116の歯車装置126は、
回転駆動源124の出力軸に固定される原動歯車142
と、一方の軸受部材136の軸受孔136aを貫通する
プラテン軸部134の末端領域に固定される従動歯車1
44と、原動歯車142と従動歯車144との間に作用
的に介在する中間歯車146とを備える。中間歯車14
6は、フレーム体118の一方の側板部分118bの外
面に立設された軸部148に回動自在に取り付けられ
る。歯車装置126は、フレーム体118上でのプラテ
ン112の移動位置に関わらず、回転駆動源124のト
ルクをプラテン112に伝達する。
【0073】用紙ガイド120は、例えば樹脂成形品か
らなり、プラテン112の本体138の円筒状外周面に
対応する凹曲面部分を含むガイド面148を有するとと
もに、ガイド面148をプラテン本体138に対向させ
て、フレーム体118の両側板部分118bの間に配置
される。用紙ガイド120のガイド面148は、好まし
くはプラテン本体138の軸線方向略全長に渡って延長
され、それにより、ガイド面148とプラテン本体13
8の外周面とフレーム体118の両側板部分118bと
の間に、略一定の空隙からなる用紙通路が画定される。
【0074】本実施形態の特徴的構成として、弾性部材
114は、フレーム体118とプラテン112との間に
配置される棒状ばねから形成される。棒状ばねからなる
弾性部材114は、ばね鋼等の弾性金属線材から作製さ
れ、プラテン112に連結される一対の弾性腕部分11
4aと、それら弾性腕部分114aの間に位置してフレ
ーム体118に支持される支持部分114bとを一体に
有する。図18に示すように、支持部分114bは、所
定長さに渡って直線状に延び、一対の弾性腕部分114
aは、支持部分114bに対し互いに略同一方向へ略同
一角度θを成して略同一長さに渡り直線状に延びる。し
たがって、弾性部材114の支持部分114b及び一対
の弾性腕部分114aは、支持部分114bの中心横断
線Oに関して実質的に線対称な形状を有する。なお図示
実施形態では、一方の弾性腕部分114aは弾性部材1
14の線材の一端で終端し、他方の弾性腕部分114a
は、その末端でレバー部分114cに一体的に連結され
る。レバー部分114cは、弾性腕部分114aに略直
交して延び、U字状に撓曲した摘み部分114dを介し
て、弾性部材114の線材の他端で終端する。
【0075】弾性部材114の一対の弾性腕部分114
aは、前述したように、それぞれに軸受部材136を介
して、プラテン112の軸部134の軸線方向両端部分
に連結される。弾性部材114の各弾性腕部分114a
は、支持部分114bから離れた末端領域で、各軸受部
材136の取付孔136cに回動自在かつ摺動自在に嵌
入される。なお図示実施形態では、組立作業を容易にす
るために、弾性部材114のレバー部分114c側の弾
性腕部分114aに取り付けられる一方の軸受部材13
6には、弾性腕部分114aを挿通可能なスリット13
6dを介して軸受部材136の外縁に開口するように取
付孔136cが形成される。
【0076】弾性部材114の支持部分114bは、フ
レーム体118の天板部分118aの外面に設けた掛着
部150に回動自在に掛着される。掛着部150は、天
板部分118aから直立状に立設される一対の壁を有し
(図16)、それら壁の弾性変形を利用して、両壁間に
弾性部材114の支持部分114bをスナップ式に嵌着
できるようになっている。このとき、支持部分114b
の中心横断線O(図18)が、プラテン軸部134上で
両軸受部材136の間の丁度中間を通る横断線に合致す
るように、弾性部材114を位置決めする。弾性部材1
14は、支持部分114bを掛着部144に掛着した状
態で、フレーム体118に対し支持部分114bを中心
に回動でき、それに伴い、一対の弾性腕部分114aが
フレーム体118に対し揺動できる。
【0077】弾性部材114がフレーム体118上で回
動する間に、一対の弾性腕部分114aの、支持部分1
14bから離隔した末端部位と、フレーム体118の天
板部分118aとの間の距離が変動する。それに伴い、
図19(a)及び(b)に示すように、両弾性腕部分1
14aの末端領域に取り付けた一対の軸受部材136
が、プラテン112の軸部134を中心に揺動するとと
もに、それら軸受部材136を介して両弾性腕部分11
4aに連結されたプラテン軸部134が、両軸受部材1
36のスリーブ部分136bとフレーム体118の両支
承穴132との摺動係合下で、直線的に案内されつつ平
行移動する。このように、一対の軸受部材136は、弾
性部材114の回動動作をプラテン軸部134に伝達し
てプラテン112を移動させる連結部材として機能す
る。
【0078】詳述すると、弾性部材114は、両弾性腕
部分114aの末端部位をフレーム体118の天板部分
118aに接近させる方向へ回動するに伴い、一対の軸
受部材136を図19で反時計方向へ揺動させるととも
に、それら軸受部材136を介してプラテン軸部134
に、フレーム体118の天板部分118aから離れる方
向への外力を負荷する。それによりプラテン112は、
本体138の外周面がサーマルヘッド110上の発熱体
140から所定距離だけ離隔する非作用位置へ向けて平
行移動する。そして、弾性部材114の両弾性腕部分1
14aの末端部位がフレーム体118の天板部分118
aに最も接近したときに、プラテン112は非作用位置
に到達する(図19(b))。このとき、弾性部材11
4は、弾性変形を実質的に生じておらず、したがってプ
ラテン112への弾性的付勢力を解除する解放位置にあ
る。この状態で、サーマルヘッド110とプラテン11
2との間に形成される隙間に、印刷用紙Pの初端を容易
に挿入できる。
【0079】反対に、弾性部材114は、両弾性腕部分
114aの末端部位をフレーム体118の天板部分11
8aから離隔させる方向へ回動するに伴い、一対の軸受
部材136を図19で時計方向へ揺動させるとともに、
それら軸受部材136を介してプラテン軸部134に、
フレーム体118の天板部分118aに接近する方向へ
の外力を負荷する。それによりプラテン112は、本体
138の外周面がサーマルヘッド110上の発熱体14
0に一様に押し付けられる印字可能位置へ向けて平行移
動する。そして、弾性部材114の両弾性腕部分114
aの末端部位がフレーム体118の天板部分118aか
ら最も離れる直前に、プラテン112は印字可能位置に
到達する。この位置からさらに弾性部材114を回動さ
せると、プラテン112はもはや実質的に移動できない
ので、両弾性腕部分114aが弾性変形し始め、その変
形量に対応した弾性的付勢力を、一対の軸受部材136
を介してプラテン軸部134に負荷する。そして、両弾
性腕部分114aの末端部位がフレーム体118の天板
部分118aから最も離れたときに、弾性部材114は
作用位置に置かれ、最大の弾性的付勢力をプラテン軸部
134に負荷する(図19(a))。
【0080】このように、弾性部材114は、図19
(a)に示す作用位置にある間に、一対の弾性腕部分1
14aが互いに略同一の弾性変形を生じて、略同一のば
ね力を発揮する。それにより弾性部材114は、一対の
軸受部材136を介して、プラテン112の軸部134
に、その回転軸線方向へ平衡した弾性的付勢力を負荷し
て、プラテン112をサーマルヘッド110に接近する
方向へ付勢する。そして、プラテン112が印字可能位
置にあるときに、弾性部材114はサーマルヘッド11
0とプラテン112との間に、両者の寸法誤差や位置誤
差を吸収するとともに印刷用紙Pの厚みの変化に対応し
て安定的な印字を実現するための、所要の接触圧力を生
成する。
【0081】なお、棒状ばねからなる弾性部材114
は、上記構成に限定されず、例えば図20(a)に示す
ように、レバー部分114cの先端のU字状摘み部分1
14dを省略することもできる。また、図20(b)に
示すように、支持部分114bの中央領域に、U字状に
湾曲するレバー部分114cを形成することもできる。
【0082】上記構成においては、回転駆動機構116
によりプラテン112が回転駆動されて印刷用紙Pを送
り出している最中(例えば印字作業中)に、用紙厚みの
変動等に起因してプラテン112がサーマルヘッド11
0に対し受動的に移動すると、歯車装置126における
従動歯車144とその前段の中間歯車146との噛合条
件(例えばバックラッシ)が幾分変化する。歯車装置1
26におけるトルク伝達損失や騒音を可及的に低減する
ためには、このような噛合条件の変化を最小限にする必
要がある。そこで、図21(a)に示すように、従動歯
車144に対して中間歯車146を、予測されるプラテ
ン112(すなわち従動歯車144)の受動的移動軌跡
に略直交する方向(図で鉛直下方)へ整列させて配置す
ることが有利である。この場合、図21(b)に模式図
的に示すように、プラテン112の受動的移動範囲Dの
両端における従動歯車144の回転軸線144a(すな
わちプラテン回転軸線112a)の位置から等距離Eの
位置に、中間歯車146の回転軸線146aを配置す
る。このような構成により、従動歯車144と中間歯車
146との噛合条件の変化を最小限に抑制することがで
きる。なお、歯車装置126におけるこのような歯車相
対配置を容易にするために、図示のように回転駆動源1
24をフレーム体118の下方位置に配置することもで
きる。
【0083】上記構成を有するサーマルプリンタでは、
図22に示す従来のサーマルプリンタに比べて、サーマ
ルヘッド202の支持板(放熱板)、ヘッド付勢用の板
ばね206、ヘッド揺動軸及びヘッド解放レバーを省略
できるので、図22のサーマルプリンタと同様にサーマ
ルヘッド202とプラテン204とが側方並置される構
成であっても、プリンタケーシングの特に縦(奥行き)
方向の寸法を効果的に削減することができる。この観点
では、プラテン軸部134とフレーム体118との間の
摩擦を軽減するための軸受部材136に、弾性部材11
4とプラテン軸部134とを連結する作用を付加したこ
と、及び弾性部材114を構成する棒状ばねに操作用の
レバー部分114cを設けたことが、部品点数の削減及
びそれに伴うコスト削減に寄与している。
【0084】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、駆動プラテンを有するサーマルプリンタにお
いて、所要の印字機能を確保しつつ、携帯型情報機器に
接続して使用するのに適する水準まで外形寸法を削減す
ることが可能になる。さらに本発明によれば、サーマル
プリンタの外形寸法が著しく削減された場合にも、印刷
用紙を印字可能状態に容易かつ迅速に準備することが可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるサーマルプリン
タの外観を示す斜視図である。
【図2】図1のサーマルプリンタの内部構造を概略で示
す斜視図である。
【図3】図1のサーマルプリンタの線III−IIIに沿った
断面図である。
【図4】図1のサーマルプリンタにおける印字部を示す
分解斜視図である。
【図5】図1のサーマルプリンタにおける駆動機構を示
す分解斜視図である。
【図6】図5の駆動機構を組み立てた状態で示す正面図
である。
【図7】図6の駆動機構の作用を説明する図である。
【図8】変形例による駆動機構を示す分解斜視図であ
る。
【図9】図8の駆動機構を組み立てた状態で示す正面図
である。
【図10】本発明の第2の実施形態によるサーマルプリ
ンタの、用紙ガイドを部分的に示す斜視図である。
【図11】図10の用紙ガイドを有するサーマルプリン
タの主要部を部分的に示す斜視図である。
【図12】図10の用紙ガイドの動作説明図で、(a)
ガイド位置、及び(b)開放位置を示す。
【図13】図10の用紙ガイドの連動機構を示す拡大図
である。
【図14】図13の連動機構の動作説明図で、(a)ガ
イド位置、(b)中間位置、及び(c)開放位置を示
す。
【図15】本発明の第3の実施形態によるサーマルプリ
ンタの主要部を示す斜視図である。
【図16】図15のプリンタ主要部の、用紙送り動作時
の断面図である。
【図17】図15のプリンタ主要部の分解斜視図であ
る。
【図18】図15のサーマルプリンタに装備される弾性
部材の拡大斜視図である。
【図19】図15のサーマルプリンタにおける弾性部材
の動作説明図で、プラテンが(a)印字可能位置、及び
(b)非作用位置にある状態を示す。
【図20】図18の弾性部材の(a)一変形例、及び
(b)他の変形例を示す斜視図である。
【図21】図15のサーマルプリンタにおける歯車装置
の、(a)正面図、及び(b)動作説明図である。
【図22】従来技術によるサーマルプリンタの内部構造
を概略で示す斜視図である。
【符号の説明】
12、110…サーマルヘッド 14、112…プラテン 16…駆動機構 18、118…フレーム体 20…制御回路板 22、120…用紙ガイド 34、140…発熱体 40、138…本体 42、134…軸部 44、124…回転駆動源 46、126…歯車装置 48、132…支承穴 64、142…原動歯車 66、144…従動歯車 68、69、146…中間歯車 70、88…揺動部材 78、96、114…弾性部材 102…連結軸 104…連結穴 136…軸受部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C058 AB17 AC06 AF31 DA03 DA10 DA20 2C065 AA01 CC02 CC13 CC17 CC24 CC25 CC27

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーマルヘッドと、該サーマルヘッドと
    協働して印刷用紙を挟持するプラテンと、該サーマルヘ
    ッドと該プラテンとを相互に弾性的に押し付ける弾性部
    材と、該プラテンを駆動する駆動機構と、該サーマルヘ
    ッド及び該プラテンを支持するフレーム体とを具備する
    サーマルプリンタにおいて、 前記フレーム体は、前記サーマルヘッドを固定的に支持
    するとともに、前記プラテンを該サーマルヘッドに対し
    て移動可能に支持し、 前記駆動機構は、回転駆動源と、該回転駆動源から前記
    プラテンにトルクを伝達する歯車装置と、該プラテンに
    回転自在に連結されるとともに、該歯車装置のうちで該
    プラテンよりも前段に配置されるいずれか1つの歯車の
    回転軸線を中心に、該歯車よりも後段の従動側歯車及び
    該プラテンを伴って揺動できる揺動部材とを具備するこ
    と、を特徴とするサーマルプリンタ。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材は、前記揺動部材に、前記
    歯車の前記回転軸線を中心として前記プラテンを前記サ
    ーマルヘッドに接近する方向へ付勢する弾性的付勢力を
    負荷する請求項1に記載のサーマルプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記サーマルヘッドは、発熱体を配置す
    る印字面を有し、前記フレーム体は、前記プラテンを、
    前記歯車の前記回転軸線を中心とする円弧軌道に沿っ
    て、該印字面上の該発熱体に一様に押し付けられる印字
    可能位置に案内する案内構造を有する請求項1又は2に
    記載のサーマルプリンタ。
  4. 【請求項4】 前記揺動部材の揺動中心となる前記回転
    軸線を有する前記歯車が、前記回転駆動源の出力軸に固
    定される原動歯車である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のサーマルプリンタ。
  5. 【請求項5】 前記プラテンの近傍に配置されて用紙通
    路を画定する用紙ガイドをさらに具備し、該用紙ガイド
    は、該プラテンに接近して印刷用紙を該プラテンの表面
    に沿わせるガイド位置と、該プラテンから離れて該用紙
    通路への印刷用紙の導入を容易にする開放位置との間
    で、前記揺動部材と連動して移動できる請求項1〜4の
    いずれか1項に記載のサーマルプリンタ。
  6. 【請求項6】 前記揺動部材と前記用紙ガイドとの間
    に、前記弾性部材の弾性的付勢力下で該用紙ガイドを前
    記開放位置に保持できる連結機構を具備する請求項7に
    記載のサーマルプリンタ。
  7. 【請求項7】 サーマルヘッドと、該サーマルヘッドと
    協働して印刷用紙を挟持するプラテンと、該サーマルヘ
    ッドと該プラテンとを相互に弾性的に押し付ける弾性部
    材と、該プラテンを回転駆動する回転駆動機構と、該サ
    ーマルヘッド及び該プラテンを支持するフレーム体とを
    具備するサーマルプリンタにおいて、 前記フレーム体は、前記サーマルヘッドを固定的に支持
    するとともに、前記プラテンを該サーマルヘッドに対し
    て移動可能に支持し、 前記弾性部材は、前記フレーム体と前記プラテンとの間
    に配置され、該プラテンの回転軸線方向へ平衡した弾性
    的付勢力により、該プラテンを前記サーマルヘッドに接
    近する方向へ付勢すること、を特徴とするサーマルプリ
    ンタ。
  8. 【請求項8】 前記弾性部材が、前記プラテンに連結さ
    れる一対の弾性腕部分と、それら弾性腕部分の間に位置
    して前記フレーム体に支持される支持部分とを有する棒
    状ばねからなる請求項7に記載のサーマルプリンタ。
  9. 【請求項9】 前記弾性部材は、前記プラテンに対し、
    前記弾性的付勢力を負荷する作用位置と該弾性的付勢力
    を解除する解放位置との間で移動できる請求項7又は8
    に記載のサーマルプリンタ。
  10. 【請求項10】 前記弾性部材と前記プラテンとの間に
    配置され、該弾性部材の前記作用位置と前記解放位置と
    の間の移動動作を該プラテンに伝達して該プラテンを移
    動させる連結部材をさらに具備する請求項9に記載のサ
    ーマルプリンタ。
  11. 【請求項11】 前記サーマルヘッドは、発熱体を配置
    する印字面を有し、前記フレーム体は、前記プラテンを
    該印字面上の該発熱体に一様に押し付けられる印字可能
    位置に案内する案内構造を有する請求項7〜10のいず
    れか1項に記載のサーマルプリンタ。
  12. 【請求項12】 前記サーマルヘッドは前記フレーム体
    に直接に固定され、該フレーム体が該サーマルヘッドに
    生じる熱を伝達して放熱する請求項1〜11のいずれか
    1項に記載のサーマルプリンタ。
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